JPH09310649A - ディーゼルエンジンの燃料供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料供給系の構造が簡単で部品点数が少な
く、従って製造コスト及びメンテナンスコストを低減す
ることができ、また高圧燃料の漏洩等不具合発生の危険
性が少なく、かつ燃料供給時の圧力損失が小さく、耐久
性が優れたディーゼルエンジン用燃料供給装置を提供す
る。 【解決手段】 ディーゼルエンジンのシリンダヘッド側
壁又はカムフレーム側壁に、高圧燃料を貯溜するコモン
レールを装着すると共に、同コモンレールの各気筒への
燃料送出部と、対応する気筒に設けられた電磁作動式イ
ンジェクタの燃料入口部とを、単一の燃料噴射管により
接続する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンの燃料供給装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】多気筒ディーゼルエンジンにおいて、複
数気筒に共通のコモンレールを設け、同コモンレール内
の蓄圧室に、サプライポンプにより加圧された高圧燃料
を貯溜し、エンジンの運転状態に応じて、上記コモンレ
ールの蓄圧室内に貯溜された高圧燃料を、各気筒に設け
られた電磁作動式のインジェクタにより燃焼室内に噴射
するようにした燃料供給装置は、従来公知である。

【０００３】上記コモンレールを具備したディーゼルエ
ンジンにおける燃料供給装置の一例を、図５及び図６を
参照して説明する。図中符号１０はトラック等車両用の
直接噴射式ディーゼルエンジンを総括的に示し、同エン
ジン１０は、複数の気筒又はシリンダ１２を有するクラ
ンクケース１４を具え、各気筒又はシリンダ１２内に
は、頂部に燃焼室キャビティ１６を有するピストン１８
が摺動自在に嵌装されている。上記クランクケース１４
の上方に、ヘッドガスケットを介してシリンダヘッド２
０が装架され、同シリンダヘッド２０内には、吸気ポー
ト２２及び排気ポート２４と、同吸気ポート及び排気ポ
ートと上記気筒又はシリンダ１２との連通を夫々制御す
る吸気弁２６及び排気弁２８と、上記ピストン１８が圧
縮上死点付近にあるとき燃焼室キャビティ１６内に燃料
を噴射するインジェクタ３０とが設けられている。上記
シリンダヘッド２０の上方に、全体の平面形状が略枠状
をなすカムフレーム３２が装着され、同カムフレーム３
２内には、上記吸気弁２６を開閉制御する吸気カム３４
を具えた吸気カム軸３６と、排気弁２８を開閉制御する
排気カム３８を具えた排気カム軸４０と、上記吸気カム
３６のリフトを吸気弁２６に伝達するロッカアーム４２
と、上記排気カム３８のリフトを排気弁２８に伝達する
ロッカアーム４４とからなる動弁装置、及び上記インジ
ェクタ３０の上半部分が収容されている。

【０００４】上記シリンダヘッド２０の一方の側壁に吸
気マニホールド４６が装着され、同吸気マニホールド４
６の各気筒毎のブランチは、上記吸気ポート２２の入口
端に接続されている。また、上記シリンダヘッド２０の
他方の側壁には排気マニホールド４８が装着され、同排
気マニホールド４８の各気筒毎のブランチは上記排気ポ
ート２４の出口端に接続されている。上記クランクケー
ス１４の側面に図示しないブラケット等を介してコモン
レール５２が取付けられ、同コモンレール５２内には、
高圧燃料を貯溜する蓄圧室５４が設けられている。

【０００５】上記コモンレール５２は、図５の紙面に直
角方向に延在し、その側面には気筒数と同数の燃料送出
部５６が設けられ、各燃料送出部５６は夫々上記蓄圧室
５４に連通している。また、上記燃料送出部５６は、２
本の燃料噴射管５８ａ及び５８ｂを介して対応する気筒
のインジェクタ３０の燃料入口部６０に接続されてい
る。さらに、上記燃料噴射管５８ａ及び５８ｂは、カム
フレーム３２のコモンレール５２取付側の側壁３２ａに
装着された中間接続部６２を介して相互に連結されてい
る。なお、図５において、符号６４はインジェクタ３０
の燃料排出部であり、同燃料排出部６４は余剰燃料を燃
料タンクに還流する。

