JPH09316058A - ピリミジン化合物、その製法及び農園芸用の殺菌剤 - Google Patents

ピリミジン化合物、その製法及び農園芸用の殺菌剤

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JPH09316058A
JPH09316058A JP7224097A JP7224097A JPH09316058A JP H09316058 A JPH09316058 A JP H09316058A JP 7224097 A JP7224097 A JP 7224097A JP 7224097 A JP7224097 A JP 7224097A JP H09316058 A JPH09316058 A JP H09316058A
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JP
Japan
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compound
carbon atoms
group
formula
halogen atom
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Pending
Application number
JP7224097A
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English (en)
Inventor
Takashi Nishimura
孝 西村
Toshifusa Tanaka
敏房 田中
Shuji Yokoyama
修司 横山
Masa Moritomo
雅 森友
Keisuke Hayashi
敬介 林
Tadashi Murakami
正 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、農園芸用の殺菌剤として有用な新
規なピリミジン化合物を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明のピリミジン化合物は、次式 【化1】 (式中、R1 はC1〜4アルキル基,ハロゲン原子,水
素原子;R2 はハロゲン原子,C1〜4アルキル基,水
素原子;R3 はC1〜8アルキル基,C1〜4ハロアル
キル基,ハロゲン原子,ニトロ基,C1〜4アルコキシ
基,ベンゾイルアミノ基,フェノキシ基,C2〜5アル
ケニルオキシ基,C2〜5アルキニルオキシ基,C2〜
10アルキルカルボニルアミノ基;mは0〜5の整数;
nは1,2を表す。)で示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農園芸用の殺菌剤
として有用である新規なピリミジン化合物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】本発明の4−置換フェニルスルフィニル
ピリミジン化合物(又は4−置換フェニルスルホニルピ
リミジン化合物)は、新規化合物であることから、農園
芸用の殺菌活性を有することも知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、新規
な4−置換フェニルスルフィニルピリミジン化合物(又
は4−置換フェニルスルホニルピリミジン化合物)、そ
の製法及びそれを有効成分とする農園芸用の殺菌剤を提
供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために検討した結果、新規なピリミジン化
合物が顕著な農園芸用の殺菌活性を有することを見出
し、本発明を完成した。即ち、本発明は次の通りであ
る。第1の発明は、次式(1):
【0005】
【化7】
【0006】(式中、R1 は、炭素原子数1〜4のアル
キル基,ハロゲン原子又は水素原子を表す。R2 は、ハ
ロゲン原子,炭素原子数1〜4のアルキル基又は水素原
子を表す。R3 は、炭素原子数1〜8のアルキル基,炭
素原子数1〜4のハロアルキル基,ハロゲン原子,ニト
ロ基,炭素原子数1〜4のアルコキシ基,置換もしくは
無置換のベンゾイルアミノ基,置換もしくは無置換のフ
ェノキシ基,炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基,
炭素原子数2〜5のアルキニルオキシ基,炭素原子数4
〜9のシクロアルキルカルボニルアミノ基,炭素原子数
2〜5のハロアルキルカルボニルアミノ基,シアノ基,
ホルミル基,炭素原子数2〜5のアシル基,水素原子又
は炭素原子数1〜4のアルキルスルホニル基を表す。m
は0〜5の整数を表す。nは1又は2を表す。)で示さ
れるピリミジン化合物に関するものである。第2の発明
は、次式(4):
【0007】
【化8】
【0008】(式中、R1 〜R3 及びmは、前記と同義
である。)で示される化合物に関するものである。第3
の発明は、次式(2):
【0009】
【化9】
【0010】(式中、R1 及びR2 は、前記と同義であ
る。)で示される化合物と次式(3):
【0011】
【化10】
【0012】(式中、R3 は、前記と同義である。X
は、ハロゲン原子を表す。)で示される化合物とを反応
させて得られた前記の式(4)で示される化合物を酸化
することを特徴とする前記の式(1)で示されるピリミ
ジン化合物の製法に関するものである。第4の発明は、
次式(5):
【0013】
【化11】
【0014】(式中、R1 及びR2 は、前記と同義であ
る。Yは、ハロゲン原子を表す。)で示される化合物と
次式(6):
【0015】
【化12】
【0016】(式中、R3 及びmは、前記と同義であ
る。)で示される化合物とを反応させて得られた前記の
式(4)で示される化合物を酸化することを特徴とする
前記の式(1)で示されるピリミジン化合物の製法に関
するものである。第5の発明は、前記の式(1)で示さ
れるピリミジン化合物を有効成分とする農園芸用の殺菌
剤に関するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。式(1)で示される目的化合物のピリミジン化合
物を化合物(1)、式(2),(3),(4),(5)
及び(6)で示される原料化合物を、各々化合物
(2),(3),(4),(5)及び(6)とも記載す
る。化合物(1)〜(6)などで表した各種の置換基
は、次の通りである。
【0018】R1 としては、炭素原子数1〜4のアルキ
ル基,ハロゲン原子,水素原子を挙げることができる。
アルキル基としては、直鎖状又は分岐状のものを挙げる
ことができるが;好ましくは、CH3 ,C2 5 であ
る。ハロゲン原子としては、塩素原子,ヨウ素原子,臭
素原子,フッ素原子をあげることができるが;好ましく
は塩素原子である。
【0019】R2 としては、ハロゲン原子,炭素原子数
