JPH09315894A - フッ化物結晶及びフッ化物結晶レンズの製造方法 - Google Patents
フッ化物結晶及びフッ化物結晶レンズの製造方法Info
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- JPH09315894A JPH09315894A JP3018497A JP3018497A JPH09315894A JP H09315894 A JPH09315894 A JP H09315894A JP 3018497 A JP3018497 A JP 3018497A JP 3018497 A JP3018497 A JP 3018497A JP H09315894 A JPH09315894 A JP H09315894A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、短波長で高出力の光を長期間繰り
返し照射した場合であっても、透過率特性が劣化し難い
フッ化物結晶を提供する。 【解決手段】 本発明のフッ化物結晶の製造方法は、用
意されたフッ化物原料とスカベンジャーとを混合する工
程、該混合されたフッ化物原料を第1のるつぼに入れて
熔融した後結晶化する前処理工程、該前処理されたフッ
化物原料を該第1のるつぼより大きな第2のるつぼに入
れて熔融した後徐々に冷却する結晶成長工程、該結晶成
長したフッ化物結晶を熱処理するアニール工程を含むこ
と、或いは、用意されたフッ化物原料とスカベンジャー
とを混合する工程、該混合されたフッ化物原料をプレス
してフッ化物原料集合体を形成するプレス工程、該プレ
スされたフッ化物原料集合体を該るつぼに入れて熔融し
た後徐々に冷却する結晶成長工程、該結晶成長したフッ
化物結晶を熱処理するアニール工程とを含むことを特徴
とする。
返し照射した場合であっても、透過率特性が劣化し難い
フッ化物結晶を提供する。 【解決手段】 本発明のフッ化物結晶の製造方法は、用
意されたフッ化物原料とスカベンジャーとを混合する工
程、該混合されたフッ化物原料を第1のるつぼに入れて
熔融した後結晶化する前処理工程、該前処理されたフッ
化物原料を該第1のるつぼより大きな第2のるつぼに入
れて熔融した後徐々に冷却する結晶成長工程、該結晶成
長したフッ化物結晶を熱処理するアニール工程を含むこ
と、或いは、用意されたフッ化物原料とスカベンジャー
とを混合する工程、該混合されたフッ化物原料をプレス
してフッ化物原料集合体を形成するプレス工程、該プレ
スされたフッ化物原料集合体を該るつぼに入れて熔融し
た後徐々に冷却する結晶成長工程、該結晶成長したフッ
化物結晶を熱処理するアニール工程とを含むことを特徴
とする。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、フッ化物結晶及び
フッ化物結晶レンズの製造方法に係り、特に、エキシマ
レーザー等の光を透過するレンズ等の光学物品に用いら
れるフッ化物結晶の製造方法に関する。
フッ化物結晶レンズの製造方法に係り、特に、エキシマ
レーザー等の光を透過するレンズ等の光学物品に用いら
れるフッ化物結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エキシマレーザーは、紫外域で発振する
唯一の高出力レーザーとして注目されており、電子産業
や化学産業やエネルギー産業において応用が期待されて
いる。
唯一の高出力レーザーとして注目されており、電子産業
や化学産業やエネルギー産業において応用が期待されて
いる。
【0003】具体的には金属、樹脂、ガラス、セラミッ
クス、半導体等の加工や化学反応等に利用されている。
クス、半導体等の加工や化学反応等に利用されている。
【0004】エキシマレーザー光を発生する装置はエキ
シマレーザー発振装置として知られている。マニホルド
内に充填されたAr,Kr,Xe,KrF,ArF等の
レーザーガスを電子ビーム照射や放電等により励起状態
にする。すると、励起された原子は基底状態の原子と結
合して励起状態でのみ存在する分子を生成する。この分
子がエキシマと呼ばれるものである。エキシマは不安定
な為、直ちに紫外光を放出して基底状態に落ちる。これ
をボンドフリー遷移というが、この遷移よってえられた
紫外光を一対のミラーで構成される光共振器内で増倍し
てレーザー光として取り出すものがエキシマレーザー発
振装置である。
シマレーザー発振装置として知られている。マニホルド
内に充填されたAr,Kr,Xe,KrF,ArF等の
レーザーガスを電子ビーム照射や放電等により励起状態
にする。すると、励起された原子は基底状態の原子と結
合して励起状態でのみ存在する分子を生成する。この分
子がエキシマと呼ばれるものである。エキシマは不安定
な為、直ちに紫外光を放出して基底状態に落ちる。これ
をボンドフリー遷移というが、この遷移よってえられた
紫外光を一対のミラーで構成される光共振器内で増倍し
てレーザー光として取り出すものがエキシマレーザー発
振装置である。
【0005】エキシマレーザー光の中でもKrFレーザ
ーやArFレーザーはそれぞれ波長が248nm、19
3nmといった真空紫外域とよばれる波長域の光であ
り、光学系にはこうした波長域の光の透過率が高いもの
を用いなければならない。フッ化カルシウムに代表され
るフッ化物はこうした光学系に適した硝材である。
ーやArFレーザーはそれぞれ波長が248nm、19
3nmといった真空紫外域とよばれる波長域の光であ
り、光学系にはこうした波長域の光の透過率が高いもの
を用いなければならない。フッ化カルシウムに代表され
るフッ化物はこうした光学系に適した硝材である。
【0006】フッ化物としては、フッ化カルシウムやフ
ッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化ネオジウ
ム、フッ化リチウム、フッ化ランタン等のフッ化物が知
られている。
ッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化ネオジウ
ム、フッ化リチウム、フッ化ランタン等のフッ化物が知
られている。
【0007】以下、蛍石とよばれるフッ化カルシウム
(化学量論比で示すとCaF2)を例に挙げて、従来の
フッ化物結晶の製造方法について述べる。
(化学量論比で示すとCaF2)を例に挙げて、従来の
フッ化物結晶の製造方法について述べる。
【0008】従来のフッ化物結晶の製造方法として、例
えば特開平4−349199号公報、特開平4−349
198号公報に記載された方法がある。
えば特開平4−349199号公報、特開平4−349
