JPH09319841A - 検品方法とその装置 - Google Patents

検品方法とその装置

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JPH09319841A
JPH09319841A JP8138217A JP13821796A JPH09319841A JP H09319841 A JPH09319841 A JP H09319841A JP 8138217 A JP8138217 A JP 8138217A JP 13821796 A JP13821796 A JP 13821796A JP H09319841 A JPH09319841 A JP H09319841A
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frequency
resonance
data carrier
detection
electromagnetic wave
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JP8138217A
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Inventor
Shunichi Ohara
俊一 大原
Yasuhiro Nemoto
泰弘 根本
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低価格でデータ量が多く、薄くシール状に形
成して物品に張り付つけることが可能であり、かさばら
ないデータキャリアを用いた検品装置を実現する。 【解決手段】 物品2に取り付けられるデータキャリア
を1個または複数個の共振回路で構成し、異なる物品に
は共振回路の個数とその共振周波数の少なくともどれか
が異なっているようにする。電磁波発生手段12は、そ
の周波数が時間的に変化する電磁波を発生し、それをア
ンテナ8から出力してデータキャリア4へ印加し、アン
テナ10で受信する。電磁波受信手段14は、各周波数
における受信レベルを検出して周波数スペクトルを出力
し、演算手段16は、このスペクトルの、データキャリ
アのあるときとないときの差から、どの共振回路を持つ
共振回路が存在しているかを検出して当該物品の情報を
得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体の検品方法と
その装置に係わり、特に物品などの付着または搭載され
たキャリアを読み取ることにより、その物品などに関す
る情報や物品の存在を検出するのに好適な物体の検品方
法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】製造ラインにおける物品、部品、工具な
どの識別や、あるいは閉じた領域に収納された物品、例
えば図書の自動貸出や不正持ち出し監視などの目的のた
めに、バーコード、無線タグ、あるいはICキャリアな
どが用いられている。
【0003】ICキャリアは、例えば特開平4−302
087号に記載されているように、薄膜状のメモリを含
むICを物体に付着させておき、このメモリに、電磁的
な結合を用いたリード/ライトヘッドを用いて必要な情
報を送受するようにして、当該物体の識別を行うもので
ある。また、バーコードは、周知のように光学的手段に
よりその情報の読みとりを行うもので、スーパーマーケ
ットなどで多く実用されている。
【0004】無線タグを用いるものは、物体の方に薄膜
状に形成されたコンデンサとコイルの並列共振回路をキ
ャリアとして設けておき、外部から印加した高周波信号
のエネルギーがその共振回路の共振周波数で吸収される
のを検出する。キャリアとしてはバーコードと同様にき
わめて簡単かつ安価に構成できるという特徴を持ってい
る。また、この無線タグ方式の改良に関しては、その存
在をより確実に検出するようにしたもの(特許出願公表
平3−501417号)や、検査領域に複数のキャリ
アがあるときにそれらを識別できるようにしたもの(特
許出願公表 平7−503085号)などがある。本発
明は、特にこの無線タグをキャリアとして用いたものの
改良に関するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ICキャリアを用いる
ものは、豊富な情報を利用できる利点があるが、価格が
高く、また、IC回路が存在するため、データキャリア
にある程度の厚みが必要であり、さらに折れ曲がりに弱
いという問題がある。バーコードは、それ自体は安価で
