JPH09312401A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH09312401A
JPH09312401A JP8125795A JP12579596A JPH09312401A JP H09312401 A JPH09312401 A JP H09312401A JP 8125795 A JP8125795 A JP 8125795A JP 12579596 A JP12579596 A JP 12579596A JP H09312401 A JPH09312401 A JP H09312401A
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JP
Japan
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channel
layer
threshold voltage
mosfet
channel mosfet
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Application number
JP8125795A
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English (en)
Inventor
Kunihiro Onoda
邦広 小野田
Jun Sakakibara
純 榊原
Keimei Himi
啓明 氷見
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】SOI層の膜厚バラツキに起因するしきい値電
圧のバラツキによる不具合を回避する。 【解決手段】シリコン基板15上にポリシリコン膜16
およびシリコン酸化膜17を介して薄膜SOI層18,
21が形成され、薄膜SOI層18,21を用いてCM
OS回路を構成している。PチャネルおよびNチャネル
MOSFETに対向して不純物ドープトポリシリコン層
28が配置され、各MOSFETのしきい値電圧を調整
すべく電荷が蓄積されている。PチャネルおよびNチャ
ネルMOSFETに対向して不純物ドープトポリシリコ
ン層(30)がそれぞれ配置され、バイアス電圧切替回
路は待機時には各MOSFETのしきい値電圧の絶対値
を大きくすべき電位を印加し、動作時には同しきい値電
圧の絶対値を小さくすべき電位を印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は半導体装置に関
し、特に、SOI(Silicon On Insulator)構造を
採用し、かつ、低い電圧で使用される携帯機器用等のD
SP、CPU等の半導体装置に有効な技術である。
【0002】
【従来の技術】従来、CMOS(Complementary Met
al Oxide Semiconductor)においてシステム電源の
低電圧化と高速化、消費電力の低減を両立させる一方法
としてMOSFETのしきい値電圧を各MOSFETの
動作状態においては低く、待機状態(スタンバイ状態)
においては高くする変調しきい値と呼ばれる手法をとっ
てきた。このしきい値電圧制御手法として基板バイアス
効果を利用すべくSOI構造を用いて、薄膜SOIMO
SFET(Metal Oxide Semiconductor Field
Effect Transistor )の下方に配置したバックゲート
にMOSFETの動作状態に合わせて電源電圧とグラン
ド電圧のどちらかを印加することによってしきい値電圧
を制御しようとするものがあった。このようにSOI分
離を用いたバックゲート構造を採用すると、通常のバル
ク基板上で同様な効果をもたらす場合におけるMOSF
ETを基板から電気的に分離するための特殊なウェル構
造を必要としないというメリットがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法では
構造上、貼合基板を用いることが必要であり、基板とし
て用いるSOI層の膜厚バラツキに起因するしきい値電
圧のバラツキが発生してしまうという不具合がある。そ
のため、しきい値電圧のバラツキによる設計値からのズ
レを調整する必要が生じる。このしきい値電圧のバラツ
キを低減すべく、例えば、デバイス動作前において埋込
導電体層(バックゲート電極に相当するもの)にしきい
値電圧調整のための電荷蓄積を行い、その後のデバイス
動作時において変調しきい値を目的とした電圧を印加す
る際には、蓄積した電荷がその配線を通して流出してし
まう。
【0004】そこで、この発明の目的は、SOI層の膜
厚バラツキに起因するしきい値電圧のバラツキによる不
具合を回避することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、少なくともPチャネルおよびNチャネルMOS
FETのチャネル領域に対向して電荷蓄積用導電体層を
配置し、この電荷蓄積用導電体層に電荷を蓄積して各M
OSFETのしきい値電圧を調整する。そして、この状
態で、バイアス電圧切替手段が待機時には各MOSFE
Tのしきい値電圧の絶対値を大きくすべき電位を第1お
よび第2の電極に印加し、動作時には同しきい値電圧の
絶対値を小さくすべき電位を第1および第2の電極に印
加する。
【0006】このように、第1および第2の電極(バイ
アス電圧切替用電極)とは別に電荷蓄積用導電体層を配
置したので、変調しきい値を目的とした電圧を第1およ
び第2の電極に印加する際には、蓄積した電荷がその配
線を通して流出することが無い。このようにしてSOI
層の膜厚バラツキに起因するしきい値電圧のバラツキに
よる不具合を回避することができる。
【0007】請求項2に記載の発明によれば、少なくと
もMOSFETのチャネル領域に対向して第1,第2の
導電体層が配置され、第1端子からMOSFETのしき
い値電圧を調整するための電荷が蓄積される。そして、
この状態で、バイアス電圧切替手段が待機時には各MO
SFETのしきい値電圧の絶対値を大きくすべき電位を
前記導電体層の第2端子を通して印加し、動作時には同
しきい値電圧の絶対値を小さくすべき電位を前記第2端
子を通して印加する。
【0008】このとき、第1の導電体層の第2端子側に
は第1のダイオードが、又、第2の導電体層の第2端子
側には第2のダイオードが配置されているので、導電体
層に蓄積した電荷が保持される。
【0009】このように、電荷蓄積用およびバイアス電
圧切替用の導電体層におけるバイアス電圧切替用端子に
ダイオードを配したので、変調しきい値を目的とした電
位を第1および第2の導電体層に印加する際には、蓄積
した電荷がその配線を通して流出することが無い。この
