JPH09310617A - エンジン冷却装置及び建設機械 - Google Patents

エンジン冷却装置及び建設機械

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JPH09310617A
JPH09310617A JP12608196A JP12608196A JPH09310617A JP H09310617 A JPH09310617 A JP H09310617A JP 12608196 A JP12608196 A JP 12608196A JP 12608196 A JP12608196 A JP 12608196A JP H09310617 A JPH09310617 A JP H09310617A
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JP
Japan
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engine
cooling
fan
rotation speed
air
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Application number
JP12608196A
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English (en)
Inventor
Shigehisa Funabashi
茂久 船橋
Shinichi Shimoide
新一 下出
Toshio Otaguro
俊夫 大田黒
Masatoshi Watanabe
昌俊 渡邊
Yoshio Tanito
芳雄 谷東
Shinichi Mihara
新一 三原
Zenji Kaneko
善二 金子
Toshio Takishita
利男 滝下
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】冷却ファンの回転数をエンジン回転数と別個独
立して設定可能とすることにより作業環境に応じて最適
化し、エンジン性能低下や騒音増大を防止する。 【解決手段】エンジン冷却装置は、インタークーラー9
a、オイルクーラー9bラジエーター9c等の熱交換器
と、両吸い込み遠心ファン3と、この両吸い込み遠心フ
ァン3回転軸3aにファンベルト22を介し駆動力を伝
達して回転させる電動モーター6と、エンジン2のクラ
ンク軸11からの動力で駆動され、冷却水配管15を介
しラジエーター9c内にエンジン2の冷却水の循環を行
わせるウォーターポンプ5とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの冷却装
置に関わり、例えば、建設機械等に搭載されるエンジン
の冷却装置、およびこれを用いた建設機械に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のエンジン冷却装置に関する公知
技術としては、例えば以下のものがある。 特開平5−288053号公報 この公知技術は、建設機械のエンジン冷却部において、
エンジンのクランク軸にファンベルトを介し連結された
軸流ファンにより冷却風を熱交換器に供給するものであ
る。
【0003】特開平5−248239号公報 この公知技術は、トラクタ等作業車のエンジン冷却部に
おいて、冷却風を供給するファンとして遠心ファンを使
用することにより冷却性能の向上を図るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公知技術にお
いては、エンジンのクランク軸の駆動力をファンベルト
を介し冷却ファンに伝達して回転させ、これによって冷
却風を供給している。このとき、これら公知技術には特
に記載されていないが、ファンに駆動力を伝達するファ
ンベルトは、ラジエーター等を流れる冷却水の循環を行
うウォーターポンプへの駆動力も同時に伝達するのが通
常である。つまり、あるエンジンの回転数に対し、ファ
ンおよびウォーターポンプの回転数が一義的に同時に決
定される結果となる。そしてこれにより、例えば以下の
