JPH09314471A - ブレードおよびその製造方法 - Google Patents

ブレードおよびその製造方法

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JPH09314471A
JPH09314471A JP13386096A JP13386096A JPH09314471A JP H09314471 A JPH09314471 A JP H09314471A JP 13386096 A JP13386096 A JP 13386096A JP 13386096 A JP13386096 A JP 13386096A JP H09314471 A JPH09314471 A JP H09314471A
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blade
slurry
abrasive grains
mesh body
molded body
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JP13386096A
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English (en)
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Junji Hoshi
純二 星
Hidetoshi Okada
英敏 岡田
Yoshitada Ataka
義忠 安宅
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ブレードの剛性を高め、切れ味を損なうことな
く、切断時の曲がり等の不具合の発生を抑制し、かつ被
切断加工物に対して加工損傷の虞れも少ない精密切断ブ
レードを提供する。 【解決手段】砥粒含有金属焼結体板5,6間に、メッシ
ュ体7を挾持してなることを特徴とする精密切断ブレー
ド。このブレードにおける砥粒含有金属焼結体板は、砥
粒および金属粉末を含むスラリーを調製し、このスラリ
ーをドクターブレードにより成形することによって得ら
れたものであることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば電子材料
部品の精密切断や溝入れ加工などに用いられる精密切断
ブレードとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばシリコンウェハ、磁石、水晶等の
素材を切断ないし溝切りするために用いられる、ダイヤ
モンドやcBNを砥粒として含む精密切断ブレードの製
造方法としては、従来、粉末圧延法や金型成形・ホット
プレス(HP)法などによるいわゆるメタルボンドが用
いられている。
【0003】また特公昭55−11475号公報には、
電気めっき中に砥粒を析出させてブレードを製造する電
鋳法が提唱されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、メタル
ボンドにより得られた切断ブレードは、剛性不足により
切断抵抗の大きなアルチックなどの切断加工時に曲がり
が生じるという問題があった。
【0005】また、電鋳ブレードの場合、剛性は高いも
のの、逆に切断面に損傷を与えてしまうという問題があ
った。また、製法上における問題として、粉末圧延法に
おいては、成形材に砥粒が含まれているため、圧延ロー
ルが摩耗を受けやすく、ロール寿命が短いものとなって
おり、また使用する粉体が圧縮成形性に優れるものであ
る必要があり使用できる金属種に制限があった。
【0006】また金型成形・HP法においては、粉末充
填ムラによる密度差や厚みのバラツキが生じやすく、特
に砥粒分布のムラが生じると、得られる精密切断ブレー
ドの切断抵抗の増大や、曲がり、チッピングなどの不具
合が発生する頻度が大きくなる虞れがあった。
【0007】さらに電鋳法においては、共析によってめ
っき層に砥粒を取込むため、製造に長持間を要し、かつ
製造設備が高価となり、また砥粒含有率の向上ないし調
整が困難であるといった問題があった。本発明は、ブレ
ードの剛性を高め、切れ味を損なうことなく、切断時の
曲がり等の不具合の発生を抑制し、かつ被切断加工物に
対して加工損傷の虞れも少ない精密切断ブレードおよび
その製造方法を提供することを目的とする。本発明は、
さらに、このような特性を有するブレードを、金属選択
の自由度が大きく、かつ密度ムラや厚みのバラツキが少
なく、特に砥粒分布の均一性に優れたものとして、コス
ト的に安価に提供できる製造方法を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のブレードは砥粒含有金属焼結体板間に、メ
ッシュ体を挾持してなることを特徴とする。本発明にお
いて、メッシュ体とは、線条体が縦横に編み込まれた通
常のメッシュ以外に、線条件が放射線に配置されたもの
や、線状体が渦巻き状に配置されたものなどを含むこと
にする。
【0009】このように本発明に係るブレードは、補強
体としてのメッシュ体を挾持してなるものであるため、