ようにしてSOI層の膜厚バラツキに起因するしきい値
電圧のバラツキによる不具合を回避することができる。
【0010】請求項3に記載の発明によれば、バイアス
電圧切替手段は待機時には高・低電圧印加パルスにおけ
るパルス周期に対するパルス幅の割合を所定値としたパ
ルスを、各MOSFETのしきい値電圧の絶対値を大き
くすべき電位として第1および第2の電極に印加し、動
作時には高・低電圧印加パルスにおけるパルス周期に対
するパルス幅の割合を所定値としたパルスを、各MOS
FETのしきい値電圧の絶対値を小さくすべき電位とし
て第1および第2の電極に印加する。
【0011】このように、高電圧値と低電圧値との間の
所定の電位を所定のデューティ比により生成でき、電荷
蓄積によるバラツキ補正を行っていないので、変調しき
い値を目的とした電圧を第1および第2の電極に印加す
る際には、蓄積した電荷がその配線を通して流出するこ
とも無い。このようにしてSOI層の膜厚バラツキに起
因するしきい値電圧のバラツキによる不具合を回避する
ことができる。
【0012】請求項4に記載の発明によれば、バイアス
電圧切替手段は待機時には各MOSFETのしきい値電
圧の絶対値を大きくすべき電位を第1および第2の電極
に印加し、動作時には電源電圧を昇圧する昇圧回路から
の電位を、各MOSFETのしきい値電圧の絶対値を小
さくすべき電位として第1および第2の電極に印加す
る。
【0013】このように、電源電圧よりも高い所定の電
位を昇圧回路により生成でき、電荷蓄積によるバラツキ
補正を行っていないので、変調しきい値を目的とした電
圧を第1および第2の電極に印加する際には、蓄積した
電荷がその配線を通して流出することも無い。このよう
にしてSOI層の膜厚バラツキに起因するしきい値電圧
のバラツキによる不具合を回避することができる。
【0014】請求項5に記載の発明によれば、SIMO
X(Separation by ImplantedOxygen )法により単
結晶半導体層が形成されており、単結晶半導体層は膜厚
バラツキは少ない。そして、半導体基板に形成された第
1,第2の電極(不純物拡散領域)に対し、バイアス電
圧切替手段は、待機時には各MOSFETのしきい値電
圧の絶対値を大きくすべき電位を印加し、動作時には同
しきい値電圧の絶対値を小さくすべき電位を印加する。
【0015】このように、単結晶半導体層には膜厚バラ
ツキが少なく、電荷蓄積によるバラツキ補正を行ってい
ないので、変調しきい値を目的とした電圧印加を行う際
には、蓄積した電荷がその配線を通して流出することも
無い。このようにしてSOI層の膜厚バラツキに起因す
るしきい値電圧のバラツキによる不具合を回避すること
ができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、この発明の第1の実施の形
態を図面に従って説明する。
【0017】図1には、本実施の形態における半導体装
置の電気的構成図を示す。本半導体装置は、LSI(L
arge Scale Integrated Circuits )1とバイアス
電圧切替手段としてのバイアス電圧切替回路2から構成
されている。LSI1は、4つのインバータ回路3,
4,5,6よりなり、各インバータ回路3〜6が直列に
接続されている。
【0018】LSI1の各インバータ回路3,4,5,
6は、図2に示すように、CMOS回路により構成され
ている。つまり、インバータ回路3はPチャネルMOS
FET7とNチャネルMOSFET8からなり、インバ
ータ回路4はPチャネルMOSFET9とNチャネルM
OSFET10からなる。又、インバータ回路5はPチ
ャネルMOSFET11とNチャネルMOSFET12
からなり、インバータ回路6はPチャネルMOSFET
13とNチャネルMOSFET14からなる。
【0019】インバータ回路3,4,5,6のPチャネ
ルMOSFET7,9,11,13のそれぞれのソース
端子には電源電圧VDD(3ボルト)が印加される。又、
インバータ回路3,4,5,6のNチャネルMOSFE
T8,10,12,14のそれぞれのソース端子にはグ
ランド電位(0ボルト)が印加される。さらに、インバ
ータ回路3におけるPチャネルおよびNチャネルMOS
FET7,8のゲート端子には入力信号が入力されると
ともに、インバータ回路6におけるPチャネルおよびN
チャネルMOSFET13,14のドレイン端子には出
力信号が出力されるようになっている。
【0020】図3には本半導体装置の平面図を示すとと
もに、図4には図3のA−A断面図を、図5には図3の
B−B断面図を示す。図3〜5において、半導体基板と
しての単結晶シリコン基板15の上には貼合用ポリシリ
コン膜16を介して絶縁体層としてのシリコン酸化膜1
7が形成されている。このシリコン酸化膜17の表面
に、単結晶半導体層としての薄膜の単結晶シリコン層
(以下、薄膜SOI層という)18,19,20,2
1,22,23,24,25が形成されている。各薄膜
SOI層18〜25にはゲート酸化膜26を介してポリ
シリコンゲート電極27が配置されている。そして、薄
膜SOI層18〜21にてPチャネルMOSFET7,
9,11,13が、又、薄膜SOI層22〜25にてN
チャネルMOSFET8,10,12,14が形成され
ている。このようにして、LSI1を構成するPチャネ
ルとNチャネルの薄膜SOIMOSFETが形成されて
いる。ここで、各MOSFETはチャネル領域の最大空
乏層幅よりもSOI層18〜25の厚さが薄くチャネル
形成時にSOI層18〜25が完全に空乏化するように
なっている。
【0021】又、ポリシリコン膜16の配置領域におけ
る表層部には、不純物がドープされた不純物ドープトポ
リシリコン層(フローティング導電体層)28が埋設さ
れている。この不純物ドープトポリシリコン層28にて
電荷蓄積用導電体層が構成されている。電荷蓄積用不純
物ドープトポリシリコン層28の表面は、シリコン酸化
膜29にて覆われている。電荷蓄積用不純物ドープトポ
リシリコン層28はPチャネルおよびNチャネルMOS
FETを構成する各薄膜SOI層18〜25の下方にお
いて延設されている。
【0022】又、ポリシリコン膜16の配置領域におけ
る前記不純物ドープトポリシリコン層28の下には、第
1の電極としてのPチャネル用不純物ドープトポリシリ
コン層30と、第2の電極としてのNチャネル用不純物
ドープトポリシリコン層31とが埋設されている。Pチ
ャネル用不純物ドープトポリシリコン層30の表面はシ
リコン酸化膜32にて覆われ、Nチャネル用不純物ドー
プトポリシリコン層31はシリコン酸化膜33にて覆わ
れている。Pチャネル用不純物ドープトポリシリコン層
30はPチャネルMOSFETを構成する各薄膜SOI
層18〜21の下方において延設されている。又、Nチ
