JP2001137680A - 液体攪拌装置 - Google Patents

液体攪拌装置

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JP2001137680A
JP2001137680A JP31945599A JP31945599A JP2001137680A JP 2001137680 A JP2001137680 A JP 2001137680A JP 31945599 A JP31945599 A JP 31945599A JP 31945599 A JP31945599 A JP 31945599A JP 2001137680 A JP2001137680 A JP 2001137680A
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stirring
cylindrical tube
blade
gas
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JP31945599A
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Haruhisa Handa
晴久 半田
Hitoshi Sekine
均 関根
Katsuaki Aiba
克昭 相羽
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液面の乱れが少なく、かつ効率の良い新規な
液体攪拌装置を提供することを目的とする。 【構成】 この液体攪拌装置は(1)竪形容器、(2)
攪拌翼、および(3)竪形容器の底部に接地しない位置
であって、竪形容器の上下方向に設けた円筒管を有する
攪拌装置を含む。前記円筒管には、その壁面に多数の小
孔が設けられており、竪形容器内の物質はこの小孔を通
り、円筒管内外を移動することができる。 【効果】 気-液混合においては、円筒管に設けた小孔
と円筒管内に設けた攪拌翼の存在により、気体の巻き込
み効果に優れ、竪形容器の底部に設けた第2の攪拌翼の
存在により、竪形容器の下部における気-液分散効果に
優れる。液-液混合においては、円筒管に設けた小孔の
存在により、剪断場が増大し、流れの乱れを増大させる
ことができる結果、液-液間の混合を促進させることが
できる。固-液混合においては、固体の均一分散性に優
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体を液体に効率
よく分散・混合させることができる気−液攪拌装置、2
以上の液体を効率よく混合・分散させることができる液
−液攪拌装置および、液中に固体を効率よく分散させる
ことができる固−液攪拌装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】化学反応の多くは、第1の成分としての
液体(反応物質を溶解又は分散させた溶液又は分散液を
含む。)に、別の液体、気体及び固体からなる群から選
ばれる第2の成分を添加することによって進行する。そ
のため、第1の成分と第2の成分、すなわち、液体と液
体(以下、液−液という。)、気体と液体(以下、気−
液という。)、固体と液体(以下、固−液という。)、
気体と固体と液体(以下、気−固−液という。)、を効
率よく攪拌混合する必要がある。気−液攪拌の場合、反
応槽内の下部に、反応槽に充填した液体内に気体を連続
的に放射する散気管を設け、かつその散気管の上方に攪
拌翼を設けて、気体の液体中への分散・混合を行うよう
にする例が多い。液−液攪拌、固−液攪拌の場合は、1
もしくは2以上の攪拌翼と整流手段(ジャマ板)との組
み合わせにより、槽内全体を均一に分散する方法が一般
に用いられている。何れの場合も、反応槽内の液体をい
かに均一に攪拌するかが重要であり、さらに液中に取り
込む気体の微細化分散、粘度の異なる液体間の均一分
散、液体と比重が大きく異なる固体の液中への均一分散
等、多数の技術が存在している。これらの多くは、攪拌
翼種と整流手段(ジャマ板)との組み合わせに依存す
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】通常、液体の攪拌は、
攪拌翼により生じる軸流と吐出流および整流手段(ジャ
マ板)の作用による循環流とのバランスにより決定され
る。したがって、液体の攪拌は、攪拌翼種と整流手段
(ジャマ板)の組み合わせに依存すると言える。一方、