ブレードの剛性が向上し、切断時の曲がり等の不具合の
発生を抑制することができる。なお、補強体がメッシュ
体であることから、砥石としての切断ないし切削能は、
砥粒含有金属焼結体の本来有する特性を何ら損なうもの
ではなく、切れ味の低下、被切断加工物に対する加工損
傷の増大をもたらすものではない。
【0010】本発明のブレードにおいて、前記メッシュ
体を構成する線条の線径が砥粒の粒径よりも小さいもの
であることが望ましい。線条の線径が砥粒の粒径よりも
小さいものでないと、被切断加工物に対して加工損傷を
与える虞れが高まるためである。
【0011】本発明のブレードにおいて、前記メッシュ
体は、高融点金属、セラミックス、カーボンおよびグラ
スウールなどの素材により構成することが可能である。
このようにメッシュ体を構成する素材を選択することに
より、得られるブレードに与える特性を適宜調整するこ
とができる。すなわち、これらのいずれの素材を用いて
も、ブレード剛性が向上し、切断面の曲がりが小さいも
のとなるが、その剛性の向上効果としては、一般にセラ
ミックス>グラスウール>高融点金属>カーボンの順で
ある。また、例えばセラミックスを用いれば耐磨耗性が
最も向上し寿命が長いものとなり、高融点金属を用いれ
ば最も加工損傷の発生の虞れが小さくなり、またカーボ
ンを用いればその潤滑効果によってブレードの切れ味が
向上するといった効果が得られる。
【0012】なお、前記高融点金属としては、例えば、
W、Re、Mo、Nb、Taあるいはこれらの合金また
はこれらの複合物が好ましい。さらに、本発明のブレー
ドの製造方法は、砥粒と金属粉末を含むスラリーを調製
し、このスラリーをドクターブレードにより板状に成形
し、得られた板状成形体を乾燥させ、所定形状に打ち抜
いてグリーン成形体とし、2枚ないし複数枚のグリーン
成形体の間に、メッシュ体を挿入し、この状態で加圧焼
成することによりブレードを得ることを特徴とする。
【0013】従って、上記したような構成のブレードを
容易に製造することができる上に、以下のような特徴を
有する。すなわち、本発明の製造方法においては、砥粒
と結合剤成分である金属粉末を液状媒体、有機バインダ
ー等と共にスラリー状に混合する。このように砥粒、金
属粉末を液状媒体中に懸濁分散させることで、砥粒等の
凝集を防ぎ密度ムラを抑えることができ、さらにスラリ
ーの混練を十分に行なうことにより、密度ムラや厚みの
バラツキを抑えることが可能である。特に砥粒分布のム
ラが低く抑えられることにより、得られるブレードの切
断抵抗、曲がり、チッピングやカーフ幅を小さく抑える
ことが可能である。
【0014】また、このようにスラリー状となした原料
は、ドクターブレードによって所定の肉厚に容易に成形
可能であり、圧延ロール等の高価な設備を必要としない
ので経済的にも有利である。さらに、本発明で用いるこ
とができる金属粉末としては、粉末化及び焼結可能な全
ての金属が使用可能であるので、多種類のものを選定で
きると共に、多種類の金属を混合することも可能であ
り、組成の自由度は非常に高く、このことから従来知ら
れるブレードとは異なる特性のブレードの製造が可能で
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て具体的に説明する。図1は本発明の実施の形態である
精密切断ブレードの製造において用いられる成形装置を
示す断面図、図2は本発明の他の実施の形態に係る2枚
刃のドクターブレードを示す要部断面図、図3は本発明
に係る精密切断ブレードの製造工程を示すフローチャー
ト、図4は本発明において用いられるメッシュ体の形状
の例を示す図面、本発明の精密切断ブレードの一実施形
態における断面図である。
【0016】図1に示すように、本実施の形態である精
密切断ブレードの製造に用いられる成形装置は、キャリ
アーシート10が掛け渡された第1ロール20及び第2
ロール21とを有する。これら第1ロール20と第2ロ
ール21との間を搬送するキャリアシート10がいわば
ベルトコンベヤー(搬送手段)の働きをする。そして、
第1ロール20側から第2ロール21側へ、順にウレタ
ン溜80、ウレタン乾燥機100、スラリー溜30、発
泡用加熱加湿機40、乾燥機50が設けられている。
【0017】ウレタン溜80は、第1ロール20近傍の
キャリアシートの上面に接して四角箱状であり、このウ
レタン溜80のキャリアシート進行方向側の壁は、キャ
リアシートと調整可能な間隙を持って離間するドクター
ブレード90が設けられ、ウレタン塗膜2の厚さは、こ
のドクターブレード90とキャリアシート10との間の
間隙で調整される。ウレタン溜30に調製したウレタン
塗料Uを入れ、キャリアーシート10を搬送させると、
ウレタン塗料Uは、ドクターブレード90とキャリアシ
ート10の間隙から押し出されて所定の厚さを持った塗
膜2に成形され、この塗膜2はキャリアシート10に運
ばれて次のウレタン乾燥機100に移動する。
【0018】ウレタン乾燥機100は、前工程でキャリ
アシート10上に形成されたウレタン塗膜2を乾燥固化
させるものであり、例えば温風乾燥機、遠赤外線乾燥機
などを用いることができる。このようにして形成された