ャネル用不純物ドープトポリシリコン層31はNチャネ
ルMOSFETを構成する各薄膜SOI層22〜25の
下方において延設されている。
【0023】図4に示すように、シリコン酸化膜17の
表面に、薄膜の単結晶シリコン層(薄膜SOI層)34
が形成されている。薄膜SOI層34の上面にはトンネ
ル酸化膜35を介して不純物ドープトポリシリコン膜3
6が配置されている。
【0024】薄膜SOI層18〜25,34の上を含め
たシリコン酸化膜17の上には、層間絶縁膜としてのシ
リコン酸化膜37が配置されている。図4に示すよう
に、Pチャネル用不純物ドープトポリシリコン層30
は、アルミよりなるPチャネル用バイアス線38と接続
されている。同様に、図5のNチャネル用不純物ドープ
トポリシリコン層31は、アルミよりなるNチャネル用
バイアス線39と接続されている。さらに、図4の電荷
蓄積用不純物ドープトポリシリコン層28は、アルミ4
0、薄膜SOI層34、トンネル酸化膜35、不純物ド
ープトポリシリコン膜36を介してアルミよりなる電荷
注入線41と接続されている。又、図4,5においてシ
リコン酸化膜37の表面は、表面保護膜としてのBPS
G膜42で覆われている。
【0025】このように、Pチャネル用不純物ドープト
ポリシリコン層30とNチャネル用不純物ドープトポリ
シリコン層31と電荷蓄積用不純物ドープトポリシリコ
ン層28とは、それぞれ独立に設けられ、図2に示すよ
うに電荷注入線41(電荷注入端子)にて電荷蓄積用不
純物ドープトポリシリコン層28に所定量の電荷が注入
されており、MOSFETのしきい値電圧が調整されて
いる。ここで、図4の電荷注入線41、不純物ドープト
ポリシリコン膜36、トンネル酸化膜35、薄膜SOI
層34、アルミ40が電荷注入ラインとなる。
【0026】又、図4に示すように、ポリシリコン膜1
6はアルミよりなる金属電極45と接続されている。
又、図1において、バイアス電圧切替回路2は直列に接
続された2つのインバータ回路43,44で構成され、
各インバータ回路43,44はそれぞれCMOS回路よ
りなる。このバイアス電圧切替回路2も前述した図4,
5のシリコン酸化膜17の表面部に配置したSOI層に
て形成されている。バイアス電圧切替回路2のインバー
タ回路43の入力端子には制御信号端子Pが接続され、
インバータ回路43の出力端子にはPチャネル用バイア
ス線38が接続され、インバータ回路44の出力端子に
はNチャネル用バイアス線39が接続されている。制御
信号端子Pには、論理HiあるいはLowレベルの制御
信号が入力される。そして、制御信号によりPチャネル
用バイアス線38とNチャネル用バイアス線39の電位
を、電源電圧VDD(3ボルト)とグランド電位(0ボル
ト)に切り換えるようになっている。つまり、Lowレ
ベルの制御信号が入力されると、Pチャネル用バイアス
線38を電源電圧VDD(3ボルト)にし、Nチャネル用
バイアス線39をグランド電位(0ボルト)にする。
又、Hiレベルの制御信号が入力されると、Pチャネル
用バイアス線38をグランド電位(0ボルト)にし、N
チャネル用バイアス線39を電源電圧VDD(3ボルト)
にする。
【0027】このように、Pチャネル用バイアス線38
とNチャネル用バックバイアス線39にて、各FETの
バックゲートバイアス電圧を変更できるようになってい
る。ここで、しきい値電圧Vtとリーク電流および動作
速度の関係を説明する。
【0028】リーク電流(サブシュレッショルド電流)
はしきい値電圧Vtの絶対値が大きくなると減少し、小
さくなると増加する特性を示す。一方、動作速度はしき
い値電圧の絶対値が大きくと遅くなり、小さくなると速
くなる特性を示す。従って、リーク電流と動作速度は通
常相反する。
【0029】次に、半導体装置の製造方法を、図6〜図
16を用いて説明する。尚、図6〜図16は図3でのA
−A断面、即ち、図4に対応するものである。まず、図
6に示すように、P型高抵抗単結晶シリコン基板50を
用意し、シリコン基板50の上におけるSOI層となる
領域に膜厚100nm程度の酸化膜51を形成し、これ
をマスクとしてシリコン基板50を例えば反応性イオン
エッチング法によって深さ約150nm程度エッチング
する。
【0030】そして、マスクとした酸化膜51を除去
後、図7に示すように、熱酸化法あるいはCVD法によ
ってシリコン基板50の表面に例えば厚さ約400nm
のシリコン酸化膜17を形成する。尚、シリコン酸化膜
17の形成前に、エッチングによるシリコン基板50の
ダメージを除去する処理を行ってもよい。
【0031】さらに、図8に示すように、シリコン酸化
膜17上にポリシリコン膜28を例えば減圧CVD法で
膜厚20nm程度堆積し、さらにこのポリシリコン膜2
8に例えば熱拡散法によりN型不純物であるリンを導入
する。
【0032】引き続き、図9に示すように、ポリシリコ
ン膜28における所望の領域(不要領域)をエッチング
した後、熱酸化法あるいはCVD法により例えば膜厚2
00nm程度のシリコン酸化膜29を形成する。
【0033】そして、図10に示すように、シリコン酸
化膜29の上にポリシリコン膜30(31)を例えば減
圧CVD法で膜厚20nm程度堆積し、さらにこのポリ
シリコン膜30(31)に例えば熱拡散法によりN型不
純物であるリンを導入する。
【0034】さらに、図11に示すように、ポリシリコ
ン膜30(31)における所望の領域(不要領域)をエ
ッチングした後、熱酸化法あるいはCVD法により例え
ば膜厚200nm程度のシリコン酸化膜32(33)を
形成する。
【0035】その後、シリコン酸化膜32(33)上に
ポリシリコン膜(16)を例えば減圧CVD法で膜厚3
0nm程度堆積し、さらにこのポリシリコン膜(16)
に例えば熱拡散法によりN型不純物であるリンを導入す
る。その後、さらにポリシリコン膜(16)を例えばC
VD法で膜厚5μm程度堆積する。
【0036】そして、図12に示すように、ポリシリコ
ン膜16の表面を鏡面研磨して平坦化する。さらに、図
13に示すように、シリコン基板15の鏡面と,高抵抗
シリコン基板50の平坦化したポリシリコン鏡面とを直
接接合法によって貼り合わせ、2枚の基板を一体化した
貼合基板を形成する。
【0037】引き続き、図14に示すように、シリコン
基板50に対し選択研磨を行ってSOI層になる部分以
外の領域のシリコン酸化膜17を表面に露出させる。こ
の選択研磨とは、シリコンのエッチングレートがSiO
2 のエッチングレートに比べ十分速い例えばアミン系研
磨液を用いるものでSiO2 をエッチングストッパーと
して機能させることで均一な厚さに制御された薄いシリ
コン層が形成できる研磨方法である。これにより膜厚1
50nm程度のSOI層18〜25,34が形成され、
