JPH09313079A - リアドラグ型スピニングリールのレベルワインド機構 - Google Patents

リアドラグ型スピニングリールのレベルワインド機構

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JPH09313079A
JPH09313079A JP13546996A JP13546996A JPH09313079A JP H09313079 A JPH09313079 A JP H09313079A JP 13546996 A JP13546996 A JP 13546996A JP 13546996 A JP13546996 A JP 13546996A JP H09313079 A JPH09313079 A JP H09313079A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大径の中間ギアの噛み合い精度を高く維持し
つつ装着孔部分の径方向寸法を中間ギアの寸法より小さ
くする。 【解決手段】 レベルワインド機構は、リアドラグ型ス
ピニングリールのスプール軸をハンドルの回転に応じて
前後移動させる機構であって、中間ギア24と、駆動軸
21と、回り止めワッシャ27と、スライダと、ガイド
軸とを備えている。中間ギア24は貫通孔24aを有
し、ハンドルの回転に連動して回転する。駆動軸21
は、ギア配置部21aと、前つば部に回転自在に支持さ
れる前側支持部21bと、後側支持部21cと、螺旋溝
21dとを有していおり、中間ギアを貫通してスプール
軸に平行に配置されている。回り止めワッシャ27は、
ギア配置部2aで中間ギアを回転不能に連結する。スラ
イダはスプール軸に固定され、螺旋溝に螺合する。ガイ
ド軸は、スライダをスプール軸と平行に前後移動自在に
支持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レベルワインド機
構、特に、リール本体の後部にドラグ機構を有するリア
ドラグ型スピニングリールのスプール軸を、ハンドルの
回転に応じて前後移動させるリアドラグ型スピニングリ
ールのレベルワインド機構に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にスピニングリールは、リール本体
と、リール本体に回転自在に支持されたロータと、ロー
タの前方に配置され釣り糸が巻かれるスプールとを備え
ている。さらに、スピニングリールは、ドラグ機構とレ
ベルワインド機構とを備えている。
【0003】ドラグ機構は、スプールをリール本体に対
して回転不能に固定しつつ所定以上の力が作用するとス
プールの回転を許容する機構である。リアドラグ型のド
ラグ機構は比較的小型のリールに設けられており、リー
ル本体の後部に装着されている。このドラグ機構内に先
端にスプールが固定されたスプール軸の後端が延びてい
る。このスプール軸の後端は、ドラグ機構に回転不能か
つ前後移動自在に連結されている。
【0004】レベルワインド機構は、ハンドルの回転に
連動してスプールを前後に動かすことで、スプールに釣
り糸を均一に巻き取るための機構である。レベルワイン
ド機構は、ハンドルに連動して回転するピニオンギアに
噛み合う中間ギアと、中間ギアにより回転し周面に螺旋
溝が形成された駆動軸と、駆動軸の螺旋溝に螺合して前
後移動するスライダ部と、スライダ部を前後に案内する
ガイド部とを有している。駆動軸は、組み立てを容易に
するために、両端でリール本体に回転自在に支持されて
いる。スライダ部にはスプール軸が固定されている。こ
のレベルワインド機構では、ハンドルの回転により駆動
軸が回転して螺旋溝に螺合したスライダ部が前後に移動
してスプールが移動する。
【0005】このようなレベルワインド機構をリール本
体に組み付ける際には、駆動軸をリール本体に装着する
必要がある。リアドラグ型のスピニングリールの場合
は、リール本体の後部にリアドラグ機構が設けられてい
るため、フロントドラグ型のようにリール本体の後部か
ら駆動軸を装着できない。このため、従来、駆動軸に中
間ギアを固定した状態で、駆動軸をリール本体の側方か
ら装着し、後端の軸受に挿入した後、前つば部側(ロー