ウレタン塗膜2は、スラリーのキャリアテープとして用
いられ、焼結時に同時に焼くことにより消失させること
ができる。また、ウレタン塗膜同士を積層させることに
も用いられる。このようにウレタン塗膜2を形成するの
は、後述する脆い乾燥成形体1Cの取扱を容易にするた
めである。
【0019】図1に示すスラリー溜30は、ウレタン乾
燥機100近傍のキャリアシートの上面に接して四角箱
状であり、このスラリー溜30のキャリアシート進行方
向側の壁は、キャリアシートと調整可能な間隙を持って
離間するドクターブレード60が設けられ、成形体1A
の厚さは、このドクターブレード60とキャリアシート
10との間の間隙で調整される。スラリー溜30に調製
した砥石原料スラリーSを入れ、キャリアーシート10
を搬送させると、砥石原料スラリーSは、ドクターブレ
ード60とキャリアシート10の間隙から押し出されて
所定の厚さを持った板状成形体1Aに成形され、この板
状成形体1Aはキャリアシート10に運ばれて次の発泡
用加熱加湿機40に移動する。
【0020】スラリー溜30の上部には、当該スラリー
溜30に供給される砥石原料スラリーSを調製するため
の砥石原料スラリー混合機110が設けられている。こ
の砥石原料スラリー混合機110には、原料を投入する
複数のホッパー111から投入された原料を混練するた
めの混練機112と、発泡剤を混合するための発泡剤混
合機113とが接続されており、混練機112で混練さ
れた原料と発泡剤混合機113で混合された発泡剤とを
さらに混合して砥石原料スラリーSとする。砥石原料ス
ラリーを構成する成分を二液に分割し、その二液を、ド
クターブレードに供給する直前に混合することによっ
て、発泡剤の揮発を可及的に防止することができる。な
お、発泡剤混合機113は、スラリーに発泡剤を含ませ
る際に用いるが、スラリーに発泡剤を含ませない場合に
は必要がなくなる。
【0021】ドクターブレード60としては、図2に示
すような、二枚刃のブレード60A,60Bを用いるこ
とがより好ましい。これは、図5に示すように2枚の刃
60A,60Bの間隙から大きい空気泡Bが除かれ、2
枚目のブレード60Bとキャリアシート10との間隙か
ら押し出されてくる板状成形体1Aに大きな泡が入らな
いこと、砥石原料スラリーSの液面の高低に拘わらず成
形体1Aの厚さを均一にできるからである。この場合、
キャリアシート10下流側の1枚目の第1ブレード60
Aの刃先とキャリアシートとの間隙G1は、第2ブレー
ド60Bの刃先のキャリアシートとの間隙G2より大き
くすることがより好ましい。また、第1ブレード60A
と第2ブレード60Bの隙間Dは、例えば5〜20mm
程度とすることがより好ましい。更に、第2ブレード6
0Bのキャリアシート10との間隙G2は、0.1〜2
mmの範囲が適当である。
【0022】また、スラリー溜30としては、貯溜され
たスラリーS表面に対し、液状媒体を噴霧する機構を備
えたものを用いることが好ましい。これは、次に該チャ
ンバへと砥石原料スラリーSが補給された際に、元々の
スラリー界面に伴なわれて空気気泡がスラリー層内部へ
巻込まれてしまう。砥石原料スラリーの成形体にこのよ
うな空気気泡が包含されてしまうと、砥石原料スラリー
中に含まれていた発泡剤の発泡により初期の段階で形成
される気泡とは異なる大きさの気泡が存在することとな
り、成形体が不均一な気泡構造を生じてしまう。前記チ
ャンバ内に保持された該砥石原料スラリーの表面部に対
し、液状媒体を噴霧しておけば、チャンバ内に保持され
たスラリー表面が乾燥してしまうことがなく、上記した
ような空気気泡の巻込みに帰因する成形体の気泡構造の
不均一化が防止できるためである。なお液状媒体の噴霧
は、スラリー表面の乾燥が防止できる限り、断続的に行
なってもあるいは連続的に行なってもよい。
【0023】発泡用加熱加湿機40が設けられた発泡ゾ
ーンは、成形体1Aを乾燥させる前に、十分に発泡を完
了させる工程である。成形直後に乾燥させると、成形体
1Aの表面が先に乾燥されて表皮が生じた状態になり、
成形体1A内部の発泡や水分の蒸発が妨げられて、発泡
が不均一になる場合がある。このため、成形工程と乾燥
工程の間に、発泡工程を設けることが好ましい。
【0024】発泡の条件は、発泡と同時に乾燥させる
と、成形体表面に亀裂が生じやすいので、発泡中はでき
る限り乾燥を防止するため、高湿度の雰囲気下で行うこ
とが好ましい。具体的には、例えばスラリー粘性が35
000cps以上の時、湿度は65%以上、好ましくは
湿度は80%以上である。湿度が65%より低いと、乾
燥時に成形体表面に割れが入るおそれがある。発泡温度
は15〜65℃、特に28〜40℃の範囲が好ましい。
発泡温度が15℃より低いと、発泡に例えば2時間以上
かかる場合があり、65℃を超えると成形体が発泡しす
ぎて成形体が崩壊する場合がある。発泡時間は、通常1
0〜45分の範囲である。
【0025】発泡用加熱加湿機40により発泡した発泡
成形体1Bは、乾燥機50が設けられた乾燥ゾーンに搬
送され、ここで乾燥される。乾燥前の気泡は、水膜が存
在することによって維持されている。このとき、スラリ