基板内部にはフローティング状態の不純物ドープトポリ
シリコン層(N + ポリシリコン層)28,30,31が
形成される。
【0038】さらに、図15に示すように、薄膜SOI
層18〜25,34の領域に同時に例えば膜厚10nm
程度の酸化膜26,35と低抵抗ポリシリコン層27,
36を形成し、さらに、図16に示すように、薄膜SO
I層の一部にそれぞれポリシリコン層28,30(3
1)に達する貫通孔52,53及びポリシリコン膜16
に達する貫通孔54を例えば反応性イオンエッチングに
より形成する。
【0039】その後、図4に示すように、Nチャネルお
よびPチャネルMOSFETのソース・ドレイン層、シ
リコン酸化膜37、金属電極38(39),41,4
5、BPSG膜42を通常のMOS−ICプロセスと同
様に順次形成する。尚、金属電極45は基板15の裏面
からとってもよい。
【0040】ここで、これまでの製造工程はSOI基板
を用いた通常の薄膜SOI一LSIの製造工程と全く同
じであり、特別な工程を必要としない。引き続き、電荷
蓄積用不純物ドープトポリシリコン層28への電荷の注
入を行い、一定のしきい値電圧に調整する。即ち、金属
電極45をグラント電位とした状態で、電荷注入線(電
荷注入端子)41を外部電源と接続し電源電圧VSS(1
5ボルト)を印加して図4のトンネル酸化膜35を通し
て不純物ドープトシリコン膜36から薄膜SOI層34
に所定量の電荷をF−N(Fowler −Nordheim)トン
ネル注入する。この電荷の蓄積により、各MOSFET
のしきい値電圧が調整される。
【0041】つまり、貼合基板上の薄膜SOI層に関し
ては、基板作成時の技術的な問題によりSOI層の膜厚
バラツキが大きく、SOI層の膜厚バラツキはトランジ
スタのしきい値電圧に影響し、例えば100nmのSO
IMOSFETを形成した場合、SOI層の膜厚バラツ
キが30nmであると、MOSFETのしきい値は設計
値が0.5ボルトに対して約0.3ボルトずれてしま
う。そこで、少なくともチャネル領域の下部に電荷蓄積
用不純物ドープトポリシリコン層28を配置し、ポリシ
リコン層28に電荷を蓄積してSOI層の膜厚バラツキ
によるしきい値を調整する。
【0042】より詳しくは、電荷蓄積用不純物ドープト
ポリシリコン層28はNチャネルとPチャネルとで共用
した場合には、予めしきい値を高め、もしくは低めに設
定しておき、電荷注入によってしきい値電圧を変化させ
る方向をNチャネル、Pチャネル共に同じ方向にしてお
く必要がある。例えば、しきい値電圧の狙い値がNチャ
ネルで0.5ボルト,Pチャネルで−0.6ボルトとし
た場合には工程上の狙い値をそれぞれ、0.2ボルト,
−0.9ボルトまたは0.8ボルト,−0.3ボルトと
設定しておけば、たとえ、バラツキが大きかったとして
も、電荷注入は前者の場合には正孔、後者の場合には電
子と、NチャネルとPチャネルで同じキャリアを使うこ
とができる。この時、しきい値電圧バラツキの原因がS
OI層の厚さのバラツキであることから考えると、CM
OSを構成する隣り合ったトランジスタ間で大きなバラ
ツキがあるとは考えられず、電荷注入量も同一でよいと
考えられる。
【0043】尚、不純物ドープトポリシリコン層28,
30,31は少なくともMOSFETのチャネル領域と
対向する領域に配置されていればよい。この際、電荷蓄
積用不純物ドープトポリシリコン層1個当たり一つの電
荷注入用窓が必要となるため、電荷蓄積用不純物ドープ
トポリシリコン層28の大きさは,しきい値バラツキの
許容範囲内で大きいほど回路構成上、又はチップ面積上
有利であり、さらに、しきい電圧値バラツキが許容範囲
内であれば、チップ面積と同等でもよい。
【0044】次に、このように構成した半導体装置の作
用を説明する。LSI1の待機時においては、バイアス
電圧切替回路2の制御信号端子PにLowレベル信号が
入力される。すると、Pチャネル用バイアス線38が電
源電圧VDD(3ボルト)となり、Pチャネル用不純物ド
ープトポリシリコン層30も電源電圧VDD(3ボルト)
となる。又、Nチャネル用バイアス線39がグランド電
位(0ボルト)となり、Nチャネル用不純物ドープトポ
リシリコン層31もグランド電位(0ボルト)となる。
この各バイアス線38,39を通しての各ドープトポリ
シリコン層30,31の電位により、LSI1の各FE
Tのしきい値電圧はそれぞれ、図17に従い以下のよう
に決定される。
【0045】NチャネルMOSFET8,10,12,
14のバックバイアスは0ボルトであるので、しきい値
電圧は0.6ボルトに、PチャネルMOSFET7,
9,11,13のバックバイアスは3ボルトであるが、
ソース電位(3ボルト)からみると0ボルトに印加され
ていることになり、しきい値電圧は−0.6ボルトにな
る。従って、各MOSFETのしきい値電圧の絶対値が
大きいので、低速動作ではあるがリーク電流の小さい回
路を構成する。
【0046】一方、LSI1の動作時においては、バイ
アス電圧切替回路2の制御信号端子PにHiレベル信号
が入力される。すると、Pチャネル用バイアス線38が
グランド電位(0ボルト)になり、Pチャネル用不純物
ドープトポリシリコン層30もグランド電位(0ボル
ト)になる。又、Nチャネル用バイアス線39が電源電
圧VDD(3ボルト)になり、Nチャネル用不純物ドープ
トポリシリコン層31も電源電圧VDD(3ボルト)にな
る。この各バイアス線38,39を通しての各ポリシリ
コン層30,31の電位により、LSI1の各FETの
しきい値電圧は、図17に従い次のように決定される。
NチャネルMOSFET8,10,12,14のバック
バイアスは3ボルトであるので、しきい値電圧は0.2
ボルトに、又、PチャネルMOSFET7,9,11,
13のバックバイアスは0ボルトであるが、ソース電位
(3ボルト)からみると−3ボルトに印加されたと同等
になり、しきい値電圧は−0.2ボルトになる。従っ
て、各MOSFETのしきい値電圧の絶対値が小さいの
で、リーク電流は大きいが高速動作が可能な回路を構成
する。
【0047】このように、LSI製造工程終了後のでき
あがりしきい値に関わらず、待機時にはしきい値電圧の
絶対値を大きくして低速動作であるが、リーク電流を小
さくすることが可能となる。又、動作時にはしきい値電
圧の絶対値を小さくしてリーク電流は大きいが高速動作
が可能となる。
【0048】尚、縦方向において上下に配置した二層の
不純物ドープトポリシリコン層28,30,31は、電
荷蓄積用不純物ドープトポリシリコン層28が下になる
ようにしてもよい。つまり、電荷蓄積用不純物ドープト
ポリシリコン層28が大きい場合には、電圧印加用不純
物ドープトポリシリコン層30,31よりも下方に位置
