JPH09317990A - チェーンの潤滑装置 - Google Patents

チェーンの潤滑装置

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Publication number
JPH09317990A
JPH09317990A JP16099996A JP16099996A JPH09317990A JP H09317990 A JPH09317990 A JP H09317990A JP 16099996 A JP16099996 A JP 16099996A JP 16099996 A JP16099996 A JP 16099996A JP H09317990 A JPH09317990 A JP H09317990A
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JP
Japan
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oil
sprocket
washer
chain
thrust
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JP16099996A
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English (en)
Inventor
Junya Fukashiro
準也 深城
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 チェーンの潤滑装置において、外方に放出さ
れるオイル量を少なくして、スラスト面の油膜形成を容
易にしてスラスト面や軸受部位の潤滑性能を向上し、ま
た、オイルギャラリ全体での油圧配分を可能とし、更
に、チェーンの振動や騒音を低減し、しかも、各部品の
耐摩耗性を向上する。 【構成】 スラストワッシャの両端面には円周方向にワ
ッシャオイル環状溝を夫々形成し、これら両ワッシャオ
イル環状溝を連通するようにスラストワッシャには軸心
方向に指向する貫通孔を設け、アイドラスプロケットの
スラスト面にはワッシャオイル環状溝に連通可能で且つ
アイドラスプロケットの外縁部位に達しないようにスプ
ロケットオイル放射溝を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、チェーンの潤滑
装置に係り、特にアイドラスプロケットのスラスト面や
アイドラ軸の軸受部位の潤滑性能を向上し得るチェーン
の潤滑装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関においては、クランク軸のクラ
ンクスプロケットとアイドラ軸のアイドラスプロケット
とにチェーンであるタイミングチェーンを巻掛け、この
タイミングチェーンに潤滑油を供給するチェーンの潤滑
装置を設けている。
【0003】即ち、図17において、202はV型の内
燃機関である。この内燃機関202は、機関本体である
V字形状のシリンダブロック204の一次側、二次側シ
リンダバンク206、208に他の機関本体である一次
側、二次側シリンダヘッド210、212を載置して構
成された一次側、二次側エンジンバンク214、216
を有している。この内燃機関202には、ウォータポン
プ218とオイルポンプ220とオルタネータ222と
が設けられている。
【0004】前記シリンダブロック204の下部には、
クランクベアリングキャップ224が取付けられてい
る。このクランクベアリングキャップ224の下部に
は、オイルパン226が取付けられている。
【0005】前記シリンダブロック204とクランクベ
アリングキャップ224には、クランク軸228が軸支
して設けられている。このクランク軸228の端部に
は、駆動側スプロケットであるクランクスプロケット2
30と、クランクプーリ232とが固定して取付けられ
ている。このクランクプーリ232とウォータポンプ2
18のポンププーリ234とオルタネータ222のオル
タネータプーリ236とには、駆動ベルト238が巻掛
けられている。
【0006】前記一次側シリンダヘッド210には、一
次側動弁装置240を構成すべく、上部の両端側におい
て離間して位置し、つまり並列して一次側吸気、一次側
排気カム軸242、244が配設されている。一次側吸
気、一次側排気カム軸242、244には、一次側吸
気、一次側排気カムスプロケット246、248が固定
して取付けられている。また、一次側シリンダヘッド2
10には、一次側シリンダヘッドカバー250が付設さ
れている。
【0007】また、前記二次側シリンダヘッド212に
は、二次側動弁装置252を構成すべく、上部の両端側
において離間して位置し、つまり並列して二次側吸気、