198号公報に記載された方法がある。
【0009】それを簡単に述べると、化学合成で作られ
た高純度粉体原料をそのまま熔融させた場合、嵩比重の
関係で目減りが激しくなるので、結晶成長炉に高純度原
料を入れる際にはカレット状になったものを使用すると
いうものである。
た高純度粉体原料をそのまま熔融させた場合、嵩比重の
関係で目減りが激しくなるので、結晶成長炉に高純度原
料を入れる際にはカレット状になったものを使用すると
いうものである。
【0010】以下に本発明者が本発明に至るまでに得た
知見を述べる。図8は、本発明者がまず先に行ったフッ
化物結晶の製造方法のフローチャートを示している。
知見を述べる。図8は、本発明者がまず先に行ったフッ
化物結晶の製造方法のフローチャートを示している。
【0011】まず工程S1では粉末原料を用意して、工
程S2でこれを容器にいれて熔融した後冷却する。工程
S3では固化した塊をステンレス製の粉砕機で粉砕す
る。その後工程S4では、粉砕された塊を結晶成長用の
るつぼに入れて熔融した後徐冷してフッ化物結晶を成長
させる。工程S2は、工程S4において熔融する前と熔
融する後との嵩密度の変化を少なくする為になされる工
程である。
程S2でこれを容器にいれて熔融した後冷却する。工程
S3では固化した塊をステンレス製の粉砕機で粉砕す
る。その後工程S4では、粉砕された塊を結晶成長用の
るつぼに入れて熔融した後徐冷してフッ化物結晶を成長
させる。工程S2は、工程S4において熔融する前と熔
融する後との嵩密度の変化を少なくする為になされる工
程である。
【0012】こうして得られたフッ化物結晶はレンズ形
状等に加工成形され光学物品として使用される。
状等に加工成形され光学物品として使用される。
【0013】しかしながら、こうして得られたフッ化物
結晶は通常の可視光の光学系の物品としては満足できる
性能を示し、従来の方法で得られたものより優れた特性
を示すものの、エキシマレーザーのように短波長で高出
力の光を長期間繰り返し照射するとその光学特性が劣化
することがあった。
結晶は通常の可視光の光学系の物品としては満足できる
性能を示し、従来の方法で得られたものより優れた特性
を示すものの、エキシマレーザーのように短波長で高出
力の光を長期間繰り返し照射するとその光学特性が劣化
することがあった。
【0014】本発明者らは、その原因を探究するうちに
それが結晶構造や含有する不純物に影響を受けているこ
とに気がついた。そして、こうした問題は上述したフッ
化物結晶の製造方法に起因して生じているものであるこ
とが判明した。
それが結晶構造や含有する不純物に影響を受けているこ
とに気がついた。そして、こうした問題は上述したフッ
化物結晶の製造方法に起因して生じているものであるこ
とが判明した。
【0015】本発明者らは、上述した製造工程にうち工
程S3において水、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、ク
ロム(Cr)等の不純物が多量に外部からフッ化物原料
内に導入されることを解明した。そして、更にこの不純
物が短波長で高出力の光を長期間繰り返し照射した場合
の特性劣化を引き起こしていることを解明したのであ
る。
程S3において水、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、ク
ロム(Cr)等の不純物が多量に外部からフッ化物原料
内に導入されることを解明した。そして、更にこの不純
物が短波長で高出力の光を長期間繰り返し照射した場合
の特性劣化を引き起こしていることを解明したのであ
る。
【0016】また、上述の方法は、工程S3と工程S4
とでフッ化物の嵩密度が変化するため、成長炉の大きさ
に比べて、得られるフッ化物結晶の大きさが小さくなっ
てしまう。これでは、製造効率が上がらず、製造コスト
を十分に引き下げられない。逆の見方をすれば、大きな
フッ化物単結晶を得ようとすると成長炉自体を大きなも
のに設計しなければならず、設備投資が増大してしまう
ことになる。
とでフッ化物の嵩密度が変化するため、成長炉の大きさ
に比べて、得られるフッ化物結晶の大きさが小さくなっ
てしまう。これでは、製造効率が上がらず、製造コスト
を十分に引き下げられない。逆の見方をすれば、大きな
フッ化物単結晶を得ようとすると成長炉自体を大きなも
のに設計しなければならず、設備投資が増大してしまう
ことになる。
【0017】また、熔融工程S2、粉砕工程S3の存在
が製造時間(スループット)を低下させているという問
題もあった。
が製造時間(スループット)を低下させているという問
題もあった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、短波長で高
出力の光を長期間繰り返し照射した場合であっても、透
過率特性が劣化し難いフッ化物結晶を提供することを主
たる目的とする。
出力の光を長期間繰り返し照射した場合であっても、透
過率特性が劣化し難いフッ化物結晶を提供することを主
たる目的とする。
【0019】本発明の別の目的は、エキシマレーザー光
学系に好適なフッ化物結晶を提供することにある。
学系に好適なフッ化物結晶を提供することにある。
【0020】本発明の更に別の目的は、信頼性の高い光
学物品となりうるフッ化物結晶を提供することにある。
学物品となりうるフッ化物結晶を提供することにある。
【0021】本発明の更に別の目的は、従来の粉砕工程
を省き、低コストで光学物品を製造できるフッ化物結晶
の製造方法を提供することにある。
を省き、低コストで光学物品を製造できるフッ化物結晶
の製造方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明のフッ化物結晶の
製造方法は、用意されたフッ化物原料とスカベンジャー
とを混合する工程と、該混合されたフッ化物原料を熔融
あるいはプレスすることで円板状に成形する前処理工程
と、該前処理工程で円板状に成形された該混合されたフ
ッ化物原料を円筒状のるつぼに入れて熔融した後徐々に
冷却する結晶成長工程と、該結晶成長したフッ化物を熱
処理するアニール工程とを含むことを特徴とする。
製造方法は、用意されたフッ化物原料とスカベンジャー
とを混合する工程と、該混合されたフッ化物原料を熔融
あるいはプレスすることで円板状に成形する前処理工程
と、該前処理工程で円板状に成形された該混合されたフ
ッ化物原料を円筒状のるつぼに入れて熔融した後徐々に
冷却する結晶成長工程と、該結晶成長したフッ化物を熱
処理するアニール工程とを含むことを特徴とする。
【0023】また、該円筒形のるつぼは該熱処理工程で