ーは気泡と気泡との界面に凝集し、骨格構造(発泡体構
造)を形成する。そのままの状態で水膜が割れると骨格
を形成しているスラリーが流動し、骨格構造が崩壊して
しまう。そのような崩壊が起こらないように乾燥すれ
ば、発泡体構造の成形体を得ることができる。できる限
り骨格構造の崩壊を生じさせないように乾燥するために
は、速やかに乾燥させることが必要である。これには遠
赤外線乾燥が適している。すなわち、一般に、乾燥に
は、温風乾燥などのような伝熱加熱方式、遠赤外線加熱
方式、マイクロ波加熱方式等が採用でき、乾燥(水分除
去)速度としては、マイクロ波によるものが最も大き
く、次いで遠赤外線によるものであり、伝熱によるもの
はこれら2つに比べてかなり小さいものでありかつ乾燥
が表面部と内部側とでかなり不均一に生じる。このた
め、速やかに水分を除去する上で、マイクロ波あるいは
遠赤外線のいずれかを採用することが有効と考えられる
が、本発明に係る砥石原料スラリーは金属成分を含むも
のであるためマイクロ波を使用すると金属粉の着火溶融
が生じることから、マイクロ波は本来的に採用し得ず、
従って、遠赤外線の使用が最も好ましいものである。し
かしながら、本発明において乾燥工程に使用される乾燥
機50としては、遠赤外線乾燥機に限定されるものでは
なく、温風乾燥機を用いることも可能であり、また遠赤
外線乾燥機と温風乾燥機とを併用したり、遠赤外線加熱
と伝熱加熱の双方を利用した乾燥機を使用することもで
きる。
【0026】また、できる限り骨格構造の崩壊を生じさ
せることなく所望の発泡体構造を有する乾燥成形体を得
る上で、スラリー中の水分がほんの少し蒸発すると粘性
が著しく増大するようなスラリー組成としておくことが
好ましい。乾燥機50の具体的な条件は、例えば遠赤外
線を用い、ヒーター温度120〜180℃、雰囲気温度
40〜80℃、乾燥時間20〜120分の条件を採用す
ることができる。これにより、板状の乾燥成形体1Cを
得ることができる。この乾燥成形体1Cの厚さは、発泡
により、通常、図2中G2の高さの3〜8倍の厚さにな
る。
【0027】図1に示した本実施の形態である多孔質焼
結金属板の製造装置では、乾燥成形体1Cを乗せたキャ
リアシート10を下側直角方向に折曲させながら搬送さ
せることで、乾燥成形体(グリーン体)1Cとキャリア
シート10とを分離している。続いて乾燥成形体1C
は、打抜きプレス70により所定形状のものへと打抜か
れ、次の焼成工程に送られる。
【0028】次にこのような成形装置を用いて精密切断
ブレードを製造する手順を説明する。本発明の精密切断
ブレードの製造方法では、図3のフローチャートに示す
ように、砥石原料スラリー調製工程、成形工程、発泡工
程、乾燥工程、積層体形成工程、脱脂工程、焼結工程、
精密寸法切断工程、基板蝋付工程により製造することが
できる。
【0029】まず、砥石原料スラリーの調製は、例えば
砥粒、金属粉末、水溶性樹脂結合剤、発泡剤、界面活性
剤、水等を含有するスラリーを砥石原料スラリー混合機
110にて調製する。砥粒としては、例えばダイヤモン
ド粒、cBN粒などが用いられるが、これらに限定され
るものではない。また、砥粒粒径としても特に限定され
るものではなく、得ようとする精密切断ブレードの使用
目的等に応じて、適宜選択され、例えば粒径5〜30μ
m程度のものが使用される。砥粒のスラリー中における
配合量は、1〜10%(重量%、以下同様)、特に5〜
8%の範囲が望ましい。
【0030】また、金属粉末の種類としても、砥粒の融
点以下で焼結可能なものであれば特には限定はなく、例
えばスズ、鉛、銅、ニッケル、鉄、コバルト、クロム等
の焼結する金属及び合金全てが使用可能である。金属粉
末の粒径は、平均粒径が500μm以下、特に0.5〜
100μmの範囲が好ましい。平均粒径が0.5μmよ
り小さいと、スラリー調整時に水と反応して着火するお
それがあり、一方、平均粒径が500μmより大きい
と、できあがる精密切断ブレードの強度が弱くなりすぎ
る場合がある。金属粉末のスラリー中における配合量
は、40〜90%、、特に60〜80%の範囲が望まし
い。
【0031】水溶性樹脂結合剤は、スラリーを乾燥させ
たときに多孔質成形体の形状を保持させる働きを有す
る。また、スラリーの粘度調整剤としても機能する。水
溶性樹脂結合剤としては、メチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロースアンモニウム、エチ
ルセルロース、ポリビニルアルコール等を例示すること
ができる。水溶性樹脂結合剤の配合量は、0.5〜20
%、特に2〜10%の範囲が好ましい。0.5%より配
合量が少ないと、乾燥成形体の強度が弱く、ハンドリン
グに差し支える場合があり、一方、20%より多いと、
粘度が高くなりすぎて成形が困難になる場合がある。
【0032】スラリー中には、必要に応じて発泡剤を添
加することができる。このようにスラリー中に発泡剤を
添加しておき、ドクターブレードにより板状に成形させ
た後、当該発泡剤を発泡させ、スラリー中に気泡を形成
すると、砥粒および金属粉末は、砥石原料スラリー中で
微細な気泡を構成する薄い液体壁に集まるため、砥粒お
