JPH09314087A - 重金属強制溶出方法と焼却灰再利用化装置 - Google Patents

重金属強制溶出方法と焼却灰再利用化装置

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JPH09314087A
JPH09314087A JP9231596A JP9231596A JPH09314087A JP H09314087 A JPH09314087 A JP H09314087A JP 9231596 A JP9231596 A JP 9231596A JP 9231596 A JP9231596 A JP 9231596A JP H09314087 A JPH09314087 A JP H09314087A
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Japan
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ash
heavy
incinerator
incinerated
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JP9231596A
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Katsuhiro Ito
藤 勝 弘 伊
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DAIKEN ENTERP KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 焼却処理した後に出る焼却灰やフライアッシ
ュ等を重金属強制溶出槽に搬入して重金属を酸性水に反
応させて溶出し、重金属を酸性水に反応させて溶出し、
重金属固定剤で固定して効率良く回収し、重金属を除去
した後に残る無害化された灰スラッジを再利用する。 【解決手段】本発明は、そのために、焼却灰を焼却炉で
焼却処理し、該焼却処理した焼却灰を選別装置にかける
ことにより少なくとも夾雑物と鉄屑と乾灰とに選別する
と共に、選別した乾灰をpH4〜5の酸性水に重金属固
定剤(EDTA−2Na)を所定量混入した重金属強制
溶出槽に搬入して所定温度下で所定時間攪拌しつつ乾灰
に含まれている重金属を酸性水に反応させて溶出すると
共に、同時に重金属固定剤で固定することにより強制溶
出して回収する焼却灰の重金属強制溶出方法と焼却灰再
利用化装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車あるいは家
電製品等のスクラップ、フィルム、各種印刷物、その他
種々のメーカーより出される産業廃棄物、ホテル、外食
産業等々より出される汚泥、廃液あるいは生ゴミ等を焼
却処理した後に出る焼却灰や火力発電所から排出される
フライアッシュ等をpH4〜5の酸性水に重金属固定剤
(EDTA−2Na)を所定量混入した重金属強制溶出
槽に搬入して所定温度下で所定時間攪拌しつつ重金属を
酸性水に反応させて溶出すると共に、同時に重金属固定
剤で固定して効率良く回収すると共に、重金属を除去し
た後に残る無害化された灰スラッジを利用することによ
りアスファルト工事やコンクリート工事等に不可欠な細
骨材や骨材をも得ることができる重金属強制溶出方法と
焼却灰再利用化装置に関するものである。
【0002】
【背景の技術】自動車あるいは家電製品等のスクラップ
解体産業、フィルム、各種印刷物、その他種々のメーカ
ーより出される産業廃棄物処理をはじめ、ホテル、外食
産業等々より出される汚泥、廃液あるいは生ゴミ等や火
力発電所から排出されるフライアッシュ等の処理量は、
製品の増加、需要者の増大に比例して年々増加の一途を
辿るのみである。
【0003】これに反し、こうした産業廃棄物の処理装
置をはじめ処理能力に関しては、いっこうに進展が見ら
れず、今日では、その増大する廃棄物によって都市全体
が埋没するのではないかと言われるほど廃棄物の処理に