1〜4のアルキル基,水素原子を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、塩素原子,ヨウ素原子,臭素原
子,フッ素原子をあげることができるが;好ましくは塩
素原子である。アルキル基としては、直鎖状又は分岐状
のものを挙げることができるが;好ましくは、CH3
2 5 である。
【0020】R3 としては、炭素原子数1〜8のアルキ
ル基,炭素原子数1〜4のハロアルキル基,ハロゲン原
子,ニトロ基,炭素原子数1〜4のアルコキシ基,置換
もしくは無置換のベンゾイルアミノ基,置換もしくは無
置換のフェノキシ基,炭素原子数2〜5のアルケニルオ
キシ基,炭素原子数2〜5のアルキニルオキシ基,炭素
原子数4〜9のシクロアルキルカルボニルアミノ基,炭
素原子数2〜5のハロアルキルカルボニルアミノ基,シ
アノ基,ホルミル基,炭素原子数2〜5のアシル基,水
素原子,炭素原子数1〜4のアルキルスルホニル基を挙
げることができる。置換基のアルキル基としては、直鎖
状又は分岐状のものを挙げることができるが;好ましく
は、炭素原子数1〜6のものであり;さらに好ましくは
CH3 ,C 2 5 ,n-C3 7 ,i-C3 7 ,n-C4
9 ,s-C4 9 ,t- C4 9 である。そして、この置換
基の個数及び位置は特に限定されないが;好ましくは、
m=1の場合の位置は2,3又は4位であり、m=2の
場合の位置は2又は/及び4位である。
【0021】置換基のハロアルキル基としては、アルキ
ルが直鎖状又は分岐状であり、塩素原子,ヨウ素原子,
臭素原子,フッ素原子などのハロゲン原子を有するもの
を挙げることができるが;好ましくはフッ素原子を有す
るものであり;さらに好ましくはCF3である。そし
て、この置換基の個数及び位置は特に限定されないが;
好ましくは、m=1の場合の位置は、3又は4位であ
り、m=2の場合の位置は、3又は/及び4位である。
置換基のハロゲン原子としては、塩素原子,ヨウ素原
子,臭素原子,フッ素原子を挙げることができるが;好
ましくは塩素原子,臭素原子,フッ素原子である。そし
て、この置換基の個数及び位置は特に限定されないが;
好ましくは、m=1の場合の位置は3又は4位であり、
m=2の場合の位置は2又は/及び6位である。置換基
のニトロ基の個数及び位置は特に限定されないが;好ま
しくは、m=1の場合の位置は3又は4位であり、m=
2の場合の位置は2又は/及び6位である。
【0022】置換基のアルコキシ基としては、直鎖状又
は分岐状のものを挙げることができるが;好ましくはO
CH3 である。そして、この置換基の個数及び位置は特
に限定されないが;好ましくは、m=1の場合の位置は
2又は3位であり、m=2の場合の位置は2又は/及び
6位である。置換基のベンゾイルアミノ基としては、無
置換もしくはハロゲン原子を置換基として有するものを
挙げることができる。そして、このハロゲン原子として
は、塩素原子,ヨウ素原子,臭素原子,フッ素原子を挙
げることができるが、好ましくはフッ素原子であり;置
換基の個数及び位置は特定されないが、好ましくは4位
である。置換基のベンゾイルアミノ基の個数及び位置は
特に限定されないが;好ましくは、m=1の場合の位置
は3位である。置換基のフェノキシ基としては、無置換
もしくはニトロ基を置換基として有するものを挙げるこ
とができる。そして、このニトロ基の個数及び位置は特
に限定されないが;好ましくは4位である。
【0023】置換基のアルケニルオキシ基としては、直
鎖状又は分岐状のものを挙げることができるが;好まし
くは炭素原子数が3のものであり;さらに好ましくはO
CH 2 CH=CH2 である。そして、この置換基の個数
及び位置は特に限定されないが;好ましくは、m=1の
場合の位置は4位である。置換基のアルキニルオキシ基
としては、直鎖状又は分岐状のものを挙げることができ
るが;好ましくは炭素原子数が3のものであり;さらに
好ましくはOCH 2 C≡CHである。そして、この置換
基の個数及び位置は特に限定されないが;好ましくは、
m=1の場合の位置は4位である。
【0024】置換基のシクロアルキルカルボニルアミノ
基としては、炭素原子数3〜8のシクロアルキル基を有
するものを挙げることができる。そして、シクロアルキ
ル基としては、好ましくはシクロプロピル基である。そ
して、この置換基の個数及び位置は特に限定されない
が;好ましくは、m=1の場合の位置は4位である。置
換基のシアノ基の個数及び位置は特に限定されないが;
好ましくは、m=1の場合の位置は3位である。置換基
のハロアルキルカルボニルアミノ基は、炭素原子数1〜
4の直鎖状又は分岐状のハロアルキル基を有するもので
あり;そのハロアルキル基のハロゲン部分としては、塩
素原子,ヨウ素原子,臭素原子,フッ素原子を挙げるこ
とができるが、好ましくは塩素原子であり、最も好まし
いハロアルキル基部分としては−CH2 Clを挙げるこ
とができる。そして、この置換基の個数及び位置は特に
限定されないが;好ましくは、m=1の場合の位置は、
4位である。
【0025】シアノ基,ホルミル基の置換基の個数及び
位置は特に限定されないが;好ましくは、m=1の場合
の位置は4位である。炭素原子数2〜5のアシル基は、
炭素原子数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を有
するものであり;そのアルキル部分は、好ましくは、C
3 である。そして、この置換基の個数及び位置は特に
限定されないが;好ましくは、m=1の場合の位置は4
位である。C1〜4アルキルスルホニル基としては、炭
素原子数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を有す
るものであり;そのアルキル部分は、好ましくは、CH
3である。そして、この置換基の個数及び位置は特に限
定されないが;好ましくは、m=1の場合の位置は4位
である。mは、0〜5であるが;好ましくは0〜2であ
る。
【0026】化合物(1)としては、前記の各種の置換
基を組み合わせたものを挙げることができるが、薬効の
面から好ましいものは、次の通りである。 (1) R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが2であり、(R3)m が炭素
原子数1〜8のアルキル基であるもの。 (2) R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが1であり、(R3)m が炭素
原子数1〜8のアルキル基であるもの。 (3) R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが1であり、(R3)m が炭素
原子数1〜4のハロアルキル基であるもの。
【0027】(4) R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基
であり、R2 がハロゲン原子であり、nが2であり、