きわめて薄いものであり、かつ豊富な情報を利用できる
利点があるが、高価な光学的読み取り手段を用い、かつ
光学的に読み取り可能な位置にバーコードを持っていく
必要があり、利用上の制限はさけられない。
【0006】一方、無線タグ、すなわち平面上の共振回
路を用いるものは、安価できわめて薄いという点ではバ
ーコードと同様であり、さらにその読みとりは物品の位
置、方向などに厳しい制限がなく、読み取り装置も簡単
である。しかし、その1個の共振回路の有無による1ビ
ットデータしか識別できず、例えばどのような商品であ
るか判別するためのデータを記載できないという欠点が
あった。
【0007】本発明の目的は、低価格で利用でき、デー
タ量が多く、薄くシール状に形成して物品に張り付つけ
ることが可能であり、且つその読みとり位置や方向に制
限の少ないデータキャリアを用いた検品方法とその装置
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、異なる情報を有する物体には搭載され
る共振回路の個数またはその共振周波数の少なくとも一
部が相異なるところのデータキャリアを付設するととも
に、該データキャリアを付設した物体にその周波数が時
間的に変化する検知用電磁波を印加し、各周波数におけ
る共振の有無を検出することによって当該物体に関する
情報を検出することを特徴とする物体の検品方法を開示
する。
【0009】さらに本発明は、検知対象物体に付設さ
れ、当該物体に対応する情報を搭載される共振回路の個
数とその共振周波数で表したデータキャリアと、該デー
タキャリアを付設した物体に、その周波数が時間的に変
化する検知用電磁波を印加するための送信手段と、前記
検知用電磁波を受信してその各周波数における信号レベ
ルを周波数スペクトルとして検出するための受信手段
と、前記周波数スペクトルの前記共振回路共振周波数に
おけるレベルを調べることにより、当該物体に付設され
たデータキャリアの有する共振回路の個数及びその共振
周波数を検出するための処理手段と、を備えたことを特
徴とする物体の検知装置を開示する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は、本発明になる検品装置の構成例を示すも
ので、搬送手段6、送信アンテナ8、受信アンテナ1
0、電磁波発信手段12、電磁波受信手段14、演算手
段16、物品情報記憶装置40等から構成されている。
物品検知手段3は、搬送されてきた物品2が検知エリア
1に達したことを検知する。搬送ベルト6は、図示され
ていない駆動手段により図中矢印a方向に物品2を搬送
し、検品エリア1内を物品2が通過するようにする。一
方、物品2には、データキャリア4が張り付けられてい
る。
【0011】データキャリア4を検出する検知信号は、
電磁波発生手段12で生成される。すなわち、発信回路
22の出力を掃引発信回路24の出力で変調して高周波
アンプ18で増幅することにより、周期的に周波数の変
化する高周波信号を生成する。図2はその高周波信号の
例を示しており、周波数が1mSごとに20〜200M
Hzの間を直線的に変化するものである。
【0012】電磁波発信手段12から出力された検知信
号は、送信アンテナ8から電磁波として空間に放出され
る。この送信アンテナ8は、図示は省略したが、その平
面内にコイルを有していて、各アンテナ面の垂直方向に
交流磁界を発生する。この検知信号は、検知エリア1を
通過し、受信アンテナ10で受信される。受信アンテナ
10もそのアンテナ面にコイルを有していて、このコイ
ルに垂直方向から入射した磁界に感応する。
【0013】次に、物品2上のデータキャリア4の構成
を説明する。図3は、データキャリア4の構成例を示し
ており、基材54上に複数の共振回路42、42・・・
が形成されている。図4は2個の共振回路42、42の
構成を示しており、一点鎖線の下側は基材54裏面側の
パターンを示して、一点鎖線を軸として下半分を紙面裏
側へ折り返したのが実際の配置である。そして絶縁材か
らなる基材54を挟んで一方(表面)に螺旋状の平面コ
イル部44、接合部45、コンデンサ部47が形成さ
れ、一方(裏面)には、接合部48、コンデンサ部49
が構成される。上下(表と裏)それぞれのコンデンサ部
47、49、接合部45、48はちょうど基材54を挟
んで対向するように配置される。上下のコンデンサ部4
7、49が基材54を挟んで対向することで、コンデン
サ部は容量を有するようになる。接合部45、48は、
加熱、加圧され、基材54の一部を破壊し上下の回路を