二次側排気カム軸254、256が配設されている。二
次側吸気、二次側排気カム軸254、256には、二次
側吸気、二次側排気カムスプロケット258、260が
固設して取付けられている。また、二次側シリンダヘッ
ド212には、二次側シリンダヘッドカバー262が付
設されている。
【0008】前記一次側吸気、一次側排気カムスプロケ
ット258、260よりも一次側シリンダバンク206
側の一次側シリンダヘッド212には、右側アイドラ軸
264が右側軸取付ボルト266によって軸支して設け
られている。
【0009】この右側アイドラ軸264には、右側アイ
ドラスプロケット268が固定して設けられる。この右
側アイドラスプロケット268には、一次側タイミング
チェーンアイドラスプロケット270と一次側カムチェ
ーンアイドラスプロケット272とが一体的に構成され
ている。
【0010】前記二次側吸気カム軸254の端部には、
二次側タイミングチェーンスプロケット274が取付け
られている。
【0011】前記シリンダブロック204には、一次
側、二次側シリンダバンク206、208間に位置して
中央側アイドラ軸276が設けられている。この中央側
アイドラ軸276には、中央側タイミングチェーンアイ
ドラスプロケット278が設けられている。
【0012】前記クランクスプロケット230と一次側
タイミングチェーンアイドラスプロケット270と中央
側タイミングチェーンアイドラスプロケット278と二
次側タイミングチェーンスプロケット274とには、チ
ェーンであるタイミングチェーン280が巻掛けて設け
られる。
【0013】また、前記一次側吸気カムスプロケット2
46と一次側排気カムスプロケット248と一次側カム
チェーンアイドラスプロケット272とには、一次側カ
ムチェーン282が巻掛けて設けられる。
【0014】前記二次側吸気、二次側排気カムスプロケ
ット258、260とには、二次側カムチェーン284
が巻掛けて設けられる。
【0015】前記クランク軸228の端部には、前記ク
ランクスプロケット230と略同径のオイルポンプチェ
ーンスプロケット(図示せず)が設けられている。
【0016】オイルポンプチェーンスプロケットに巻掛
けられたオイルポンプチェーン286は、オイルパン2
26内のオイルポンプ220のオイルポンプスプロケッ
ト288に巻掛けられている。
【0017】また、これらタイミングチェーン280等
を覆うように、内燃機関202には、図19に示す如
く、タイミングチェーンカバー290が付設されてい
る。
【0018】図19に示す如く、中央側アイドラ軸27
6は、中央側軸取付ボルト292によってシリンダブロ
ック204に支持して設けられている。このシリンダブ
ロック204には、オイルギャラリ294が形成されて
いる。
【0019】このオイルギャラリ294からのオイル
は、中央側アイドラ軸276の端面とシリンダブロック
204の側面に形成された凹部296との隙間を通って
中央側アイドラ軸276内を経て、小孔298及び流通
路300から中央側タイミングチェーンアイドラスプロ
ケット278を回転自在に支持するローラ軸受302を
潤滑するとともに、中央側タイミングチェーンアイドラ
スプロケット278のスラスト面278aに形成された
放射状で外縁部位に開口するオイル溝304を経てタイ
ミングチェーン280に放出され、このタイミングチェ
ーン280の潤滑や冷却を行う。
【0020】中央側タイミングチェーンアイドラスプロ
ケット278のスラスト面278aとシリンダブロック
204の側面との間には、図19〜21に示す如く、環
状体からなるスラストワッシャ306が介設されてい
る。
【0021】また、このようなチェーンの潤滑装置とし
ては、例えば、実開昭55−94993号公報、実開昭
55−132589号公報に開示されている。実開昭5
5−94993号公報に記載のものは、中空軸に回転部
材位置決め用のカラーを設け、中空軸の中空部にベアリ
ングを介して軸を回転自在に支持し、この軸に中空軸端
に当接するライナーを設け、カラー、中空軸及びライナ
ーにベアリング部に連通する油通路を穿設することによ
り、中空軸の回転に伴う遠心ポンプ作用に基づき、ライ
ナー部分に飛散した潤滑油を強制的にベアリング部に吸
引させるものである。実開昭55−132589号公報
に記載のものは、回転差がある同心の第1、第2軸の
内、第1軸端部のニードル軸受支持穴にニードル軸受を
介して第2軸を嵌めたニードル軸受装置において、第1
軸のニードル軸受支持穴の底部に同心の凹部と、凹部を
第1軸外部の油室に連通する導油路を設け、凹部に第2
軸先端の凸部を嵌合して両者間に油をニードル軸受側へ
送るポンプを形成したものである。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来、チェ