関しては大きな社会問題を呈するに到っている。このよ
うに、産業廃棄物の処理が社会問題化するほど増大する
については、廃棄物を出す側における意識の低さにも一
端はあるが、しかし、国民の生活上の便利さ、国の経済
発展を考慮すると、意識の問題のみでかたずけることに
も問題ありと言わざるを得ない。
【0004】こうした産業廃棄物の処理に関しての問題
は、産業廃棄物を出す量を必要最小限に止めることに最
大の努力をはらうことは言うまでもないことであるが、
これには自ずから限界があり、最終的には、産業廃棄物
処理事業を手がける企業が優れた産業廃棄物処理装置を
開発し、増大する量の産業廃棄物に対処できるようにす
ることが必要であり、また急務でもある。
【0005】しかし、従来のように産業廃棄物をただ単
に自治体が許認可した廃棄物処理場に運んで投棄埋め立
てするだけの処理は、産業廃棄物を発生した場所から指
定された投棄場所へ移動させるだけであって抜本的な処
理手段とは言えない。特に、有害な産業廃棄物、例えば
重金属が含まれるような廃棄物に関しては、今日一般的
に実施されているように特殊な重金属溶出防御シート等
に廃棄物を封入して埋設処理するにしても、長期間の間
には重金属溶出防御シートそのものが劣化ないし地殻変
動等により破損することにより封入した有害物質が地中
に流出し、地域住民の健康を害し、また動植物等に危害
を与えて自然環境を破壊してしまう等の二次的問題を有
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、産業廃棄物に
関する行政では、前述したような重金属含みの廃棄物等
で代表されるように特別管理産業廃棄物等に該当する産
業廃棄物については処理に関する法律を制定し、廃棄物
毎に分別収集を推進し、処理方法に付いての要件を定め
る等の制度を導入することで、収集後の処理ないし効率
の改善を図り国民の健康と安全、そして自然環境の破壊
を無くするように努力している。
【0007】しかし、今日の産業廃棄物処理に関する行
政は、優れた産業廃棄物処理装置の研究開発を行うにつ
いて十分な経済的援助ないし補助を積極的に実施するこ
とを後回しにして、産業廃棄物を出す事業所や企業にそ
の大半の責任を持たせて処理を行わせているのが実情で
ある。しかるに、今日における産業廃棄物処理事業は、
一般的には、積極的に物を生産するメーカー等の事業に
比べて廃棄物の処理事業は言わば消極的な事業として考
えられているのが実情である。
【0008】そのために、他のメーカー等の業種に比較
して産業廃棄物処理関連の企業の数は非常に少なく、廃
棄物処理手段についての研究・技術開発も限定されてお
り、積極的に参画している企業の数もごく僅かな企業に
限られている。例えば、産業廃棄物処理装置一つとって
も、ご存じの通り旧態依然とした焼却装置と方法に頼っ
ているのが実情であり、その焼却方法も多くの事業所で
は、産業廃棄物の種類等を考慮することなく一台の焼却
装置で温度調節を適宜行うのみで、全ての種類の産業廃
棄物を焼却しているのが現状であり、従って、適切な焼
却処理が行われているとは言えなかった。
【0009】殊に、頭書に述べた自動車あるいは家電製
品等のスクラップ解体産業、フィルム、各種印刷物をは
じめ、ホテル、外食産業等々より出される汚泥、廃液あ
るいは生ゴミ等の処理に関しては、その焼却効率が著し
く悪く、しかも雑多な産業廃棄物を焼却するため、焼却
後の灰の中に、重金属等の特別管理産業廃棄物等に指定
された物が混在することが多く、焼却処理前の段階で分
別収集を行い焼却処理しているが、分別収集も掛け声だ
けで、その実効が伴わないため、現在のところは、焼却
後の灰に重金属等が混在したまま地中に埋設され、規制
が十分にその効果を上げていない。
【0010】そこで、現在では、焼却前の分別収集では
分別しきれない重金属を含む産業廃棄物をそのまま焼却
装置で焼却し、焼却効率を高めると共に、焼却後の灰の
中に規制されている重金属等が混在している灰は、高強
度の耐久力を持つコンクリート容器等に封入して地中に
