JPH09318607A - バルク波音速または厚さの測定方法および測定装置 - Google Patents

バルク波音速または厚さの測定方法および測定装置

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JPH09318607A
JPH09318607A JP8139804A JP13980496A JPH09318607A JP H09318607 A JPH09318607 A JP H09318607A JP 8139804 A JP8139804 A JP 8139804A JP 13980496 A JP13980496 A JP 13980496A JP H09318607 A JPH09318607 A JP H09318607A
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thickness
bulk wave
sound velocity
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medium
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JP8139804A
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English (en)
Inventor
Ryohei Mogi
良平 茂木
Kinuko Nomura
衣子 野村
Akira Ishiyama
亮 石山
Yutaka Kashiwase
裕 柏瀬
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Tokimec Inc
Original Assignee
Tokimec Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルク波音速または厚さの測定方法および測
定装置に関し、厚さとバルク波音速の双方の値が不明な
場合にも、また、表面波が重畳するような場合であって
も、これらの値を精度良く求めることを目的とする。 【解決手段】 複数の超音波送受波器S0 ,S1 を用い
て、ある一定の厚さdを有する媒体11のバルク波音速
を反射法によって測定する際に、超音波送受波器S0
1 の間隔xを少しずつ変えて測定して反射エコーデー
タを取得し、バルク波音速をパラメータとして変化させ
ながら得られた反射エコーデータに反射エコーのピーク
位置が同相になるようにマイグレーション処理を施し、
その結果反射エコーのピーク値が最大となるときの値を
バルク波音速として求めるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の超音波送受
波器を用いてバルク波音速または厚さを測定する測定方
法および測定装置に関する。超音波で媒体の厚さまたは
バルク波音速を測定することで、被検体の寸法や材質を
管理することは様々な分野で行われており、これらの分
野としては、例えばコンクリート構造物あるいはアスフ
ァルトの舗装道路などがある。このような分野におい
て、厚さとバルク波音速の双方の値が不明な場合でも、
また、表面波が重畳するような場合であっても、これら
の値を精度良く求めることが要望されている。
【0002】
【従来の技術】従来、反射法で被検体の厚さやバルク波
音速を測定する測定方法としては、例えば図10または
図11に示すようなものが知られている。図10に示す
ものは1探触子法と言われ、図11に示すものは2探触
子法と言われている。探触子とは、超音波送受波器のこ
とである。
【0003】まず、図10に示す1探触子法を説明す
る。図10において、1は超音波送受波器であり、超音
波送受波器1は、被検体2の上面3に配置される。4は
超音波であり、超音波4は超音波送受波器1から発信さ
れ、被検体2中を伝搬し、被検体2の底面5で反射し、
超音波送受波器1で受信される。dは被検体2の厚さで
ある。
【0004】超音波送受波器1に電気的パルスを印加し
て、駆動すると超音波送受波器1からは超音波4が発信
され、この超音波4が被検体2中を伝搬する。そして、
この超音波4は被検体2の底面5で反射され、再び超音
波送受波器1に戻ってくる。このように被検体2内を伝
搬する波をバルク波と言う。これが超音波送受波器1で
検知され、電気回路で図12に示すような受信信号(反
射信号)Bが得られる。図中Aは電気パルスを印加した
ときの送信信号を示し、一方、B1で示す信号は1回目
の反射信号を示し、B2は被検体2中を超音波4が2往
復伝搬した反射信号、すなわち2回目の反射信号を示
し、以下B3,B4・・・と続く。そこで、この反射信
号B1が得られるまでの時間tを測定する。もし被検体
2のバルク波音速Cが既知であれば、次式により被検体
2の厚さdが求められる。
【0005】d=Ct/2 (1) 一方、被検体2の厚さdが既知であれば、次式により被
検体のバルク波音速Cが求まる。 C=2d/t (2) このようにパルスの反射信号Bを用いてその往復した伝
搬時間から厚さや音速などを求める方法を、一般にパル
スエコー法と言う。
【0006】しかし、1探触子法においては、図12に
示すように受信信号Bの先頭には電気パルスを印加した
ときの送信信号Aが大きな振幅で存在し、被検体2の厚
さが薄いときにはこのために図13のように反射信号B
1が送信信号Aと重なってしまい、パルスの往復時間t
を反射信号B1の立ち上がり時刻から判定することが困