していた方が回路レイアウト上有利である。又、電荷蓄
積用不純物ドープトポリシリコン層28はNチャネルと
Pチャネルとで共用したが、別々に設けてもよい。さら
に、バラツキ調整用の注入電荷量が大きく、変調しきい
値用に大きな電圧印加が必要な際には、昇圧回路を付加
してもよい。
【0049】このように、本実施の形態は、下記の特徴
を有する。 (イ)不純物ドープトポリシリコン層(バイアス電圧切
替用電極)30,31とは別に電荷蓄積用不純物ドープ
トポリシリコン層28を配置したので、変調しきい値を
目的とした電圧を不純物ドープトポリシリコン層30,
31に印加する際には、蓄積した電荷がその配線を通し
て流出することが無い。よって、SOI層の膜厚バラツ
キに起因するしきい値電圧のバラツキによる不具合を回
避することができる。 (第2の実施の形態)次に、第2の実施の形態を、第1
の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0050】図18に示すように、半導体基板としての
シリコン基板60上に絶縁体層としてのシリコン酸化膜
61を介して単結晶半導体層としての単結晶シリコン層
(薄膜SOI層)62,63が形成され、薄膜SOI層
62,63にてPチャネルMOSFETとNチャネルM
OSFETよりなるCMOS回路を構成している。Pチ
ャネルMOSFETの少なくともチャネル領域に対向し
たシリコン酸化膜61内に第1の導電体層としての不純
物ドープトポリシリコン層64が配置されている。不純
物ドープトポリシリコン層64は第1端子64aおよび
第2端子64bを有し、第1端子64aからアルミ6
6、薄膜SOI層67、トンネル酸化膜68、不純物ド
ープトポリシリコン膜69を通してF−N注入によりP
チャネルMOSFETのしきい値電圧を調整すべく電荷
が蓄積されている。又、NチャネルMOSFETの少な
くともチャネル領域に対向したシリコン酸化膜61内に
第2の導電体層としての不純物ドープトポリシリコン層
65が配置されている。不純物ドープトポリシリコン層
65は第1端子65aおよび第2端子65bを有し、第
1端子65aからアルミ70、薄膜SOI層71、トン
ネル酸化膜72、不純物ドープトポリシリコン膜73を
通してF−N注入によりNチャネルMOSFETのしき
い値電圧を調整すべく電荷が蓄積されている。
【0051】不純物ドープトポリシリコン層64の第2
端子64bには、逆導電型の不純物ドープトポリシリコ
ン層75が接合(PN接合)され、バックゲートから見
て逆方向にバイアスされたダイオードD1を構成してい
る。不純物ドープトポリシリコン層75にはアルミ77
を介してバイアス電圧切替回路79が接続されている。
ダイオードD1により不純物ドープトポリシリコン層6
4に蓄積した電荷が保持される。又、不純物ドープトポ
リシリコン層65の第2端子65bには、逆導電型の不
純物ドープトポリシリコン層76が接合(PN接合)さ
れ、バックゲートから見て逆方向にバイアスされたダイ
オードD2を構成している。不純物ドープトポリシリコ
ン層76にはアルミ78を介してバイアス電圧切替回路
80が接続されている。ダイオードD2により不純物ド
ープトポリシリコン層65に蓄積した電荷が保持され
る。
【0052】このように、電圧印加用の配線途中にはバ
ックゲートから見て逆方向にバイアスされたダイオード
D1,D2が形成されているため、蓄積された電荷の流
出はこのダイオードD1,D2で妨ぐことが可能とな
る。
【0053】さらに電荷蓄積およびダイオードについて
言及すると、第1の実施の形態と同様に、完成したMO
SFETのしきい値電圧のバラツキを想定して、外部電
源(電源電圧VSS=15ボルト)から電荷を注入して予
めしきい値を高めておく(もしくは低めに設定してお
く)。この際、NチャネルとPチャネルでその方向を合
わせる必要はない。例えば、Nチャネルのしきい値電圧
を高めに設定した場合、バックゲート(不純物ドープト
ポリシリコン層64,65)には正孔を注入すればよい
が、この時にはバックゲートをP型ポリシリコンで形成
し、電圧印加用配線の接続部分にN型ポリシリコンでダ
イオードを形成する。Nチャネルのしきい値電圧を低め
に設定した場合には、バックゲートには電子を注入すれ
ばよく、この時にはバックゲートをN型ポリシリコンで
形成し、電圧印加用配線の接続部分にP型ポリシリコン
でダイオードを形成する。Pチャネルの場合にも同様で
ある。
【0054】そして、バイアス電圧切替回路79,80
は、不純物ドープトポリシリコン層64および不純物ド
ープトポリシリコン層65に電荷が蓄積された状態にお
いて、待機時には各MOSFETのしきい値電圧の絶対
値を大きくすべき電位を不純物ドープトポリシリコン層
64の第2端子64bおよび不純物ドープトポリシリコ
ン層65の第2端子65bを通して印加し、動作時には
同しきい値電圧の絶対値を小さくすべき電位を不純物ド
ープトポリシリコン層64の第2端子64bおよび不純
物ドープトポリシリコン層65の第2端子65bを通し
て印加する。
【0055】このように本実施の形態は、下記の特徴を
有する。 (イ)一つのバックゲート(不純物ドープトポリシリコ
ン層64,65)でバラツキ調整用の電荷注入と変調し
きい値用の電圧印加を共用し、さらに、バックゲート
(64,65)に注入した電荷が、電圧印加用の配線を
通して流出しないように、ダイオードD1,D2を介し
て電圧印加を行う。つまり、不純物ドープトポリシリコ
ン層64の第2端子64b側には第1のダイオードD1
が、又、不純物ドープトポリシリコン層65の第2端子
65b側には第2のダイオードD2が配置されているの
で、蓄積した電荷が保持される。このように、電荷蓄積
用およびバイアス電圧切替用導電体層64,65におけ
るバイアス電圧切替用端子64b,65bにダイオード
D1,D2を配したので、変調しきい値を目的とした電
圧を不純物ドープトポリシリコン層64,65に印加す
る際には、蓄積した電荷がその配線を通して流出するこ
とが無い。このようにして、SOI層の膜厚バラツキに
起因するしきい値電圧のバラツキによる不具合を回避す
ることができる。
【0056】本実施の形態の応用例としては、図19に
示すように、ダイオードはSOI層を用いて形成しても
よい。即ち、第1導電型のSOI層81内に第2導電型
の領域82を形成しPN接合によりダイオードD3を構
成し、第1導電型のSOI層83内に第2導電型の領域
84を形成しPN接合によりダイオードD4を構成して
もよい。 (第3の実施の形態)次に、第3の実施の形態を、第1
の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0057】図20に示すように、半導体基板としての
