JPH09316646A - Cvd装置 - Google Patents
Cvd装置Info
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- JPH09316646A JPH09316646A JP15904696A JP15904696A JPH09316646A JP H09316646 A JPH09316646 A JP H09316646A JP 15904696 A JP15904696 A JP 15904696A JP 15904696 A JP15904696 A JP 15904696A JP H09316646 A JPH09316646 A JP H09316646A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 液体原料を液体のままで流量制御し、当該液
体原料を気化器で気化させ、所望流量の反応ガスを作る
ように構成されるCVD装置においてスループットを高
くする。 【解決手段】 反応室11と、反応室内を排気する排気機
構14,15 と、反応室内に設けた基板ホルダ18と、反応室
に反応ガスを供給する反応ガス供給機構と、反応ガス生
成機構とを備え、反応ガスの化学反応によって基板19の
表面に薄膜を形成する。反応ガス生成機構は、液体原料
28を収容するコンテナ29と、液体原料を気化し反応ガス
を作る気化器31と、容器から気化器へ流れる液体原料の
流量を制御する液体流量制御機構30とからなり、また反
応ガス供給機構として基板ホルダ上の基板へ反応ガスを
導く筒体33が設けられる。
体原料を気化器で気化させ、所望流量の反応ガスを作る
ように構成されるCVD装置においてスループットを高
くする。 【解決手段】 反応室11と、反応室内を排気する排気機
構14,15 と、反応室内に設けた基板ホルダ18と、反応室
に反応ガスを供給する反応ガス供給機構と、反応ガス生
成機構とを備え、反応ガスの化学反応によって基板19の
表面に薄膜を形成する。反応ガス生成機構は、液体原料
28を収容するコンテナ29と、液体原料を気化し反応ガス
を作る気化器31と、容器から気化器へ流れる液体原料の
流量を制御する液体流量制御機構30とからなり、また反
応ガス供給機構として基板ホルダ上の基板へ反応ガスを
導く筒体33が設けられる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はCVD装置に関し、
特に、化学反応による気相成長を利用して基板表面に成
膜し、基板上に半導体集積回路素子、各種電子素子、各
種センサ等の作製するCVD装置に関する。
特に、化学反応による気相成長を利用して基板表面に成
膜し、基板上に半導体集積回路素子、各種電子素子、各
種センサ等の作製するCVD装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5を参照して従来の代表的なCVD装
置を説明する。このCVD装置は、バブリング法によっ
て反応ガスを生成する構成と、反応室に導入された反応
ガスを拡散させる拡散板とを備える。
置を説明する。このCVD装置は、バブリング法によっ
て反応ガスを生成する構成と、反応室に導入された反応
ガスを拡散させる拡散板とを備える。
【0003】図5に示したCVD装置では、バブリング
法を適用した構成で供給された反応ガスが、真空に保持
された反応室51の内部に、反応室51の下部壁面に接
続された配管52を経由して導入される。反応ガスは、
液体原料53をバブリング法で気化することによって生
成され、当該液体原料の収容箇所から配管52およびプ
ロセスバルブ54を通って反応室51へ供給される。な
お、配管52およびプロセスバルブ54はヒータ55で
加熱され、さらに反応室51はヒータ56で加熱されて
いる。
法を適用した構成で供給された反応ガスが、真空に保持
された反応室51の内部に、反応室51の下部壁面に接
続された配管52を経由して導入される。反応ガスは、
液体原料53をバブリング法で気化することによって生
成され、当該液体原料の収容箇所から配管52およびプ
ロセスバルブ54を通って反応室51へ供給される。な
お、配管52およびプロセスバルブ54はヒータ55で
加熱され、さらに反応室51はヒータ56で加熱されて
いる。
【0004】反応室51内では、配管52が接続される
壁面に対向する位置に基板ホルダ57が設けられ、基板
ホルダ57上にシリコン製の基板58が基板押え59で
固定される。基板ホルダ57の内部には反応を誘起する
機構としてヒータ60が設けられる。また基板ホルダ5
7の内部には熱電対61が設けられる。熱電対61で基
板ホルダ57の温度を測定し、温度調節機構62により
基板ホルダ57の温度を適切に調節している。また、反
応室51は、可変バルブ63を備えかつヒータ64で加
熱された配管65を介してルーツポンプ66および油回
転ポンプ67に接続され、これらのポンプによって内部
を排気され、所望の真空状態に保持される。
壁面に対向する位置に基板ホルダ57が設けられ、基板
ホルダ57上にシリコン製の基板58が基板押え59で
固定される。基板ホルダ57の内部には反応を誘起する
機構としてヒータ60が設けられる。また基板ホルダ5
7の内部には熱電対61が設けられる。熱電対61で基
板ホルダ57の温度を測定し、温度調節機構62により
基板ホルダ57の温度を適切に調節している。また、反
応室51は、可変バルブ63を備えかつヒータ64で加
熱された配管65を介してルーツポンプ66および油回
転ポンプ67に接続され、これらのポンプによって内部
を排気され、所望の真空状態に保持される。
【0005】反応ガスを生成する機構に関し、前述の液
体原料53は、恒温漕68によって所要温度に保持され
たコンテナ69に収容され、配管70で供給されるキャ
リアガスによってバブリングされることにより気化し、
反応ガスとなる。恒温漕68にはヒータ71が設けられ
る。反応ガスは、加熱された状態の配管52を通って反
応室51に供給され、その内部に導入される。反応室5