ような課題が発生する。 (1)低温時の作業 外気温が低い場合には、冷却風の風量が少なくて済むこ
とから、冷却ファンの回転数は比較的小さい回転数で足
りるのに対し、エンジン回転数(=ウォーターポンプ回
転数)は作業のために通常通りの定格回転数が必要とな
る。したがって、上記従来構造では、エンジン回転数確
保のために冷却ファン回転数が必要以上に大きくなるこ
とになるので、冷却風が必要以上に流れてエンジンが過
冷却となり、エンジン性能を低下させる可能性がある。
また、冷却ファンはエンジン冷却装置の主音源の一つで
あることから、騒音を必要以上に大きくしてしまうこと
にもなる。
【0005】(2)高地での作業 高地で作業を行う場合、周囲空気が希薄であることか
ら、エンスト防止のためにエンジン回転数は通常より小
さくする必要があるのに対し、冷却ファンの回転数は通
常通りの回転数が必要である。特に外気温が比較的高温
となる場所では、冷却ファン回転数はむしろ通常より大
きくする必要がある。しかし、上記従来構造では、エン
スト防止のために冷却ファン回転数が小さくなることに
なるので、冷却能力が不足してエンジンが過熱しエンジ
ン性能を低下させる可能性がある。
【0006】本発明の目的は、冷却ファンの回転数をエ
ンジン回転数と別個独立して設定可能とすることにより
作業環境に応じて最適化し、エンジン性能低下や騒音増
大を防止することができる、エンジン冷却装置及びこれ
を備えた建設機械を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、エンジンが内設されたエンジン室
内に設けられ、前記エンジンの冷却水を冷却するラジエ
ーターを含む少なくとも1つの熱交換器と、前記熱交換
器、前記エンジン、及び該エンジンの周囲に設けられた
電装品を冷却する冷却風を誘起する少なくとも1つの冷
却ファンとを有するエンジン冷却装置において、前記少
なくとも1つの冷却ファンの回転軸に駆動力を伝達して
回転させるとともに、該少なくとも1つの冷却ファンの
回転数を前記エンジンの回転数と別個独立して設定可能
な駆動手段をさらに有し、かつ、前記少なくとも1つの
冷却ファンは、第1の空気取り入れ口から前記エンジン
室内に取り入れられ前記熱交換器のうち少なくとも1つ
を冷却する第1の冷却風と、第2の空気取り入れ口から
前記エンジン室内に取り入れられ前記エンジン及び電装
品を冷却する第2の冷却風とを誘起することを特徴とす
るエンジン冷却装置が提供される。すなわち、例えば冷
却ファンとして、1つのハブに固定された第1及び第2
の羽根車を備えた1つの両吸い込み遠心ファンを用いる
か、第1のハブに固定された第1の羽根車を備えた第1
の片吸い込み遠心ファン及び第2のハブに固定された第
2の羽根車を備えた第2の片吸い込み遠心ファンからな
る2つの片吸い込み遠心ファンを用いる。そして、第1
の羽根車で誘起される第1の冷却風が、第1の空気取り
入れ口からエンジン室内に取り入れられて熱交換器を冷
却した後、例えば回転軸の一端側から第1の羽根車に吸
い込まれて外周方向に吐出される。また一方、第2の羽
根車で誘起される第2の冷却風が、第2の空気取り入れ
口からエンジン室内に取り入れられてエンジン及びその
周囲の電装品を冷却した後、例えば回転軸の他端側から
第2の羽根車に吸い込まれて外周方向に吐出される。そ
してさらに、このような冷却ファンの回転数を、駆動手
段でエンジン回転数と別個独立して設定する。具体的に
は、例えば、エンジンの回転と関係なく電気エネルギー
・油圧エネルギーにより独自に駆動力を発生し、若しく
は、伝達され入力されたエンジン回転数を所望の加減速
比で変換して冷却ファンに出力するとともにこの加減速
比を加減速制御手段で可変に調整する。これにより、エ
ンジン回転数(=ウォーターポンプ回転数)に左右され
ることなく、作業環境に応じた最適な回転数を与えるこ
とができる。すなわち例えば低温時の作業においては、
エンジン回転数を通常の定格回転数にする一方、冷却フ
ァンの回転数を小さくすることができるので、従来構造
のようなエンジン過冷却による性能低下を防止し、また
冷却ファンによる騒音増大を防止できる。また高地での
作業においては、エンジン回転数を小さくしつつ冷却フ