攪拌に要する動力(以下、攪拌所要動力という。)は、
液体に加えようとする第2の成分により、その最適値が
大きく異なってくる。第2の成分が気体である気−液攪
拌の場合、攪拌所用動力を高くするほど気−液混合効率
は良くなるため、工業プラントにおいても2〜6kW/m3
の攪拌所用動力値で反応釜が運転されている。これに対
し、第2の成分が液体である液−液攪拌には、反応液の
飛散などの問題が、第2の成分が固体である固−液攪拌
には、固形分の破砕などの問題が、それぞれ生じるた
め、攪拌所用動力は1kW/m3以下に設定する傾向にあ
る。
【0004】そのため、気−液攪拌に関して最適化され
た反応槽では、必ずしも液−液および固−液攪拌に適す
るとは言えない。例えば、固体触媒の存在下に気体と液
体とを反応させる水素添加反応、酸化的付加反応など、
同一槽内に、気体−液体−固体が同時に存在する場合、
気−液攪拌を優先するか、固−液攪拌を優先するかとい
った問題が生じることとなる。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、気−液
攪拌性に優れ、かつ、液−液攪拌、固−液攪拌において
も優れた攪拌効率を示す攪拌装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、(1)竪形容器、(2)攪拌翼および
(3)竪形容器の底部に接地しない位置であって、竪形
容器の上下方向に設けた円筒管、を有する攪拌装置にお
いて、円筒管が、その壁面に多数の小孔を有することを
特徴とする液体攪拌装置を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の液体攪拌装置を図
面を用いて説明する。図1に示した液体攪拌装置は、本
発明の液体攪拌装置の1例を示すものであって、液体L
を充填する竪形円筒状の容器1と、モーター10で駆動
される攪拌翼3および4と、いわゆるドラフトチューブ
として液体を循環させる円筒管6と、液体案内用整流手
段(ジャマ板)9より構成される。
【0008】容器1は、その中に液体を充填する上下方
向に直立した一つの円筒形状の槽を形成するもので、通
常、容器の約7割の高さまでの液体を充填する。容器底
部の形状は、半球状、半楕円状あるいは皿形等である。
【0009】攪拌翼3は、図1に示すように、円筒管6
の内側下端に配置し、モーター10に連結した攪拌軸5
と共に高速で回転する。該攪拌翼3は、強い軸流を発生
するタイプのものを使用し、該モーターにより高速で回
転させることにより、該円筒管内では渦流と共に下降流
を発生させることができ、これにより、気相部に存在す
る気体が液中に巻き込まれる。該攪拌翼3と該円筒管6
との間には、一定の隙間が設けてあり、渦流により液中
に巻き込まれた気泡は、高速で回転する該攪拌翼3と該
円筒管6との隙間を通過する際に剪断され、細かな気泡
として分散させることができる。
【0010】攪拌翼3として用いる軸流を発生する攪拌
翼としては、例えば、マリン翼、ハイドロフォイル翼、
などが挙げられる。
【0011】攪拌翼4は、図1に示すように、攪拌翼3
の同軸上下部にあり、該円筒管の外側で、円筒管下端と
は一定の隙間を持って配置されている。該攪拌翼は、該
モーター10により、上記攪拌翼3および攪拌軸5とと
もに高速で回転する。上記攪拌翼3の作用により液中に
引き込まれた気泡は、円筒管下端で液体と共に攪拌翼4
に対しほぼ垂直に吐出される。吐出流型攪拌翼4は高速
で回転しており、その円周部では強い剪断作用が働くた
め、円筒管6の下端から吐出された気泡は微細化され、
液体と共に水平方向に吐出される。
【0012】攪拌翼4として用いる強い剪断力と吐出流
を発生する攪拌翼としては、例えば、タービン翼、パド
ル翼、などが挙げられる。
【0013】整流手段(ジャマ板)9は、容器1の内周
面から内方へ上下方向に縦走して一定寸法突出させた細
巾の平板または突出であって、通常、容器1の円周面に
一定間隔で複数個設ける。整流手段(ジャマ板)9は、
各々下端が円筒管6の下端とほぼ同じ高さに位置する一
方、各々上端が容器1の上端とほぼ同じ高さに位置す
る。攪拌翼4により水平方向に吐出された微細な気泡を
含む液体は、容器1の壁面にあたり、そのまま整流手段
(ジャマ板)9に沿って、容器上部まで上昇する。気−
液混合物の上昇流は、容器上方で円筒管6内に引き込ま
れるため、水平方向の流れに変換され、一部は円筒管上
部に配置した小孔部8を通り円筒管壁面に沿って管内に