円板状に成形される該混合されたフッ化物原料の直径と
同じあるいはそれ以上であることを特徴とする。
円板状に成形される該混合されたフッ化物原料の直径と
同じあるいはそれ以上であることを特徴とする。
【0024】また、用意されたフッ化物原料を円筒形の
第1のるつぼに入れて熔融した後結晶化する前処理工程
と、該前処理されたフッ化物原料を該第1のるつぼの直
径より大きな直径を有する円筒形の第2のるつぼに入れ
て熔融した後徐々に冷却する結晶成長工程と、該結晶成
長したフッ化物を熱処理するアニール工程とを含むこと
を特徴とする。
第1のるつぼに入れて熔融した後結晶化する前処理工程
と、該前処理されたフッ化物原料を該第1のるつぼの直
径より大きな直径を有する円筒形の第2のるつぼに入れ
て熔融した後徐々に冷却する結晶成長工程と、該結晶成
長したフッ化物を熱処理するアニール工程とを含むこと
を特徴とする。
【0025】また、用意されたフッ化物原料とスカベン
ジャーとを混合する工程と、該混合されたフッ化物原料
を円筒形の第1のるつぼに入れて熔融した後結晶化する
前処理工程と、該前処理されたフッ化物原料を円筒形の
第2のるつぼに入れて熔融した後徐々に冷却する結晶成
長工程と、該結晶成長したフッ化物を熱処理するアニー
ル工程とを含むことを特徴とする。
ジャーとを混合する工程と、該混合されたフッ化物原料
を円筒形の第1のるつぼに入れて熔融した後結晶化する
前処理工程と、該前処理されたフッ化物原料を円筒形の
第2のるつぼに入れて熔融した後徐々に冷却する結晶成
長工程と、該結晶成長したフッ化物を熱処理するアニー
ル工程とを含むことを特徴とする。
【0026】なお、ここでいう第1のるつぼの直径は、
第2のるつぼの直径と同じもしくはそれ以下である。
第2のるつぼの直径と同じもしくはそれ以下である。
【0027】また、用意されたフッ化物原料とスカベン
ジャーとを混合する工程と、該混合されたフッ化物原料
を円筒形の第1のるつぼに入れて熔融した後結晶化する
前処理工程と、該前処理されたフッ化物原料を該第1の
るつぼの直径より大きな直径を有する円筒形の第2のる
つぼに入れて熔融した後徐々に冷却する結晶成長工程
と、該結晶成長したフッ化物を熱処理するアニール工程
とを含むことを特徴とする。
ジャーとを混合する工程と、該混合されたフッ化物原料
を円筒形の第1のるつぼに入れて熔融した後結晶化する
前処理工程と、該前処理されたフッ化物原料を該第1の
るつぼの直径より大きな直径を有する円筒形の第2のる
つぼに入れて熔融した後徐々に冷却する結晶成長工程
と、該結晶成長したフッ化物を熱処理するアニール工程
とを含むことを特徴とする。
【0028】また、該プレス工程は、該混合されたフッ
化物原料を金型に入れて500Kgf/cm2以上の圧
力を加える工程である。また、該前処理工程は、結晶化
したフッ化物の表層を除去することを特徴とする。
化物原料を金型に入れて500Kgf/cm2以上の圧
力を加える工程である。また、該前処理工程は、結晶化
したフッ化物の表層を除去することを特徴とする。
【0029】また、該前処理工程の後、粉砕することな
く、該結晶成長工程に移ることを特徴とする。また、使
用するるつぼはブロックタイプあるいはディスクタイプ
のるつぼである。
く、該結晶成長工程に移ることを特徴とする。また、使
用するるつぼはブロックタイプあるいはディスクタイプ
のるつぼである。
【0030】該スカベンジャーには、フッ化亜鉛を用い
るのが好ましい。また、本発明のフッ化物はフッ化カル
シウムであることを特徴とする。また、アニール工程の
後、外形加工することを特徴とする。
るのが好ましい。また、本発明のフッ化物はフッ化カル
シウムであることを特徴とする。また、アニール工程の
後、外形加工することを特徴とする。
【0031】本発明のフッ化物結晶レンズの製造方法
は、本発明のフッ化物結晶の製造方法により得られたフ
ッ化物結晶を外形加工してレンズを製造することを特徴
とする。
は、本発明のフッ化物結晶の製造方法により得られたフ
ッ化物結晶を外形加工してレンズを製造することを特徴
とする。
【0032】また、該レンズの表面に反射防止膜を形成
する工程を含むことを特徴とする。本発明でいう含有量
ppmは、蛍石1gあたりの対象原子の重量(μg)で
ある。
する工程を含むことを特徴とする。本発明でいう含有量
ppmは、蛍石1gあたりの対象原子の重量(μg)で
ある。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図1
〜4を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施
の形態によるフッ化物結晶の製造工程を説明する為のフ
ローチャートである。
〜4を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施
の形態によるフッ化物結晶の製造工程を説明する為のフ
ローチャートである。
【0034】図2は、前処理工程に用いられる精製炉を
示す図である。図2において、201は精製炉のチャン
バー、202は断熱材、203はヒーター、204は第
1のるつぼ、205はフッ化物である。
示す図である。図2において、201は精製炉のチャン
バー、202は断熱材、203はヒーター、204は第
1のるつぼ、205はフッ化物である。
【0035】図3は、単結晶成長工程に用いられるブロ
ックタイプの成長炉を示す図である。図において、30
1は成長炉のチャンバー、302は断熱材、303はヒ
ーター、304は第2のるつぼ、305はフッ化物、3
06はるつぼ引き下げ機構である。
ックタイプの成長炉を示す図である。図において、30
1は成長炉のチャンバー、302は断熱材、303はヒ
ーター、304は第2のるつぼ、305はフッ化物、3
06はるつぼ引き下げ機構である。
【0036】図4は、アニール工程に用いられるアニー
ル炉を示す図である。図において、401はアニール炉
のチャンバー、402は断熱材、403はヒーター、4
04はるつぼ、405はフッ化物である。
ル炉を示す図である。図において、401はアニール炉
のチャンバー、402は断熱材、403はヒーター、4
04はるつぼ、405はフッ化物である。
【0037】以下、本発明の好適な製造工程について、
フッ化物としてのフッ化カルシウム結晶を例に挙げて説
明する。
フッ化物としてのフッ化カルシウム結晶を例に挙げて説
明する。
【0038】(原料の用意)フッ化物原料としては、蛍
石原石又は合成フッ化物原料があるが、本発明において
は後者を用いることが望ましい。
石原石又は合成フッ化物原料があるが、本発明において
