JPH09318180A - 多室形空気調和機及びその組立方法 - Google Patents

多室形空気調和機及びその組立方法

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JPH09318180A
JPH09318180A JP13541696A JP13541696A JPH09318180A JP H09318180 A JPH09318180 A JP H09318180A JP 13541696 A JP13541696 A JP 13541696A JP 13541696 A JP13541696 A JP 13541696A JP H09318180 A JPH09318180 A JP H09318180A
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degree
expansion valve
superheat
compressor
controller
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JP13541696A
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Yuji Yoshida
雄二 吉田
Masataka Ozeki
正高 尾関
Mitsuharu Matsuo
光晴 松尾
Shozo Funakura
正三 船倉
Noriho Okaza
典穂 岡座
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多室形空気調和機を長配管接続する場合にも冷
媒量の追加を不要とし、しかも適正な過熱度、過冷却度
及び圧力の基での室温制御の実現を目的とする。 【解決手段】室外機6と3台の室内機7A等を、液ライ
ン同士は各膨張弁4A等が配置された側から液側管路1
2Cとキャピラリーチューブ14を接続し、ガスライン
同士はガス側管路11A等で接続し、冷房運転時は、各
室温制御器による操作量と各第1過熱度制御器による操
作量とを切り換え各膨張弁4A等の開度を操作し、暖房
運転時は、各室温制御器による操作量と各過冷却度制御
器28A等による操作量とを切り換え各膨張弁4A等の
開度を操作し、圧力検知器13の出力を入力としたファ
ジィ演算で決定したメンバシップ値に応じて、各室温を
各室温設定値に一致させるための圧縮機の回転数を決定
する全体能力制御器による操作量と圧力制御器による操
作量とを切り換え圧縮機1の回転数を操作する構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、1台の室
外機と複数台の室内機を接続する多室形空気調和機を長
配管接続する場合にも冷媒量の追加を不要とするシステ
ム構成、及び各膨張弁開度と圧縮機回転数の制御等に利
用可能な、多室形空気調和機及びその組立方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来の1台の室外機と複数台の
室内機を接続する多室形空気調和機のシステム構成図で
ある。
【0003】同図において、1は圧縮機、2は冷暖房サ
イクルを切替える四方弁、3は室外熱交換器、4は液側
管路に設けた全体膨張弁、4A、4B、4Cは3台の各
室内機に対応する各膨張弁、5はアキュムレータであ
り、これら各構成部品は1台の室外機6に備えられてい
る。3台の各室内機7A、7B、7Cは、各室内熱交換
器8A、8B、8C、各室温検知器9A、9B、9Cを
備え、各部屋10A、10B、10Cに設置されてい
る。室外機6及び各室内機7A、7B、7Cのガス側
(以下、ガスラインとも言う)、及び液側(以下、液ラ
インとも言う)は、各ガス側管路11A、11B、11
C、及び各液側管路12A、12B、12Cで接続され
て閉回路を形成している。室外機6の合流されたガス側
管路11には圧力検知器13が備えられており、閉回路
の内部に冷媒を封入してなる周知のヒートポンプサイク
ルが同図に示されている。
【0004】かかる構成における多室形空気調和機の実
施態様を以下に説明する。
【0005】同図に示す通常の多室形空気調和機は、室
外機6と各室内機7A、7B、7Cを一つのセットとし
て、接続できる各ガス側管路11A、11B、11C、
及び各液側管路12A、12B、12Cの接続配管長を
規定している。ここで暖房運転時は、各室内熱交換器8
A、8B、8Cが凝縮器として作用し、各室内熱交換器
8A、8B、8Cから室外機6に配置された各膨張弁4
A、4B、4Cまでの間の各液側管路12A、12B、
12Cは液冷媒で満たされ、冷房運転時は、室外熱交換
器3が凝縮器として作用し、室外機6に配置された各膨
張弁4A、4B、4Cから各室内熱交換器8A、8B、
8Cまでの間の各液側管路12A、12B、12Cは気
液二相状態の冷媒(以下、これを単に二相冷媒とも言
う)で満たされ、これらのいづれの場合にも適正な運転
状態を維持するように、接続配管長を規定している。
【0006】このような空気調和機の設置工事の際に、
接続配管長が規定長さよりも延長される場合には、延長
される配管長に応じて、特に各液側管路12A、12
B、12Cの暖房時の液冷媒および冷房時の二相冷媒に
相当する冷媒量を追加封入している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
様に、接続配管長が規定長さよりも延長されるいわゆる
長配管の多室形空気調和機の場合、冷媒量を追加封入す
る必要があり設置工事において手間がかかると言った課
題が有った。
【0008】又、このような長配管の多室形空気調和機
では、圧縮機1の回転数や各膨張弁4A、4B、4Cの
開度が規定の接続配管長において最適となるように設定
されているため、追加された封入冷媒量においては必ず
しも最適とはならず、接続された複数台の室内機間で過
熱度や過冷却度が過大あるいは過小となり、圧縮機1の
回転数が過小あるいは過大となり、各室温検知器9A、
9B、9Cの出力が各室温設定値に一致しない問題や、
圧縮機1の消費電力が過大となる問題、さらには冷媒が
液状態で圧縮機1に吸入される液バック現象により圧縮
機1が破損する問題があった。
【0009】又、このような従来の多室形空気調和機
は、冷媒としてHCFC22を使用しているが、今後代
替冷媒としてHFC混合冷媒を使用する際には、混合冷
媒の各成分を精度よく追加封入することが困難となると
言った課題も有している。
【0010】本発明は、従来の多室形空気調和機のこの
様な課題を考慮し、いわゆる長配管接続の工事を行う場
合、冷媒量の追加封入が不要な多室形空気調和機の組立
方法を提供することを目的とする。
【0011】又、本発明は、従来の多室形空気調和機の
この様な課題を考慮し、いわゆる長配管の設置工事を行
う場合、冷媒量の追加封入が不要であり、従来に比べて
より一層適切な制御が出来る多室形空気調和機を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、圧縮機と四方弁と室外熱交換器とを少なくとも有す
