JPH09317912A - 湯水混合栓 - Google Patents

湯水混合栓

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JPH09317912A
JPH09317912A JP15763896A JP15763896A JPH09317912A JP H09317912 A JPH09317912 A JP H09317912A JP 15763896 A JP15763896 A JP 15763896A JP 15763896 A JP15763896 A JP 15763896A JP H09317912 A JPH09317912 A JP H09317912A
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JP
Japan
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hot
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water
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sintered body
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JP15763896A
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Kazutaka Majima
一隆 馬嶋
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間使用しても固定弁体と可動弁体との摺
動特性が変化せず、高温の湯水を使用することができ、
湯水の温度差によって摺動トルクが変化することがな
く、しかも、低コストで製造することができる湯水混合
栓を提供する。 【解決手段】 水流入口、湯流入口及び混合水流出口を
有する弁体と、湯水用弁孔及び混合水流出孔を有する弁
体とを相互に摺動可能に重合配置し、上記弁体の移動変
移により流路の開閉を行う湯水混合栓において、上記弁
体のいずれか一方の弁体は、少なくとも摺接面が、三次
元網目構造の開放気孔を有する炭化珪素焼結体の開放気
孔中にフッ素系オイル及びシリコーン系オイルのうち少
なくとも1種からなる潤滑剤が含浸されてなるものであ
り、他方の弁体は、少なくとも摺接面が、アルミナ焼結
体の表面にSi系非酸化物膜と非晶質カーボン膜とがこ
の順に積層されてなるものである湯水混合栓。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湯と水とを適宜混
合することができる湯水混合栓に関し、更に詳しくは、
湯と水との混合、流路の開閉を長期間にわたって円滑に
行うことができる湯水混合栓に関する。
【0002】
【従来の技術】湯水混合栓は、日常生活上、台所、洗面
所等において湯と水とを任意の比率に混合して使用に適
した温度の水を供給する装置として汎用されている。こ
のような湯水混合栓は、本体内に収納した固定弁体と可
動弁体とを、操作レバーの操作によって摺接した状態で
相対移動させることにより流路の開閉を行い、本体内の
湯水混合室内で湯と水とを任意の比率で混合するように
構成されている。
【0003】このような湯水混合栓としては、固定弁体
と可動弁体とが常に摺接した状態であっても、操作レバ
ーによる操作は軽く行うことができ、この軽さを長期間
保つことができ、2つの弁体間の密着性が変化せず、長
期の使用によっても湯水の漏れがないものが要求されて
いる。更に、湯水混合栓のメンテナンスが容易で、でき
れば全く不要であり、かつ、製造が簡単であることも要
求されている。
【0004】従来提案されてきた湯水混合栓としては、
2つの弁体間の耐磨耗性を上げる必要性を考慮して、2
つの弁体を金属、酸化アルミニウム(アルミナ)焼結体
等の比較的硬い材料によって稠密状態に形成したもの等
が多かった。しかし、このようにすると、2つの弁体の
耐磨耗性は向上するが、2つの弁体の間の摺動は円滑に
はならず、湯水混合栓の操作レバーにかかる摺動荷重
(摺動トルク)が相当大きくなる。これを補って、この
摺動を円滑に行うため、2つの弁体間の摺接面にグリー
