JPH09313934A - 光触媒体、白熱電球、放電ランプおよび照明器具 - Google Patents

光触媒体、白熱電球、放電ランプおよび照明器具

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JPH09313934A
JPH09313934A JP8107176A JP10717696A JPH09313934A JP H09313934 A JPH09313934 A JP H09313934A JP 8107176 A JP8107176 A JP 8107176A JP 10717696 A JP10717696 A JP 10717696A JP H09313934 A JPH09313934 A JP H09313934A
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tio
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photocatalytic
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久司 本田
Tsutomu Watanabe
力 渡辺
Hiroshi Kamata
博士 鎌田
Ariyoshi Ishizaki
有義 石崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 すぐれた光触媒作用を奏する光触媒体、光触
媒膜を応用した白熱電球,放電ランプ,無電極放電ラン
プ,蛍光ランプおよび照明器具の提供。 【解決手段】 膜形成面を有する基体1と;前記膜形成
面に設けられた TiO2 および SiO2 のうち少なくともい
ずれか1種を含む2種以上から成る複合系の保護膜2
と;前記保護膜2面上に設けられた光触媒作用を有する
金属酸化物を主体とした光触媒膜3と;を具備している
ことを特徴とする光触媒体。さらに、本発明は、前記構
成の光触媒系膜の応用であり、たとえば紫外線透過性を
有するバルブを用いた白熱電球,放電ランプ,無電極放
電ランプ,蛍光ランプの外周面に、複合系の保護膜2を
介して光触媒作用を有する光触媒膜3を設け、これによ
って、光学的に良好な特性を確保する一方、高活性で耐
久性のすぐれた光触媒作用を呈し、光源周辺部に付着す
る悪臭源などを酸化・分解して脱臭など行うものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光触媒作用をを備え
た光触媒体,白熱電球,放電ランプおよび照明器具に関
する。
【0002】
【従来の技術】放電によって紫外線を放射する水銀など
を封有する放電ランプの外周面(外表面)に、光触媒作
用を有する物質(たとえば TiO2 …酸化チタン)から成
る光触媒膜を一体的に設けた放電ランプが知られている
(特開平1-169866号公報)。この種の放電ランプは、放
電ランプ内部から放出される紫外線を受けると、バルブ
の外周面に設けた光触媒膜の表面が活性化して酸化力を
有するようになり、付着もしくは接触した有機物を酸化
・分解し、脱臭などの作用を呈する。つまり、前記放電
ランプを設置した雰囲気では、その周囲の脱臭もしくは
消臭、雰囲気中の有機成分の分解などが行われる。
【0003】その他、光触媒作用を有する物質は、建築
材,化学処理用光源,照明器具などへの応用も試みられ
ている(たとえば特開平6-304480号公報,特開平6-2782
41号公報,特開平7-111104号公報)。
【0004】ところで、光触媒反応を示す照射光の波長
は、光触媒膜を形成する物質のエネルギーバンドギャッ
プに依存する。たとえば TiO2 のエネルギーバンドギャ
ップは 3eVであり、 400nmの光エネルギーに相当する。
したがって、この値よりも大きなエネルギーを持つ短波
長の光は、 TiO2 に吸収されて光触媒作用を示すと考え
られている。そして、光触媒膜を形成する物質によって
は、このエネルギーバンドギャップの値が小さくなった
りする。また、不純物によってもエネルギーバンドギャ
ップの値は変動するので、光触媒作用は紫外線照射に限
定されない。
【0005】上記光触媒膜は、光触媒作用を有する金属
酸化物の微粒子から成る粉体を水もしくはエタノールな
どの適当なバインダー成分に分散させて、バルブの外周
面に塗布後、焼成して形成している。また、光触媒作用
を有する金属のアルコキシド化合物溶液を塗布後、高温
焼成して光触媒膜を形成することも知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記説明したように、
光触媒作用(光触媒機能)を備えた放電ランプは知ら
れ、また、その応用もいろいろ試みられているが、な
お、次のような問題があった。 先ず、光触媒作用を有
する金属酸化物の微粒子を、水やエタノールなどのバイ
ンダー成分に分散させ、これを塗布焼き付けて形成した
光触媒膜は、一般的に、膜の強度が劣り、剥離し易いの
で耐久性に問題がある。あるいは、チタンアルコレート
をゾルゲル法にて基体に塗布して成膜するとき、活性が
最大となるアナターゼ型結晶を得るために通常、 500℃
以上の加熱を要し、この場合、基体ガラスからNaが膜中
に侵食して、結晶性を犯すという問題もある。
【0007】そこで、光触媒膜の強度を向上させるため
に、以下のような手法が試みられている。
【0008】(a) SiO2 粉末をエタノールなどに分散さ
せたものを併用する。しかし、この手段を採った場合
は、結果的に光触媒作用を有する金属酸化物が外表面に
露出する割合が低減するので、光触媒作用の低下を招来
することになる。加えて、光触媒膜を形成するときの加
熱温度で、基体を成すたとえばソーダライムガラスなど
から析出するNa成分によって、 TiO2 などの結晶性が損
なわれ易いので、光触媒作用や光学特性が低下するとい
う問題がある。
【0009】(b)一定の厚み以上の SiO2 層を下地とし
て介挿する。この手段を採った場合は、基体(たとえば
ソーダライムガラス)中のNa成分の侵食が抑止され、 T
iO2の結晶との反応などが防止されるため、光学特性
(光屈折率)の低下を回避できる。ここで、Naの析出防
