JP2008188543A - 撹拌方法及び撹拌機 - Google Patents

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幸司 高橋
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充則 元田
Ryuichi Yatomi
隆一 弥富
Shoji Morinaga
昌二 森永
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Abstract

【課題】 被撹拌物の流動速度(レイノルズ数)及び被撹拌物の粘度に関わらず、小型翼の撹拌翼を備える撹拌機においても、効率的な撹拌を実施できる撹拌方法を提供する。
【解決手段】 被撹拌物を内部に収容する撹拌槽1と、撹拌槽1に配設されて回転可能な撹拌軸2と、撹拌軸2に取り付けられる撹拌翼3とを備える撹拌機を用いた撹拌方法において、被撹拌物中に剛体又は弾性体からなる撹拌補助物4を少なくとも一つ備えた状態とした後、撹拌軸2を回転駆動し、被撹拌物が撹拌槽1内を流動するのに伴って撹拌補助物4が被撹拌物中で流動するように撹拌することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、混合や溶解といった目的に使用される撹拌方法及び撹拌機に関する。
従来、被撹拌物として液体を撹拌する撹拌機としては、図6(a)に示すように、円筒状の撹拌槽1と、撹拌槽1の中心部に配置される撹拌軸2と、撹拌軸2の下部側に取り付けられる撹拌翼3とから構成される撹拌機が知られている。また、図6(b)に示すように、撹拌槽1の側壁部に長尺で平板状の邪魔板6,…が設けられる撹拌機も知られている。
撹拌翼3は、一般的に、プロペラ翼、タービン翼及びパドル翼といった小型翼が選定される。そして、撹拌翼3は、撹拌軸2が軸線を中心に周方向へ回転すると、翼から液体を吐き出して流動を発生させると共に、翼の回転で発生する回転流(旋回流)又は翼自体により液体を剪断する。
また、邪魔板6,…は、回転流(旋回流)を上下流に転換させる特性を有するため、上下流を必要とする場合に採用される。そして、撹拌槽1内の液体は、撹拌翼3の形状と邪魔板6,…の有無とにより定まる流動となって撹拌される。
例えば、図7(a)に示すように、撹拌翼3が平ディスクタービン翼であり、邪魔板6が無い撹拌機は、撹拌軸2の周方向の回転と同一方向に回転する流れ、即ち、旋回流と呼ばれる流動を主として液体を撹拌する。また、図7(b)に示すように、撹拌翼5が傾斜ディスクタービン翼であり、邪魔板6,…が有る撹拌機は、撹拌翼5から撹拌軸2の軸線と平行方向への流れ、即ち、軸流と呼ばれる流動を主として液体を撹拌する。さらに、図7(c)に示すように、撹拌翼3が例えば平ディスクタービン翼であり、邪魔板6,…が有る撹拌機は、撹拌翼3から撹拌軸2の軸線と垂直方向への流れ、即ち、輻流と呼ばれる流動を主として液体を撹拌する。
ここで、例えば、発酵工業において、培養時に剪断し過ぎると菌を死滅させるような物質を撹拌する場合、菌を死滅させることを防止するため、低レイノルズ数域(以下、「低Re域」という)で液体を撹拌しなければならないことがある。しかしながら、小型翼である撹拌翼3,5を有する撹拌機は、特に低Re域で液体を撹拌する場合、撹拌槽1内の液体中に、混合し難い領域、即ち、難混合領域を形成するため、効率的に撹拌を実施できない。また、例えば、高分子工業において、高粘度液体を撹拌する場合、液体の有する粘性により、低Re域で液体を撹拌することになり、効率的に撹拌することができず、多大な動力を費やしてしまうこともある。
具体的には、図7(a)に示すように、撹拌槽1内の高粘度の液体を低Re域(Re<50)で、且つ旋回流を主として撹拌する場合、一定速度で回転する撹拌翼3付近の液体は、撹拌翼3の回転方向と同じ方向に流動する、即ち、撹拌翼3と共回りするが、その撹拌翼3と共回りする液体は、他の領域の液体と混合され難い。つまり、旋回流を主として液体を撹拌する場合、難混合領域は、撹拌翼3の上方付近及び下方付近(図7(a)の斜線部)に形成される。