埋設処理する方法とか、焼却灰に重金属固定剤を混ぜる
ことにより国の定める重金属溶出基準以下に不溶化させ
て地中等に埋設処理する方法も開発されているが、前述
した高強度の耐久力を持つコンクリート容器等に封入し
て地中に埋設処理方法は、長期間でのコンクリートの劣
化、地殻変動等により容器が損傷することがあり、封入
した重金属が溶出する恐れがあり、廃棄処理としては未
だ不十分である。また、後者の重金属固定剤を混ぜるこ
とにより国の定める重金属溶出基準以下に不溶化させて
地中等に埋設処理する方法も重金属固定剤で重金属等を
固定するとは言え、前者と同様に240°C以上の高温
に遭遇すると長期間では、固定が解かれて固定した重金
属が溶出する恐れがあり、また双方の廃棄手段では、高
価な重金属等が地中に投棄されてしまうため再利用する
ことができず極めて不経済である等種々の問題を有して
いた。
【0011】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、自動車
あるいは家電製品等のスクラップ、フィルム、各種印刷
物、その他種々のメーカーより出される産業廃棄物、ホ
テル、外食産業等々より出される汚泥、廃液あるいは生
ゴミ等を焼却処理した後に出る焼却灰や火力発電所から
排出されるフライアッシュ等をpH4〜5の酸性水に重
金属固定剤(EDTA−2Na)を所定量混入した重金
属強制溶出槽に搬入して所定温度下で所定時間攪拌しつ
つ重金属を酸性水に反応させて溶出すると共に、同時に
重金属固定剤で固定して効率良く回収すると共に、重金
属を除去した後に残る無害化された灰スラッジを利用す
ることによりアスファルト工事やコンクリート工事等に
不可欠な細骨材や骨材をも得ることができる重金属強制
溶出方法と焼却灰再利用化装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、そのために、
焼却灰を焼却炉で焼却処理し、該焼却処理した焼却灰を
選別装置にかけることにより少なくとも夾雑物と鉄屑と
乾灰とに選別すると共に、選別した乾灰をpH4〜5の
酸性水に重金属固定剤(EDTA−2Na)を所定量混
入した重金属強制溶出槽に搬入して所定温度下で所定時
間攪拌しつつ乾灰に含まれている重金属を酸性水に反応
させて溶出すると共に、同時に重金属固定剤で固定する
ことにより強制溶出して回収する焼却灰の重金属強制溶
出方法と、焼却灰を焼却処理するための焼却炉と、焼却
処理した乾灰を懸濁化して重金属を強制溶出させるため
のpH4〜5の酸性水に重金属固定剤(EDTA−2N
a)を所定量混入した重金属強制溶出槽と、該重金属強
制溶出槽で強制溶出した重金属溶解液を蒸化処理するた
めの重金属溶解液蒸化炉と、前記重金属強制溶出槽で重
金属が強制溶出された後に残る灰スラッジを脱水処理す
る脱水機と、該脱水機で脱水処理した後の湿灰を焼結溶
融する焼結溶融炉と、該焼結溶融炉で焼結溶融処理して
得られる焼結材を破砕する破砕手段とで構成した焼却灰
再利用化装置を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る重金属強制溶
出方法と焼却灰再利用化装置の実施例について図1乃至
図5を参照して説明する。図1は本発明に係る重金属強
制溶出方法と焼却灰再利用化装置の全体構成を示すブロ
ック図、図2は本発明に係る重金属強制溶出方法と焼却
灰再利用化装置の全体構成を示す説明図、図3〜図5は
本発明に係る重金属強制溶出方法と焼却灰再利用化装置
の要部説明分図である。
【0014】まず、本発明は、重金属が酸性水に対して
容易に溶出するという性質(酸抽出処理)に着目してな
したものである。この酸抽出処理法は、混合反応と脱水
の2工程からなり、混合工程では、乾灰、例えば一般廃
棄物及び産業廃棄物(特に、重金属を含む特別管理産業
廃棄物)を重金属強制溶出槽に貯溜した酸性水に投入し
て所定の攪拌等を行って懸濁化(スラリー化)させ、乾
灰に含まれる重金属を酸性水に反応させて溶出させ、次