【０００６】図６は、上記インジェクタ３０及びコモン
レール５２を含む燃料噴射システムの概略構成図であ
る。同コモンレール５２の蓄圧室５４には、サプライポ
ンプ６６により加圧された高圧燃料が供給される。同サ
プライポンプ６６は、エンジン１０のクランク軸に連動
して駆動されるフィードポンプ６８から吐出量制御弁７
０を経てプランジャ室７２に供給された低圧燃料を加圧
するプランジャ７４を具え、同プランジャ７４は、エン
ジンのクランク軸に連動して駆動されるポンプ軸７６上
のカム７８によって往復駆動される。

【０００７】上記吐出量制御弁７０は、エンジン１０の
負荷情報Ａｃ、例えば車両のアクセル開度を検知するア
クセル開度検知装置８０の出力信号、及びエンジンの回
転数を検知する回転数検知装置８２の回転数情報Ｎｅ、
並びにコモンレール５２の蓄圧室５４内の高圧燃料の圧
力Ｐｃを検知するコモンレール圧力センサ８４の出力情
報等を主制御信号として受け、さらに、必要に応じ、エ
ンジン１０の冷却水温度Ｔｗ及び燃料タンク８６内の燃
料温度Ｔｆ等の補助信号又は情報を加味して駆動出力を
提供するコントロールユニット８８により開閉制御さ
れ、同吐出量制御弁７０の開閉により、プランジャ室７
２内で加圧されて一方向弁を通り供給通路９０からコモ
ンレール５２に供給される加圧燃料量が制御され、従っ
て蓄圧室５４内の高圧燃料の圧力が制御される。

【０００８】次に、上記インジェクタ３０は、エンジン
１０の各気筒の燃焼室に臨む噴孔９２を具えたバルブボ
ディ９４と、同バルブボディ９４内に摺動自在に嵌装さ
れ上記噴孔９２を開閉する針弁９６と、同針弁９６の段
部９６′を囲んで上記バルブボディ９４内に形成された
燃料溜９８とを具えている。また、バルブボディ９４
に、図示を省略されているリテーニングナットによって
一体的に固着されたノズルホルダ１００内に、上記針弁
９６に対し同軸的にプレッシャピン１０２及び制御ピス
トン１０４が配設され、同制御ピストン１０４は制御油
室１０６内に摺動自在に嵌装されている。またプレッシ
ャピン１０２には、上記針弁９６を常時閉方向に付勢す
るプレッシャスプリング１０８が作用している。上記ノ
ズルホルダ１００及びバルブボディ９４内に、上記コモ
ンレール５２の蓄圧室５４と上記燃料溜９８とを常時連
通させる主燃料通路１１０が設けられ、さらにノズルホ
ルダ１００内には、上記主燃料通路１１０から分岐し三
方電磁弁１１２及びオリフィス１１４を介して上記制御
油室１０６に連通する分岐燃料通路１１６が設けられて
いる。

【０００９】上記三方電磁弁１１２は、上記コントロー
ルユニット８８により開閉制御されて、インジェクタ３
０の燃料噴射量、噴射率及び噴射時期を制御する。即
ち、コントロールユニット８８により、三方電磁弁１１
２が消勢されているときは、コモンレール５２内の高圧
燃料が、分岐燃料通路１１６からオリフィス１１４を経
て制御油室１０６に供給されるので、針弁９６に制御ピ
ストン１０４及びプレッシャスプリング１０８の閉弁力
が作用し、同針弁９６は閉弁位置に保持されるため、噴
孔９２から燃料が噴射されることはない。次に、コント
ロールユニット８８により三方電磁弁１１２が付勢され
ると、制御油室１０６と分岐燃料通路１１６との連通が
遮断されると共に、同制御油室１０６がリークオフ通路
１１８に連通されて制御ピストン１０４に印加されてい
た燃料圧力が排除されるので、燃料溜９８内の燃料圧力
により針弁９６がリフトして噴孔９２から燃料が噴射さ
れる。なお、コントロールユニット８８には、各気筒毎
のインジェクタ３０の燃料噴射タイミングを設定するた
めに、クランク角センサ１２０からクランク角情報θｃ
が、エンジンの運転状態を示す前記負荷情報Ａｃ、回転
数情報Ｎｅ、冷却水温情報Ｔｎ、燃料温度情報Ｔｆ、コ
モンレール圧情報Ｐｃ等に加え供給される。