短絡する。
【0014】このようにして1つの共振回路42は、図
5に示すように、1つのLC共振回路を構成する。この
共振回路の共振周波数は、コンデンサ部の面積、コイル
部の外径及び巻き数で変わる。従って図4の2つの共振
回路では、コイル部44の長さが違うので、この2つの
共振回路の共振周波数は異なっている。これらの互いに
共振周波数の異なる共振回路42、42・・・をn個ま
で取り付け可能とし、各共振回路を設けるか設けないか
によって情報を表すことにすると、すべての共振回路が
ない場合を除いて最大2n−1種類の情報が表現可能で
ある。
【0015】図4に示したような平面コイルは、共振回
路のインダクタンスを構成するが、送信アンテナ8から
の電磁波に感応し、共振回路に電流を供給するアンテナ
として作用する。この平面コイルは指向性がある、即ち
その垂直方向の磁界成分にのみ感応するため、確実に共
振回路42の存在を検知するために、送信アンテナ8、
受信アンテナ10とも、図示するように、搬送方向に直
行するように垂直方向、水平方向それぞれに対向して配
置している。
【0016】検知エリア1に物品2が達すると、データ
キャリア上4の共振回路42が特定の周波数で共振し、
その周波数成分のエネルギーを吸収し、受信アンテナ1
0が受け取る振幅が低下する。従って、振幅が低下した
周波数を検知することにより、データキャリア上のある
共振周波数をもつ共振回路の有無を検知し、それにより
データキャリアのデータを検出することができる。この
ためにまず、図1の電磁波受信手段14は、受信アンテ
ナ10の受信した信号を高周波アンプ26で増幅し、検
波回路28で包絡線検波し、搬送波の振幅の最大値を結
んだ波形を形成する。共振回路が存在する場合、その共
振周波数の振幅が低下するため、その部分が低下した波
形が現れる。この振幅の低下は、変調周期(例えば1m
S)に同期して現れる。その後、ノイズキャンセル回路
30により、検波した波形からノイズ成分を取り除く。
【0017】図6は、検知エリア1にデータキャリアが
無い場合の受信信号(電磁波受信手段14の出力)の周
波数スペクトルの例である。横軸は周波数f、縦軸は信
号の振幅を示す。周波数に対して送信アンテナ8に供給
される信号電力が一定であっても、受信アンテナ10が
受け取る信号の電力は周波数に応じて変化する。これ
は、アンテナ8、10の基本共振周波数f0、さらに
は、その周波数の整数倍の周波数f1、f2、f3、f
4....では、送信、受信ともゲインが高くなるため
である。そのため、本構成例のように広範囲に周波数を
変化させる場合は、周波数スペクトル82のように、ア
ンテナ共振周波数f0 の整数倍f1、f2、f3・・・毎
にゲインのピークが現れる。電波法上では、免許が不要
なアンテナ出力ならばどこであっても自由に使えるが、
そのアンテナ出力で目的とする検知を可能とするには、
このような送信、受信アンテナの共振周波数、とくに受
信アンテナの共振周波数とキャリアの共振回路の共振周
波数とを合わせ、受信ゲインを高めることが、検知精度
を高めるために有効である。
【0018】図7は、検知エリア1にデータキャリアが
有る場合の受信信号の周波数スペクトルの例である。こ
の例では、周波数スペクトル84は、周波数f1、f3、
f4の共振周波数を持つ共振回路を有するデータキャリ
アを読み取った場合を示しているこれらの周波数では、
共振回路がその共振周波数で電磁波のエネルギーを吸収
し、それによってその共振周波数における受信振幅が、
データキャリアが存在しない場合の周波数スペクトル8
2に比べて低下している。
【0019】演算手段16では、上記のような受信信号
をA/D変換回路38でディジタルデータとし、CPU
36へ送る。また、掃引発信回路24の同期信号は演算
手段16に送られ、パルスジェネレータ31はこれに同
期してタイミングパルスを生成しCPU36へ出力す
る。このタイミングパルスは、図2の周波数掃引の周期
と同じ周期を有していて、このタイミングパルスを基準
とする位相は、電磁波発生手段12から出力されている
検知信号の周波数と対応している。従ってCPU36
は、このタイミングパルスが入力された時刻からの時間
を計測することで、その時点の受信信号の周波数を知る
ことができる。なお、逆にパルスジェネレータ31がタ
イミングパルスを作成し、そのパルスをもとに掃引発信
回路24が変調周期を決定する構成としても、同様な動
作が可能であることはいうまでもない。
【0020】図9は、CPU36により実行される処理
のフローチャートである。この処理は、メモリ32に格