また、図7(b)に示すように、軸流(撹拌軸2の軸線に平行方向)を主として液体を撹拌する場合、液体は、撹拌翼5から撹拌軸2に沿って下向きに流動した後、撹拌槽1の底部付近で外向きに流動し、側壁部まで流動すると、側壁部に沿って上向きに流動し、その後、液面付近で内向きに流動するため、循環することになるが、これにより、その循環流の中心部は、他の領域の液体と混合し難い状態にされる。つまり、軸流を主として液体を撹拌する場合、難混合領域は、撹拌翼5より上方側に位置する循環流の中心部(図7(b)の斜線部)に形成される。
さらに、図7(c)に示すように、輻流(撹拌軸2の軸線に垂直方向)を主として液体を撹拌する場合、液体は、撹拌翼3から外向きに流動した後、側壁部で上向き及び下向きに分かれて流動し、そして、側壁部に沿って上向き及び下向きに流動した後、液面付近及び撹拌槽1の底部付近でそれぞれ内向きに流動するため、撹拌翼3より上方側と下方側との領域でそれぞれ循環することになるが、これにより、各循環流の中心部は、他の領域の液体と混合し難い状態にされる。つまり、輻流を主として液体を撹拌する場合、難混合領域は、撹拌翼3より上方側及び下方側に位置する循環流の各中心部(図7(c)の斜線部)に形成される。
そこで、難混合領域が形成されることを防止するため、大型翼の撹拌翼を備える撹拌機を使用することで対応できる(例えば、特許文献1参照)。しかし、大型翼の撹拌翼を備える撹拌機は、導入コストが非常に高いという問題を有する。特に、小型翼の撹拌翼3,5を備える撹拌機を既に所有している場合、大型翼の撹拌翼を備える撹拌機を導入するまでに至らず、既設の撹拌機で非効率的な撹拌を行うことを余儀なくされる。
特開平10−174857号公報
よって、本発明は、斯かる事情に鑑み、被撹拌物の流動速度(レイノルズ数)及び被撹拌物の粘度に関わらず、小型翼の撹拌翼を備える撹拌機においても、効率的な撹拌を実施できる撹拌方法を提供することを課題とする。
本発明に係る撹拌方法は、被撹拌物を内部に収容する撹拌槽と、撹拌槽に配設されて回転可能な撹拌軸と、撹拌軸に取り付けられる撹拌翼とを備える撹拌機を用いた撹拌方法において、被撹拌物中に剛体又は弾性体からなる撹拌補助物を少なくとも一つ備えた状態とした後、撹拌軸を回転駆動し、被撹拌物が撹拌槽内を流動するのに伴って撹拌補助物が被撹拌物中で流動するように撹拌することを特徴とする。
本発明に係る撹拌方法によれば、被撹拌物中に撹拌補助物を備えた状態とした後、被撹拌物が撹拌槽内で流動するのに伴い、被撹拌物中で撹拌補助物を流動させるため、撹拌補助物付近の被撹拌物を乱流にさせ、その結果、難混合領域を形成せずに被撹拌物を撹拌する。
また、本発明に係る撹拌方法においては、撹拌補助物は、球状に形成されるものを用いるのがより好ましい。
かかる構成によれば、球状に形成される撹拌補助物が、被撹拌物から受ける力、即ち、被撹拌物の流動に伴って被撹拌物中を流動する。よって、被撹拌物が撹拌槽内を循環して流動すると、撹拌補助物も撹拌槽内を循環して流動する。
また、本発明に係る撹拌方法においては、撹拌補助物は、撹拌翼の取り付け位置で撹拌軸の軸線と直交する面によって区切られる被撹拌物の各領域に少なくとも一つ備えた状態とする構成を採用してもよい。
かかる構成によれば、撹拌翼の取り付け位置で撹拌軸の軸線に直交する面によって区切られる被撹拌物の各領域で撹拌補助物が流動する。よって、かかる構成は、その各領域で撹拌補助物付近の被撹拌物を乱流にさせるため、難混合領域が各領域で形成されることを防止しつつ、さらに効果的に被撹拌物を撹拌する。
また、本発明に係る撹拌機は、被撹拌物を内部に収容する撹拌槽と、撹拌槽に配設されて回転可能な撹拌軸と、撹拌軸に取り付けられる撹拌翼とを備える撹拌機において、撹拌軸が回転駆動されることにより被撹拌物が撹拌槽内を流動するのに伴い、撹拌槽内に投入される少なくとも一つの剛体又は弾性体からなる撹拌補助物が被撹拌物中で流動するように構成されることを特徴とする。
