JPH09316902A - 浄化槽のマンホール口の嵩上げ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マンホール口を浄化槽本体の埋設深さに合わ
せて嵩上げできる。地表面の傾斜面に合わせてマンホー
ル口を傾斜できる。 【解決手段】 浄化槽本体１のマンホール口４の周縁に
調節内筒６の下端部を嵌合する。調節内筒６の上縁部に
調節外筒11の下端縁を嵌合する。調節外筒11の上縁部を
蓋受枠12の開口縁に嵌合する。調節外筒11の内径は調節
内筒６に傾斜状に嵌合可能にこの調節内筒６の外径より
大きく形成している。調節内筒６の上縁部に円周方向に
間隔をおいて調節外筒11の下縁部を保持する折り曲げ可
能な支持板10を取付ける。調節内筒６に調節外筒11を傾
斜し嵌合しこの調節外筒11の下端縁を支持板10を折り返
した折り曲げ部16で支持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は家庭用などの浄化槽
のマンホール口の嵩上げ装置に係り、地中に埋設する浄
化槽のマンホール口を地表面に合わせて高さを調節可能
としたものに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、浄化槽は汚水管の埋設深さに合
わせて地中に埋設して浄化槽本体の流入口の位置を汚水
管の埋設深さに合わせるように設置しているが、浄化槽
本体は汚水管の下流端に設置されるため、浄化槽本体の
埋設深さはその設置条件によって浄化槽本体の埋設深さ
は異なっている。しかしながら、従来の浄化槽のマンホ
ール口の高さは固定されているため、マンホール口を地
表面に合わせるため、マンホール口に嵩上げ用の筒体を
取付けて調整していた。

【０００３】また、従来の浄化槽本体のマンホール口
は、浄化槽本体に対して水平状に設けた構造が採られて
いた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の浄化槽では、マ
ンホール口を地表面に合わせるため、複数種類の高さの
嵩上げ用筒体を用意する必要があり、製品種類が多くな
り、製造効率が低く、管理が繁雑となる問題を有してい
る。また、一つの嵩上げ用筒体を用いて地表面に合わせ
て切断する方法が考えられるが、マンホール口を地表面
までの高さに合わせて切断しなくてはならず、口径の大
きいマンホール口を切断することは容易でない問題があ
った。さらに、傾斜した地面に浄化槽を埋設して嵩上げ
筒を切断することも考えられるが、傾斜状に筒体を切断
することは困難であった。

【０００５】本発明は上記問題点に鑑みなされたもの
で、マンホール口に取り付けられる蓋受枠を浄化槽本体
の埋設深さに合わせて容易に高さを調節できるように
し、また、地表面の傾斜面に合わせてマンホール口に取
り付けられる蓋受枠を傾斜して取り付けられ、設置作業
が容易にできる浄化槽のマンホール口嵩上げ装置を提供
するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明の浄
化槽のマンホール口嵩上げ装置は、浄化槽本体の処理室
の上方に開口したマンホール口の上方に設けられ蓋体を
開閉自在に嵌合する蓋受枠と、前記浄化槽本体のマンホ
ール口の周縁に下端部が嵌合される調節内筒と、この調
節内筒の上縁部に下端縁が嵌合されるとともに上縁部が
前記蓋受枠の開口縁に嵌合される調節外筒とを備え、前
記調節内筒の上縁外周部に円周方向に間隔をおいて前記
調節外筒の下縁部を保持する折り曲げ可能な支持板を取
付け、前記調節内筒に調節外筒を嵌合しこの調節外筒の
下端縁を前記支持板を折り返した折り曲げ部で支持した
したものである。

【０００７】そして、浄化槽本体のマンホール口の周縁
に下端部を嵌合した調節内筒に、調節外筒を嵌合し、調
節内筒の上縁外周部に円周方向に間隔をおいて取付けた
支持板の中間部を浄化槽本体の埋設深さに合わせて折り
曲げ、調節外筒の下端縁を支持板の折り返した折り曲げ
部で支持し、この調節外筒に嵌合される蓋受枠を地表面
の高さに合わせる。この状態で、調節外筒に蓋受枠を嵌
合することにより蓋受枠は土地の地表面に合わせて取付
けられ、蓋体は地表面に合わせて取り付けられる。

【０００８】請求項２記載の発明の浄化槽のマンホール
口の嵩上げ装置は、請求項１記載の浄化槽のマンホール
口の嵩上げ装置において、調節外筒の内径は調節内筒に
傾斜状に嵌合可能にこの調節内筒の外径より大きく形成
し、前記調節内筒に調節外筒を傾斜して嵌合しこの調節
外筒の下端縁を支持板を折り返した折り曲げ部で支持す
るものである。