に重金属溶出後の灰スラッジを灰スラッジ搬出コンベア
ーにより脱水しつつ槽外に取り出す処理法である。
【0015】なお、前記重金属強制溶出槽におけるpH
は、4〜5に調整することにより、乾灰に含まれる異な
る種類の重金属、例えば(Al、Ag、Ba、Ca、C
d、Co、Cu、Fe、Hg、In、La、Li、M
g、Mn、Na、Ni、Pb、Ti、Vo、Zn、Zr
等)と広く反応し、これらの重金属を容易に溶出させる
ことができる。
【0016】また、前記重金属強制溶出槽に供給される
pH4〜5に調整された酸性水には、重金属(例えば、
Al3+、Ag+ 、Ba2+、Ca2+、Cd2+、Co2+、C
2+、Fe2+、Fe3+、Hg2+、In3+、La3+、Li
3+、Mg2+、Mn2+、Na+、Ni2+、Pb2+、T
+ 、Vo2+、Zn2+、Zr4+等)を固定する重金属固
定剤(EDTA−2Na:本実施例では、前述した重金
属に対して効果的な錯体を形成するEDTA剤:エチレ
ンジアミンテトラアセテート2Naが使用される。)が
混合され、pH4〜5の酸性水で強制的に溶出された重
金属がEDTA−2Naと反応して固定され強制的に抽
出される。
【0017】本発明に係る焼却灰再利用化装置1は、ホ
テル、外食産業等々より出される汚泥、廃液あるいは生
ゴミ等の一般廃棄物及び火力発電所から排出されるフラ
イアッシュ等の産業廃棄物(特に、重金属を含む特別管
理産業廃棄物)を焼却した後に出る焼却灰を貯蔵するホ
ッパー2と、該ホッパー2より貯蔵された一般焼却灰を
搬出するバケットコンベアー3と、該バケットコンベア
ー3で搬出された一般焼却灰を焼却処理する焼却炉4
(本実施例では、焼却炉4は、回転式完全燃焼炉が採用
され、例えば800°C〜960°Cで可動する。)
と、該焼却炉4で焼却処理されて排出される乾灰(乾燥
した灰)に混在するガラス、陶器等の夾雑物や鉄屑等を
選別する磁選機5a及びふるい機5bからなる選別装置
5と、該選別装置5を介して取り出される乾灰を搬出す
る搬出手段6と、該搬出手段6で搬出された乾灰に含ま
れる重金属を溶出させるための重金属溶出手段7と、該
重金属溶出手段7で溶出された重金属溶解液を貯蔵する
ための重金属溶解液槽8と、該重金属溶解液槽8から送
出される重金属溶解液を蒸化するための重金属溶解液蒸
化炉9と、該重金属溶解液蒸化炉9で蒸化処理されて排
出される重金属を回収する重金属回収手段10と、前記
重金属溶出手段7で重金属が溶出した後に残る灰スラッ
ジを重金属溶出手段7より取り出すための灰スラッジ搬
出コンベアー7c及び7dと、該灰スラッジ搬出コンベ
アー7c及び7dで搬出される灰スラッジの脱水を行う
脱水機11と、該脱水機11を経て取り出される湿灰
(湿気を持った灰)を貯蔵するための湿灰貯蔵ホッパー
12と、該湿灰貯蔵ホッパー12より湿灰を搬出するバ
ケットコンベアー13と、該バケットコンベアー13で
搬出された湿灰を焼結溶融処理する焼結溶融炉14と、
該焼結溶融炉14より排出される焼結材を所定の大きさ
に破砕する破砕装置15を経由して細骨材或いは骨材と
して取り出して貯蔵するストックヤード16とで構成さ
れている。
【0018】ところで、前記乾灰に含まれる重金属を溶
出させるための重金属溶出手段7は、例えば重金属を固
定する重金属固定剤(EDTA−2Na)が混合された
pH4〜5の酸性水が貯蔵された複数の重金属強制溶出
槽7a及び7b(本実施例では二槽構造のものを採用し
て説明する。)と、該重金属強制溶出槽7a及び7bの
それぞれには、懸濁した灰スラッジを掬い出すための灰
スラッジ搬出コンベアー7c及び7dが設けられ、重金
属強制溶出槽7aの灰スラッジは、灰スラッジ搬出コン
ベアー7cで搬出されて、次段の重金属強制溶出槽7b
に投入され、該重金属強制溶出槽7bの灰スラッジは灰
スラッジ搬出コンベアー7dで搬出されて前述した脱水
機11に投入されるように構成されている。
【0019】また、前記重金属強制溶出槽7a及び7b
の酸性水としては、「例えば、本実施例では(水酸化物
処理法あるいは硫酸化処理法)」剤が採用され、pH調