(R3)m が炭素原子数1〜4のハロアルキル基であるも
の。 (5) R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが1であり、(R3)m がハロ
ゲン原子であるもの。 (6) R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが2であり、(R3)m がハロ
ゲン原子であるもの。 (7) R1 がハロゲン原子であり、R2 が炭素原子数1〜
4のアルキル基であり、nが1であり、(R3)m が炭素
原子数1〜8のアルキル基であるもの。
【0028】(8) R1 がハロゲン原子であり、R2 が水
素原子であり、nが2であり、(R3)m が炭素原子数1
〜8のアルキル基であるもの。 (9) R1 がハロゲン原子であり、R2 が炭素原子数1〜
4のアルキル基であり、nが2であり、(R3)m が炭素
原子数1〜8のアルキル基であるもの。 (10)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが1であり、(R3)m が(炭
素原子数1〜4のアルキル基)2 であるもの。 (11)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが2であり、(R3)m が(炭
素原子数1〜4のアルキル基)2 であるもの。
【0029】(12)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基
であり、R2 がハロゲン原子であり、nが1であり、
(R3)m が結合している炭素原子と共に縮合環を形成し
ているもの。 (13)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが2であり、(R3)m が結合
している炭素原子と共に縮合環を形成しているもの。 (14)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが1であり、(R3)m がニト
ロ基であるもの。 (15)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが2であり、(R3)m がニト
ロ基であるもの。
【0030】(16)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基
であり、R2 がハロゲン原子であり、nが2であり、
(R3)m が炭素原子数1〜4のアルコキシ基であるも
の。 (17)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが1であり、(R3)m が炭素
原子数1〜4のアルコキシ基であるもの。 (18)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが2であり、(R3)m がベン
ゾイルアミノ基であるもの。 (19)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが1であり、(R3)m がベン
ゾイルアミノ基であるもの。
【0031】(20)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基
であり、R2 がハロゲン原子であり、nが2であり、
(R3)m が(炭素原子数1〜4のアルコキシ基)2 であ
るもの。 (21)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが1であり、(R3)m が(炭
素原子数1〜4のアルコキシ基)2 であるもの。 (22)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが2であり、(R3)m が(ハ
ロゲン原子)2 であるもの。 (23)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが2であり、(R3)m が炭素
原子数2〜5のアルケニルオキシ基であるもの。 (24)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが2であり、(R3)m が炭素
原子数2〜5のアルキニルオキシ基であるもの。
【0032】(25)R1 が水素原子であり、R2 がハロゲ
ン原子であり、nが2であり、(R3)m が炭素原子数1
〜4のハロアルキル基であるもの。 (26)R1 がハロゲン原子であり、R2 が水素原子であ
り、nが1であり、(R3)m が炭素原子数1〜4のハロ
アルキル基であるもの。 (27)R1 がハロゲン原子であり、R2 が炭素原子数1〜
4のアルキル基であり、nが2であり、(R3)m がハロ
ゲン原子であるもの。 (28)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが1であり、(R3)m が(ニ
トロ基,炭素原子数1〜4のハロアルキル基)であるも
の。
【0033】(29)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基
であり、R2 がハロゲン原子であり、nが2であり、
(R3)m がフェノキシ基であるもの。 (30)R1 がハロゲン原子であり、R2 が水素原子であ
り、nが1であり、(R3)m が炭素原子数1〜4のアル
キル基であるもの。 (31)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが2であり、(R3)m がシア
ノ基であるもの。 (32)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが1であり、(R3)m がシア
ノ基であるもの。
【0034】(33)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基
であり、R2 がハロゲン原子であり、nが1であり、
(R3)m がホルミル基であるもの。 (34)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが2であり、(R3)m がホル
ミル基であるもの。 (35)R1 がハロゲン原子であり、R2 が水素原子であ
り、nが2であり、(R3)m がハロゲン原子であるも
の。 (36)R1 がハロゲン原子であり、R2 が水素原子であ
り、nが1であり、(R3)m がハロゲン原子であるも
の。 (37)R1 がハロゲン原子であり、R2 が水素原子であ
り、nが2であり、(R3)m が炭素原子数1〜4のハロ
アルキル基であるもの。
【0035】(38)R1 がハロゲン原子であり、R2 が水
素原子であり、nが2であり、(R3)m が炭素原子数2
〜5のアシル基であるもの。 (39)R1 がハロゲン原子であり、R2 が水素原子であ
り、nが2であり、(R3)m が結合している炭素原子と