本発明に係る撹拌機によれば、被撹拌物が撹拌槽内で流動するのに伴い、撹拌補助物が被撹拌物中を流動し、撹拌補助物付近の被撹拌物を乱流にさせるため、難混合領域が形成されることを防止しつつ、被撹拌物を撹拌する。
本発明の撹拌方法及び撹拌機によれば、難混合領域が形成されずに被撹拌物を撹拌することができるため、被撹拌物の流動速度(レイノルズ数)及び被撹拌物の粘度に関わらず、小型翼の撹拌翼を備える撹拌機においても、効率的な撹拌を実施できるという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明に係る撹拌機の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
まず、本発明の第1実施形態について、図1〜図3を参酌して説明する。なお、図1〜図3において、図6及び図7の符号と同一の符号を付した部分は、従来技術と同一の構成又は要素を表す。
本実施形態に係る撹拌機は、図1に示すように、高粘度の被撹拌物(以下、「(高粘度の)液体」という)を内部に収容する撹拌槽1と、撹拌槽1内に配設される撹拌軸2と、撹拌軸2に取り付けられる撹拌翼3と、液体中を流動する撹拌補助物4とを備える。
撹拌槽1は、縦方向に長い円筒状に形成される。そして、撹拌槽1は、上部及び下部が半楕円体状に形成される。また、撹拌槽1は、蓋を有する開口部1a(ここでは、マンホール1aとする)を上部に備える。なお、撹拌槽1は、上部及び下部の少なくとも何れか一方が平坦な円筒状に形成されてもよい。
撹拌軸2は、撹拌槽1の中心部に配置される。そして、撹拌軸2は、下端側が撹拌槽1の底部に設けられる軸受(図示しない)を介して支持される。さらに、撹拌軸2は、上端側が撹拌槽1の上部より上方に設けられる駆動手段2a(ここでは、モータ2aとする)に接続され、周方向に回転可能に構成される。なお、撹拌軸2は、下端側がどこにも支持されず、撹拌槽1内に有してもよい。また、駆動手段2aが撹拌槽1の下部より下方に設けられ、駆動手段2aが撹拌軸2の下端側と接続されるようにしてもよい。
撹拌翼3は、円形状で平板状の基部3aと、長方形状で平板状の複数の翼3b,…とを備える。平板状の基部3aは、撹拌軸2の軸線と直交するように、撹拌軸2の下部側に取り付けられる。また、複数の翼3b,…は、基部3aの外周側に、周方向に所定距離を有して配置される。そして、平板状の各翼3bは、平板状の基部3aと略直交するように配置される。即ち、本実施形態においては、一般的に、平ディスクタービン翼と呼ばれる撹拌翼3とされる。
撹拌補助物4(以下、単に「補助物4」という)は、図2に示すように、球状に形成される。また、補助物4は、本実施形態において、ステンレスで形成される。そして、補助物4は、外径が撹拌槽1の内径に対して10%〜20%の大きさで形成される。また、補助物4は、内部が空洞に形成され、しかも、補助物4全体として、単位体積当たりの質量、即ち、比重が液体の比重と略同一となるように、内部の空洞の体積が設定される。即ち、補助物4は、内部の空洞の体積により予め設定される比重で構成される。具体的には、補助物4は、比重が液体の比重に対して100%〜110%の大きさとなるように設定される。
本実施形態に係る撹拌機の構成は以上の通りで、次に、この本実施形態に係る撹拌機の作用について説明する。
まず、液体を収容させた撹拌槽1の内部に、マンホール1aから撹拌軸2付近に補助物4を投入する。すると、補助物4は、液体より若干比重が大きいため、液体の中を徐々に下降する。そして、補助物4が撹拌翼3の上方付近まで下降した際に、モータ2aの駆動により撹拌軸2を周方向に回転させ始める。この時、撹拌機が低Re域で液体を撹拌するように、撹拌軸2の回転速度が設定される。
すると、液体は、全体的に、撹拌翼3の回転方向と同方向の旋回流で流動する。特に、撹拌翼3の上方付近及び下方付近の液体は、撹拌翼3と共回りしようとする。しかし、補助物4が撹拌翼3の上方付近に存在するため、補助物4付近の液体は、図3に示すように、流動が乱され、その結果、撹拌翼3と共回りすることができない。