整槽7e及び酸性調整槽7fを介して重金属強制溶出槽
7a及び7bに所定量が供給されるように構成されてい
る。また、前記重金属強制溶出槽7a及び7bに対する
重金属固定剤(EDTA−2Na)は、EDTA−2N
aが適度に調整された重金属固定剤自動定量装置を設け
た供給槽7gより供給されるように構成されている。
【0020】なお、上記の構成では詳細に説明しなかっ
たが、前述した焼却炉4、重金属溶解液蒸化炉9及び焼
結溶融炉14のそれぞれの二次燃焼室以降には、集塵装
置、冷却塔、ガス洗浄塔、バグフィルター、排気ファン
等が設備されている。以下、上記の構成に基づいて本発
明に係る重金属強制溶出方法と焼却灰再利用化装置によ
り一般廃棄物及び産業廃棄物(特に、重金属を含む特別
管理産業廃棄物)を焼却した後に残る焼却灰より重金属
を除去し、この重金属を再利用可能に回収すると共に、
重金属が除去された無害化された灰スラッジを利用して
骨材を得る要領を詳細に説明する。
【0021】本発明に係る焼却灰再利用化装置1は、一
般廃棄物及び産業廃棄物(特に、重金属を含む特別管理
産業廃棄物)を焼却した後に出る焼却灰や火力発電所か
ら排出されるフライアッシュ等は、まず貯蔵するホッパ
ー2に貯蔵される。該ホッパー2に貯蔵された焼却灰
は、バケットコンベアー3により焼却炉4に供給され、
該焼却炉4でもって、例えば800°C〜960°Cで
焼却処理される。この焼却炉4での焼却処理により一般
廃棄物、産業廃棄物の焼却灰中に残されていた未燃焼物
は完全に焼却処理されて乾灰化される。
【0022】そして、上記焼却炉4で焼却処理されて排
出される乾灰(乾燥した灰)に混在するガラス、陶器等
の夾雑物や鉄屑等は、この焼却炉4の後段に設けられる
磁選機5a及びふるい機5bからなる選別装置5で選別
され搬出手段6を介して、次の重金属溶出手段7に投入
される。上記重金属溶出手段7に投入される乾灰は、例
えば本実施例ではpH4〜5に調整された酸性水と、重
金属固定剤(EDTA−2Na)が混合された重金属強
制溶出槽7aに先ず投入され、槽中に設ける攪拌装置
(図では省略)等により所定の時間懸濁化(スラリー
化)処理がなされる。これにより乾灰に含まれている重
金属、例えば(Al、Ag、Ba、Ca、Cd、Co、
Cu、Fe、Hg、In、La、Li、Mg、Mn、N
a、Ni、Pb、Ti、Vo、Zn、Zr等)は、酸性
水と所定の反応をして強制的に溶出された重金属がED
TA−2Naと反応して固定化され強制的に抽出される
ことになる。
【0023】ところで、重金属固定剤(EDTA−2N
a)の酸性水溶液中における安定度〔定数の対数(定
温)を示す。〕は、例えば、Al3+=16,1、Ag+
=7,3、Ba2+=7,8、Ca2+=10,6、Cd2+
=16,5、Co2+=16,3、Cu2+=18,8、F
2+=14,3、Fe3+=25,1、Hg2+=21,
8、In3+=25,0、La3+=15,5、Li3+
2,8、Mg2+=8,7、Mn2+=14,1、Na+
1,7、Ni2+=18,6、Pb2+=18,0、Ti +
=5,9、Vo2+=18,8、Zn2+=16,5、Zr
4+=30であることが検証されているので、重金属強制
溶出槽7aの槽中の温度は略室温に設定されているのが
好ましいと言える。
【0024】測定A=0.27M EDTA-2Na溶液100ml の中に
飛灰10g を入れ100 ℃で(煮沸)30分間処理した。それ
を濾過処理して測定した結果である。 測定B=0.27M EDTA-2Na溶液100ml の中に飛灰10g を入
れ室温で30分間放置した後、それを濾過処理して測定し
た結果である。 測定C=pH4.0 のHCl 水溶液100ml の中に飛灰10g を入
れ100 ℃で(煮沸)30分間処理した。それを濾過処理し
て測定した結果である。
【0025】測定D=pH4.0 のHCl 水溶液100ml の中に
飛灰10g を入れ10室温で30分間放置した後、それを濾過