1内における配管52の接続部の周囲には拡散板72が
設けられる。拡散板72は、基板58に対向して配置さ
れる。反応ガスは、この拡散板72を通って基板58に
到達する。ここで「拡散板」とは、一般には基板程度の
大きさを有し、反応室51内で反応ガスが比較的均一に
広がるようにするための構造を持つ板材である。図5に
示した拡散板72は、複数の細孔が形成された平板であ
り、基板58の大きさに対応する範囲で基板58と対向
するように設置され、その複数の細孔から反応ガスが吹
き出すように構成される。拡散板72によって反応ガス
はその流れを制限されるので、拡散板72によって区画
される拡散板内部(A1の領域)と反応室内部(A2の
領域)では、拡散板内部の圧力の方が反応室内部の圧力
よりも大きくなる。このように、拡散板内部と反応室内
部の間に圧力差が生じるため、導入された反応ガスは反
応室内部で均一に拡散される。
体原料53は、恒温漕68によって所要温度に保持され
たコンテナ69に収容され、配管70で供給されるキャ
リアガスによってバブリングされることにより気化し、
反応ガスとなる。恒温漕68にはヒータ71が設けられ
る。反応ガスは、加熱された状態の配管52を通って反
応室51に供給され、その内部に導入される。反応室5
1内における配管52の接続部の周囲には拡散板72が
設けられる。拡散板72は、基板58に対向して配置さ
れる。反応ガスは、この拡散板72を通って基板58に
到達する。ここで「拡散板」とは、一般には基板程度の
大きさを有し、反応室51内で反応ガスが比較的均一に
広がるようにするための構造を持つ板材である。図5に
示した拡散板72は、複数の細孔が形成された平板であ
り、基板58の大きさに対応する範囲で基板58と対向
するように設置され、その複数の細孔から反応ガスが吹
き出すように構成される。拡散板72によって反応ガス
はその流れを制限されるので、拡散板72によって区画
される拡散板内部(A1の領域)と反応室内部(A2の
領域)では、拡散板内部の圧力の方が反応室内部の圧力
よりも大きくなる。このように、拡散板内部と反応室内
部の間に圧力差が生じるため、導入された反応ガスは反
応室内部で均一に拡散される。
【0006】上記のごとく従来のCVD装置では、主
に、液体原料を反応ガスにするにあたりバブリング法が
用いられ、また反応室に反応ガスを導入する際には、拡
散板を通すことによって反応ガスを反応室内に拡散させ
るようにしていた。
に、液体原料を反応ガスにするにあたりバブリング法が
用いられ、また反応室に反応ガスを導入する際には、拡
散板を通すことによって反応ガスを反応室内に拡散させ
るようにしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図5に示した従来のC
VD装置の次の問題を有する。
VD装置の次の問題を有する。
【0008】拡散板72を備えるCVD装置では、拡散
板が反応ガスの流量を制限するので、反応ガスの流量を
充分にとることができず、充分に成膜速度が得られない
という問題が生じる。すなわち、上記CVD装置では、
反応室51内で反応ガスを均一に広げるために、細孔を
有する拡散板72を用いてコンダクタンスを絞ってい
る。しかし、コンダクタンスを絞ると、拡散板72の前
後で差圧が生じ、気化を行うための構成(液体原料を収
容する構成およびバブリングを行うための構成等)の側
の圧力が高くなる。気化を行う構成においてその内部圧
力が高くなると、気化効率の低下を招き、反応ガスの流
量が充分に確保できず、充分な成膜速度が得られず、充
分なスループットが得られないという問題が起きる。
板が反応ガスの流量を制限するので、反応ガスの流量を
充分にとることができず、充分に成膜速度が得られない
という問題が生じる。すなわち、上記CVD装置では、
反応室51内で反応ガスを均一に広げるために、細孔を
有する拡散板72を用いてコンダクタンスを絞ってい
る。しかし、コンダクタンスを絞ると、拡散板72の前
後で差圧が生じ、気化を行うための構成(液体原料を収
容する構成およびバブリングを行うための構成等)の側
の圧力が高くなる。気化を行う構成においてその内部圧
力が高くなると、気化効率の低下を招き、反応ガスの流
量が充分に確保できず、充分な成膜速度が得られず、充
分なスループットが得られないという問題が起きる。
【0009】またCVD法による成膜では反応ガスの流
量制御が重要である。近年のCVD法では、種々の材料
を成膜し、常温常圧で液体である原料を使用することが
増している。しかしながら、上記バブリング法では、気
体状態で反応ガスの流量制御を行わなければならないの
で、上記液体原料を反応ガスとすることにおいて反応ガ
スの流量を一定に制御することが難しく、反応ガスの流
量制御をうまく行うことができない。特に液体原料の蒸
気圧が低い場合には、当該液体原料によって作られる反
応ガスを大量に流すことが難しい。反応ガスの流量を多
くできないと、一般に成膜速度が低下する。
量制御が重要である。近年のCVD法では、種々の材料
を成膜し、常温常圧で液体である原料を使用することが
増している。しかしながら、上記バブリング法では、気
体状態で反応ガスの流量制御を行わなければならないの
で、上記液体原料を反応ガスとすることにおいて反応ガ
スの流量を一定に制御することが難しく、反応ガスの流
量制御をうまく行うことができない。特に液体原料の蒸
気圧が低い場合には、当該液体原料によって作られる反
応ガスを大量に流すことが難しい。反応ガスの流量を多
くできないと、一般に成膜速度が低下する。
【0010】さらに近年では、低温成膜の要求から、低
温で化学反応が生じる成膜材料を取り扱うようになって
きている。このことは、常温で不安定、あるいは少しの
加熱で反応が生じる成膜原料を取り扱うことを意味す
る。一方、従来のバブリング法によれば、反応ガスを多
く流すため、成膜中、長時間にわたり、バブラーを加熱
し続けることが必要になる。かかる点で、加熱工程を必
須とするバブリング法は、低温で化学反応が生じる液体
原料を取り扱うには不向きである。