【００１０】上記従来のコモンレールを具えたディーゼ
ルエンジンの燃料供給装置では、コモンレール５２がク
ランクケース１４に取付けられ、同コモンレールの燃料
送出部５６とインジェクタ３０の燃料入口部６０とを接
続するために、２本の燃料噴射管５８ａ及び５８ｂを必
要とし、さらにカムフレーム３２の側壁３２ａに中間接
続部６２を設けて上記２本の燃料噴射管５８ａ及び５８
ｂを接続すると共に、カムフレーム３２内のオイルの外
部流出を禁止する必要がある。従って、単一の燃料噴射
管によりコモンレールとインジェクタとを接続する場合
に較べ、中間接続部６２と燃料噴射管５８ａ，５８ｂと
の連結部分だけ、高圧燃料漏洩等の不具合発生原因が増
加し、かつ中間接続部６２における燃料流路の断面変化
に基づく圧力損失が大きい欠点があり、また構造複雑で
多くの部品を必要とする中間接続部６２を設けると共
に、２本の燃料噴射管５８ａ，５８ｂを必要とするの
で、部品点数が多くなりかつ作業工数が増加して、製造
コスト及びメンテナンスコストが増大する不都合があ
る。さらに、エンジンの運転中、シリンダヘッド２０及
びカムフレーム３２とクランクケース１４とが別個に振
動するため、クランクケース１４に取付けられたコモン
レール５２と、シリンダヘッド２０側に装着されたイン
ジェクタ３０とを接続する燃料噴射管５８ａ及び５８ｂ
のうち、特に外側の噴射管５８ａに繰り返し曲げ荷重が
作用することとなり、同噴射管５８ａが相対的に破損し
易い不具合がある。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
コモンレールを有するディーゼルエンジンにおける燃料
供給装置の欠点及び不具合を解消するために創案された
もので、構造簡単で部品点数が少なく、従って製造コス
ト及びメンテナンスコストが安く、しかも高圧燃料の漏
洩等の不具合発生の可能性が少ない燃料供給装置を提供
することを目的とするものである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、エンジンのシリンダヘッドに装着され同
シリンダヘッドと協働して各気筒の吸排気弁動弁装置及
び燃料噴射用インジェクタを収容するカムフレームと、
同カムフレームの側壁に装着され上記インジェクタに供
給される高圧燃料を貯溜する蓄圧室と同蓄圧室に夫々連
通すると共に上記カムフレーム側壁の開口内に挿通され
る各気筒毎の燃料送出部とを具えたコモンレールと、一
端を上記コモンレールの燃料送出部に連結されると共に
他端を上記インジェクタの燃料入口部に接続され夫々単
一の管部材からなる各気筒毎の燃料噴射管とを具備して
なることを特徴とするディーゼルエンジンの燃料供給装
置（以下第１発明という）、及び複数気筒の吸排気弁及
び動弁装置並びに燃料噴射用インジェクタを収容したシ
リンダヘッドと、同シリンダヘッドの側壁に装着され上
記インジェクタに供給される高圧燃料を貯溜する蓄圧室
と同蓄圧室に夫々連通すると共に上記シリンダヘッド側
壁の開口内に挿通される各気筒毎の燃料送出部とを具え
たコモンレールと、一端を上記コモンレールの燃料送出
部に連結されると共に他端を上記インジェクタの燃料入
口部に接続され夫々単一の管部材からなる各気筒毎の燃
料噴射管とを具備してなることを特徴とするディーゼル
エンジンの燃料供給装置（以下第２発明という）を提案
するものである。