止効果は、 SiO2 層の厚みとともに増大するが、余り厚
くなると耐剥離性の点で問題があって、十分な対応策と
はいえない。
【0010】この点について、さらに詳述すると、本発
明者らの調査・検討によると、光触媒膜などの形成工程
における加熱,冷却サイクルに伴う微小な亀裂発生や結
晶粒大化によって、Na成分の析出防止効果が低下するこ
とに起因していることが分かった。
【0011】本発明は、上記問題を解決するものであっ
て、光触媒作用が良好で、かつ膜強度も強固な光触媒
体、白熱電球、放電ランプおよび照明器具の提供を目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、膜形
成面を有する基体と;膜形成面に設けられた TiO2 およ
び SiO2 のうち少なくとも1種を含む2種以上から成る
複合系の保護膜と;保護膜面上に設けられた光触媒作用
を有する金属酸化物を主体とした光触媒膜とを具備して
いることを特徴とする光触媒体である。
【0013】請求項2の発明は、請求項1記載の光触媒
体において、保護膜が TiO2 − SiO2 系の膜であること
を特徴とする。
【0014】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2記載の光触媒体において、光触媒膜が光触媒作用を有
する TiO2 を主体として形成されていることを特徴とす
る。光触媒体は、防臭,防汚,殺菌などの光触媒作用が
必要な場所に用いられる各種製品、たとえば窓材,タイ
ルなどの建材、照明器具,換気扇,掃除機などの電気機
器家具、車両,衛生用品などであるが、これらに限定さ
れるものでない。
【0015】光触媒膜を支持する基体としては、その使
用態様によって、ガラスやセラミックスなどの非金属無
機質系材料,アルミニウムなどの金属系無機質材料,有
機質系材料を素材とした成形体が挙げられる。ここで、
基体が少なくとも 410nm以下の波長の光透過性を有する
ものであれば、 410nm以下の波長の紫外線を含む光をが
基体を透過して、基体形状や光触媒膜の形状に拘らず所
要の防臭,防汚,殺菌などの作用効果が得られるからで
ある。
【0016】なお、光触媒膜の膜厚と吸着物質が分解さ
れる作用について、本発明者らが検討した結果、次のよ
うな傾向が確認された。すなわち、石英ガラス板の一主
面に、厚さを変えて TiO2 系の光触媒膜を形成し、この
光触媒膜面にそれぞれ一定濃度のタバコの煙を暴露し、
ヤニを付着させ、波長約 550nmの透過率を測定して、光
触媒作用を評価したところ、膜厚0.01〜 0.3μm で、よ
り良好な光触媒作用を呈することを確認した。ここで、
膜厚が厚くなると紫外線によって励起・生成される光触
媒膜の正孔は、膜形成面付近だけに限られ、ヤニなどの
吸着面まで正孔が拡散されずに、膜内部での再結合率が
増加して分解力が低下すると推定される。一方、膜厚0.
01μm 未満では、光触媒膜内の金属酸化物の結晶が均一
に形成されず、十分な光触媒作用を呈する程活性化され
ないためと推定される。
【0017】さらに、 SiO2 および TiO2 のうち少なく
とも1種を含有して成る複合系の保護膜、たとえば、 S
iO2 および TiO2 を主体とした保護膜(下地層)を、ソ
ーダライムガラス面との間に介挿させた場合は、相互の
作用による緻密な膜の形成と、ソーダライムガラス中の
Na成分の光触媒膜側への析出防止(抑制)とが相俟っ
て、光触媒作用の低下や光透過率の低減,屈折率の低下
なども効果的に防止される。 この点について、さらに
検討を進めた結果、上記光触媒作用を有する金属酸化物
の連続層の光触媒膜に対し、前記 SiO2 および TiO2
うち少なくともいずれか1種を含む複合系の下地層(保
護膜)を介挿することによって、光触媒膜の薄膜化およ
び高活性化が容易になることを確認した。また、光触媒
膜の薄膜化などに伴って、干渉色を回避しながら透過率
も向上,改善されることを確認した。
【0018】ここで、 SiO2 および TiO2 のうち少なく
ともいずれか1種を一方の成分とする複合系としては、
たとえば SiO2 − TiO2 系, TiO2 −Al2 O 3 系, TiO
2 −ZrO2 系, TiO2 −ZnO 系, SiO2 −Al2 O 3 系,
SiO2 − ZrO2 系, SiO2 −ZnO 系, TiO2 − SiO2 −A
l2 O 3 系, TiO2 − SiO2 − ZrO2 系, TiO2 − SiO
2 −ZnO 系などが挙げられる。そして、前記複合系の保
護膜(下地層)の組成比は、たとえば SiO2 − TiO2
の場合、重量比で90:10〜70:30程度が好ましく、ま
た、 SiO2 もしくは TiO2 の少なくともいずれか一方の
成分がも60重量%程度以上占めていればよい。
【0019】請求項4の発明は、少なくとも 410nm以下
の波長の光が透過可能な光透過性を有するバルブと;バ
ルブ内に封装された発光フィラメントと;バルブ内の発
光フィラメントの両端にそれぞれ一端が接続されるとと
もに他端がバルブ外に気密に導出された電気導入手段
と;バルブ外周面に設けられた TiO2 および SiO2 のう
ち少なくとも1種を含む2種以上から成る複合系の保護
膜と;保護膜面に設けられた光触媒作用を有する金属酸
化物を主体とした光触媒膜とを具備していることを特徴
とする白熱電球である。
【0020】請求項5の発明は、請求項4記載の白熱電
球において、保護膜が TiO2 − SiO2 系であることを特
徴とする。
【0021】請求項6の発明は、請求項4または請求項
5記載の白熱電球において、光触媒膜が光触媒作用を有
する TiO2 を主体として形成されていることを特徴とす
る。請求項7の発明は、内部に放電媒体が封入され、か
つ少なくとも 410nm以下の波長の光が透過可能な透光性
気密容器と;透光性気密容器内に放電を生起させる電極
手段と;透光性気密容器の外周面に設けられた TiO2
よび SiO2 のうち少なくとも1種を含む2種以上から成
る複合系の保護膜と;保護膜面に設けられた光触媒作用
を有する金属酸化物を主体とした光触媒膜とを具備して
いることを特徴とする放電ランプである。
【0022】請求項8の発明は、請求項7記載の放電ラ
ンプにおいて、保護膜が TiO2 − SiO2 系であることを
