JPH09313886A - 燃焼排ガス処理装置 - Google Patents

燃焼排ガス処理装置

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JPH09313886A
JPH09313886A JP8130214A JP13021496A JPH09313886A JP H09313886 A JPH09313886 A JP H09313886A JP 8130214 A JP8130214 A JP 8130214A JP 13021496 A JP13021496 A JP 13021496A JP H09313886 A JPH09313886 A JP H09313886A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物の燃焼による高温排ガス中に含まれて
いる腐蝕性の強いHClおよびばいじんを低濃度まで効
率良く除去し、これによって過熱蒸気温度を高めて高効
率発電を達成することができ、同時に脱硝設備を最適の
排ガス温度域に設置して脱硝効率の向上と省エネルギー
化とを図る。 【解決手段】 廃棄物焼却炉1における燃焼室直後の燃
焼排ガス煙道2内にセラミックフィルター3を設けると
ともに、前記燃焼室内にアルカリ金属水酸化物の水溶液
を投入し、かつ煙道2内に、蒸気過熱器4を備えるボイ
ラ5と節炭器7と、これらボイラ5と節炭器7との間に
触媒脱硝装置6を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物焼却炉より
排出される燃焼排ガスを処理する装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】我が国における都市ごみ処理は、過去3
0年来、焼却方式によるものが主流を占めている。この
焼却方式の中でも階段式ストーカ方式,流動床方式など
が普及し、技術的に著しい進歩を遂げてきた。一方、都
市ごみの性状としては、生活様式の向上や、大都市部に
おける経済活動の活発化に伴って大幅に変化し、往時の
厨芥を主体とした低発熱量のものから、プラスチック
類,紙などの増加による高発熱量のものへと変化してき
ている。
【0003】このような都市ごみにおける質の変化と、
公害防止,地球環境問題,省エネルギー,省資源などの
社会的および経済的要請とが相俟って、都市ごみ焼却プ
ラントでは、排ガス処理および廃水処理の完備ととも
に、焼却によって発生した余剰熱エネルギーを火力発電
と同様の方式で、言い換えれば代表的にはボイラ,蒸気
タービン,発電機の組み合わせによって発電し、焼却プ
ラント場内の電力は勿論、場外への売電を実現してきて
いる。
【0004】ただ、都市ごみ焼却プラントでの発電にお
いては、焼却排ガス中に含有する通常300〜1500
ppmの塩化水素(HCl)ガスと、3〜6g/Nm3
含まれているばいじん中の腐蝕成分との共同腐蝕により
強烈な腐蝕を起こすことが知られている。このごみ焼却
炉における温度と腐蝕との関係を示す代表的データとし
て、図5(K,Fassler,et al,“Kor
rosion anMullverbrennungs
kesseln”,MITTELUNGEN DER
VGB 48 Heft April(1968))
に示されるものがある。このデータから明らかなよう
に、管壁温度が150℃以下で低温腐蝕が起こり、32
0℃以上で高温腐蝕が起こる。この腐蝕を避けるため
に、我が国では、都市ごみ焼却プラントでの廃熱ボイラ
は、270℃,25kg/cm2 付近が採用されてき
た。このため、発電効率は10〜13%程度に留まり、
最近の事業用火力発電所の発電効率40%には遠く及ば
ない。
【0005】勿論、都市ごみ焼却プラントにおける発電
効率を高めるための工夫はいろいろと行われている。例
えば過熱蒸気管の材質を耐蝕性の高いものにして過熱蒸
気温度を400℃〜435℃まで高めることや、腐蝕原
因物質であるHClガスを中和するために炉内にNa2
CO3 やCaCO3 等のアルカリ剤を噴霧することや、
同じく腐蝕原因物質であるばいじんをより少なくする
か、あるいは蒸気管壁に付着しにくくするための燃焼技
術の改善や、ボイラ構造の改善などの努力である。ま
た、最も腐蝕を起こし易い過熱蒸気管を消耗部品として
交換し易くしたり、同管の外部にキャスタブル耐熱材を
被覆するという提案もある。しかし、いずれの対策にお
いても、根本的に腐蝕を防止することができなかった
り、建設費や維持費が高価なものになるという問題点が