タ取付側)から軸受を駆動軸に挿入している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の構成では、
組立を容易にするために、駆動軸が両端でリール本体に
回転自在に支持されている。このため、中間ギヤ取付部
分で駆動軸が撓みやすく、中間ギアとピニオンギアとの
噛み合い精度を高く維持しづらい。噛み合い精度が低下
すると、ハンドルを回転させたときに中間ギアが滑らか
に回転せず、ハンドルの回転フィーリングが悪くなる。
この噛み合い精度を高く維持するために、リアドラグ型
でもフロントドラグ型のように中間ギアの前後で駆動軸
を支持することが考えられる。
【0007】しかし、中間ギアの前後で駆動軸を支持す
ると、リール本体の側方から駆動軸を装着できないた
め、中間ギアを取り付けた駆動軸をリール本体の前つば
部側から挿入しなければならない。駆動軸を前つば部側
から挿入すると、中間ギアを通過させるために中間ギア
の外径より大きな径の装着孔が前つば部に必要になる。
より密にスプールに釣り糸を巻き付けて巻き付け効率良
くするために、最近のスピニングリールでは、中間ギア
の外径が以前のものより大きくなっている。このため、
駆動軸を前つば部側から挿入する構造では、装着孔の径
が中間ギアに合わせてさらに大径化し、前つば部の装着
孔部分の径方向の寸法が大きくなり、リール本体が大型
化する。
【0008】本発明の課題は、リアドラグ型のスピニン
グリールのレベルワインド機構において、大径の中間ギ
アの噛み合い精度を高く維持しつつ装着孔部分の径方向
寸法を中間ギアの寸法より小さくすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明1に係るリアドラグ
型スピニングリールのレベルワインド機構は、リール本
体の後部にドラグ機構を有するリアドラグ型スピニング
リールのスプール軸をハンドルの回転に応じて前後移動
させる機構であって、中間ギアと、駆動軸と、連結手段
と、スライダ部と、スライダ支持部とを備えている。中
間ギアは貫通孔を有し、ハンドルの回転に連動して回転
する。駆動軸は、中間ギアを配置するための配置部と、
配置部の前部に形成されリール本体に回転自在に支持さ
れた前側支持部と、配置部の後部に貫通孔の最小寸法以
下の直径で形成されリール本体に回転自在に支持された
後側支持部と、後側支持部の後部周面に形成された螺旋
溝部とを有しており、中間ギアを貫通してスプール軸に
平行に配置されている。連結手段は、配置部において配
置部より径方向外方に突出して中間ギアを配置部に回転
不能に連結する。スライダ部はスプール軸に固定され、
螺旋溝に螺合する。スライダ支持部は、スライダ部をス
プール軸と平行に前後移動自在に支持する。
【0010】この機構では、駆動軸をリール本体に装着
する際には、まず軸受間の所定の位置に中間ギアを配置
し、前つば部の装着孔から駆動軸を中間ギアの貫通孔を
貫通して挿入し、後側支持部をリール本体で支持する。
そして、連結手段を装着孔から挿入して中間ギアを駆動
軸に回転不能に連結する。最後に装着孔に軸受を嵌め込
み、前側支持部を支持する。ここでは、装着孔が連結手
段を通過させ得る内径であればよいので、中間ギアが大
径であってもリール本体の径方向寸法をそれに合わせて
大きくする必要はなく、径方向寸法が中間ギアより小さ
くなる。また、中間ギアの前後の支持部で駆動軸がリー
ル本体に支持されるので、駆動軸が中間ギアの噛み合い
部分で撓みにくくなり噛み合い精度を高く維持できる。
【0011】発明2に係るリアドラグ型スピニングリー
ルのレベルワインド機構は、発明1に記載の機構におい
て、前記連結手段は、配置部に着脱自在に配置され、内
周部が配置部に回転不能に係止され、外周部が中間ギア
に回転不能に係止される連結部材を有している。この場
合には、連結部材が駆動軸と別体であるので、駆動軸の
精度を高く維持できる。
【0012】発明3に係るリアドラグ型スピニングリー
ルのレベルワインド機構は、発明2に記載の機構におい
て、前記配置部は外周面に互いに平行に面取りされた第
1面取り部を有し、前記中間ギアは、リング状の凹部
と、凹部の外周から径方向外方に延びる係止部とを前側