特徴とする。
【0023】請求項9の発明は、請求項7または請求項
8記載の放電ランプにおいて、光触媒膜が光触媒作用を
有する TiO2 を主体として形成されていることを特徴と
する。 請求項10の発明は、請求項7ないし請求項9い
ずれか一記載の放電ランプにおいて、透光性気密容器内
壁面に蛍光体層が設けられていることを特徴とする。
【0024】ここで、電極手段とは、熱陰極,冷陰極な
ど透光性気密容器内に封装されるもの以外に、励起コイ
ルや外部電極などのいわゆる無電極形のものを含む。
【0025】請求項11の発明は、請求項4ないし請求項
10いずれか一記載の光源と;光源を装着する器具本体と
を具備していることを特徴とする照明器具である。
【0026】請求項12の発明は、光源と;光源に対して
配設され少なくとも 410nm以下の波長の光が透過可能な
透光性カバーと;透光性カバーの対向面および反対面の
少なくとも一部に設けられた TiO2 および SiO2 のうち
少なくとも1種を含む2種以上から成る複合系の保護膜
と;保護膜面に設けられた光触媒作用を有する金属酸化
物を主体とした光触媒膜とを具備していることを特徴と
する照明器具である。請求項13の発明は、光源と;光源
に対して配設された反射体と;反射体の少なくとも一部
に設けられた TiO2 および SiO2 のうち少なくとも1種
を含む2種以上から成る複合系の保護膜と;保護膜面に
設けられた光触媒作用を有する金属酸化物を主体とした
光触媒膜とを具備していることを特徴とする照明器具で
ある。請求項14の発明は、請求項11ないし請求項13いず
れか一記載の照明器具において、保護膜が TiO2 − SiO
2 系であることを特徴とする。
【0027】請求項15の発明は、請求項11ないし請求項
14いずれか一記載の照明器具において、光触媒膜が光触
媒作用を有する TiO2 を主体として形成されたことを特
徴とする。
【0028】前記透光性カバーとは、器具前面の開口部
に装着された板状のガラスカバー,セード,グローブな
どを指し、制光体として機能するものを含んでもよい。
反射体は、たとえば反射鏡やレンズなど例示されるが、
これらに限定されるものでない。また、光触媒膜が設け
られている透光性カバー面や反射体面は、光源に対する
対向面および反対面(反対向面)のいずれかの少なくと
も一部であればよい。ここで、対向面とは、一般的に光
源側の面であり、紫外線が透過する石英ガラス,ソーダ
ライムガラス,ホウケイ酸ガラスなどの材質製の場合
は、光源側と反対の面でもよいことを意味する。
【0029】本発明において、基体と光触媒膜との間に
介挿する TiO2 および SiO2 のうち少なくともいずれか
1種を含む2種以上から成る複合系の保護膜は、たとえ
ばエタノール:エチルセロソルブとを85:15の割合で混
合した混合溶媒中に TiO2 :SiO2 を 5: 5の微粒子混
合体、もしくは TiO2 :Al2 O 3 を 8: 2の微粒子混合
体を分散させた懸濁液に、たとえば基体をディッピング
した後、 100℃程度の温度で乾燥することによって形成
できる。また、チタンアルコレートおよびジルコンアル
コレートの 1: 1混合溶液に、たとえば基体をディッピ
ングした後、 100℃程度の温度で乾燥することによって
も形成できる。
【0030】本発明に係る光触媒膜は、上記のように、
光触媒作用を有する金属酸化物を主体としたもの、特に
は、光触媒作用を有するアナターゼ形 TiO2 を主体(た
とえば重量比ど50%以上をアナターゼ形が占めている)
としたものが好ましい。ここで、光触媒作用を有する金
属酸化物としては、前記 TiO2 の外、たとえばWO3 ,La
RhO3 , FeTiO3 ,Fe2 O3 ,CdFe2 O 4 ,SrTiO 3 ,C
dSe,GaAs, GaP, RuO2 などの微粒子、もしくは2種
以上の微粒子混合系が挙げられる。
【0031】光触媒膜は、次のようにして容易に形成で
きる。たとえばテトライソプロピルチタネートモノマー
もしくはテトライソプロピルチタネートポリマーなどの
アルコキシチタネート系化合物の溶液を基体面に塗布焼
付けることによって、所要の光触媒体を形成できる。
【0032】また、たとえばチタンのアルコキシド溶液
に平均粒径 5〜10nm程度のアナターゼ型結晶の TiO2
粒子を懸濁・分散液を基体面に塗布し、焼成によってチ
タンアルコキシド成分から平均粒径 5nm未満の TiO2
結晶化させることなどによっても形成できる。この場
合、チタンアルコキシド成分で形成される光学系膜と同
程度の硬度、強度と、平均粒径 5〜70nmの TiO2 微粒子
のみで形成される光触媒膜と同程度の光触媒作用を備え
た光触媒体を形成できる。
【0033】さらに、アナターゼ形 TiO2 を主体とする
光触媒膜を形成する場合は、たとえばテトライソプロピ
ルチタネートモノマーを、グリセリンおよびアセチルア
セトンでキレート化した後、酢酸エチル−エタノール系
混合溶媒に加えて調整したアルコキジ系溶液を保護膜上
に塗布し、 700℃程度の温度で数時間焼成処理すること
により、アナターゼ形結晶の TiO2 微粒子を主体とした
光触媒膜を形成できる。 なお、前記結晶性 TiO2 など
を分散させる金属酸化物相は、一部もしくはすべてが非
晶質性あるいは多孔質性であってもよい。ここで金属酸
化物は、アナターゼ型結晶を主成分としたものが望まし
く、また、 TiO2 などの超微粒子(平均粒径 5nm未満程
度)、および結晶性 TiO2 微粒子(平均粒径 5〜70nm程
度)の混合組成比は、特に限定されないが、一般的に質
量比で 1: 4〜 4: 1程度がよい。 請求項1または請
求項2の発明では、基体面に SiO2 , TiO2 の少なくと
もいずれか1種を含む複合系の保護膜を介して光触媒膜
が設けられた構成を採っている。このため、保護膜は緻
密な膜・組織を成し高い強度を有する。また、ガラスな
どの基体からNa成分が光触媒膜に析出する現象も容易に
抑制されるので、光学的な特性の低減・劣化も回避され
る。つまり、全体的に馴染みがよく、すぐれた耐久性を
呈するだけでなく、光触媒作用の向上なども図られる。
【0034】請求項3の発明では、光触媒作用を有する