る1台の室外機と、過冷却度の制御が個別的に行われる
複数の室内機との液ライン同士及びガスライン同士の配
管接続を行う際、前記液ライン同士の配管接続に用い
る、前記複数の室内機に対応した各接続部材の内、何れ
の接続部材の長さも予め定められた所定長さ以下の場合
には、前記液ライン同士の配管接続を前記各接続部材の
みにより行い、又、前記複数の室内機に対応した各接続
部材の内、何れかの接続部材の長さが前記所定長さ以上
の場合には、その接続部材が前記所定長さ以上となる室
内機についての前記液ライン同士の配管接続を、前記接
続部材とともに固定絞り部材をも用いて行い、冷媒封入
量を、前記接続部材の何れの長さも予め定められた所定
長さ以下の場合と比べて、実質的に変えない多室形空気
調和機の組立方法である。
【0013】請求項2記載の本発明は、前記液ラインに
は、前記それぞれの室内機に対応する膨張弁が複数配置
されており、前記複数の室内機に対応した各接続部材の
内、何れかの接続部材の長さが前記所定長さ以上の場合
には、前記接続部材の内部における前記冷媒の状態が気
液二相の状態となる様に、その接続部材を前記固定絞り
部材と前記膨張弁との間に配置する多室形空気調和機の
組立方法である。
【0014】請求項3記載の本発明は、圧縮機、四方
弁、室外熱交換器、全体膨張弁を少なくとも有する1台
の室外機と、室内熱交換器をそれぞれに備えた複数台の
室内機と、前記複数の室内機に対応して配置された複数
の膨張弁と、前記室外機の液ラインと前記複数の室内機
の各液ラインとの接続上の組み合わせの内、少なくとも
一の液ライン同士の接続を行うために、前記膨張弁側に
その一端が接続された液側管路と、前記液ライン同士の
接続を行うための、前記液側管路の他の一端に接続され
た、固定絞り部材をもった付属配管と、前記各室内機に
設置した、室温を検知する各室温検知器と、前記圧縮機
吸入部、または、暖房運転時に蒸発器として作用する室
外熱交換器出口若しくは冷房運転時に蒸発器として作用
する各室内熱交換器出口での、過熱度を検知する過熱度
検知器と、暖房運転時に凝縮器として作用する各室内熱
交換器出口での過冷却度を検知する過冷却度検知器と、
前記各室内機ごとに各室温を各室温設定値に一致させる
ための前記各膨張弁の開度の操作量を決定する各室温制
御器とを備え、冷房運転時に、前記全体膨張弁を全開し
て、前記圧縮機吸入部または前記冷房運転時に蒸発器と
して作用する各室内熱交換器出口での過熱度を過熱度設
定値に一致させるための前記各膨張弁の開度の操作量を
決定する第1過熱度制御器と、暖房運転時に、前記全体
膨張弁により前記圧縮機吸入部または前記暖房運転時に
蒸発器として作用する室外熱交換器出口での過熱度を過
熱度設定値に一致させるための前記全体膨張弁の開度の
操作量を決定する第2過熱度制御器と、暖房運転時に凝
縮器として作用する各室内熱交換器出口での過冷却度を
過冷却度設定値に一致させるための前記各膨張弁の開度
の操作量を決定する過冷却度制御器と、冷房運転時に
は、前記過熱度を入力としたファジィ演算で決定したメ
ンバシップ値に応じて前記第1過熱度制御器による操作
量と前記各室温制御器による操作量とを切り換え、前記
各膨張弁の開度を決定し、又、暖房運転時には、前記過
冷却度を入力としたファジィ演算で決定したメンバシッ
プ値に応じて前記過冷却度制御器による操作量と前記各
室温制御器による操作量とを切り換え、前記各膨張弁の
開度を決定する各膨張弁操作量決定器とを備え、前記各
室内機ごとの各室温を前記各室温設定値に一致させるた
めの前記圧縮機操作量を、前記各室温と前記各室温設定
値と前記各室内機の定格能力とに基づいて決定する各能
力制御器の出力を利用して前記圧縮機の操作量を決定す
る全体能力制御器と、ガス側圧力を検知する圧力検知器
と、前記圧力を圧力設定値に一致させるための前記圧縮
機の回転数の操作量を決定する圧力制御器と、前記圧力
を入力としたファジィ演算で決定したメンバシップ値に
応じて前記圧力制御器による操作量と前記全体能力制御
器による操作量とを切り換え、前記圧縮機の回転数を決
定する圧縮機回転数決定器とを備えた多室形空気調和機
である。
【0015】請求項4記載の本発明は、前記複数台の室
内機に対応する各膨張弁が前記室外機に配置された場合
は、前記固定絞り部材を有する付属配管を前記室内機内
部の液ラインに配置した多室形空気調和機である。
【0016】請求項5記載の本発明は、前記複数台の室
内機に対応する各膨張弁が前記室内機に配置された場合
は、前記固定絞り部材を有する付属配管を前記室外機内
部の液ラインに配置した多室形空気調和機である。
【0017】請求項6記載の本発明は、前記固定絞り部
材をキャピラリーチューブとした付属配管を、長配管接
続の工事の際に付設する場合に、前記付属配管全体を保
護管または保護箱でカバーした多室形空気調和機であ
る。
【0018】請求項7記載の本発明は、冷媒としてHF
C混合冷媒を使用した多室形空気調和機である。
【0019】又、本発明では、上記問題点を解決するた
めになされたもので、多室形空気調和機の接続配管長が
規定長さよりも延長される場合には、例えば、室外機と
各室内機を、液ライン同士は各膨張弁が配置された側か
ら液側管路と固定絞り部材をもった付属配管で接続し、
ガスライン同士はガス側管路で接続し、延長される配管
長に関わらず封入冷媒量を追加せず、各膨張弁開度と圧
縮機回転数の制御方式により最適な運転状態を維持す
る。
【0020】又、本発明では、過熱度や過冷却度が過大
あるいは過小になる問題に対しては、例えば、圧縮機吸
入部または暖房運転時に蒸発器として作用する室外熱交
換器出口または冷房運転時に蒸発器として作用する各室
内熱交換器出口での過熱度を検知する過熱度検知器と、
暖房運転時に凝縮器として作用する各室内熱交換器出口
での過冷却度を検知する過冷却度検知器と、各室内機ご
とに各室温を各室温設定値に一致させるための各膨張弁
の開度の操作量を決定する各室温制御器とを備え、冷房
運転時は全体膨張弁を全開として圧縮機吸入部または冷
房運転時に蒸発器として作用する各室内熱交換器出口で
の過熱度を過熱度設定値に一致させるための各膨張弁の
開度の操作量を決定する第1過熱度制御器と、過熱度を
入力としたファジィ演算で決定したメンバシップ値に応
じて第1過熱度制御器による操作量と各室温制御器によ
る操作量とを切り換え各膨張弁の開度を決定して、過熱
度を適正範囲内に保ち、暖房運転時は全体膨張弁により
圧縮機吸入部または暖房運転時に蒸発器として作用する
室外熱交換器出口での過熱度を過熱度設定値に一致させ
るための全体膨張弁の開度の操作量を決定する第2過熱
度制御器と、暖房運転時に凝縮器として作用する各室内
熱交換器出口での過冷却度を過冷却度設定値に一致させ
るための各膨張弁の開度の操作量を決定する過冷却度制
御器と、過冷却度を入力としたファジィ演算で決定した
メンバシップ値に応じて過冷却度制御器による操作量と
各室温制御器による操作量とを切り換え前記各膨張弁の