流れ込み、一部は壁面にぶつかり下降流に変換される。
【0014】円筒管壁面小孔部8は、攪拌翼が静止した
状態で、容器内に充填した液体Lの液面11よりも、少
なくとも上方に配置されており、小孔部下端7は、気−
液攪拌の場合、図1に示すように、液面11の少し下方
に位置するのが好ましい。また、液−液攪拌の場合、小
孔を液中に多く配置する程、攪拌効率が向上するため、
下端7を円筒管6の下端と同じ位置、すなわち、円筒管
6の壁面全体に小孔を配置することが好ましい。液体が
小孔を通り円筒管内へ流れ込む際、円筒管上部では液体
はシャワー状になり、円筒管内に降り注ぐ。また、小孔
出口付近で局所的な乱流(エッヂボルテックス)が発生
し、さらに円筒管内壁には、いわゆる濡れ壁が形成され
る。これらのことから、本装置では、気−液接触面積が
増大し、効率よく気体を液中に取り込むことができる。
【0015】円筒管6の直径(Dd)は、容器1の内径
(D)に対し、 0.3 ≦ Dd/D ≦ 0.9 、好
ましくは、 0.4 ≦ Dd/D ≦ 0.7 を満たす
範囲で設定される。
【0016】円筒管6の壁面に設ける小口径(Dh)
は、円筒管径に対し、0.005 ≦Dh/Dd ≦
0.2 、好ましくは、 0.01 ≦ Dh/Dd ≦
0.1を満たす範囲で設定される。
【0017】さらに、壁面に設ける小口径(Dh)は、
円筒管壁面の厚さ(Td)に対し、 0.2 ≦ Dh/Td ≦ 10、 好ましくは 0.5 ≦ Dh/Td ≦ 3 を満たす範囲で設定される。
【0018】円筒管6の下端の位置は、図1に示すよう
に、反応槽直胴部下端と同じ高さにすることが好ましい
が、図3に示すように、攪拌翼を一機(吐出流型の攪拌
翼を用いず、軸流型の攪拌翼のみを円筒管内に設置)し
か用いない場合には、反応槽底部に近づける方が好まし
い。
【0019】
【作用】本発明の液体攪拌装置では、攪拌槽内全体にわ
たる循環流を発生させるため、攪拌軸方向に流れを生じ
る攪拌翼(例えば、マリン翼やハイドロフォイル翼)
を、槽内に設けた円筒管内部に設置している。さらに、
本発明の液体攪拌装置では、循環流路の確保と剪断場を
増大させるため、円筒管壁面に多数の小孔を設けてい
る。液体は円筒管の内外を移動する際、円筒管に設けた
小孔を通過するため、その出口付近では液体に乱流が生
じ、攪拌効率が向上する。小孔は、攪拌翼が静止した状
態で、少なくとも液面よりも上方に設けることが望まし
い。
【0020】気−液混合では、攪拌により生じる円筒管
内外での液面差のため、液体が円筒管の小孔を通過する
こと、ならびに円筒管壁面に沿って上から下に流れ落ち
ることにより、気−液接触面積が増大し、気−液混合効
率が増大する。また、小孔を通過することにより生じる
乱流とシャワー状の流れにより、効率よく気体を液中に
取り込むことができる。
【0021】さらに、気−液攪拌においては、円筒管内
部に設ける攪拌翼を、円筒管の下端に配置し、さらに、
その下部であって、同軸上に、第2の攪拌翼を設けるこ
とが望ましい。この際、第2の攪拌翼は、強い剪断力と
吐出流を発生する攪拌翼(例えば、タービン翼やパドル
翼)が好ましい。第1の攪拌翼と円筒管との組み合わせ
により強い軸流を発生し、液中に引き込んだ気泡を、第
2の攪拌翼の剪断作用により微細に分散させ、気泡の液
中での保持率を高めることで、飛躍的に気−液混合効率
が増大する。
【0022】液−液混合の場合は、円筒管壁面の小孔
は、攪拌翼が静止した状態において、液面下となる位置
に設けることが好ましい。これにより、液中に多数の剪
断場が形成され、円筒管壁面近傍に、局所的に多数の乱
流が発生し、液−液の攪拌効率が増大する。攪拌槽内全
体は、円筒管と軸流型攪拌翼との組み合わせにより、強
い循環流が生じており、この循環流と円筒管壁面を通過
する際に生じる液体の流れとが直交する形となる。この
ため、液−液混合においては、特にジャマ板等の整流手
段を設けることなく、槽内全体を短時間で均一に混合す
ることができる。
【0023】固−液混合では、液体が円筒管内を垂直方
向に流れるため、固体の巻き上げ(もしくは巻き込み)
が効率よく行われ、壁面小孔を通過する際に生じる乱流
により、槽内全体の固−液混合物を短時間で均一に混合
することが可能となる。
【0024】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定される
ものではない。
【0025】《実施例1》下記に掲げた仕様であって、
図1に示した液体攪拌装置を用い、その反応槽に、0.
