JPH09317296A - 扉固定具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定した扉が揺れることによるガタ付きを防
止し得る機能を備えた扉固定具の提供。 【解決手段】 扉１へ落し棒２を鉛直に且つ昇降自在に
支持し、該落し棒２の先端部が操作部の動きに伴って床
面３の落し穴４を出入りする扉固定具において、落し棒
本体２５の先部分に、先細りのテーパー部５を先部に形
成したガイドスリーブ６を下向きに付勢して装着し、該
テーパー部５における先端７の直径を前記落し穴４内へ
侵入し得る大きさに設定すると共に、該テーパー部５に
おける基端８の直径を前記落し穴４内へ侵入し得ない大
きさに設定し、且つ該テーパー部５のうち、落し穴４の
開口縁に掛かる箇所から先端に至る深さＬを、該落し穴
４の深さＤより浅く設定した落し棒を具備する扉固定
具。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、扉に付設して用い
られ、レバー操作にて先端部を床面の落し穴へ侵入させ
ることにより、扉を開放状態或いは閉鎖状態に固定する
為の扉固定具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より扉には、その扉に固着された基
台へ昇降可能に支持された可動ベースに対し、該扉を開
放状態或いは閉鎖状態に固定もしくはそれを解除すべ
く、その先端部が床面の落し穴を出入りする落し棒が装
着されたいわゆるフランス落しと呼ばれる扉固定具が広
く用いられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
扉固定具が具備する落し棒は、断面形状がほぼ均一な棒
を単体で使用したものであるために、落し棒の先端と、
該先端が嵌まり易いように内径が落し棒の先端より大き
く設定してある落し穴との関係で、固定した扉が風等に
よりガタ付くという問題があった。

【０００４】本発明は上記実情に鑑みて成されたもので
あって、固定した扉が揺れることによるガタ付きを防止
し得る機能を備えた扉固定具の提供を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明による扉固定具は、扉へ落し棒を鉛直
に且つ昇降自在に支持し、該落し棒の先端部が操作部の
動きに伴って床面の落し穴を出入りする扉固定具であっ
て、落し棒本体の先部分に、先細りのテーパー部を先部
に形成したガイドスリーブを下向きに付勢して装着し、
該テーパー部における先端の直径を前記落し穴内へ侵入
し得る大きさに設定すると共に、該テーパー部における
基端の直径を前記落し穴内へ侵入し得ない大きさに設定
し、且つ該テーパー部のうち、落し穴の開口縁に掛かる
箇所から先端に至る深さを、該落し穴の深さより浅く設
定した落し棒を具備することを特徴とする。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明による扉固定具の実
施の形態を図面に基き各々説明する。図４は、本発明に
よる扉固定具の操作部一例を示したものである。この扉
固定具は、扉１の端面に固着される基台９と、該基台９
へ昇降可能に支持される可動ベース１０と、該可動ベー
ス１０を昇降せしめるレバー１１と、該可動ベース１０
より垂設され先端部がレバー操作による可動ベース１０
の昇降に伴って床面３の落し穴４を出入りする落し棒２
より構成されたものである。

【０００７】ここで示す扉固定具の基台９は、アルミ合
金を素材とする板体に適宜リブを一体的に形成して補強
し、該板体の表面に半球状に凹んだ一対の指掛け部１
２，１２を、該板体の中央に長手方向に並べて設け、レ
バー１１を収納する為の切込み１３を前記指掛け部１
２，１２を連結するが如き態様で設け、該切込み１３の
長手方向の中間部に前記レバー１１を揺動自在に支持す
る為の軸承部１４を設けたものである。更に、該基台９
には、前記切込み１３の裏側において前記可動ベース１
０を基台９の長手方向へ摺動自在に保持すべく、一対の
保持ピン１５，１５が、前記切込み１３の中央部を挟ん
で平行に且つ基台９の裏面から同じだけ離隔した状態に
渡し掛けられている。

【０００８】前記レバー１１は先部に前記両指掛け部１
２に収納し得る半円状の摘みが形成され、基部には、前
記軸承部１４に揺動軸１６をもって軸支する為の通し穴
が設けられ、該基部から更に長手方向に突出する連結部
１７が先端を曲面として一体成形されている。該レバー
１１の連結部１７には、低い円筒状の摺動体１８が揺動
自在に装着され、該摺動体１８は、一方の端部中央が直
線的に欠落し、該欠落した箇所を挟んで両側に残った部
分が前記連結部１７を支持する軸受１９となる。尚、該
摺動体１７における他方の端面は、スプリング３０等の
付勢部材を保持し易い様に凹部２１が形成されている。

【０００９】又、前記可動ベース１０は、前記保持ピン
１５と基台９裏面との離隔長より薄く且つ前記各保持ピ
ン１５を支持する一対の脚部２２，２２の間隔より狭い
幅の細長い板状を呈し、長手方向の中央部に、前記レバ
ー１１に装着された摺動体１７が装填され且つ該摺動体
１７が内部で摺動し得る有底円筒状のガイド２３が形成
され、該可動ベース１０の下部には落し棒２を装着し且
つその有効長を調節し得る様に、該可動ベース１０の摺
動方向に貫通する捩子穴を設けた保持部２４が形成され
ている。