開度を決定して、過熱度と過冷却度の両方を適正範囲内
に保つ。
【0021】又、本発明では、各部屋の負荷に対して圧
縮機の回転数が過小あるいは過大となる問題に対して
は、例えば、各室内機ごとの各室温を各室温設定値に一
致させるための圧縮機操作量を各室温と各室温設定値と
各室内機の定格能力をもとに決定する各能力制御器の出
力を合計して圧縮機の操作量を決定する全体能力制御器
と、ガス側圧力を検知する圧力検知器と、圧力を圧力設
定値に一致させるための圧力制御器と、全体能力制御器
による操作量と圧力制御器による操作量とを、圧力を入
力としたファジィ演算で決定したメンバシップ値に応じ
て圧力制御器による操作量と全体能力制御器による操作
量とを切り換え、圧縮機の回転数を決定する圧縮機回転
数決定器を設け、圧力を適正範囲内に保ちつつ、圧縮機
の回転数を適正化する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の具体
的な説明に入る前に、本発明についての概要を述べる。
【0023】本発明では例えば、本発明にかかる一実施
の形態の多室形空気調和機の接続配管長が規定長さより
も延長される場合に、室外機と各室内機を、液ライン同
士は各膨張弁が配置された側から液側管路と固定絞り部
材をもった付属配管で接続し、ガスライン同士はガス側
管路で接続することにより、例えば室外機側に配置され
た各膨張弁と各室内機側に付設された固定絞り部材(例
えば、キャピラリーチューブ等が挙げられる)の間は、
四方弁の切替えによる冷暖房運転時の両方ともに、二相
の冷媒状態となり、配管長の増大による冷媒量増大を相
殺して、封入冷媒量を追加する必要がない。
【0024】このような長配管接続を伴う空気調和機に
おいて必要となるのは、(1)接続配管長が規定長さ以
下の場合、即ち、固定絞り部材(キャピラリーチュー
ブ)を必要としない場合の各膨張弁開度及び圧縮機回転
数の制御と、(2)接続配管長が規定長さよりも延長さ
れる場合(長配管接続の場合)、即ち、固定絞り部材
(キャピラリーチューブ)を例えば室内機側に付設した
場合の各膨張弁開度及び圧縮機回転数の制御とを、統合
した方式により、上記(1)、(2)の何れの場合にも
最適な運転状態を維持する制御方式を確立することであ
る。
【0025】ここで冷房運転時は、過熱度を過熱度設定
値に一致させるための各膨張弁の開度の操作量を決定す
る第1過熱度制御器と、過熱度に応じて第1過熱度制御
器による操作量と各室温制御器による操作量とを切り換
える各膨張弁操作量決定器によって、固定絞り部材(キ
ャピラリーチューブ)のありなしに関わらず過熱度をフ
ィードバックして各膨張弁の開度を制御するため、過熱
度が適正範囲内に保たれる。また暖房運転時は、過熱度
を過熱度設定値に一致させるための全体膨張弁の開度の
操作量を決定する第2過熱度制御器によって、固定絞り
部材(キャピラリーチューブ)のありなしに関わらず過
熱度をフィードバックして全体膨張弁の開度を制御する
ため、過熱度が適正範囲内に保たれる。さらに暖房運転
時は、過冷却度を過冷却度設定値に一致させるための各
膨張弁の開度の操作量を決定する過冷却度制御器と、過
冷却度に応じて過冷却度制御器による操作量と各室温制
御器による操作量とを切り換える各膨張弁操作量決定器
によって、固定絞り部材(キャピラリーチューブ)のあ
りなしに関わらず過冷却度をフィードバックして各膨張
弁の開度を制御するため、過冷却度が適正範囲内に保た
れる。また各室温を各室温設定値に一致させるための圧
縮機の操作量を決定する全体能力制御器と、圧力に応じ
て圧力制御器による操作量と全体能力制御器による操作
量とを切り換える圧縮機回転数決定器によって、固定絞
り部材(キャピラリーチューブ)のありなしに関わらず
圧力をフィードバックして圧縮機の回転数を制御するた
め、圧力が適正範囲内に保たれつつ、長配管接続の場合
にも、圧縮機の回転数が適正化され、各室温検知器の出
力が各室温設定値に一致し、圧縮機の消費電力を最小に
することができ、さらには冷媒の液バックによる圧縮機
の破損を防止することができるものである。
【0026】固定絞り部材(キャピラリーチューブ)を
もった付属配管は、接続する各室内機に対応する各膨張
弁が配置された側から液側管路を介して接続するもので
あり、各膨張弁が室外機に配置された場合には、固定絞
り部材(キャピラリーチューブ)をもった付属配管を各
室内機内部の液ラインに配置したり、各膨張弁が各室内
機に配置された場合には、固定絞り部材(キャピラリー
チューブ)をもった付属配管を室外機内部の液ラインに
配置したりしてもよいことはもちろんのことである。ま
た1台の室外機と、複数台の室内機を、接続する複数台
の室内機に対応する各膨張弁を配置した膨張弁キットを
介して接続する多室形空気調和機の場合には、膨張弁キ
ットが室外機近傍に設置される場合には、固定絞り部材
(キャピラリーチューブ)をもった付属配管を各室内機
近傍の液ラインに配置し、膨張弁キットが各室内機近傍
に設置される場合には、固定絞り部材(キャピラリーチ
ューブ)をもった付属配管を室外機近傍の液ラインに配
置することが、冷媒量の追加封入を不要とする上で望ま
しいものである。さらに固定絞り部材をキャピラリーチ
ューブとした付属配管を長配管接続の工事の際に付設す
る場合には、キャピラリーチューブの折れ曲がり破損を
防ぐために、付属配管全体を保護管または保護箱でカバ
ーすることが望ましい。またキャピラリーチューブの仕
様は、長配管接続の配管長さに応じて変更することが望
ましい。
【0027】又、現在の多室形空気調和機は、冷媒とし
てHCFC22を使用しているが、今後代替冷媒として
HFC混合冷媒を使用する際には、混合冷媒の各成分を
精度よく追加封入することが不要となり、圧縮機潤滑油
としてエステル油を使用する場合には、システムの開放
時間を極力少なくして、エステル油の加水分解を防止す
る等の、副次的効果をもたらすものである。
【0028】(実施の形態1)以下、本発明にかかる長
配管接続時の多室形空気調和機の一実施の形態を図に基
づいて具体的に説明する。
【0029】図1は本発明にかかる一実施の形態の多室
形空気調和機のシステム構成図であり、図7と同様動作
のヒートポンプサイクルを構成し、図7と同じ要素につ
いては同一番号で記している。
【0030】1台の室外機6と2台の通常配管接続され
た室内機7A、7Bの液ライン同士は、液側管路12
A、12Bで接続し、1台の室外機6と1台の長配管接
続された室内機7Cの液ライン同士は、接続する室内機
7Cに対応する膨張弁4Cが配置された室外機6側か
ら、液側管路12Cと、固定絞り部材をキャピラリーチ
ューブ14とした付属配管15とにより接続し、ガスラ
イン同士はガス側管路11で接続し、さらには圧縮機1
の吸入部に過熱度検知器20、各室内熱交換器8A、8
B、8Cのガスライン出口に各過熱度検知器20A、2
0B、20C、各室内熱交換器8A、8B、8Cの液ラ
イン出口に各過冷却度検知器28A、28B、28Cを
取り付けた構成となっている。尚、図1は、本発明にか