よび金属粉末が沈降して成形体内部で密度ムラが生じる
ことを防ぐことができる。そして、これを乾燥すると、
水溶性樹脂結合剤(バインダー)と共に気泡の形状を維
持しながら固化する。これを焼成すると、結合剤が消失
すると共に、金属粉末同士が焼結し、気泡形状を持った
発泡状の三次元網状構造を有する精密切断ブレードが得
られる。精密切断ブレードをこのようにして多孔質構造
とすると、得られるブレードと被切断物との間の切削抵
抗を低減することができ、また切断時に潤滑油等を併用
する場合、その潤滑油の保持性が良好となる。なお、精
密切断ブレードの多孔質構造は、焼結時の圧力、温度条
件等によっても任意に制御でき、このようにスラリー中
に発泡剤を添加した場合であっても、例えば、焼結時に
加圧することよって、より空孔率の低いないしは緻密な
構造のものとすることも可能である。従って、純粋に砥
粒の密度ムラを低減する目的の上からのみ発泡剤を使用
できる。
【0033】しかしながら、本発明では、砥石原料スラ
リーの調製において、このような発泡剤を添加しなくて
も良いことはもちろんである。発泡剤は、ガスを発生し
て気泡を形成することができればよく、一定の温度で分
解してガスを発生する化合物や、揮発性の有機溶剤など
を選択することができる。揮発性の有機溶剤としては、
例えば炭素数5〜8の炭化水素系有機溶剤を挙げること
ができる。このような有機溶剤は常温で液体であり、揮
発性で、スラリー中においては界面活性剤の作用でミセ
ルを形成し、常温又は加熱下で気化して微細な気泡を形
成する。炭素数5〜8の炭化水素系有機溶剤としては、
例えばペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、イソヘキサ
ン、イソヘプタン、ベンゼン、オクタン、トルエン等を
挙げることができる。発泡剤の配合量は、0.05〜1
0%、特に0.5〜5%の範囲が好ましい。0.05%
より少ない配合量では、気泡の発生が不十分になり、気
孔率が高くならない場合があり、一方、10%より配合
量を多くすると、ミセルが大径化し、これに伴い成形体
中に形成される気泡も大径化するため、得られる成形体
及び焼結体の強度が低下する場合がある。なお、発泡剤
を使用する代わりに、空気などの気体を激しく混合させ
る方法によって、砥石原料スラリーを調整することも可
能である。
【0034】界面活性剤は、砥粒、金属粉の液状媒体に
おける分散安定性を向上させる作用、また発泡状態を安
定化し、発泡剤のミセルを形成する作用があり、アルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸
塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エ
ステル塩、アルカンスルホン酸塩等のアニオン系界面活
性剤、ポリエチレングリコール誘導体、多価アルコール
誘導体等の非イオン系界面活性剤等を例示することがで
きる。界面活性剤の配合量は、0.05〜5%、特に
0.5〜3%の範囲が好ましい。0.05%より配合量
が少ないと、砥粒、金属粉の分散安定性を向上させるこ
とができず、またミセルの形成が不安定となり微細な気
泡を保つことが困難になる場合があり、一方、5%より
多いとそれ以上の効果が見られない場合がある。
【0035】本発明に係る砥石原料スラリーには、以上
の成分以外に、可塑剤、気孔形成促進用可燃剤等を配合
することができる。可塑剤は、成形体に可塑性を付与す
るためのもので、エチレングリコール、ポリエチレング
リコール、グリセリンなどの多価アルコール、鰯油、菜
種油、オリーブ油などの油脂、石油エーテル等のエーテ
ル類、フタル酸ジエチル、フタル酸ジn−ブチル、フタ
ル酸ジエチルヘキシル、フタル酸ジオクチル、ソルビタ
ンモノオレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタ
ンパルミテート、ソルビタンステアレートなどのエステ
ル類等を例示することができる。可塑剤の配合量は、
0.1〜15%、特に2〜10%の範囲が好ましい。配
合量が0.1%より少ないと、可塑作用が不十分になる
場合があり、一方、15%より多いと、成形体の強度が
不十分になる場合がある。
【0036】また、気孔形成促進用可燃剤は、乾燥成形
体の焼成時に、消失させることによって、気孔の形成を
促進するためのものである。従って、粉末、繊維状など
の形状を保ち、焼成時に消失するものを選定することが
できる。具体的には、0.1〜200μm程度の粉末状
のもの、長さが200μm以下、好ましくは30〜12
0μm程度の繊維状のものがよい。材料としては、パル
プ、綿、糸くず、コーンスターチ、カルボキシメチルセ
ルローズ、非水溶性セルロース繊維、ポリビニルブチラ
ル樹脂、ポリビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン
樹脂などを例示することができる。
【0037】本発明に係る砥石原料スラリーは、上記成
分を混合することによって得ることができる。この場
合、混合順序に制限はないが、上記したような発泡剤を
使用する場合、混合中はできる限り発泡を制限するため