4モル/リットルの亜硫酸ナトリウム水溶液1800ml
及び触媒として0.001モル/リットルの硫酸銅水溶
液1.8mlを加え、25℃、大気開放下に、攪拌所用動
力1.2kW/m3で攪拌を開始した。
【0026】一定時間ごとに攪拌槽内の溶液を所定量
(0.5ml)サンプリングし、0.05モル/リット
ルのよう素溶液(I2/KI水溶液)5mlを用いて着
色した後、この溶液を0.1モル/リットルのチオ硫酸
ナトリウム水溶液で滴定することにより、反応槽中の亜
硫酸ナトリウム濃度を測定した。これにより、時間当た
りの亜硫酸ナトリウムの減少速度、すなわち、空気中酸
素の液中への吸収速度を測定し、液側物質移動容量係数
(KLa)を算出した。KLaは、液中への気体の吸収
性能を示す指標であり、この値が大きいほど、ガス吸収
性能、すなわち気−液攪拌性能が高いと判断できる。
【0027】攪拌所用動力を1.2kW/m3から、2.
0、2.3、2.4、3.3及び5.5kW/m3の各々
に変更した以外は、上記と同様にしてKLaを算出し、
その結果を表1及び図4にまとめて示した。なお、図4
は、横軸に攪拌所要動力(kW/m3)を、縦軸にKLa
(h−1)をとり、得られた値をプロットしたものであ
る。
【0028】<液体攪拌装置の仕様> 反応槽:ガラス製セパラブルフラスコ(内径=130m
m、容量=2リットル、底部=2:1半楕円) 円筒管の内径/外径:54/58 mm 円筒管の小孔を有する範囲:円筒管の上部〜非攪拌時の
液面から下7mmの範囲小孔径/ピッチ:4/7 mm 整流手段(ジャマ板):平板(水平方向の長さが反応槽
内径に対し10%)2枚 攪拌翼(軸流型):マリン翼(翼径:45 mm) 攪拌翼(吐出流型):フラットディスクタービン翼(翼
径:65 mm) <実験条件> Na2SO3水溶液 … 0.4モル/リットル、1.8リ
ットル CuSO4水溶液(触媒) … 0.001モル/リット
ル、1.8 mL 実験温度 … 25℃ Na223水溶液 … 0.1モル/リットル よう素溶液(I2/KI水溶液) … 0.05モル/リ
ットル <KLa算出式> 2Na2SO3 + O2 → 2Na2SO4 KLa = Oar/C : 液側物質移動容量係数[h-1] Oar = (−d[Na2SO3]/dt)/2 : 酸素吸
収速度[モル・L-1・h -1] −d[Na2SO3]/dt : Na2SO3減少速度[モ
ル・L-1・h-1] C : 実験温度における水に対する空気中酸素の飽和溶
解度[モル・L-1] (化学便覧、化学工学便覧等に記載のデータを使用)
【0029】《比較例1》実施例1において、図1に示
した液体攪拌装置に代えて、壁面に小孔を持たない従来
型の図2に示した円筒管(ドラフトチューブ)を有する
攪拌装置(その他の仕様は実施例1の装置と同様。)を
用い、攪拌所用動力を1.9、2.9及び4.9kW/
m3の各々に変更した以外は、実施例1と同様にしてKL
aを算出し、その結果を表1及び図4にまとめて示し
た。
【0030】《比較例2》実施例1において、図1に示
した液体攪拌装置に代えて、実施例1で用いた図1に示
した液体攪拌装置から、円筒管(ドラフトチューブ)を
除いた液体攪拌装置を用い、攪拌所用動力を2.1、
3.1及び6.2kW/m3の各々に変更した以外は、実
施例1と同様にしてKLaを算出し、その結果を表1及
び図4にまとめて示した。
【0031】《実施例2》実施例1において、図1に示
した液体攪拌装置に代えて、下記に掲げた仕様であっ
て、竪形容器の底部と円筒管との間の第2の攪拌翼なら
びに整流手段(ジャマ板)を有しない図3に示した攪拌
装置を用い、攪拌所用動力を0.5、1.1、2.1及
び3.9kW/m3の各々に変更した以外は、実施例1と
同様にしてKLaを算出し、その結果を表1及び図4に
まとめて示した。
【0032】
【表1】
【0033】図4に示した結果から、本発明の多数の小
孔を設けた円筒管(ドラフトチューブ)を有する液体攪
拌装置は、通常の円筒管(ドラフトチューブ)を有する
従来の液体攪拌装置よりも高い気−液攪拌性能を有する
ことが理解できる。また、図1に示した円筒管を有する
液体攪拌装置では、動力が高い領域(2kW/m3以上)
で高い気液攪拌性能を発揮するのに対し、図3に示した