は後者を用いることが望ましい。
【0039】(混合工程)ここでは、フッ化カルシウム
とスカベンジャーとを混合する。このとき、フッ化カル
シウムとスカベンジャーとを容器にいれてこの容器を回
転させて混合するとよい。スカベンジャーとしては、フ
ッ化カドミウム、フッ化鉛、フッ化亜鉛、フッ化ビスマ
ス、フッ化ナトリウム、フッ化リチウムなど、成長させ
るフッ化物より酸素と結合し易いものが望ましい。合成
フッ化物原料中に混じっている酸化物と反応して、気化
し易い酸化物となる物質が選択される。とりわけ融点の
低いフッ化亜鉛やフッ化ビスマスが望ましいものであ
る。
とスカベンジャーとを混合する。このとき、フッ化カル
シウムとスカベンジャーとを容器にいれてこの容器を回
転させて混合するとよい。スカベンジャーとしては、フ
ッ化カドミウム、フッ化鉛、フッ化亜鉛、フッ化ビスマ
ス、フッ化ナトリウム、フッ化リチウムなど、成長させ
るフッ化物より酸素と結合し易いものが望ましい。合成
フッ化物原料中に混じっている酸化物と反応して、気化
し易い酸化物となる物質が選択される。とりわけ融点の
低いフッ化亜鉛やフッ化ビスマスが望ましいものであ
る。
【0040】例えば、フッ化亜鉛スカベンジャーは、水
分の存在により発生した酸化カルシウムを、次式に従
い、フッ化カルシウムに変えることができる。
分の存在により発生した酸化カルシウムを、次式に従
い、フッ化カルシウムに変えることができる。
【0041】CaF2+H2O→CaO+2HF CaO+ZnF2→CaF2+ZnO↑ スカベンジャーの添加率は0.05mol%以上5mo
l%以下が好ましく、より好ましくは0.1〜1mol
%である。発生したZnOは各工程における高温条件下
で蒸発していく。
l%以下が好ましく、より好ましくは0.1〜1mol
%である。発生したZnOは各工程における高温条件下
で蒸発していく。
【0042】(前処理工程)混合されたフッ化物原料を
第1のるつぼ204に入れて熔融した後結晶化する前処
理工程では、フッ化物原料の熔融、結晶化を行う。熔融
温度はフッ化物の融点以上であればよいが、好ましくは
1390〜1450℃である。結晶化は熔融したフッ化
物を冷却することで達成される。ここで得られるフッ化
物は単結晶である必要はなく多結晶で十分である。こう
して得られたフッ化物結晶はその表層を1〜2mm程度
除去する。
第1のるつぼ204に入れて熔融した後結晶化する前処
理工程では、フッ化物原料の熔融、結晶化を行う。熔融
温度はフッ化物の融点以上であればよいが、好ましくは
1390〜1450℃である。結晶化は熔融したフッ化
物を冷却することで達成される。ここで得られるフッ化
物は単結晶である必要はなく多結晶で十分である。こう
して得られたフッ化物結晶はその表層を1〜2mm程度
除去する。
【0043】(成長工程)単結晶成長工程では、まず該
前処理されたフッ化物原料を該第1のるつぼ204より
大きな第2のるつぼ304に入れる。第1のるつぼ20
4で得られたフッ化物の大きさ(直径)が第2のるつぼ
304の大きさ(直径)の0.9〜0.95倍となるよ
うに、このるつぼの大きさの比は1:1.05〜1:
1.1とするのが好ましい。そして、1390〜145
0℃程度までるつぼを加熱してフッ化物を熔融した後、
0.1〜5.0mm/時間位の速度でるつぼを降下させ
る。特に、積極的に冷却するわけではないが、るつぼの
降下とともにフッ化物は部分的に温度が低下していくこ
とで結晶化していく。この単結晶成長工程においては、
成長炉内にフッ化物原料とともにスカベンジャーも入れ
て酸化カルシウムを除去するとよい。
前処理されたフッ化物原料を該第1のるつぼ204より
大きな第2のるつぼ304に入れる。第1のるつぼ20
4で得られたフッ化物の大きさ(直径)が第2のるつぼ
304の大きさ(直径)の0.9〜0.95倍となるよ
うに、このるつぼの大きさの比は1:1.05〜1:
1.1とするのが好ましい。そして、1390〜145
0℃程度までるつぼを加熱してフッ化物を熔融した後、
0.1〜5.0mm/時間位の速度でるつぼを降下させ
る。特に、積極的に冷却するわけではないが、るつぼの
降下とともにフッ化物は部分的に温度が低下していくこ
とで結晶化していく。この単結晶成長工程においては、
成長炉内にフッ化物原料とともにスカベンジャーも入れ
て酸化カルシウムを除去するとよい。
【0044】(アニール工程)続いて、結晶成長したフ
ッ化物405を熱処理する。このアニール工程では、る
つぼ404を900〜1000℃にヒーター405で加
熱する。加熱時間は20時間以上であることが望まし
い。より好ましくは20〜30時間である。
ッ化物405を熱処理する。このアニール工程では、る
つぼ404を900〜1000℃にヒーター405で加
熱する。加熱時間は20時間以上であることが望まし
い。より好ましくは20〜30時間である。
【0045】以上の製造方法によれば、成長前と成長後
の嵩密度の変化はほとんどみられず、結晶成長炉におけ
る嵩密度を向上させることができる。また、こうして得
られたフッ化物単結晶は、水、鉄(Fe)、ニッケル
(Ni)、クロム(Cr)等の不純物量を10ppm以
下にすることができる。
の嵩密度の変化はほとんどみられず、結晶成長炉におけ
る嵩密度を向上させることができる。また、こうして得
られたフッ化物単結晶は、水、鉄(Fe)、ニッケル
(Ni)、クロム(Cr)等の不純物量を10ppm以
下にすることができる。
【0046】その後は、必要とされる光学物品の形状
(凸レンズ、凹レンズ、円盤状、板状等)に整形する。
又、必要に応じて、反射防止膜をフッ化物結晶の光学物
品表面に設けるとよい。反射防止膜としては、フッ化マ
グネシウムや酸化アルミニウム、酸化タンタルが好適に
用いられ、これらは抵抗加熱による蒸着や電子ビーム蒸
着やスパッタリングなどで形成できる。本発明により得
られた光学物品は水をほとんど含まない為に反射防止膜
の密着性も優れたものとなる。
(凸レンズ、凹レンズ、円盤状、板状等)に整形する。
又、必要に応じて、反射防止膜をフッ化物結晶の光学物
品表面に設けるとよい。反射防止膜としては、フッ化マ
グネシウムや酸化アルミニウム、酸化タンタルが好適に
用いられ、これらは抵抗加熱による蒸着や電子ビーム蒸
着やスパッタリングなどで形成できる。本発明により得
られた光学物品は水をほとんど含まない為に反射防止膜
の密着性も優れたものとなる。
【0047】こうして得られたレンズを各種組み合わせ
れば、エキシマレーザー、特にArFエキシマレーザー
に適した光学系を構成できる。そして、エキシマレーザ
ー光源と、フッ化カルシウムからなるレンズを有する光