ァンの回転数は通常通り維持することができるので、従
来構造のようなエンジン過熱による性能低下を防止する
ことができる。またこれに加え、作業環境が変化しない
場合であっても、騒音を低下させることができる。すな
わち、エンジン側にある電装品を冷却する第2の冷却風
の冷却流路が、熱交換器を冷却する第1の冷却風の冷却
流路と異なる経路となることから、電装品及び熱交換器
に対する冷却効果がそれぞれ向上する。したがって、従
来と同一の冷却効果を得れば足りる場合には、冷却ファ
ン回転数がエンジン回転数と別個独立して設定可能であ
ることを利用して、エンジン回転数を従来通り維持しつ
つ冷却ファンの回転数を下げれば、その分、冷却ファン
による騒音を低減することができる。好ましくは、前記
エンジン冷却装置において、前記駆動手段は、電気エネ
ルギーにより駆動力を発生する手段及び油圧エネルギー
により駆動力を発生する手段のいずれか一方であること
を特徴とするエンジン冷却装置が提供される。
【0008】また好ましくは、前記エンジン冷却装置に
おいて、前記駆動手段は、前記エンジンの回転が伝達さ
れて入力されるとともに、該入力された回転数を所望の
加減速比をもって変換し前記少なくとも1つの冷却ファ
ンに出力する回転数変換手段と、この回転数変換手段に
おける前記加減速比を制御する加減速比制御手段とを有
することを特徴とするエンジン冷却装置が提供される。
【0009】また好ましくは、前記エンジン冷却装置に
おいて、前記冷却ファンは、前記回転軸に固定されたハ
ブに固定され、該回転軸の一端側から前記第1の冷却風
を吸い込み外周方向に吐出する第1の羽根車と、前記ハ
ブの前記第1の羽根車と反対側に固定され、前記回転軸
の他端側から前記第2の冷却風を吸い込み外周方向に吐
出する第2の羽根車とを備えた1つの両吸い込み遠心フ
ァンであることを特徴とするエンジン冷却装置が提供さ
れる。
【0010】また好ましくは、前記エンジン冷却装置に
おいて、前記冷却ファンは、前記回転軸に固定された第
1のハブ、及びこの第1のハブに固定され該回転軸の一
端側から前記第1の冷却風を吸い込み外周方向に吐出す
る第1の羽根車を備えた第1の片吸い込み遠心ファン
と、前記回転軸に固定された第2のハブ、及びこの第2
のハブに固定され該回転軸の他端側から前記第2の冷却
風を吸い込み外周方向に吐出する第2の羽根車を備えた
第2の片吸い込み遠心ファンとを含むことを特徴とする
エンジン冷却装置が提供される。
【0011】また好ましくは、前記エンジン冷却装置に
おいて、前記エンジン室壁面に固定され、前記冷却ファ
ンの回転軸を回転自在に支承するベアリングを支持する
ベアリング支持手段をさらに有することを特徴とするエ
ンジン冷却装置が提供される。すなわち、エンジンに冷
却ファンの回転軸を直結する構造では、エンジンの振動
が冷却ファンに伝達され、通常冷却ファンの吸い込み側
に設けられている吸い込み管に対して冷却ファンの位置
が変動する。よってこの場合、冷却ファンの吸い込み口
と吸い込み管との隙間寸法はこの位置変動分を考慮して
ある程度大きく設定せざるを得ず、冷却ファンの性能低
下の一因となる。しかしながら、本発明では、エンジン
室壁面に固定されたベアリング支持手段で、冷却ファン
回転軸を支承するベアリングを支持することにより、冷
却ファンにエンジンの振動はほとんど伝達されなくなる
ので、冷却ファンの吸い込み管に対する変動も小さくな
る。よって冷却ファンの吸い込み口と吸い込み管との隙
間寸法をより小さくすることができ、冷却ファンの性能
の向上が図れる。
【0012】また好ましくは、前記エンジン冷却装置に
おいて、前記エンジンの冷却水温度、前記第1・第2の
冷却風温度、及び前記エンジン近傍の所定位置の温度の
うち、少なくとも1つを検出する温度検出手段と、この
温度検出手段での検出結果に基づき、前記駆動手段によ
る冷却ファンの回転数の設定を制御する制御手段とをさ
らに有することを特徴とするエンジン冷却装置が提供さ
れる。すなわち、駆動手段による冷却ファン回転数の設
定をエンジンの冷却状況に応じて制御手段で制御するこ
とにより、冷却ファン回転数を作業環境に応じてさらに
最適に設定することができる。