膜が、結晶性の TiO2 微粒子などと、光触媒作用を有す
る金属酸化物超微粒子の混合系膜としたことにより、す
ぐれた光触媒作用を呈する一方、基体に対する接着強度
(耐剥離性)も良好で脱離・損傷なども回避され、硬度
の高さと相俟って長期間に亘って安定した光触媒機能を
有する。
【0035】請求項4ないし請求項6の発明では、一般
的な光源などの使用において、前記のようなすぐれた耐
久性および良好な光触媒作用などを呈するだけでなく、
屈折率の相違に起因する乱反射なども回避され、光学的
特性も損なわれないので、高品質な白熱電球として機能
しながらその周辺部の清浄化なども行うことができる。
請求項7ないし請求項10の発明では、前記すぐれた光
触媒作用などを有する放電ランプであるため、照明用光
源としての使用で、消臭,殺菌(減菌)なども併せて行
うことができる。また、光源などとしての使用におい
て、前記のようなすぐれた耐久性および良好な光触媒作
用などを呈するだけでなく、屈折率の相違に起因する乱
反射なども回避され、光学的特性も損なわれないので、
高品質な放電ランプとして機能しながら、その周辺部の
清浄化なども行うことができる。
【0036】請求項11の発明では、前記のようなすぐれ
た耐久性および良好な光触媒作用などを呈するだけでな
く、屈折率の相違に起因する乱反射なども回避され、光
学的特性も損なわれない高品質な光源を備えたことによ
り、照明用光源として機能しながら、その周辺部の清浄
化なども行うことができる。
【0037】請求項12ないし請求項15の発明では、前記
のようなすぐれた耐久性および良好な光触媒作用などを
呈するだけでなく、屈折率の相違に起因する乱反射など
も回避され、光学的特性も損なわれない包囲体(制光体
を含む)を備えたことにより、照明器具として機能しな
がら、その周辺部の清浄化なども行うことができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下図1〜図11を参照して実施形
態を説明する。
【0039】実施形態1 図1は、光触媒体の構成例を断面的に示したもので、1
は基体(たとえばガラス板…波長 410nm以下の光を透過
する)、2は SiO2 および TiO2 の混合体である保護膜
(下地層)、3はチタンアルコレートをベースとして形
成された光触媒膜である。
【0040】次に、保護膜2および光触媒膜3の形成方
法を説明する。
【0041】先ず、エタノールおよびエチルセロソルブ
の混合溶媒に、 SiO2 微粉末およびTiO2 微粉末の 9:
1混合体を分散させて懸濁液を調製した。この懸濁液
を、予め用意しておいた厚さ 1mmのソーダライムガラス
片(30×30mm)1に浸漬・塗布し、 100℃× 0.5時間乾
燥して厚さ 0.1μm 程度の SiO2 − TiO2 複合系の保護
膜2を形成した。
【0042】一方、テトライソプロピルチタネートモノ
マーをグリセリンおよびアセチルアセトンでキレート化
したもの、ガラス質形成剤( P2 O5 )を、酢酸エチル
−エタノール系混合溶媒に加えて溶液化した混合溶液
を、ガラス片1の保護膜2を設けた面に塗布した後、 5
00℃×10時間焼成処理を施して、アナターゼ結晶型の T
iO2 微粒子および TiO2 相を主体とする膜厚 0.2〜 0.3
μm の光触媒膜3を作成する。
【0043】また、比較のため、前記平均粒径 7nm,比
表面積300m2 /g のアナターゼ結晶型の TiO2 微粒子を
分散・懸濁させた懸濁液(比較例1)、テトライソプロ
ピルチタネートモノマーのキレート化物を、ガラス質形
成剤( P2 O5 )とともに酢酸エチル−エタノール系混
合溶媒に加えて溶液化した溶液(比較例2)を、それぞ
れ実施形態の場合と同様の条件でソーダライムガラス片
に、塗布・焼成して光触媒体を作成した。
【0044】これらの光触媒膜面におけるタバコのヤニ
の吸着力(剥がれ易さ)%、紫外線放電ランプからの紫
外線照射(波長 365nm,0.16mW/cm2 )によるヤニの分
解力%、ヤニの分解率(分解/吸着)%および光触媒膜
の硬さをそれぞれ評価した結果を表1に示す。なお、吸
着力および分解力は、透過率の変化で行って実施形態の
場合を基準値として評価し、また硬さは鉛筆硬度で行っ
た。 上記特性例の評価から分かるように、本発明の光触媒体
は、タバコのヤニによる外界汚染に対してすぐれた清浄
化機能を呈するだけでなく、他の有機物、たとえばトイ
レの臭気の解消などにも有効であった。
【0045】このように本実施形態の光触媒体の場合
は、 TiO2 微粒子の塗布,焼き付けで形成した焼結型の
光触媒膜(比較例1相当)と少なくとも同程度の光触媒
作用を有する一方、チタンアルコキシドの熱分解で生成
・形成した光学系型の光触媒膜(比較例2相当)と同程
度の硬度を保持しており、耐久性などすぐれた光触媒膜
として機能する。
【0046】さらに、本実施形態の光触媒膜3は、ディ
ップ方式など簡単な成膜手段により、短時間で所要の膜
厚に形成することができる。これは、アルコレート懸濁
液が結晶性微粒子3aの周囲を覆いながら、基板1上の保
護膜2表面に拡散していくためである。このように、結
晶性微粒子を核として、アルコレート溶液のみを塗布す
る場合に比べて、1回の塗布工程で膜厚の光触媒膜3を
形成することができる。またさらに、光触媒膜3の膜厚
が厚くなると、結晶性微粒子は、支持基板1からの不純
物の影響を一層受けにくくなる。
【0047】なお、上記光触媒膜3の形成に当たって、
テトライソプロピルチタネートモノマーをグリセリンお
よびアセチルアセトンでキレート化したもの、ガラス質
形成剤( P2 O5 )を、酢酸エチル−エタノール系混合
溶媒に加えて溶液化した後、この混合溶液中に、平均粒
径 7nm,比表面積300m2 /g のアナターゼ結晶型の TiO
2 超微粒子を分散・懸濁させて調製した懸濁液を用いる
こともできる。
【0048】上記実施形態において、 SiO2 − TiO2
の複合保護膜2の代わりに、 SiO2−Al2 O 3 系もしく
は TiO2 −Al2 O 3 系などの複合保護膜を下地層とした
構成を採った場合も同様の作用効果が認められる。 実施形態2 先ず、図2に一部切り欠き断面的に示すハロゲン電球を
用意した。図2において、4は石英ガラスから成るバル