ス等の潤滑剤を塗布すること等が行われてきた。
【0005】しかしながら、表面に塗布されたグリース
等の潤滑剤は非常に流出しやすく、吐水が汚染された
り、長期間使用した場合には、初期の操作特性を維持す
ることは困難であった。
【0006】このような問題点を解決するために、湯水
混合栓用弁体として、グリース等の潤滑剤を表面に塗布
しないものが提案されている。特公平4−56908号
公報には、少なくとも摺接面部分において、三次元網目
構造の開放気孔を有するセラミック多孔質体の開放気孔
中にフッ素系オイル又はシリコーン系オイルから選択さ
れる少なくとも1種の潤滑剤を含浸してなるものにより
構成される湯水混合栓用弁体が開示されている。
【0007】この湯水混合栓用弁体は、潤滑剤としてオ
イルを含浸させているので、潤滑剤を表面に塗布した場
合と比較して、オイルが流出する可能性は低い。しか
し、固定弁体、可動弁体をともにこのような弁体で構成
すると、使用している間に、湯水の温度によって潤滑剤
の粘度が変化してしまい、レバー操作にかかる摺動トル
クが変化する等の問題点があった。
【0008】特開平3−223190号公報には、摺接
面に非晶質カーボン薄膜が形成されたセラミック製の弁
体が開示されているが、この技術では、高温高湿の厳し
い使用条件下では、非晶質カーボン薄膜が剥離してしま
う。
【0009】特開平6−227882号公報には、アル
ミナ製のセラミック基体の表面に非晶質のSi系非酸化
物からなる中間層と非晶質カーボンからなる表層とを積
層した弁体が開示されている。この技術では、非晶質カ
ーボン膜が剥離することはないが、セラミック基体の表
面にSi系非酸化物からなる層及び非晶質カーボン膜を
設けているので、固定弁体及び可動弁体をともにこのよ
うな弁体で構成すると、製造コストが高くなる等の欠点
があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
を解決するためになされたものであり、長期間使用して
も固定弁体と可動弁体との摺動特性が変化せず、高温の
湯水を使用することができ、湯水の温度差によって摺動
トルクが変化することがなく、しかも、低コストで製造
することができる湯水混合栓を提供することを目的とす
るものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の湯水混合栓は、水流入口、湯流入口及び混合
水流出口を有する弁体と、湯水用弁孔及び混合水流出孔
を有する弁体とを相互に摺動可能に重合配置し、上記弁
体の移動変移により流路の開閉を行う湯水混合栓におい
て、上記弁体のいずれか一方の弁体は、少なくとも摺接
面が、三次元網目構造の開放気孔を有する炭化珪素焼結
体の開放気孔中にフッ素系オイル及びシリコーン系オイ
ルのうち少なくとも1種からなる潤滑剤が含浸されてな
るものであり、他方の弁体は、少なくとも摺接面が、ア
ルミナ焼結体の表面にSi系非酸化物膜と非晶質カーボ
ン膜とがこの順に積層されてなるものであることを特徴
とするものである。
【0012】本発明で使用される弁体は、三次元網目構
造の開放気孔を有する炭化珪素焼結体の開放気孔中にフ
ッ素系オイル及びシリコーン系オイルのうち少なくとも
1種からなる潤滑剤が含浸されてなるもの(以下「弁体
(1)」という)、及び、アルミナ焼結体の表面にSi
系非酸化物膜と非晶質カーボン膜とがこの順に積層され
てなるもの(以下「弁体(2)」という)である。
【0013】上記弁体(1)は、出発原料である炭化珪
素粉末を任意の形状の生成形体に成形し、この生成形体
中に存在する気孔を閉塞させることなく結合して炭化珪
素焼結体とし、ついで上記炭化珪素焼結体の開放気孔中
にフッ素系オイル及びシリコーン系オイルのうち少なく
とも1種からなる潤滑剤を含浸することにより製造する
ことができる。
【0014】上記炭化珪素粉末を任意の形状の生成形体
に成形し、この生成形体中に存在する気孔を閉塞させる
ことなく結合させる方法としては特に限定されず、種々
の方法を適用することができるが、例えば、炭化珪素粉
末自体を常圧焼結又は加圧焼結して自己焼結させる方
法、炭化珪素粉末にCo、Ni、Mo等の金属又はガラ
スセメント等の結合剤を配合して常圧焼結又は加圧焼結
して結合させる方法等を挙げることができる。
【0015】上記炭化珪素焼結体は、開放気孔率が、5