【０００９】そして、浄化槽本体のマンホール口の周縁
に下端部を嵌合した調節内筒に、調節外筒を地表面の傾
斜面に合わせて傾斜させて嵌合し、調節内筒の上縁外周
部に円周方向に間隔をおいて取付けた支持板の中間部を
浄化槽本体を埋設した土地の地表面の傾斜に合わせて折
り曲げ、調節外筒の下端縁を支持板の折り返した折り曲
げ部で支持し、この調節外筒に嵌合される蓋受枠を地表
面の傾斜に合わせる。この状態で、調節外筒に蓋受枠を
嵌合することにより蓋受枠は土地の傾斜面に合わせて取
付けられ、蓋体は地表面の傾斜に合わせられる。

【００１０】請求項３記載の発明の浄化槽のマンホール
口の嵩上げ装置は、請求項１または２記載の浄化槽のマ
ンホール口嵩上げ装置において、調節内筒の外周部に円
周方向に間隔をおいてこの調節内筒の軸線方向に凹部を
形成し、この凹部に支持板を嵌着したものである。

【００１１】そして、支持板を調節内筒の外周部に円周
方向に間隔をおいてこの調節内筒の軸線方向に形成した
凹部に嵌合することによって、支持板は調節内筒の外周
面から突出することがなく、調節内筒に調節外筒を円滑
に嵌合できる。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明の浄化槽装置のマンホール
口の嵩上げ装置の一実施の形態の構成を図面に基いて説
明する。

【００１３】図５において、１は浄化槽本体で、図示し
ない内部には、流入口２側から放流口３側に向って、嫌
気処理沈殿処理室、嫌気性処理室、好気性曝気処理室、
沈殿室、消毒室などが形成され、この浄化槽本体１の上
面には、複数のマンホール口４が開口されている。

【００１４】図１および図２に示すように、この各マン
ホール口４の開口縁に環状の蓋受枠５の下面に突設した
環状の嵌合縁７が嵌合され、この蓋受枠５の上面に形成
した環状の嵌合溝８に調節内筒６の拡径下縁6aが嵌合さ
れている。この蓋受枠５は合成樹脂または鋳物で成型さ
れ前記浄化槽本体１のマンホール口４の開口縁の外周に
嵌合される環状の嵌合縁７が下方に向って突設され、ま
た、前記調節内筒６の下端縁の外周を嵌合する嵌合溝８
が上向きに突設した内外の嵌合縁8a，8bにて形成されて
いる。

【００１５】また、図１および図３に示すように、前記
調節内筒６は合成樹脂にて上下面を開口した筒状に成型
され、外周面に円周方向に間隔をおいて上下方向に凹部
９が形成され、この凹部９に位置して折曲げ可能なステ
ンレス板などの金属板にて成型した支持板10を嵌合配設
し、この支持板10の上端部がリベット18にて固着されて
いる。そして、この調節内筒６の下端縁は前記蓋受枠５
の嵌合溝８に嵌合される。

【００１６】さらに、前記調節内筒６に進退自在に嵌合
される調節外筒11は合成樹脂にて上下面を開口した筒状
に成型され、この調節外筒11の内径は前記調節内筒６に
傾斜状に嵌合可能にこの調節内筒６の外径より大きく形
成されている。

【００１７】また、前記調節外筒11の上端部に嵌合され
る蓋受枠12は前記蓋受枠５と同一部材で、合成樹脂また
は鋳物で環状に成型され、前記調節外筒11の上端縁に内
周が嵌合される下向きの環状の嵌合縁13が突設され、ま
た、上面には合成樹脂または鋳物にて成型された蓋体を
嵌合する嵌合溝14が形成され、この嵌合溝14は上向きに
突設した環状の内外の嵌合縁15a ，15b にて形成されさ
れている。

【００１８】次に、この実施の形態の作用について説明
する。

【００１９】浄化槽本体１のマンホール口４の開口縁に
蓋受枠５を嵌合し、この蓋受枠５の嵌合溝８に調節内筒
６の下端縁を嵌合し、この調節内筒６に調節外筒11を嵌
合する。この状態で、例えば、図１または図２に示すよ
うに、調節内筒６の上縁外周部に円周方向に間隔をおい
て取付けた支持板10の中間部を浄化槽本体１の埋設深さ
に合わせて折り曲げ、調節外筒11の下端縁を支持板の折
り返した折り曲げ部16で支持し、この調節外筒11に嵌合
される蓋受枠12を地表面に高さに合わせる。この状態
で、次いで、蓋受枠12の嵌合縁13を調節外筒11の上縁部
に嵌合する。この調節外筒11に蓋受枠12を嵌合すること
により蓋受枠12は土地の地表面に合わせて取付けられ、
蓋体は地表面に合わせて取り付けられる。