難になってしまう欠点がある。もちろん、反射信号B
2,B3などが鮮明に観測できれば問題はないのだが、
被検体2が減衰の大きい材料だったりする場合には、反
射信号B2以下のエコーが不鮮明となるので測定するこ
とができない。
【0007】これに対して、図11に示す2探触子法で
は、一対の超音波送受波器1,6からなり、一方の超音
波送受波器1で超音波7を発信し、他方の超音波送受波
器6で受信している。こうすることによって、受信信号
Bには送信信号Aが含まれないで済むので、例えば、厚
さdが極めて薄い場合にも反射信号Bが図14に示すよ
うに鮮明に観測することができる。そして、これら一対
の超音波送受波器1,6の間隔xを知っていれば反射信
号Bの立ち上がり時間tから、被検体2の厚さやバルク
波音速を求めることができる。ただし、求める式は1探
触子法の場合とは異なり、2次式となるが、厚さかバル
ク波音速のいずれか一方を知っておいて他方を求めるこ
とは同様である。
【0008】次に、図15は2探触子法による他の従来
例を示す図である。図15において、2は被検体(媒
体)であり、被検体2は厚さd、底面5および上面3を
もつ。上面3には第1の超音波送受波器1が配置され、
第1の超音波送受波器1は開口径aをもつ。6は第2の
超音波送受波器であり、第2の超音波送受波器6は第1
の超音波送受波器1に対して所定の間隔xをおいて配置
される。
【0009】第1の超音波送受波器1から送信される超
音波7は被検体2を伝搬し、底面5で反射して、底面エ
コー8として第2の超音波送受波器6で受信される。底
面エコー8の波形は、図16の8で示される。図16に
おいて、tは底面エコー8のピーク時刻を示し、Δtは
底面エコー8の立ち上がりからピークまでの時間を示
す。
【0010】また、図15および図16において、9は
第1の超音波送受波器1から第2の超音波送受波器6に
被検体2の上面(表面)3において伝搬する表面波を示
す。第1の超音波送受波器1の開口径aが波長オーダー
に小さくなると表面波9の発生が大きくなり、受信エコ
ーにそれが雑音として重畳する。そこで、表面波9を抑
圧し底面エコー8のみを抽出する方法が必要となる。こ
の方法としては、例えば、特願平5−282918号公
報に開示されている方法がある。
【0011】説明を簡単にするために、図17に示すよ
うな被検体として比較的厚い板10を考える。第2の超
音波送受波器6の位置をx1 からxn まで変えてn回受
信エコーを得る。板10の厚さdが十分大きいとする
と、図18に示すように各エコーの底面エコー8の受信
される時間はほとんど同じ時間である。ところが、表面
波9が受信される時間は第2超音波送受波器6の位置に
したがって異なったものとなる。したがって、表面波9
の受信される時間が半波長ずれているエコーを加算する
と、表面波9は打ち消され、底面エコー8は2倍に強調
される。そのような組み合わせが多数得られるように第
2超音波送受波器6の位置を変えた場合のエコーをn個
加算すると表面波9は打ち消され、底面エコー8はn倍
に強調された信号が得られる。
【0012】このようにして、表面波9を抑圧し底面エ
コー8のみを抽出することで、板10の厚さdまたはバ
ルク波音速を測定することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの測定
方法にあっては、前者の場合には厚さを測定したい場合
にはバルク音速が既知でなければならず、バルク音速を
測定したい場合には厚さが既知でなければならない。と
ころが、実際にはバルク音速も厚さも未知の場合が非常
に多くあり、そのような分野では二つのパラメータを同
時に測定する方法が望まれている。
【0014】例えばあるプラスチックが被検体である場
合、このプラスチックの機械的状態をバルク音速の測定
により観測しようとするが、プラスチックは膨脹係数が
大きいので温度変化で厚さも変化してしまい、伝搬時間
を測定することができても厚さが不明なので音速が求ま
らないことになる。逆に、コンクリートブロックのよう
に複雑な混合体では、混合物の粒径や性状によって音速
が著しく異なるため、既に、埋設されているコンクリー
トの厚さを測定しようとしても必要なバルク音速が不明
な場合が多い。
【0015】また、後者の場合には、表面波を抑圧する
ことは確実にできるが、例えば板の厚さが薄い場合には
底面エコーの受信される時間が超音波送受波器の位置に
よってずれてしまい、加算した場合の受信エコーの波形
が変化してしまい、これを用いて厚さまたはバルク波音
速を求めると誤差が生じ易い。本発明は、このような従
来の問題点に鑑みてなされたものであって、厚さとバル
ク波音速の双方の値が不明な場合にも、また、表面波が
重畳するような場合であっても、これらの値を精度良く
求める測定方法および測定装置を提供することを目的と
する。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、複数の超音波送受波器を用いて、ある一
定の厚さを有する媒体のバルク波音速を反射法によって
測定する測定方法において、前記超音波送受波器の間隔
を少しずつ変えて測定して反射エコーデータを取得し、
バルク波音速をパラメータとして変化させながら、得ら
れた反射エコーデータに反射エコーのピーク位置が同相
になるようにマイグレーション処理を施し、その結果反
射エコーのピーク値が最大となるときの値をバルク波音
速として求めることを特徴とする。
【0017】また、本発明は、複数の超音波送受波器を