納されたプログラムにより実行される。オペレータが図
示されていない操作手段によって検知の開始を指示する
と(ステップ900)、搬送ベルト6が稼働する。次に
物品2が検知エリア1に無い状態では(ステップ90
1、902)、前記の受信信号を読みとり(ステップ9
03)、これをメモリ34に記憶する(ステップ90
4)。この信号は、検知エリア1空間の、基準となる電
磁的な状態を示し、図7のスペクトル82に対応するデ
ータである。この時、各時刻における入力周波数は、前
記のタイミングパルスから知ることができる。
【0021】次に、物品2が投入され、搬送ベルト6に
よって検知エリア1へ向かって搬送され、物品2が物品
検知手段3により検知されると(ステップ902でyes
の場合)、搬送エリア1に物品2が達するタイミングで
受信信号を読みとる(ステップ905)。この時も、前
記のようにしてCPU8は受信信号の周波数対応の信号
レベルを読みとる。次に、データキャリア4でのメモリ
34の記憶値である基準信号から物品が存在する状態の
信号を差し引き、共振回路の存在による振幅変動分を抽
出する(ステップ906)。例えば図6のデータから図
7のデータを差し引いたものは図8の差分データのよう
になる。そこで各共振回路の共振周波数においてこの差
分データがあらかじめ定められた閾値Pt を越えている
かを判定し(ステップ907)、この結果をコード化す
る(ステップ908)。そして物品情報記憶装置40を
参照して、ステップ908で得たコードと比較すること
で、物品に関する情報を得る(ステップ909)。この
物品情報記憶装置40には、あらかじめ物品に応じたデ
ータキャリアのデータと、例えばその物品の内容、価
格、仕分け手順などを対応させて記憶しておくものとす
る。その後、装置動作の指示がなければ(ステップ91
0でno)、さらに次の物品の検知に備える。また、オペ
レータが図示されていない入力手段を用いて終了の指示
をすれば(ステップ910でyes)、そこで検知を終了
する。
【0022】以上のようにして、本構成例によると、平
面上のコイルとコンデンサから成る安価で薄いキャリア
を物体に取り付けるだけで、多くの情報を記録・識別で
きるようになるが、これは他の検知方法に比べて、以下
のような特徴を持つ。まず、バーコードを利用した検品
装置の場合、光学的に読み取るため、データキャリアは
常にバーコードリーダ側に向いている必要がある。その
ため、読み取り作業を人手に頼る必要がある。人手を排
除し自動化する場合は、各方向から読み取れるように複
数のバーコードリーダーを用いるため、装置コストが高
くなる。又、複数のバーコードリーダを用いたとして
も、搬送ベルト側にデータキャリアがあると読み取りが
不可能になるため、少なくともデータキャリアが搬送ベ
ルト側に向かないよう人が判断し、搬送ベルト上に物品
を乗せる必要があり、完全自動化は難しい。また、物品
の大きさ、あるいは搬送ベルト上に置かれた位置の変動
によるデータキャリアの位置とバーコードリーダの位置
の変動に対して読み取りを行うためには、読み取り距離
が長く焦点深度が深いバーコードリーダが必要であり、
これは気体を用いた高出力のレーザーが必要で装置コス
トを増すとともにレーザーのメンテナンスが必要にな
る。
【0023】このようなバーコード利用の方法に比べ、
無線タグをデータキャリアとした検品装置は、読み取り
範囲が広く、データキャリアの物品への張り付け位置に
よらずどのような向きからでも、又物体内部に隠れてい
ても、金属などで覆われていなければ読み取りが可能で
ある。
【0024】一方、データ記載のためにICを用いる場
合は、データキャリアが高価になり、使用範囲が限定さ
れる。さらに、ICの保護のためデータキャリアにはあ
る程度厚みが必要であり、かさばる。また、ICはシリ
コン基盤上に形成されるため、折り曲げることができ
ず、それにより、データキャリアも堅く折り曲げられな
いように形成する必要があり、曲面で構成される物品へ
の張り付けが困難になる。
【0025】本構成例によると、無線タグの利点をその
まま実現できるだけでなく、豊富なデータを利用できる
ようになる。即ちデータキャリアの価格が安く、より低
価格な物品でもその価格に占めるデータキャリアのコス
トが無視できるため、容易に搭載可能である。また、共
振回路は金属泊等の薄い導電体で形成できるため、デー
タキャリアは薄く、かつ、柔軟性に富み、さまざまな形
状の物品に張り付けが可能である利点がある。その上、
複数の共振回路を利用することで豊富なデータを利用で
きる。