温で化学反応が生じる成膜材料を取り扱うようになって
きている。このことは、常温で不安定、あるいは少しの
加熱で反応が生じる成膜原料を取り扱うことを意味す
る。一方、従来のバブリング法によれば、反応ガスを多
く流すため、成膜中、長時間にわたり、バブラーを加熱
し続けることが必要になる。かかる点で、加熱工程を必
須とするバブリング法は、低温で化学反応が生じる液体
原料を取り扱うには不向きである。
【0011】そこで、最近では、上記バブリング法に代
わる技術として、液体原料を液体のままで流量制御し、
当該液体原料を気化器で気化させ、所望流量の反応ガス
を作る方法が提案されている。この方法は、反応ガスの
流量制御を容易にし、低温での液体原料の保存を可能に
し、さらに、気化器における短時間の加熱により気化さ
せるので、低温成膜用の液体原料に適している。液体原
料を、液体のままで流量制御し、気化器を用いて気化す
ることにより反応ガスにする方法を用いると、反応ガス
の流量を容易に制御できる。
わる技術として、液体原料を液体のままで流量制御し、
当該液体原料を気化器で気化させ、所望流量の反応ガス
を作る方法が提案されている。この方法は、反応ガスの
流量制御を容易にし、低温での液体原料の保存を可能に
し、さらに、気化器における短時間の加熱により気化さ
せるので、低温成膜用の液体原料に適している。液体原
料を、液体のままで流量制御し、気化器を用いて気化す
ることにより反応ガスにする方法を用いると、反応ガス
の流量を容易に制御できる。
【0012】しかしながら、液体原料を液体のままで流
量制御し、当該液体原料を気化器で気化させ、所望流量
の反応ガスを作る構成を、前述の拡散板72を用いた従
来のCVD装置に適用すると、やはり、気化効率が低下
し、充分な成膜速度が得られず、満足できるスループッ
トが得られないという問題が起きる。
量制御し、当該液体原料を気化器で気化させ、所望流量
の反応ガスを作る構成を、前述の拡散板72を用いた従
来のCVD装置に適用すると、やはり、気化効率が低下
し、充分な成膜速度が得られず、満足できるスループッ
トが得られないという問題が起きる。
【0013】また気化効率が低下し、液体原料の液体制
御機構で制御した流量が気化できないと、上記気化器の
中で液体原料が液体のまま残留する。気化器で残留した
液体原料は、成膜時間が経つにつれて多くなる。さらに
気化器内でパーティクルが発生することもある。さらに
成膜終了時に気化器側の圧力を急激に低下させた場合、
反応ガスが液化し、原料が液体のまま基板に付着するこ
ともあり、膜質を低下させる問題が起きる。
御機構で制御した流量が気化できないと、上記気化器の
中で液体原料が液体のまま残留する。気化器で残留した
液体原料は、成膜時間が経つにつれて多くなる。さらに
気化器内でパーティクルが発生することもある。さらに
成膜終了時に気化器側の圧力を急激に低下させた場合、
反応ガスが液化し、原料が液体のまま基板に付着するこ
ともあり、膜質を低下させる問題が起きる。
【0014】また気化器内に導入されたキャリアガスに
よって液体原料を効率よく気化できないと、液体原料が
キャリアガスの配管に逆流し、キャリアガスの流量を制
御する機構に障害を与えるおそれがある。
よって液体原料を効率よく気化できないと、液体原料が
キャリアガスの配管に逆流し、キャリアガスの流量を制
御する機構に障害を与えるおそれがある。
【0015】さらに成膜終了後に反応室において反応ガ
スの残留が多いと、次の成膜を始めるにあたって充分な
真空に到達するまでに時間がかかり、満足できるスルー
プットが得られないという問題が起きる。
スの残留が多いと、次の成膜を始めるにあたって充分な
真空に到達するまでに時間がかかり、満足できるスルー
プットが得られないという問題が起きる。
【0016】以上のような問題は、蒸気圧の低い液体原
料を使用した場合に特に顕著である。温度50℃で約1
0Torr以下の蒸気圧を持つ液体原料では、拡散板を用い
ると、拡散板の両側の圧力差で液化する可能性が高い。
例えば金属銅を基板に成膜する場合では、液体原料とし
てトリメチルビニルシリル・ヘキサフルオロアセチルア
セトン酸塩銅(以下では「Cu(hfac)(tmvs)」と略す)を
使用する。この液体原料は、70℃で約2Torrの蒸気圧
を持ち、非常に蒸気圧が低い。また温度が高いと、すぐ
に分解するという特性を有する。従って、拡散板の両側
の圧力差で液化しやすい。
料を使用した場合に特に顕著である。温度50℃で約1
0Torr以下の蒸気圧を持つ液体原料では、拡散板を用い
ると、拡散板の両側の圧力差で液化する可能性が高い。
例えば金属銅を基板に成膜する場合では、液体原料とし
てトリメチルビニルシリル・ヘキサフルオロアセチルア
セトン酸塩銅(以下では「Cu(hfac)(tmvs)」と略す)を
使用する。この液体原料は、70℃で約2Torrの蒸気圧
を持ち、非常に蒸気圧が低い。また温度が高いと、すぐ
に分解するという特性を有する。従って、拡散板の両側
の圧力差で液化しやすい。
【0017】本発明の目的は、上記の問題を解決するこ
とにあり、液体原料を液体のままで流量制御し、当該液
体原料を気化器で気化させ、所望流量の反応ガスを作る
ように構成されるCVD装置であって、高いスループッ
トを達成できるCVD装置を提供することにある。
とにあり、液体原料を液体のままで流量制御し、当該液
体原料を気化器で気化させ、所望流量の反応ガスを作る
ように構成されるCVD装置であって、高いスループッ
トを達成できるCVD装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段および作用】第1の本発明
(請求項1に対応)に係るCVD装置は、上記目的を達
成するために、反応容器(反応室)と、反応容器の内部
を排気する排気機構と、反応容器内に設けられる基板ホ
ルダ(基板保持手段)と、基板ホルダを加熱するヒータ
(加熱手段)と、反応容器の内部に反応ガスを供給する
反応ガス供給機構と、反応ガス供給機構によって供給さ
れる反応ガスを生成する反応ガス生成機構とを備え、反