ーンの潤滑装置においては、アイドラ軸の軸受部位への
オイル供給流量を確保することができるが、常時、オイ
ルが外縁部位に開口するオイル溝によってチェーン(外
方)側に放出されるので、アイドラスプロケットのスラ
スト面の油膜の形式が困難となり、高回転時にはスラス
ト面や軸受部位に焼き付きが生じるおそれがあった。
【0023】また、アイドラスプロケット、スラストワ
ッシャ及びアイドラ軸の各端面のスラスト部位の面粗さ
精度が要求され、加工等に大なる労力が必要になるとい
う不都合がある。
【0024】更に、軸取付ボルトの雌ねじ側タップ及び
下穴に余裕がない場合に、例えば、ウォータジャケット
等が近接している場合に、軸取付ボルトのための凹部を
設けると、必要なボルト締付け長さが得られなくなると
いう不都合があった。
【0025】また、シリンダブロックやシリンダヘッド
においては、クランクメタル、コンロッドメタルあるい
はヘッド動弁系等が、高温度回転下でも高油圧を必要と
するため、オイル溝からのオイルの放出量は、極力少量
が良く、且つ、外方のチェーンを潤滑しなければならな
いものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述の不都合を除去するために、内燃機関の機関本体にア
イドラ軸を設け、このアイドラ軸にはチェーンを巻掛け
るアイドラスプロケットを設け、このアイドラスプロケ
ットのスラスト面と前記機関本体の側面間にスラストワ
ッシャを介設し、前記アイドラスプロケットのスラスト
面と前記機関本体の側面との間から前記チェーンに潤滑
油を供給するチェーンの潤滑装置において、前記スラス
トワッシャの両端面には円周方向にワッシャオイル環状
溝を夫々形成し、これら両ワッシャオイル環状溝を連通
するように前記スラストワッシャには軸心方向に指向す
る貫通孔を設け、前記アイドラスプロケットのスラスト
面には前記ワッシャオイル環状溝に連通可能で且つ前記
アイドラスプロケットの外縁部位に達しないようにスプ
ロケットオイル放射溝を設けたことを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】この発明は、オイルギャラリから
のオイルをワッシャオイル環状溝と貫通孔と外縁部位に
達しないスプロケットオイル放射溝に供給させるので、
外方に放出されるオイル量が少なくなり、スラスト部位
の油膜形成を容易にしてスラスト面、軸受部位の潤滑性
能を向上し、また、オイルギャラリ全体での油圧配分を
可能とし、更に、チェーンの振動や騒音を低減し、しか
も、各部品の耐摩耗性を向上することができる。
【0028】
【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細
且つ具体的に説明する。図1〜6は、この発明の第1実
施例を示すものである。図6において、2はV型の内燃
機関である。この内燃機関2は、機関本体であるV字形
状のシリンダブロック4の一次側、二次側シリンダバン
ク6、8に他の機関本体である一次側、二次側シリンダ
ヘッド10、12を載置して構成された一次側、二次側
エンジンバンク14、16を有している。この内燃機関
2には、ウォータポンプ18とオイルポンプ20とオル
タネータ22とが設けられている。
【0029】前記シリンダブロック4の下部には、クラ
ンクベアリングキャップ24が取付けられている。この
クランクベアリングキャップ24の下部には、オイルパ
ン26が取付けられている。
【0030】前記シリンダブロック4とクランクベアリ
ングキャップ24には、クランク軸28が軸支して設け
られている。このクランク軸28の端部には、駆動側ス
プロケットであるクランクスプロケット30と、クラン
クプーリ32とが固定して取付けられている。このクラ
ンクプーリ32とウォータポンプ18のポンププーリ3
4とオルタネータ2のオルタネータプーリ36とには、
駆動ベルト38が巻掛られている。
【0031】前記一次側シリンダヘッド10には、一次
側動弁装置40を構成すべく、上部の両端側において離
間して位置し、つまり並列して一次側吸気、一次側排気
カム軸42、44が配設されている。一次側吸気、一次
側排気カム軸42、44には、一次側吸気、一次側排気
カムスプロケット46、48が固定して取付けられてい
る。また、一次側シリンダヘッド10には、一次側シリ
ンダヘッドカバー50が付設されている。
【0032】また、前記二次側シリンダヘッド12に
は、二次側動弁装置52を構成すべく、上部の両端側に
おいて離間して位置し、つまり並列して二次側吸気、二
次側排気カム軸54、56が配設されている。二次側吸
気、二次側排気カム軸54、56には、二次側吸気、二
次側排気カムスプロケット58、60が固設して取付け