〜40容積%であることが好ましい。5容積%未満であ
ると、実質的な潤滑剤の含浸量が少なくなり、潤滑特性
を充分に発揮させることが困難であり、40容積%を超
えると、炭化珪素焼結体の強度が低く、粒子が脱離しや
すいばかりでなく、潤滑剤が流出しやすくなる。上記炭
化珪素焼結体は、結晶の平均粒径が10μm以下が好ま
しい。10μmを超えると、炭化珪素焼結体の表面の面
粗度が大きくなりやすく、摺動特性が劣化する。
【0016】本発明で使用されるフッ素系オイルとして
は特に限定されず、例えば、フルオロエチレン、フルオ
ロエステル、フルオロトリアジン、ペルフルオロポリエ
ーテル、フルオロシリコーン、これらの誘導体、これら
の重合体等を挙げることができる。これらは単独で使用
してもよく、2種以上を併用してもよい。本発明で使用
されるシリコーン系オイルとしては特に限定されず、例
えば、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、
これらの誘導体、これらの重合体等を挙げることができ
る。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用し
てもよい。上記フッ素系オイル及び上記シリコーン系オ
イルは、液状、グリース状、ワックス状のいずれの状態
であってもよい。
【0017】上記炭化珪素焼結体にフッ素系オイル及び
シリコーン系オイルのうち少なくとも1種からなる潤滑
剤を含浸させる方法としては特に限定されず、例えば、
加熱により低粘度化した潤滑剤中に炭化珪素焼結体を浸
漬し、真空又は加圧下で含浸する方法等の一般的な方法
を挙げることができる。
【0018】上記潤滑剤の含浸量は、上記炭化珪素焼結
体の開放気孔100容積部に対し、10容積部以上が好
ましい。10容積部未満であると、潤滑特性を向上させ
ることは困難である。より好ましくは、50〜100容
積部である。
【0019】上記弁体(1)は、上述のように製造され
た炭化珪素焼結体の開放気孔中にフッ素系オイル及びシ
リコーン系オイルのうち少なくとも1種からなる潤滑剤
を含浸させることにより、耐磨耗性、潤滑特性に優れ、
摺動特性を著しく向上させることができる。
【0020】本発明で使用される弁体(2)は、アルミ
ナ焼結体の表面に、Si系非酸化物膜を形成し、その
後、非晶質カーボン膜を形成することにより製造するこ
とができる。上記Si系非酸化物膜を構成するSi系非
酸化物としては特に限定されず、例えば、炭化珪素、窒
化珪素、サイアロン等を挙げることができる。
【0021】上記Si系非酸化物膜の膜厚は、0.1〜
10μmが好ましい。0.1μm未満であると、Si系
非酸化物膜がアルミナ焼結体から剥離することがあり、
10μmを超えると、コストが高くなる。より好ましく
は、0.4〜1μmである。
【0022】上記Si系非酸化物膜は、気相成長法によ
りアルミナ焼結体の表面に形成される。上記気相成長法
としては特に限定されず、例えば、プラズマCVD法、
イオンプレーティング、プラズマ励起スパッタ法等のプ
ラズマ等を用いた熱非平衡プロセス等を挙げることがで
きる。
【0023】上記Si系非酸化物膜を形成する温度は、
500℃以上が好ましい。500℃未満であると、アル
ミナ焼結体との密着性が低下し、適度の面粗度に調製す
ることができず、後に形成される非晶質カーボン膜との
密着性が低下する。より好ましくは、700〜900℃
である。
【0024】上記非晶質カーボン膜は、ダイヤモンド状
炭素を被膜化したものであり、摩擦係数が非常に低く、
高い硬度を有するので、摺動部に用いるのに好適な部材
である。上記非晶質カーボン膜の膜厚は、0.1〜10
μmが好ましい。0.1μm未満であると、磨耗により
消失する可能性があり、10μmを超えると、コストが
高くなる。より好ましくは、0.5〜2μmである。上
記非晶質カーボン膜は、上記Si系非酸化物膜と同様
に、気相成長法により上記Si系非酸化物膜の表面に形
成される。
【0025】本発明の湯水混合栓は、固定弁体を上記弁
体(1)とし、可動弁体を上記弁体(2)とすることに
より、長期間使用しても潤滑剤の流出がなく、固定弁体
と可動弁体との摺動特性が変化せず、高温の湯水を使用
することができ、湯水の温度差によって摺動トルクが変
化することがなく、安価に製造することができ、極めて
優れたものとなる。また、逆に、固定弁体を上記弁体