共に縮合環を形成しているもの。 (40)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが2であり、(R3)m が炭素
原子数2〜5のアシル基であるもの。 (41)R1 が炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R2
がハロゲン原子であり、nが1であり、(R3)m が炭素
原子数2〜5のアシル基であるもの。 これらの好ましい組み合わせからなる(1) 〜(41)で示し
た化合物(1)のR1〜R3 ,m及びnとしては、前記
の説明箇所で示した好ましいもの、さらに好ましいもの
を例示することができる。
【0036】また、化合物(4)としては、好ましくは
前記の化合物(1)に対応したR1〜R3 及びmを有す
るものを挙げることができる。化合物(1)は、製造法
1又は2によって合成することができる。 (製造法1)化合物(1)は、次に示すように、化合物
(2)と化合物(3)とを溶媒中で反応させ、得られた
化合物(4)を酸化することによって合成することがで
きる。また、化合物(2)と化合物(3)との反応は、
塩基を使用することによって促進することができる。
【0037】
【化13】
【0038】(式中、R1 〜R3 ,m,n及びXは、前
記と同義である。) 溶媒の種類としては、本反応に直接関与しないものであ
れば特に限定されず、例えば、ケトン類、アミド類、ニ
トリル類、有機塩基、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン、ジメチルスルホキシド、前記溶媒の混合物を
挙げることができる。ケトン類としては、アセトン、メ
チルエチルケトンなどを挙げることができる。アミド類
としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミドなどを挙げることができる。ニトリ
ル類としては、アセトニトリル、プロピオニトリルなど
を挙げることができる。有機塩基としては、トリエチル
アミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン,1,8
−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンな
どを挙げることができる。
【0039】溶媒の使用量は、化合物(2)と化合物
(3)との合計使用量が5〜80重量%であるが;好ま
しくは10〜70重量%である。塩基の種類としては、
特に限定されず、例えば、トリエチルアミン,ピリジ
ン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン,N,N−ジ
メチルアニリン,1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]ウンデカ−7−エンなどの有機塩基;アルカリ金属
アルコキシド類;カリウム-t-ブトキシド,炭酸カリウ
ム,炭酸ナトリウム,炭酸水素カリウム,炭酸水素ナト
リウムなどの無機塩基;リチウムジイソプロピルアミ
ド,ビストリメチルシリルリチウムアミドなどを挙げる
ことができる。塩基の使用量は、化合物(2)に対して
0.001〜5倍モルである。反応温度は、特に限定さ
れないが、室温〜200℃の温度範囲内であり;好まし
くは50〜150℃である。化合物(2)と化合物
(3)との反応時間は、前記の濃度,温度によって変化
するが;通常0.1〜100時間であるが;好ましくは
0.3〜24時間である。
【0040】原料化合物の使用量は、化合物(2)に対
して化合物(3)が0.5〜50倍モルであるが;好ま
しくは0.8〜10倍モルである。酸化剤としては、過
酸化水素,過酢酸,過安息香酸,m−クロル過安息香酸
などの過酸類;メタ過ヨウ素酸ナトリウム;ヒドロペル
オキシド;オゾン;二酸化セレン;クロム酸;四酸化二
窒素;硝酸アシル;ヨウ素;N−ブロムコハク酸イミ
ド;ヨードシルベンゼン;塩化スルフリル;含水シリカ
ゲル;次亜塩素酸t−ブチル;オキソン(アルドリッチ
社製のパーオキシモノ硫酸カリウム)などを挙げること
ができる。酸化剤の使用量は、化合物(4)に対して
0.01〜5倍モルである。反応温度は、特に限定され
ないが、−80〜100℃の温度範囲内であり;好まし
くは−60〜100℃である。化合物(4)の酸化反応
時間は、前記の濃度,温度によって変化するが;通常
0.1〜100時間であるが;好ましくは0.1〜24
時間である。
【0041】化合物(2)は、例えば、市販品を使用で
きないものについては、J.Org.Chem.,11
64(1962)、J.Am.Chem.Soc.,2
256(1955)などに記載された方法によって製造
して使用することができる。化合物(2)としては、後
述の表1〜7に示した化合物1〜83に対応した置換基
1 及びR2 からなる化合物(2)を挙げることができ
る〔化合物(2)1〜(2)83と称する。例えば、化合
物(2)1 は、化合物(2)で示される式におけるR1
がC2 5 であり、R2 がClである。〕。
【0042】化合物(3)は、例えば、市販品を使用で
きないものについては、G.C.Finger,J.
L.Finnerty,Biochem.Prep.
3,120(1953)などに記載された方法によって
製造して使用することができる。化合物(3)として
は、後述の表1〜3に示した化合物1〜83に対応した
置換基(R3)m からなる化合物(3)を挙げることがで
きる〔化合物(3)1 〜(3)83と称する。例えば、化
合物(3)1 は、化合物(3)で示される式における
(R3)m が4−t-C4 9 であり、Xはハロゲン原子で
ある。〕。 (製造法2)化合物(1)は、次に示すように、化合物
(5)と化合物(6)とを溶媒中で反応させ、得られた
化合物(4)を酸化することによって合成することがで
きる。また、化合物(5)と化合物(6)との反応は、
塩基を使用することによって促進することができる。
【0043】
【化14】
【0044】(式中、R1 〜R3 ,m,n及びYは、前
記と同義である。) この反応は、製造法1において、化合物(2)の代わり
に化合物(5)を使用し、化合物(3)の代わりに化合
物(6)を使用して、製造法1と同様の方法で合成する
ことができる。化合物(5)は、例えば、市販品を使用
できないものについては、J.Cem.Soc.,34
78(1955)などに記載された方法によって製造し
て使用することができる。化合物(5)としては、後述
の表1〜7に示した化合物1〜83に対応した置換基R
1 及びR2 からなる化合物(5)を挙げることができる
〔化合物(5)1〜(5)83と称する。例えば、化合物
(5)1 は、化合物(5)で示される式におけるR1
2 5 であり、R2 がClである。〕。化合物(6)
は、例えば、市販品を使用できないものについては、
J.Org.Chem.,3980(1966)、J.