ブ、5は前記バルブ4の圧潰封止部、5a,5bは前記圧潰
封止部5に気密に埋設された一対の導入リード線(電気
導入手段)、6a,6bは前記導入リード線5a,5bに一端が
接続する内導体、7は前記内導体6a,6b間に装架された
タングステンコイルフィラメント、8は前記導入リード
線5a,5bに電気的に接続しながら圧潰封止部5に装着さ
れた口金である。
【0049】一方、エタノールおよびエチルセロソルブ
の混合溶媒に、 SiO2 微粉末およびTiO2 微粉末の 9:
1混合体を分散させて懸濁液を調製した。この懸濁液
に、ハロゲン電球を浸漬し、所定速度で引上げて塗布
後、 100℃× 0.5時間乾燥して厚さ 0.1μm 程度の SiO
2 − TiO2 複合系の保護膜9aを形成した。
【0050】他方、テトライソプロピルチタネートを有
機溶媒に溶解させ、テトライソプロピルチタネート含有
量 2〜10質量%、粘度約2.0 cps の溶液を調製した。次
に、前記保護膜9a付のハロゲン電球を、前記チタンアル
コレート系溶液を塗布,乾燥後、空気中,約 700℃で 5
分間焼成して、前記保護膜9aの外表(外周)面に、厚さ
0.2μm 程度の TiO2 膜(光触媒膜)9bを形成した。
【0051】このようにして、石英バルブ4の外表(外
周)面に SiO2 − TiO2 複合系の保護膜9aを介して設け
た厚さ 0.2μm 程度の TiO2 膜9bは、前記ハロゲン電球
内で生じ、石英バルブ4壁を透過して外表(外周)面に
到達した紫外線の約70%を透過しており、この紫外線や
光の透過によって、前記 TiO2 膜9bは光触媒として活性
な機能・作用を呈することが確認された。すなわち、有
機ガスとしてアセトアルテヒド濃度(1300 ppm)の雰囲
気下で、ハロゲンラ電球を点灯し、点灯時間の経過に伴
うアセトアルテヒド濃度の変化・低減を測定したとこ
ろ、実施形態1の場合と同様にすぐれた光触媒作用が認
められた。
【0052】また、このハロゲン電球は、 TiO2 膜(光
触媒膜)9bが光学膜を成しており、良好な帯電防止性を
有しているため、雰囲気中の細かい塵埃などの付着も回
避され、表面が清浄さを維持していた。すなわち、石英
バルブ4の外表(外周)面とTiO2 膜(光触媒膜)9bと
の間に SiO2 − TiO2 系の保護膜9aを介在させたことに
より、光触媒活性,膜強度および高い透過率(干渉色の
ない)を兼備した光触媒膜を有するハロゲン電球として
機能することを確認した。
【0053】上記光触媒膜の形成に当たって、前記テト
ライソプロピルチタネート溶液に、平均粒径 5nmの TiO
2 超微粉末(特にアナターゼを主成分としたものが好ま
しい)を添加・懸濁液化したものを用いることもでき
る。
【0054】なお、この実施形態において、 SiO2 − T
iO2 系の複合保護膜9aの代わりに、SiO2 −Al2 O
3 (もしくは ZrO2 )系、あるいは TiO2 −Al2 O
3 (もしくはZrO2 )系の複合保護膜を下地層とした構
成を採った場合も同様の作用効果が認められる。
【0055】実施形態3 図3に断面的に示す管形ハロゲン電球を用意した。図3
において、10は石英ガラスから成る管形バルブ、11は前
記管形バルブ10の圧潰封止部、 12a, 12bは圧潰封止部
11に気密に埋設された一対の導入リード線(電気導入手
段)、13は導入リード線 12a, 12b間に装架されたフィ
ラメントである。ここで、フィラメント13は発光部 13a
および非発光部 13bで構成され、サポーター 13cによっ
て管形バルブ10内壁面に非接触に支持されている。ま
た、14は接点 14aを有するベース部で、圧潰封止部11に
気密に埋設されたモリブデン箔 12a′, 12b′を介し
て、導入リード線 12a, 12bに電気的に接続されてい
る。
【0056】一方、前記実施形態2の場合と同一組成の
SiO2 微粉末および TiO2 微粉末の1: 1混合体を分散
させて懸濁液、およびテトライソプロピルチタネート系
溶液をそれぞれ用意した。次いで、実施形態2の場合と
同様の条件で、前記石英バルブ10の外表(外周)面に、
保護膜( SiO2 − TiO2 系膜)を厚さ0.25μm 程度,光
触媒膜( TiO2 膜)を厚さ0.25μm 程度順次形成し、耐
剥離性などがすぐれた光触媒系膜14を具備させた。
【0057】このようにして、石英バルブ10の外表(外
周)面に設けた光触媒系膜14は、ハロゲン電球内で生
じ、石英バルブ10壁を透過して外表(外周)面に到達し
た紫外線の約70%を透過しており、この紫外線や光の透
過によって、 TiO2 膜は光触媒として活性な機能・作用
を呈することが確認された。すなわち、有機ガスとして
アセトアルテヒド濃度(1300 ppm)の雰囲気下で、ハロ
ゲン電球を点灯し、点灯時間の経過に伴うアセトアルテ
ヒド濃度の変化・低減を測定したところ、前記実施形態
1の場合と同様に、すぐれた光触媒作用が認められた。
【0058】上記構成の管形ハロゲン電球15を、両端側
に電気的な接続装着部を備えたリフレクター16に組み込
み、図4に断面的に示すような、複写機用の読取り光源
部17を作成した。そして、この複写機用の読取り光源部
17を、図5に要部構成の概略を断面的に示すごとく、複
写機の原稿読取り部に装着し、複写機としての機能評価
を行った。図5において、18は露光用ユニットで、前記
読取り光源部17、原稿台ガラス19, 反射鏡20など構成さ
れている。また、21は前記反射鏡20で反射導光される光
を集光する指定レンズユニット、22は指定レンズユニッ
ト21からの光を受ける受光器、23は指定レンズユニット
21および受光器22を内装する暗室である。 この複写機
について、繰り返し所要の複写操作を行ったところ、前
記露光ユニット18の管形ハロゲン電球15表面は、清浄さ
が保持されており、信頼性の高い露光光源として機能す
ることが確認された。これは、露光ユニット18部におけ
る雰囲気に浮遊する汚染などの原因となる有機物が、管
形ハロゲン電球16表面の光触媒膜15に接触することによ
って、容易に酸化・分解して除去されるためである。
この実施形態では、管形ハロゲン電球15を露光ユニット
18の光源として組み込んだ複写機について説明したが、
