JPH09320840A - ソレノイド装置 - Google Patents

ソレノイド装置

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JPH09320840A
JPH09320840A JP8160700A JP16070096A JPH09320840A JP H09320840 A JPH09320840 A JP H09320840A JP 8160700 A JP8160700 A JP 8160700A JP 16070096 A JP16070096 A JP 16070096A JP H09320840 A JPH09320840 A JP H09320840A
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JP
Japan
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iron core
movable iron
magnetic material
solenoid
welding
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JP8160700A
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English (en)
Inventor
Koichiro Mochizuki
浩一郎 望月
Yuji Takasu
祐二 高須
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Aichi Electric Co Ltd
Original Assignee
Aichi Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、流体を制御する電磁弁に使用され
るソレノイドにおいて、その電磁弁を効率よく駆動させ
るように改良したソレノイドを提供することを目的とす
る。 【構成】 ヨーク7と可動鉄心4の間に磁性材料よりな
る支持筒8を弁体B1 と一体的に形成したので、コイル
2を励磁した際、ヨーク7から可動鉄心4に流れる磁束
が漏出するのを良好に防止できるようにしたことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁力を利用して流体
の流路切換えを行う電磁弁に用いるソレノイドに係わ
り、その目的は、電磁弁を効率よく駆動させることがで
きる改良された簡素な構造のソレノイド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、流体の流路切換用の電磁弁に用
いるソレノイド装置は、例えば、図4に示すように、矩
形状に枠組して成形したソレノイド装置Aのヨーク7に
囲繞して設けたコイル2に、図示しない電源より電流を
通電してコイル2を励磁すると、図5に示すように、ヨ
ーク7→可動鉄心4→固定鉄心3→ヨーク7のルートで
磁束が流れ、それに伴い、固定鉄心3に圧縮バネ13の
バネ圧力に抗して吸引される可動鉄心4に磁路を形成す
るように構成されている。
【0003】従って、前記可動鉄心4は圧縮バネ13に
抗して固定鉄心3に吸引され、この可動鉄心4に取付け
た電磁弁Bの弁棒14先端の弁5が弁口6を開放し、流
体を流入口Xから流出口Yに流通させる。また、弁口6
を閉鎖するときは、コイル2への通電を断つことによ
り、可動鉄心4は圧縮バネ13のバネ圧力により降下
し、弁口6を弁5により閉鎖し、流入口Xと流出口Yと
の流通を阻止する。
【0004】前記のように、流体の流路を的確に確保
し、かつ、制御するためには、前記ソレノイド装置Aの
磁路を形成する磁束を、ヨーク7→可動鉄心4→固定鉄
心3→ヨーク7に対して効率よく流すことが重要となっ
てくる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図4に示す従
来のソレノイド装置Aにおいては、電流を通電してコイ