処理して測定した結果である。 上記の測定はICPA(Inductively Coupled Plasma Arc Em
ission Spectromtry: 誘導結合プラズマ発光分析) を採
用して行った。
【0026】
【表1】
【0027】上記の測定の結果より、重金属強制溶出槽
7aの条件を、測定B=0.27M EDTA-2Na溶液100ml の中
に飛灰10g を入れ室温で30分間放置と、測定D=pH4.0
のHCl 水溶液100ml の中に飛灰10g を入れ10室温で30分
間放置した後、それを濾過処理する条件に設定し、例え
ば重金属Pbの抽出結果を求めると(重金属Pb=440.13+
0.72 )のように多量の抽出が確認できた。
【0028】一方、重金属が溶出した後の乾灰の灰スラ
ッジは、灰スラッジ搬出コンベアー7cにより、次段の
重金属強制溶出槽7bに再び投入されることになる。こ
の重金属強制溶出槽7bに投入された灰スラッジは、前
述した重金属強制溶出槽7aの場合と同様に槽中に設け
る攪拌装置(図では省略)等により所定の時間懸濁化
(スラリー化)処理がなされ、第一の重金属強制溶出槽
7aで溶出しきれなかった重金属は、この重金属強制溶
出槽7bの酸性水と重金属がEDTA−2Naと反応し
て固定され強制的に抽出され、重金属が溶出した後の灰
スラッジは、灰スラッジ搬出コンベアー7dにより、次
段の脱水機12に投入されて、脱水処理を受ける。
【0029】上記により重金属溶出手段7で溶出された
重金属溶解液は、ポンプにより重金属溶解液槽8に送出
され、該重金属溶解液槽8に貯溜された重金属溶解液は
最終的に重金属溶解液蒸化炉9を介して蒸化処理され重
金属回収手段10に排出されて回収されることになる。
なお、上記の重金属回収手段10の後段に図1に仮想線
で示した如く、精練手段を装備することにより、重金属
回収手段10で回収された種々の重金属を高精度で抽出
することが可能である。
【0030】また、前記重金属溶出手段7で重金属が溶
出した後に残る灰スラッジは灰スラッジ搬出コンベアー
7c及び7dを介して脱水機11に搬出され、該脱水機
11を経て取り出される湿灰(湿気を持った灰)として
取り出され、湿灰貯蔵ホッパー12に一旦貯蔵される。
そして湿灰が所定量貯蔵されると湿灰貯蔵ホッパー12
に設けたバケットコンベアー13が作動して湿灰は焼結
溶融炉14に供給される。そして、焼結溶融炉14で焼
結溶融された湿灰は、固化した部材を破砕装置15を経
由することにより細骨材或いは骨材として取り出してス
トックヤード16に貯蔵する。
【0031】本発明に係る重金属強制溶出方法と焼却灰
再利用化装置1における焼却炉4には、回転式完全燃焼
炉を採用しているので、直接一般廃棄物或いは産業廃棄
物を焼却処理することも可能であることは勿論である
が、他の焼却処理場で焼却され、本来ならば重金属を含
んだまま投棄される焼却灰も収集して貯蔵ホッパー2に
貯蔵してコンベアー3を介して焼却炉4へ搬送して再度
焼却処理できるような処理システムを採用したので、本
発明に係る重金属強制溶出方法と焼却灰再利用化装置を
設備していない焼却処理場の焼却灰についても有害な重
金属を含む焼却灰に関しては同様に重金属の除去処理を
実施することができる。
【0032】
【発明の効果】本発明は、以上詳細に説明した如く、焼
却灰(燃えがら)を焼却炉で焼却処理し、該焼却処理し
た焼却灰を選別装置にかけることにより少なくとも夾雑
物と鉄屑と乾灰とに選別すると共に、選別した乾灰をp
H4〜5の酸性水に重金属固定剤(EDTA−2Na)
を所定量混入した重金属強制溶出槽に搬入して所定温度
下で所定時間攪拌しつつ乾灰に含まれている重金属を酸
性水に反応させて溶出すると共に、同時に重金属固定剤
で固定することにより強制溶出して回収する焼却灰の重
金属強制溶出方法と、焼却灰を焼却処理するための焼却
炉と、焼却処理した乾灰を懸濁化して重金属を強制溶出
させるためのpH4〜5の酸性水に重金属固定剤(ED
TA−2Na)を所定量混入した重金属強制溶出槽と、
該重金属強制溶出槽で強制溶出した重金属溶解液を蒸化
