JPH09316033A - 粗(メタ)アクリル酸エステル反応液の中和方法及びその中和装置 - Google Patents

粗(メタ)アクリル酸エステル反応液の中和方法及びその中和装置

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JPH09316033A
JPH09316033A JP15895896A JP15895896A JPH09316033A JP H09316033 A JPH09316033 A JP H09316033A JP 15895896 A JP15895896 A JP 15895896A JP 15895896 A JP15895896 A JP 15895896A JP H09316033 A JPH09316033 A JP H09316033A
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Shinji Okada
慎司 岡田
Takao Murakami
孝雄 村上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 (メタ)アクリル酸エステルを効率的に製造
するために、粗(メタ)アクリル酸エステル反応液の中
和方法及びこの方法に用いられる中和装置を提供する。 【解決手段】 酸性触媒の存在下において(メタ)アク
リル酸とアルコールとを反応させて(メタ)アクリル酸
エステルを合成させ、その後、酸性触媒及び(メタ)ア
クリル酸を含有する粗(メタ)アクリル酸エステルを、
油水層分離工程前に、アルカリ水にて中和する方法にお
いて、静止型管内混合器621〜623を用いて、粗
(メタ)アクリル酸エステル反応液と該アルカリ水とを
混合させて中和するとともに、これらの混合液をエマル
ジョン化させないことを特徴とする方法である。静止型
管内混合器621〜623の内部を乱流域とし、分割数
を212〜216とすることが好ましい。この方法の実施に
好適な中和装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粗(メタ)アクリル
酸エステル反応液の中和方法(以下、「中和方法」とい
う。)及びその中和装置に関する。更に詳しくは、中和
装置及び油水層分離装置を備える(メタ)アクリル酸
(以下、アクリル酸若しくはメタクリル酸と同義として
略記する場合がある。)エステルの製造装置を用いて、
(メタ)アクリル酸エステルを効率的に製造するための
中和方法及びこの方法に用いられる中和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、(メタ)アクリル酸エステル
の製造方法として、粗(メタ)アクリル酸及びアルコー
ルを、硫酸等の酸性触媒の存在下で反応させる方法が用
いられている。これに使用する製造装置として、例え
ば、図5に示すように、反応容器82と、反応精留塔8
3と、中和タンク86と、油水分離装置87とを備える
ものが知られている。この製造装置では、中和タンク8
6の上流側で、反応容器82を用いて、(メタ)アクリ
ル酸エステルを含む反応液が生成される。そして、この
(メタ)アクリル酸エステルを含む反応液は下流側の中
和タンク86に送られる。更に、この中和タンク86で
は、この反応液に荷性ソーダが加えられ、プロペラ式の
攪拌機等を用いて攪拌され、この反応液中の未反応の
(メタ)アクリル酸及び硫酸等の触媒が中和される。そ
の後、この反応液は、油水分離装置87で、遠心分離等
の手法を用いて水相と油相とに分けられ、(メタ)アク
リル酸エステルを含む油相は、更に下流の工程へと送ら
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の製造方法(製造装置)においては、以下の様な問題
を生じていた。即ち、上記中和タンク86では、そこに
送られてきた反応液及びそこに投入された荷性ソーダ
を、全体を通じて均一に反応させることが困難なため、
十分に反応しない部分や、エマルジョン化する部分を生
ずることが多い。そして、この様なエマルジョン化した
部分が存在すれば、下流側の油水分離装置87におい
て、比重差を利用した上記「水相及び油相の分離」が困
難となることが多い。また、上記の様な中和タンク86
は、そこに送られてくる反応液を、一定量ずつ、暫し、
蓄える構造であるため、反応液のライン滞留時間が長く
なり、(メタ)アクリル酸エステルのケン化反応が起こ
るため、生成物の品質の維持が困難になるという問題も
あった。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するものであ