(2)とし、可動弁体を上記弁体(1)としたものであ
っても、同様の効果を得ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を、図
面を参照しながら説明する。図1は本実施形態における
湯水混合栓の概略図及び部分断面図である。図2は、本
実施形態における固定弁体の平面図であり、図3は、本
実施形態における可動弁体の底面図である。
【0027】図1において、円筒形の下ケース2及び上
ケース3が嵌合されたカートリッジケース1は、湯水混
合栓の本体に着脱自在に配置され、上記カートリッジケ
ース1の内部に固定して収納される固定弁体4は、図2
に示すように非晶質カーボンにより被覆されたアルミナ
焼結体からなる円盤状で、溶接面4aの中央部には流出
口5が溶接面4aと反対側の面まで貫通して設けられて
おり、上記流出口5の孔中心を軸心とする同一円周上に
円孤状の水流入口6及び湯流入口7がそれぞれ固定弁体
4を貫通して設けられている。
【0028】固定弁体4と重合配置された可動弁体8
は、固定弁体4との摺接面8aの反対側である上部に凹
部9が開口された円筒形を形成し、図1及び図3に示す
ように固定弁体4と比較して外径が小さく形成されてお
り、湯水用弁孔10と混合水流出孔11とを有し、可動
弁体8が固定弁体4上を摺動することにより、混合水流
出孔11は固定弁体4の水流入口6と湯流入口7とを連
結して流出口5に吐出される湯水の流量及び混合割合を
調節する。
【0029】この可動弁体8は、凹部9にスライダー部
材13が嵌着され、スライダー部材13と可動弁体8の
作用面12との間の空間に湯水混合室14を形成してい
る。作用面12は可動弁体8の底面のうち湯水用弁孔1
0及び混合水流出孔11の周囲に形成された壁からな
り、この湯水混合室14に流入する水及び湯の水圧によ
る背圧を作用面12に作用することにより可動弁体8を
固定弁体4に強く押しつけ、可動弁体8及び固定弁体4
の摺動面の密着面の密着性を向上させ、同時に、可動弁
体8の少なくとも摺接面8aを潤滑剤を含浸させた炭化
珪素焼結体で構成することにより、湯水の混合及び流路
の開閉を長期間円滑に行うことができる。
【0030】スライダー部材13の上端部に設けられた
係合孔16には、レバーと連繋する把手軸17の下端が
嵌入し、把手軸17の揺動によってスライダー部材13
の係合孔16を支点として可動弁体8が固定弁体4上を
摺動することにより、吐出管から供給される混合水の温
度及び流量が調節される。
【0031】本実施形体においては、固定弁体として非
晶質カーボンにより被覆されたアルミナ焼結体を用い、
可動弁体として潤滑剤を含浸させた炭化珪素焼結体を用
いる場合を例にとって説明したが、本発明の湯水混合栓
は、固定弁体として潤滑剤を含浸させた炭化珪素焼結体
を用い、可動弁体として非晶質カーボンにより被覆され
たアルミナ焼結体を用いたものであってもよい。
【0032】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0033】実施例1 出発原料として使用した炭化珪素粉末は、94.6重量
%がβ型結晶よりなり、0.92重量%の遊離炭素、
0.17重量%の酸素、0.03重量%の鉄、0.03
重量%のアルミニウムを主として含有し、0.28μm
の平均粒径を有していた。炭化珪素粉末100重量部に
対し、ポリビニルアルコール5重量部、水300重量部
を配合し、ボールミル中で5時間混合した後乾燥した。
【0034】この乾燥混合物を適量採取して顆粒化した
後、金属製押し型を用いて3000kg/cm2 の圧力
で成形した。この成形体の寸法は50mm×50mm×
30mmで、密度は2.0g/cm3 (32容積%)で
あった。この成形体を図3に示す形状に加工したのち、
黒鉛製ルツボに装入し、タンマン型焼成炉を使用して1
気圧の主としてアルゴンガス雰囲気中で焼成した。昇温
過程は、まず450℃/時間で2000℃まで昇温し、
最高温度2000℃を10分間維持した。
【0035】得られた炭化珪素焼結体の密度は2.05
g/cm3 、平均気孔径は、ポロシメーターで測定した
ところ、2μmであった。炭化珪素焼結体の平均曲げ強
度は18.5kgf/mm2 であった。
【0036】この炭化珪素焼結体の摺接面8aを4μm
のダイヤモンドでポリッシング加工したのち、ペルフル