ル2を励磁した際、可動鉄心4が効率よく固定鉄心3に
吸引されるように、コイル2の内側には可動鉄心4を固
定鉄心3側に昇降案内するステンレス鋼等非磁性材料よ
りなる円筒状の案内筒4bが設けられている。そのた
め、前記ヨーク7と可動鉄心4との間には図5で示すよ
うに、非磁性材料からなる可動鉄心4の案内筒4bが介
在することとなるため、ヨーク7より可動鉄心4に流れ
る磁束には、前記案内筒4bの存在により漏れ磁束が発
生していた。即ち、前記案内筒4bは非磁性材料で形成
されているので、磁束の流れに対しては空気の如くほと
んど寄与することがないので、ヨーク7下部の挿通孔9
と可動鉄心4との間隙が必然的に広くなり、磁束の円滑
な流れを阻害する大きな要因となっていた。
【0006】この結果、前記可動鉄心4は、固定鉄心3
への十分な吸引力を得ることができず、流体の流通制御
に支障をきたすことがあった。そこで、前記問題を解決
するために、例えば、コイル2のアンペアターンを大き
くすることにより、ソレノイド装置Aに充分な吸引力を
与えるようにすることも考えられるが、この場合は、コ
イル2自体が大型化するため、その設置スペースの問題
や製作原価を高くするという問題があった。
【0007】また、図4に示す従来のソレノイド装置A
は、前記案内筒4bの上,下端部に位置するa点,b点
において、それぞれ固定鉄心3の外周面と、電磁弁Bの
弁体B1 の弁室B2 周面とに溶接手段を用いて溶着して
いたが、特に、前記案内筒4bのb点における溶接で
は、弁室B2 周面の段差cが弁室B2 の下方に向かって
垂直に構成されている関係上、その溶接手段として、例
えば、前記案内筒4b下端のb点まで電極を伸ばして溶
接を行うことができる、TiG溶接(タングステンイナ
ート溶接)等により案内筒4bの溶接を行っていた。
【0008】前記案内筒4bの溶接を行うTiG溶接
は、タングステン電極と母材(固定鉄心3と案内筒4b
の上端部a及び案内筒4bの下端部bと弁室B2 の段差
c)との間で、アークを発生させ母材を溶かすことによ
り、案内筒4bの上下端と固定鉄心3及び弁体B1 との
溶接を行うもので、溶接によって溶けた金属が不活性ガ
スであるアルゴン又はヘリウムガスによりシールドされ
るので、空気の汚染が少なく、しかも、金属の酸化によ
る強度の低下が少ないため、今日広く使用されている。
【0009】しかしながら、前記TiG溶接は、アーク
中の溶融金属のガス汚染を完全に防止することは難し
く、そのために溶接の予熱,直後熱などを応用しなけれ
ばならず、しかも、前記予熱,直後熱などは、せっかく
熱処理されたマルエージング鋼の調質効果を損ない、強
度を下げる危険が極めて大きい等の問題点があり、図4
に示す案内筒4bにおいても、その中空部に流体が充満
することによって案内筒4bに所要の内圧が加わると、
前記案内筒4bの溶接点a,bに溶接割れや亀裂等が発
生することが度々あった。
【0010】そして、前記溶接割れ等を伝って流体(例
えば、油圧シリンダの作動油)が漏出することにより、
前記作動油の流体圧力が減少し、それが原因で油圧力が
低下し、油圧使用機器の動作不良を誘発するという問題
があった。その上、弁体B1の弁室B2 には段差cが生
じているので、TiG溶接のタングステン電極を狭隘な
案内筒4b下端の溶接点b点まで伸ばして溶接すること
は、非常に手間がかかり面倒であった。
【0011】本発明は、前記の問題点に鑑み、ヨークと
可動鉄心との間の一部に、非磁性材料からなる案内筒を
一方に備えたガイド部材の他方を構成する磁性材料から
なる支持筒を介在させ、コイルへの通電時ヨークから可
動鉄心に流れる磁束に漏れ磁束が発生するのを極力抑制
して、電磁弁を効率よく駆動する簡素な構造で経済的な
製作を可能としたソレノイド装置を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、ソレノイド装
置を載置した磁性材料よりなる電磁弁の弁体の弁室上部
を、ヨーク下部の貫通孔から固定鉄心側に一体的に伸出
させて可動鉄心の一部を昇降案内する支持筒を形成し、