【００１０】これらの部材が組み立てられた結果、レバ
ー１１の連結部１７に装着された摺動体１８は、可動ベ
ース１０のガイド２３に装填され、その際同時に装填さ
れたスプリング３０によってガイド２３の開口部方向へ
付勢される。当該可動ベース１０は、少なくともその摺
動ストロークを確保し得る長さを隔てて平行に配された
一対の保持ピン１５，１５でガイド２３を挟む様に保持
されており、ガイド２３を境とする可動ベース１０の長
手方向の両側へ所定の長さを確保することにより摺動方
向からの離脱が防止されている。レバー１１は、前記揺
動軸１６をもって上下に１８０度揺動する度に切込み１
３及びいずれかの指掛け部１２に収納されるが、前記摺
動体１７に加えられた付勢力と前記連結部１７先端部の
曲面形状の相関作用によりレバー１１の、基台９表面に
対する起立が阻止される結果、切込み１３及び指掛け部
１２内へのレバー１１の収納状態が好適に維持されるこ
ととなる。更に同付勢力により可動ベース１０の背面が
絶えず保持ピン１５，１５に押し付けられる事となり、
基台９と可動ベース１０を始めとする各部材間のがたつ
きも防止できる構造とされている。

【００１１】更に本発明による扉固定具は、以下の如く
落し棒２の構造を工夫することにより落し棒２と落し穴
４間のがたつきという問題の解消が図られている。

【００１２】即ち、図１乃至図３に示す落し棒は、断面
が円形の金属棒である落し棒本体２５の先部分に、先細
りのテーパー部５を先端に備えたガイドスリーブ６を装
着したものである。即ち、該落し棒本体２５の先部分の
基部寄りにストッパー２６を一体成形し、該ストッパー
２６の先端よりに付勢部材たるスプリング２０を装着す
る。次いで前記ガイドスリーブ６を、該スプリング２０
をガイドスリーブ６の基部側の端面にて押し縮めつつ装
着し、その後、落し棒本体２５の先端面に溝２７を形成
しその溝２７を押し広げることによって、該落し棒本体
２５の先端を拡幅しガイドスリーブ６の離脱を防止する
ものである。

【００１３】前記ガイドスリーブ６の、テーパー部５
は、該先端７の直径を前記落し穴４内へ侵入し得る大き
さに設定すると共に、該テーパー部５における基端８の
直径を前記落し穴４内へ侵入し得ない大きさに設定し、
且つ該テーパー部５のうち、落し穴４の開口縁に掛かる
箇所から先端に至る深さを、該落し穴４の深さより浅く
設定することによって、前記ガイドスリーブ６が落し穴
４の開口縁に押し付けられる力とテーパー部５の形状に
よって生じる作用、即ち、落し棒２の先端の中心が落し
穴４の中心に向おうとする所謂求心作用が生じる結果、
落し穴４と落し棒２先端とのがたつきを防止できるもの
である。

【００１４】尚、上記テーパー部５の形状は、この作用
を得る為に必要不可欠な条件であるが、この条件が満た
されていたとしても定常状態で落し棒本体２５の先端が
ガイドスリーブ６の先端から大きく突出していたので
は、テーパー部５が落し穴４の開口縁に当接する以前に
落し棒本体２５の先端が落し穴４の底へ達してしまい所
定の作用を得ることができなくなる。よって、落し棒本
体２５のガイドスリーブ６の先端から突出量は最小限に
止め、所定のレバー１１の操作を経てテーパー部５が、
落し穴４の開口縁へ押し付けられて上昇することによ
り、落し棒本体２５がガイドスリーブ６の先端から僅か
に突出するように設定しておくことが望ましい。

【００１５】テーパー部５は、深いほど求心作用が強く
働くが、深くすると落し穴４の深さも深く設定する必要
が生じ、その結果、可動ベース１０の摺動ストロークも
長く取る必要が出る他、スプリング２０の選定をはじめ
として扉固定具の構造全体に影響が出るので、設計の際
は各部材の構成及び機能についてバランスを取る必要が
ある。又、ガイドスリーブ６の外観、付勢部材の選定、
ストッパー２６及びガイドスリーブ６の離脱防止方法等
についても、前記構造に限定されるものではなく適宜設
計変更することができる。

【００１６】更に、操作部の構造も上記構造に限定する
必要は無く、例えば、門扉等に用いる際には、図６に示
すような、操作レバー２８を溝２９に沿って移動させる
簡単な構造を採用しても良い。

【００１７】

【発明の効果】以上のごとく本発明による扉固定具を使
用すれば、落し棒と落し穴との関係で固定した扉が風等
によりガタ付くという問題が解消され、扉固定具ひいて
は扉自体の耐用年数を長くできる他、雑音による不快感
も取り除くことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による扉固定具の一例を示す要部正面図
である。

【図２】図１の要部拡大図である。

【図３】本発明による扉固定具の一例を示す要部側面図
である。

【図４】本発明による扉固定具の操作部の一例を示す断
面図である。

【図５】本発明による扉固定具の操作部の一例を示す背
面図である。

【図６】本発明による扉固定具の操作部の別の一例を示
す正面図である。

【符号の説明】

１ 扉 ２ 落し棒 ３ 床面 ４ 落し穴 ５ テーパー部 ６ ガイドスリーブ ７ 先端 ８ 基端 Ｌ，Ｄ 深さ ２５ 落し棒本体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 扉（１）へ落し棒（２）を鉛直に且つ昇
   降自在に支持し、該落し棒（２）の先端部が操作部の動
   きに伴って床面（３）の落し穴（４）を出入りする扉固
   定具において、落し棒本体（２５）の先部分に、先細り
   のテーパー部（５）を先部に形成したガイドスリーブ
   （６）を、下向きに付勢して装着し、該テーパー部
   （５）における先端（７）の直径を前記落し穴（４）内
   へ侵入し得る大きさに設定すると共に、該テーパー部
   （５）における基端（８）の直径を前記落し穴（４）内
   へ侵入し得ない大きさに設定し、且つ該テーパー部
   （５）のうち、落し穴（４）の開口縁に掛かる箇所から
   先端に至る深さ（Ｌ）を、該落し穴（４）の深さ（Ｄ）
   より浅く設定した落し棒を具備することを特徴とする扉
   固定具。