【００１３】上記第１発明において、上記カムフレーム
の側壁と、同側壁に対向するコモンレールの取付面との
間に、上記カムフレーム側壁の開口が大気に連通するこ
とを禁止するシール手段が設けられることが好ましく、
また上記第２発明においては、上記シリンダヘッドの側
壁と、同側壁に対向するコモンレールの取付面との間
に、上記シリンダヘッド側壁の開口が大気に連通するこ
とを禁止するシール手段が設けられることが好ましい。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下本発明の好ましい実施形態
を、図１ないし図４を参照して説明する。（なお、図５
及び図６について説明した従前の燃料噴射装置と実質的
に同一又は対応する部材及び部分には同一の符号を用い
る。） 先ず、第１発明を示す図１ないし図４において、クラン
クケース１４の上方にヘッドガスケットを介し装架され
たシリンダヘッド２０内には、各気筒又はシリンダ１２
毎の吸気ポート２２及び排気ポート２４と、これら吸排
気ポートと気筒内の燃焼室との連通を制御する吸気弁２
６及び排気弁２８と、燃料噴射用のインジェクタ３０と
が設けられている。また、上記シリンダヘッド２０上に
装架される枠型のカムフレーム又はロッカハウジング３
２には、上記吸気弁２６及び排気弁２８を開閉する動弁
装置、即ち吸気カム３４を具えた吸気カム軸３６及び同
吸気カム３４のリフトを吸気弁２６に伝達するロッカア
ーム４２と、排気カム３８を具えた排気カム軸４０及び
同排気カム３８のリフトを排気弁２８に伝達するロッカ
アーム４４と、上記インジェクタ３０の上半部分とが収
容されている。

【００１５】上記カムフレーム又はロッカハウジング３
２の吸気マニホールド４６側の側壁３２ａに、コモンレ
ール５２が複数の取付ボルト１２２によって装着されて
いる。コモンレール５２の内部には、蓄圧室５４が設け
られ、また上記カムフレーム側壁３８ａに当接するコモ
ンレール取付面には、上記エンジン１０の各気筒に対応
する複数個の燃料送出部５６が突設され、各燃料送出部
５６は上記蓄圧室５４に夫々連通する。また、コモンレ
ール５２には、図６に示したサプライポンプ６６から吐
出される高圧燃料を上記蓄圧室５４に供給する供給通路
９０が接続されると共に、蓄圧室５４内の燃料圧力を検
知して前記コントロールユニット８８に出力するコモン
レール圧センサ８４が設けられ、さらに、図示は省略さ
れているが、蓄圧室５４内の圧力が予め設定された最高
圧力以上となったときに、異常高圧を逃がすためのプレ
ッシャリミッタが設けられている。

【００１６】上記燃料送出部５６は、カムフレーム３２
の側壁３２ａに穿設された開口１２４に挿通され、各気
筒毎の燃料送出部５６とインジェクタ３０の燃料入口部
６０とは、単一の燃料噴射管５８によって接続されてい
る。図３の要部拡大断面図に良く示されているように、
コモンレール５２のカムフレーム側壁３２ａに当接する
取付面には、上記開口１２４を囲繞する凹溝１２６が設
けられ、同凹溝１２６内にはＯリング１２８が挿入され
て側壁３２ａの外側面に圧接され、カムフレーム３２内
のオイルが外部に流出することを防止するシール手段を
形成している。なお、上記カムフレーム３２の上方開口
には、ガスケット１３０を介してロッカカバー１３２が
装着され、カムフレーム３２内のオイルが、その上方開
口から外部に飛散し逸出することがないように構成され
ている。

【００１７】また、図４の要部拡大平面図に良く示され
ているように、各気筒のインジェクタ３０の燃料排出部
６４は、図６のリークオフ通路１１８を形成する戻り管
１１８′を介して燃料タンク８６に連通している。さら
に、インジェクタ３０は、図６について説明したもの
と、実質的に同等の電磁作動式インジェクタである。