また、補助物4は、液体と比重が略同一であり、さらに、球状に形成されているため、液体の流動に伴って流動し、その結果、旋回流で流動し続ける。よって、本実施形態に係る撹拌機は、撹拌翼3の上方付近で補助物4を旋回流で流動させ続けるため、難混合領域を形成することを防止できる。
以上より、本実施形態に係る撹拌方法は、撹拌翼3の上方付近、即ち、旋回流で流動する液体で形成される難混合領域付近に補助物4を有する状態で液体を撹拌するため、補助物4付近の液体を乱流にさせる。したがって、難混合領域の形成を防止できるため、効率的な撹拌を実施することができる。
また、本実施形態に係る撹拌方法は、球状に形成される補助物4を用いるため、液体の流動に伴って補助物4を流動させ、その結果、補助物4を液体中で流動させ続ける。したがって、補助物4付近で液体を乱流にさせ続けるため、難混合領域を形成することを防止でき、その結果、より効果的な撹拌を実施することができる。
また、本実施形態に係る撹拌方法は、撹拌槽1と、撹拌軸2と、小型翼を有する撹拌翼3とを備える一般的な撹拌機に、補助物4をさらに備えて液体を撹拌する構成であるため、既設の撹拌機を改造することなく、撹拌を効率的に実施することができる。
なお、本実施形態において、撹拌翼3の上方付近に補助物4を一つ備える状態で撹拌軸2を回転駆動して液体を撹拌する場合を例にとって説明したが、撹拌翼3の上方付近だけでなく、下方付近にも補助物4を備える状態で、液体を撹拌してもよい。このようにすれば、撹拌翼3の上方付近だけでなく、下方付近の難混合領域の形成も防止することができ、さらに効率的な撹拌が実施できる。
次に、本発明の第2実施形態について図4を参酌して説明する。なお、図4において、図1〜図3の符号と同一の符号を付した部分は、第1実施形態と同一の構成又は要素を表し、図6及び図7の符号と同一の符号を付した部分は、従来技術と同一の構成又は要素を表す。
本実施形態に係る撹拌機は、図4に示すように、図1に示す第1実施形態の撹拌機の構成と、撹拌翼5の構成及び複数の邪魔板6,…を備える点で異なり、その他が略同一である。
本実施形態における撹拌翼5は、円形状で平板状の基部5aと、長方形状で平板状の複数の翼5b,…とを備える。平板状の基部5aは、撹拌軸2の軸線と直交するように、撹拌軸2の所定位置に取り付けられる。そして、翼5b,…は、基部5aの外周側に、周方向に所定距離を有して配置される。また、平板状の各翼5bは、平板状の基部5aと傾斜して交差するように配置される。即ち、本実施形態においては、一般的に、傾斜ディスクタービン翼と呼ばれる撹拌翼5とされる。
邪魔板6は、平板状に形成される。また、邪魔板6は、撹拌槽1の側壁部の下部側から上部側まで連接するように形成される。さらに具体的には、邪魔板6は、長尺な帯状に形成される。そして、邪魔板6は、撹拌槽1の側壁部に、周方向に所定間隔を有して複数配置される(図4では一つのみを図示している)。
本実施形態に係る撹拌機の構成は以上の通りで、次に、本実施形態に係る撹拌機の作用について説明する。
まず、撹拌槽1の上部のマンホール1aから、液体を収容する撹拌槽1の内部に補助物4を投入する。このとき、補助物4の投入位置は、本実施形態において、撹拌槽1の側壁部付近とされる。すると、補助物4は、液体より比重が大きいため、液体の中を徐々に下降する。そして、補助物4がある程度下降したところで、モータ2aの駆動により撹拌軸2を周方向に回転させ、液体の撹拌を開始する。この時、液体が低Re域で撹拌されるように、モータ2aは、撹拌軸2を回転させる。なお、補助物4の投入位置は、撹拌槽1の内側壁部付近でなく、撹拌槽1内の何れの位置でもよく、また、撹拌槽1内に被撹拌物を投入することと並行して、補助物4を投入してもよい。
すると、液体は、撹拌翼5から撹拌軸2の軸線と平行方向の下向き、即ち、軸流に流動した後、撹拌槽1の底部で外向きに(撹拌軸2側から側壁部側に向かって)流動する。そして、側壁部に至ると、側壁部に沿って上向きに流動する。また、その流動だけでなく、撹拌翼3の回転により、全体として旋回流にもなって流動する。さらに、邪魔板6,…は、旋回流の液体を上昇流に転換させるため、側壁部に沿った液体の上昇流を助長させる。