面に有し、前記連結部材は凹部に嵌まり込む座金状の部
材であり、内周部に形成され第1面取り部に係止される
第1平行面部と、外周部に形成され係止部に係止される
複数の凸部とを有する。この場合には、連結部材を中間
ギアの前側に嵌め込むだけで中間ギアと駆動軸とを簡単
に回転不能に連結できる。
【0013】発明4に係るリアドラグ型スピニングリー
ルのレベルワインド機構は、発明2に記載の機構におい
て、前記配置部は外周面に互いに平行に面取りされた第
1面取り部を有し、前記中間ギアは内周面に互いに平行
な第1平行面部を有し、前記連結部材は筒状をなし内周
面に形成され第1面取り部に係止される第2平行面部
と、外周面に形成され第1平行面部に係止される互いに
平行に面取りされた第2面取り部とを有している。この
場合には、係止構造が簡素であるので製造が容易であ
る。
【0014】発明5に係るリアドラグ型スピニングリー
ルのレベルワインド機構は、発明1から4のいずれかに
記載の機構において、前記両支持部は、中間ギヤを挟ん
でリール本体に軸受により支持されている。この場合に
は、軸受により駆動軸が支持されているので、駆動軸の
回転が滑らかである。発明6に係るリアドラグ型スピニ
ングリールのレベルワインド機構は、発明1から5のい
ずれかに記載の機構において、前記中間ギアは、ハンド
ルの回転に連動して回転する駆動ギアに噛み合ってお
り、駆動ギアの駆動軸に対する回転数比が1.5以上と
なるように、中間ギアと駆動ギアとの歯数が設定されて
いる。この場合には、駆動ギアは駆動軸に対する回転数
比が1.5以上になるので、駆動軸の回転数が従来装置
に比べて低くなり、スプールが比較的遅い速度で往復動
する。したがって、より密にスプール外周に釣り糸が巻
かれることとなり、効率良く釣り糸を巻くことができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】
〔全体構成及びリール本体の構成〕図1に示す本発明の
一実施形態を採用したスピニングリール1は、主に、ハ
ンドル1aを備えたリール本体2と、リール本体2の前
部に回転自在に支持されたロータ3と、ロータ3の前部
に配置され釣り糸を巻き取るためのスプール4とを備え
ている。
【0016】リール本体2はボディ2aを有しており、
ボディ2aの上部にはスピニングリール1を釣り竿に取
り付けるための取付部2bが形成されている。ボディ2
aの内部には、ロータ3を回転させるためのロータ駆動
機構5と、スプール4を回転軸線に沿って前後方向に移
動させることによりスプール4に釣り糸を均一に巻き取
るためのレベルワインド駆動機構6とが設けられてい
る。さらに、リール本体2のボディ2aの後部には、筒
状突起部2cが形成されており、その内部にリアドラグ
機構7が設けられている。スプール4に固定されたスプ
ール軸8は、ロータ3およびボディ2a内を貫通するよ
うに後方に延び、後端部はリアドラグ機構7に回転不能
かつ軸方向移動可能に係合している。
【0017】ロータ駆動機構5は、ハンドル1aが固定
されたハンドル軸10とともに回転するマスターギア1
1と、このマスターギア11と噛み合うピニオンギア1
2とを有している。ピニオンギア12は筒状に形成され
ており、その前部はロータ3の中心部を貫通してスプー
ル4側に延びている。ピニオンギア12は、ボディ2a
に支持されたボールベアリング13によって回転自在に
支持されている。そして、ピニオンギア12の中心部に
は、スプール軸8が回転軸心に沿って前後方向に移動自
在に貫通している。ピニオンギア12の内径とスプール
軸8の外径との間には、所定の隙間が確保されている。
【0018】〔レベルワインド機構の構成〕レベルワイ
ンド駆動機構6は、ハンドル軸10の回転をスプール軸
8に前後方向への運動として伝える機構である。レベル
ワインド駆動機構6は、図2〜図5に示すように、スプ
ール軸8の下奥側に配置された駆動軸21と、駆動軸2
1に沿って前後方向に移動するスライダ22と、駆動軸
21の下方に配置されたガイド軸23と、駆動軸21の
先端に固定されピニオンギア12に噛み合う中間ギア2
4とを有している。駆動軸21とガイド軸23とは、ス
プール軸8と平行に配置されている。
【0019】駆動軸21は、ボディ2aの前側の前つば