かる多室形空気調和機の組立方法の一実施の形態とし
て、3台の室内機7A〜7Cの内の、1台の室内機7C
と室外機6との液ライン同士の配管接続に用いる液側管
路12Cの長さが、予め定められた所定長さ以上の場合
を示している。又、液ライン同士の配管接続に用いる液
側管路12Cの長さが、予め定められた所定長さ以下の
場合には、液ライン同士の配管接続を液側管路12Cの
みにより行い、ガスライン同士はガス側管路11Cで接
続することはいうまでもない。又、本発明の接続部材は
液側管路12Cに対応し、本発明の固定絞り部材はキャ
ピラリーチューブ14に対応する。
【0031】かかる構成における多室形空気調和機の動
作を以下に説明する。
【0032】即ち、冷房運転時は、図1の破線に示す如
く、冷媒は、圧縮機1において圧縮され高温高圧の蒸気
となって四方弁2を通って、室外熱交換器3に至る。か
かるとき室外熱交換器3は凝縮器として働き、冷媒は凝
縮液化する。液化した冷媒は、全開された全体膨張弁4
及び各膨張弁4A、4B、4Cと液側管路12A、12
B、12Cを通って各室内熱交換器8A、8B、8Cに
至る。かかるとき各室内熱交換器8A、8B、8Cは蒸
発器として働き、各部屋10A、10B、10Cの空気
から吸熱することにより蒸発し、低圧蒸気となって各ガ
ス側管路11A、11B、11C、四方弁2、及びアキ
ュムレータ5を通って圧縮機1に吸入されるとともに、
各部屋10A、10B、10Cを冷房する。ここで長配
管接続される室内機7Cは、室外熱交換器3で凝縮液化
した冷媒が、膨張弁4Cで一旦減圧され、付属配管15
のキャピラリーチューブ14によりさらに減圧されるた
め、膨張弁4Cからキャピラリーチューブ14に至る液
側管路12Cは二相状態の冷媒で満たされ、キャピラリ
ーチューブのない場合に比べ、封入冷媒量を追加する必
要がない。
【0033】次に、暖房運転時は、図1の実線に示す如
く、四方弁2の切替えにより、冷媒は、圧縮機1におい
て圧縮され高温高圧の蒸気となって四方弁2を通って、
ガス側管路11A、11B、11Cに吐出され、各室内
機7A、7B、7C内の各室内熱交換器8A、8B、8
Cに至る。かかるとき各室内熱交換器8A、8B、8C
は凝縮器として働き、各部屋10A、10B、10Cの
空気に熱を与えることにより各部屋10A、10B、1
0Cを暖房し、冷媒は凝縮液化する。液化した冷媒は、
各液側管路12A、12B、12C、各膨張弁4A、4
B、4C、及び全体膨張弁4を通って室外熱交換器3に
至る。かかるとき室外熱交換器3は蒸発器として働き、
外気よりの熱を受けて蒸発し、低圧蒸気となって四方弁
2、及びアキュムレータ5を通って圧縮機1に吸入され
る。ここで長配管接続される室内機7Cは、室内熱交換
器8Cで凝縮液化した冷媒が、付属配管15のキャピラ
リーチューブ14により一旦減圧され、膨張弁4Cでさ
らに減圧されるため、キャピラリーチューブ14から膨
張弁4Cに至る液側管路12Cは二相状態の冷媒で満た
され、キャピラリーチューブのない場合に比べ、封入冷
媒量を追加する必要がない。
【0034】次に、各膨張弁4A、4B、4Cの動作に
伴う各部の状況としては、各膨張弁4A、4B、4Cの
開度を増加すると、冷媒の流量が増加し、冷房運転時で
は各部屋10A、10B、10Cの室温が低下し、暖房
運転時では逆に上昇し、その温度は各室温検知器9A、
9B、9Cにより検知される。また、圧縮機1の動作に
伴う各部の状況としては、圧縮機1の回転数を増加する
と、冷媒の流量が増加し、冷房運転時では低圧ガス管路
となる各ガス側管路11A、11B、11Cでの冷媒圧
力が低下し、暖房運転時では高圧ガス管路となる各ガス
側管路11A、11B、11Cでの冷媒圧力が上昇し、
その圧力は圧力検知器13により検知される。
【0035】このような多室形空気調和機では、各部屋
10A、10B、10Cの負荷に応じた各室温の制御
と、圧縮機の信頼性を維持するため、あるいは電力消費
量を低減して効率よく運転するための圧力の制御や過熱
度及び過冷却度の制御が必要となる。
【0036】かかる構成における多室形空気調和機の長
配管接続時の動作を以下に説明する。
【0037】図2は本発明にかかる多室形空気調和機の
各膨張弁の制御器の冷房運転時のブロック構成図であ
る。
【0038】本実施の形態におけるキャピラリーチュー
ブ14を室内機7C近傍に付設した場合は、各膨張弁4
A、4B、4Cの開度をキャピラリーチューブのない場
合のままにしておくと、特に室内熱交換器8Cを流れる
冷媒循環量が減少して、結果として特に室内熱交換器8
Cに取り付けた過熱度検出器20Cでの過熱度が過大と
なり、また各室温検知器9A、9B、9Cの出力が各室
温設定値に一致した状態、即ち平衡時においては、各部
屋10A、10B、10Cの負荷との関係によって過熱
度が過小あるいは過大となり、その過熱度は各室内熱交
換器8A、8B、8Cに取り付けた各過熱度検知器20
A、20B、20Cにより検知される。冷房運転時は、
各室温設定器18A、18B、18Cと各室温検知器9
A、9B、9Cの各出力を入力として各室温を各室温設
定値に一致させる各室温制御器16A、16B、16C
と、各過熱度検知器20A、20B、20Cと過熱度の
目標値を設定する各過熱度設定器21A、21B、21
Cの各出力を入力として過熱度を過熱度設定値に一致さ
せる各第1過熱度制御器22A、22B、22Cと、各
第1過熱度検知器20A、20B、20Cの各出力を入
力としたファジィ演算で決定したメンバシップ値に応じ
て、各室温制御器16A、16B、16Cによる操作量
と各第1過熱度制御器22A、22B、22Cによる操
作量とを切り換え、各膨張弁4A、4B、4Cの開度を
決定する各膨張弁開度決定器23A、23B、23Cと
を備え、この各膨張弁開度決定器23A、23B、23
Cで決定した開度で各膨張弁4A、4B、4Cの開度を
操作するものであり、固定絞り部材(キャピラリーチュ
ーブ)のありなしに関わらず過熱度をフィードバックし
て各膨張弁4A、4B、4Cの開度を制御するため、過
熱度が適正範囲内に保たれる。
【0039】図3は、本発明にかかる多室形空気調和機
の圧縮機の制御器の冷房運転時のブロック構成図であ
る。
【0040】同図に示すように、本実施の形態の多室形
空気調和機の圧縮機の制御器は、各室内機7A、7B、
7Cの各定格能力値を設定する各室内機定格能力値設定
器24A、24B、24Cと各室温の目標値を設定する
各室温設定器18A、18B、18Cと各室温検知器9
A、9B、9Cの各出力を入力として、各室温を各室温
目標値に一致させるための圧縮機操作量を決定する各能
力制御器25A、25B、25Cと、各能力制御器25
A、25B、25Cの各出力の和を出力する全体能力制
御器26と、圧力設定器19と圧力検知器13の各出力
を入力として、圧力検知器13で検知される圧力を圧力
設定値に一致させるための圧縮機操作量を決定する圧力
制御器17と、圧力検知器13の出力を入力としたファ
ジィ演算で決定したメンバシップ値に応じて、全体能力
制御器26による操作量と圧力制御器17による操作量