ここで、側壁部に沿って上向きに流動する液体は、液面付近で内向きに(側壁部側から撹拌軸2側に向かって)流動することで循環流を形成しようとするが、側壁部付近に存在する補助物4付近では、乱流になる。また、補助物4は、球状であって、液体と略同一の比重であるため、液体から受ける力によって流動し、その結果、液体の循環流と旋回流との組み合わせからなる液体の流動により液体内全域を流動する。よって、本実施形態に係る撹拌機は、液体内の至る位置で乱流を発生させるため、難混合領域の形成を防止し続けながら、液体を撹拌することができる。
以上より、本実施形態に係る撹拌方法は、撹拌翼5より上方側、即ち、軸流を主として流動する液体で形成される難混合領域付近に補助物4を備える状態で撹拌するため、補助物4付近の液体を乱流にさせる。したがって、例えば、補助物4を有さない従来の撹拌機と比較して、小さい回転速度で撹拌翼5を回転させて撹拌することもできるため、大きい回転速度で撹拌翼5を回転させて撹拌すると液体を剪断し過ぎて問題が発生するような物質でも、問題を発生させること無く撹拌を完了することができる。
次に、本発明の第3実施形態について図5を参酌して説明する。なお、図5において、図1〜図3の符号と同一の符号を付した部分は、第1実施形態と同一の構成又は要素を表し、図4の符号と同一の符号を付した部分は、第2実施形態と同一の構成又は要素を表す。
本実施形態に係る撹拌機は、図5に示すように、図1に示す第1実施形態の撹拌機の構成と、補助物4,4を二つ備える点及び邪魔板6,…を有する点が異なり、その他が略同一である。また、邪魔板6.…は、図4に示す第2実施形態の撹拌機の構成のものと略同一である。
本実施形態に係る撹拌機の構成は以上の通りで、次に、本実施形態に係る撹拌機の作用について説明する。
まず、撹拌槽1の上部のマンホール1aから、液体が収容された撹拌槽1の側壁部と撹拌軸2との略中間の位置に補助物4を一つ投入する。そして、補助物4は、液体より比重が大きいため、液体の中を徐々に下降する。さらに、所定時間が経過した後、先に投入した補助物4の位置と略同位置にもう一つの補助物4を投入する。そして、補助物4,4が撹拌翼3より上方側及び下方側に一つずつ位置する状態となった時に、撹拌機は、モータ2aの駆動により撹拌軸2を周方向に回転させ、液体を撹拌し始める。この時、液体が低Re域で撹拌されるように、モータ2aは、撹拌軸2を介して撹拌翼3を回転させる。
すると、液体は、撹拌翼3から撹拌軸2の軸線と垂直方向外向き、即ち、輻流に流動した後、側壁部で上下に分流し、そして、側壁部に沿って上昇及び下降する。また、液体は、その流動の他に撹拌翼3の回転により、全体として旋回流にもなって流動する。さらに、邪魔板6,…は、旋回流の液体を上下流に転換させるため、液体の側壁部に沿った上下流を助長させる。
ここで、側壁部に沿って上昇する液体は、液面付近で内向きに(側壁部側から撹拌軸2側に向かって)流動した後、撹拌軸2に沿って下向きに流動し、循環流を形成しようとする。しかし、液面付近で内向きに流動する液体は、撹拌翼3より上方側に存在する補助物4により、乱流にされる。
また、同様に、側壁部に沿って下降する液体は、撹拌槽1の底部付近で内向きに(側壁部側から撹拌軸2側に向かって)流動した後、撹拌軸2に沿って上向きに流動し、循環流を形成しようとする。しかし、撹拌槽1の底部付近で内向きに流動する液体は、撹拌翼3より下方側に存在する補助物4により、乱流にされる。
そして、補助物4,4は、液体と略同一の比重であって、球状に形成されるため、液体から受ける力によって流動し、その結果、その循環流と旋回流との組み合わせにより、撹拌翼3より上方側の液体全域、又は撹拌翼3より下方側の液体全域をそれぞれ流動することになる。よって、本実施形態に係る撹拌機は、補助物4,4が存在する付近で液体を乱流にさせるため、難混合領域の形成を防止しつつ液体を撹拌する。