トナー像を記録紙などに転写した後、定着用ユニットの
熱定着光源として組み込んでも、同様の作用・効果が認
められる。
【0059】また、この実施形態において、 SiO2 − T
iO2 系の複合保護膜9aの代わりに、SiO2 −Al2 O
3 (もしくは ZrO2 )系、あるいは TiO2 −Al2 O
3 (もしくはZrO2 )系の複合保護膜を下地層とした構
成を採った場合も同様の作用効果が認められる。
【0060】なお、本発明はこの実施形態に限定される
ものでなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの
変形を採り得る。たとえば、上記では白熱電球として、
一般的なハロゲン電球、事務機用などの管形ハロゲンラ
ンプを例示したが、車輛前照灯用のハロゲン電球、照明
装置などであってもよい。
【0061】実施形態4 この実施形態は3波長発光形の直管形蛍光ランプの場合
であり、図6 (a)は直管形蛍光ランプの斜視図、図6
(b)は一部を拡大した断面図、図7は直管形蛍光ランプ
を用いた照明器具の概略構成を示す側面図である。
【0062】蛍光ランプ本体は、 JIS規格でFL40SSと表
示される定格電力37 Wの蛍光ランプであり、24は直管形
を成す透光性気密容器としての発光管であって、この発
光管24は、バルブ外径が28mm、管長1198mm程度の大きさ
をなし、 300nm以上の紫外線を透過するガラス、たとえ
ばソーダライムガラスにて形成されている。そして,こ
の発光管24の両端部はステム25,25により封止されてお
り、これらステム25,25にはリード線26,26が気密に貫
通されている。また、前記リード線26,26には、タング
ステンワイヤなどにより2重コイルに形成された電極手
段としてのフィラメント電極27,27が取付けられてお
り、図示しないエミッタが塗布されている。 さらに、
前記発光管24の外周面(外表面)には全面に亘り光触媒
系膜28が形成されている。ここで、光触媒系膜28は、 S
iO2 − TiO2 複合系の保護膜 28aと、たとえば平均粒径
5〜 7nmのアナターゼ型結晶 TiO2 微粒子および平均粒
径 5nm未満の TiO2 超微粒子の混合系 28bで形成されて
いる(超微粒子相に結晶性微粒子が分散した状態)。つ
まり、前記実施形態1の場合と同様の条件で調製した2
種の溶液・懸濁液に、前記蛍光ランプを順次浸漬して外
周面(外表面)に SiO2 − TiO2 複合系の保護膜 28aを
塗布、形成後、チタンアルコレート系溶液を塗布、乾燥
( 150℃で約 5分間保持)させることによって、耐剥離
性が良好な平均0.2μm 厚み光触媒系膜28を発光管24の
外表面に形成する。
【0063】また、この実施形態では、水銀から放出さ
れた紫外線により励起されて可視光に変換する蛍光体層
29を、たとえば3波長発光形蛍光体、および水銀から放
出された紫外線により励起されて 300nm〜 400nmの紫外
線を発する蛍光体の混合体で構成した。ここで、3波長
発光形蛍光体はしては、たとえば 610nm付近にピーク波
長を有する赤系蛍光体として Y2 O 3 :Eu、 540nm付近
にピーク波長を有する緑系蛍光体として(La,Ce,Tb)PO
4 、 450nm付近にピーク波長を有する青系蛍光体として
BaMg2 Al16O 27:Euが用いられている。
【0064】紫外線発光蛍光体としては、ユーロピウム
付活アルカリ土類金属硼酸塩、鉛付活アルカリ土類珪酸
塩、ユーロピウム付活アルカリ土類金属リン酸塩、セリ
ウム付活希土類リン酸塩、またはユーロピウム付活アル
カリ土類金属ホウ酸塩にハロゲンが添加された蛍光体の
少なくとも1種類以上が用いられている。ユーロピウム
付活アルカリ土類金属硼酸塩としては、たとえば 368nm
にピーク波長をもつSrB4 O7 :Eu2+が有効であり、鉛
付活アルカリ土類珪酸塩としては 370nmにピーク波長を
もつ(Ba,Sr,Mg)3 Si2 O7 :Pb2+や 350nmにピーク波
長をもつBaSi2O5 :Pb2+などが好適である。
【0065】さらに、前記発光管24内には所定量の水銀
とアルゴンガスなどの不活性ガスが封入されており、ま
た、発光管24の端部には口金ピン30を突設させた口金31
が被着されている。そして、前記口金ピン30は前記リー
ド線26,26を介してフィラメント電極(放電電極)27,
27に接続されている。
【0066】前記構成の蛍光ランプ32を、たとえば図7
に示すような照明器具本体に取り付けて照明器具を構成
することができる。すなわち、図7において33は天井直
付け形照明器具の本体であり、この照明器具本体33の長
手方向両端にはランプソケット34,34が相互に対向して
配置されている。これらソケット34,34間に、前記蛍光
ランプ32を、その口金31,31の口金ピン30を係合させて
取り付けられ、照明器具を構成している。なお、照明器
具本体33には、蛍光ランプ32を点灯させるための安定器
35を含む点灯回路が収容されており、前記蛍光ランプ32
は安定器35を介して点灯される。
【0067】次に、前記構成の蛍光ランプおよび照明器
具の作用を説明する。
【0068】蛍光ランプ32を点灯すると電極27,27間の
アーク放電により水銀蒸気が水銀特有の 185nmおよび 2
54nmの紫外線を放出し、この紫外線は蛍光体層29を励起
する。この場合、蛍光体層29は3波長発光形蛍光体およ
び 300nm〜 400nmの紫外線を発する蛍光体を混合体で形
成されている。したがって、3波長発光形蛍光体が3波
長域にピーク波長を有する可視光を発するとともに、紫
外線発光蛍光体が 300nm〜 400nmの紫外線を発する。そ
して、3波長発光形蛍光体によって発せられた可視光は
発光管24の壁および SiO2 − TiO2 系の保護膜 28aを透
過し、 TiO2 の混合膜 28bを透過して外部に放出され、
所定の可視光量が得られので、所定の明るさに照らすこ
とができる。
【0069】一方、紫外線発光蛍光体が 300nm〜 400nm
の紫外線を発するので、この紫外線は発光管24の壁をお
よび SiO2 − TiO2 系の保護膜 28aを透過し、 TiO2
主成分とする光触媒膜 28bに達する。このため TiO2