られている。また、二次側シリンダヘッド12には、二
次側シリンダヘッドカバー62が付設されている。
【0033】前記一次側吸気、一次側排気カムスプロケ
ット58、60よりも一次側シリンダバンク6側の一次
側シリンダヘッド12には、右側アイドラ軸64が右側
軸取付ボルト66によって軸支して設けられている。
【0034】この右側アイドラ軸64には、右側アイド
ラスプロケット68が固定して設けられる。この右側ア
イドラスプロケット68には、一次側タイミングチェー
ンアイドラスプロケット70と一次側カムチェーンアイ
ドラスプロケット72とが一体的に構成されている。
【0035】前記二次側吸気カム軸54の端部には、二
次側タイミングチェーンスプロケット74が取付けられ
ている。
【0036】前記シリンダブロック4には、一次側、二
次側シリンダバンク6、8間に位置して中央側アイドラ
軸76が固定して設けられている。この中央側アイドラ
軸76には、中央側タイミングチェーンアイドラスプロ
ケット78が設けられている。
【0037】前記クランクスプロケット30と一次側タ
イミングチェーンアイドラスプロケット70と中央側タ
イミングチェーンアイドラスプロケット78と二次側タ
イミングチェーンスプロケット74とには、チェーンで
あるタイミングチェーン80が巻掛けて設けられる。
【0038】また、前記一次側吸気カムスプロケット4
6と一次側排気カムスプロケット48と一次側カムチェ
ーンアイドラスプロケット72とには、一次側カムチェ
ーン82が巻掛けて設けられる。
【0039】前記二次側吸気、二次側排気カムスプロケ
ット58、60とには、二次側カムチェーン84が巻掛
けて設けられる。
【0040】前記クランク軸28の端部には、前記クラ
ンクスプロケット30と略同径のオイルポンプチェーン
スプロケット(図示せず)が設けられている。
【0041】オイルポンプチェーンスプロケットに巻掛
けられたオイルポンプチェーン86は、オイルパン26
内のオイルポンプ20のオイルポンプスプロケット88
に巻掛けられている。
【0042】また、これらタイミングチェーン80等を
覆うように、内燃機関2には、図2に示す如く、タイミ
ングチェーンカバー90が付設されている。
【0043】図1、2に示す如く、中央側アイドラ軸7
6は、中央側軸取付ボルト92によってシリンダブロッ
ク4に支持して設けられている。このシリンダブロック
4には、図2に示す如く、オイルギャラリ94が側面に
開口して形成されている。
【0044】中央側アイドラ軸76の軸先端部96は、
段差98によって小径に形成され、シリンダブロック4
の側面に窪ませて形成したブロック窪部100内に挿着
されている。
【0045】中央側アイドラ軸76の中央部位には、ロ
ーラ軸受102を介して中央側タイミングチェーンアイ
ドラスプロケット78が回転自在に設けられている。
【0046】この中央側タイミングチェーンアイドラス
プロケット78は、一側スラスト面78−1が中央側ア
イドラ軸76の軸スラストフランジ部104に接してい
るとともに、他側スラスト面78−2が軸先端部96に
嵌合されてシリンダブロック4の側面間に介設したスラ
ストワッシャ106に接している。このスラストワッシ
ャ106は、環状体からなり、中央側タイミングチェー
ンアイドラスプロケット78の他側スラスト面78−1
とシリンダブロック4の側面との間で且つ段差98に係
止して軸先端部96に支持されている。
【0047】このスラストワッシャ106には、図3〜
5に示す如く、一側、他側端面106−1、106−2
に円周方向に一側、他側ワッシャオイル環状溝108−
1、108−2が夫々形成されている。また、スラスト
ワッシャ106には、これら一側、他側ワッシャオイル
環状溝108−1、108−2を連通するように、軸心
方向に指向する小径の貫通孔110が形成されている。
【0048】中央側タイミングチェーンアイドラスプロ
ケット78の一側、他側スラスト面78−1、78−2
には、中央側タイミングチェーンアイドラスプロケット
78の外縁部位に達せず、つまり外面に開口しないよう
に、円周方向等間隔に例えば4つの一側、他側スプロケ
ットオイル放射溝112−1、112−2が夫々形成さ
れている。他側スプロケットオイル放射溝112−2
は、中央側タイミングチェーンアイドラスプロケット7
8が回転した時に、一側ワッシャオイル環状溝108−
1に連通可能である。
【0049】次に、この第1実施例の作用を説明する。
【0050】シリンダブロック4のオイルギャラリ94
からのオイルは、他側ワッシャオイル環状溝108−2
から貫通孔110を経て一側ワッシャオイル環状通路1
08−1に至り、一側、他側スプロケットオイル放射溝
112−1、112−2に達する。このオイルは、一
側、他側スプロケットオイル放射溝112−1、112