学系と、基板を移動させ得るステージとを組み合わせ
て、露光装置を構成できる。
れば、エキシマレーザー、特にArFエキシマレーザー
に適した光学系を構成できる。そして、エキシマレーザ
ー光源と、フッ化カルシウムからなるレンズを有する光
学系と、基板を移動させ得るステージとを組み合わせ
て、露光装置を構成できる。
【0048】この露光装置を用いて、エキシマレーザー
光をレチクルのパターンを介して基板上の光増感型レジ
ストに照射すれば、形成すべきパターンに対応した潜像
が形成できる。
光をレチクルのパターンを介して基板上の光増感型レジ
ストに照射すれば、形成すべきパターンに対応した潜像
が形成できる。
【0049】(第2の実施の形態)第2の実施の形態
は、原料の用意、混合工程は第1の実施の形態と同じで
あるが、前述した前処理工程を行わず、かわりにプレス
工程を行う。そのため、後工程である成長工程も第1の
実施の形態における成長工程と異なる。しかし、最終工
程であるアニール工程は第1の実施の形態と同じであ
る。
は、原料の用意、混合工程は第1の実施の形態と同じで
あるが、前述した前処理工程を行わず、かわりにプレス
工程を行う。そのため、後工程である成長工程も第1の
実施の形態における成長工程と異なる。しかし、最終工
程であるアニール工程は第1の実施の形態と同じであ
る。
【0050】以下にプレス工程と成長工程を述べる。図
5は、本発明の第2の実施の形態によるフッ化物結晶の
製造工程を説明する為のフローチャートである。図6
は、フッ化物を粉体成型用のプレス機を用いてプレス処
理を行う図である。
5は、本発明の第2の実施の形態によるフッ化物結晶の
製造工程を説明する為のフローチャートである。図6
は、フッ化物を粉体成型用のプレス機を用いてプレス処
理を行う図である。
【0051】(プレス工程)混合されたフッ化物604
を成形金型602に入れて、押圧部材603を用いてプ
レス加工する。こうすることで嵩密度が高くなる。ここ
で、押圧力は500kgf/cm2とするのが好まし
い。
を成形金型602に入れて、押圧部材603を用いてプ
レス加工する。こうすることで嵩密度が高くなる。ここ
で、押圧力は500kgf/cm2とするのが好まし
い。
【0052】(成長工程)単結晶成長工程では、該プレ
ス処理されたフッ化物原料の集合体を前述した第2のる
つぼ304に入れる。そして、1390〜1450℃程
度まで第2のるつぼ304をヒーター303で加熱し
て、集合体を溶融させた後、るつぼ引き下げ機構306
により、一時間当たり0.1〜5.0mmの速度で第2
のるつぼ304を降下させて徐冷する。第2のるつぼ3
04の降下とともにフッ化物は部分的に温度が低下して
いくことで結晶化していく。
ス処理されたフッ化物原料の集合体を前述した第2のる
つぼ304に入れる。そして、1390〜1450℃程
度まで第2のるつぼ304をヒーター303で加熱し
て、集合体を溶融させた後、るつぼ引き下げ機構306
により、一時間当たり0.1〜5.0mmの速度で第2
のるつぼ304を降下させて徐冷する。第2のるつぼ3
04の降下とともにフッ化物は部分的に温度が低下して
いくことで結晶化していく。
【0053】(第3の実施の形態)図7は、本発明の第
3の実施の形態で用いられるフッ化物結晶製造用の成長
炉の一例を示す模式的断面図である。
3の実施の形態で用いられるフッ化物結晶製造用の成長
炉の一例を示す模式的断面図である。
【0054】この装置では、比較的厚みの大きな円板状
の蛍石結晶(ディスク状蛍石結晶)が得られるので、こ
の装置はディスク型と呼ばれる。
の蛍石結晶(ディスク状蛍石結晶)が得られるので、こ
の装置はディスク型と呼ばれる。
【0055】図7において701は成長炉のチャンバ
ー、702は断熱材、703はヒーター、704は小
孔、705はフッ化物、706はるつぼ引き下げ機構、
707はしきい板、708は円筒状のるつぼである。る
つぼ708はしきい板707で複数の空間に分けられ
る。また、各領域は小孔704によって連通する。
ー、702は断熱材、703はヒーター、704は小
孔、705はフッ化物、706はるつぼ引き下げ機構、
707はしきい板、708は円筒状のるつぼである。る
つぼ708はしきい板707で複数の空間に分けられ
る。また、各領域は小孔704によって連通する。
【0056】第3の実施の形態あるいは第2の実施の形
態と成長炉が異なる点以外は同じである。このとき、デ
ィスクタイプにおける1つの空間は第1の実施の形態に
おける第1のるつぼ205の径よりも大きく、前処理工
程を減らしたフッ化物205を複数重ね合わせて収納す
ることができる程度の空間であることが好ましく、より
好ましくは2つのフッ化物205を重ね合わせて収納す
ることができる程度の空間である。
態と成長炉が異なる点以外は同じである。このとき、デ
ィスクタイプにおける1つの空間は第1の実施の形態に
おける第1のるつぼ205の径よりも大きく、前処理工
程を減らしたフッ化物205を複数重ね合わせて収納す
ることができる程度の空間であることが好ましく、より
好ましくは2つのフッ化物205を重ね合わせて収納す
ることができる程度の空間である。
【0057】また、第2の実施の形態におけるプレス処
理されたフッ化物原料集合体においても、第1の実施の
形態と同様ディスクタイプにおける1つの空間は、該プ
レス処理されたフッ化物原料集合体を複数重ね合わせて
収納することができる程度の空間であることが好まし
く、より好ましくは2つの該プレス処理されたフッ化物
原料集合体を重ね合わせて収納することができる程度の
空間である。
理されたフッ化物原料集合体においても、第1の実施の
形態と同様ディスクタイプにおける1つの空間は、該プ
レス処理されたフッ化物原料集合体を複数重ね合わせて
収納することができる程度の空間であることが好まし
く、より好ましくは2つの該プレス処理されたフッ化物
原料集合体を重ね合わせて収納することができる程度の
空間である。
【0058】
【実施例】実施例1をあげて具体的に説明する。本実施
例においては、図1に示す手順に従い、フッ化カルシウ
ムの結晶を作製した。以下に工程ごとに説明する。
例においては、図1に示す手順に従い、フッ化カルシウ
ムの結晶を作製した。以下に工程ごとに説明する。
【0059】(原料の用意、混合工程)容器にフッ化物
原料として粉末のフッ化カルシウムを入れ、スカベンジ
ャー(ZnF2)を原料の0.5wt%計量し原料の入
った容器に入れた。なお、容器の大きさは原料の約2倍
の容積のものを用いた。容器を、約1時間回転して、原
料とスカベンジャーを混合した。
原料として粉末のフッ化カルシウムを入れ、スカベンジ