【００２０】また、図５に示すように、浄化槽本体１を
地表面が傾斜した地中に埋設されている場合には、図６
に示すように、蓋受枠12が傾斜した地表面GLの傾斜に合
わせられるように、調節外筒11を傾斜させた状態で調節
内筒６に嵌合し、この状態で支持板10の中間部を折り曲
げ、この調節外筒11の下端縁を支持板10の折り返した折
り曲げ部16で支持する。

【００２１】この状態で、この調節外筒11に嵌合される
蓋受枠12を地表面GLの傾斜に合わせられ、調節外筒11に
蓋受枠12を嵌合することにより蓋受枠12は土地の傾斜面
に合わせて取付けられ、蓋体は地表面GLの傾斜に合わせ
られる。

【００２２】なお、図４に示すように、前記支持板10に
は上端部を折り返して調節内筒６の上縁に係合する係合
部17を形成したが、必ずしもこの係合部は必要ない。

【００２３】さらに、前記支持板10は調節内筒６に接着
など適宜の手段で取り付けることもできる。

【００２４】また、前記実施の形態では、浄化槽本体１
のマンホール口４に蓋受枠５を用いて調節内筒６を嵌合
したが、蓋受枠５を用いずに調節内筒６を直接マンホー
ル口４に嵌合することもできる。

【００２５】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、調節外筒
の下端縁を支持板の折り返した折り曲げ部で支持し、こ
の調節外筒に嵌合される蓋受枠を地表面に高さに合わせ
ることにより、蓋受枠は土地の地表面に合わせて取付け
られ、浄化槽本体の埋設深さが異なっても蓋体は地表面
に合わせて取り付けることができ、マンホール口の高さ
を調整するための高さの異なる複数種の嵩上げ用筒体を
用意する必要がなく、管理が容易となる。

【００２６】請求項２記載の発明によれば、浄化槽本体
を傾斜した土地に埋設設置する場合、浄化槽本体の掃除
口を覆う蓋体とこの蓋体を開閉自在に支持する蓋受枠と
は地面の傾斜に合わせて傾斜した状態に容易に取り付け
られことができる。しかも、調節外筒を傾斜させて支持
板を折り曲げるのみで簡単に調節外筒を土地の傾斜面に
合わせて傾斜させて蓋体と蓋受枠とは地面と同一面に設
置でき、施工作業が容易となる。

【００２７】請求項３記載の発明によれば、支持板を調
節内筒の外周部に円周方向に間隔をおいてこの調節内筒
の軸線方向に形成した凹部に嵌合することによって、支
持板は調節内筒の外周面から突出することがなく、調節
内筒に調節外筒を円滑に嵌合できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態を示す浄化槽のマンホー
ル口の嵩上げ装置の縦断正面図である。

【図２】同上マンホール口を嵩上げした状態を示す嵩上
げ装置の縦断正面図である。

【図３】同上嵩上げ装置の一部の横断平面図である。

【図４】同上嵩上げ装置の一部の縦断正面図である。

【図５】同上マンホール口の嵩上げ装置を実施した浄化
槽の正面図である。

【図６】同上マンホール口を傾斜した状態を示す嵩上げ
装置の縦断正面図である。

【符号の説明】

１ 浄化槽本体 ４ マンホール口 ６ 調節内筒 ９ 凹部 10 支持板 11 調節外筒 12 蓋受枠 16 折り曲げ部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浄化槽本体の処理室の上方に開口したマ
   ンホール口の上方に設けられ蓋体を開閉自在に嵌合する
   蓋受枠と、前記浄化槽本体のマンホール口の周縁に下端
   部が嵌合される調節内筒と、この調節内筒の上縁部に下
   端縁が嵌合されるとともに上縁部が前記蓋受枠の開口縁
   に嵌合される調節外筒とを備え、 前記調節内筒の上縁外周部に円周方向に間隔をおいて前
   記調節外筒の下縁部を保持する折り曲げ可能な支持板を
   取付け、 前記調節内筒に調節外筒を嵌合しこの調節外筒の下端縁
   を前記支持板を折り返した折り曲げ部で支持したことを
   特徴とする浄化槽のマンホール口の嵩上げ装置。
2. 【請求項２】 調節外筒の内径は調節内筒に傾斜状に嵌
   合可能にこの調節内筒の外径より大きく形成し、前記調
   節内筒に調節外筒を傾斜して嵌合しこの調節外筒の下端
   縁を支持板を折り返した折り曲げ部で支持することを特
   徴とした請求項１記載の浄化槽のマンホール口の嵩上げ
   装置。
3. 【請求項３】 調節内筒の外周部に円周方向に間隔をお
   いてこの調節内筒の軸線方向に凹部を形成し、この凹部
   に支持板を嵌着したことを特徴とした請求項１または２
   記載の浄化槽のマンホール口嵩上げ装置。