に、発泡剤は最後に混合することが好ましい。なお、ス
ラリーが発泡するとスラリーの粘度が低下して成型性が
悪くなるが、発泡剤を添加してからスラリーが発泡する
までの時間は、発泡剤の種類、添加量、及び温度でコン
トロールが可能であり、これを適度にコントロールし、
流動性があるうちに成形することができる。また、スラ
リーの粘度は、20℃で、20000cps〜7000
0cpsの範囲、特に、30000〜55000cps
の範囲が好ましい。20000cpsより粘度が低い
と、乾燥時に発泡構造が崩壊する場合があり、一方、7
0000cpsより粘度が高いと、粘性が大きくなりす
ぎて成形が困難になる場合がある。
【0038】次に、このように調製した砥石原料スラリ
ーSをスラリー溜30に入れ、ドクターブレード60を
用いて板状に成形するが、その前にキャリアシート10
の表面にウレタン塗膜2を形成する。すなわち、キャリ
アーシート10を搬送させると、ウレタン溜30に投入
されたウレタン塗料Uは、ドクターブレード90とキャ
リアシート10の間隙から押し出されて所定の厚さを持
った塗膜2に成形され、この塗膜2はキャリアシート1
0に運ばれて次のウレタン乾燥機100に移動し、ここ
で乾燥固化される。
【0039】このようにして形成されたウレタン塗膜2
上に、砥石原料スラリーSの板状成形体1Aを形成す
る。このときキャリアシート10が板状成形体1Aのベ
ルトコンベヤーの働きをし、スラリー溜30に投入され
た砥石原料スラリーSは、ドクターブレード60とキャ
リアシート10の間隙から押し出されて所定の厚さを持
った板状成形体1Aに成形され、この板状成形体1Aは
キャリアシート10に運ばれて次の発泡用加熱加湿機4
0に移動する。
【0040】発泡用加熱加湿機40では、成形体1Aを
乾燥させる前に十分に発泡を完了させるとともに、発泡
中はできる限り乾燥を防止するため、高湿度の雰囲気下
で行われる。発泡用加熱加湿機40により発泡した発泡
成形体1Bは、乾燥機50が設けられた乾燥ゾーンに搬
送され、ここで乾燥されることにより乾燥成形体1Cが
得られる。なお、このような乾燥機を使用せず、自然乾
燥、例えば一晩放置することによって乾燥を行なうこと
も可能である。
【0041】次に、乾燥成形体1Cを乗せたキャリアシ
ート10を下側直角方向に折曲させながら搬送させるこ
とで、乾燥成形体(グリーン体)1Cとキャリアシート
10とが分離され、続いて乾燥成形体1Cは、打抜きプ
レス70により所定の形状に切断加工され、次の積層体
形成工程に送られる。あるいは、乾燥成形体1Cをカッ
ター等により所定長さ毎に切断し、この切断品を複数枚
積層した状態で、打抜き加工することもできる。
【0042】積層体形成工程においては、上記のように
して得られた乾燥成形体1Cの2枚の間に、メッシュ体
を挾持して三層構造の予備成形体とする。あるいは3枚
以上の乾燥成形体1Cのそれぞれの間にメッシュ体を挾
持して五層ないしはそれ以上の複層構造のものとするこ
とも可能である。
【0043】使用されるメッシュ体の形状としては、特
に限定されるものではなく、例えば図3(a)に示すよ
うな放射状メッシュ、(b)に示すような格子状メッシ
ュ、(c)に示すような渦巻状メッシュなどを採択する
ことができる。しかしながら、精密切削ブレードの外周
部に露出するメッシュ体の断面積が大きくなると、ブレ
ードの切削抵抗が大きくなってしまうため、点あるいは
短線状に露出する放射状メッシュ、格子状メッシュが好
ましく、特にコスト的に安価な格子状メッシュが最も好
ましい。
【0044】メッシュ体は、高融点金属、セラミック
ス、カーボンおよびグラスウールなどの素材により構成
することが可能である。またこれらを複数組合せること
も可能である。なお、高融点金属としては、例えば、
W、Re、Mo、Nb、Taあるいはこれらの合金また
はこれらの複合物が好ましい。またセラミックスとして
は、例えばアルミナ、チタニア、窒化珪素、ジルコニア
などが使用され得る。
【0045】メッシュ体を構成する線条の線径は、砥粒
の粒径よりも小さいことが望まれるが、具体的には、例
えば5〜30μm程度とすることができる。またメッシ
ュ体における各線条間の間隔は、メッシュ体を構成する
素材によっても異なるが、例えば400〜30メッシ
ュ、特に270〜100メッシュ程度が望ましい。必要
以上に緻密なメッシュ体であると剛性の向上効果は高ま
るが、加工損傷の発生、および切削抵抗の上昇が生じ、
一方必要以上に荒いメッシュ体であるとメッシュ体を嵌
挿することによる剛性の向上が望めないためである。
【0046】このようにして、メッシュ体を挾持して予
備成形体を形成した後、乾燥成形体の焼成を行なう。焼
成工程は、2段階の工程とすることが好ましい。第1段
階は脱脂と呼ばれ、有機物(バインダー等)を揮散させ
る工程であり、第2段階は、金属粉末を焼結させる工程
である。また、これらの工程は連続とすることができ
る。
【0047】脱脂工程は、例えば空気雰囲気下、窒素ガ
スなどの不活性ガス雰囲気下、あるいは水素ガスなどの
還元ガス雰囲気下で、例えば、400〜550℃程度の