【００１８】上記第１発明の構成によれば、コモンレー
ル５２がカムフレーム３２の側壁３２ａに直接装着さ
れ、同コモンレールの燃料送出部５６とインジェクタ３
０の燃料入口部６０とが、単一の燃料噴射管５８によっ
て接続されているので、２本の燃料噴射管を中間接続部
で連結した従前の燃料供給装置と較べて、構造簡単で部
品点数が少なく、製造コスト及びメンテナンスコストが
安くなる利点があり、また中間接続部がないので、同接
続部における流路断面の変化に基づく圧力損失が発生す
ることがなく、さらに中間接続部からの高圧燃料の漏洩
発生の不具合がない利点がある。なおまた、コモンレー
ル５２がカムフレーム３２に装着されて、エンジンの運
転中、同カムフレーム３２及びシリンダヘッド２０と一
体的に振動するので、燃料噴射管５８に、コモンレール
５２とカムフレーム３２とが別個に振動する場合に生起
する曲げ荷重が作用することがなく、燃料噴射管５８の
耐久性を確保することができる。

【００１９】次に、第２発明では、カムフレーム又はロ
ッカハウジング３２を有せず、複数の気筒又はシリンダ
に共通のシリンダヘッド、換言すれば、上記第１発明の
シリンダヘッド２０とカムフレーム３２とを一体化した
シリンダヘッド内に、吸気ポート２２、排気ポート２
４、吸気弁２６、排気弁２８及びこれら吸排気弁を開閉
する動弁装置、さらに電磁作動式のインジェクタ３０を
収容したエンジン１０においては、シリンダヘッドの吸
気マニホールド側の側壁に、第１発明と実質的に同様の
要領でコモンレール５２を装着し、同コモンレール５２
のシリンダヘッド側壁に当接する取付面に突設された各
気筒のインジェクタ３０への燃料送出部５６をシリンダ
ヘッド側壁に設けられた対応する開口１２４内に挿入
し、各燃料送出部５６と対応するインジェクタ３０の燃
料入口部６０とを、単一の燃料噴射管５８によって接続
すれば良く、この第２発明によっても、上記第１発明と
実質的に同等の利点又は効果が得られることは、明らか
である。

【００２０】なお、上記第１及び第２発明の何れにおい
ても、コモンレール５２の燃料送出部５６が挿通される
カムフレーム３２又はシリンダヘッド２０の開口１２４
から、カムフレーム３２又はシリンダヘッド２０内のオ
イルが流出することを防止するシール手段を構成するＯ
リング又はガスケットは、個々の開口１２４の外周を囲
繞するように配置しても良く、又は複数個の開口１２４
群の外側を囲む長円或いは長方形の正面形状を有する環
状シール又は板状のガスケットでも良い。さらに、上記
Ｏリング１２８を収容する凹溝１２６は、コモンレール
５２側ではなく、カムフレーム側壁３２ａ側（第１発
明）、又はシリンダヘッド側（第２発明）に設けること
ができる。

【００２１】

【発明の効果】叙上のように、エンジンのシリンダヘッ
ドに装着され同シリンダヘッドと協働して各気筒の吸排
気弁動弁装置及び燃料噴射用インジェクタを収容するカ
ムフレームと、同カムフレームの側壁に装着され上記イ
ンジェクタに供給される高圧燃料を貯溜する蓄圧室と同
蓄圧室に夫々連通すると共に上記カムフレーム側壁の開
口内に挿通される各気筒毎の燃料送出部とを具えたコモ
ンレールと、一端を上記コモンレールの燃料送出部に連
結されると共に他端を上記インジェクタの燃料入口部に
接続され夫々単一の管部材からなる各気筒毎の燃料噴射
管とを具備してなることを特徴とする第１発明に係るデ
ィーゼルエンジンの燃料供給装置、および、複数気筒の
吸排気弁及び動弁装置並びに燃料噴射用インジェクタを
収容したシリンダヘッドと、同シリンダヘッドの側壁に
装着され上記インジェクタに供給される高圧燃料を貯溜
する蓄圧室と同蓄圧室に夫々連通すると共に上記シリン
ダヘッド側壁の開口内に挿通される各気筒毎の燃料送出
部とを具えたコモンレールと、一端を上記コモンレール
の燃料送出部に連結されると共に他端を上記インジェク
タの燃料入口部に接続され夫々単一の管部材からなる各
気筒毎の燃料噴射管とを具備してなることを特徴とする
第２発明に係るディーゼルエンジンの燃料供給装置によ
り、従前の同種装置と較べて、構造簡単で部品点数が少
なく、従って製造コスト及びメンテナンスコストが安
く、さらにコモンレールからインジェクタにいたる燃料
通路の圧力損失が小さく、また燃料噴射管の耐久性を向
上することができる等種々の利点を有する燃料供給装置
を提供することができるので、産業上有益である。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１発明を適用したディーゼルエンジン全体の
概略平面図である。