とを切り換え、圧縮機1の回転数を決定する圧縮機回転
数決定器27とを備え、この圧縮機回転数決定器27で
決定した操作量で圧縮機1の回転数を操作するものであ
る。
【0041】かかる構成における多室形空気調和機の固
定絞り部材(キャピラリーチューブ)のありなしに関わ
らない各膨張弁及び圧縮機の制御器の冷房運転時の動作
を以下に説明する。
【0042】即ち、冷房運転時において、全体膨張弁4
を全開とし、各室温検知器9A、9B、9Cで検知され
た各室温が、各室温設定器18A、18B、18Cの出
力よりも高い場合、各室温制御器16A、16B、16
Cによって各膨張弁4A、4B、4Cの弁開度を開方向
に操作し、また全体能力制御器26によって圧縮機1の
回転数を増加方向に操作し、この結果各膨張弁4A、4
B、4Cやキャピラリーチューブ14によって減圧さ
れ、蒸発器として作用する各室内熱交換器8A、8B、
8Cを流れる冷媒量が増し、各冷房能力が増大して室温
が低下し、各室温設定器18A、18B、18Cの出力
に一致する。このとき、必要とされる各冷房能力が各室
内熱交換器8A、8B、8Cの能力よりも大きい場合、
各膨張弁4A、4B、4Cが開きすぎて各過熱度検知器
20A、20B、20Cで検出される過熱度が小さくな
り、冷媒が液状態で圧縮機1に吸入されて圧縮機1が破
損するおそれがあるが、各過熱度検知器20A、20
B、20Cで検出される過熱度が設定された最小の過熱
度閾値よりも小さな場合には、各膨張弁開度決定器23
A、23B、23Cにおいて各第1過熱度制御器22
A、22B、22Cによる操作量が選択され、各過熱度
検知器20A、20B、20Cで検出される過熱度が各
過熱度設定器21A、21B、21Cの出力に一致する
ように、各膨張弁4A、4B、4Cの開度を閉方向に操
作することにより、各室内熱交換器8A、8B、8Cの
各冷房能力が適正上限能力内に抑えられる。すなわち各
過熱度検知器20A、20B、20Cで検出される過熱
度が過小となり、冷媒が液状態で圧縮機1に吸入される
液バック現象により圧縮機1が破損するという問題を回
避できるものである。
【0043】各室温が下降して必要とされる各冷房能力
が各室内熱交換器8A、8B、8Cの適正上限能力以下
の場合、各過熱度検知器20A、20B、20Cで検出
される過熱度によって各膨張弁開度決定器23A、23
B、23Cにおいて、各第1過熱度制御器22A、22
B、22Cによる操作量と各室温制御器16A、16
B、16Cによる操作量が適宜切り換えられ、過熱度は
最大の過熱度閾値と最小の過熱度閾値の範囲に抑えられ
るように、各膨張弁4A、4B、4Cの開度が決定され
る。
【0044】また、圧力検知器13で検出される圧力に
よって圧縮機回転数決定器27において、圧力制御器1
7による操作量と全体能力制御器26による操作量が適
宜切り換えられ、圧力は最大の圧力閾値と最小の圧力閾
値の範囲に抑えられるように、圧縮機1の回転数が決定
される。
【0045】この結果、各室温は各室温設定器18A、
18B、18Cの出力よりも低くなり、全体能力制御器
26によって圧縮機1の回転数を減少方向に操作し、蒸
発器として作用する各室内熱交換器8A、8B、8Cを
流れる冷媒量が減り、各冷房能力が減少して各室温が上
昇し、各室温検知器9A、9B、9Cの出力は、各室温
設定器18A、18B、18Cの出力に一致する。
【0046】図4は本発明になる多室形空気調和機の各
膨張弁の制御器の暖房運転時のブロック構成図である。
キャピラリーチューブ14を室内機7C近傍に付設した
場合は、各膨張弁4A、4B、4Cの開度をキャピラリ
ーチューブのない場合のままにしておくと、特に室内熱
交換器8Cを流れる冷媒循環量が減少して、室内熱交換
器8Cに取り付けた過冷却度検知器28Cの過冷却度が
過小となり、結果として圧縮機1の吸入部に取り付けた
過熱度検出器20での過熱度が過大となり、また各室温
検知器9A、9B、9Cの出力が各室温設定値に一致し
た状態、即ち平衡時においては、各部屋10A、10
B、10Cの負荷との関係によって過熱度が過小あるい
は過大となり、その過熱度は圧縮機1の吸入部に取り付
けた過熱度検出器20により検知される。暖房運転時
は、過熱度を過熱度設定器21で設定される過熱度設定
値に一致させるための全体膨張弁4の開度の操作量を決
定する第2過熱度制御器22によって、固定絞り部材
(キャピラリーチューブ)のありなしに関わらず過熱度
をフィードバックして全体膨張弁4の開度を制御するた
め、過熱度が適正範囲内に保たれる。
【0047】さらに暖房運転時は、各室温設定器18
A、18B、18Cと各室温検知器9A、9B、9Cの
各出力を入力として各室温を各室温設定値に一致させる
各室温制御器16A、16B、16Cと、各過冷却度検
知器28A、28B、28Cと過冷却度の目標値を設定
する各過冷却度設定器29A、29B、29Cの各出力
を入力として過冷却度を過冷却度設定値に一致させる各
過冷却度制御器30A、30B、30Cと、各過冷却度
検知器28A、28B、28Cの各出力を入力としたフ
ァジィ演算で決定したメンバシップ値に応じて、各室温
制御器16A、16B、16Cによる操作量と各過冷却
度制御器30A、30B、30Cによる操作量とを切り
換え、各膨張弁4A、4B、4Cの開度を決定する各膨
張弁開度決定器23A、23B、23Cとを備え、この
各膨張弁開度決定器23A、23B、23Cで決定した
開度で各膨張弁4A、4B、4Cの開度を操作するもの
であり、固定絞り部材(キャピラリーチューブ)のあり
なしに関わらず過冷却度をフィードバックして各膨張弁
4A、4B、4Cの開度を制御するため、過冷却度が適
正範囲内に保たれる。
【0048】本発明にかかる多室形空気調和機の圧縮機
の制御器の暖房運転時のブロック構成は、図3の冷房運
転時と同じである。
【0049】かかる構成における多室形空気調和機の固
定絞り部材(キャピラリーチューブ)のありなしに関わ
らない各膨張弁及び圧縮機の制御器の暖房運転時の動作
様態を以下に説明する。暖房運転時において、各室温検
知器9A、9B、9Cで検知された各室温が、各室温設
定器18A、18B、18Cの出力よりも低い場合、各
室温制御器16A、16B、16Cによって各膨張弁4
A、4B、4Cの弁開度を開方向に操作し、また全体能
力制御器26によって圧縮機1の回転数を増加方向に操
作し、この結果凝縮器として作用する各室内熱交換器8
A、8B、8Cを流れる冷媒量が増し、各暖房能力が増
大して室温が上昇し、各室温設定器18A、18B、1
8Cの出力に一致する。その後キャピラリーチューブ1
4や各膨張弁4A、4B、4Cによって一旦減圧された
冷媒は、合流してさらに全体膨張弁4によって減圧さ
れ、蒸発器として作用する室外熱交換器3において蒸発
過熱される。このとき、必要とされる各暖房能力が各室
内熱交換器8A、8B、8Cの能力よりも大きい場合、
各膨張弁4A、4B、4Cが開きすぎて各過冷却度検知
器28A、28B、28Cで検出される過冷却度が大き
くなり、各過冷却度検知器28A、28B、28Cで検