ャー(ZnF2)を原料の0.5wt%計量し原料の入
った容器に入れた。なお、容器の大きさは原料の約2倍
の容積のものを用いた。容器を、約1時間回転して、原
料とスカベンジャーを混合した。
【0060】(前処理工程)図2に示す精製炉を用い
て、前処理を行った。
て、前処理を行った。
【0061】第1のるつぼ204に調合済みの原料を充
填した。ここで、第1のるつぼ204の径は次工程の成
長工程で使用する第2のるつぼ304の径より1割小さ
いものを用いた。
填した。ここで、第1のるつぼ204の径は次工程の成
長工程で使用する第2のるつぼ304の径より1割小さ
いものを用いた。
【0062】第1のるつぼ204を精製炉にセットし、
精製炉のチャンバー201内を真空排気してフッ化物2
05中の水分を除去した。
精製炉のチャンバー201内を真空排気してフッ化物2
05中の水分を除去した。
【0063】ヒーター203にて第1のるつぼ204を
加熱し、フッ化物205が融解する温度まで真空度を5
×10-4Torr以下に保つ様に加熱した。フッ化物2
05は1390〜1450℃で融解した。第1のるつぼ
204内に充填したフッ化物205は全て完全に融解さ
せた。
加熱し、フッ化物205が融解する温度まで真空度を5
×10-4Torr以下に保つ様に加熱した。フッ化物2
05は1390〜1450℃で融解した。第1のるつぼ
204内に充填したフッ化物205は全て完全に融解さ
せた。
【0064】融解する温度に達したら真空度が2×10
-6Torr以下になるまで保持した。
-6Torr以下になるまで保持した。
【0065】その後、ヒーター203の電源を切り冷却
し、室温程度まで冷却した後、結晶化したフッ化物の原
料ブロック205を精製炉から取り出して、表層を1m
m除去した。
し、室温程度まで冷却した後、結晶化したフッ化物の原
料ブロック205を精製炉から取り出して、表層を1m
m除去した。
【0066】(成長工程)図3に示す成長炉を用いてフ
ッ化カルシウムの単結晶成長を行った。
ッ化カルシウムの単結晶成長を行った。
【0067】ZnF2スカベンジャーを第2のるつぼ3
04に投入し、さらに前処理したフッ化物原料ブロック
を積み重ねて第2のるつぼ304に投入し、この第2の
るつぼを成長炉にセットした。なお、ZnF2スカベン
ジャーの量は前処理したフッ化物原料ブロックの0.2
wt%とし た。
04に投入し、さらに前処理したフッ化物原料ブロック
を積み重ねて第2のるつぼ304に投入し、この第2の
るつぼを成長炉にセットした。なお、ZnF2スカベン
ジャーの量は前処理したフッ化物原料ブロックの0.2
wt%とし た。
【0068】成長炉のチャンバー301内を真空排気し
てフィルム305中の水分を除去した。
てフィルム305中の水分を除去した。
【0069】ヒーター303にて第2のるつぼ304を
加熱した。ここで、フッ化物305が融解する温度まで
真空度を5×10-4Torr以下に保つように加熱し
た。フッ305は1390〜1450℃で融解した。第
2のるつぼ304内に充填した原料は全て完全に融解さ
せた。
加熱した。ここで、フッ化物305が融解する温度まで
真空度を5×10-4Torr以下に保つように加熱し
た。フッ305は1390〜1450℃で融解した。第
2のるつぼ304内に充填した原料は全て完全に融解さ
せた。
【0070】融解する温度に達したら真空度が2×10
-6Torr以下になるまで保持した。さらに、温度が安
定状態に達してから10時間程度保持した。
-6Torr以下になるまで保持した。さらに、温度が安
定状態に達してから10時間程度保持した。
【0071】その後、引き下げ機構306にて第2のる
つぼ304を約2mm/hの速度で下部へ移動させた。
つぼ304を約2mm/hの速度で下部へ移動させた。
【0072】第2のるつぼ304が下がりきった時点で
ヒーター303への印加電圧を、温度降下速度が約10
0℃/h以内になるように、徐々に下げた。
ヒーター303への印加電圧を、温度降下速度が約10
0℃/h以内になるように、徐々に下げた。
【0073】その後、ヒーター303の電源を切り、室
温程度まで冷却した後、成長炉からフッ化カルシウム単
結晶を取り出した。
温程度まで冷却した後、成長炉からフッ化カルシウム単
結晶を取り出した。
【0074】(アニール工程)図4に示すアニール炉を
用いて、フッ化カルシウム単結晶の熱処理を行った。
用いて、フッ化カルシウム単結晶の熱処理を行った。
【0075】成長工程で得られたフッ化カルシウム単結
晶をアニール用のるつぼ404にセットし、フッ化物4
05とるつぼ404との隙間に結晶の0.1wt%の量
のZnF2スカベンジャーをほぼ均一に撒き、アニール
炉のチャンバー401内を真空排気してヒーター403
でゆっくりと加熱した。温度スケジュールは以下の通り
である。
晶をアニール用のるつぼ404にセットし、フッ化物4
05とるつぼ404との隙間に結晶の0.1wt%の量
のZnF2スカベンジャーをほぼ均一に撒き、アニール
炉のチャンバー401内を真空排気してヒーター403
でゆっくりと加熱した。温度スケジュールは以下の通り
である。
【0076】室温→900℃(上昇速度+100℃/
h) 900℃で保持(20h) 900℃→室温(降下速度−6℃/h) 室温程度まで冷却した後、単結晶を炉から取り出した。
h) 900℃で保持(20h) 900℃→室温(降下速度−6℃/h) 室温程度まで冷却した後、単結晶を炉から取り出した。
【0077】(実施例2)実施例2は原料の用意、混合
過程は実施例1と同じであるが、前述した前処理工程を
行わず、かわりに、プレス工程を行う。そのため後工程
である。
過程は実施例1と同じであるが、前述した前処理工程を
行わず、かわりに、プレス工程を行う。そのため後工程
である。
【0078】成長工程も実施例1における成長工程と異
なる。しかし、最終工程であるアニール工程は、実施例
1と同じである。以下にプレス工程と成長工程を述べ
る。
なる。しかし、最終工程であるアニール工程は、実施例
1と同じである。以下にプレス工程と成長工程を述べ
る。
【0079】(プレス工程)図6に示す粉体成型用のプ
レス機を用い、プレス処理を行った。
レス機を用い、プレス処理を行った。
【0080】調合、混合済みの粉末状の原料を、ステー
ジ601に設置したφ128の金型602に適量投入
し、押圧部材603により約700kgf/cm2の圧
力でプレスした。これによって嵩密度は1.5倍となっ
た。
ジ601に設置したφ128の金型602に適量投入
し、押圧部材603により約700kgf/cm2の圧
力でプレスした。これによって嵩密度は1.5倍となっ