−2が外縁部位に開口していないことにより、スラスト
面78−1、78−2に油圧が発生し、この油圧によっ
て油膜を容易に形成し、スラスト面78−1、78−2
の潤滑を果し、そして、わずかなスラストクリアランス
からタイミングチェーン80側の外方に放出されてこの
タイミングチェーン80を潤滑、冷却する。
【0051】この結果、タイミングチェーン80側に放
出されるオイル量が少なくなり、スラスト面78−1、
78−2の油圧発生によって油膜形成を容易とし、スラ
スト面78−1、78−2及びローラ軸受102の軸受
け部位の潤滑性能を向上することができる。また、スラ
スト部位の面粗さ精度が要求されずに加工時に労力を少
なくし、更に、必要なボルト締付け長さを確保し、しか
も、オイルの放出量を少なくして潤滑を効果的に果すこ
とができる。
【0052】図7〜11は、この発明の第2実施例を示
すものである。
【0053】以下の実施例にあっては、上述の第1実施
例と同一機能を果す箇所には同一符号を付して説明す
る。
【0054】この第2実施例の特徴とするところは、以
下の点にある。即ち、図10、11に示す如く、上述の
第1実施例の構成に加えて、スラストワッシャ106の
一側、他側端面106−1、106−2には、スプロケ
ットオイル放射溝112に連通可能であるとともにスラ
ストワッシャ106の外縁部位に達して開口するワッシ
ャオイル放射溝122を形成する。このワッシャオイル
放射溝122は、円周方向等間隔に、複数の例えば4つ
形成される。また、軸スラトフランジ部104には、ワ
ッシャオイル放射溝122に対応して外方に開口するフ
ランジ部オイル放射溝124が形成されている。
【0055】また、スプロケットオイル放射溝112
は、例えば、3つが近接して一体的となり、これが円周
方向等間隔で4箇所に配設されている。
【0056】この第2実施例の構成によれば、上述の第
1実施例と同じ効果を得るとともに、中央側タイミング
チェーンアイドラスプロケット78の回転により、可動
側のスプロケットオイル放射溝112が固定側のワッシ
ャオイル放射溝122に重合すると、オイルが間欠的に
外方に放出されるので、タイミングチェーン80、中央
側タイミングチェーンアイドラスプロケット78、ロー
ラ軸受102、スラスト面78−1、78−2の潤滑
で、各要求量に対してオイルの分配のバランスをとるこ
とができ、オイルギャラリ96中での油圧配分を向上
し、もって、オイルギャラリ96全体の油圧低下を抑制
し、且つ、スラスト面78−1、78−2の油膜も、従
来に比べて、確保し易くすることができ、潤滑性能を向
上できる。
【0057】図12〜16は、この発明の第3実施例を
示すものである。
【0058】この第3実施例の特徴とするところは、以
下の点にある。即ち、図15、16に示す如く、上述の
第1実施例の構成に加えて、スラストワッシャ106の
一側、他側端面106−1、106−2には、スプロケ
ットオイル放射溝112に連通可能であるとともにスラ
ストワッシャ106の外縁部位に達し且つ中央側タイミ
ングチェーンアイドラスプロケット78とタイミングチ
ェーン80との噛み込み部132に指向して開口する一
つのワッシャオイル放射溝134を形成した。また、軸
スラストフランジ部104には、ワッシャオイル放射溝
134に対応して噛み込み部132に指向するフランジ
部オイル放射溝136が形成されている。
【0059】また、スプロケットオイル放射溝112
は、円周方向不等間隔で、複数の例えば8つ形成されて
いる。
【0060】この第3実施例の構成によれば、上述の第
1実施例と同じ効果を得るとともに、中央側タイミング
チェーンアイドラスプロケット78の回転により、可動
側のスプロケット放射溝122が固定側のワッシャオイ
ル放射溝134に重合するので、間欠的ではあるが、最
も衝撃の高い噛み込み部132を集中的に潤滑するの
で、タイミングチェーン80による振動及び騒音の低減
を図り、また、タイミングチェーン80の耐久性を向上
し、更に、中央側タイミングチェーンアイドラスプロケ
ット78等の各部品の耐摩耗性を向上することができ
る。
【0061】なお、この実施例にあっては、アイドラ軸
として、中央側アイドラ軸76としたが、右側アイドラ
軸64においても、上述したようなチェーンの潤滑装置
を採用することができる。
【0062】
【発明の効果】以上詳細な説明から明らかなようにこの
発明によれば、スラストワッシャの両端面には円周方向
にワッシャオイル環状溝を夫々形成し、これら両ワッシ
ャオイル環状溝を連通するようにスラストワッシャには
軸心方向に指向する貫通孔を設け、アイドラスプロケッ
トのスラスト面にはワッシャオイル環状溝に連通可能で
且つアイドラスプロケットの外縁部位に達しないように
スプロケットオイル放射溝を設けたことにより、オイル