巾広円筒管を有する攪拌装置では、1kW/m3付近にお
いても高い気液攪拌性能を有することがわかる。
【0034】《実施例3》下記に掲げた仕様であって、
図1に示した液体攪拌装置を用い、その反応槽に、ヨウ
素0.47g、ヨウ化カリウム1.8g及び水1.8リ
ットルからなる着色液(ヨウ素溶液)を入れ、大気開放
下に、攪拌所用動力0.1kW/m3で攪拌を開始した。
攪拌を維持しながら、亜硫酸ナトリウム1.15g及び
水19mlからなる亜硫酸ナトリウム水溶液を投入し、該
水溶液投入時から溶液の色が無色透明になるまでの時間
を測定し、その結果を表2及び図6に示した。なお、図
6の縦軸は、脱色剤を攪拌槽に投入後、よう素の色が完
全に脱色するまでの時間を示している。この実験は、ヨ
ウ素還元法により液体の完全混合時間を測定したもので
ある。
【0035】<液体攪拌装置の仕様> 反応槽:ガラス製セパラブルフラスコ(内径=130m
m、容量=2リットル、底部=2:1半楕円) 円筒管の内径/外径:54/58 mm 円筒管の小孔を有する範囲:円筒管の上部〜非攪拌時の
液面から下7mmの範囲小孔径/ピッチ:4/7 mm 整流手段(ジャマ板):平板(水平方向の長さが反応槽
内径に対し10%)4枚 攪拌翼(軸流型):マリン翼(翼径:45 mm) 攪拌翼(吐出流型):フラットディスクタービン翼(翼
径:65 mm)
【0036】《実施例4》実施例3において、図1に示
した液体攪拌装置に代えて、下記に掲げた仕様であっ
て、竪形容器の底部と円筒管との間の第2の攪拌翼なら
びに整流手段(ジャマ板)を有しない図3に示した液体
攪拌装置を用いた以外は、実施例3と同様にして、着色
液(ヨウ素溶液)が無色透明になるまでの時間を測定
し、その結果を表2及び図6に示した。
【0037】<液体攪拌装置の仕様> 反応槽:ガラス製セパラブルフラスコ(内径=130m
m、容量=2リットル、底部=2:1半楕円) 円筒管の内径/外径:85/79 mm 円筒管の小孔を有する範囲:円筒管の上部〜非攪拌時の
液面から下21mmの範囲 小孔径/ピッチ:4/7 mm 攪拌翼(軸流型):ハイドロフォイル翼(翼径:75 m
m)
【0038】《実施例5》実施例3において、図1に示
した液体攪拌装置に代えて、下記に掲げた仕様であっ
て、竪形容器の底部と円筒管との間の第2の攪拌翼を設
けず、円筒管全面に小孔を有する図5に示した液体攪拌
装置を用いた以外は、実施例3と同様にして、着色液
(ヨウ素溶液)が無色透明になるまでの時間を測定し、
その結果を表2及び図6に示した。
【0039】<液体攪拌装置の仕様> 反応槽:ガラス製セパラブルフラスコ(内径=130m
m、容量=2リットル、底部=2:1半楕円) 円筒管の内径/外径:54/58 mm 小孔径/ピッチ:4/7 mm 攪拌翼(軸流型):マリン翼(翼径:45 mm)
【0040】《比較例3》実施例3において、図1に示
した液体攪拌装置に代えて、実施例4で用いた図3に示
した液体攪拌装置から、円筒管(ドラフトチューブ)を
除いた液体攪拌装置を用いた以外は、実施例3と同様に
して、着色液(ヨウ素溶液)が無色透明になるまでの時
間を測定し、その結果を表2及び図6に示した。
【0041】《比較例4》実施例3において、図1に示
した液体攪拌装置に代えて、実施例3で用いた液体攪拌
装置から円筒管(ドラフトチューブ)を除いたもので、
かつ、2つの攪拌翼が共にフラットディスクタービン翼
である液体攪拌装置(その他の仕様は実施例3の装置と
同様。)を用いた以外は、実施例3と同様にして、着色
液(ヨウ素溶液)が無色透明になるまでの時間(sec =
秒 )を測定し、その結果を表2及び図6に示した。
【0042】
【表2】
【0043】表2及び図6に示した結果から、既存のタ
ービン翼を用いた液体攪拌装置と比較して、本発明の液
体攪拌装置は、短時間で溶液の脱色が完了している。従
って、本発明の液体攪拌装置は、既存の液体攪拌装置と
比較して、液−液攪拌能力が高いことが明らかである。
【0044】
【発明の効果】気−液混合においては、円筒管に設けた
小孔と円筒管内に設けた攪拌翼の存在により、気体の巻
き込み効果に優れ、竪形容器の底部に設けた第2の攪拌
翼の存在により、竪形容器の下部における気−液分散効