【0013】また上記目的を達成するために、本発明に
よれば、エンジン室内に設けられたエンジンと、このエ
ンジンによって駆動される油圧ポンプと、この油圧ポン
プから吐出される圧油によって駆動されるアクチュエー
タと、前記エンジンの冷却水を冷却するラジエーターを
含む少なくとも1つの熱交換器、及び、前記熱交換器・
前記エンジン・該エンジンの周囲に設けられた電装品を
冷却する冷却風を誘起する少なくとも1つの冷却ファン
を備えたエンジン冷却装置とを有する建設機械におい
て、前記エンジン冷却装置は、前記少なくとも1つの冷
却ファンの回転軸に駆動力を伝達して回転させるととも
に、該少なくとも1つの冷却ファンの回転数を前記エン
ジンの回転数と別個独立して設定可能な駆動手段をさら
に有し、かつ、前記少なくとも1つの冷却ファンは、第
1の空気取り入れ口から前記エンジン室内に取り入れら
れ前記熱交換器のうち少なくとも1つを冷却する第1の
冷却風と、第2の空気取り入れ口から前記エンジン室内
に取り入れられ前記エンジン及び電装品を冷却する第2
の冷却風とを誘起することを特徴とする建設機械が提供
される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面
を参照しつつ説明する。以下に示す実施形態は、いずれ
も、エンジンによって駆動される油圧ポンプと、この油
圧ポンプから吐出される圧油によって駆動されるアクチ
ュエータとを有する油圧ショベルの、エンジン室に設け
られるエンジン冷却装置の実施形態である。
【0015】本実施形態が適用される油圧ショベルのエ
ンジン室の概略構造を表す側断面図を図1に示す。図1
において、本実施形態のエンジン冷却装置は、エンジン
2が内設されたエンジン室1内に設けられており、エン
ジン2に供給される燃焼用空気を予冷するインタークー
ラー9aと、油圧ショベルの作動油を冷却するオイルク
ーラー9bと、エンジンの冷却水を冷却するラジエータ
ー9cと、ベアリング支持部材23を介してエンジン2
に支持されたベアリング13に回転自在に支承された回
転軸3aを備えた両吸い込み遠心ファン3と、両吸い込
み遠心ファン3の回転軸3aにファンベルト22を介し
駆動力を伝達して回転させる駆動手段、例えば電気エネ
ルギーにより駆動力を発生する電動モーター6と、両吸
込み遠心ファン3の両側(図示左右側)に設けられた2
つの吸い込み口3d,3eへ冷却風をそれぞれ導く吸い
込み管10a,10bと、エンジン2のクランク軸11
からの動力がベルト12を介し回転軸(ウォーターポン
プ回転軸)21に伝達されることで駆動され、冷却水配
管15を介しラジエーター9c内にエンジン2の冷却水
の循環を行わせるウォーターポンプ5とから主として構
成されている。
【0016】両吸い込み遠心ファン3は、回転軸3aに
固定されるハブ板(図示せず)と、このハブ板を挟んで
両側に設けられ複数枚の羽根をそれぞれ備えた羽根車3
b,3cとを備えている。そして両側の吸込口3d,3
eから吸い込んだ空気を外周方向の吐き出し口3fから
吐出するようになっている。なお、エンジン室1内の上
部・下部壁面には、外気を取り入れるための冷却風空気
取入口7a,7bおよび排気のための排気口8が設けら
れている。
【0017】以上のような構成のエンジン冷却装置にお
いて、冷却風の流れは、両吸込みファン3から見て、ラ
ジエータ9c側と、エンジン2側との2つが形成され
る。すなわち、ラジエータ9c側の流路においては、冷
却風(第1の冷却風)50は、エンジン室1外部から冷
却風取入口7aを通ってエンジン室1に入り、インター
クーラー9a、オイルクーラー9b、ラジエーター9c
等の熱交換器を過ぎた後に、吸い込み管10aによって
絞られ、両吸込み遠心ファン3に入る。そして、両吸込
み遠心ファン3の外周方向に吹き出した後、エンジン室
1上部の排気口8から外部に排出される。また、エンジ
ン2側の流路においては、冷却風(第2の冷却風)51
は、エンジン室1外部から冷却風取入口7bを通ってエ
ンジン室1に入り、エンジン2やエンジン2近傍下方に
設けられたオイルパン4等の周囲を流れながらそれらを
冷却する。そして、吸い込み管10bによって絞られ、