応ガスの化学反応によって基板ホルダに保持された基板
の表面に薄膜を形成する。反応ガス生成機構は、液体原
料を収容する容器と、液体原料を気化し反応ガスを作る
気化器と、容器から気化器へ流れる液体原料の流量を制
御する液体流量制御機構とからなり、また反応ガス供給
機構として基板ホルダ上の基板へ反応ガスを導く筒体が
設けられる。反応ガス生成機構は、筒体の内部空間へ反
応ガスを供給するように構成されるものであり、当該筒
体は供給された反応ガスを基板の成膜面に導く。
(請求項1に対応)に係るCVD装置は、上記目的を達
成するために、反応容器(反応室)と、反応容器の内部
を排気する排気機構と、反応容器内に設けられる基板ホ
ルダ(基板保持手段)と、基板ホルダを加熱するヒータ
(加熱手段)と、反応容器の内部に反応ガスを供給する
反応ガス供給機構と、反応ガス供給機構によって供給さ
れる反応ガスを生成する反応ガス生成機構とを備え、反
応ガスの化学反応によって基板ホルダに保持された基板
の表面に薄膜を形成する。反応ガス生成機構は、液体原
料を収容する容器と、液体原料を気化し反応ガスを作る
気化器と、容器から気化器へ流れる液体原料の流量を制
御する液体流量制御機構とからなり、また反応ガス供給
機構として基板ホルダ上の基板へ反応ガスを導く筒体が
設けられる。反応ガス生成機構は、筒体の内部空間へ反
応ガスを供給するように構成されるものであり、当該筒
体は供給された反応ガスを基板の成膜面に導く。
【0019】第1の本発明では、拡散板の代わりに筒体
を使用するようにしたため、反応ガスの導入路において
コンダクタンスが絞られることなく、気化器側の圧力が
高くなるのを防止できるため、気化効率が低下すること
がない。従って高いスループットが達成される。
を使用するようにしたため、反応ガスの導入路において
コンダクタンスが絞られることなく、気化器側の圧力が
高くなるのを防止できるため、気化効率が低下すること
がない。従って高いスループットが達成される。
【0020】第2の本発明(請求項2に対応)に係るC
VD装置は、第1の発明において、筒体の下部に、テー
パ孔が形成されたを補正ブロックを設けるようにした。
補正ブロックによって、反応ガスは、その流れにおいて
渦が生じることなく、反応室内に導入される。
VD装置は、第1の発明において、筒体の下部に、テー
パ孔が形成されたを補正ブロックを設けるようにした。
補正ブロックによって、反応ガスは、その流れにおいて
渦が生じることなく、反応室内に導入される。
【0021】第3の本発明(請求項3に対応)に係るC
VD装置は、第1または第2の発明において、筒体の内
部には、中央に孔が形成された補正板が設けられること
を特徴とする。補正板は、中央に孔を有し、反応ガスの
供給路のコンダクタンスを適切に設定し、これによって
反応ガスを適切に拡散させる。
VD装置は、第1または第2の発明において、筒体の内
部には、中央に孔が形成された補正板が設けられること
を特徴とする。補正板は、中央に孔を有し、反応ガスの
供給路のコンダクタンスを適切に設定し、これによって
反応ガスを適切に拡散させる。
【0022】第4の本発明(請求項4に対応)に係るC
VD装置は、上記の各発明において、筒体は石英ガラス
で形成される。石英ガラスで作る筒体への成膜を防止す
ることができる。
VD装置は、上記の各発明において、筒体は石英ガラス
で形成される。石英ガラスで作る筒体への成膜を防止す
ることができる。
【0023】第5の本発明(請求項5に対応)に係るC
VD装置は、第1の発明において、液体原料は、50℃
での蒸気圧が0.001〜10Torrの範囲内に含まれる
液体原料である。本発明に係るCVD装置は、特に蒸気
圧の低い液体原料の気化、およびCVD成膜に適してい
る。
VD装置は、第1の発明において、液体原料は、50℃
での蒸気圧が0.001〜10Torrの範囲内に含まれる
液体原料である。本発明に係るCVD装置は、特に蒸気
圧の低い液体原料の気化、およびCVD成膜に適してい
る。
【0024】第6の本発明(請求項6に対応)に係るC
VD装置は、上記液体原料には、銅を含む有機金属錯
体、またはこの有機金属錯体を含む混合物を使用し、基
板に金属銅を堆積することを特徴とする。
VD装置は、上記液体原料には、銅を含む有機金属錯
体、またはこの有機金属錯体を含む混合物を使用し、基
板に金属銅を堆積することを特徴とする。
【0025】第7の本発明(請求項7に対応)に係るC
VD装置は、上記補正板の材質を石英ガラスとしたこと
を特徴とする。石英ガラスで作ったため、補正板に膜が
付着するのを防止できる。
VD装置は、上記補正板の材質を石英ガラスとしたこと
を特徴とする。石英ガラスで作ったため、補正板に膜が
付着するのを防止できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態
を添付図面に基づいて説明する。
を添付図面に基づいて説明する。
【0027】図1は、本発明に係るCVD装置の第1の
実施形態を示す。本実施形態によるCVD装置は、基板
に例えば金属銅を堆積するためのCVD装置(Cu−C
VD装置)であるとする。このCVD装置では、反応ガ
スとして、例えばSCHUMACHER(シュマッカー)社製の C
upraSelect(キュプラ・セレクト:登録商標)、すなわ
ちCu(hfac)(tmvs)が使用される。
実施形態を示す。本実施形態によるCVD装置は、基板
に例えば金属銅を堆積するためのCVD装置(Cu−C
VD装置)であるとする。このCVD装置では、反応ガ
スとして、例えばSCHUMACHER(シュマッカー)社製の C
upraSelect(キュプラ・セレクト:登録商標)、すなわ
ちCu(hfac)(tmvs)が使用される。
【0028】反応室11は真空容器で形成され、可変バ
ルブ12を備えた配管13を介してルーツポンプ14お
よび油回転ポンプ15に接続される。ルーツポンプ14
および油回転ポンプ15によって反応室11の内部は所
要の真空レベルに減圧されている。反応室11および配
管13は周囲にはそれぞれヒータ16,17が付設さ