Chem.Soc.,1456(1946)などに記載
された方法によって製造して使用することができる。
【0045】化合物(6)としては、後述の表1〜7に
示した化合物1〜83に対応した置換基(R3)m からな
る化合物(6)を挙げることができる〔化合物(6)1
〜(6)83と称する。例えば、化合物(6)1 は、化合
物(6)で示される式における(R3)m が4−t-C4H
9である。〕。以上のようにして製造された目的の化合
物(1)は、反応終了後、抽出,濃縮,濾過などの通常
の後処理を行い、必要に応じて再結晶,各種クロマトグ
ラフィーなどの公知の手段で適宜精製することができ
る。このようにして得られた化合物(1)としては、例
えば、後述の表1〜7に記載した化合物1〜83を挙げ
ることができる。また、化合物(4)としては、例え
ば、後述の表7に記載した化合物(4-1)〜(4-12)を
挙げることができる。
【0046】本発明の化合物(1)で防除効果が認めら
れる農園芸用の病原菌としては、例えば、キュウリべと
病,キュウリ灰色かび病,イネいもち病,コムギ赤さび
病,大麦うどんこ病,トマト疫病,イネばか苗病,イネ
籾枯細菌病などを挙げることができる。本発明の農園芸
用の殺菌剤は、化合物(1)の範疇に入る具体的な化合
物の1種以上を有効成分として含有するものである。化
合物(1)は、これだけで使用することもできるが、通
常は常法によって、担体,界面活性剤,分散剤,補助剤
などを配合(例えば、粉剤,乳剤,微粒剤,粒剤,水和
剤,油性の懸濁液,エアゾールなどの組成物として調製
する)して使用することが好ましい。
【0047】担体としては、例えば、タルク,ベントナ
イト,クレー,カオリン,ケイソウ土,ホワイトカーボ
ン,バーミキュライト,消石灰,ケイ砂,硫安,尿素な
どの固体担体;炭化水素(ケロシン,鉱油など)、芳香
族炭化水素(ベンゼン,トルエン,キシレンなど)、塩
素化炭化水素(クロロホルム,四塩化炭素など)、エー
テル類(ジオキサン,テトラヒドロフランなど)、ケト
ン類(アセトン,シクロヘキサノン,イソホロンな
ど)、エステル類(酢酸エチル,エチレングリコールア
セテート,マレイン酸ジブチルなど)、アルコール類
(メタノール,n−ヘキサノール,エチレングリコール
など)、極性溶媒(ジメチルホルムアミド,ジメチルス
ルホキシドなど)、水などの液体担体;空気,窒素,炭
酸ガス,フレオンなどの気体担体(この場合には、混合
噴射することができる)などを挙げることができる。
【0048】本剤の動植物への付着,吸収の向上,薬剤
の分散,乳化,展着などの性能を向上させるために使用
できる界面活性剤や分散剤としては、例えば、アルコー
ル硫酸エステル類,アルキルスルホン酸塩,リグニンス
ルホン酸塩,ポリオキシエチレングリコールエーテルな
どを挙げることができる。そして、その製剤の性状を改
善するためには、例えば、カルボキシメチルセルロー
ス,ポリエチレングリコール,アラビアゴムなどを補助
剤として用いることができる。本剤の製造では、前記の
担体,界面活性剤,分散剤及び補助剤をそれぞれの目的
に応じて、各々単独で又は適当に組み合わせて使用する
ことができる。本発明の化合物(1)を製剤化した場合
の有効成分濃度は、乳剤では通常1〜50重量%,粉剤
では通常0.3〜25重量%,水和剤では通常1〜90
重量%,粒剤では通常0.5〜10重量%,油剤では通
常0.5〜5重量%,エアゾールでは通常0.1〜5重
量%である。これらの製剤を適当な濃度に希釈して、そ
れぞれの目的に応じて、植物茎葉,土壌,水田の水面に
散布するか、又は直接施用することによって各種の用途
に供することができる。
【0049】
【実施例】以下、本発明を参考例及び実施例によって具
体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明の範
囲を限定するものではない。 参考例1〔化合物(2)の合成〕 (1) 5−クロロ−6−メチル−4−メルカプトピリミジ
ン〔化合物(2)4 〕の合成 4,5−ジクロロ−6−メチル−ピリミジン(12.8
g)と70%水硫化ナトリウム(6.3g)とを水(1
00ml)に溶解し、室温で4時間攪拌した。反応終了
後、反応液を濾過し、残渣を水、次いでヘキサンで洗浄
した後に乾燥し、目的化合物を10.0g得た(m.