以上より、本実施形態に係る撹拌方法は、撹拌翼3より上方側及び下方側、即ち、輻流を主として流動する液体で形成される難混合領域付近に補助物4,4を備える状態で撹拌するため、補助物4付近の液体を乱流にさせる。したがって、例えば、補助物4を有さない従来の撹拌機と比較して、より低いRe域で液体を効率的に撹拌することも可能であるため、低動力で撹拌を完了することができる。
また、本実施形態に係る撹拌方法は、被撹拌物が複数の流動領域を形成するように、撹拌軸2の所定位置に撹拌翼3を取り付けて、形成される複数の流動領域ごと、即ち、撹拌軸2の軸線方向に分断される被撹拌物の領域ごとにそれぞれ補助物4、4が存在する状態で液体を撹拌するため、それぞれの領域で液体が難混合領域を形成することを防止でき、その結果、撹拌槽1内全体として効率的な撹拌を実施できる。
なお、本実施形態において、補助物4,4の投入位置が撹拌槽1の内側壁部と撹拌軸2との略中間の位置の場合を説明したが、撹拌槽1内であればよく、また、二つの補助物4,4の投入位置が相違していてもよい。要するに、撹拌翼3の取り付け位置で撹拌軸2の軸線に直交する面によって区切られる液体の領域ごとに、それぞれ補助物4を有する状態で撹拌を開始できるように補助物4,4を投入すればよい。
また、本発明の撹拌方法及び撹拌機は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
撹拌方法は、上記実施形態において、低Re域(Re<50)で被撹拌物を撹拌する場合を例にとって説明したが、それ以外のRe域で被撹拌物を撹拌してもよい。しかし、その場合、撹拌補助物が撹拌翼に衝突して、撹拌翼及び撹拌補助物を破損する恐れがあるため、被撹拌物を低Re域で撹拌することが好ましい。より具体的には、Reを10以下として被撹拌物を撹拌することが好ましい。
また、上記実施形態において、撹拌軸が撹拌槽の中心部に配置される場合を例にとって説明したが、例えば、撹拌槽に対して、偏心して配置される構成でもよく、又は、傾斜して配置される構成でもよい。要するに、撹拌軸は、撹拌槽の内部に配置されていればよい。
また、上記実施形態において、取り付けられる撹拌軸の軸線と平行方向の幅寸法(高さ寸法)より垂直方向の幅寸法(径寸法)が大きい撹拌翼、即ち、小型翼の撹拌翼を例にとって説明したが、大型翼の撹拌翼でもよい。但し、大型翼の撹拌翼の場合、撹拌補助物が撹拌翼に衝突しやすくなるため、小型翼の撹拌翼であることが好ましい。
また、上記実施形態において、一種類の撹拌補助物から構成される場合を例にとって説明したが、多種の撹拌補助物から選定するように構成されてもよい。例えば、撹拌補助物が同じ外径の球状でも、内部の空洞の体積が異なることで、さまざまな比重に形成され得る。このように、撹拌機が多種の比重の撹拌補助物を備え、その中から選定する構成であれば、被撹拌物の比重に応じて最適な比重の撹拌補助物を用いて被撹拌物を撹拌することができるため、多種の被撹拌物に対してフレキシブルに対応できる。
また、上記実施形態において、撹拌補助物がステンレスから形成される場合を例にとって説明したが、その他の金属、プラスチック、又は硬質樹脂等の材質から形成されてもよい。
また、上記実施形態において、撹拌補助物が内部の空洞の体積により比重を調整される構成の場合を例にとって説明したが、内部の空洞に水や被撹拌物等の比重調整材を入れることで全体としての比重を調整されてもよい。例えば、撹拌補助物は、内部に空洞を有する本体部と、本体部に嵌合される蓋部と、本体部と蓋部とを締結し、本体部の内部を密封可能にする締結手段とを備え、本体部の内部に比重調整材を入れて全体の比重を調整可能に構成されてもよい。このようにすれば、一つの撹拌補助物で、多種の比重の撹拌補助物とすることができる。