オロポリエーテルに真空下で浸漬して含浸させた。この
潤滑剤の含浸率は、開放気孔100容積部に対し、90
容積部であった。このペルフルオロポリエーテルを含浸
した炭化珪素焼結体を可動弁体とした。
【0037】固定弁体は、純度97%のアルミナ焼結体
を図2に示す形状に加工したのち、800℃の温度条件
で、プラズマCVD法により非晶質の炭化珪素からなる
膜を1μmの膜厚で形成した。この上に、同様にして非
晶質カーボン膜を形成した。得られた可動弁体及び固定
弁体を用いて湯水混合栓を作製し、40kgf・cm2
の端面荷重を負荷して摺動トルクを測定した。水側の栓
を開けた場合、及び、湯側の栓を開けた場合について、
摺動回数を0〜20万回として測定し、平均値を算出し
た。結果を図4に示した。図4中、実線は、水側の栓を
開けた場合の摺動トルクを表し、点線は、湯側の栓を開
けた場合を表す。
【0038】比較例1 固定弁体の表面に、非晶質の炭化珪素からなる膜及び非
晶質カーボン膜を形成しなかったこと以外は、実施例1
と同様にして湯水混合栓を作製した。実施例1と同様に
して、水側の栓を開けた場合、及び、湯側の栓を開けた
場合について、摺動トルクを測定した。結果を図5に示
した。図5中、実線は、水側の栓を開けた場合の摺動ト
ルクを表し、点線は、湯側の栓を開けた場合を表す。
【0039】比較例2 ペルフルオロポリエーテルを含浸させる代わりに、80
0℃の温度条件で、プラズマCVD法により、表面に非
晶質カーボン膜を形成したこと以外は、実施例1と同様
にして可動弁体を作製した。得られた可動弁体及び実施
例1で作製した移動弁体を用いて湯水混合栓を作製し、
実施例1と同様にして、水側の栓を開けた場合、及び、
湯側の栓を開けた場合について、摺動トルクを測定し
た。結果を図6に示した。図6中、実線は、水側の栓を
開けた場合の摺動トルクを表し、点線は、湯側の栓を開
けた場合を表す。
【0040】
【発明の効果】本発明の湯水混合栓は、上述の構成より
なるので、長期間使用しても固定弁体と可動弁体との摺
動特性が変化せず、高温の湯水を使用することができ、
湯水の温度差によって摺動トルクが変化することがな
く、しかも、低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の湯水混合栓の一実施形態を表す概略図
及び部分断面図である。
【図2】本発明の湯水混合栓に使用される固定弁体の平
面図である。
【図3】本発明の湯水混合栓に使用される可動弁体の底
面図である。
【図4】実施例1で作製した湯水混合栓を使用したとき
の各摺動回数による摺動トルクの平均値の推移を表すグ
ラフである。
【図5】比較例1で作製した湯水混合栓を使用したとき
の各摺動回数による摺動トルクの平均値の推移を表すグ
ラフである。
【図6】比較例2で作製した湯水混合栓を使用したとき
の各摺動回数による摺動トルクの平均値の推移を表すグ
ラフである。
【符号の説明】
4 固定弁体 4a 溶接面 5 流出口 6 水流入口 7 湯流入口 8 可動弁体 8a 摺接面 9 凹部 10 湯水用弁孔 11 混合水流出孔 12 作用面 13 スライダー部材 14 湯水混合室 16 係合孔 17 把手軸

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水流入口、湯流入口及び混合水流出口を
    有する弁体と、湯水用弁孔及び混合水流出孔を有する弁
    体とを相互に摺動可能に重合配置し、前記弁体の移動変
    移により流路の開閉を行う湯水混合栓において、前記弁
    体のいずれか一方の弁体は、少なくとも摺接面が、三次
    元網目構造の開放気孔を有する炭化珪素焼結体の開放気
    孔中にフッ素系オイル及びシリコーン系オイルのうち少
    なくとも1種からなる潤滑剤が含浸されてなるものであ
    り、他方の弁体は、少なくとも摺接面が、アルミナ焼結
    体の表面にSi系非酸化物膜と非晶質カーボン膜とがこ
    の順に積層されてなるものであることを特徴とする湯水
    混合栓。
JP15763896A 1996-05-28 1996-05-28 湯水混合栓 Pending JPH09317912A (ja)

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