用いて、ある一定の厚さを有する媒体のバルク波音速を
反射法によって測定する測定装置において、前記超音波
送受波器の間隔を少しずつ変えて測定して反射エコーデ
ータを取得処理する第1取得処理手段と、バルク波音速
パラメータとして変化させながら、得られた反射エコー
データに反射エコーのピーク位置が同相になるようにマ
イグレーション処理を施す第1演算手段と、マイグレー
ション処理の結果反射エコーのピーク値が最大となると
きの値をバルク波音速として求める第2演算手段を備え
たことを特徴とする。
【0018】また、本発明は、複数の超音波送受波器を
用いて、ある一定のバルク波音速を有する媒体の厚さを
反射法によって測定する測定方法において、前記超音波
送受波器の間隔を表面波のピーク位置が深さ領域である
距離λz だけ変化する距離λs1の範囲に亘って少しずつ
変えて反射エコーデータを取得し、取得した反射エコー
データに反射エコーのピーク位置が同相になるようにマ
イグレーション処理を施し、その結果反射エコーのピー
ク値が最大となるときの値を厚さとして求めることを特
徴とする。
【0019】また、本発明は、複数の超音波送受波器を
用いて、ある一定のバルク波音速を有する媒体の厚さを
反射法によって測定する測定装置において、前記超音波
送受波器の間隔を表面波のピーク位置が深さ領域である
距離λz だけ変化する距離λs1の範囲に亘って少しずつ
変えて反射エコーデータを取得処理する第2取得処理手
段と、取得処理した反射エコーデータに反射エコーのピ
ーク位置が同相になるようにマイグレーション処理を施
す第3演算手段と、マイグレーション処理の結果反射エ
コーのピーク値が最大となるときの値を厚さとして求め
る第4演算手段を備えたことを特徴とする。
【0020】また、本発明は、複数の超音波送受波器を
用いて媒体の厚さまたはバルク波音速を反射法によって
測定する測定方法であって、前記超音波送受波器の間隔
を少しずつ変えて測定してデータを取得し、得られたデ
ータに反射エコーのピーク位置が同相になるようにマイ
グレーション処理を施して、厚さまたはバルク波音速を
求める測定方法において、仮想された厚さデータをもと
に媒体のバルク波音速を求める場合は比較的間隔を大き
くした状態で間隔を少しずつ変えたときに得られたデー
タを用いてバルク波音速を演算し、仮想されたバルク波
音速データをもとに媒体の厚さを求める場合には比較的
間隔を小さくした状態で間隔を少しずつ変えたときに得
られたデータを用いて厚さを演算し、これらの計算を交
互に繰り返し行うことで厚さまたはバルク波音速を求め
ることを特徴とする。
【0021】また、本発明は、複数の超音波送受波器を
用いて媒体の厚さまたはバルク波音速を反射法によって
測定する測定装置であって、前記超音波送受波器の間隔
を少しずつ変えて測定してデータを取得し、得られたデ
ータに反射エコーのピーク位置が同相になるようにマイ
グレーション処理を施して、厚さまたはバルク波音速を
求める測定装置において、仮想された厚さデータをもと
に媒体のバルク波音速を求める場合は比較的間隔を大き
くした状態で間隔を少しずつ変えたときに得られたデー
タを用いてバルク波音速を演算する第5演算手段と、仮
想されたバルク波音速データをもとに媒体の厚さを求め
る場合には比較的間隔を小さくした状態で間隔を少しず
つ変えたときに得られたデータを用いて厚さを演算する
第6演算手段と、第5演算手段による演算と第6演算手
段による演算を交互に繰り返し行うことで厚さまたはバ
ルク波音速を求める第7演算手段を備えたことを特徴と
する。
【0022】本発明によれば、超音波送受波器の間隔を
少しずつ変えて測定して反射エコーデータを取得し、バ
ルク波音速をパラメータとして変化させながら、得られ
た反射エコーデータに反射エコーのピーク位置が同相に
なるようにマイグレーション処理を施し、その結果反射
エコーのピーク値が最大となるときの値をバルク音速と
して求めるようにしたため、表面波が重畳するような場
合にも、バルク波音速を精度良く求めることができる。
【0023】また、超音波送受波器の間隔を表面波のピ
ーク位置が深さ領域である距離λzだけ変化する距離λ
s1の範囲に亘って少しずつ変えて反射エコーデータを取
得し、取得した反射エコーデータに反射エコーのピーク
位置が同相になるようにマイグレーション処理を施し、
その結果反射エコーのピーク値が最大となるときの値を
厚さとして求めるようにしたため、表面波が重畳するよ
うな場合にも厚さを精度良く求めることができる。
【0024】また、複数の超音波送受波器を用いて媒体
の厚さまたはバルク波音速を反射法によって測定し、超
音波送受波器の間隔を少しずつ変えて測定してデータを
取得し、得られたデータに反射エコーのピーク位置が同
相になるようにマイグレーション処理を施して、厚さま
たはバルク波音速を求める場合、仮想された厚さデータ
をもとに媒体のバルク波音速を求める場合は比較的間隔
を大きくした状態で間隔を少しずつ変えたときに得られ
たデータを用いてバルク波音速を演算し、仮想されたバ
ルク波音速データをもとに媒体の厚さを求める場合には
比較的間隔を小さくした状態で間隔を少しずつ変えたと
きに得られたデータを用いて厚さを演算し、これらの計
算を交互に繰り返し行うことで厚さまたはバルク波音速
を求めるようにしたため、表面波を抑圧しながら厚さと
バルク波音速を同時に測定することができ、表面波が存
在する状況においても、プラスチックなどのように温度
変化のために厚さが変化してしまう状況でも、高精度の
バルク波音速測定ができ、厚さもバルク波音速も不明な