【図２】図１に示したエンジンの燃料供給装置部分を示
した断面図である。

【図３】図２の要部を拡大して示した部分的断面図であ
る。

【図４】図２の要部を拡大して示した部分的平面図であ
る。

【図５】従前のディーゼルエンジンにおける燃料供給装
置を示した図２同様の断面図である。

【図６】コモンレールを具えたディーゼルエンジンにお
ける燃料供給装置を示す概略構成図である。

【符号の説明】

１０…直接噴射式ディーゼルエンジン、１２…気筒又は
シリンダ、１４…クランクケース、１６…燃焼室キャビ
ティ、１８…ピストン、２０…シリンダヘッド、２２…
吸気ポート、２４…排気ポート、２６…吸気弁、２８…
排気弁、３０…インジェクタ、３２…カムフレーム、３
４…吸気カム、３８…排気カム、４２及び４４…ロッカ
アーム、５２…コモンレール、５４…蓄圧室、５６…燃
料送出部、５８，５８ａ及び５８ｂ…燃料噴射管、６０
…燃料入口部、６４…燃料排出部、６６…サプライポン
プ、６８…フィードポンプ、７４…加圧プランジャ、９
２…噴孔、９４…バルブボディ、９６…針弁、１０４…
制御ピストン、１０６…制御油室、１１２…三方電磁
弁、１１４…オリフィス、１１８及び１１８′…リーク
通路。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジンのシリンダヘッドに装着され同
   シリンダヘッドと協働して各気筒の吸排気弁動弁装置及
   び燃料噴射用インジェクタを収容するカムフレームと、
   同カムフレームの側壁に装着され上記インジェクタに供
   給される高圧燃料を貯溜する蓄圧室と同蓄圧室に夫々連
   通すると共に上記カムフレーム側壁の開口内に挿通され
   る各気筒毎の燃料送出部とを具えたコモンレールと、一
   端を上記コモンレールの燃料送出部に連結されると共に
   他端を上記インジェクタの燃料入口部に接続され夫々単
   一の管部材からなる各気筒毎の燃料噴射管とを具備して
   なることを特徴とするディーゼルエンジンの燃料供給装
   置。
2. 【請求項２】 複数気筒の吸排気弁及び動弁装置並びに
   燃料噴射用インジェクタを収容したシリンダヘッドと、
   同シリンダヘッドの側壁に装着され上記インジェクタに
   供給される高圧燃料を貯溜する蓄圧室と同蓄圧室に夫々
   連通すると共に上記シリンダヘッド側壁の開口内に挿通
   される各気筒毎の燃料送出部とを具えたコモンレール
   と、一端を上記コモンレールの燃料送出部に連結される
   と共に他端を上記インジェクタの燃料入口部に接続され
   夫々単一の管部材からなる各気筒毎の燃料噴射管とを具
   備してなることを特徴とするディーゼルエンジンの燃料
   供給装置。
3. 【請求項３】 上記カムフレームの側壁と、同側壁に対
   向するコモンレールの取付面との間に、上記カムフレー
   ム側壁の開口が大気に連通することを禁止するシール手
   段が設けられたことを特徴とする請求項１記載のディー
   ゼルエンジンの燃料供給装置。
4. 【請求項４】 上記シリンダヘッドの側壁と、同側壁に
   対向するコモンレールの取付面との間に、上記シリンダ
   ヘッド側壁の開口が大気に連通することを禁止するシー
   ル手段が設けられたことを特徴とする請求項２記載のデ
   ィーゼルエンジンの燃料供給装置。