部2dと、前つば部2dより中間ギア24を挟んで後側
に形成された中間壁部2eとで、軸受25,26により
回転自在に支持されている。駆動軸21は、中間ギア2
4を配置するためのギア配置部21aと、ギア配置部2
1aの前部に形成され軸受25に回転自在に支持された
小径の前側支持部21bと、ギア配置部21aの後部に
中間ギア24の貫通孔24aの最小寸法以下の直径で形
成され軸受26に回転自在に支持された後側支持部21
cと、後側支持部21cの後部周面に形成された螺旋溝
21dとを有している。駆動軸21の後端21eは、リ
ールボディ2aの後壁部2fに緩く嵌め込まれている。
ギア配置部21aは、前側配置部21bより大径で後側
配置部21cより小径であり、その外周面には互いに平
行に面取りされた面取り部21fが形成されている。
【0020】スライダ22はスプール軸8の後端部に回
転自在かつ軸方向移動不能に連結されている。スライダ
22は、図4に示すように、スライダ本体28と、スラ
イダ本体28内に収納された係合部材29とを有してい
る。スライダ本体28は、ガイド軸23に摺動自在に装
着されている。スライダ本体28には駆動軸21に直交
するように横方向の孔28aが形成されており、この孔
28aに係合部材29が回動自在に挿入されている。係
合部材29の先端には螺旋溝21dに噛み合う係合部2
9aが形成されている。スライダ本体28の孔28aの
開口端は、蓋部材22aにより塞がれており係合部材2
9が飛び出さないようになっている。
【0021】このような構成のスライダ22では、スラ
イダ本体28が駆動軸21全体を覆う必要がない。この
ため、このスライダ本体28は、駆動軸21の位置側面
側にのみ対向するような形状となっており、他面側への
張り出しが少なくなっている。従ってリール全体を小さ
くすることができる。ガイド軸23は金属製の部材であ
り、中間壁部2eと後壁部2fとの間でスプール軸8と
平行に配置されており、それらの壁部2e,2fに固定
されている。
【0022】中間ギア24は金属製の部材であり、その
前面には、径方向の切欠き部24bを有するリング部2
4cが形成されている。このリング部24c内の凹部に
は駆動軸21と中間ギア24とを回動不能に連結する回
り止めワッシャ27が嵌め込まれている。回り止めワッ
シャ27は、図5に示すように、内周部に形成されギア
配置部21aの面取り部21fに係止される平行面部2
7aと、外周部に形成され切欠き部24bに係止される
1対の凸部27bとを有している。なお、中間ギア24
及びピニオンギア12は、ピニオンギア12の駆動軸2
1に対する回転数比が1.5以上、好ましくは1.8〜
2.5となるようにそれぞれの歯数が設定されている。
この回転数比が1.5未満になると釣り糸の巻き上げ効
率の向上が望めない。また、回転数比が1.8以上の場
合は効率の向上が著しく、2.5を越えると中間ギア2
4の径が大きくなりすぎ、リール本体2の小型化が困難
になる。
【0023】軸受25はアセタール樹脂製の部材であ
り、筒部25aと、筒部25aの後部外周に一体形成さ
れた半円状の回り止め部25bとを有している。この筒
部25a及び回り止め部25bは、図2に示すように、
前つば部2dに形成された装着孔2gに嵌め込まれる。
軸受26はアセタール樹脂製の部材であり、中間壁部2
eに嵌め込まれる筒部26aと、筒部26aから外周側
に延びる抜け止め部26bとを有している、抜け止め部
26bの先端は、中間壁部2eのガイド軸23装着部分
に嵌め込まれ、ガイド軸23が抜けないようにしてい
る。
【0024】〔ロータ及び他の構成〕ロータ3は、円筒
部30と、円筒部30の側方に互いに対向して設けられ
た第1アーム部31および第2アーム部32とを有して
いる。円筒部30と両アーム部31,32とは一体成形
されている。円筒部30の前部には前壁33が形成され
ており、この前壁33の中央部にはボス33aが形成さ
れている。ボス33aの中心部には貫通孔が形成されて
おり、この貫通孔をピニオンギア12の前部およびスプ
ール軸8が貫通している。また、前壁33を貫通したピ
ニオンギア12の先端部にはネジが形成されており、こ
のネジにナット34が螺合している。
【0025】また、円筒部30の内部には、逆転防止機