紫外線を吸収し、光触媒作用で TiO2 の内部に電子とホ
ールを生させるとともに、このホールを移動させて表面
において電子移動反応を起こし、このホールがほぼバン
ドギャップ(3.0 eV)分のエネルギーだけ電子を引き抜
く力、すなわち酸化力をもち、表面に付着した物質を酸
化させる。したがって、環境を汚染している臭気,有機
物などを、より効率的に酸化・分解するように機能し
た。すなわち、この蛍光ランプにおいては、光触媒活
性,膜強度および高い透過率(干渉色のない)を兼ね備
えた光触媒膜を有する光源として機能することを確認し
た。
【0070】たとえば、臭気(アセトアルデヒド濃度13
00 ppm)を有する密閉型の雰囲気下で、前記照明装置を
点灯して、点灯時間とアセトアルデヒド濃度の変化を測
定したところ、 1時間後 300 ppm,24時間後 5 ppm程度
とすぐれた触媒機能を呈することが確認された。
【0071】上記のように、光触媒膜 28bは、表面に付
着した物質を効率よく酸化・分解させることができた
め、たとえばメチルメルカプタン、硫化水素などの硫黄
化合物、アンモニアなどの含窒素化合物、アルデヒド類
などの分解が促され、臭気物質の分解による消臭作用も
容易に奏する。また、同じく強い酸化作用により、細菌
を含む雑菌の殺菌作用、汚れなどの浄化、たとえば煙草
のヤニを分解するなどの作用も容易に生じる。
【0072】また、上記実施形態において、 SiO2 − T
iO2 系の複合保護膜 27aの代わりに、 SiO2 −Al2 O 3
(もしくは ZrO2 )系、あるいは TiO2 −Al2 O 3 (も
しくは ZrO2 )系の複合保護膜を下地層とした構成を採
った場合も同様の作用効果が認められる。
【0073】なお、本発明はこの実施形態の構造に制約
されるものではない。たとえば、上記実施例では可視光
を発する蛍光体として3波長発光形蛍光体を用いたが、
本発明はこれに限らず、ハロリン酸カルシウム蛍光体
や、その他蛍光ランプに使用されている通常の蛍光体で
あってもよい。また、蛍光ランプは図8に斜視的にしめ
すように、直管形蛍光ランプ、環形蛍光ランプ、U字
型、W字型に限らず、H字、鞍形などのような屈曲形蛍
光ランプなどであってもよい。
【0074】実施形態5 図9は、紫外線を放出する光源、たとえば高圧水銀蒸気
放電灯に制光体(もしくは包囲体)を組み合わせた照明
器具の概略構成を示す断面図である。図9において、36
は電源側に一端が接続する外部リード部37およびソケッ
ト部38などを装着した器具本体である。また、39は前記
器具本体36のソケット部38に装着された高圧ナトリウム
ランプ、40は高圧ナトリウムランプ39に沿って配置内装
された反射板であり、この反射板40は前記器具本体36に
取り付けられた支持枠41によって支持・固定されてい
る。さらに、42は前記器具本体36と組み合わせられて透
光性カバーを形成する紫外線透過性のグローブ、たとえ
ばソーダライムガラス製のグローブであり、この外表面
に光触媒系膜43が設けられている。ここで、前記光触媒
系膜43は、実施形態1の場合と同一組成の、 SiO2 粉末
− TiO2 粉末系の懸濁液と、テトライソプロピルチタネ
ート系溶液とを、前記ソーダライムガラス製グローブ42
の側外表面に、実施形態1の場合と同様の条件で順次塗
布,乾燥、空気中での焼成などを施して、厚さ 0.3μm
程度の膜厚に形成されている。
【0075】このように構成された照明器具は、高圧ナ
トリウムランプ39の点灯で、高圧ナトリウムランプ39か
ら放出された紫外線がソーダライムガラス製グローブ42
を透過し、外表(外周)面に到達して前記光触媒系膜43
は、光触媒として活性な機能・作用を呈することが確認
された。すなわち、有機ガスとしてアセトアルテヒド濃
度(1300 ppm)の雰囲気下で、照明器具を点灯し、点灯
時間の経過に伴うアセトアルテヒド濃度の変化・低減を
測定したところ、すぐれた光触媒作用が認められた。換
言すると、光触媒活性,膜強度および高い透過率(干渉
色のない)を兼ね備えた光触媒作用を有する照明器具と
して機能することを確認した。ここで、透光性カバーが
平板状であってもよい。
【0076】なお、この実施形態においては、ソーダラ
イムガラス製グローブ42からのNa析出が低減され、光触
媒作用が向上することが確認された。
【0077】また、図10に透視的に示すごとく、反射膜
44付きのレフランプのバルブ45の頂面に、前記手法に準
じて光触媒系膜(保護膜−光触媒膜)46を形成して、照
明器具に装着して点灯評価を行ったところ、光触媒活
性,膜強度および高い透過率を兼備した光触媒系膜を有
するレフランプとして機能することを確認した。なお、
図10において、47は E型口金、48はフィラメントをそれ
ぞれ示す。
【0078】
【発明の効果】請求項1ないし請求項3の発明によれ
ば、光触媒系膜の薄膜化および良好な透過性化を図りな
がら、一方では、光触媒膜の活性および硬度が高く、か
つ支持基体に対する密着力もしくは接着力も高くて、長
期間に亘って所要の光触媒作用を呈する清浄化用の光触
媒膜が提供される。
【0079】請求項4ないし6の発明によれば、白熱電
球が光学的特性の良好な光源として機能しながら、一方
では、点灯・使用雰囲気中の有機成分などを、加熱冷却
サイクルを含めて長期間に亘って、安定的かつ容易に酸
化・分解除去し得るので、殺菌もしくは減菌、臭気の除
去(脱臭)などが要望される居住空間、たとえば病院用
光源として有効な光源の提供が可能である。
【0080】請求項7ないし10の発明によれば、放電ラ
ンプが光学的特性の良好な光源として機能しながら、一
方では、点灯・使用雰囲気中の有機成分などを、加熱冷
却サイクルを含めて長期間に亘って安定的、かつ容易に
酸化・分解除去し得るので、殺菌もしくは減菌、臭気の
除去(脱臭)などが要望される居住空間、たとえば病院
用光源として有効な光源の提供が可能である。
【0081】請求項11の発明によれば、一般照明用とし
て機能しながら、前記請求項3ないし10の発明で見られ
るような作用・効果を呈するので、その実用性がさらに
助長される。
【0082】請求項11ないし15の発明によれば、照明器
具に装着した光源が紫外線放射源として有効に機能する
一方、点灯・使用雰囲気中の有機成分などを、加熱冷却