【0026】なお、検知の精度を高める方法としては、
電磁波受信手段14からの受信信号を複数回にわたって
取り込み、その平均値を用いて図9のステップ906以
下の処理を行うとよい。また、物品がない状態での、図
6に相当するデータの収集を、物品検知の直前などに行
うと、より正確な検知が可能である。
【0027】また、物品が導電体等電磁波を吸収するよ
うな材質を含む場合、図7の周波数スペクトル90(点
線のカーブ)に示すように、広い周波数帯域において振
幅が低下する場合がある。このような場合には、単純に
引き算をするだけでは、共振回路の存在を検知するのが
難しい状況になる。そこで、共振回路の共振周波数以外
の周波数数カ所で、受信された信号の振幅が一定になる
ように、電磁界受信手段14にゲインコントロールを設
ける。すなわち、データキャリアが無い場合の周波数ス
ペクトルから、データキャリアの有る場合の周波数スペ
クトルを引いた時、受信アンテナの共振周波数以外の周
波数数点(h、I、j)のゲインが0に近づくように、デ
ータキャリアが有る場合のゲインを高める。あるいは、
A/D変換後のデジタルデータで、共振周波数以外のいず
れか複数の周波数位置(h、I、j)で、互いの値が平均
して近づくよう、データ全体の増減を行い、物品が導電
体等電磁波を吸収するような材質を含む場合のゲインの
変動に対処する。この場合は、特に回路を追加すること
なく、プログラムで処理するため、装置のコストの上昇
を防ぐことが可能になる。
【0028】図10は、本発明になる検知装置の別の構
成例を示すものである。図1の構成例と異なる点は、そ
れぞれ送信方向が直交するように配置された一対の送信
アンテナ8、8、受信アンテナ10、10に加え、もう
一対の送信アンテナ9と受信アンテナ11を設け、送信
アンテナ8、8と受信アンテナ10、10を結ぶ二本の
直線が形成する面13に交差する方向に送受信を行うよ
うにしたものである。
【0029】データキャリアの平面コイル部には指向性
があり、前述のように送信方向に対して平面コイルの面
が平行になるにつれゲインが減少するから、図1の構成
例によるアンテナ配置では、面13にデータキャリア4
の面が平行に位置すると、共振回路の共振が弱くなる。
そしてデータキャリアの有無の検知のためにより多くの
送信電力が必要になる。そこで図10のように、面13
に交差する方向に送受信を行うための送信アンテナ9と
受信アンテナ11を配置すると、搬送手段6上の物品に
搭載されたデータキャリアの向きがどのようであって
も、データキャリア4の共振回路を常に高い感度で検出
可能になる。あるいはより少ない送信電力で、容易にデ
ータキャリアの共振回路を検出できる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、データキャリアを無線
で読み取るため、読み取り範囲、読み取り位置の制約が
少ない上に、データキャリアのデータ量が多く、多数の
物品にさまざまな情報を付与することが可能になるとい
う効果がある。また、データキャリアが低価格であり、
かつ薄くシール状に形成して物品に張り付つけることが
可能であるから、寸法、形状の点からもコストの点から
も多様な物品にも使用できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる検品装置の構成例を示す図であ
る。
【図2】掃引波形の例である。
【図3】データキャリアの構成例を示す図である。
【図4】共振回路の構成例を示す図である。
【図5】共振回路の等価回路である。
【図6】キャリアがないときの受信信号の周波数スペク
トルの例である。
【図7】キャリアがあるときの受信信号の周波数スペク
トルの例である。
【図8】図6のスペクトルから図7のスペクトルを差し
引いたデータである。
【図9】図1の検品装置の動作を示すフローチャートで
ある。
【図10】本発明の検品装置の他の構成例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 検品エリア 2 物品 4 データキャリア 6 搬送手段 8 送信アンテナ 10 受信アンテナ 12 電磁波発信手段 14 電磁波受信手段 16 演算手段 18 高周波アンプ 20 変調回路 22 発振回路 24 掃引発振回路 26 高周波アンプ 28 検波回路 30 ノイズキャンセル回路 38 A/D変換回路 32、34 メモリ 36 CPU 40 物品情報記憶装置 42 共振回路 44 平面コイル部 45 接合部 47 コンデンサ部 54 基材