構35が配置されている。逆転防止機構35は、前つば
部2dに固定された枠体36と、枠体36内に収納され
たローラ型のワンウェイクラッチ37と、ワンウェイク
ラッチ37を作動状態及び非作動状態に切り換える操作
機構38とを有している。なお、ピニオンギア12とロ
ータ3とは相対回転不能に固定されており、ワンウェイ
クラッチ37の内輪は、ピニオンギア12の前方筒部外
周に固定されている。
【0026】第1アーム部31の先端(前方側)の内側
には第1ベール支持部材40が揺動自在に取り付けら
れ、第2アーム部32の先端の内側には第2ベール支持
部材43が揺動自在に取り付けられている。第1ベール
支持部材40の先端には、釣り糸をスプール4に案内す
るためのラインローラ41およびその固定軸カバー42
が設けられている。固定軸カバー42からは、第2ベー
ル支持部材43に向かってU字状に湾曲したベール45
が延びている。
【0027】スプール4はロータ3の第1アーム部31
及び第2アーム部32の間に配置されている。このスプ
ール4は、後端側に形成された筒状のスカート部4a
と、スカート部4aの前方側に形成された糸巻胴部4b
と、糸巻胴部4bの先端に固定されたフランジ部4cと
を有している。フランジ部4cの外周側は内側に折り曲
げられている。スカート部4a内部にはロータ3の円筒
部30が配置されている。
【0028】糸巻胴部4bの中心には、図3に示すよう
に、真鍮製の固定ブッシュ51が嵌め込まれ固着されて
いる。固定ブッシュ51にはスプール軸8の先端が挿入
されている。固定ブッシュ51の後端部は他の部分より
外径が大きく、その端面には半径方向に長い溝51aが
形成されている。溝51aには、スプール4とスプール
軸8とを固定するピン52が係止されている。このピン
52は、スプール軸8を径方向に貫通している。
【0029】通常、樹脂製のスプールを用いる場合、ス
プールに釣り糸を巻き付けたときにスプール内径が縮小
するので、その分を考慮して、スプール4の内径とスプ
ール軸8の外径との間に余分の隙間をあける必要があ
る。この余分な隙間により、スプールとスプール軸との
がたつきが大きくなる。しかし、スプール4に真鍮製の
固定ブッシュ51を嵌め込むことで、釣り糸を巻いても
内径が縮小しないので、スプール4の内径とスプール軸
8の外径との間に余分の隙間をあける必要がなくなる。
このため、スプール4とスプール軸8とのがたつきを防
止できる。
【0030】スプール軸8の先端は糸巻胴部4bから突
出している。このスプール軸8の先端にはワンタッチボ
タン54が装着されている。ワンタッチボタン54の回
りにはワンタッチボタンカラー55が配置されている。
ワンタッチボタンカラー55は、スプール4の糸巻胴部
4bに螺合して、ワンタッチボタン54を係止してい
る。
【0031】リアドラグ機構7はレバー式のものであ
り、主に、円筒状のブッシュ61と、複数の摩擦プレー
トからなる摩擦係合部62と、摩擦押し付け用のコイル
スプリング63と、支持部材64と、固定キャップ65
と、ドラグレバー66とから構成されている。ブッシュ
61は、スプール軸8の後部の外周に回動不能かつ摺動
自在に嵌め込まれている。ブッシュ61は、フランジ部
を有しており、このフランジ部に摩擦係合部62の複数
の摩擦プレートが押圧される。固定キャップ65は、筒
状突起2cの外周に形成されたネジ部に外周から螺合し
ており、支持部材64を所定の位置に位置決めしてい
る。この固定キャップ65の締め付け量を調整すること
により、摩擦係合部62の書く摩擦プレートの押圧力を
変更でき,ドラグ力を変更できる。
【0032】〔リールの操作〕糸繰り出し時には、ベー
ル45を糸開放側に倒す。そして、釣り竿をキャスティ
ングすると、スプール4から釣り糸が繰り出される。糸
巻き取り時には、ベール45を糸巻取側に戻す。この状
態でハンドル1aを糸巻取方向に回転させると、この回
転力は軸10及びマスターギア11を介してピニオンギ
ア12に伝達される。ピニオンギア12に伝達された回
転力は、その前部を介してロータ3に伝達される。
【0033】一方、ピニオンギア12に噛み合う中間ギ
ア24によって駆動軸21が回転し、この駆動軸21の