ある。
【0006】一方、都市ごみ焼却炉の排ガス中には10
0〜150ppmの窒素酸化物(NOx )が含まれてお
り、環境対策上その窒素酸化物を100ppm未満に抑
えることが普及してきており、このために燃焼排ガス煙
道内に脱硝設備が設けられる。この脱硝方法としては、
無触媒還元法,低酸素燃焼制御法等があるが、最近、高
除去率が要求される場合には、触媒使用による選択接触
還元法が用いられるようになっている。この触媒使用の
場合には、閉塞もしくは被毒を避けるために、前記脱硝
設備は、乾式HCl除去,バグフィルター等によるばい
じん除去もしくは湿式ガス洗浄の後に設置され、この脱
硝設備における触媒の能力を発揮させるために排ガスの
再加熱が行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、事業用
火力発電所に比べて都市ごみ焼却炉での発電効率が低い
のは、都市ごみの焼却によって生じる排ガス中に腐蝕性
物質であるHClやばいじんが含まれており、腐蝕性の
最も著しい温度範囲が320℃〜700℃の範囲であっ
て、高効率発電のために必要な過熱蒸気温度をこの温度
範囲に選ぶことができないからである。
【0008】腐蝕性物質の中でも特に問題となるHCl
ガスは、排ガスの低温領域では除去技術が確立されてい
るが、高温領域においては腐蝕を起こさない程度にまで
予め除去する技術は未だ確立されていないのが実情であ
る。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、廃棄物の燃焼による高温排ガス中に含まれて
いる腐蝕性の強いHClおよびばいじんを低濃度まで効
率良く除去することができ、これによって過熱蒸気温度
を高めて高効率発電を達成することができ、同時に脱硝
設備を最適の排ガス温度域に設置して脱硝効率の向上と
省エネルギー化とを図ることのできる燃焼排ガス処理装
置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用・効果】前述の
目的を達成するために、本発明による燃焼排ガス処理装
置は、廃棄物焼却炉における燃焼室直後の燃焼排ガス煙
道内にセラミックフィルターを設けることを特徴とする
ものである。
【0011】本発明においては、廃棄物焼却炉における
燃焼室で発生した高温排ガス中に含まれている腐蝕性の
強いHClおよびばいじんをセラミックフィルターによ
って高温状態のまま除去することができる。したがっ
て、このセラミックフィルターを通過後の高温ガス中に
はもはやボイラの過熱器を激しく腐蝕させる腐蝕成分が
除かれているので、高効率発電を行えるような高温,高
圧の過熱蒸気を発生させることができる。
【0012】また、触媒を使用する脱硝設備を、ボイラ
の後方で触媒の性能を発揮し易い排ガス温度領域で、か
つ触媒被毒の原因となるSOx を除去した後に設置する
ことができる。
【0013】さらに、セラミックフィルターによってH
Clおよびばいじんが除去されるので、通常必要とされ
る排ガス処理設備、例えば電気集塵器,バグフィルター
もしくは湿式・乾式のHCl除去装置などを必要とせ
ず、たとえ高度の処理のために必要とする場合でもその
負荷を著しく軽減することができる。
【0014】本発明においては、前記燃焼室内にアルカ
リ金属水酸化物の水溶液を投入するのが好ましい。この
アルカリ金属水酸化物の代表的なものとして例えば苛性
ソーダ水溶液を燃焼室内に噴射すると、高温状態のま
ま、HClをNaClに、SO x をNa2 SO4 に転化
させ、次いでそれらNaCl,Na2 SO4 をばいじん
と共にセラミックフィルターを通して高温状態のまま濾
過することができる。また、高度の脱硝が要求される場
合に、触媒使用による選択接触還元脱硝装置が設置され
るが、この場合、アルカリ金属水酸化物の投入によっ
て、NOx 値が約30パーセント低減できて脱硝装置を
小型化し得るとともに、この脱硝装置をボイラ直後の排
ガス温度約300℃のゾーンに設置することができるの
で排ガス再加熱を行うことなしに触媒の最高性能を発揮
することができる。
【0015】また、前記煙道内に、蒸気過熱器を備える
ボイラと節炭器とを設けるとともに、これらボイラと節
炭器との間に触媒脱硝装置を設けるのが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明による燃焼排ガス処
理装置の具体的実施例につき、図面を参照しつつ説明す
る。
【0017】図1に、本発明の一実施例に係る燃焼排ガ