埋設されているコンクリートブロックの厚さをも正確に
求めることが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1および図2は本発明の第1実施
形態を示す図である。第1実施形態では厚さを測定する
測定装置および測定方法を説明する。図1において、1
1は被検体としての媒体であり、媒体11は厚さdをも
つ。12は媒体11の底面、13は媒体11の上面(表
面)である。
【0026】媒体11の上面13には第1の超音波送受
波器S0 が配置される。S1 は第2の超音波送受波器で
あり、第2の超音波送受波器S1 は、自由に移動できる
ようになっており、第1の超音波送受波器S0 に対し
て、間隔x1 ,x2 ・・・xnをおいて配置される。第
1の超音波送受波器S0 から送信される超音波14は媒
体11を伝搬し、底面12で反射して底面エコー15と
して第2の超音波送受波器S1 で受信される。底面エコ
ー15のピーク時刻をt、底面エコー15の立ち上がり
からピークまでの時間をΔtとする(図16、参照)。
なお、16は表面波を示す。
【0027】次に、図2は媒体11の厚さdを求める演
算部などを示す。図2において、17はスイッチよりな
る送受切換器であり、送受切換器17は第1,第2の超
音波送受波器S0 ,S1 にそれぞれ接続され、MPU1
8からの指令により送受の切換えを行う。19はトラン
シーバよりなる送受信器であり、送受信器19は送受切
換器17に対する信号の送信および送受切換器17から
の信号の受信を行う。
【0028】20は送受信器19に接続されたA/D変
換器であり、A/D変換器20は超音波の受信波形をデ
ジタル値に変換する。A/D変換器20の出力はMPU
18の制御に基づき波形記憶装置23に各エコー波形デ
ータとして記憶される。MPU18は記憶された多数の
各エコー波形に基づいて、媒体11の厚さdを演算す
る。求めた厚さdは、MPU18からプリンタ21また
は、表示器22に出力される。
【0029】MPU18は第1,第2の超音波送受波器
0 ,S1 の間隔xを表面波16のピーク位置が深さ領
域である距離λz だけ変化する距離λs1の範囲に亘って
少しずつ変えて反射エコーデータを取得処理する第2取
得処理手段18Aと、取得処理した反射エコーデータに
反射エコーのピーク位置が同相になるようにマイグレー
ション処理を施す第3演算手段18Bと、マイグレーシ
ョン処理の結果反射エコーのピーク値が最大となるとき
の値を厚さdとして求める第4演算手段18Cとしての
機能を有する。
【0030】次に、媒体11の厚さdを測定する測定方
法を説明する。前述したように、媒体11の厚さdが波
長に比べて十分に大きくないとき、表面波16を抑圧し
つつ、正確に受信時間を得るための信号処理が必要とさ
れる。一般に、S/N向上の手段としては、開口合成法
が知られている。開口合成法の中でも同相加算(マイグ
レーション)は、超音波送受信器とターゲットの相対位
置を変えた各点において収集した複数のデータを、信号
処理でターゲットの位置にフォーカスさせることによっ
てS/Nを向上する手法であり、レーダでは広く用いら
れている。この手法を利用して、プローブ間距離を変え
た複数のデータを信号処理で媒体の厚さにフォーカスす
ることによって、底面エコーを強調し受信時間を判定で
きれば良い。
【0031】以下、同相加算(マイグレーション処理)
について、説明する。底面エコー15のピーク時刻をt
とすると次のような関係式が成立する(図16、参
照)。
【0032】
【数1】
【0033】ただし、xは第1,第2の超音波送受波器
0 ,S1 の間隔、Cb は超音波のバルク波の音速、Δ
tは底面エコーの立ち上がりからピークまでの時間であ
る。ここで、(3)式の関係を用いて次のようなtz変
換を考える。
【0034】
【数2】
【0035】この変換を記号Zで表し、変換前の時間
(t)領域での受信エコーをe(t)で表し、変換後の
深さ(z)領域での受信エコーをE(z)で表し、添え
字iで第1,第2の超音波送受波器S0 ,S1 の間隔が
i であることを表すと、深さ領域での各エコーは次の
ように書ける。
【0036】
【数3】
【0037】受信エコーに対してこの変換を施すと、間
隔xを変えたエコーであっても、底面エコー15のピー
クの時刻は(3)式の関係を満足するのでz=dに変換
される。すなわち、間隔xを変えたすべての受信エコー
で、底面エコー15のピーク位置について、深さ領域へ
の変換値は同じくなり、変換を施されたエコーを加算す
るとz=dの点にエコーピークがフォーカスされる。こ
の加算またはフォーカスは次の式で示される。
【0038】
【数4】
【0039】したがって、バルク波音速Cb が正確に分
かっていれば、(6)式で表される加算後の波形のピー
ク位置zを求めれば、それが媒体11の厚さdである。
次に、効率よく表面波16を抑圧するための第1,第2
の超音波送受波器S0,S1 の間隔xの選定について述
べる。ある波を打ち消すには、半波長位相のずれた波を
重畳すると良い。さらには、1波長あるいはその整数倍
を位相的に等分割した分だけ位相のずれた波をすべて重
畳しても良い。先の半波長位相のずれた波を重畳するの
は、この特殊な例である。しかし、本実施形態で表面波
16を効率よく抑圧するためには、深さ領域に変換され
た後の波形の表面波16のピークが等位相ずつずれ、し
かも全体として整数波長分ずれるようにしなければなら
ない。以下ではその条件を見いだす。
【0040】時間領域で1波長分の時間遅れ(1/f)