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる情報を有する物体には搭載される
    共振回路の個数またはその共振周波数の少なくとも一部
    が相異なるところのデータキャリアを付設するととも
    に、該データキャリアを付設した物体にその周波数が時
    間的に変化する検知用電磁波を印加し、各周波数におけ
    る共振の有無を検出することによって当該物体に関する
    情報を検出することを特徴とする物体の検品方法。
  2. 【請求項2】 前記データキャリアに搭載される共振回
    路は、平面上に構成された平面コイル及び平面コンデン
    サの並列回路からなることを特徴とする請求項1に記載
    の物体の検品方法。
  3. 【請求項3】 前記検知用電磁波は、送信アンテナと受
    信アンテナの対を複数個用いて送受信され、その各対の
    アンテナにより送受される電磁波の磁力線は1つの平面
    上にないように前記送信アンテナと受信アンテナが配置
    されていることを特徴とする請求項2に記載の物体の検
    品方法。
  4. 【請求項4】 前記共振回路の各々は、前記検知用電磁
    波の送信アンテナまたは受信アンテナの共振周波数もし
    くはその整数倍の共振周波数を有したことを特徴とする
    請求項3に記載の物体の検品方法。
  5. 【請求項5】 前記検知用電磁波に対する共振回路の共
    振の有無を、前記データキャリアがないときの前記受信
    アンテナによる受信信号の周波数スペクトルから、前記
    データキャリアがあるときの前記受信信号の周波数スペ
    クトルを差引くことにより検出することを特徴とする請
    求項1に記載の物体の検品方法。
  6. 【請求項6】 検知対象物体に付設され、当該物体に対
    応する情報を搭載される共振回路の個数とその共振周波
    数で表したデータキャリアと、 該データキャリアを付設した物体に、その周波数が時間
    的に変化する検知用電磁波を印加するための送信手段
    と、 前記検知用電磁波を受信してその各周波数における信号
    レベルを周波数スペクトルとして検出するための受信手
    段と、 前記周波数スペクトルの前記共振回路共振周波数におけ
    るレベルを調べることにより、当該物体に付設されたデ
    ータキャリアの有する共振回路の個数及びその共振周波
    数を検出するための処理手段と、 を備えたことを特徴とする物体の検知装置。
  7. 【請求項7】 前記共振回路は平面状コイルと平面上コ
    ンデンサの並列回路で構成されているとともに、前記送
    信手段及び受信手段は、互いに対向する送信アンテナと
    受信アンテナの複数対を有しており、かつ各対のアンテ
    ナ間の電磁波の磁力線は同一平面内にないように前記各
    対のアンテナが配置されていることを特徴とする請求項
    6に記載の物体の検知装置。
  8. 【請求項8】 前記処理手段は、前記受信手段により前
    記データキャリアが存在しないときに検出された第1の
    周波数スペクトルを格納するためのメモリと、前記受信
    手段により前記データキャリアが存在しているときに検
    出された第2の周波数スペクトルと前記メモリに格納さ
    れた第1の周波数スペクトルの差分を求める差分演算手
    段と、該手段の出力が所定の周波数においてあらかじめ
    定められた閾値を越えているとき、当該周波数を共振周
    波数とする共振回路が存在したと判定する判定手段とを
    備えたことを特徴とする請求項6に記載の物体の検知装
    置。
  9. 【請求項9】 前記共振回路の共振周波数以外の周波数
    において、前記第1の周波数スペクトルのレベルと前記
    第2の周波数スペクトルのレベルとが同じとなるように
    前記第1もしくは第2の周波数スペクトルの一方または
    双方のレベル調整を行うためのレベル調整手段を設け、
    該手段によりレベル調整を行った後に前記差分演算手段
    による差分演算を行うことを特徴とする請求項8に記載
    の物体の検知装置。
  10. 【請求項10】 前記処理手段は、前記第1及び第2の
    周波数スペクトルを、前記受信手段からのそれぞれ複数
    回の検出データの平均値から求めることを特徴とする請
    求項8に記載の物体の検知装置。
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