出される過冷却度が設定された最大の過冷却度閾値より
も大きな場合には、各膨張弁開度決定器23A、23
B、23Cにおいて各過冷却度制御器30A、30B、
30Cによる操作量が選択され、各過冷却度検知器28
A、28B、28Cで検出される過冷却度が各過冷却度
設定器29A、29B、29Cの出力に一致するよう
に、各膨張弁4A、4B、4Cの開度を閉方向に操作す
ることにより、各室内熱交換器8A、8B、8Cの各暖
房能力が適正上限能力内に抑えられる。また全体膨張弁
4の開度をそのままにしておくと、冷媒が液状態で圧縮
機1に吸入されて圧縮機1が破損するおそれがあるが、
圧縮機1の吸入部に取り付けた過熱度検知器20で検出
される過熱度が過小となると、過熱度を過熱度設定値に
一致させるための全体膨張弁4の開度の操作量を決定す
る第2過熱度制御器22によって、キャピラリーチュー
ブのありなしに関わらず過熱度をフィードバックして全
体膨張弁4の開度を制御するため、冷媒が液状態で圧縮
機1に吸入される液バック現象により圧縮機1が破損す
るという問題を回避できるものである。各室温が上昇し
て必要とされる各暖房能力が各室内熱交換器8A、8
B、8Cの適正上限能力以下の場合、各過冷却度検知器
28A、28B、28Cで検出される過冷却度によって
各膨張弁開度決定器23A、23B、23Cにおいて、
各過冷却度制御器30A、30B、30Cによる操作量
と各室温制御器16A、16B、16Cによる操作量が
適宜切り換えられ、過冷却度は最大の過冷却度閾値と最
小の過冷却度閾値の範囲に抑えられるように、各膨張弁
4A、4B、4Cの開度が決定される。
【0050】また、圧力検知器13で検出される圧力に
よって圧縮機回転数決定器27において、圧力制御器1
7による操作量と全体能力制御器26による操作量が適
宜切り換えられ、圧力は最大の圧力閾値と最小の圧力閾
値の範囲に抑えられるように、圧縮機1の回転数が決定
される。
【0051】この結果、各室温は各室温設定器18A、
18B、18Cの出力よりも高くなり、全体能力制御器
26によって圧縮機1の回転数を減少方向に操作し、凝
縮器として作用する各室内熱交換器8A、8B、8Cを
流れる冷媒量が減り、各暖房能力が減少して各室温が低
下し、各室温検知器9A、9B、9Cの出力は、各室温
設定器18A、18B、18Cの出力に一致する。
【0052】(実施の形態2)次に、本発明にかかる長
配管接続時の多室形空気調和機の他の実施の形態を図に
基づいて説明する。
【0053】図5は、本発明にかかる多室形空気調和機
の別のシステム構成図であり、図7及び図1と同様動作
のヒートポンプサイクルを構成し、図7及び図1と同じ
要素については同一番号で記している。本実施の形態の
特徴とする所は、1台の室外機6と、3台の室内機7
A、7B、7Cを、接続する3台の室内機7A、7B、
7Cに対応する膨張弁4A、4B、4Cを配置した膨張
弁キット31を介して接続したものであり、本実施の形
態では膨張弁キット31が室外機6近傍に設置され、室
内機10Cのみが長配管接続されて、固定絞り部材をキ
ャピラリーチューブ14とした付属配管15を室内機7
C近傍の液ラインに配置したものである。さらに、室外
機6内の全体膨張弁4と膨張弁キット31の間の合流さ
れた液ライン12にはレシーバ32を設け、レシーバ3
2の下部からは、四方弁2とアキュムレータ5の間の吸
入ラインに、別のキャピラリーチューブ33をもったバ
イパス管34を接続し、圧力検知器13を排除したもの
である。
【0054】かかる構成における多室形空気調和機の動
作を以下に説明する。
【0055】即ち、冷房運転時は、図5の破線に示す如
く、冷媒は、圧縮機1において圧縮され高温高圧の蒸気
となって四方弁2を通って、室外熱交換器3に至る。か
かるとき室外熱交換器3は凝縮器として働き、冷媒は凝
縮液化する。液化した冷媒は、全開された全体膨張弁4
及び膨張弁キット31を経由し、各膨張弁4A、4B、
4Cと各液側管路12A、12B、12Cを通って各室
内熱交換器8A、8B、8Cに至る。かかるとき各室内
熱交換器8A、8B、8Cは蒸発器として働き、各部屋
10A、10B、10Cの空気から吸熱することにより
蒸発し、低圧蒸気となって各ガス側管路11A、11
B、11C、四方弁2、及びアキュムレータ5を通って
圧縮機1に吸入されるとともに、各部屋10A、10
B、10Cを冷房する。このとき、全体膨張弁4と膨張
弁キット31の間に設けられたレシーバ32の下部から
は、四方弁2とアキュムレータ5の間の吸入ラインに、
別のキャピラリーチューブ33によって減圧された一部
の冷媒がバイパス管34を通ってバイパスされ、キャピ
ラリーチューブ33の上流側では凝縮飽和温度、キャピ
ラリーチューブ33の下流側では蒸発飽和温度に近い温
度を検出することができ、逆に凝縮圧力と蒸発圧力や過
熱度を計算することも可能となるため、圧力検知器13
を排除することができるものである。ここで長配管接続
される室内機7Cは、室外熱交換器3で凝縮液化した冷
媒が、膨張弁4Cで一旦減圧され、付属配管15のキャ
ピラリーチューブ14によりさらに減圧されるため、膨
張弁4Cからキャピラリーチューブ14に至る液側管路
12Cは二相状態の冷媒で満たされ、キャピラリーチュ
ーブのない場合に比べ、封入冷媒量を追加する必要がな
い。
【0056】次に、暖房運転時は、図5の実線に示す如
く、四方弁2の切替えにより、冷媒は、圧縮機1におい
て圧縮され高温高圧の蒸気となって四方弁2を通って、
各ガス側管路11A、11B、11Cに吐出され、各室
内機7A、7B、7C内の各室内熱交換器8A、8B、
8Cに至る。かかるとき各室内熱交換器8A、8B、8
Cは凝縮器として働き、各部屋10A、10B、10C
の空気に熱を与えることにより各部屋10A、10B、
10Cを暖房し、冷媒は凝縮液化する。液化した冷媒
は、各液側管路12A、12B、12C、及び膨張弁キ
ット28を経由し、各膨張弁4A、4B、4C、及び全
体膨張弁4を通って室外熱交換器3に至る。かかるとき
室外熱交換器3は蒸発器として働き、外気よりの熱を受
けて蒸発し、低圧蒸気となって四方弁2、及びアキュム
レータ5を通って圧縮機1に吸入される。このとき、膨
張弁キット31と全体膨張弁4の間に設けられたレシー
バ32の下部からは、四方弁2とアキュムレータ5の間
の吸入ラインに、別のキャピラリーチューブ33によっ
て減圧された一部の冷媒がバイパス管34を通ってバイ
パスされ、キャピラリーチューブ33の上流側では凝縮
と蒸発の中間飽和温度しか検出できないが、キャピラリ
ーチューブ33の下流側では蒸発飽和温度に近い温度を
検出することができ、逆に蒸発圧力や過熱度を計算する
ことも可能となり、一般に暖房運転時は凝縮圧力が低い
ため、最大の圧力閾値と最小の圧力閾値の範囲に抑える
別の圧力保護装置(図示せず)を用いれば、圧力検知器
13を排除することができるものである。なお暖房運転
時の過冷却度検出については、凝縮器として作用する各
室内熱交換器8A、8B、8Cの中間温度と液ライン出
口温度の差温として検出される各過冷却度検知器28