は、深さ領域でも1波長の遅れλzとなる。それは、t
z変換の式より次のようになる。
【0041】
【数5】
【0042】表面波16が受信される時刻は、表面波1
6の音速をCs として次式となる。
【0043】
【数6】
【0044】これを(7)式に代入すると、
【0045】
【数7】
【0046】ここで、(x/Cs )>>(1/f)として
整理すると次のようになる。
【0047】
【数8】
【0048】ただし、λs は表面波の波長である。次
に、間隔xを変化させることで、表面波16のピーク位
置が深さ領域でλzだけ変化するのに必要な、間隔xの
変化量、距離λs1を求める。表面波ピーク位置t=(x
/Cs )+Δtについては(4)式のtz変換は簡単に
なり、次のようになる。
【0049】
【数9】
【0050】したがって、次式が成立する。
【0051】
【数10】
【0052】(10)式と(12)式とで整理すると次
のように求められる。
【0053】
【数11】
【0054】したがって、(13)式で求められるλs1
を等分割した分だけ間隔xを少しずつずらしたときの受
信エコーを、全体として略λs1以上に亘って、加算する
ことで、表面波16を深さ領域で効率よく抑圧すること
ができる。ちなみに、λs1はλs の概ね1.3〜1.6
倍となる。以上のように、表面波16が重畳している場
合でも厚さdを精度良く測定することができる。
【0055】次に、図3〜図5は本発明の第2実施形態
を示す図である。第2実施形態ではバルク波音速の測定
装置および測定方法を説明する。すなわち、第2実施形
態では、仮に媒体の厚さと表面波音速が正確に分かって
おり、バルク波音速の値も大体の精度で分かっている場
合の、バルク波音速の測定装置および測定方法について
説明する。この条件は、十分、実際的なものである。
【0056】図3において、31は被検体としての媒体
であり、媒体31は厚さdが既知である。媒体31の上
面32には第1の超音波送受波器S0 が配置され、第1
の超音波送受波器S0 に対して第2の超音波送受波器S
1 が所定の間隔x1 ,x2 ・・・xn をおいて配置され
る。第2の超音波送受波器S1 は、自由に移動すること
ができるようになっている。
【0057】第1の超音波送受波器S1 から送信される
超音波33は媒体31を伝搬し、底面34で反射して、
底面エコー35として第2の超音波送受波器S1 で受信
される。底面エコー35のピーク時刻をt、底面エコー
35の立ち上がりからピークまでの時間をΔtとする
(図16、参照)。
【0058】36はスイッチよりなる送受切換器であ
り、送受切換器36は第1,第2の超音波送受波器
0 ,S1 にそれぞれ接続され、MPU37からの指令
により送受の切換えを行う。38はトランシーバよりな
る送受信器であり、送受信器38は送受切換器36に対
する信号の送信および送受切換器36からの信号の受信
を行う。
【0059】39は送受信器38に接続されたA/D変
換器であり、A/D変換器39は超音波の受信波形をデ
ジタル値に変換する。A/D変換器39の出力はMPU
37の制御に基づき波形記憶装置43に各エコー波形デ
ータとして記憶される。MPU37は記憶された多数の
各エコー波形に基づいて、媒体31のバルク波音速Cb
を演算する。求めたバルク波音速Cb は、MPU37か
らプリンタ40または、表示器41に出力される。
【0060】MPU37は、第1,第2の超音波送受波
器S0 ,S1 の間隔xを少しずつ変えて測定して反射エ
コーデータを取得処理する第1取得処理手段37Aと、
バルク波音速Cb をパラメータとして変化させながら、
得られた反射エコーデータに反射エコーのピーク位置が
同相になるようにマイグレーション処理を施す第1演算
手段37Bと、マイグレーション処理の結果反射エコー
のピーク値が最大となるときの値をバルク波音速Cb
して求める第2演算手段37Cとしての機能を有する。
なお、図3中42は表面波であり、表面波42は媒体3
1の上面32で第1の超音波送受波器S0 から第2の超
音波送受波器S1 に伝搬する。
【0061】次に、バルク波音速Cb を測定する測定方
法について説明する。バルク波音速Cb を求めるには底
面エコー35が必要であるが、受信エコーには表面波4
2が重畳しているので、底面エコー35を抽出するため
の同相加算処理が必要である。ところが、同相加算でt
z変換を行うにはバルク波音速Cb が必要であり、矛盾
が生じる。そこで、「同相加算では、tz変換に使用し
たバルク波音速Cb の値が正しければ、全ての受信エコ
ーのピークは同相で加算される。」ことを利用して、バ
ルク波音速Cb を推定する。
【0062】すなわち、得られた受信エコーに対してバ
ルク波音速Cb の値をパラメータとして細かく変えなが
ら同相加算後のピーク振幅を比較したとき、最大値が得
られるバルク波音速Cb の値が求めるものである。実際
に、シミュレーションをした結果を図4に示す。横軸は
バルク波音速Cb の誤差であり、縦軸は各バルク波音速
の場合に求められたマイグレーション後のピーク値の振
幅である。この図4から誤差ゼロのバルク波音速Cb
ときのピーク振幅が最大になっていることが分かる。し
たがって、ピーク振幅が最大になる値バルク波音速の値
を読み取れば良い。さらに、いま述べた方法で厚さを変
えてみたシミュレーションでバルク波音速Cb を求めた
結果を図5に示す。ただし、厚さはバルク波の波長λb
で正規化されている。図5ではいずれの厚さの場合にも
バルク波音速の値は正確に求められている。
【0063】次に、図6〜図9は本発明の第3実施形態