り、中和装置及び油水層分離装置を備える(メタ)アク
リル酸エステルの(メタ)アクリル酸エステルの製造装
置を用いて、(メタ)アクリル酸エステルを効率的に製
造するための中和方法及びこの方法に用いられる中和装
置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本第1発明の中和方法
は、酸性触媒の存在下において(メタ)アクリル酸とア
ルコールとを反応させて(メタ)アクリル酸エステルを
合成させ、その後、酸性触媒及び(メタ)アクリル酸を
含有する粗(メタ)アクリル酸エステルを、油水層分離
工程前に、アルカリ水にて中和する方法において、静止
型管内混合器を用いて、粗(メタ)アクリル酸エステル
反応液と該アルカリ水とを混合させ、該混合液をエマル
ジョン化させることなく中和することを特徴とする。
【0006】上記「静止型管内混合器」は、流体の流れ
を分割、転換、反転させる構造を持つ混合器である。本
発明では、中和工程において、反応液及びアルカリ水を
十分に反応させつつ、エマジョンを生じさせ難い。これ
は、以下の理由による。上記従来のプロペラ式の攪拌機
等を備えた中和タンク86を用いた場合の不具合は、攪
拌される反応液及びアルカリ水等(以下、「流体」とい
う。)の流速が、中和タンク86内全体を通じて、均一
にならないことが原因と考えられる。即ち、プロペラの
回転軸から羽の先端の部分で攪拌される流体の流速は、
回転軸から羽の先端にかけて増加する。また、羽の先端
から中和タンク86の内壁の部分で攪拌される流体の流
速は、羽の先端から遠ざかるにつれて減少する。このた
め、中和タンク内の流体の流速は、不均一になり易い。
この結果、中和タンク86内の流速の低い部分で、反応
が不十分となり、流速の高い部分で、エマルジョン化を
起こし易いためと考えられる。
【0007】これに対し、本発明では、静止型管内混合
器を用いている。そして、この静止型管内混合器を用い
れば、攪拌の際の流体の流速を全体を通じて、略均等な
状態に近づけ易い。これに加え、この静止型管内混合器
が複数のエレメントを備える場合、各エレメント毎に、
流体の攪拌される向きを反転させ、十分な攪拌を行うこ
とができる。また、本発明では、中和工程における反応
液の滞留時間を短くできるため、(メタ)アクリル酸エ
ステルのケン化反応を起こさせることなく、生成物の品
質のコントロールが容易となる。更に、静止型管内混合
器は、上記従来の中和タンク86の様なタンク及び攪拌
機を必要としないため、設置面積が小さくでき、中和装
置としての保守、管理の手間も低減できる。
【0008】上記「静止型管内混合器」の具体的態様
は、本発明の目的を達成できる範囲で種々選択できる
が、特に好適なものとして、図3及び4に示すもの(K
enics社が開発)を例示できる。即ち、この「静止
型管内混合器」では、図3及び4に示す様に、上流側か
ら下流側に直列状に配置された各エレメントE1 〜E2
単位で、流体の流れを分割し、また、隔壁e1 〜e4
の特殊形状により独自の運動を起こさせる。そして、各
エレメントE1 〜E4 に存在する流体が、隣接する他の
エレメントE1 〜E2 に移ることで、この分割した流れ
を合流させ、且つ分割の態様を変えられる。そして、こ
の操作を繰り返すことにより、流体の混合を行うもので
ある。尚、「各エレメントE1 〜E4 により独自の運動
が起こる。」のは、隔壁e1 、e2 等が、管状体(中和
用配管)62内を直径方向に分割し、且つその隔壁
1 、e2 等が、管状体(中和用配管)62の軸線を中
心とするねじれ構造を持つためである。また、「隣接す
る他のエレメントE1 〜E4 に移ることで、分割の態様
を変えられる。」のは、隣接する2つのねじれ方向が異
なるからである。
【0009】尚、この「静止型管内混合器」は、その適
応流域が「概ね、乱流であるもの」、「乱流に偏る
もの」、「乱流と層流の中間にあるもの」、「層流
に偏るもの」及び「概ね、層流であるもの」に分けら
れるが、本発明の目的をより確実に達成する上で、上記
〜に示すものが好ましい。因みに、図3及び4に例
示する静止型管内混合器は、若しくはに属する。ま
た、上記「エレメント」とは、図4に示す様に、上記管
状体62内において、隔壁のねじれ構造が連続的とさ
れ、且つねじれ方向を同一方向とされた区画をさしてい
る。そして、静止型管内混合器においては、通常、図3
に示すように、複数のエレメントE1 〜E4 を用いて、
隔壁e1 〜e4 のねじれ方向を数回変えることによ
り、流体の運動方向を変え、流体の混合を行っている。