A、28B、28Cの出力を用いればよい。ここで長配
管接続される室内機7Cは、室内熱交換器8Cで凝縮液
化した冷媒が、付属配管15のキャピラリーチューブ1
4により一旦減圧され、膨張弁4Cでさらに減圧される
ため、キャピラリーチューブ14から膨張弁4Cに至る
液側管路12Cは二相状態の冷媒で満たされ、キャピラ
リーチューブのない場合に比べ、封入冷媒量を追加する
必要がない。
【0057】かかる構成における多室形空気調和機の固
定絞り部材(キャピラリーチューブ)のありなしに関わ
らない各膨張弁及び圧縮機の制御器の動作は、図1の多
室形空気調和機と同様に、冷房運転時においては適正な
過熱度及び圧力の基で、暖房運転時においては適正な過
熱度、過冷却度及び圧力の基で、室温制御が実現でき
る。
【0058】(実施の形態3)ここでは、上記実施の形
態で説明した多室形空気調和機の長配管接続のために利
用するキャピラリーチューブ14について、更に、具体
的に説明する。本発明の固定絞り部材としてのキャピラ
リーチューブ14を有する付属配管15の一実施の形態
を図6に示す。
【0059】図6において、14はキャピラリーチュー
ブ、35は配管工事の際などにキャピラリーチューブ1
4の折れ曲がり破損を防ぐための保護管、36は室外機
6および室内機7Cからの液側管路12Cとの接続のた
めの配管継手である。
【0060】ここで保護管35は、例えばパイプ状のも
ので構成すればキャピラリーチューブ14の折れ曲がり
を防止できるが、それ以外に例えば、線材をスパイラル
状に(すなわちスプリングバネ状に)構成した保護管と
すれば、キャピラリーチューブ14の折れ曲がり防止と
ともに配管工事現場にあわせてある程度の曲げ加工が可
能となるのでさらに望ましい。
【0061】また配管継手36は、ろう付け溶接する形
状でも良いが、フレア接続の形状やパッキンを使用する
形状であれば、ろう付け溶接する工数も削減でき、また
配管内に酸化膜が生成することも防止できて、圧縮機潤
滑油としてエステル油を使用する場合には、システムの
開放時間を極力少なくして、エステル油の加水分解を防
止する等の信頼性の面からもさらに望ましい。
【0062】尚、上記実施の形態で説明した、ガス側圧
力を検知する圧力検知器は、過熱度検出器や過冷却度検
出器の入力とするために、冷媒飽和温度を計算したり、
最大の圧力閾値と最小の圧力閾値の適正範囲内に圧縮機
を保護するために、直接に圧力を検出するためのもので
あり、要は利用側の冷媒飽和温度が既知であれば、逆に
圧力を計算することも可能である。従って、本発明の圧
力検知器は、すべて冷媒飽和温度検知器に代替すること
ができるものである。
【0063】又、上記実施の形態で説明した長配管接続
のための固定絞り部材は、キャピラリーチューブで構成
する場合について説明したが、これに限らず例えば、そ
の他の制御アルゴリズムに依存しない固定的な絞り機構
をもった弁類で代用できることはもちろんのことであ
る。
【0064】又、上記実施の形態では、長配管接続の際
に固定絞り部材を用い、各膨張弁開度及び圧縮機回転数
の制御等を従来に比べてよりきめ細かく行う場合につい
て説明したが、これに限らず例えば、長配管接続の際に
固定絞り部材を用いて、制御のやり方は従来と同様のも
のであってもよく、これら制御の内容は問わない。
【0065】以上述べてきたように、本発明にかかる多
室形空気調和機では、例えば、室外機と複数台の室内機
を、液ライン同士は各膨張弁が配置された側から液側管
路と固定絞り部材(キャピラリーチューブ)をもった付
属配管で接続し、ガスライン同士はガス側管路で接続し
て冷媒を封入し、各部屋の温度を制御する各室温制御器
に加えて、圧縮機吸入部あるいは蒸発器出口部での過熱
度を検知する過熱度検知器と、凝縮器出口部での過冷却
度を検知する過冷却度検知器とを備え、冷房運転時は、
全体膨張弁を全開とし、過熱度を過熱度設定値に一致さ
せるための各膨張弁の開度の操作量を決定する各第1過
熱度制御器と、過熱度に応じて各第1過熱度制御器によ
る操作量と各室温制御器による操作量とを切り換える各
膨張弁開度決定器によって、固定絞り部材(キャピラリ
ーチューブ)のありなしに関わらず過熱度をフィードバ
ックして各膨張弁の開度を制御し、暖房運転時は、全体
膨張弁により過熱度を制御しながら、過冷却度を過冷却
度設定値に一致させるための各膨張弁の開度の操作量を
決定する各過冷却度制御器と、過冷却度に応じて各過冷
却度制御器による操作量と各室温制御器による操作量と
を切り換える各膨張弁開度決定器によって、固定絞り部
材(キャピラリーチューブ)のありなしに関わらず過冷
却度をフィードバックして各膨張弁の開度を制御し、各
室温を各室温設定値に一致させるための圧縮機の回転数
を決定する全体能力制御器と、圧力に応じて圧力制御器
による操作量と全体能力制御器による操作量とを切り換
える圧縮機回転数決定器によって、固定絞り部材(キャ
ピラリーチューブ)のありなしに関わらず圧力をフィー
ドバックして圧縮機の回転数を制御したから、これによ
って長配管接続の配管長に依存せず、封入冷媒量の追加
を不要としながら、常に適正な過熱度、過冷却度と圧力
の基での室温制御を実現し、圧縮機の消費電力を最小に
することができ、さらには冷媒の液バックによる圧縮機
の破損を防止することができるものである。
【0066】また、例えば、固定絞り部材をキャピラリ
ーチューブとした付属配管全体を保護管あるいは保護箱
でカバーすることにより、配管工事の際などにキャピラ
リーチューブの折れ曲がり破損を防止することができ、
代替冷媒としてHFC混合冷媒を使用する際には、混合
冷媒の各成分を精度よく追加封入することが不要とな
り、圧縮機潤滑油としてエステル油を使用する場合に
は、システムの開放時間を極力少なくして、エステル油
の加水分解を防止する等の、副次的効果をもたらすもの
である。
【0067】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、いわゆる長配管接続の工事を行う場合、冷媒量
の追加封入が不要であるという長所を有する。
【0068】又、本発明は、いわゆる長配管の設置工事
を行う場合、上記長所に加えて、従来に比べてより一層
適切な制御が出来るという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる一実施の形態の多室形空気調和
機のシステム構成図である。
【図2】本発明にかかる一実施の形態の多室形空気調和
機の膨張弁の冷房運転時の制御ブロック構成図である。
【図3】本発明にかかる一実施の形態の多室形空気調和
機の圧縮機の制御ブロック構成図である。
【図4】本発明にかかる一実施の形態の多室形空気調和
機の膨張弁の暖房運転時の制御ブロック構成図である。
【図5】本発明にかかる一実施の形態の多室形空気調和
機の別のシステム構成図である。
【図6】本発明にかかる一実施の形態の多室形空気調和
機の固定絞り部材をキャピラリーチューブとした付属配
管の構成図である。
【図7】従来の多室形空気調和機のシステム構成図であ