シリコン基板90上に絶縁体層としてのシリコン酸化膜
91を介して単結晶半導体層としての単結晶シリコン層
(薄膜SOI層)92,93が形成され、薄膜SOI層
92,93にてPチャネルMOSFETとNチャネルM
OSFETよりなるCMOS回路を構成している。Pチ
ャネルMOSFETの少なくともチャネル領域に対向し
たシリコン酸化膜91内には第1の電極としての不純物
ドープトポリシリコン層94が配置されている。又、N
チャネルMOSFETの少なくともチャネル領域に対向
したシリコン酸化膜91内には第2の電極としての不純
物ドープトポリシリコン層95が配置されている。不純
物ドープトポリシリコン層94にはバイアス電圧切替回
路(スイッチング回路)96が接続され、バイアス電圧
切替回路96にはグランド電位ラインと電源電圧(3ボ
ルト)ラインが接続されている。又、不純物ドープトポ
リシリコン層95にはバイアス電圧切替回路(スイッチ
ング回路)97が接続され、バイアス電圧切替回路97
にはグランド電位ラインと電源電圧(3ボルト)ライン
が接続されている。
【0058】バイアス電圧切替回路96は制御回路(パ
ルス信号生成回路)98からデューティ信号SG1を入
力する。又、バイアス電圧切替回路97は制御回路(パ
ルス信号生成回路)99からデューティ信号SG2を入
力する。本実施の形態では、バイアス電圧切替回路9
6,97と制御回路98,99とからバイアス電圧切替
手段が構成されている。デューティ信号SG1,SG2
の波形を図21に示す。デューティ信号SG1,SG2
は、電源電圧とグランド電圧との印加割合を決定する信
号であり、この印加割合にてMOSFETのしきい値電
圧を調整すべくバイアス電圧が切り替えられる。即ち、
待機時には各MOSFETのしきい値電圧の絶対値を大
きくすべき電位を不純物ドープトポリシリコン層94お
よび95に印加し、動作時には同しきい値電圧の絶対値
を小さくすべき電位を不純物ドープトポリシリコン層9
4および95に印加する。より詳しくは、待機時には高
・低電圧印加パルスにおけるパルス周期T0 に対するパ
ルス幅T1 の割合を所定値としたパルスを、各MOSF
ETのしきい値電圧の絶対値を大きくすべき電位として
不純物ドープトポリシリコン層94および95に印加
し、動作時には高・低電圧印加パルスにおけるパルス周
期T0 に対するパルス幅T1 の割合を所定値としたパル
スを、各MOSFETのしきい値電圧の絶対値を小さく
すべき電位として不純物ドープトポリシリコン層94,
95に印加する。つまり、完成したMOSFETのしき
い値電圧を評価し、これを設計値通りに調整するために
必要な電圧を予め算出し、この電圧を基準として変調し
きい値用の電圧を各MOSFETに印加する。このと
き、図21に示すデューティ信号SG1,SG2は制御
回路98,99から出力され所定電位Vav(=VDD
(T1 /T0 ))が印加される。即ち、バックゲートに
印加する電圧として0ボルトと電源電圧との間の電位
(各MOSFETに適した電圧)が印加される。
【0059】このように、電源電圧をパルス的に印加
し、その電圧印加時と非電圧印加時の時間割合(デュー
ティ比)を変化させることによって適切な電圧を実効的
に発生させる。この時、バックゲートは各MOSFET
単位でもよく、回路のブロック単位でもよい。
【0060】このように本実施の形態は、下記の特徴を
有する。 (イ)制御回路(パルス信号生成回路)98,99とバ
イアス電圧切替回路(スイッチング回路)96,97を
用いて高電圧値と低電圧値との間の所定の電位を、所定
のデューティ比により生成することにより、しきい値電
圧のバラツキを補償するようにした。即ち、変調しきい
値電圧用の電圧印加を電源電圧とグランドの2点のみで
なくパルス波形を適当に変化させて電源電圧とグランド
の間の電位を(しきい値バラツキを考慮した適当な電
圧)をバックゲートに印加するようにした。このよう
に、電荷蓄積によるバラツキ補正を行っていないので、
変調しきい値を目的とした電圧を不純物ドープトポリシ
リコン層94,95に印加する際には、蓄積した電荷が
その配線を通して流出することも無い。よって、SOI
層の膜厚バラツキに起因するしきい値電圧のバラツキに
よる不具合を回避することができる。
【0061】尚、完成したMOSFETのしきい値電圧
と設計値との差を検出し、この差からデューティ比を補
正する回路を付加してもよい。 (第4の実施の形態)次に、第4の実施の形態を、第3
の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0062】図22に示すように、電源電圧(3ボル
ト)とバイアス電圧切替回路96の間(電源ライン)に
は、電源電圧を昇圧する昇圧回路100が配置されてい
る。又、電源電圧(3ボルト)とバイアス電圧切替回路
97の間(電源ライン)には、電源電圧を昇圧する昇圧
回路101が配置されている。昇圧回路100,101
の出力電圧が不純物ドープトポリシリコン層94,95
に印加され、MOSFETのしきい値電圧が調整され
る。つまり、バイアス電圧切替回路96,97は待機時
には各MOSFETのしきい値電圧の絶対値を大きくす
べき電位を不純物ドープトポリシリコン層94,95
(第1および第2の電極)に印加し、動作時には電源電
圧を昇圧する昇圧回路100,101からの電位を、各
MOSFETのしきい値電圧の絶対値を小さくすべき電
位として不純物ドープトポリシリコン層94,95に印
加するより詳しくは、完成したMOSFETのしきい値
電圧を評価し、これを設計値通りに調整するために必要
な電圧を予め算出し、この電圧を基準として変調しきい
値用の電圧を各MOSFETに印加する。このとき、昇
圧回路100,101にて所定電位を印加する。つま
り、バックゲートに印加する電圧を電源電圧よりも昇圧
した電位(各MOSFETに適した電圧)を印加する。
【0063】このように、電圧印加を電源電圧とグラン
ドの2点のみでなくその範囲外の適当な電圧を印加でき
るようにし、しきい値バラツキを考慮した適当な電圧を
バックゲートに印加することにより、貼合基板の持つS
OI層の膜厚バラツキに起因するMOSFET毎のしき
い値電圧バラツキをキャンセルするよう考慮した適当な
電圧をバックゲートに印加することができる。
【0064】このように本実施の形態は、下記の特徴を
有する。 (イ)昇圧回路100,101を用いて電源電圧よりも
高い所定の電位を生成することにより、しきい値電圧の
バラツキを補償するようにした。このように、電荷蓄積
によるバラツキ補正を行っていないので、変調しきい値
を目的とした電圧を不純物ドープトポリシリコン層9
4,95に印加する際には、蓄積した電荷がその配線を
通して流出することも無い。よって、SOI層の膜厚バ