従って、エレメントの数(これをnとしたとき、2n
分割数という。)が多い程、混合の度合を高めることが
でき、本第2発明に示す様に、分割数を212〜216とす
ることが特に好ましい。分割数を212以上にすれば、上
記流体を十分に攪拌できる。一方、分割数を216より大
きくすれば、静止型管内混合器に反応液を通す際の抵抗
が大きくなり、反応液を通すために高出力のポンプが必
要となる恐れがあるからである。
【0010】上記「アルコール」は、脂肪族アルコー
ル、脂環式アルコール、芳香族アルコールのいずれであ
ってもよい。そして、脂肪族アルコールとしては、例え
ば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
イソブチルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−
オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、
イソオクチルアルコール、n−ノニルアルコール、イソ
ノニルアルコール、ステアリルアルコール等を例示でき
る。また、脂環式アルコールとしては、シクロヘキシル
アルコール、メチルヘキシルアルコール等が例示でき
る。更に、芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコ
ール、メチルベンジルアルコール等を例示できる。エス
テル化の酸性触媒としては、通常エステル化触媒として
用いられる、硫酸、塩酸等の鉱酸やパラトルエンスルホ
ン酸、メタンスルホン酸等の有機酸を用いることができ
る。中和に用いるアルカリ水溶液としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属若しくはアルカ
リ土類金属の水酸化物若しくは炭酸塩等の水溶液を用い
ることができる。
【0011】エステル化反応の際に副生する水を反応系
から効率的に留去するために、反応液に共沸剤を添加し
て反応を行うことができる。この「共沸剤」の種類は、
使用するアルコールとの関係を考慮して定められる。例
えば、使用するアルコールが2エチルヘキシルアルコー
ル、n−ブタノールの場合には、イソプロピルエーテル
等を用いることができ、使用するアルコールが、イソブ
タノールの場合には、シクロヘキサン/ベンゼンの混合
溶媒を用いることができる。
【0012】本第3発明の粗(メタ)アクリル酸エステ
ル反応液の中和装置(以下、「中和装置」という。)
は、酸性触媒の存在下において(メタ)アクリル酸とア
ルコールとを反応させて得られる酸性触媒及び(メタ)
アクリル酸を含有する粗(メタ)アクリル酸エステル反
応液を供給する反応液供給用配管と、該反応液供給用配
管に接続され、静止型管内混合器が内設され且つ油水分
離装置に接続される中和用配管と、該静止型管内混合器
の内設位置よりも上流側に位置する配管部に接続され且
つアルカリ水を供給するアルカリ水供給用配管と、から
なることを特徴とする。即ち、本第1発明の方法を実施
するための、中和装置に関するものである。
【0013】本第4発明の中和装置は、第3発明の中和
装置の静止型管内混合器の内部を乱流域とし、且つ分割
数を212〜216としたものである。即ち、本第2発明に
対応する中和装置である。但し、第1及び2発明を実施
するための装置は、上記第3及4発明の装置に限るもの
ではない。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。 (1)製造装置の概要 本製造装置は、図1に示す様に、反応容器(容量;約2
0m3 )2と、中和装置6と、油水分離装置7とを備え
ている。上記反応容器2では、(メタ)アクリル酸、ア
ルコール、硫酸等の酸性触媒を用いて、エステル化反応
が行われる。但し、この反応容器2内に、共沸剤を投入
することもできる。この場合、このエステル化反応の際
に副生する水を反応系から効率的に留去できる。また、
反応容器2を所定の反応精留塔(図5の符号83を参
照。)に接続してもよい。この反応精留塔は、エステル
化反応の際に副生する水(共沸剤を添加する場合は、水
及び共沸剤)を効率的に留去するための装置として好適
に用いられる。
【0015】そして、この容器2内で生成された(メ
タ)アクリル酸エステル等は、所定の管P1 を通じて、
下流側へと送られる。このうちの、(メタ)アクリル酸
エステルを含む反応液が上記中和装置6へと送られる。
この中和装置6は、図2に示す様に、直列につながれた
第1管状体(内径50mm)61及び第2管状体(内径
50mm)62を備えている。そして、第1管状体61