れ、これらのヒータによって反応室および配管は加熱さ
れる。反応室11には、その上壁11aに基板ホルダ1
8が設けられ、基板ホルダ18上にシリコン製の基板1
9が基板押え20で固定される。基板ホルダ18内には
反応誘起機構としてのヒータ21が設けられ、基板ホル
ダ18内に設置した熱電対22で基板ホルダ18の温度
を測定している。熱電対22で測定された温度に基づい
て、温度調節機構23により基板ホルダ18の温度を所
望の温度に調節する。
ルブ12を備えた配管13を介してルーツポンプ14お
よび油回転ポンプ15に接続される。ルーツポンプ14
および油回転ポンプ15によって反応室11の内部は所
要の真空レベルに減圧されている。反応室11および配
管13は周囲にはそれぞれヒータ16,17が付設さ
れ、これらのヒータによって反応室および配管は加熱さ
れる。反応室11には、その上壁11aに基板ホルダ1
8が設けられ、基板ホルダ18上にシリコン製の基板1
9が基板押え20で固定される。基板ホルダ18内には
反応誘起機構としてのヒータ21が設けられ、基板ホル
ダ18内に設置した熱電対22で基板ホルダ18の温度
を測定している。熱電対22で測定された温度に基づい
て、温度調節機構23により基板ホルダ18の温度を所
望の温度に調節する。
【0029】反応室11の下壁11bに反応ガスとキャ
リアガスを供給する開口部24が形成される。上記基板
ホルダ18と開口部24は対向する位置に設けられるこ
とが必要であり、上壁および下壁に限定されるものでは
ない。当該開口部24には、プロセスバルブ25を備え
た配管26が接続される。配管26はヒータ27によっ
て加熱される。所要レベルの真空に保持される反応室1
1内に、配管26を通して、反応ガスとキャリアガスと
しての水素(H2 )とが導入される。
リアガスを供給する開口部24が形成される。上記基板
ホルダ18と開口部24は対向する位置に設けられるこ
とが必要であり、上壁および下壁に限定されるものでは
ない。当該開口部24には、プロセスバルブ25を備え
た配管26が接続される。配管26はヒータ27によっ
て加熱される。所要レベルの真空に保持される反応室1
1内に、配管26を通して、反応ガスとキャリアガスと
しての水素(H2 )とが導入される。
【0030】反応ガスを作るための原料は、液体原料2
8として、コンテナ29に収容される。コンテナ29の
液体原料28は、液体流量制御機構30を通って気化器
31に供給される。この間で、液体原料28の供給量は
液体流量制御機構30によって正確に流量制御される。
またキャリアガス(水素)は、流量制御器32によって
流量制御され、気化器31に供給される。加熱された状
態にある気化器31において液体原料28は短時間で気
化され、反応ガスとなり、キャリアガスと共に反応室1
1に供給される。
8として、コンテナ29に収容される。コンテナ29の
液体原料28は、液体流量制御機構30を通って気化器
31に供給される。この間で、液体原料28の供給量は
液体流量制御機構30によって正確に流量制御される。
またキャリアガス(水素)は、流量制御器32によって
流量制御され、気化器31に供給される。加熱された状
態にある気化器31において液体原料28は短時間で気
化され、反応ガスとなり、キャリアガスと共に反応室1
1に供給される。
【0031】本実施形態のCVD装置では、さらに、配
管26が接続された開口部24の周囲に、すなわち基板
19と対向する反応室下壁11bに好ましくは石英ガラ
ス製の筒体33を設ける。当該筒体33は、反応室11
の下壁11bに固定され、設置される。筒体33はその
軸方向に必要な長さを有し、図中上端開口部は、基板1
9に接近した状態にある。筒体33は円筒が好ましく、
その内径は、基板19の成膜面の直径よりも大きめに設
定されるのが好ましい。従って、配管26および開口部
24を通して反応室11に導入された反応ガスとキャリ
アガスは、筒体33によって導かれ、基板19の成膜面
に供給される。
管26が接続された開口部24の周囲に、すなわち基板
19と対向する反応室下壁11bに好ましくは石英ガラ
ス製の筒体33を設ける。当該筒体33は、反応室11
の下壁11bに固定され、設置される。筒体33はその
軸方向に必要な長さを有し、図中上端開口部は、基板1
9に接近した状態にある。筒体33は円筒が好ましく、
その内径は、基板19の成膜面の直径よりも大きめに設
定されるのが好ましい。従って、配管26および開口部
24を通して反応室11に導入された反応ガスとキャリ
アガスは、筒体33によって導かれ、基板19の成膜面
に供給される。
【0032】反応室11は、可変バルブ12を介し配管
13により連通したルーツポンプ14および油回転ポン
プ15によって排気される。液体原料28は、コンテナ
29より液体流量制御機構30を通って気化器31に送
られ、ここで気化され、キャリアガスと共に配管26に
よって反応室11に導入される。反応ガスは筒体33の
内側を通り、基板19に到達する。反応ガスは基板19
の表面で熱により分解し、銅が基板19の表面に堆積
し、成膜が行われる。
13により連通したルーツポンプ14および油回転ポン
プ15によって排気される。液体原料28は、コンテナ
29より液体流量制御機構30を通って気化器31に送
られ、ここで気化され、キャリアガスと共に配管26に
よって反応室11に導入される。反応ガスは筒体33の
内側を通り、基板19に到達する。反応ガスは基板19
の表面で熱により分解し、銅が基板19の表面に堆積
し、成膜が行われる。
【0033】反応室11内において、反応ガスは、反応
誘起機構(ヒータ21)によって反応し、基板19上に
銅の膜を作る。このとき下記に示すような反応が起こ
る。
誘起機構(ヒータ21)によって反応し、基板19上に
銅の膜を作る。このとき下記に示すような反応が起こ
る。
【0034】 2Cu(I)(hfac)(tmvs)→Cu0 +Cu(II)(hfac) 2 +2tmvs
【0035】Cu(hfac)(tmvs)は一価であり、常温では液
体、蒸気圧2.5Torr(70℃)、50℃以上の加熱で