p.97〜98℃)。 (2) 表1〜7中のその他の化合物(2)の合成 前記(1) に記載の方法に準じて、表1〜7中のその他の
化合物(2)を合成した。
【0050】実施例1〔化合物(1)の合成〕 (1) 5−クロロ−6−メチル−4−(4−ニトロフェニ
ルスルフィニル)ピリミジン〔化合物25〕の合成 5−クロロ−6−メチル−4−メルカプトピリミジン
(3.2g)をジメチルホルムアミド(40ml)に溶
解し、これに4−フルオロ−ニトロベンゼン(2.8
g)と炭酸カリウム(3.1g)とを加え、窒素気流
下、約2時間加熱攪拌した。反応終了後、室温まで冷却
し、トルエン(100ml)と水(120ml)とを加
えて抽出後、分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥
して減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(ワコーゲルC−200、トルエン溶
出)で精製することによって、5−クロロ−6−メチル
−4−(4−ニトロフェニルチオ)ピリミジンを5.2
g得た(収率は92%)。
【0051】3−クロロ過安息香酸(3.5g)を塩化
メチレン(100ml)に溶解し、これに氷冷下、前記
で得た5−クロロ−6−メチル−4−(4−ニトロフェ
ニルチオ)ピリミジン(2.8g)の塩化メチレン溶液
(20ml)を滴下し、室温に戻して2時間攪拌した。
反応終了後、水(100ml)と2N−水酸化ナトリウ
ム溶液(20ml)とを加えて抽出後、分液し、有機層
を硫酸マグネシウムで乾燥して減圧濃縮した。得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲ
ルC−200、トルエン:酢酸エチル=4:1溶出)で
精製することによって、目的化合物を1.9g得た(収
率は64%)。
【0052】・m.p.172〜173℃ ・1H−NMR(CDCl3,δppm) 2.67(s,3H)、8.10(d,2H)、8.3
6(d,2H)、9.10(s,1H)
【0053】(2) 6−クロロ−4−(3−トリフルオロ
メチルフェニルスルホニル)ピリミジン〔化合物40〕
の合成 4,6−ジクロロピリミジン(0.74g)と3−トリ
フルオロメチルチオフェノール(1.0g)とをジメチ
ルホルムアミド(20ml)に溶解し、これに炭酸カリ
ウム(0.8g)を加え、窒素気流下、約2時間加熱攪
拌した。反応終了後、室温まで冷却し、トルエン(50
ml)と水(70ml)とを加えて抽出後、分液し、有
機層を硫酸マグネシウムで乾燥して減圧濃縮した。得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコ
ーゲルC−200、トルエン溶出)で精製することによ
って、6−クロロ−4−(3−トリフルオロメチルフェ
ニルチオ)ピリミジンを0.8g得た(収率は55
%)。
【0054】前記で得た6−クロロ−4−(3−トリフ
ルオロメチルフェニルチオ)ピリミジン(0.8g)の
塩化メチレン溶液(10ml)を、3−クロロ過安息香
酸(1.9g)の塩化メチレン(20ml)に、氷冷下
で滴下した後、室温に戻して2時間攪拌した。反応終了
後、水(80ml)と2N−水酸化ナトリウム溶液(1
0ml)とを加えて抽出後、分液し、有機層を硫酸マグ
ネシウムで乾燥して減圧濃縮した。得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−20
0、トルエン:酢酸エチル=4:1溶出)で精製するこ
とによって、目的化合物を0.6g得た(収率は70
%)。
【0055】・m.p.97〜98℃ ・1H−NMR(CDCl3,δppm) 7.75(t,1H)、8.00(d,1H)、8.2
0(s,1H)、8.30(s,1H)、9.05
(s,1H)
【0056】(3) 6−クロロ−4−(4−クロロフェニ
ルスルフィニル)ピリミジン〔化合物53〕の合成 3−クロロ過安息香酸(1.3g)を塩化メチレン(8
0ml)に溶解し、氷冷下、6−クロロ−4−(4−ク
ロロフェニルチオ)ピリミジン(1.0g)の塩化メチ
レン(20ml)を滴下した後、室温に戻して2時間攪
拌した。反応終了後、水(100ml)と2N−水酸化
ナトリウム水溶液(20ml)を加えて抽出後、分液
し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥して減圧濃縮し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ワコーゲルC−200、トルエン:酢酸エチル=
4:1溶出)で精製することによって、目的化合物を
0.8g得た(収率は80%)。
【0057】・1H−NMR(CDCl3,δppm) 7.40(d,2H)、7.80(d,2H)、8.0
5(s,1H)、8.95(s,1H)
【0058】(4) 6−クロロ−4−(4−クロロフェニ
ルスルホニル)ピリミジン〔化合物53〕の合成 3−クロロ過安息香酸(2.7g)を塩化メチレン(1
00ml)に溶解し、氷冷下、6−クロロ−4−(4−
クロロフェニルチオ)ピリミジン(1.0g)の塩化メ
チレン(20ml)を滴下した後、室温に戻して2時間
攪拌した。反応終了後、水(100ml)と2N−水酸
化ナトリウム水溶液(30ml)を加えて抽出後、分液
し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥して減圧濃縮し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ワコーゲルC−200、トルエン:酢酸エチル=
4:1溶出)で精製することによって、目的化合物を
1.0g得た(収率は85%)。
【0059】・1H−NMR(CDCl3,δppm) 7.55(d,2H)、8.05(d,2H)、8.1
5(s,1H)、9.05(s,1H)
【0060】(5) 表1〜4中のその他の化合物(1)の
合成 前記(1) 〜(4) に記載の方法に準じて、表1〜7中のそ
の他の化合物(1)を合成した。以上のようにして合成
した化合物(1)及びその物性について、表1〜8に示
す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】
【表7】
【0068】
【表8】