た。
【0081】(成長工程)図3に示す成長炉を用いてフ
ッ化カルシウムの単結晶成長を行った。プレスした原料
ブロックを第2のるつぼ304に投入しこの第2のるつ
ぼ304を成長炉にセットした。
ッ化カルシウムの単結晶成長を行った。プレスした原料
ブロックを第2のるつぼ304に投入しこの第2のるつ
ぼ304を成長炉にセットした。
【0082】成長炉のチャンバー301内を真空排気し
てフッ化物305の水分を除去した。
てフッ化物305の水分を除去した。
【0083】ヒーター303にて第2のるつぼ304を
加熱した。ここでフッ化物305が融解する温度まで真
空度を5×10-4Torr以下に保つように加熱した。
フッ化物305は1390〜1450℃で融解した。第
2のるつぼ304内に充填したフッ化物305は全て完
全に融解させた。
加熱した。ここでフッ化物305が融解する温度まで真
空度を5×10-4Torr以下に保つように加熱した。
フッ化物305は1390〜1450℃で融解した。第
2のるつぼ304内に充填したフッ化物305は全て完
全に融解させた。
【0084】融解する温度に達したら真空度が2×10
-6Torr以下になるまで保持した。さらに、温度が安
定状態に達してから10時間程度保持した。
-6Torr以下になるまで保持した。さらに、温度が安
定状態に達してから10時間程度保持した。
【0085】その後、引き下げ機構306にて、第2の
るつぼ304を約2mm/hの速度で下部へ移動させ
た。
るつぼ304を約2mm/hの速度で下部へ移動させ
た。
【0086】第2のるつぼ304が下がりきった時点で
ヒーター303への印加電圧を、温度降下速度が約10
0℃/h以内になるように、徐々に下げた。
ヒーター303への印加電圧を、温度降下速度が約10
0℃/h以内になるように、徐々に下げた。
【0087】その後、ヒーター303の電源を切り、室
温程度まで冷却した後、成長炉からフッ化カルシウム単
結晶を取り出した。
温程度まで冷却した後、成長炉からフッ化カルシウム単
結晶を取り出した。
【0088】以上のように、実施例1乃至2によって作
製したフッ化カルシウムの単結晶の透過スペクトルを測
定したところ、不純物に起因した吸収は全く見られず、
また、ArFレーザーによる透過率特性の劣化も抑制さ
れ、光学特性は従来法により作製したフッ化カルシウム
単結晶に比べ大幅に改善されることが分かった。
製したフッ化カルシウムの単結晶の透過スペクトルを測
定したところ、不純物に起因した吸収は全く見られず、
また、ArFレーザーによる透過率特性の劣化も抑制さ
れ、光学特性は従来法により作製したフッ化カルシウム
単結晶に比べ大幅に改善されることが分かった。
【0089】また、実施例1では成長炉における単結晶
成長前と成長後の嵩密度の変化はほとんどみられず、実
施例2よりもより好ましい方法であることが分かった。
また、実施例1、2はいずれも従来法に比べてより大き
な結晶を製造することが可能となった。また、実施例2
では、従来の製造方法における熔融工程や粉砕工程をプ
レス工程の一工程で置き換えることができたため、スル
ープットも低下させることができた。
成長前と成長後の嵩密度の変化はほとんどみられず、実
施例2よりもより好ましい方法であることが分かった。
また、実施例1、2はいずれも従来法に比べてより大き
な結晶を製造することが可能となった。また、実施例2
では、従来の製造方法における熔融工程や粉砕工程をプ
レス工程の一工程で置き換えることができたため、スル
ープットも低下させることができた。
【0090】(実施例3)実施例1と同様にして粉末の
フッ化カルシウムとスカベンジャーとしてのZnF2と
を混合した。
フッ化カルシウムとスカベンジャーとしてのZnF2と
を混合した。
【0091】図2に示す精製炉を用いて、前処理を行っ
た。前処理の方法も実施例1と同じである。異なる点は
原料の量を実施例1より少なくして、得られたフッ化物
大きさを、図7に示するつぼ708の5つの成長室各々
に2枚づつ重ねて収容できる大きさにした点である。
た。前処理の方法も実施例1と同じである。異なる点は
原料の量を実施例1より少なくして、得られたフッ化物
大きさを、図7に示するつぼ708の5つの成長室各々
に2枚づつ重ねて収容できる大きさにした点である。
【0092】次に、図7に示するつぼの各成長室に、精
製炉により精製された円板状のフッ化物を2枚づつ重ね
て収容し、スカベンジャーを溶かし、実施例1と同じ条
件で結晶成長を行った。
製炉により精製された円板状のフッ化物を2枚づつ重ね
て収容し、スカベンジャーを溶かし、実施例1と同じ条
件で結晶成長を行った。
【0093】その後、図7とほぼ同じ構造のるつぼを有
するアニール装置に結晶成長したフッ化物結晶を収容し
て、熱処理を行った。こうして得られたフッ化カルシウ
ム結晶を成形してレンズを作製した。
するアニール装置に結晶成長したフッ化物結晶を収容し
て、熱処理を行った。こうして得られたフッ化カルシウ
ム結晶を成形してレンズを作製した。
【0094】上記フッ化カルシウムのレンズに、半導体
デバイス製造用の露光装置に使用されるエキシマレーザ
ー光を繰り返し長期間照射しても、該レンズは良好な内
部透過率を示した。
デバイス製造用の露光装置に使用されるエキシマレーザ
ー光を繰り返し長期間照射しても、該レンズは良好な内
部透過率を示した。
【0095】
【発明の効果】以上本発明によれば、製造工程中の不純
物の混入を防止できることから、透過率の高いフッ化物
結晶が得られ、しかも短波長で高出力の光を長期間繰り
返し照射した場合であっても、透過率特性が劣化し難
い、信頼性の高いフッ化物結晶を提供することができ
る。
物の混入を防止できることから、透過率の高いフッ化物
結晶が得られ、しかも短波長で高出力の光を長期間繰り
返し照射した場合であっても、透過率特性が劣化し難
い、信頼性の高いフッ化物結晶を提供することができ
る。
【0096】また、本発明によれば、フッ化物結晶の光
学物品を低コストで製造することができ、しかも製造時
間の短縮を図ることが可能となる。
学物品を低コストで製造することができ、しかも製造時
間の短縮を図ることが可能となる。
【図1】本発明の第1の実施の形態によるフッ化物結晶
の製造工程のフローチャートを示す図である。
の製造工程のフローチャートを示す図である。
【図2】本発明のフッ化物結晶製造用の精製炉の一例を
示す模式的断面図である。
示す模式的断面図である。
【図3】本発明のフッ化物結晶製造用の成長炉の一例を
示す模式的断面図である。
示す模式的断面図である。
【図4】本発明のフッ化物結晶製造用のアニール炉の一