両吸込み遠心ファン3に入った後、両吸い込み遠心ファ
ン3の外周方向に吹き出し、上記したラジエーター9c
側の冷却風とともにエンジン室1上部の排気口8から外
部に排気される。
【0018】以上のように構成した本実施形態によれ
ば、以下のような作用効果を奏する。まず、両吸い込み
遠心ファン3の回転数を、電動モータ6でエンジン2の
回転数と別個独立して設定できることにより、エンジン
2の回転数(=ウォーターポンプ5の回転数)に左右さ
れることなく、作業環境に応じた最適な回転数を与える
ことができる。つまり例えば低温時の作業においては、
エンジン2の回転数を通常の定格回転数にする一方、両
吸い込み遠心ファン3の回転数を小さくすることができ
るので、エンジンのクランク軸の駆動力をファンベルト
を介して伝達し冷却ファンを駆動していた従来構造のよ
うなエンジン過冷却による性能低下を防止し、また冷却
ファンによる騒音増大を防止できる。また例えば高地で
の作業においては、エンジン2の回転数を小さくしつつ
両吸い込み遠心ファン3の回転数は通常通り維持するこ
とで、従来構造のようなエンジン過熱による性能低下を
防止することができる。
【0019】また、これに加え、作業環境が変化しない
場合であっても、騒音を低下させることができる。すな
わち、エンジン2側にある電装品(図示せず)を冷却す
る冷却風51の冷却流路が、熱交換器9a〜c等を冷却
する冷却風50の冷却流路と異なる経路となることか
ら、電装品及び熱交換器9a〜c等に対する冷却効果が
それぞれ向上する。したがって、従来と同一の冷却効果
を得れば足りる場合には、両吸い込み遠心ファン3の回
転数がエンジン2の回転数と別個独立して設定可能であ
ることを利用して、エンジン2の回転数を従来通り維持
しつつ両吸い込み遠心ファン3の回転数を下げれば、そ
の分、両吸い込み冷却ファン3による騒音を低減するこ
とができる。さらに、エンジン2側を冷却する冷却風5
1の流路を、熱交換器9a〜cを冷却する冷却風50の
流路から分離できることで、従来構造よりもエンジン2
側の開口部(すなわち空気取り入れ口7b)を小さくし
エンジン2側の密閉度を向上できることによっても、騒
音を低減することできる。
【0020】さらに、従来構造と異なり熱交換器9a〜
cを冷却した後の高温空気が電装品周囲を流れなくなる
ことによって、電装品に対する冷却効果を向上させるこ
とができ、電装品の信頼性を向上させることができる。
またこれによって、従来耐熱性を考慮して搭載されてい
た電装品に関し、耐熱性の考慮の必要が無くなるので、
低コスト化を図ることもできる。さらに、冷却風51に
よるエンジン2の空冷効果が高まるので、エンジン2冷
却全体に占める水冷の割合が下がり、ラジエーター9c
に要求される冷却性能を下げることができるので、ラジ
エーター9cの小型化・低コスト化を図れる。また、エ
ンジン2の回転数が両吸い込み遠心ファン3の回転数と
関係なく設定されることで、燃費を向上できる効果もあ
る。
【0021】また、両吸込み遠心ファン3は、従来構造
の冷却ファンに比較し重量が大きくなる可能性がある
が、本実施形態においては両吸い込み遠心ファン3を電
動モーター6駆動として従来構造のようにエンジン2の
回転軸21に固定しないので、エンジン2の回転軸21
のベアリング(エンジン2内に設置、図示せず)の負荷
が増大することはない。すなわち、大型化した両吸い込
み遠心ファン3の荷重は、ファン回転軸3a用のベアリ
ング13を適宜大荷重に耐えられるようなものとすれば
良い。これにより、軸流ファンの使用を想定して設計さ
れた既存のエンジン2に対しても、新たにベアリング支
持部材23及びベアリング13を設けることで本実施形
態のエンジン冷却装置を容易に実現することができる。
また、ファン回転軸3aを任意の位置に設置することが
可能になるので、従来、ラジエーター9cに対してファ
ン3が著しく偏心した状態で配置せざるを得ない場合な
どに生じていた冷却風量低下の問題を改善することがで
きる。
【0022】なお、上記実施形態においては、2つの冷
却風流路の一方でインタークーラー9a・オイルクーラ
ー9b・ラジエーター9c等の熱交換器を冷却し、他方