の前方側が、上流側(反応容器2の側)から到達する管
2 に接続され、第2管状体62の下流側が、後続する
管P3 に接続されている。また、第1管状体61には、
アルカリ水供給管Aが接続されており、第2管状体62
には、3つの静止型管内混合器(Kenics型、日本
陶器社製)621〜623が内設されている。尚、この
様に、アルカリ水供給管Aを、静止型管内混合器621
〜623の上流側に接続するのは、静止型管内混合器6
21〜623を用いて、効率的な中和反応を行うためで
ある。更に、各静止型管内混合器621〜623は、図
3に示す様に、それぞれ、上流側から下流側に並べられ
た4つのエレメントE1 〜E4 を備えている。
【0016】また、直列状に並ぶ4つエレメントE1
4 のうちで、互いに隣接する一方E1 、E3 が、左ね
じりエレメントで、隣接する他方E2 、E4 が、右ねじ
りエレメントである。更に、隣接し合うエレメント(例
えば、E1 及びE2 )が備える隔壁(例えば、e1 及び
2 )の第2管状体62の軸線を中心にしたねじれ角
は、約90度ずつ異なっている。そして、各エレメント
1 〜E4 毎に、流体の流れを分割すると共に、独自の
運動を起こさせる。そして、各エレメント(例えば、E
1 )に存在する流体が、隣接する他のエレメント(例え
ば、E2 )に移ることで、この分割した流れが合流し、
且つ分割の態様を変えられる。そして、この操作を繰り
返すことにより、流体の混合を行うものである。
【0017】そして、この様な中和装置6において、ア
ルカリ水供給管Aを用いてアルカリ水が加えられ、(メ
タ)アクリル酸エステルを含む反応液中の未反応の(メ
タ)アクリル酸及び硫酸(触媒)が中和される。その
後、この反応液は、上記管P3を通じて、油水分離装置
7へと送られる。この油水分離装置7は、この反応液
を、遠心分離等の手法(比重の違いを利用する手法等)
により、水相(生成物である(メタ)アクリル酸エステ
ルを主とする。)と油相(中和後の水や塩を主とす
る。)とに分けるものである。そして、この油層は、下
流側の工程へと送られる。
【0018】(2)性能試験及び評価 以上の様に構成される製造装置の性能を評価するため
に、以下に述べる「実施試験」及び「比較試験」を行っ
た。
【0019】実施試験 アクリル酸と2−エチルヘキシルアルコールを硫酸触媒
のもとエステル化反応させて得られた反応液組成は、ア
クリル酸2−エチルヘキシル(以下、HAと略す場合が
ある。)90重量%(以下、「%」という。)、2−エ
チルヘキシルアルコール5%、アクリル酸1%、硫酸
1.5%、その他不純分2.5%であった。その反応液
中、アクリル酸及び硫酸を5%NaOH水溶液で中和す
る工程において、分割数212の流体の流れを分割、転
換、反転させる構造を持つ静止型管内混合器を使用し
た。Re数は50000で滞留時間は15秒である。中
和用に加えるアルカリ水溶液量としては、油水分離装置
において充分に長時間経過した中和液下層のpHが7〜
8の範囲になるように調整した。その場合、供給したH
Aのケン化は認められなかった。また、エマルジョン化
は全く認められず中和液は静置分離工程で分離可能であ
った。
【0020】比較試験 アクリル酸と2−エチルヘキシルアルコールを硫酸触媒
のもとエステル化反応させて得られた反応液組成は、ア
クリル酸2−エチルヘキシル90%、2−エチルヘキシ
ルアルコール5%、アクリル酸1%、硫酸1.5%、そ
の他不純分2.5%であった。その反応液中、アクリル
酸及び硫酸を5%NaOH水溶液で中和する工程におい
て攪拌翼付きの中和槽を使用した。攪拌条件は、中和等
の攪拌として一般的な乱流域での攪拌条件(滞留時間1
0分間、攪拌Re数5.5×105 )である。中和用に
加えるアルカリ水溶液量としては、中和終了後、充分に
長時間経過した中和槽内液下層のpHが7〜8の範囲に
なるように調整した。その場合、供給したHAの0.5
%が酸化され単位時間当たりの生産量が低下し、アクリ
ル酸収率が0.5%低下した。
【0021】また、滞留時間が長いためエマルジョン化
しやすく中和槽の液は30分間の静置状態の後も、一部
にエマルジョン化のままの部分が存在した。従って、中
和液は静置分離工程では分離できず、例として遠心分離
機等により強制分離する必要がある。尚、アクリル酸収
率は、以下の式を用いて求めた。 アクリル酸収率=(生成したHAのモル数/消費したア
クリル酸のモル数)×100(%)
【0022】(3)性能評価 以上の様に、比較試験の製造装置では、中和工程で、反
応液のエマルジョン化を起こし、アクリル酸収率の低下
を招いた。一方、分割数212の静止型管内混合器を使用