例を示す模式的断面図である。
例を示す模式的断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態によるフッ化物結晶
の製造工程のフローチャートを示す図である。
の製造工程のフローチャートを示す図である。
【図6】本発明のフッ化物結晶製造用のプレス装置の一
例を示す模式的断面図である。
例を示す模式的断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態で用いられるフッ化
物結晶製造用の成長炉の一例を示す模式的断面図であ
る。
物結晶製造用の成長炉の一例を示す模式的断面図であ
る。
【図8】本発明者が先に試みたフッ化物結晶の製造工程
を示す模式図である。
を示す模式図である。
201 精製炉のチャンバー、 202、302、402、702 断熱材、 203、303、403、703 ヒーター、 204、304、404、708 るつぼ、 205、305、405、705 フッ化物、 301 成長炉のチャンバー、 306、706 るつぼ引き下げ機構、 401 アニール炉のチャンバー、 604 フッ化物、 602 成形金型、 603 押圧部材、 704 小孔、 707 しきい板。
Claims (24)
- 【請求項1】 用意されたフッ化物原料とスカベンジャ
ーとを混合する工程と、該混合されたフッ化物原料を円
板状に形成する前処理工程と、該前処理工程で円板状に
形成された該混合されたフッ化物原料を円筒形のるつぼ
にいれて熔融した後徐々に冷却する結晶成長工程と、該
結晶成長したフッ化物を熱処理するアニール工程とを含
むフッ化物結晶の製造方法。 - 【請求項2】 用意されたフッ化物原料を円筒形の第1
のるつぼに入れて熔融した後結晶化する前処理工程と、
該前処理されたフッ化物原料を該第1のるつぼの直径よ
り大きな直径を有する円筒形の第2のるつぼにいれて溶
解した後徐々に冷却する結晶成長工程と、該結晶成長し
たフッ化物を熱処理するアニール工程とを含むフッ化物
結晶の製造方法。 - 【請求項3】 該フッ化物原料は、スカベンジャーを含
む混合工程を経る請求項1に記載のフッ化物結晶の製造
方法。 - 【請求項4】 用意されたフッ化物原料とスカベンジャ
ーとを混合する工程と、該混合されたフッ化物原料を円
筒形の第1のるつぼに入れて熔融した後結晶化する前処
理工程と、該前処理されたフッ化物原料を円筒形の第2
のるつぼに入れて熔融した後徐々に冷却する結晶成長工
程と、該結晶成長したフッ化物を熱処理するアニール工
程とを含むフッ化物結晶の製造方法。 - 【請求項5】 該第1のるつぼの直径は、第2のるつぼ
の直径と同じである請求項4に記載のフッ化物結晶の製
造方法。 - 【請求項6】 該第1のるつぼの直径は、該第2のるつ
ぼの直径より小さい請求項4に記載のフッ化物結晶製造
方法。 - 【請求項7】 用意されたフッ化物原料とスカベンジャ
ーとを混合する工程と、該混合されたフッ化物原料を円
筒形の第1のるつぼに入れて熔融した後結晶化する前処
理工程と、該前処理されたフッ化物原料を該第1のるつ
ぼの直径より大きな直径を有する円筒形の第2のるつぼ
に入れて熔融した後徐々に冷却する結晶成長工程と、該
結晶成長したフッ化物を熱処理するアニール工程とを含
むフッ化物結晶の製造方法。 - 【請求項8】 該フッ化物は、フッ化カルシウムである
請求項1、2、4、7のいずれか1項に記載のフッ化物
結晶の製造方法。 - 【請求項9】 該フッ化物は、フッ化マグネシウム、フ
ッ化バリウム、フッ化ネオジム、フッ化リチウム、フッ
化ランタンのいずれか1つである請求項1、2、4、7
のいずれか1項に記載のフッ化物結晶の製造方法。 - 【請求項10】 該スカベンジャーは、フッ化亜鉛又は
フッ化ビスマスである請求項1、2、4、7のいずれか
1項に記載のフッ化物結晶の製造方法。 - 【請求項11】 該混合工程は、容器内に該フッ化物原
料と該スカベンジャーとをいれ、該容器を回転させて混
合する工程を含む請求項1、3、4、7のいずれか1項
に記載のフッ化物結晶の製造方法。 - 【請求項12】 該前処理工程は、該混合されたフッ化
物原料に熔融工程を施し円板状に成形する工程を含む請
求項1に記載のフッ化物結晶の製造方法。 - 【請求項13】 該前処理工程は、該混合されたフッ化
物原料にプレス工程を施し円板状に成形する工程を含む
請求項1に記載のフッ化物結晶の製造方法。 - 【請求項14】 該プレス工程は、該混合されたフッ化
物原料を金型に入れて500kg/cm2以上の圧力を
加える工程である請求項13に記載のフッ化物結晶の製
造方法。 - 【請求項15】 該前処理工程は、結晶化したフッ化物
の表層を除去する工程を含む請求項1、2、4、7のい
ずれか1項に記載のフッ化物結晶の製造方法。 - 【請求項16】 該前処理工程の後、粉砕することな
く、該結晶成長工程に移る請求項1、2、4、7のいず
れか1項に記載のフッ化物結晶の製造方法。 - 【請求項17】 該円筒形のるつぼの直径は、該前処理
工程で円板状に形成される該混合されたフッ化物原料の
直径と同じである請求項1に記載のフッ化物結晶の製造
方法。 - 【請求項18】 該円筒形のるつぼの直径は、該前処理
工程で円板状に形成される該混合されたフッ化物原料の
直径よりも大きい請求項1に記載のフッ化物結晶の製造
方法。 - 【請求項19】 該るつぼはブロックタイプのるつぼで
ある請求項1、2、4、7のいずれか1項に記載のフッ
化物結晶の製造方法。 - 【請求項20】 該るつぼはディスクタイプのるつぼで
ある請求項1、2、4、7のいずれか1項に記載のフッ
化物結晶の製造方法。 - 【請求項21】 該アニール工程の後、外形加工する請
求項1、2、4、7のいずれか1項に記載のフッ化物結
晶の製造方法。 - 【請求項22】 請求項1〜21のいずれか1項に記載
のフッ化物結晶の製造方法により得られたフッ化物結晶
を外形加工してレンズを製造するフッ化物結晶レンズの
製造方法。 - 【請求項23】 該レンズの表面に反射防止膜を形成す
る工程を含む請求項1〜21のいずれか1項に記載のフ
ッ化物結晶レンズの製造方法。 - 【請求項24】 用意されたフッ化物原料とスカベンジ
ャーとを混合する工程と、該混合されたフッ化物原料を
プレスしてフッ化物原料集合体を形成するプレス工程
と、該プレスされたフッ化物原料の集合体を該るつぼに
入れて熔融した後徐々に冷却する結晶成長工程と、該結
晶成長したフッ化物結晶を熱処理するアニール工程とを
含むフッ化物結晶の製造方法。
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