で電装品、エンジン2、及びオイルパン4を冷却してい
たが、これらの冷却対象物の冷却風流路への配分は、こ
れに限られない。例えば、熱交換器のうちインタークー
ラー9aをエンジン2側の吸い込み口7bの下流側に配
置してもよく、すなわち、少なくとも1つの熱交換器が
エンジン2側でない冷却風流路に配置されれば、同様の
効果を得ることができる。
【0023】本発明の第2の実施形態を図2により説明
する。第1の実施形態と同等の部材には同一の符号を付
す。図2は、本実施形態が適用される油圧ショベルのエ
ンジン室の概略構造を表す側断面図であり、第1の実施
形態と異なる点は、両吸込み遠心ファン3の代わりに、
互いに吸込み口を反対方向に向けた2つの片吸込み遠心
ファン203L,203Rが設けられていることであ
る。すなわち、この遠心ファン203L(又は203
R)は、回転軸3aに固定されたハブ板(図示せず)
と、このハブ板に固定された羽根車203La(又は2
03Ra)とを備えている。そして、図示左側の片吸い
込み遠心ファン203Lが、冷却風取り入れ口7aから
インタークーラー9a・オイルクーラー9b・ラジエー
ター9cを冷却した冷却風50を吸い込んで排気口8へ
と吹き出し、図示右側の片吸い込み遠心ファン203R
が、冷却風取り入れ口7bからエンジン2、その周囲の
電装品、及びオイルパン4を冷却した冷却風51を吸い
込んで排気口8へと吹き出す。その他の構成は、第1の
実施形態とほぼ同様である。本実施形態によっても、第
1の実施形態と同様の効果を得る。
【0024】本発明の第3の実施形態を図3により説明
する。第1及び第2の実施形態と同等の部材には同一の
符号を付す。図3は、本実施形態が適用される油圧ショ
ベルのエンジン室の概略構造を表す側断面図であり、第
1の実施形態と異なる点は、両吸い込み遠心ファン3の
回転軸3aを回転自在に支承するベアリング13を支持
するベアリング支持部材323を、エンジン2本体では
なく、エンジン室1の壁面に対して固定した点である。
その他の構成は、第1の実施形態とほぼ同様である。
【0025】本実施形態においては、第1の実施形態と
同様の作用効果に加え、以下の作用効果を得る。すなわ
ち、一般に、エンジン2はエンジン室1内で最も振動す
る部分であることから、エンジン室1に対して防振支持
されているが、両吸い込み遠心ファン3の回転軸3aを
エンジン2に直結する構造では、エンジン2の振動が伝
達されて両吸い込み遠心ファン3も振動することにな
る。一方、吸い込み管10a,bはエンジン室1に対し
て固定支持されていることから、吸い込み管10a,b
に対して両吸い込み遠心ファン3の位置が変動すること
になる。よってこの場合、両吸い込み遠心ファン3両側
の吸い込み口と、吸い込み管10a,bとの隙間寸法
は、この位置変動分(すなわちエンジン2の振動の振
幅)を考慮してある程度大きく設定せざるを得ず、両吸
い込み遠心ファン3の性能低下の一因となる。これに対
し、本実施形態においては、両吸い込み遠心ファン3の
回転軸3aを回転自在に支承するベアリング13を支持
するベアリング支持部材323を、エンジン2本体では
なく、エンジン室1の壁面に対して固定することによ
り、両吸い込み遠心ファン3にエンジン2の振動はほと
んど伝達されなくなるので、両吸い込み遠心ファン3の
吸い込み管10a,10bに対する変動も小さくなる。
よって、両吸い込み遠心ファン3の吸い込み口と、吸い
込み管10a,bとの隙間寸法をより小さくすることが
できるので、両吸い込み遠心ファン3の性能の向上を図
ることができる。またこの両吸い込み遠心ファン3の性
能向上により、所要冷却風量を得るためのファン回転数
をさらに下げることができるので、騒音低減の効果も得
られる。
【0026】本発明の第4の実施形態を図4及び図5に
より説明する。第1〜第3の実施形態と同等の部材には
同一の符号を付す。図4は、本実施形態が適用される油
圧ショベルのエンジン室の概略構造を表す側断面図であ
り、第1の実施形態と異なる点は、冷却水配管15にそ
れぞれ設けられ、ラジエーター9c出口側及び入口側に
おけるエンジン2の冷却水温度をTR1,TR2をそれぞれ
検出する温度検出手段、例えば温度センサー414a,