した実施試験の製造装置では、エマルジョン化を起こさ
ず、比較試験の製造装置に比べ、油水分離装置7による
分離が円滑に行われた。また、実施試験の製造装置で
は、比較試験の製造装置に比べ、中和工程における反応
液の滞留時間が短くできるため、生成物の品質の保持が
容易となる。更に、実施試験の製造装置の中和装置6
は、従来の中和タンクの様なタンク及び攪拌機を必要と
しないため、設置面積が小さくでき、装置としての保
守、管理の手間が小さくなる。以上の様に、「本中和装
置6を備えた製造装置」を用いれば、アクリル酸エステ
ルを効率的に製造できる。
【0023】尚、本発明においては、上記実施の形態に
示した具体的な態様、具体例に限らず、目的、用途に応
じて本発明の範囲内で種々変更した形態、実施例、変形
例とすることができる。即ち、上記静止型管内混合器6
21〜623として、別の態様のものを用いることがで
きる。例えば、層状の隔壁を備えたもの(例えば、「S
ulzer型(スルーザーブラザーズ社製)」と称され
るもの)を用いることもできる。但し、この層状の隔壁
を備えた静止型管内混合器では、静止型管内混合器内に
ポリマー性のスラッジを生じ易くなるという欠点があ
る。本実施の形態の静止型管内混合器621〜623の
適応流域は、「概に、乱流の流域〜乱流に偏る流域」で
あるのに対し、この層状の隔壁を備えた静止型管内混合
器の適応流域は、「乱流に偏る流域〜層流に偏る流域」
とされている。また、本発明は上記(メタ)アクリル酸
2エチルヘキシル以外の(メタ)アクリル酸エステルの
生成にも、好適に利用できる。
【0024】
【発明の効果】以上の様に、上記各発明によると、中和
装置及び油水層分離装置を備える(メタ)アクリル酸エ
ステルの(メタ)アクリル酸エステルの製造装置を用い
て、(メタ)アクリル酸エステルを効率的に製造でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に示す製造装置(中和装
置)を示す概略説明図である。
【図2】図1の装置が備える中和装置の概略的な正面図
である。
【図3】図1の装置が備える静止型管内混合器の概略的
な縦断面図である。
【図4】(a)左ねじりエレメントを説明するための概
略的な斜視図、(b)右ねじりエレメントを説明するた
めの概略的な斜視図である。
【図5】従来例に係わる製造装置を示す概略説明図であ
る。
【符号の説明】
2;反応容器、6;中和装置、61;第1管状体、A;
アルカリ水供給管、62;第1管状体、621〜62
3;静止型管内混合器、E1 〜E4 ;エレメント、e1
〜e4 ;隔壁、7;油水分離装置、P1 〜P3 ;管。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性触媒の存在下において(メタ)アク
    リル酸とアルコールとを反応させて(メタ)アクリル酸
    エステルを合成させ、その後、酸性触媒及び(メタ)ア
    クリル酸を含有する粗(メタ)アクリル酸エステルを、
    油水層分離工程前に、アルカリ水にて中和する方法にお
    いて、 静止型管内混合器を用いて、粗(メタ)アクリル酸エス
    テル反応液と該アルカリ水とを混合させ、該混合液をエ
    マルジョン化させることなく中和することを特徴とする
    粗(メタ)アクリル酸エステル反応液の中和方法。
  2. 【請求項2】 上記静止型管内混合器の内部を乱流域と
    し、且つ分割数を212〜216とすることを特徴とする請
    求項1記載の粗(メタ)アクリル酸エステル反応液の中
    和方法。
  3. 【請求項3】 酸性触媒の存在下において(メタ)アク
    リル酸とアルコールとを反応させて得られる酸性触媒及
    び(メタ)アクリル酸を含有する粗(メタ)アクリル酸
    エステル反応液を供給する反応液供給用配管と、該反応
    液供給用配管に接続され、静止型管内混合器が内設され
    且つ油水分離装置に接続される中和用配管と、該静止型
    管内混合器の内設位置よりも上流側に位置する配管部に
    接続され且つアルカリ水を供給するアルカリ水供給用配
    管と、からなることを特徴とする粗(メタ)アクリル酸
    エステル反応液の中和装置。
  4. 【請求項4】 上記静止型管内混合器の内部を乱流域と
    し、且つ分割数を212〜216とすることを特徴とする請
    求項3記載の粗(メタ)アクリル酸エステル反応液の中
    和装置。
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