サイクルを含めて長期間に亘って安定的、かつ容易に酸
化・分解除去し得るので、殺菌もしくは減菌、臭気の除
去(脱臭)などが要望される居住空間、たとえば病院用
光源として有効な照明器具の提供が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光触媒体の一実施形態を示す要部断面
図。
【図2】本発明の白熱電球の一実施形態の構造を示す一
部切り欠き断面図。
【図3】本発明の管型白熱電球の一実施形態の構造を示
す断面図。
【図4】本発明に係る照明器具の一実施形態の構造を示
す断面図。
【図5】本発明に係る照明器具の応用例である複写機の
要部構造を示す断面図。
【図6】(a)は本発明の蛍光ランプの一実施形態の構造
を示す一部切り欠き断面図、 (b)は一部拡大断面図。
【図7】本発明に係る照明器具の他の実施形態の構造を
示す側面図。
【図8】(a), (b), (c)は本発明の蛍光ランプの他の
変形形態の構造を示す斜視図。
【図9】本発明に係る照明器具のさらに他の実施形態の
概略構造を示す断面図。
【図10】本発明に係る白熱電球の他の実施形態の構造
を示す透視図。
【符号の説明】
1……基体 2,9a, 28a……保護膜(下地槽) 3,9b……光触媒膜 4,10,24,45……透光性気密容器(発光管,ガラスバ
ルブ) 9,14,28,43,46……光触媒系膜(保護膜−光触媒
膜) 33……照明器具本体 39……光源 41……反射板 42……透光性カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石崎 有義 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝 ライテック株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜形成面を有する基体と;前記膜形成面
    に設けられた TiO2 および SiO2 のうち少なくとも1種
    を含む2種以上から成る複合系の保護膜と;保護膜面上
    に設けられた光触媒作用を有する金属酸化物を主体とし
    た光触媒膜と;を具備していることを特徴とする光触媒
    体。
  2. 【請求項2】 保護膜が TiO2 − SiO2 系の膜であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光触媒体。
  3. 【請求項3】 光触媒膜が光触媒作用を有する TiO2
    主体として形成されたことを特徴とする請求項1または
    請求項2記載の光触媒体。
  4. 【請求項4】 少なくとも 410nm以下の波長の光が透過
    可能な光透過性を有するバルブと;バルブ内に封装され
    た発光フィラメントと;バルブ内の発光フィラメントの
    両端にそれぞれ一端が接続されるとともに他端がバルブ
    外に気密に導出された電気導入手段と;バルブ外周面に
    設けられた TiO2 および SiO2 のうち少なくとも1種を
    含む2種以上から成る複合系の保護膜と;保護膜面に設
    けられた光触媒作用を有する金属酸化物を主体とした光
    触媒膜と;を具備していることを特徴とする白熱電球。
  5. 【請求項5】 保護膜が TiO2 − SiO2 系であることを
    特徴とする請求項4記載の白熱電球。
  6. 【請求項6】 光触媒膜が光触媒作用を有する TiO2
    主体として形成されていることを特徴とする請求項4ま
    たは請求項5記載の白熱電球。
  7. 【請求項7】 内部に放電媒体が封入され、かつ少なく
    とも 410nm以下の波長の光が透過可能な透光性気密容器
    と;透光性気密容器内に放電を生起させる電極手段と;
    透光性気密容器の外周面に設けられた TiO2 および SiO
    2 のうち少なくとも1種を含む2種以上から成る複合系
    の保護膜と;保護膜面に設けられた光触媒作用を有する
    金属酸化物を主体とした光触媒膜と;を具備しているこ
    とを特徴とする放電ランプ。
  8. 【請求項8】 保護膜が TiO2 − SiO2 系であることを
    特徴とする請求項7記載の放電ランプ。
  9. 【請求項9】 光触媒膜が光触媒作用を有する TiO2
    主体として形成されていることを特徴とする請求項7ま
    たは請求項8記載の放電ランプ。
  10. 【請求項10】 透光性気密容器内壁面に蛍光体層が設
    けられていることを特徴とする請求項7ないし請求項9
    いずれか一記載の放電ランプ。
  11. 【請求項11】 請求項4ないし請求項10いずれか一記
    載の光源と;光源を装着する器具本体と;を具備してい
    ることを特徴とする照明器具。
  12. 【請求項12】 光源と;光源に対して配設され少なく
    とも 410nm以下の波長の光が透過可能な透光性カバー
    と;光源からの光が到達する透光性カバーの少なくとも
    一部に設けられた TiO2 および SiO2 のうち少なくとも
    1種を含む2種以上から成る複合系の保護膜と;保護膜
    面に設けられた光触媒作用を有する金属酸化物を主体と
    した光触媒膜と;を具備していることを特徴とする照明
    器具。
  13. 【請求項13】 光源と;光源に対して配設された反射
    体と;反対体の少なくとも一部に設けられた TiO2 およ
    び SiO2 のうち少なくとも1種を含む2種以上から成る
    複合系の保護膜と;保護膜面に設けられた光触媒作用を
    有する金属酸化物を主体とした光触媒膜と;を具備して
    いることを特徴とする照明器具。
  14. 【請求項14】 保護膜が TiO2 − SiO2 系であること
    を特徴とする請求項12または請求項13いずれか一記載の
    照明器具。
  15. 【請求項15】 光触媒膜が光触媒作用を有する TiO2
    を主体として形成されたことを特徴とする請求項11ない
    し請求項14いずれか一記載の照明器具。
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