この支持筒を、前記可動鉄心を昇降案内する非磁性材料
からなる案内筒を具備したガイド部材の一部とすること
により、ヨークと可動鉄心との間に磁性材料からなる支
持筒を配置することを可能とした。即ち、可動鉄心を昇
降案内するガイド部材を非磁性材料の案内筒と磁性材料
の支持筒とによって構成したことを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明によれば、磁性材料よりなる電磁弁の弁
体の一部を固定鉄心側に伸出して、非磁性材料からなる
案内筒と連接する支持筒を形成してガイド部材を構成し
たので、即ち、可動鉄心を昇降案内するガイド部材を非
磁性材料と磁性材料とによって形成し、このガイド部材
の上,下端部の外周を、その上方端側の案内筒は固定鉄
心に、下方端側は前記支持筒にそれぞれガイド部材の外
周側より溶着するようにしたので、ヨーク下部と可動鉄
心との間には常に磁性材料からなる支持筒が存在してお
り、コイルを通電により励磁させると、ヨークから可動
鉄心に流れる磁束には、漏れ磁束が発生することはな
く、良好に可動鉄心側に流れ、前記可動鉄心を固定鉄心
に十分な吸引力で効率的に吸引作動させて、流体の流通
制御を的確に行うようにした。
【0014】また、本発明のソレノイド装置は、磁性材
料よりなる支持筒を電磁弁の弁体と一体的に形成し、こ
れを、ヨーク下部の貫通孔から固定鉄心側の上方に伸出
させて、可動鉄心を昇降案内する案内筒と連接してガイ
ド部材を構成したので、ソレノイド装置の組立に際して
は、ガイド部材自体を固定鉄心及び弁体の周方向におい
て溶接が行えるため、従来のソレノイド装置のように、
案内筒の下端と弁体とを、弁体内の段差に妨げられて非
常に溶接のしにくい場所で溶接を行うという必要は全く
ない。従って、本発明のガイド部材の溶接作業は、電子
ビーム溶接によりその電子ビームの焦点距離を容易に溶
接点に合致させて行うことができるため、ガイド部材の
肉厚全域を深く溶解させることが可能となり、前記ガイ
ド部材は機械的な強度の高い、しかも、金属の酸化を防
止した溶接を確実に行うことができる。この結果、ガイ
ド部材の溶接箇所が溶接割れしたり、亀裂が発生したり
することなく、円滑・良好にガイド部材の溶接を行うこ
とができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図2によ
り説明する。そして、従来と同一箇所は同一の符号を付
して説明する。図1において、1は電磁弁に使用される
ソレノイド装置を示し、コイル2に図示しない電源より
電流を通電してコイル2を励磁すると、図2に示すよう
に、ヨーク7→可動鉄心4→固定鉄心3→ヨーク7のル
ートで磁束が流れ、それに伴い、コイル2を巻回したコ
イルボビン2aの中空部上部において、ヨーク7に止着
した固定鉄心3に可動鉄心4が吸引されるように構成さ
れている。そして、前記可動鉄心4の上昇により、該可
動鉄心4の下方端に取付けた弁棒14先端の弁5を上動
させて弁口6を開口し、流体をソレノイド装置1を載置
した電磁弁Bの流入口Xから流出口Yに通流させる。
【0016】また、図1において、8はソレノイド装置
1の下部に設置した磁性材料よりなる電磁弁Bを構成す
る弁体B1 の弁室B2 上部が、前記コイルボビン2aの
中空部に、ヨーク7下部の貫通孔9を挿通して固定鉄心
3側に伸出する前記弁体B1と一体的に形成した支持筒
であり、この支持筒8の上方端を、固定鉄心3に溶着さ
れて可動鉄心4を昇降可能に案内する非磁性材料よりな
る案内筒4aの下方端に、この可動鉄心4との隙間を極
力狭くして、即ち、可動鉄心4が単に上下に摺動できる
程度の隙間を有するように、段差を備えた構造で溶接手
段を用いて連接することにより、非磁性材料と磁性材料
とからなるガイド部材8aを設ける。なお、図2に示す
矢印は、前記コイル2を通電により励磁した際に発生す
る磁束の流れを示す。
【0017】そして、ソレノイド装置1を組立る場合
は、電磁弁Bの弁体B1 に形成した支持筒8と固定鉄心