を示す図である。これまで媒体の厚さかバルク波音速の
一方が既知の場合、表面波の振幅を抑圧しつつ、もう一
方の未知数を求める測定装置および測定方法について述
べた。この実施形態では、より現実的な状況として、媒
体の厚さとバルク波音速の両方が未知の場合、同時にこ
れら2つの未知数を精度良く求める測定装置および測定
方法について述べる。
【0064】図6において、51は被検体としての媒体
であり、媒体51は厚さdをもつ。52は媒体51の底
面、53は媒体51の上面である。媒体51としては、
例えば温度変化のため厚さが変化してしまい音速を求め
ることができなかった分野のもの、また、厚さも音速も
不明な埋設されているコンクリートブロックなどのよう
なものでも良い。
【0065】媒体51の上面53には第1の超音波送受
波器S0 が配置される。第1の超音波送受波器S0 に対
して、第2の超音波送受波器S1 は自由に移動すること
ができ、間隔x1 ,x2 ・・・xn をおいて配置され
る。すなわち、バルク波音速測定モードでは間隔を比較
的広くした間隔Xで測定し、厚さ測定モードでは間隔を
比較的狭くした間隔xで測定する第1の超音波送受波器
0 から送信される超音波54は媒体51を伝搬し、底
面52で反射して底面エコー55として第2の超音波送
受波器S1 で受信される。
【0066】底面エコー55のピーク時刻をt、底面エ
コー55の立ち上がりからピークまでの時間をΔtとす
る(図16、参照)。56はスイッチよりなる送受切換
器であり、送受切換器56は第1,第2の超音波送受波
器S0 ,S1 にそれぞれ接続され、MPU57からの指
令により送受の切換えを行う。
【0067】58はトランシーバよりなる送受信器であ
り、送受信器58は送受切換器56に対する信号の送信
および送受切換器56からの信号の受信を行う。59は
送受信器58に接続されたA/D変換器であり、A/D
変換器59は超音波の受信波形をデジタル値に変換す
る。A/D変換器59の出力はMPU57の制御に基づ
き波形記憶装置62に各エコー波形データとして記憶さ
れる。MPU57は記憶された多数の各エコー波形に基
づいて、媒体51の厚さdまたはバルク波音速Cb を演
算する。求めた厚さdまたはバルク波音速Cb は、MP
U57からプリンタ60または、表示器61に出力され
る。
【0068】MPU57は、仮想された厚さデータをも
とに媒体51のバルク波音速Cb を求める場合は比較的
間隔を大きくした状態で間隔Xを少しずつ変えたときに
得られたデータを用いてバルク波音速Cb を演算する第
5演算手段57Aと、仮想されたバルク波音速データを
もとに媒体51の厚さdを求める場合には比較的間隔を
小さくした状態で間隔xを少しずつ変えた時に得られた
データを用いて厚さを演算する第6演算手段57Bと、
第5演算手段57Aによる演算と第6演算手段57Bに
よる演算を交互に繰り返し行うことで厚さdまたはバル
ク波音速Cb を求める第7演算手段57Cとしての機能
を有する。
【0069】次に、バルク波音速Cb および厚さdを測
定する測定方法について説明する。底面エコー55の伝
搬時間、バルク波音速および板厚については(3)式の
幾何学的な関係式が成り立つ。そこで、バルク波音速C
b か厚さdの何れか一方が既知であれば、底面エコー5
5の伝搬時間を測定することで他方の値が求まる。ま
ず、厚さdとバルク波音速Cb についての誤差解析を行
う。今、バルク波音速Cb の値が誤差をδCを有するも
のとし、このバルク波音速Cb を用いて求められる厚さ
をd、そのときの誤差をδdとし、これらの誤差が小さ
いものと仮定すると、これらの関係は(3)式の微分を
とることで次のように求まる。
【0070】
【数12】
【0071】逆に、厚さdが既知で伝搬時間からバルク
波音速Cb を求める場合は、厚さ誤差をδdとし、求め
られたバルク波音速の誤差をδCとすると、次の関係に
なる。
【0072】
【数13】
【0073】(14)式と(15)式の関係は全く同じ
式を入れ換えたものである。したがって、厚さ誤差δd
を有する厚さdからバルク波音速Cb を求め、さらにそ
こで求められたバルク波音速Cb を用いて再び厚さdを
求め直しても精度の向上は期待できない。しかし、バル
ク波音速Cb を求める場合と厚さdを求める場合とで第
1,第2の超音波送受波器S0 ,S1 の間隔を変えて行
うと、精度向上を実現することができる。以下に、その
方法について述べる。
【0074】分かりやすさのために、まず、表面波が重
畳していない単純な例について述べる。厚さの値がd0
で、その誤差がδd0 である条件で開始する。このバル
ク波音速測定のモードでは、第1,第2の超音波送受波
器S0 ,S1 の間隔を広く取り、Xとする。そして、測
定された伝搬時間からバルク波音速Cb を算出する。こ
のとき求められたバルク波音速をCb1、誤差をδC1
すると(15)式から次のようになる。
【0075】
【数14】
【0076】次に、今求められたバルク波音速Cb の値
を用いて厚さdを測定する。この厚さ測定のモードで
は、第1,第2の超音波送受波器S0 ,S1 の間隔を狭
く取り、xとする。そして、同様に伝搬時間tの測定値
から厚さdを算出する。このとき求められた厚さを
1 、その誤差をδd1 とすると、それらの関係は(1
4)式から次のようになる。
【0077】
【数15】
【0078】(16)式と(17)式をまとめると次の
ようになる。
【0079】
【数16】
【0080】ここで、比例係数を次のようにrと置く。