ス処理装置の全体構成図が示されている。本実施例は、
都市ごみを焼却する廃棄物焼却炉1に適用されるもので
ある。この都市ごみの中には種々の形で塩素化合物が含
まれている。この塩素化合物の代表的なものとして、ポ
リ塩化ビニル(PVC)等のプラスチック類に含まれる
有機塩素化合物と、厨芥等に含まれている塩化ナトリウ
ム(NaCl)に代表される無機塩化化合物とがある。
【0018】このような都市ごみを焼却炉1で焼却する
と、有機塩素化合物のほぼ全量と、無機塩素化合物の一
部とが塩化水素ガス(HCl)の形で燃焼排ガス中に放
散する。この塩化水素ガスの濃度は、ごみの発生源によ
って異なるが、ほぼ300〜1500ppmであること
が知られている。このHClガスが同時に発生するばい
じんと共に共同腐蝕を起こす原因物質となる。都市ごみ
焼却炉では、臭気対策等の理由により、燃焼排ガス温度
が750℃以上に保たれるが、この高温排ガスより蒸気
ボイラ等で熱回収を図る場合に、図5に示されるような
管壁温度範囲において激しい腐蝕を起こすことになる。
【0019】本実施例では、前記高温燃焼ガス中のHC
lガスを除去するために、焼却炉1の燃焼室内の比較的
下部、好ましくはストーカ式炉の場合ストーカ上方で、
燃焼室に入るのど元付近の1か所もしくは複数か所にお
いて、アルカリ金属水酸化物、最も好ましくは苛性ソー
ダ(NaOH)の1〜3パーセント水溶液が噴射され
る。
【0020】こうして噴射された苛性ソーダ水溶液は、
高温により水分を蒸発させつつ燃焼ガス中のHClガス
と化学反応してNaClとなる。このNaClは高温状
態ではその一部が再びHClガスとなるが、その量は極
めて少ない。ここで加えるべき苛性ソーダの量は、ガス
中のHClの量に対して当量程度であることが最も好ま
しい。本発明者らが実燃焼炉において実施したテストに
よれば、NaOHの2%水溶液をHClに対して当量だ
け投入し、HClの90パーセントをNaClに転換
し、余剰のNaOHによってNOx の約30%およびS
x の約60〜70%を同時に低減できることが確認さ
れた。このことから、投入されたNaOHはHClに対
してのみならず、他のNOx やSOx のような酸性物質
にも有効に作用し、消費されていることがわかる。この
ことは、後述の脱硝装置6および排ガス処理設備8の負
担軽減にも役立つものである。
【0021】前述のようなNaOHの噴射によりHCl
の大部分がNaClに転換され、ばいじんを含む高温の
燃焼排ガスは煙道2に入る。この煙道2の最上流部には
セラミックフィルター(高温フィルター)3が設置され
ており、このセラミックフィルター3により高温状態の
まま、HClより転化されたNaClおよびSOx より
転化されたNa2 SO4 がばいじんと共に濾過される。
【0022】このセラミックフィルター3の具体例が図
2,図3に示されている。ここで、図2はセラミックフ
ィルター3のアセンブリーの模式図であり、図3はフィ
ルター管の部分拡大図である。図示のように、このセラ
ミックフィルター3においては、耐熱材で内面を覆われ
た円筒型もしくは角柱型容器で構成されるシェル31内
の上下にそれぞれ隔壁32,32が設けられ、これら隔
壁32,32間に多数本のフィルター管33が千鳥状も
しくは碁盤目状に懸け渡され、一側部にガス入口34
が、上下にガス出口35,35がそれぞれ設けられてい
て、全体としてシェルアンドチューブ式熱交換器の如き
形状とされている。なお、必要に応じ邪魔板が設けられ
る。また、前記フィルター管33の配置は縦型であって
も、横型であっても良い。また、出口35はフィルター
管33の両側にあっても良く、片方を盲にして片側だけ
にあっても良い。
【0023】図3に示されているように、前記フィルタ
ー管33は、通常、円筒形状とされるとともに、多孔性
のセラミックで構成される。一例として、このフィルタ
ー管33の外径を100mm,厚さを10mmとするこ
とができる。また、高温排ガス温度が通常750℃〜8
00℃であることから、セラミックの耐熱性としては1
000℃程度であれば良い。さらに、孔径はばいじんの
粒度からみて3μ程度であれば良く、濾過速度を0.5
〜1.5m/minとすることによって、ばいじんを3
〜6g/Nm3 から10〜50mg/Nm3 以下に落と
すことができる。なお、通常、高温排ガスはフィルター
管33の管外面より内面に通過させる。
【0024】このように構成されるセラミックフィルタ
ー3において、NaClおよびばいじんを含む高温燃焼
排ガスは入口34よりシェル31に入り、高温排ガス中