ラツキに起因するしきい値電圧のバラツキによる不具合
を回避することができる。
【0065】尚、完成したMOSFETのしきい値電圧
と設計値との差を検出し、この差から昇圧回路における
出力電圧を補正する回路を付加してもよい。 (第5の実施の形態)次に、第5の実施の形態を、第1
の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0066】図23に示すように、SIMOX法により
半導体基板としてのP型シリコン基板110上に絶縁体
層としてのシリコン酸化膜111を介して単結晶半導体
層としての単結晶シリコン層(薄膜SOI層)112,
113が形成され、薄膜SOI層112,113にてC
MOS回路を構成するPチャネルMOSFETとNチャ
ネルMOSFETが形成されている。PチャネルMOS
FETの少なくともチャネル領域に対向したシリコン基
板110には第1の電極としてのNウェル領域(不純物
拡散領域)114が形成されている。又、NチャネルM
OSFETの少なくともチャネル領域に対向したシリコ
ン基板110には第2の電極としてのNウェル領域(不
純物拡散領域)115が形成されている。
【0067】そして、バイアス電圧切替回路116,1
17は、待機時には各MOSFETのしきい値電圧の絶
対値を大きくすべき電位をNウェル領域114,115
に印加し、動作時には同しきい値電圧の絶対値を小さく
すべき電位をNウェル領域114,115に印加する。
【0068】ここで、SIMOX基板はSOI層の膜厚
バラツキが小さく、しきい値バラツキも小さい。このよ
うに本実施の形態は、下記の特徴を有する。 (イ)薄膜SOIMOSFET形成用の基板をしきい値
電圧バラツキの少ないSIMOX基板とし、トランジス
タ下部のシリコン基板内に形成したNウェル領域11
4,115を用いて変調しきい値を目的としたしきい値
電圧制御用の電圧を印加するようにした。よって、薄膜
SOI層112,113には膜厚バラツキが少なく、電
荷蓄積によるバラツキ補正を行っていないので、変調し
きい値を目的とした電圧印加を行う際には、蓄積した電
荷がその配線を通して流出することも無い。このように
してSOI層の膜厚バラツキに起因するしきい値電圧の
バラツキによる不具合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における半導体装置の電気的構成
図。
【図2】LSIの電気的構成図。
【図3】第1の実施の形態における半導体装置の平面
図。
【図4】図3のA−A断面図。
【図5】図3のB−B断面図。
【図6】第1の実施の形態における半導体装置の製造工
程を説明するための断面図。
【図7】同じく半導体装置の製造工程を説明するための
断面図。
【図8】同じく半導体装置の製造工程を説明するための
断面図。
【図9】同じく半導体装置の製造工程を説明するための
断面図。
【図10】同じく半導体装置の製造工程を説明するため
の断面図。
【図11】同じく半導体装置の製造工程を説明するため
の断面図。
【図12】同じく半導体装置の製造工程を説明するため
の断面図。
【図13】同じく半導体装置の製造工程を説明するため
の断面図。
【図14】同じく半導体装置の製造工程を説明するため
の断面図。
【図15】同じく半導体装置の製造工程を説明するため
の断面図。
【図16】同じく半導体装置の製造工程を説明するため
の断面図。
【図17】基板バイアス電圧としきい値電圧との関係を
示す特性図。
【図18】第2の実施の形態における半導体装置の構成
図。
【図19】第2の実施の形態の応用例における半導体装
置の構成図。
【図20】第3の実施の形態における半導体装置の構成
図。
【図21】第3の実施の形態を説明するための波形図。
【図22】第4の実施の形態における半導体装置の構成
図。
【図23】第5の実施の形態における半導体装置の構成
図。
【符号の説明】
2…バイアス電圧切替手段としてのバイアス電圧切替回
路、7,9,11,13…PチャネルMOSFET、
8,10,12,14…NチャネルMOSFET、15
…半導体基板としての単結晶シリコン基板、17…絶縁
体層としてのシリコン酸化膜、18〜25…単結晶半導
体層としての薄膜SOI層、28…電荷蓄積用導電体層
としての不純物ドープトポリシリコン層、30…第1の
電極としての不純物ドープトポリシリコン層、31…第
2の電極としての不純物ドープトポリシリコン層、60
…半導体基板としての単結晶シリコン基板、61…絶縁
体層としてのシリコン酸化膜、62,63…単結晶半導
体層としての薄膜SOI層、64…第1の導電体層とし
ての不純物ドープトポリシリコン層、64a…第1端
子、64b…第2端子、65…第2の導電体層としての
不純物ドープトポリシリコン層、65a…第1端子、6
5b…第2端子、79…バイアス電圧切替手段としての
バイアス電圧切替回路、80…バイアス電圧切替手段と
してのバイアス電圧切替回路、90…半導体基板として
の単結晶シリコン基板、91…絶縁体層としてのシリコ
ン酸化膜、92,93…単結晶半導体層としての薄膜S
OI層、94…第1の電極としての不純物ドープトポリ
シリコン層、95…第2の電極としての不純物ドープト
ポリシリコン層、96…バイアス電圧切替手段を構成す
るバイアス電圧切替回路、97…バイアス電圧切替手段
を構成するバイアス電圧切替回路、98…バイアス電圧
切替手段を構成する制御回路、99…バイアス電圧切替
手段を構成する制御回路、100…昇圧回路、101…
昇圧回路、110…半導体基板としての単結晶シリコン
基板、111…絶縁体層としてのシリコン酸化膜、11
2,113…単結晶半導体層としての薄膜SOI層、1
14…第1の電極としてのNウェル領域、115…第2
の電極としてのNウェル領域、116…バイアス電圧切
替手段としてのバイアス電圧切替回路、117…バイア
ス電圧切替手段としてのバイアス電圧切替回路。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に絶縁体層を介して単結晶
    半導体層が複数形成され、該単結晶半導体層にてPチャ
    ネルMOSFETとNチャネルMOSFETよりなるC
    MOS回路を構成してなる半導体装置であって、 少なくとも前記PチャネルおよびNチャネルMOSFE
    Tのチャネル領域に対向して配置され、前記各MOSF
    ETのしきい値電圧を調整すべく電荷が蓄積される電荷
    蓄積用導電体層と、 少なくとも前記PチャネルMOSFETのチャネル領域
    に対向して配置された第1の電極と、 少なくとも前記NチャネルMOSFETのチャネル領域
    に対向して配置された第2の電極と、 前記電荷蓄積用導電体層に電荷が蓄積された状態におい