ギャラリからのオイルをワッシャオイル環状溝と貫通孔
と外縁部位に達しないスプロケットオイル放射溝に供給
させるので、外方に放出されるオイル量が少なくなり、
スラスト部位の油膜形成を容易にしてスラスト面、軸受
部位の潤滑性能を向上し、また、オイルギャラリ全体で
の油圧配分を可能とし、更に、チェーンの振動や騒音を
低減し、しかも、各部品の耐摩耗性を向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例におけるチェーンの潤滑装置の正面
図である。
【図2】第1実施例におけるチェーンの潤滑装置の断面
図である。
【図3】図2の矢印〓による拡大図である。
【図4】第1実施例におけるスラストワッシャの正面図
である。
【図5】図4の〓−〓線によるスラストワッシャの断面
図である。
【図6】内燃機関の正面図である。
【図7】第2実施例におけるチェーンの潤滑装置の正面
図である。
【図8】第2実施例におけるチェーンの潤滑装置の断面
図である。
【図9】図8の矢印〓による拡大図である。
【図10】第2実施例におけるスラストワッシャの正面
図である。
【図11】図10の〓〓−〓〓線によるスラストワッシ
ャの断面図である。
【図12】第3実施例におけるチェーンの潤滑装置の正
面図である。
【図13】第3実施例におけるチェーンの潤滑装置の断
面図である。
【図14】図13の矢印〓〓による拡大図である。
【図15】第3実施例におけるスラストワッシャの正面
図である。
【図16】図15の〓〓−〓〓線によるスラストワッシ
ャの断面図である。
【図17】従来の内燃機関の正面図である。
【図18】従来におけるチェーンの潤滑装置の正面図で
ある。
【図19】従来におけるチェーンの潤滑装置の断面図で
ある。
【図20】従来におけるスラストワッシャの正面図であ
る。
【図21】図20の〓〓〓−〓〓〓線によるスラストワ
ッシャの断面図である。
【符号の説明】
2 内燃機関 28 クランク軸 76 中央側アイドラ軸 78 中央側タイミングチェーンアイドラスプロケット 80 タイミングチェーン 94 オイルギャラリ 106 スラストワッシャ 108 ワッシャオイル環状溝 110 貫通孔 112 スプロケットオイル放射溝

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の機関本体にアイドラ軸を設
    け、このアイドラ軸にはチェーンを巻掛けるアイドラス
    プロケットを設け、このアイドラスプロケットのスラス
    ト面と前記機関本体の側面間にスラストワッシャを介設
    し、前記アイドラスプロケットのスラスト面と前記機関
    本体の側面との間から前記チェーンに潤滑油を供給する
    チェーンの潤滑装置において、前記スラストワッシャの
    両端面には円周方向にワッシャオイル環状溝を夫々形成
    し、これら両ワッシャオイル環状溝を連通するように前
    記スラストワッシャには軸心方向に指向する貫通孔を設
    け、前記アイドラスプロケットのスラスト面には前記ワ
    ッシャオイル環状溝に連通可能で且つ前記アイドラスプ
    ロケットの外縁部位に達しないようにスプロケットオイ
    ル放射溝を設けたことを特徴とするチェーンの潤滑装
    置。
  2. 【請求項2】 前記スラストワッシャの端面には、前記
    スプロケットオイル放射溝に連通可能であるとともに前
    記スラストワッシャの外縁部位に達して開口するワッシ
    ャオイル放射溝を設けたことを特徴とする請求項1に記
    載のチェーンの潤滑装置。
  3. 【請求項3】 前記スラストワッシャの端面には、前記
    スプロケットオイル放射溝に連通可能であるとともに前
    記スラストワッシャの外縁部位に達し且つ前記アイドラ
    スプロケットと前記チェーンとの噛み込み部に指向して
    開口するワッシャオイル放射溝を設けたことを特徴とす
    る請求項1に記載のチェーンの潤滑装置。
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CN109578789A (zh) * 2019-01-08 2019-04-05 漳州宾玮五金配件有限公司 一种点油机

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109578789A (zh) * 2019-01-08 2019-04-05 漳州宾玮五金配件有限公司 一种点油机
CN109578789B (zh) * 2019-01-08 2023-09-12 漳州宾玮五金配件有限公司 一种点油机

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