処理するための重金属溶解液蒸化炉と、前記重金属強制
溶出槽で重金属が強制溶出された後に残る灰スラッジを
脱水処理する脱水機と、該脱水機で脱水処理した後の湿
灰を焼結溶融する焼結溶融炉と、該焼結溶融炉で焼結溶
融処理して得られる焼結材を破砕する破砕手段とで構成
した焼却灰再利用化装置を提供するので、自動車あるい
は家電製品等のスクラップ、フィルム、各種印刷物、そ
の他種々のメーカーより出される産業廃棄物、ホテル、
外食産業等々より出される汚泥、廃液あるいは生ゴミ等
を焼却処理した後に出る焼却灰や火力発電所から排出さ
れるフライアッシュ等に混在する重金属の強制的な回収
が極めて容易であり、その回収量も多量で安定した処理
が可能である。
【0033】また、重金属が回収された後に残って脱水
処理され搬出された灰スラッジは、例えば総理府令第5
号に定める「判定基準」(埋立可否基準)をクリアする
無害の灰スラッジとして取り出せるのでアスファルト工
事やコンクリート工事等に不可欠な細骨材や骨材をも得
ることができ、従来廃棄していた全ての素材を有効に利
用できる等種々の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る重金属強制溶出方法と焼却灰再利
用化装置の全体構成を示すブロック図
【図2】本発明に係る重金属強制溶出方法と焼却灰再利
用化装置の全体構成を示す説明図
【図3】本発明に係る重金属強制溶出方法と焼却灰再利
用化装置の要部説明分図
【図4】本発明に係る重金属強制溶出方法と焼却灰再利
用化装置の要部説明分図
【図5】本発明に係る重金属強制溶出方法と焼却灰再利
用化装置の要部説明分図
【符合の説明】
1 重金属強制溶出方法と焼却灰再利用化装
置 2 ホッパー 3 バケットコンベアー 4 焼却炉 5 選別装置 5a 磁選機 5b ふるい機 6 搬出手段 7 重金属溶出手段 7a、7b 重金属強制溶出槽 7c、7d 灰スラッジ搬出コンベアー 7e pH調整槽 7f 酸性調整槽 7g 重金属固定剤自動定量装置を設けた供給
槽 8 重金属溶解液槽 9 重金属溶解液蒸化炉 10 重金属回収手段 11 脱水機 12 湿灰貯蔵ホッパー 13 バケットコンベアー 14 焼結溶融炉 15 破砕装置 16 ストックヤード
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F23G 5/20 ZAB F23J 1/00 B F23J 1/00 B09B 3/00 ZAB

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼却灰を焼却炉で焼却処理し、該焼却処理
    した焼却灰を選別装置にかけることにより少なくとも夾
    雑物と鉄屑と乾灰とに選別すると共に、選別した乾灰を
    pH4〜5の酸性水に重金属固定剤(EDTA−2N
    a)を所定量混入した重金属強制溶出槽に搬入して所定
    温度下で所定時間攪拌しつつ乾灰に含まれている重金属
    を酸性水に反応させて溶出すると共に、同時に重金属固
    定剤で固定することにより強制溶出して回収するように
    したことを特徴とする焼却灰の重金属強制溶出方法。
  2. 【請求項2】焼却灰を焼却処理するための焼却炉と、焼
    却処理した乾灰を懸濁化して重金属を強制溶出させるた
    めのpH4〜5の酸性水に重金属固定剤(EDTA−2
    Na)を所定量混入した重金属強制溶出槽と、該重金属
    強制溶出槽で強制溶出した重金属溶解液を蒸化処理する
    ための重金属溶解液蒸化炉と、前記重金属強制溶出槽で
    重金属が強制溶出された後に残る灰スラッジを脱水処理
    する脱水機と、該脱水機で脱水処理した後の湿灰を焼結
    溶融する焼結溶融炉と、該焼結溶融炉で焼結溶融処理し
    て得られる焼結材を破砕する破砕手段とで構成したこと
    を特徴とする焼却灰再利用化装置。
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