の気体成分(N2 ,O2 ,CO2 ,H2 Oおよびその他
少量・微量成分ガス体)はフィルター管33を経て出口
35が出る。このとき、固体のNaClおよびばいじん
はフィルター管33を通過することができず、このフィ
ルター管33の外部に付着するか、あるいは下方に落下
する。
【0025】前記フィルター管33は使用中にばいじん
が外壁に滞留して目詰まりを起こすことがあるので、清
浄な排ガスもしくは空気で逆洗することが必要である。
また、この逆洗作業のために、フィルターアセンブリー
は2個もしくはそれ以上を並列設置し、1個の逆洗中に
他を運転するようにするのが良い。
【0026】このようにしてセラミックフィルター3を
通過して清浄になった排ガスは、750℃〜800℃の
高温を保持し、ばいじん量が10〜50mg/Nm3
なり、HClガスは既に90%以上がNaClに転化し
ているので、例えば当初1000ppmレベルの排ガス
の場合でも、100ppm以下のレベルに低下してい
る。この含有レベルでは、もはやHClガスとばいじん
との共同腐蝕も激しいものではない。したがって、この
セラミックフィルター3の後流側にボイラ5の過熱器
(スーパーヒーター)4を配置することにより500℃
レベルの高温高圧の過熱蒸気を発生させることができ
る。こうして、タービンおよび発電機よりなる発電設備
10による高効率発電(発電効率20〜40%レベル)
を実現することができる。
【0027】この過熱器4を通過後の排ガスはボイラ5
に入り、300℃レベルまでその温度を下げる。この排
ガスは過熱器4の中は勿論のこと、ボイラ5内において
も清浄であるため、腐蝕もしくはばいじん付着の不具合
が大幅に軽減される。
【0028】次に、このボイラ5を出た300℃レベル
の排ガスは脱硝装置6に入る。この脱硝装置6は、触媒
毒となるSOx およびばいじん成分が少ないことと、触
媒が最も効果的にその能力を発揮し得る300℃レベル
の排ガス温度であることから、高度脱硝のための触媒使
用による選択接触還元脱硝装置を設置する場合に特に効
果的である。したがって、従来のように排ガス処理装置
の末尾に設け、しかもガス再加熱の必要がない。また、
NaOHを焼却炉1の燃焼室へ投入したことにより、N
x 値は通常の100〜150ppmレベルより約30
%低減され、60〜90ppmレベルとなっているの
で、従来に比べて脱硝装置を小型化することができる。
この脱硝装置6をボイラ5の直後に配置し得るのも、本
発明の大きな特徴である。
【0029】この脱硝装置6から出た排ガスはなお30
0℃レベルの温度を保持しているので、この脱硝装置6
の後流側にボイラ5の節炭器(エコノマイザー)7を設
置し、熱回収によってボイラ給水を加熱するのが良い。
また、この節炭器7を出た排ガスは、それまでの熱回収
によって200℃レベルの温度まで低下しており、かつ
ばいじんは10〜50mg/Nm3 まで、HClガスは
100ppm以下のレベル(当初1000ppmの排ガ
スの場合)まで低下している。この節炭器7の後流側に
は補足的に排ガス処理設備8として湿式もしくは乾式の
HCl除去装置が設けられる。そして、この排ガス処理
設備8により処理されたガスは煙突9から大気に放出さ
れる。
【0030】なお、本発明者らによる実機テストの結
果、NaOHの燃焼室内への投入によりダイオキシン類
の発生が抑制されることが発見されたが、高温フィルタ
部の通過速度が遅く、ダイオキシンが分解されること
と、HClガスを除去することによって300℃付近で
二次的に発生するダイオキシン類がないことによると考
えられる。しかし、最も厳しくダイオキシン類を抑制し
なければならない場合には、排ガス処理設備8の一つと
して活性炭等によりダイオキシン除去装置を設けること
ができる。しかし、本実施例の燃焼排ガス処理装置によ
り、プラント末尾に設けるべき排ガス処理設備8は大幅
に縮小し得るか、あるいは設置不要となる。少なくと
も、ばいじん除去装置としての例えば電気集塵器もしく
はバグフィルターは必要としない。
【0031】本実施例においては、焼却炉1の中で75
0℃以上に達した燃焼ガスをそのまま煙道2に排出する
ものとしたが、焼却炉1の燃焼室壁にボイラ5の一部を
構成する水冷壁を設けて熱回収を行うこともできる。た
だし、この熱回収量は、高効率発電を行うためのボイラ
5と過熱器4との関連において設計しなければならず、
また水冷壁面温度は腐蝕を起こさない200℃〜300
℃の範囲内になるようにしなければならない。
【0032】本実施例において、焼却炉1は、ストーカ