【0081】
【数17】
【0082】今、Xがxより大きくなるようにしたの
で、比例係数rは1より小さな値となり、この操作によ
り求められた厚さ誤差はより小さくなることが明らかで
ある。また、この操作をn回繰り返すならば、厚さ誤差
はもっと小さくなることが予想され、それは次式で表さ
れる。
【0083】
【数18】
【0084】ただし、測定値は初回に得られたものが繰
り返し利用できる。実は、この方法では、バルク波音速
b についても同時に高精度に求められており、ここで
求められたバルク波音速Cbnと誤差δCn の比は次式で
表される。
【0085】
【数19】
【0086】したがって、おおよその精度しか持たない
厚さの数値を用いた測定でありながら、精度の良い厚さ
dの値と、精度の良いバルク波音速Cb の値を同時に求
めることができる。この実施形態では厚さdのおおよそ
の値から測定を開始したが、バルク波音速Cb のおおよ
その値から測定を開始しても全く同様に、厚さd、バル
ク波音速Cb 共に高精度の値が得られる。
【0087】本実施形態では、受信エコーを強調するた
めだけでなく、エコーに重畳している表面波を抑圧する
ためにも同相加算の方法を採る。そこで、厚さdを求め
る場合には、間隔を比較的狭くした状態で間隔をλs1
範囲に亘って少しずつ変えて受信エコーを得、これらの
データにtz変換を施して同相加算後のピーク位置から
その厚さを求め、バルク波音速を求める場合には、間隔
を比較的広くした状態で同様にして受信エコーを得た
後、仮定されたバルク波音速Cb の値をパラメータとし
て変化させながら、これらのデータにtz変換を施して
同相加算後のピーク値を求め、それらの中で最大のピー
ク値を与えるバルク波音速Cb を求める。そして、これ
ら2つの測定モードを繰り返し計算して、一つ前のモー
ドの計算で得られた厚さdまたはバルク波音速Cb の値
を用いて新しく他方の値を更新させる。エコーは、厚さ
測定モードおよびバルク波音速測定モードで1度収集し
たものを、繰り返し計算に使用する。以上の方法のアル
ゴリズムを図7に示す。
【0088】本実施形態についてシミュレーションを行
った結果を図8および図9に示す。図8および図9に見
る如く繰り返し回数を増やすにしたがって精度が向上す
るのが分かる。なお、図8は比例係数r=0.5の場合
の繰り返し回数と変速誤差の関係を示し、図9は同じく
比例係数r=0.5の場合の繰り返し回数と厚さ誤差の
回路を示す。なお、図8,9中λb はバルク波の波長を
示す。
【0089】
【発明の効果】以上説明してきたように、超音波送受波
器の間隔を少しずつ変えて測定してデータを取得し、得
られたデータに反射エコーのピーク位置が同相になるよ
うにマイグレーション処理を施して厚さまたはバルク波
音速を求める場合、特に、ある一定の厚さを有する媒体
のバルク波音速を測定する場合には、バルク波音速をパ
ラメータとして変化させながら、得られたデータに反射
エコーのピーク位置が同相になるようにマイグレーショ
ン処理を施し、その結果反射エコーのピークの値が最大
となるときのバルク波音速を採用するようにしたため、
表面波が重畳するような場合でもバルク波音速を精度良
く求めることができる。
【0090】また、同様にして、表面波が重畳するよう
な場合でも厚さを精度良く求めることができる。また、
媒体の厚さまたはバルク波音速を同時に測定する場合に
は、仮想された厚さデータをもとに媒体のバルク波音速
を求める場合は比較的間隔を大きくした状態で間隔を少
しずつ変えた時に得られたデータを用いてバルク波音速
を算定し、仮想されたバルク波音速データをもとに媒体
の厚さを求める場合には比較的間隔を小さくした状態で
間隔を少しずつ変えたときに得られたデータを用いてマ
イグレーション処理により厚さを算定し、これらの計算
を交互に繰り返し行うことで厚さまたはバルク波音速を
精度良く求めるようにしたため、受信エコーに表面波が
重畳する場合にも、厚さとバルク波音速を同時に高精度
に測定することができ、温度変化のために厚さが変化し
てしまい高精度のバルク波音速観測ができなかった分野
でも、高精度のバルク波音速測定ができ、被検体の、例
えば特殊鋼などの熱処理状態を監視することが可能とな
ったり、厚さもバルク波音速も不明な埋設されているコ
ンクリートブロックの厚さを正確に求めることも可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す図
【図2】第1実施形態に係る演算部などを示す図
【図3】本発明の第2実施形態を示す図
【図4】バルク波音速測定の誤差と振幅を示すグラフ
【図5】厚さとバルク波音速誤差の説明図
【図6】本発明の第3実施形態を示す図
【図7】バルク波音速と厚さの同時推定のアルゴリズム
を示す図
【図8】繰り返し回数と音速誤差の関係を示すグラフ
【図9】繰り返し回数と厚さ誤差の関係を示すグラフ
【図10】従来例を示す図
【図11】他の従来例を示す図
【図12】送信信号と反射信号の説明図
【図13】送信信号と反射信号の重畳を示す図
【図14】反射信号を示す図
【図15】2探触子法の説明図
【図16】表面波と底面エコーを示す図
【図17】媒体が厚い場合の例を示す図
【図18】媒体が厚い場合の受信信号の例を示す図
【符号の説明】