果に優れる。液−液混合においては、円筒管に設けた小
孔の存在により、剪断場が増大し、流れの乱れを増大さ
せることができる結果、液−液間の混合を促進させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体攪拌装置の一例を示した側面図及
び上面図である。
【符号の説明】
1 反応槽(竪形円筒容器) 2 上鏡 3 攪拌翼(軸流型) 4 攪拌翼(吐出流型) 5 攪拌軸 6 円筒管(ドラフトチューブ) 7 円筒管小孔部下端 8 円筒管壁面小孔部 9 整流手段(ジャマ板) 10 モーター 11 液面 D 反応槽直径(内径) Dd 円筒管直径(外形) Dh 円筒管小孔径 Td 円筒管壁面厚み L 液体
【図2】気−液攪拌において、本発明の液体攪拌装置
(図1)と比較するために用いた、従来型の円筒管(ド
ラフトチューブ)を有する液体攪拌装置の側面図及び上
面図である。
【符号の説明】
1 反応槽(竪形円筒容器) 2 上鏡 3 攪拌翼(軸流型) 4 攪拌翼(吐出流型) 5 攪拌軸 6 円筒管(ドラフトチューブ) 9 整流手段(ジャマ板) 10 モーター 11 液面 D 反応槽直径(内径) Dd 円筒管直径(外形) Td 円筒管壁面厚み L 液体
【図3】図1に示した装置よりも直径の太い円筒管を用
いた本発明の液体攪拌装置を示した側面図及び上面図で
ある。
【図4】実施例1及び2、比較例1及び2で用いた液体
攪拌装置における攪拌所要動力(kW/m3)と、気−液
混合特性の指標である液側物質移動容量係数(KLa)
との関係を示す図表である。
【符号の説明】
● 実施例1で得た結果 ○ 比較例1で得た結果 ▽ 比較例2で得た結果 ◇ 実施例2で得た結果
【図5】特に液−液攪拌の効率向上させるために円筒管
壁面全体に小孔を設けた本発明の液体攪拌装置の側面図
及び上面図である。
【図6】実施例3〜5、比較例3及び4で用いた液体攪
拌装置と、ヨウ素還元法を用いて測定した液−液攪拌に
おける完全混合時間(秒)を示した図表である。
【符号の説明】
a 比較例4で得た結果 b 実施例3で得た結果 c 実施例4で得た結果 d 実施例5で得た結果 e 比較例3で得た結果
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G035 AB10 AB14 AB38 4G078 AA04 AB01 AB11 BA05 CA07 CA08 DA01 DA09 DA19 DA21 DA28

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)竪形容器、(2)攪拌翼および
    (3)竪形容器の底部に接地しない位置であって、竪形
    容器の上下方向に設けた円筒管、を有する攪拌装置にお
    いて、円筒管が、その壁面に多数の小孔を有することを
    特徴とする液体攪拌装置。
  2. 【請求項2】 攪拌翼を円筒管の内側に設けた請求項1
    記載の液体攪拌装置。
  3. 【請求項3】 竪形容器の底部と円筒管との間に第2の
    攪拌翼を設けた請求項2記載の液体攪拌装置。
  4. 【請求項4】 円筒管に設ける小孔を、少なくとも、攪
    拌翼が静止状態における竪形容器に充填した液体の液面
    よりも上方に設けた請求項1、2または3記載の液体攪
    拌装置。
  5. 【請求項5】 竪形容器の内部壁面に液体の旋回を妨害
    する整流手段を設けた請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の液体攪拌装置。
  6. 【請求項6】 気体と液体の混合に用いる請求項1〜5
    のいずれか1項に記載の液体攪拌装置。
  7. 【請求項7】 円筒管に設ける小孔を、少なくとも、攪
    拌翼が静止した状態における竪形容器に充填した液体の
    液面よりも下方に設けた請求項1または2記載の液体攪
    拌装置。
  8. 【請求項8】 固体と液体の混合、あるいは2種類以上
    の液体の混合に用いる請求項7記載の液体攪拌装置。
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