分解するといわれている。反応ガスの分圧が高い方が、
成膜速度が高くなる。そこで、反応ガスであるCu(hfac)
(tmvs)を、コンテナ29から液体の状態で0.3g/min
の流量で気化器31へ導入し、70℃に加熱した気化器
31で、キャリアガスである水素300sccmと共に反応
ガスを気化させ、反応室11に導入した。
体、蒸気圧2.5Torr(70℃)、50℃以上の加熱で
分解するといわれている。反応ガスの分圧が高い方が、
成膜速度が高くなる。そこで、反応ガスであるCu(hfac)
(tmvs)を、コンテナ29から液体の状態で0.3g/min
の流量で気化器31へ導入し、70℃に加熱した気化器
31で、キャリアガスである水素300sccmと共に反応
ガスを気化させ、反応室11に導入した。
【0036】配管26と反応室11は、それぞれ、ヒー
タ27,16によって80℃に加熱されている。また配
管26のサイズは例えば3/4インチに設定されてい
る。基板19は、基板ホルダ18により加熱される。成
膜時の基板19の温度(成膜温度)が170℃であると
き、33nm/minの成膜速度が得られた。以上のように、
反応室11の反応ガス導入用開口部24の周囲であっ
て、当該開口部24と基板19との間に筒体33を設け
ることによって、反応ガスの供給路のコンダクタンスを
絞っていないので、従来装置の拡散板では得られなかっ
た高い気化効率を達成できた。また筒体33は、反応室
11に導入された反応ガスを適当に拡散させながら適切
に基板19の成膜面に導くことができた。
タ27,16によって80℃に加熱されている。また配
管26のサイズは例えば3/4インチに設定されてい
る。基板19は、基板ホルダ18により加熱される。成
膜時の基板19の温度(成膜温度)が170℃であると
き、33nm/minの成膜速度が得られた。以上のように、
反応室11の反応ガス導入用開口部24の周囲であっ
て、当該開口部24と基板19との間に筒体33を設け
ることによって、反応ガスの供給路のコンダクタンスを
絞っていないので、従来装置の拡散板では得られなかっ
た高い気化効率を達成できた。また筒体33は、反応室
11に導入された反応ガスを適当に拡散させながら適切
に基板19の成膜面に導くことができた。
【0037】成膜温度170℃での成膜速度は従来装置
とほぼ同じであった。しかし、成膜終了時の反応ガスの
残留は少なく、再現性がよく、良質な膜を得ることがで
きた。そして、キャリアガスの流量制御器32にも障害
は起こらなかった。
とほぼ同じであった。しかし、成膜終了時の反応ガスの
残留は少なく、再現性がよく、良質な膜を得ることがで
きた。そして、キャリアガスの流量制御器32にも障害
は起こらなかった。
【0038】成膜温度が200℃であるとき、成膜速度
は、従来装置の場合には50nm/minであるのに対し、筒
体33を用いた本実施形態の装置の場合には80nm/min
であった。成膜速度が大きくなることで、高いスループ
ットが得られた。
は、従来装置の場合には50nm/minであるのに対し、筒
体33を用いた本実施形態の装置の場合には80nm/min
であった。成膜速度が大きくなることで、高いスループ
ットが得られた。
【0039】また筒体33に石英ガラスを用いたことに
よって、筒体33にはほとんど銅膜が形成されなかっ
た。
よって、筒体33にはほとんど銅膜が形成されなかっ
た。
【0040】図2は本発明に係るCVD装置の第2の実
施形態を示す。この実施形態では、第1の実施形態にお
いて例えば石英ガラスで作られた補正板34を設けた点
に特徴があり、その他の構成は第1実施形態と同じであ
る。補正板34は、孔34aが形成された円板状部材で
あり、筒体33の内側の例えば中央上側またはほぼ中央
に設けられる。補正板34によって、反応ガスの流れが
制御され、より高速な成膜が可能になった。
施形態を示す。この実施形態では、第1の実施形態にお
いて例えば石英ガラスで作られた補正板34を設けた点
に特徴があり、その他の構成は第1実施形態と同じであ
る。補正板34は、孔34aが形成された円板状部材で
あり、筒体33の内側の例えば中央上側またはほぼ中央
に設けられる。補正板34によって、反応ガスの流れが
制御され、より高速な成膜が可能になった。
【0041】図3に、従来装置、筒体33を用いた装
置、補正板34を備える筒体33を用いた装置の各々の
成膜速度の成膜温度依存性に関するグラフを示す。当該
グラフにおいて、●は従来装置、▲は筒体33のみを用
いた装置、■は補正板34を備える筒体33を用いた装
置の場合の成膜速度の成膜温度依存性を示す。図3のグ
ラフから明らかなように、補正板34を用いた場合の方
が成膜速度が高くなる。特に、成膜温度が高い場合にそ
れらの差が顕著である。成膜温度が220℃では、従来
装置では70nm/minであるのに対し、補正板34を備え
る筒体33を用いた装置では200nm/minの成膜速度が
得られた。
置、補正板34を備える筒体33を用いた装置の各々の
成膜速度の成膜温度依存性に関するグラフを示す。当該
グラフにおいて、●は従来装置、▲は筒体33のみを用
いた装置、■は補正板34を備える筒体33を用いた装
置の場合の成膜速度の成膜温度依存性を示す。図3のグ
ラフから明らかなように、補正板34を用いた場合の方
が成膜速度が高くなる。特に、成膜温度が高い場合にそ
れらの差が顕著である。成膜温度が220℃では、従来
装置では70nm/minであるのに対し、補正板34を備え
る筒体33を用いた装置では200nm/minの成膜速度が
得られた。
【0042】また補正板34を備えた筒体33を用いた
場合、活性化エネルギが低い律速過程に変化する温度が
約220℃であり、活性化エネルギの高い律速過程で高
い成膜速度を得ることができた。活性化エネルギが高い
方が良好な膜質が得られる。また、埋め込み特性も良好
であった。この補正板34を用いることで、良好な膜質
の膜が得られ、また高いスループットを実現することが
できた。
場合、活性化エネルギが低い律速過程に変化する温度が
約220℃であり、活性化エネルギの高い律速過程で高