11,31,51:媒体 12,34,52:底面 13,32,53:上面 14,33,54:超音波 15,35,55:底面エコー 16,42:表面波 17,36,56:送受切換器 18,37,57:MPU 18A:第2取得処理手段 18B:第3演算手段 18C:第4演算手段 19,38,58:送受信器 20,39,59:A/D変換器 21,40,60:プリンタ 22,41,61:表示器 23,43,62:波形記憶装置 37A:第1取得処理手段 37B:第1演算手段 37C:第2演算手段 57A:第5演算手段 57B:第6演算手段 57C:第7演算手段
フロントページの続き (72)発明者 柏瀬 裕 東京都大田区南蒲田2丁目16番46号 株式 会社トキメック内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の超音波送受波器を用いて、ある一定
    の厚さを有する媒体のバルク波音速を反射法によって測
    定する測定方法において、 前記超音波送受波器の間隔を少しずつ変えて測定して反
    射エコーデータを取得し、 バルク波音速をパラメータとして変化させながら、得ら
    れた反射エコーデータに反射エコーのピーク位置が同相
    になるようにマイグレーション処理を施し、 その結果反射エコーのピーク値が最大となるときのバル
    ク波音速の値を媒体のバルク波音速として採用すること
    を特徴とする測定方法。
  2. 【請求項2】複数の超音波送受波器を用いて、ある一定
    の厚さを有する媒体のバルク波音速を反射法によって測
    定する測定装置において、 前記超音波送受波器の間隔を少しずつ変えて測定して反
    射エコーデータを取得処理する第1取得処理手段と、 バルク波音速パラメータとして変化させながら、得られ
    た反射エコーデータに反射エコーのピーク位置が同相に
    なるようにマイグレーション処理を施す第1演算手段
    と、 マイグレーション処理の結果反射エコーのピーク値が最
    大となるときのバルク波音速の値を媒体のバルク波音速
    として採用する第2演算手段を備えたことを特徴とする
    測定装置。
  3. 【請求項3】複数の超音波送受波器を用いて、ある一定
    のバルク波音速を有する媒体の厚さを反射法によって測
    定する測定方法において、 前記超音波送受波器の間隔を表面波のピーク位置が深さ
    領域である距離λz だけ変化する距離λs1の範囲に亘っ
    て少しずつ変えて反射エコーデータを取得し、 取得した反射エコーデータに反射エコーのピーク位置が
    同相になるようにマイグレーション処理を施し、 その結果反射エコーのピーク値が最大となるときの値を
    厚さとして求めることを特徴とする測定方法。
  4. 【請求項4】複数の超音波送受波器を用いて、ある一定
    のバルク波音速を有する媒体の厚さを反射法によって測
    定する測定装置において、 前記超音波送受波器の間隔を表面波のピーク位置が深さ
    領域である距離λz だけ変化する距離λs1の範囲に亘っ
    て少しずつ変えて反射エコーデータを取得処理する第2
    取得処理手段と、 取得処理した反射エコーデータに反射エコーのピーク位
    置が同相になるようにマイグレーション処理を施す第3
    演算手段と、 マイグレーション処理の結果反射エコーのピーク値が最
    大となるときの値を厚さとして求める第4演算手段を備
    えたことを特徴とする測定装置。
  5. 【請求項5】複数の超音波送受波器を用いて媒体の厚さ
    またはバルク波音速を反射法によって測定する測定方法
    であって、前記超音波送受波器の間隔を少しずつ変えて
    測定してデータを取得し、得られたデータに反射エコー
    のピーク位置が同相になるようにマイグレーション処理
    を施して、厚さまたはバルク波音速を求める測定方法に
    おいて、 仮想された厚さデータをもとに媒体のバルク波音速を求
    める場合は比較的間隔を大きくした状態で間隔を少しず
    つ変えたときに得られたデータを用いてバルク波音速を
    演算し、 仮想されたバルク波音速データをもとに媒体の厚さを求
    める場合には比較的間隔を小さくした状態で間隔を少し
    ずつ変えたときに得られたデータを用いて厚さを演算
    し、 これらの計算を交互に繰り返し行うことで厚さまたはバ
    ルク波音速を求めることを特徴とする測定方法。
  6. 【請求項6】複数の超音波送受波器を用いて媒体の厚さ
    またはバルク波音速を反射法によって測定する測定装置
    であって、前記超音波送受波器の間隔を少しずつ変えて
    測定してデータを取得し、得られたデータに反射エコー
    のピーク位置が同相になるようにマイグレーション処理
    を施して、厚さまたはバルク波音速を求める測定装置に
    おいて、 仮想された厚さデータをもとに媒体のバルク波音速を求
    める場合は比較的間隔を大きくした状態で間隔を少しず
    つ変えたときに得られたデータを用いてバルク波音速を
    演算する第5演算手段と、 仮想されたバルク波音速データをもとに媒体の厚さを求
    める場合には比較的間隔を小さくした状態で間隔を少し
    ずつ変えたときに得られたデータを用いて厚さを演算す
    る第6演算手段と、 第5演算手段による演算と第6演算手段による演算を交
    互に繰り返し行うことで厚さまたはバルク波音速を求め
    る第7演算手段を備えたことを特徴とする測定装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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