3に上方端を溶着した案内筒4aとを溶接し、ついで、
コイル2をヨーク7内に挿入して樹脂モールドを行った
ソレノイド本体1aに、ヨーク7下部の貫通孔9を利用
して磁性材料からなる支持筒8を備えたガイド部材8a
を挿通し、ヨーク7上部の挿通孔10から突出する固定
鉄心3に図1のように、平ワッシャ等を介して締付ねじ
11を、ソレノイド本体1aのモールド樹脂層12の上
部から締着することにより、ソレノイド本体1aを弁体
1 上に載置固定して電磁弁Bに用いるソレノイド装置
1の組立を終える。
【0018】次に前記コイル2を励磁した際に、可動鉄
心4に生起する固定鉄心3への吸引力について説明す
る。
【0019】一般的にコイル2を通電により励磁してヨ
ーク7や可動鉄心4,固定鉄心3に磁束を流すと、可動
鉄心4と固定鉄心3の間には以下の
【数1】 に示す吸引力Fが作用する。
【0020】
【数1】
【0021】ここで、Φ:磁束 μ:物質(作動油)の透磁率 S:可動鉄心または固定鉄心の断面積 をそれぞれ表す。なお
【数1】中の負符号は、可動鉄心4が固定鉄心3側に吸
引されることを示す方向符号である。
【0022】上記
【数1】から明らかなように、可動鉄心4と固定鉄心3
の間に発生する吸引力Fは、ヨーク7や可動及び固定鉄
心4,3に流れる磁束Φを増加させることによって増え
ることがわかる。
【0023】また、コイル2を励磁した時に発生する起
磁力と磁束の関係は次の
【数2】 によって与えられる。
【0024】
【数2】
【0025】ここで、N:コイルの巻数 I:コイルに通電する電流値 R:様々な磁気抵抗の合成抵抗 をそれぞれ表す。
【0026】上記
【数2】より、磁束を増加させるためには、様々な磁気
抵抗よりなる合成抵抗を減少させることが必要となり、
この結果、可動鉄心4と固定鉄心3の間に発生する吸引
力Fを増大させるためには、磁気抵抗を極力減少させて
やることが必要であることがわかる。
【0027】つづいて、図1ないし図5により、従来の
ソレノイド装置Aと本発明のソレノイド装置1の各コイ
ル2を通電によりそれぞれ励磁した場合の、可動鉄心4
と固定鉄心3との間に発生する吸引力Fについて説明す
る。
【0028】図3の(a)は、図4に示す従来のソレノ
イド装置Aのコイル2を励磁して、磁路を形成した際の
磁気回路を電気回路に置き換えて考えた回路図であり、
Uは起磁力,Rsは固定鉄心3と可動鉄心4の間に生じ
る磁気抵抗,Rgは非磁性材料よりなる可動鉄心4の案
内筒4bにおいて生じる磁気抵抗,rはヨーク7と可動
鉄心4に形成される磁路の磁気抵抗をそれぞれ示してい
る。
【0029】また、図3の(b)は、図1に示す本発明
のソレノイド装置1のコイル2を励磁して、磁路を形成
した際の磁気回路を電気回路に置き換えて考えた回路図
であり、U,Rs,rは前記図3の(a)に示したもの
と同一であり、rgは磁性材料よりなる支持筒8と可動
鉄心4との間で生じる磁気抵抗を示している。
【0030】そして、前記磁気抵抗Rgやrgのよう
に、磁束が非磁性体部分を通過することによって発生す
る磁気抵抗の値は次の
【数3】 に与えられる。
【0031】
【数3】
【0032】ここで、R:磁気抵抗 l:磁束が通過する非磁性材料部分の距離 μ:作動油の透磁率 S:磁束が通過する作動油部分の面積 をそれぞれ表している。
【0033】そして、例えば、図5に示す従来のソレノ
イド装置Aにおいて、ヨーク7から可動鉄心4に磁束が
流れる際に、磁束が通過するヨーク7と可動鉄心4の間
にある非磁性材料部分の距離l1 を1*10-3[m]と
し、ヨーク7から可動鉄心4に磁束が流れる時に、磁束
が通過する作動油部分の面積S1 を22π*10-6[m
2 ]とし、また、図2に示す本発明のソレノイド装置1
において、磁束が通過する可動鉄心4とガイド部材8a
の支持筒8との距離l2 を0.1*10-3[m]とし、
磁束が通過する作動油部分の面積S2 を90π*10-6
[m2 ]とした場合、従来のソレノイド装置Aにおける
非磁性材料よりなる可動鉄心4の案内筒4bにおいて生
じる磁気抵抗Rgと、本発明のソレノイド装置1におけ