螺旋溝21dに噛み合うスライダ22がガイド軸23に
案内され前後方向に移動する。このため、スプール軸8
及びスプール4が前後方向に往復移動し、ベール45及
びラインローラ41によって案内された釣り糸は、スプ
ール4の外周に前後方向に均一に巻き取られる。
【0034】このとき、駆動軸21が中間ギア24の前
後でボディ2aの前つば部2d及び中間壁部2eで軸受
25,26により回転自在に支持されているので、ピニ
オンギア12と中間ギア24との噛み合い効率が低下せ
ず、ハンドル1aの回転フィーリングが悪くならない。
また、ピニオンギア12の駆動軸21に対する回転数比
を1.5以上にしているので、スプール4の移動速度を
従来のものに比べて低くでき、釣り糸の巻上げ効率を向
上できる。また、釣り糸を多量に巻くことができる。
【0035】ここで、釣り糸が多量に巻かれても、スプ
ール4の中心部に固定ブッシュ51が嵌め込まれている
ので、スプール4の内径が縮径することがない。このた
め、スプール4とスプール軸8との間に余分な隙間を設
ける必要がなくなり、スプール4とスプール軸8とのが
たつきを防止できる。 〔レベルワインド機構の組立手順〕レベルワインド機構
6を組み立てる際には、まず、スライダ22をボディ2
a内の中間壁部2eと後壁部2fとの間に配置する。つ
づいて、ガイド軸23を前つば部2d側から挿通して中
間壁部2e及びスライダ22を貫通して後壁部2fに差
し込む。そして、軸受26を中間壁部2eに取り付け、
抜け止め部26bでガイド軸23を抜け止めする。軸受
26を取り付けると中間ギア24を前つば部2dと中間
壁部2eとの間に配置する。そして、駆動軸21を前つ
ば部2dの装着孔2g側から挿通して中間ギア24及び
軸受26を貫通して後壁部2fに差し込む。駆動軸21
を装着すると、駆動軸21と中間ギア24とを連結する
ために、回り止めワッシャ27を前つば部2d側からギ
ア配置部21aに嵌め込む。なお、回り止めワッシャ2
7を瞬間接着剤等により駆動軸21に接着して駆動軸2
1を嵌め込むと同時に回り止めワッシャ27を装着して
もよい。最後に、軸受25を前つば部2dに装着して駆
動軸21を支持する。
【0036】このように、駆動軸21と中間ギア24と
を別体にし、駆動軸21を前つば部2d側から組み付け
ることで、装着孔2gが回り止めワッシャ27を通過さ
せ得る内径であればよいので、中間ギア24が大径であ
っても前つば部2dの径方向寸法をそれに合わせて大き
くする必要はなく、前つば部2dの寸法が中間ギア24
より小さくなる。また、中間ギア24の前後の軸受2
5,26で支持されるので、駆動軸21が中間ギア24
の噛み合い部分で撓みにくくなり噛み合い精度を高く維
持できる。
【0037】〔他の実施形態〕中間ギア24と駆動軸2
1との連結手段の構成は、前記実施形態に限定されるも
のではなく、前つば部2d側から駆動軸21を組付けで
きるものであればよい。図6は他の実施形態による連結
手段の構成を示している。駆動軸21にのギア配置部2
1aはそれより後部の各部と同一径であり、そこには互
いに平行な面取り部21fが形成されている。また、中
間ギア24の貫通孔24aには、互いに平行な平行面部
24dが形成されている。連結手段としての筒状部材2
7cには、内周面に面取り部21fに係止される平行面
部27dが形成され、外周面に平行面部24dに係止さ
れる互いに平行に面取りされた面取り部27eが形成さ
れている。
【0038】このような構成のレベルワインド機構7を
組み立てる際にも前記同様に、駆動軸21を前つば部2
d側から挿通して組立できるので、前記同様な効果が得
られる。
【0039】
【発明の効果】本発明に係るレベルワインド機構では、
装着孔が連結手段を通過させ得る内径であればよいの
で、中間ギアが大径であってもリール本体の径方向寸法
をそれに合わせて大きくする必要はなく径方向寸法が中
間ギアより小さくなる。また、中間ギアの前後の支持部
で駆動軸がリール本体に支持されるので、駆動軸が中間
ギアの噛み合い部分で撓みにくくなり噛み合い精度を高
く維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用したリアドラグ型の
スピニングリール断面側面図。