    て、待機時には前記各MOSFETのしきい値電圧の絶
    対値を大きくすべき電位を前記第1および第2の電極に
    印加し、動作時には同しきい値電圧の絶対値を小さくす
    べき電位を前記第1および第2の電極に印加するバイア
    ス電圧切替手段とを備えたことを特徴とする半導体装
    置。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に絶縁体層を介して単結晶
    半導体層が複数形成され、該単結晶半導体層にてPチャ
    ネルMOSFETとNチャネルMOSFETよりなるC
    MOS回路を構成してなる半導体装置であって、 少なくとも前記PチャネルMOSFETのチャネル領域
    に対向して配置され、第1端子および第2端子を有し、
    第1端子から前記PチャネルMOSFETのしきい値電
    圧を調整すべく電荷が蓄積される第1の導電体層と、 少なくとも前記NチャネルMOSFETのチャネル領域
    に対向して配置され、第1端子および第2端子を有し、
    第1端子から前記NチャネルMOSFETのしきい値電
    圧を調整すべく電荷が蓄積される第2の導電体層と、 前記第1の導電体層および第2の導電体層に電荷が蓄積
    された状態において、待機時には前記各MOSFETの
    しきい値電圧の絶対値を大きくすべき電位を前記第1の
    導電体層の第2端子および前記第2の導電体層の第2端
    子を通して印加し、動作時には同しきい値電圧の絶対値
    を小さくすべき電位を前記第1の導電体層の第2端子お
    よび前記第2の導電体層の第2端子を通して印加するバ
    イアス電圧切替手段と、 前記第1の導電体層の第2端子側に設けられ、当該第1
    の導電体層に蓄積した電荷を保持するための第1のダイ
    オードと、 前記第2の導電体層の第2端子側に設けられ、当該第2
    の導電体層に蓄積した電荷を保持するための第2のダイ
    オードとを備えたことを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 半導体基板上に絶縁体層を介して単結晶
    半導体層が複数形成され、該単結晶半導体層にてPチャ
    ネルMOSFETとNチャネルMOSFETよりなるC
    MOS回路を構成してなる半導体装置であって、 少なくとも前記PチャネルMOSFETのチャネル領域
    に対向して配置された第1の電極と、 少なくとも前記NチャネルMOSFETのチャネル領域
    に対向して配置された第2の電極と、 待機時には高・低電圧印加パルスにおけるパルス周期に
    対するパルス幅の割合を所定値としたパルスを、前記各
    MOSFETのしきい値電圧の絶対値を大きくすべき電
    位として前記第1および第2の電極に印加し、動作時に
    は高・低電圧印加パルスにおけるパルス周期に対するパ
    ルス幅の割合を所定値としたパルスを、前記各MOSF
    ETのしきい値電圧の絶対値を小さくすべき電位として
    前記第1および第2の電極に印加するバイアス電圧切替
    手段とを備えたことを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 半導体基板上に絶縁体層を介して単結晶
    半導体層が複数形成され、該単結晶半導体層にてPチャ
    ネルMOSFETとNチャネルMOSFETよりなるC
    MOS回路を構成してなる半導体装置であって、 少なくとも前記PチャネルMOSFETのチャネル領域
    に対向して配置された第1の電極と、 少なくとも前記NチャネルMOSFETのチャネル領域
    に対向して配置された第2の電極と、 待機時には前記各MOSFETのしきい値電圧の絶対値
    を大きくすべき電位を前記第1および第2の電極に印加
    し、動作時には電源電圧を昇圧する昇圧回路からの電位
    を、前記各MOSFETのしきい値電圧の絶対値を小さ
    くすべき電位として前記第1および第2の電極に印加す
    るバイアス電圧切替手段とを備えたことを特徴とする半
    導体装置。
  5. 【請求項5】 半導体基板上に絶縁体層を介して単結晶
    半導体層が複数形成され、該単結晶半導体層にてPチャ
    ネルMOSFETとNチャネルMOSFETよりなるC
    MOS回路を構成してなる半導体装置であって、 SIMOX法による単結晶半導体層に形成されたPチャ
    ネルMOSFETに対し、少なくとも当該PチャネルM
    OSFETのチャネル領域に対向した前記半導体基板に
    形成された不純物拡散領域よりなる第1の電極と、 SIMOX法による単結晶半導体層に形成されたNチャ
    ネルMOSFETに対し、少なくとも当該NチャネルM
    OSFETのチャネル領域に対向した前記半導体基板に
    形成された不純物拡散領域よりなる第2の電極と、 待機時には前記各MOSFETのしきい値電圧の絶対値
    を大きくすべき電位を前記第1および第2の電極に印加
    し、動作時には同しきい値電圧の絶対値を小さくすべき
    電位を前記第1および第2の電極に印加するバイアス電
    圧切替手段とを備えたことを特徴とする半導体装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6043536A (en) * 1998-05-19 2000-03-28 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor device
US6753579B2 (en) 2002-10-11 2004-06-22 Oki Electric Industry Co, Ltd. SOI MOSFET device having second gate electrode for threshold voltage Control
JP2004179267A (ja) * 2002-11-25 2004-06-24 Sharp Corp 半導体集積回路装置
JP2011258941A (ja) * 2010-05-14 2011-12-22 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置
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CN110137218A (zh) * 2018-02-08 2019-08-16 三星显示有限公司 显示设备

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