【0069】実施例2〔化合物(4)の合成〕 (1) 6−クロロ−4−(4−クロロフェニルチオ)ピリ
ミジン〔化合物(4-1) 〕の合成 4,6−ジクロロピリミジン(1.5g)をジメチルホ
ルムアミド(15ml)に溶解し、4−クロロチオフェ
ノール(1.6g)及び炭酸カリウム(1.6g)を加
え、窒素気流下、約2時間加熱攪拌した。反応終了後、
室温まで冷却し、トルエン(70ml)と水(100m
l)とを加えて分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾
燥して減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(ワコーゲルC−200、トルエン
溶出)で精製することによって、目的化合物を2.3g
得た(収率は90%)。
【0070】・1H−NMR(CDCl3,δppm) 6.85(s,1H)、7.50(m,4H)、8.7
0(s,1H)
【0071】(2) 表9中のその他の化合物(4)の合成 前記(1)に記載の方法に準じて、表9中のその他の化合
物(4)を合成した。以上のようにして合成した化合物
(4)及びその物性を、表9及び10に示す。
【0072】
【表9】
【0073】
【表10】
【0074】実施例3〔製剤の調製〕 (1) 粒剤の調製 化合物40を5重量部,ベントナイト35重量部,タル
ク57重量部,ネオペレックスパウダー(商品名;花王
株式会社製)1重量部及びリグニンスルホン酸ソーダ2
重量部を均一に混合し、次いで少量の水を添加して混練
した後、造粒、乾燥して粒剤を得た。
【0075】(2) 水和剤の調製 化合物40を10重量部,カオリン70重量部,ホワイ
トカーボン18重量部,ネオペレックスパウダー(商品
名;花王株式会社製)1.5重量部及びデモール(商品
名;花王株式会社製)0.5重量部とを均一に混合し、
次いで粉砕して水和剤を得た。
【0076】(3) 乳剤の調製 化合物40を20重量部及びキシレン70重量部に、ト
キサノン(商品名;三洋化成工業製)10重量部を加え
て均一に混合し、溶解して乳剤を得た。
【0077】(4) 粉剤の調製 化合物40を5重量部,タルク50重量部及びカオリン
45重量部を均一に混合して粉剤を得た。
【0078】実施例4〔効力試験〕 (1) 各植物病原菌に対する抗菌力試験 直径9cmのプラスチックシャーレに、表1〜7に示し
た化合物(1)の10,000ppmアセトン溶液が2
0ppm又は5ppmとなるように混合したポテトデキ
ストロース寒天培地(PDA培地)を注いで、平板培養
プレートを準備した。なお、後述の各植物病原菌に対す
る抗菌力試験の結果を示した表13〜16中の化合物欄
で網を掛けた化合物は5ppmで試験し,網を掛けない
ものは20ppmで試験したことを意味する。糸状菌の
抗菌力試験は、予めPDA培地上で培養した供試菌の菌
叢を約3mm角に切り取り、これを前記の薬剤含有PD
A培地上に接種した。但し、バレイショ疫病菌について
は、PDA培地の代わりにライ麦培地を使用した。平板
培養プレートに糸状菌を接種後、生育適温で1〜7日間
培養した糸状菌の生育状態を菌叢直径で測定し、薬剤無
添加区における菌叢直径と比較して菌叢生育阻止率を算
出し、次表11に示すような6段階の評価基準を設け
た。
【0079】
【表11】
【0080】細菌の抗菌力試験は、予めPDA培地上で
培養した供試菌をワキモト液体培地中に1白金耳接種
し、25℃で24時間培養したものを前記の薬剤含有P
DA培地上に10μl接種した。そして、25℃で3日
間培養して薬剤無添加区における細菌の増殖と比較し
て、次表12に示すようにな3段階の評価基準を設け
た。
【0081】
【表12】
【0082】このようにして、各植物病原菌について検
討した抗菌力試験の結果を、表13〜16に示す。な
お、表中の化合物欄に網を掛けた化合物は5ppmで試
験し、網を掛けなかったものは20ppmで試験した。
【0083】
【表13】
【0084】
【表14】
【0085】
【表15】
【0086】
【表16】
【0087】(2) キュウリべと病に対する防除効力試験
(予防効果) 直径6cmのプラスチック植木鉢に1鉢あたり1本のキ
ュウリ(品種;相模半白)を育成し、1.5葉期の幼植
物体に、表1〜7に示した化合物(1)から実施例3に
準じて調製した水和剤を、界面活性剤(0.05%)を
含む水で500ppmに希釈して、1鉢あたり20ml
で散布した。散布後、2日間ガラス温室で栽培し、次い
で、キュウリべと病菌(Pseudoperonospora cubensis)
の遊走子嚢の懸濁液を罹病葉から調製し(105遊走子
嚢/ml)、これを第1本葉の裏面に均一に噴霧接種し
た。接種後、20℃の湿室状態で、一昼夜、暗黒に保持
した後、5日間ガラス温室内で育成し、第1葉に現れた
キュウリべと病病斑の程度を調査した。薬剤防除効果の
評価は、薬剤無処理区に対する処理区の病斑面積の割合
から防除率を求め、次表17に示すような6段階の評価
基準を設けた。
【0088】
【表17】
【0089】その評価の結果を表18に示す。
【0090】
【表18】
【0091】(3) キュウリ灰色かび病に対する防除効力
試験(ペーパーディスク試験) プラスティック容器(35cm×25cm)の内面に、
蒸留水で湿らせたペーパータオルを敷き詰め、その上に
キュウリ(品種:相模半白)の子葉を並べ、次いで、キ
ュウリ灰色かび病胞子懸濁液(5%砂糖,1%酵母エキ
スの溶液で調製した105 胞子/mlの懸濁液)を子葉
上に50μl滴下し、さらに、その子葉上にペーパーデ
ィスクを重ねた。直ちに、表1〜7に示した化合物
(1)から実施例3に準じて調製した水和剤を、界面活
性剤(0.05%)を含む水で500ppmに希釈し
て、ペーパーディスクの上から90μl滴下した。容器
の蓋を閉めてビニールテープで密封した後、20℃で4
日間保持し、子葉に現れたキュウリ灰色かび病病斑の程
度を調査した。その薬剤効果の評価を、前記(2) と同様
にして求めた6段階の評価基準で、次の表19に示す。
【0092】
【表19】
【0093】(4) イネいもち病に対する防除効力試験
(予防効果) 直径6cmのプラスチック植木鉢に1鉢あたり10本の
イネ(品種;日本晴)をガラス温室で育成し、2.5葉
期の幼植物体に、実施例3に準じて調製した表1〜7で