い成膜速度を得ることができた。活性化エネルギが高い
方が良好な膜質が得られる。また、埋め込み特性も良好
であった。この補正板34を用いることで、良好な膜質
の膜が得られ、また高いスループットを実現することが
できた。
【0043】補正板34に石英ガラスを用いることで、
補正板34への銅膜の成膜はほとんどなかった。なお補
正板34の材質は石英ガラスに限定されない。例えばア
ルミニウムで作ることもできる。
補正板34への銅膜の成膜はほとんどなかった。なお補
正板34の材質は石英ガラスに限定されない。例えばア
ルミニウムで作ることもできる。
【0044】図4に、本発明のCVD装置の第3の実施
形態を示す。この実施形態では、筒体35は軸方向の長
さを第1実施形態のものに比較して例えばほぼ1/2以
下に短くし、かつ筒体35の下部に補正ブロック36を
設けるように構成している。補正ブロック36は、外面
形状は例えばほぼ円柱体の形状をなし、かつ、内部の中
心部の軸方向にテーパ孔37が形成されている。補正ブ
ロック36の材質は好ましくはアルミニウムまたはステ
ンレスである。テーパ孔37の下部開口部の径は上記開
口部24の径とほぼ同じであり、上方に行くに従って径
が拡大している。補正ブロック36の外面の周囲にはヒ
ータ38が設けられ、補正ブロック36をヒータ38で
加熱し所望の温度に保持するようにしている。補正ブロ
ック36の上端と基板19の間のスペースに上記筒体3
5を配置するようにしている。補正ブロック36の上端
は、筒体35の下部の内側部分に嵌合している。筒体3
5の下部内側には、本実施形態の場合では、好ましくは
石英ガラスで作られた補正板39が設けられる。補正ブ
ロック36の上端は補正板39の下面に接触している。
補正板39の中央には孔39aが形成され、この孔39
aは上側に少しだけ折り曲げられている。補正板39
は、第2実施形態で説明した補正板34と実質的に同一
の作用を有する。筒体35の基板側の端部には好ましく
は例えばつば状板材40が取り付けられる。
形態を示す。この実施形態では、筒体35は軸方向の長
さを第1実施形態のものに比較して例えばほぼ1/2以
下に短くし、かつ筒体35の下部に補正ブロック36を
設けるように構成している。補正ブロック36は、外面
形状は例えばほぼ円柱体の形状をなし、かつ、内部の中
心部の軸方向にテーパ孔37が形成されている。補正ブ
ロック36の材質は好ましくはアルミニウムまたはステ
ンレスである。テーパ孔37の下部開口部の径は上記開
口部24の径とほぼ同じであり、上方に行くに従って径
が拡大している。補正ブロック36の外面の周囲にはヒ
ータ38が設けられ、補正ブロック36をヒータ38で
加熱し所望の温度に保持するようにしている。補正ブロ
ック36の上端と基板19の間のスペースに上記筒体3
5を配置するようにしている。補正ブロック36の上端
は、筒体35の下部の内側部分に嵌合している。筒体3
5の下部内側には、本実施形態の場合では、好ましくは
石英ガラスで作られた補正板39が設けられる。補正ブ
ロック36の上端は補正板39の下面に接触している。
補正板39の中央には孔39aが形成され、この孔39
aは上側に少しだけ折り曲げられている。補正板39
は、第2実施形態で説明した補正板34と実質的に同一
の作用を有する。筒体35の基板側の端部には好ましく
は例えばつば状板材40が取り付けられる。
【0045】上記第3実施形態によれば、補正ブロック
36と補正板39と筒体35の組合せによって、反応室
11に導入された反応ガスを、適切に拡散させながら、
基板19の成膜面に対し供給することができ、これによ
り、成膜速度を高めると共に、スループットを向上する
ことができる。なお上記構成では補正板39を用いた
が、当該補正板39を除くこともできる。すなわち、筒
体35と補正ブロック36だけで構成しても、同様な効
果を発揮させることができる。
36と補正板39と筒体35の組合せによって、反応室
11に導入された反応ガスを、適切に拡散させながら、
基板19の成膜面に対し供給することができ、これによ
り、成膜速度を高めると共に、スループットを向上する
ことができる。なお上記構成では補正板39を用いた
が、当該補正板39を除くこともできる。すなわち、筒
体35と補正ブロック36だけで構成しても、同様な効
果を発揮させることができる。
【0046】また図4に示した構成において、上記筒体
35の内側であって補正ブロック36の上部に、補正板
39の代わりに、多孔体を設置することもできる。ここ
で、「多孔体」とは例えばアルミニウム製の多孔質の部
材である。かかる多孔体を使用しても、その両側に圧力
差が生じることはない。多孔体として、例えばERG社
製の「Duocel」を使用できる。多孔体を利用した構成に
よっても、同様の効果が得られた。
35の内側であって補正ブロック36の上部に、補正板
39の代わりに、多孔体を設置することもできる。ここ
で、「多孔体」とは例えばアルミニウム製の多孔質の部
材である。かかる多孔体を使用しても、その両側に圧力
差が生じることはない。多孔体として、例えばERG社
製の「Duocel」を使用できる。多孔体を利用した構成に
よっても、同様の効果が得られた。
【0047】上記の実施形態ではCu(hfac)(tmvs)を用い
て基板の表面に銅を堆積させるCVD装置の例を説明し
た。基板に金属銅を成膜するにあたっては、液体原料と
して、銅を含む有機金属錯体、またはこの有機金属錯体
を含む混合物が使用される。また、本発明によるCVD
装置によれば、蒸気圧の低い他の液体原料について同様
な効果が得られる。特に、温度50℃で蒸気圧が約0.
001Torr以上でかつ約10Torr以下である液体原料で
は大きな効果が得られた。
て基板の表面に銅を堆積させるCVD装置の例を説明し
た。基板に金属銅を成膜するにあたっては、液体原料と
して、銅を含む有機金属錯体、またはこの有機金属錯体
を含む混合物が使用される。また、本発明によるCVD
装置によれば、蒸気圧の低い他の液体原料について同様
な効果が得られる。特に、温度50℃で蒸気圧が約0.