る。
【符号の説明】
1 圧縮機 2 四方弁 3 室外熱交換器 4 膨張弁 5 アキュムレータ 6 室外機 7 室内機 8 室内熱交換器 9 室温検知器 10 部屋 11 ガス側管路 12 液側管路 13 圧力検知器 14 固定絞り部材(キャピラリーチューブ) 15 付属配管 16 室温制御器 17 圧力制御器 18 室温設定器 19 圧力設定器 20 過熱度検知器 21 過熱度設定器 22 過熱度制御器 23 膨張弁開度決定器 24 室内機定格能力値設定器 25 能力制御器 26 全体能力制御器 27 圧縮機回転数決定器 28 過冷却度検知器 29 過冷却度設定器 30 過冷却度制御器 31 膨張弁キット 32 レシーバ 33 キャピラリーチューブ 34 バイパス管 35 保護管 36 配管継手
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船倉 正三 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 岡座 典穂 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機と四方弁と室外熱交換器とを少な
    くとも有する1台の室外機と、過冷却度の制御が個別的
    に行われる複数の室内機との液ライン同士及びガスライ
    ン同士の配管接続を行う際、 前記液ライン同士の配管接続に用いる、前記複数の室内
    機に対応した各接続部材の内、何れの接続部材の長さも
    予め定められた所定長さ以下の場合には、前記液ライン
    同士の配管接続を前記各接続部材のみにより行い、 又、前記複数の室内機に対応した各接続部材の内、何れ
    かの接続部材の長さが前記所定長さ以上の場合には、そ
    の接続部材が前記所定長さ以上となる室内機についての
    前記液ライン同士の配管接続を、前記接続部材とともに
    固定絞り部材をも用いて行い、冷媒封入量を、前記接続
    部材の何れの長さも予め定められた所定長さ以下の場合
    と比べて、実質的に変えないことを特徴とする多室形空
    気調和機の組立方法。
  2. 【請求項2】 前記液ラインには、前記それぞれの室内
    機に対応する膨張弁が複数配置されており、 前記複数の室内機に対応した各接続部材の内、何れかの
    接続部材の長さが前記所定長さ以上の場合には、前記接
    続部材の内部における前記冷媒の状態が気液二相の状態
    となる様に、その接続部材を前記固定絞り部材と前記膨
    張弁との間に配置することを特徴とする請求項1記載の
    多室形空気調和機の組立方法。
  3. 【請求項3】 圧縮機、四方弁、室外熱交換器、全体膨
    張弁を少なくとも有する1台の室外機と、 室内熱交換器をそれぞれに備えた複数台の室内機と、 前記複数の室内機に対応して配置された複数の膨張弁
    と、 前記室外機の液ラインと前記複数の室内機の各液ライン
    との接続上の組み合わせの内、少なくとも一の液ライン
    同士の接続を行うために、前記膨張弁側にその一端が接
    続された液側管路と、 前記液ライン同士の接続を行うための、前記液側管路の
    他の一端に接続された、固定絞り部材をもった付属配管
    と、 前記各室内機に設置した、室温を検知する各室温検知器
    と、 前記圧縮機吸入部、または、暖房運転時に蒸発器として
    作用する室外熱交換器出口若しくは冷房運転時に蒸発器
    として作用する各室内熱交換器出口での、過熱度を検知
    する過熱度検知器と、 暖房運転時に凝縮器として作用する各室内熱交換器出口
    での過冷却度を検知する過冷却度検知器と、 前記各室内機ごとに各室温を各室温設定値に一致させる
    ための前記各膨張弁の開度の操作量を決定する各室温制
    御器とを備え、 冷房運転時に、前記全体膨張弁を全開して、前記圧縮機
    吸入部または前記冷房運転時に蒸発器として作用する各
    室内熱交換器出口での過熱度を過熱度設定値に一致させ
    るための前記各膨張弁の開度の操作量を決定する第1過
    熱度制御器と、 暖房運転時に、前記全体膨張弁により前記圧縮機吸入部
    または前記暖房運転時に蒸発器として作用する室外熱交
    換器出口での過熱度を過熱度設定値に一致させるための
    前記全体膨張弁の開度の操作量を決定する第2過熱度制
    御器と、 暖房運転時に凝縮器として作用する各室内熱交換器出口
    での過冷却度を過冷却度設定値に一致させるための前記
    各膨張弁の開度の操作量を決定する過冷却度制御器と、 冷房運転時には、前記過熱度を入力としたファジィ演算
    で決定したメンバシップ値に応じて前記第1過熱度制御
    器による操作量と前記各室温制御器による操作量とを切
    り換え、前記各膨張弁の開度を決定し、又、暖房運転時
    には、前記過冷却度を入力としたファジィ演算で決定し
    たメンバシップ値に応じて前記過冷却度制御器による操
    作量と前記各室温制御器による操作量とを切り換え、前
    記各膨張弁の開度を決定する各膨張弁操作量決定器とを
    備え、 前記各室内機ごとの各室温を前記各室温設定値に一致さ
    せるための前記圧縮機操作量を、前記各室温と前記各室
    温設定値と前記各室内機の定格能力とに基づいて決定す
    る各能力制御器の出力を利用して前記圧縮機の操作量を
    決定する全体能力制御器と、 ガス側圧力を検知する圧力検知器と、 前記圧力を圧力設定値に一致させるための前記圧縮機の
    回転数の操作量を決定する圧力制御器と、 前記圧力を入力としたファジィ演算で決定したメンバシ
    ップ値に応じて前記圧力制御器による操作量と前記全体
    能力制御器による操作量とを切り換え、前記圧縮機の回
    転数を決定する圧縮機回転数決定器と、を備えたことを
    特徴とする多室形空気調和機。
  4. 【請求項4】 前記複数台の室内機に対応する各膨張弁
    が前記室外機に配置された場合は、前記固定絞り部材を
    有する付属配管を前記室内機内部の液ラインに配置した
    ことを特徴とする請求項3記載の多室形空気調和機。
  5. 【請求項5】 前記複数台の室内機に対応する各膨張弁
    が前記室内機に配置された場合は、前記固定絞り部材を
    有する付属配管を前記室外機内部の液ラインに配置した
    ことを特徴とする請求項3記載の多室形空気調和機。
  6. 【請求項6】 前記固定絞り部材をキャピラリーチュー
    ブとした付属配管を、長配管接続の工事の際に付設する
    場合に、前記付属配管全体を保護管または保護箱でカバ
    ーしたことを特徴とする請求項3記載の多室形空気調和
    機。
  7. 【請求項7】 冷媒としてHFC混合冷媒を使用したこ
    とを特徴とする請求項3記載の多室形空気調和機。
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