温度で30〜120分の時間焼成することができる。ま
た、焼結工程は、製造する金属の種類に応じて、アンモ
ニア分解ガス雰囲気、水素ガスのような還元性雰囲気
下、真空中、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下、さら
には空気中の雰囲気で、例えば、600〜800℃程度
の温度で10〜60分間焼成することができる。さら
に、この焼結工程は、積層構造体においてメッシュ体を
強固に保持できるように、加圧条件下、例えば100〜
1000kg/cm2 において行なう必要がある。加圧
焼結する場合に、得られる精密切断ブレードの多孔質構
造を維持するには、例えば熱間静水圧プレス(HIP)
法が好適である。
【0048】また、このような脱脂・焼結工程におい
て、乾燥成形体1Cの変形(ソリ)を防止するため、あ
るいはさらに加圧を容易とするために、例えばカーボン
グラファイト製等の熱的に安定でかつ金属融着の生じ難
い素材からなる基板に、前記予備成形体を挾持して焼成
を行なうことが望ましい。
【0049】このようにして得られた砥粒焼結体は、最
後に常法に基づき、精密な寸法に、打抜きプレス等によ
って環板状に打抜かれ、例えば銅製の円形基板の外周部
に、この環板の内周部を臘付け等により接合すること
で、製品とされる。このようにして得られた本発明に係
る精密切断ブレードは、図5に示すように、砥粒含有金
属焼結体板5,6間に、メッシュ体7が挾持されてなる
断面構造を有する。
【0050】なお、本発明は、上述した実施の形態に限
定されず、本発明の範囲内で種々に改変することができ
る。例えば上述した実施の形態では、砥粒および金属粉
を含む乾燥成形体を、スラリー原料からドクターブレー
ドを用いて成形したが、これ以外の方法、例えば、圧延
ロール法等によって作成することも可能である。
【0051】また、上述した実施の形態では、脆い乾燥
成形体1Cの取扱を容易にするために、ウレタン塗膜2
を形成したが、本発明では、ウレタン塗膜以外に、発泡
乾燥成形体1Cの焼成時に消失し、多孔質燒結金属の特
性に影響を与えない樹脂膜を用いることができる。この
ような樹脂膜としては、砥石原料スラリーの発泡、乾燥
工程で収縮しないものであると共に、焼成時には完全に
消失するものであることが好ましい。また、キャリアシ
ート10から容易に分離することが好ましい。かかる樹
脂として、前述したウレタン樹脂が好適な例として挙げ
ることができるが、このほかにエポキシ樹脂、熱硬化性
ポリエステル、耐熱性のある熱可塑性樹脂、アクリル樹
脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン酢酸ビニル系樹脂な
どを使用することができる。
【0052】また、上記実施の形態では、ウレタン膜あ
るいはその他の樹脂膜を形成するための手段として、ド
クターブレード90を用いているが、その他の樹脂膜形
成装置として、例えば押出成形方法なども採用すること
ができる。なお、樹脂膜を形成する工程を省いて樹脂フ
ィルムを用いることもできる。例えば樹脂フィルムを捲
回したロールなどを用い、このロールから繰り出した樹
脂フィルムに砥石原料スラリーを成形するようにしても
よい。
【0053】
【実施例】以下、具体的に本発明の実施例について説明
する。実施例1 平均粒径が5μmの銅粉30g、平均粒径が10μmの
スズ粉6g、DE BEERS社製20/30μm粒径のダイヤ
モンド砥粒4gおよび下記の組成により製造した有機バ
インダー15gを混練機を用いて混練した。 有機バインダー成分 ・メチルセルロース 3重量% ・界面活性剤 0.5重量% ・水 残部 上記のようにして得られた混練物をドクターブレード法
により薄板状に引伸ばした。得られた板の大きさは、概
ね120×400×0.3mmであった。
【0054】この板を乾燥し、グリーン成形体とし、こ
の成形体の上にSiC製のメッシュ(120×120m
m、線径φ20μm、メッシュサイズ#325)を重
ね、さらにこの上にもう一度グリーン成形体を重ね、三
層構造のグリーン成形体とした。 そして、この三層構
造のグリーン成形体から外形φ100mm以上の円板状
のグリーン成形体をプレスにて打抜いた。
【0055】これをカーボン製のφ120mmの円板で
挾み込んで、550℃で30分間、窒素雰囲気中で脱バ
インダー処理を行なった。次いでこのままの状態で加圧
(300kg/cm2 )し、650℃で30分間、窒素
雰囲気中で焼結した。
【0056】焼結後、精密打抜加工によって、φ100
×φ40×0.25tの薄刃ブレードを製造した。得ら
れたブレードの厚さのバラツキは±5μmであった。実施例2〜8 グリーン成形体に鋏込むメッシュ体を表1に示すものに
変えた以外は、実施例1と同様にして薄刃ブレードを製
造した。
【0057】
【表1】
【0058】比較例1 平均粒径が5μmの銅粉30g、平均粒径が10μmの
スズ粉6g、DE BEERS社製20/30μm粒径のダイヤ
モンド砥粒4gをシェーカータイプの混合器で30分間
混合した。次いで、この混合物を粉末圧延法にて約12
0×250×0.3tの板に成形した。この板からプレ