001Torr以上でかつ約10Torr以下である液体原料で
は大きな効果が得られた。
【0048】より具体的な液体原料として、アリルトリ
メチルシリルヘキサフルオロアセチルアセトナト塩酸
銅、ビストリメチルシリルエチルヘキサフルオロアセチ
ルアセトナト塩酸銅、2η−3ヘキチンヘキサフルオロ
アセチルアセトナト塩酸銅等、また、これらの銅錯体
に、トリメチルビニルシランや、ヘキサフルオロアセチ
ルアセトンを添加したものを、液体原料として用いた銅
のCVD装置や、ジメチルアルミニウムハイドライド、
トリイソブチルアルミニウム、トリメチルアミンアラ
ン、ジメチルアミンアラン等の液体材料を用いたAlの
CVD装置等にも有効であった。
メチルシリルヘキサフルオロアセチルアセトナト塩酸
銅、ビストリメチルシリルエチルヘキサフルオロアセチ
ルアセトナト塩酸銅、2η−3ヘキチンヘキサフルオロ
アセチルアセトナト塩酸銅等、また、これらの銅錯体
に、トリメチルビニルシランや、ヘキサフルオロアセチ
ルアセトンを添加したものを、液体原料として用いた銅
のCVD装置や、ジメチルアルミニウムハイドライド、
トリイソブチルアルミニウム、トリメチルアミンアラ
ン、ジメチルアミンアラン等の液体材料を用いたAlの
CVD装置等にも有効であった。
【0049】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、化学反応を利用して基板への成膜を行うCVD装
置において、液体原料を液体流量制御機構で流量制御し
て気化器に供給し、当該気化器で気化させて反応ガスを
生成して反応室に供給し、さらに反応ガスにおける反応
ガス供給手段として筒体を設けて基板へ反応ガスを与え
るようにしたことで、反応室における反応ガス供給路の
コンダクタンスを絞ることがなくかつ基板の成膜面に有
効に反応ガスを導くようにしたため、高いスループット
によって良好な膜質の膜を基板に堆積することができ
る。特に、蒸気圧の低い液体原料を用いてCVD法によ
り成膜を行う場合において、気化効率を高め、高いスル
ープットを得ることができる。
れば、化学反応を利用して基板への成膜を行うCVD装
置において、液体原料を液体流量制御機構で流量制御し
て気化器に供給し、当該気化器で気化させて反応ガスを
生成して反応室に供給し、さらに反応ガスにおける反応
ガス供給手段として筒体を設けて基板へ反応ガスを与え
るようにしたことで、反応室における反応ガス供給路の
コンダクタンスを絞ることがなくかつ基板の成膜面に有
効に反応ガスを導くようにしたため、高いスループット
によって良好な膜質の膜を基板に堆積することができ
る。特に、蒸気圧の低い液体原料を用いてCVD法によ
り成膜を行う場合において、気化効率を高め、高いスル
ープットを得ることができる。
【0050】また補正ブロックまたは補正板を付加した
構成、または補正ブロックと補正板の組合せを付加した
構成によっても同様に良質の薄膜の形成と高いスループ
ットを実現できる。
構成、または補正ブロックと補正板の組合せを付加した
構成によっても同様に良質の薄膜の形成と高いスループ
ットを実現できる。
【図1】本発明の第1の実施形態を示す構成図である。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す構成図である。
【図3】本発明によるCVD装置の成膜速度の温度依存
性を示すグラフである。
性を示すグラフである。
【図4】本発明の第3の実施形態を示す構成図である。
【図5】従来のCVD装置の代表的な構成を示す図であ
る。
る。
11 反応室 18 基板ホルダ 19 基板 24 開口部 28 液体原料 29 コンテナ 33 筒体 34,39 補正板 35 筒体 36 補正ブロック
Claims (7)
- 【請求項1】 反応容器と、前記反応容器の内部を排気
する排気機構と、前記反応容器内に設けられる基板保持
手段と、前記基板保持手段を加熱する加熱手段と、前記
反応容器の内部に反応ガスを供給する反応ガス供給手段
と、前記反応ガス供給手段に対して供給される前記反応
ガスを生成する反応ガス生成機構とを備え、前記反応ガ
スの化学反応によって前記基板保持手段に保持された基
板の表面に薄膜を形成するCVD装置において、 前記反応ガス生成機構は、液体原料を収容する容器と、
前記液体原料を気化し前記反応ガスを作る気化器と、前
記容器から前記気化器へ流れる前記液体原料の流量を制
御する液体流量制御部とからなり、 前記反応ガス供給手段は、前記基板保持手段上の上記基
板へ前記反応ガスを導く筒体であり、 前記反応ガス生成機構は、前記筒体の内部空間へ前記反
応ガスを供給することを特徴とするCVD装置。 - 【請求項2】 前記筒体の下部に、テーパ孔が形成され
た補正ブロックが設けられることを特徴とする請求項1
記載のCVD装置。 - 【請求項3】 前記筒体の内部には、中央に孔が形成さ
れた補正板が設けられることを特徴とする請求項1また
は2記載のCVD装置。 - 【請求項4】 前記筒体は石英ガラスで形成されること
を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のCV
D装置。 - 【請求項5】 前記液体原料は、50℃での蒸気圧が
0.001〜10Torrの範囲の中に含まれる液体原料で
あることを特徴とする請求項1記載のCVD装置。 - 【請求項6】 前記液体原料に、銅を含む有機金属錯
体、またはこの有機金属錯体を含む混合物を使用し、前
記基板に金属銅を堆積することを特徴とする請求項1ま
たは5記載のCVD装置。 - 【請求項7】 前記補正板の材質を石英ガラスとしたこ
とを特徴とする請求項3記載のCVD装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15904696A JPH09316646A (ja) | 1996-05-30 | 1996-05-30 | Cvd装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15904696A JPH09316646A (ja) | 1996-05-30 | 1996-05-30 | Cvd装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09316646A true JPH09316646A (ja) | 1997-12-09 |
Family
ID=15685053
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15904696A Pending JPH09316646A (ja) | 1996-05-30 | 1996-05-30 | Cvd装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09316646A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000216100A (ja) * | 1999-01-25 | 2000-08-04 | Sony Corp | 成膜装置および成膜方法 |
-
1996
- 1996-05-30 JP JP15904696A patent/JPH09316646A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000216100A (ja) * | 1999-01-25 | 2000-08-04 | Sony Corp | 成膜装置および成膜方法 |
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