る磁性材料よりなる支持筒8と可動鉄心4との間の作動
油部分に生じる磁気抵抗rgの比は、前記
【数3】に上記の各数値を代入することによって、次の
【数4】 に示すように容易に求めることができる。
【0034】
【数4】
【0035】即ち、前記
【数4】からも明らかなように、本発明のソレノイド装
置1における磁性材料よりなる支持筒8と可動鉄心4と
の間の作動油部分に生じる磁気抵抗rgは、従来のソレ
ノイド装置Aにおける非磁性材料よりなる可動鉄心4の
案内筒4bにおける磁気抵抗Rgに比較して非常に小さ
いものであるため、図3の(a),(b)に示す各回路
図における磁気抵抗の合成抵抗は、本発明のソレノイド
装置1における合成抵抗の方が相当小さくなることが実
証できた。従って、本発明のソレノイド装置1は、従来
のソレノイド装置Aに比較して、より多くの磁束がヨー
ク7及び固定鉄心3,可動鉄心4に流れることが可能と
なり、この結果、可動鉄心4と固定鉄心3の間に十分な
吸引力を得ることができるようになった。
【0036】また、本発明のソレノイド装置1は、図2
に示すように、ヨーク7と可動鉄心4の間に位置するガ
イド部材8aの支持筒8が磁性材料により構成されてい
るので、ヨーク7から可動鉄心4に向かって流れる磁束
に漏れ磁束が発生することはほとんどなく、コイル2に
通電した電流値に対応して可動鉄心4を固定鉄心3に効
率よく吸引させることができる。
【0037】ここで、図2に示す本発明のソレノイド装
置1は、磁性材料よりなる支持筒8が可動鉄心4との間
の隙間が極力狭くなるように、段差を備えた形状で非磁
性材料からなる案内筒4aに溶接されてガイド部材8a
が構成されているので、前記コイル2を励磁した際に
は、可動鉄心4自体が支持筒8側に吸引され、可動鉄心
4と支持筒8との間に摩擦抵抗が発生して、弁5による
弁口6の開閉動作に支障をきたすおそれがある。しか
し、本発明のソレノイド装置1は、制御対象としての流
体を油圧装置等に用いる作動油とし、この作動油は前記
可動鉄心4と支持筒8との間の狭隘な隙間に容易に浸入
し、前記隙間に作動油の油膜を気泡を生じさせることな
く生成させることができるので、可動鉄心4の吸引動作
時、前記摩擦抵抗の軽減を良好にはかることが可能とな
り、この点は実験によっても確認することができた。
【0038】また、本発明は、可動鉄心4の上部側とガ
イド部材8a上部の案内筒4aとの間が、支持筒8と可
動鉄心4との間の隙間に比べて相当広く形成されている
ので、可動鉄心4の固定鉄心3からの釈放時、可動鉄心
4が固定鉄心3から離れる時に生じる可動鉄心4と固定
鉄心3との間の微小な隙間には、直ちに作動油が侵入
し、前記可動鉄心4と固定鉄心3との間の隙間が負圧と
なって可動鉄心4の釈放がブレーキがかかって遅れるこ
とにより、弁5による弁口6の閉動作が遅延するという
問題を確実に解消することができる。
【0039】更に、本発明のソレノイド装置1は、可動
鉄心4の案内筒4aを図2に示すようにd点、即ち、案
内筒4aの外周面において固定鉄心3と支持筒8とに溶
接する構造が採用されているため、図5に示す従来のソ
レノイド装置Aの可動鉄心4の案内筒4bのように、例
えば、タングステンイナート溶接(TiG溶接)の如く
タングステン等よりなる電極を溶接点b(図4参照)に
伸出させて溶接作業を行う必要は全くない。
【0040】したがって、本発明のソレノイド装置1は
図2に示す溶接点dに、電子ビーム溶接を用いて可動鉄
心4のガイド部材8aを容易に溶接することができる。
しかも、前記電子ビーム溶接は、真空中で高速熱電子を
溶接対象部に衝突させて深層部分まで溶融することがで
き、かつ、溶融金属にはガス汚染が全くない。従って、
室温に冷却した際にも、溶融金属中には水素は全く存在
しないので、溶接割れが発生することもほとんどない。
この結果、流体が割れた箇所から漏出することもなく、
漏出によって発生する作動油の圧力低下による機器の動
作不能及び、漏出した高温の作動油による人体等への悪
影響を良好に回避することができる。