また、上記実施形態において、撹拌補助物が撹拌槽の内径に対して10%〜20%の外径の球形状である場合を例にとって説明したが、撹拌槽の内径に対して20%〜25%の外径の球形状でもよい。このように、撹拌補助物の径が大きくなれば、被撹拌物に対する影響も大きくなるため、撹拌機は、より効果的な撹拌をすることができる。但し、撹拌補助物の径が大きくなれば、撹拌補助物が撹拌翼に衝突した場合に、撹拌翼への負荷も大きくなるため、撹拌補助物は、撹拌槽の内径に対して10%〜20%の外径の球形状であることが好ましい。
また、上記実施形態において、撹拌補助物が被撹拌物の比重に対して、100%〜110%の比重である場合を例にとって説明したが、90%〜100%の比重でもよい。但し、その場合、撹拌補助物は、比重が被撹拌物の比重より小さくなるため、被撹拌物中を自重で下降することができない。その場合、撹拌機は、被撹拌物中で撹拌補助物を移動させる移動手段を備え、撹拌補助物を所定位置まで移動させる構成としてもよい。また、撹拌機は、撹拌補助物を撹拌槽内に備えた状態で、被撹拌物を撹拌槽内に投入し、被撹拌物と撹拌補助物との比重の関係で、撹拌補助物を所定位置に自然と移動させる構成としてもよい。
また、上記実施形態において、撹拌槽内の被撹拌物で形成される難混合領域の一つ、即ち、撹拌軸の軸線方向に分断される被撹拌物の領域の一つに対して撹拌補助物を一つ備えて被撹拌物を撹拌する場合を例にとって説明したが、一つの難混合領域に対して二つ以上の撹拌補助物を備えて撹拌してもよい。
また、上記実施形態において、撹拌槽内に撹拌補助物を一つ又は二つ備えて被撹拌物を撹拌する場合を例にとって説明したが、撹拌槽内に撹拌補助物を三つ以上備えて被撹拌物を撹拌してもよい。
本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る撹拌機を説明する概略縦断面正面図を示す。 同実施形態に係る撹拌補助物であって、(a)は、正面図、(b)は、(a)のA−A線における断面図を示す。 同実施形態に係る撹拌機を説明する概略縦断面正面図であって、被撹拌物の流動状態を示す。 本発明の他の実施形態(第2実施形態)に係る撹拌機を説明する概略縦断面正面図であって、被撹拌物の流動状態を示す。 本発明のさらに他の実施形態(第3実施形態)に係る撹拌機を説明する概略縦断面正面図であって、被撹拌物の流動状態を示す。 従来の撹拌機の概略縦断面正面図であって、(a)は、邪魔板がないタイプ、(b)は、邪魔板があるタイプを示す。 従来の撹拌機の概略縦断面正面図であって、(a)は、旋回流で流動する場合の被撹拌物の流動状態、(b)は、軸流で流動する場合の被撹拌物の流動状態、(c)は、輻流で流動する場合の被撹拌物の流動状態を示す。
符号の説明
1…撹拌槽、1a…開口部(マンホール)、2…撹拌軸、2a…回転手段(モーター)、3,5…撹拌翼、4…撹拌補助物、6…邪魔板

Claims (4)

  1. 被撹拌物を内部に収容する撹拌槽と、撹拌槽に配設されて回転可能な撹拌軸と、撹拌軸に取り付けられる撹拌翼とを備える撹拌機を用いた撹拌方法において、被撹拌物中に剛体又は弾性体からなる撹拌補助物を少なくとも一つ備えた状態とした後、撹拌軸を回転駆動し、被撹拌物が撹拌槽内を流動するのに伴って撹拌補助物が被撹拌物中で流動するように撹拌することを特徴とする撹拌方法。
  2. 撹拌補助物は、球状に形成されるものを用いることを特徴とする請求項1に記載の撹拌方法。
  3. 撹拌補助物は、撹拌翼の取り付け位置で撹拌軸の軸線と直交する面によって区切られる被撹拌物の各領域に少なくとも一つ備えた状態とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の撹拌方法。
  4. 被撹拌物を内部に収容する撹拌槽と、撹拌槽に配設されて回転可能な撹拌軸と、撹拌軸に取り付けられる撹拌翼とを備える撹拌機において、撹拌軸が回転駆動されることにより被撹拌物が撹拌槽内を流動するのに伴い、撹拌槽内に投入される少なくとも一つの剛体又は弾性体からなる撹拌補助物が被撹拌物中で流動するように構成されることを特徴とする撹拌機。
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