示した化合物(1)の各水和剤を、界面活性剤(0.0
5%)を含む水で500ppmに希釈して、1鉢あたり
20mlづつ散布した。散布の翌日に、罹病葉から調製
したイネいもち病菌の分生胞子懸濁液(3×105胞子
/ml)を植物葉に均一に噴霧接種した。接種後、4日
間25℃湿室内で育成し(最初の3日間は暗黒下、残り
の1日間は照明下)、葉に現れたイネいもち病病斑の程
度を調査した。その薬剤効果の評価を、前記(2) と同様
にして求めた6段階の評価基準で、次の表20に示す。
【0094】
【表20】
【0095】(5) コムギ赤さび病に対する防除効力試験
(予防効果) 直径6cmのプラスチック植木鉢に1鉢あたり10本づ
つコムギ(品種;コブシコムギ)を育成し、1.5葉期
の幼植物体に、実施例3に準じて調製した表1〜7で示
した化合物(1)の水和剤を、界面活性剤(0.05
%)を含む水で500ppmに希釈して、1鉢あたり2
0mlで散布した。散布の翌日に、コムギ赤さび病菌の
胞子懸濁液(5×105 胞子/ml)を植物体に均一に
噴霧接種した。接種後、20℃の湿室状態で、一昼夜、
暗黒に保持した後、9日間ガラス温室内で育成し、第1
葉に現れたコムギ赤さび病病斑の程度を調査した。その
薬剤効果の評価を、前記(2) と同様にして求めた6段階
の評価基準で、次の表21に示す。
【0096】
【表21】
【0097】(6) イネばか苗病に対する防除効力試験 イネばか苗病菌(Gibberella fujikuroi)胞子懸濁液を
イネ(品種:矮稲C)開花期に接種して得たイネばか苗
病感染籾を供試した。実施例3に準じて調製した表1〜
7で示した化合物(1)の各水和剤を、界面活性剤
(0.05%)を含む水で1000ppmに希釈して得
られた薬剤溶液に、前記の感染籾を20℃で24時間浸
漬した。これを風乾して、さらに25℃で2日間浸漬
し、直径6.5cmのプラスチックポットに播種した。
その後、ガラス温室内で管理し、播種3週間後に、次
に示すようにして発病苗を調査し、防除価を算出した。
【0098】
【数1】
【0099】
【数2】
【0100】その結果を、薬害の有無についての検討と
共に、表22に示す。
【0101】
【表22】
【0102】(7) イネ籾枯細菌病に対する防除効力試験 ワキモト液体培地で25℃、24時間振とう培養して得
たイネ籾枯細菌病菌(Pseudomonas glumae)の懸濁液
(約1.5×109個/ml)に乾籾(品種:短銀坊
主)を減圧接種後、さらに30℃で4時間放置し、1時
間風乾して接種した。接種籾を実施例3に準じて調製し
た表1〜7で示した化合物(1)の各水和剤を、界面活
性剤(0.05%)を含む水で1000ppmに希釈し
て得られた薬剤溶液に、前記の感染籾を20℃で24時
間浸漬した。これを1時間かけて風乾し、直径6.5c
mのプラスチックポットに播種し、30℃で加湿条件下
で出芽させた。その後、ガラス温室内で管理し、播種2
週間後に、発病苗を調査し、防除価を算出した。その結
果を、薬害の有無についての検討と共に、表23に示
す。
【0103】
【表23】
【0104】
【発明の効果】本発明の新規なピリミジン化合物は、優
れた農園芸用の殺菌効果を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 239:38) (72)発明者 森友 雅 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 林 敬介 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 村上 正 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式(1): 【化1】 (式中、R1 は、炭素原子数1〜4のアルキル基,ハロ
    ゲン原子又は水素原子を表す。R2 は、ハロゲン原子,
    炭素原子数1〜4のアルキル基又は水素原子を表す。R
    3 は、炭素原子数1〜8のアルキル基,炭素原子数1〜
    4のハロアルキル基,ハロゲン原子,ニトロ基,炭素原
    子数1〜4のアルコキシ基,置換もしくは無置換のベン
    ゾイルアミノ基,置換もしくは無置換のフェノキシ基,
    炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基,炭素原子数2
    〜5のアルキニルオキシ基,炭素原子数4〜9のシクロ
    アルキルカルボニルアミノ基,炭素原子数2〜5のハロ
    アルキルカルボニルアミノ基,シアノ基,ホルミル基,
    炭素原子数2〜5のアシル基,水素原子又は炭素原子数
    1〜4のアルキルスルホニル基を表す。mは0〜5の整
    数を表す。nは1又は2を表す。)で示されるピリミジ
    ン化合物。
  2. 【請求項2】次式(4): 【化2】 (式中、R1 〜R3 及びmは、請求項1の記載と同義で
    ある。)で示される化合物。
  3. 【請求項3】次式(2): 【化3】 (式中、R1 及びR2 は、請求項1の記載と同義であ
    る。)で示される化合物と次式(3): 【化4】 (式中、R3 は、請求項1の記載と同義である。Xは、
    ハロゲン原子を表す。)で示される化合物とを反応させ
    て得られた請求項2に記載の式(4)で示される化合物
    を酸化することを特徴とする請求項1に記載の式(1)
    で示されるピリミジン化合物の製法。
  4. 【請求項4】次式(5): 【化5】 (式中、R1 及びR2 は、請求項1の記載と同義であ
    る。Yは、ハロゲン原子を表す。)で示される化合物と
    次式(6): 【化6】 (式中、R3 及びmは、請求項1の記載と同義であ
    る。)で示される化合物とを反応させて得られた請求項
    2に記載の式(4)で示される化合物を酸化することを
    特徴とする請求項1に記載の式(1)で示されるピリミ
    ジン化合物の製法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の式(1)で示されるピリ
    ミジン化合物を有効成分とする農園芸用の殺菌剤。
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