式であっても、流動床式であっても、ロータリーキルン
式であっても、乾留溶融炉式であっても良い。また、廃
棄物は都市ごみに限らず、塩素化合物、特に有機塩素化
合物を含有する各種産業廃棄物(固体,液体)であって
も良い。
【0033】本実施例においては、燃焼室内に投入する
アルカリ金属水酸化物水溶液としてNaOH(苛性ソー
ダ)を用いるものを説明したが、このNaOHのみなら
ず、KOH,Mg(OH)2 であっても良い。また、N
aClも僅かではあるが効果がある。しかしながら、技
術的および経済的にみてNaOHが最も好ましい材料物
質である。ここで、NaOHの量はHClに対し当量程
度が最も好ましいが、同時にNOx およびSOx 等の酸
性物質も相当量除去し得ることから、これらNOx およ
びSOx 等の排ガス中の存在量の多寡により前記当量比
を変化させても良い。
【0034】セラミックフィルター3の形状は、製作と
強度の許す範囲において、外径を増減させ、あるいは厚
さを増減(好ましくは減少)させても良い。また、板状
に製作してプレート型熱交換器と同様の形状としても良
い。また、本実施例では、このセラミックフィルター3
の目詰まり対策として、ガス体による逆洗について説明
したが、その他、機械的洗浄,液体洗浄,表面活性剤溶
液による洗浄を単独または併用して使用しても良い。さ
らに、このセラミックフィルター3のアセンブリーとし
ては、並列配置と直列配置との併用、例えば一次フィル
ターと二次フィルターを直列とし、目詰まりを起こしや
すい一次フィルターを並列配置するなどの変形例が可能
である。また、ブロック区分したフィルター装置を採用
することもできる。
【0035】本実施例において、ボイラ5の形式として
は、自然循環式,強制循環式もしくは強制貫流式のいず
れを用いても良い。
【0036】前記脱硝装置6は、NOx 規制の厳しくな
い場合には省略したり、あるいは選択接触還元法以外の
ものを採用することができる。この後者の場合、設置場
所は、本実施例による設置場所に限定されることはな
い。
【0037】本実施例においては、燃焼室内にアルカリ
金属水酸化物水溶液を投入するものとしたが、このアル
カリ金属水酸化物水溶液を投入せずに、セラミックフィ
ルター3のみの設置によっても一定程度の効果を期待す
ることができる。
【0038】本実施例では、燃焼排ガスの熱エネルギー
により高効率発電を行うものとしたが、前述のようなセ
ラミックフィルター3の配置は、図4に示されるような
発電設備を有しない系に対しても有効である。ただし、
この系の場合、燃焼室内に水が噴射され、脱硝装置6に
400℃程度の排ガスが導かれる。この脱硝装置6は温
度が高い程処理効率を向上させることができるので、こ
の系においては脱硝装置6の小型化が図れ、ランニング
コストも少なくてすむという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例に係る燃焼排ガス処
理装置の全体構成図である。
【図2】図2は、セラミックフィルターのアセンブリー
の模式図である。
【図3】図3(a)(b)は、フィルター管の部分拡大
図である。
【図4】図4は、本発明の他の実施例に係る燃焼排ガス
処理装置の全体構成図である。
【図5】図5は、ごみ焼却炉における温度と腐蝕との関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 廃棄物焼却炉 2 煙道 3 セラミックフィルター(高温フィルター) 4 過熱器(スーパーヒーター) 5 ボイラ 6 脱硝装置 7 節炭器(エコノマイザー) 8 排ガス処理設備 9 煙突 10 発電設備 31 シェル 32 隔壁 33 フィルター管 34 ガス入口 35 ガス出口

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物焼却炉における燃焼室直後の燃焼
    排ガス煙道内にセラミックフィルターを設けることを特
    徴とする燃焼排ガス処理装置。
  2. 【請求項2】 前記燃焼室内にアルカリ金属水酸化物の
    水溶液を投入することを特徴とする請求項1に記載の燃
    焼排ガス処理装置。
  3. 【請求項3】 前記煙道内に、蒸気過熱器を備えるボイ
    ラと節炭器とを設けるとともに、これらボイラと節炭器
    との間に触媒脱硝装置を設けることを特徴とする請求項
    1または2に記載の燃焼排ガス処理装置。
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