スにて打抜き、外径φ100、内径φ40のドーナツ状
円板を得た。この円板をカーボン製のφ100mmの円
板で挾み込んで、加圧(300kg/cm2)し、65
0℃で30分間、窒素雰囲気中で焼結し、精密打抜き加
工することにより、φ100×φ40×0.25tの薄
刃ブレードを製造した。比較例2 DE BEERS社製20/30μm粒径のダイヤモンド砥粒4
gをニッケルめっき液中に撹拌し、φ105mmのステ
ンレス円板上に共析めっきし、精密打抜き加工すること
により、φ100×φ40×0.25t電鋳ブレードを
製造した。なお電鋳条件は特公昭55−11475号記
載のものに準じた。切断試験 上記実施例1〜8および比較例1,2にて得られたブレ
ードを用い、不二越スライシングマシンにて単結晶シリ
コンウェハの切断試験を行なった。切断条件を表2に、
また切断試験結果を表3に示す。単結晶シリコウェハは
6インチサイズのものを使用した。
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】なお、切断抵抗は、動歪計により測定し
た。動歪計の上に単結晶シリコンウェハを張り付けて切
断時の最大応力を測定した。また、最大曲がり量は、図
6に示すように切断後にブレードの軌跡の最大ズレおよ
び切断幅を工具顕微鏡で測定した。
【0062】また、最大チッピング量も切断後の切断部
分の欠けの大きさを工具顕微鏡で測定した。また半径磨
耗量は、切断後のブレードをマイクロメータで測定する
ことによって算出した。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、ブレードの剛性を高
め、切れ味を損なうことなく、切断時の曲がり等の不具
合の発生を抑制し、かつ被切断加工物に対して加工損傷
の虞れも少ない精密切断ブレードを提供することがで
き、さらに金属組成の自由度が大きく、かつ密度ムラや
厚みのバラツキが少なく、特に砥粒分布の均一性に優れ
た精密切断ブレードをコスト的に安価に提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態である精密切断ブレ
ードの製造に用いられる成形装置を示す断面図である。
【図2】図2は2枚刃のドクターブレードを示す要部断
面図である。
【図3】図3は本発明に係る精密切断ブレードの製造工
程を示すフローチャートである。
【図4】図4(a)〜(c)は本発明において用いられ
るメッシュ体の形状例を示す図面である。
【図5】図5は本発明の精密切断ブレードの断面図であ
る。
【図6】図6は本発明の実施例において測定した最大曲
がり量を示す図面である。
【符号の説明】
5,6… 砥粒含有金属焼結体 7… メッシュ体 10… キャリアシート(搬送手段) 30… スラリー溜 40… 発泡用加熱加湿機(発泡手段) 50… 乾燥機(乾燥手段) 60… ドクターブレード 110… 砥石原料スラリー混合機(スラリー調製手
段) S… スラリー 1A… 成形体 1B… 発泡体 1C… 乾燥成形体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】砥粒含有金属焼結体板間に、メッシュ体を
    挾持してなることを特徴とするブレード。
  2. 【請求項2】前記メッシュ体を構成する線条の線径が砥
    粒の粒径よりも小さい請求項1に記載のブレード。
  3. 【請求項3】前記メッシュ体が、高融点金属、セラミッ
    クス、カーボンおよびグラスウールからなる群から選ば
    れてなる少なくとも1つの素材により構成されているこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のブレード。
  4. 【請求項4】前記高融点金属が、W、Re、Mo、N
    b、Taあるいはこれらの合金またはこれらの複合物か
    らなることを特徴とする請求項3に記載のブレード。
  5. 【請求項5】砥粒と金属粉末を含むスラリーを調製し、
    このスラリーをドクターブレードにより板状に成形し、
    得られた板状成形体を乾燥させ、所定形状に打ち抜いて
    グリーン成形体とし、2枚ないし複数枚のグリーン成形
    体の間に、メッシュ体を挿入し、この状態で加圧焼成す
    ることにより請求項1〜4に記載のブレードを得ること
    を特徴とするブレードの製造方法。
JP13386096A 1996-05-28 1996-05-28 ブレードおよびその製造方法 Withdrawn JPH09314471A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114025916A (zh) * 2019-07-02 2022-02-08 株式会社东京钻石工具制作所 合成磨石

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114025916A (zh) * 2019-07-02 2022-02-08 株式会社东京钻石工具制作所 合成磨石

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