【0041】以上説明したように、本発明のソレノイド
装置1は、ガイド部材8aの下方端に磁性材料よりなる
支持筒8を設け、コイル2を励磁した際にヨーク7から
可動鉄心4に流れる磁束が漏出するといった問題を解消
したので、固定鉄心3に可動鉄心4を吸引させるに必要
な吸引力を、ソレノイド自体を特別に大型化することな
く得ることができるので、流体(作動油)の流通制御を
的確に行うことができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のソレノイ
ド装置は、可動鉄心を昇降案内するガイド部材の一部に
磁性材料よりなる支持筒を一体的に形成したので、コイ
ルを励磁した際に、ヨークから可動鉄心へと流れる磁束
が前記ガイド部材から漏洩することがないため、固定鉄
心と可動鉄心との間の吸引力を最大限に確保でき、ま
た、前記支持筒の構造は可動鉄心との隙間が極力小さく
なるよう非磁性材料からなる案内筒とは段差を設けて連
接する構造としたので、可動鉄心と前記ガイド部材の支
持筒との間に介在する作動油部分における磁気抵抗を良
好に小さくすることが可能となり、前記同様に固定鉄心
と可動鉄心との間の吸引力が良好に得られ、流体の流量
制御を行う弁の開閉駆動が的確に行い得、電磁弁におけ
る流体制御を効率的に、しかも、円滑に行うことができ
る。
【0043】また、本発明のソレノイド装置は、可動鉄
心のガイド部材の溶接作業を電子ビーム溶接を利用して
深部まで行うことができ、溶接部における溶接割れを良
好に防ぎ、溶接不良により生ずる流体の漏出による機器
の誤動作を確実に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のソレノイド装置の内部構造を示す縦断
面図である。
【図2】本発明のソレノイド装置の要部を拡大した縦断
面図である。
【図3】従来のソレノイド装置と本発明のソレノイド装
置の起磁力と磁気抵抗との関係を示す磁気回路を電気回
路に置き換えた回路図である。
【図4】従来のソレノイド装置の内部構造を示す縦断面
図である。
【図5】従来のソレノイド装置の要部を拡大した縦断面
図である。
【符号の説明】
1,A ソレノイド装置 2 コイル 3 固定鉄心 4 可動鉄心 4a,4b 案内筒 8 支持筒 8a ガイド部材 a,b,d 溶接点 c 段差

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソレノイドのコイルを通電により励磁
    し、前記ソレノイドの固定鉄心に可動鉄心を吸引動作さ
    せて弁口を開閉動作させるようにした電磁弁のソレノイ
    ドにおいて、前記可動鉄心を昇降案内するガイド部材
    を、非磁性材料と磁性材料とによって構成したことを特
    徴とするソレノイド装置。
  2. 【請求項2】 前記可動鉄心を昇降案内するガイド部材
    は、可動鉄心との間に作動油を介在させ、かつ、非磁性
    材料にて形成した部位を磁性材料からなる部位に対して
    電子ビーム溶接により溶着して構成したことを特徴とす
    る請求項1記載のソレノイド装置。
  3. 【請求項3】 前記ガイド部材は、非磁性材料からなる
    部位と可動鉄心との間隙を、磁性部材からなる部位と可
    動鉄心との間隙より広くして構成したことを特徴とする
    請求項2記載のソレノイド装置。
JP8160700A 1996-05-30 1996-05-30 ソレノイド装置 Pending JPH09320840A (ja)

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JP8160700A JPH09320840A (ja) 1996-05-30 1996-05-30 ソレノイド装置

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Cited By (8)

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