【図2】レベルワインド機構の断面部分図。
【図3】その斜視図。
【図4】スライダの断面図。
【図5】駆動軸回りの分解斜視図。
【図6】他の実施形態の図5に相当する図。
【符号の説明】
1 スピニングリール 2 リール本体 2a ボディ 2d 前つば部 2e 中間壁部 2g 装着孔 6 レベルワインド機構 21 駆動軸 21a ギア配置部 21b 前側支持部 21c 後側支持部 21d 螺旋溝 21f 面取り部 22 スライダ 23 ガイド軸 24 中間ギア 24a 貫通孔 24b 切欠き部 24c リング部 24d 平行面部 25 軸受 26 軸受 27 回り止めワッシャ 27a 平行面部 27b 凸部 27c 筒状部材 27d 平行面部 27e 面取り部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リール本体の後部にドラグ機構を有するリ
    アドラグ型スピニングリールのスプール軸をハンドルの
    回転に応じて前後移動させるリアドラグ型スピニングリ
    ールのレベルワインド機構であって、 貫通孔を有し、前記ハンドルの回転に連動して回転する
    中間ギアと、 前記中間ギアを配置するための配置部と、前記配置部の
    前部に形成され前記リール本体に回転自在に支持された
    前側支持部と、前記配置部の後部に前記貫通孔の最小寸
    法以下の直径で形成され前記リール本体に回転自在に支
    持された後側支持部と、前記後側支持部の後部周面に形
    成された螺旋溝部とを有し、前記中間ギアを貫通して前
    記スプール軸に平行に配置された駆動軸と、 前記配置部において前記配置部より径方向外方に突出し
    て前記中間ギアを前記配置部に回転不能に連結する連結
    手段と、 前記スプール軸に固定され、前記螺旋溝に螺合するスラ
    イダ部と、 前記スライダ部を前記スプール軸と平行に前後移動自在
    に支持するスライダ支持部と、を備えたリアドラグ型ス
    ピニングリールのレベルワインド機構。
  2. 【請求項2】前記連結手段は、前記配置部に着脱自在に
    配置され、内周部が前記配置部に回転不能に係止され、
    外周部が前記中間ギアに回転不能に係止される連結部材
    を有している、請求項1に記載のリアドラグ型スピニン
    グリールのレベルワインド機構。
  3. 【請求項3】前記配置部は、外周面に互いに平行に面取
    りされた第1面取り部を有し、 前記中間ギアは、リング状の凹部と、前記凹部の外周か
    ら径方向外方に延びる係止部とを前側面に有し、 前記連結部材は前記凹部に嵌まり込む座金状の部材であ
    り、内周部に形成された、前記第1面取り部に係止され
    る第1平行面部と、外周部に形成された、前記係止部に
    係止される複数の凸部とを有する、請求項2に記載のリ
    アドラグ型スピニングリールのレベルワインド機構。
  4. 【請求項4】前記配置部は、外周面に互いに平行に面取
    りされた第1面取り部を有し、 前記中間ギアは、内周面に互いに平行な第1平行面部を
    有し、 前記連結部材は筒状をなし、内周面に形成された、前記
    第1面取り部に係止される第2平行面部と、外周面に形
    成された、前記第1平行面部に係止される互いに平行に
    面取りされた第2面取り部とを有している、請求項2に
    記載のリアドラグ型スピニングリールのレベルワインド
    機構。
  5. 【請求項5】前記両支持部は、前記中間ギヤを挟んで前
    記リール本体に軸受により支持されている、請求項1か
    ら4のいずれかに記載のリアドラグ型スピニングリール
    のレベルワインド機構。
  6. 【請求項6】前記中間ギアは、前記ハンドルの回転に連
    動して回転する駆動ギアに噛み合っており、前記駆動ギ
    アの駆動軸に対する回転数比が1.5以上となるよう
    に、前記中間ギアと駆動ギアとの歯数が設定されてい
    る、請求項1から5のいずれかに記載のリアドラグ型ス
    ピニングリールのレベルワインド機構。
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