414bと、これら温度センサー414a,414bか
らの検出信号が入力され、これに基づき電動モータ6を
制御して両吸い込み遠心ファン3の回転数nを設定させ
る制御手段として、制御装置415が設けられているこ
とである。この制御装置415の制御内容を図5により
説明する。この図5は、温度センサー414aで検出さ
れたラジエーター9c出口側冷却水温度TR1と、温度セ
ンサー414bで検出されたラジエーター9c入口側冷
却水温度TR2との温度差ΔTR(=TR1−TR2)に対す
る、両吸い込み遠心ファン3の回転数nの変化の様子を
表したものである。図示のように、両吸い込み遠心ファ
ン3の回転数nは温度差ΔTRの増大とともに単調減少
し、温度差ΔTRが大きくなるほど両吸い込み遠心ファ
ン3の回転数nが小さくなるようになっている。すなわ
ち、制御装置415は、この図5に示される特性になる
ように電動モータ6の制御を行う。その他の構成は、第
1の実施形態とほぼ同様である。
【0027】本実施形態によれば、第1の実施形態と同
様の効果に加え、電動モータ6による両吸い込み遠心フ
ァン3の回転数nの設定を、ラジエーター9cの入口・
出口側冷却水温度差ΔTRに応じて制御装置415で制
御することで、両吸い込み遠心ファン3の回転数をさら
にきめ細かく最適に設定することができる。
【0028】本発明の第5の実施形態を図6〜図8によ
り説明する。第1〜第4の実施形態と同等の部材には同
一の符号を付す。図6は、本実施形態が適用される油圧
ショベルのエンジン室の概略構造を表す側断面図であ
り、第4の実施形態と異なる点は、オイルパン4の温度
Toを検出する温度検出手段、例えば温度センサー51
4aと、熱交換器9a〜cを冷却する冷却風50の熱交
換器上流側温度、すなわち外気温度にほぼ相当する温度
THをそれぞれ検出する温度検出手段、例えば温度セン
サー514bとをさらに設け、また、制御装置515
が、計時機能を備えるとともに、これら温度センサー5
14a,bからの検出信号と、第4の実施形態と同様の
温度センサー414a,bからの検出信号とに基づき、
電動モータ6の制御を行うことである。
【0029】この制御装置515の制御内容を表すフロ
ーチャートを図7に示す。エンジンが起動すると図7に
示すフローが開始され、まず、手順S1で、温度センサ
ー514bからの検出信号、すなわち熱交換器9a〜c
上流側の温度THを読み込む。つぎに、手順S2で、図
8に示すようなテーブルに基づき、両吸い込み遠心ファ
ン3の回転数nを決定する。このときのテーブルは、図
8に示されるように、TH=−30℃〜50℃の範囲に
おいて、温度の増加にともなって1500rpm〜25
00rpmまで単調増加するように設定されている。こ
れにより、エンジン2起動直後の暖気運転の間、外気温
度が高いか低いかに応じて両吸い込み遠心ファン3によ
る冷却風量を調整することができる。
【0030】その後、手順S3に移り、エンジンが起動
して10分が経過したかどうかを判定する。まだ10分
が経過していなければ、手順S3の判定が満たされず手
順S1に戻って手順S1〜S3を繰り返す。10が経過
していたら手順S3の判定が満たされ、手順S4へ移
る。
【0031】手順S4では、温度センサ414a,b及
び514aからの検出信号、すなわちラジエーター9c
出口側及び入口側温度TR1,TR2と、オイルパン4の温
度Toとを読み込む。そして手順S5に移り、ラジエー
ター9c前後の冷却水温度差ΔTR=TR1−TR2を算出
する。
【0032】その後、手順S6に移り、オイルパン4の
温度Toが設計上の所定の上限値Touよりも高いかどう
かを判定する。To>Touである場合、この判定が満た
されて手順S12に移りあらかじめ定められた微小回転
数偏差Δnだけ回転数をnを増加させたno=n+Δn
を両吸い込み遠心ファン3の目標回転数とする。一方、
To≦Touである場合は、手順S6の判定が満たされず
手順S7に移る。
【0033】手順S7では、オイルパン4の温度Toが
設計上の所定の下限値Tolよりも低いかどうかを判定す
る。To<Tolである場合、この判定が満たされて手順
S14に移り、あらかじめ定められた微小回転数偏差Δ
nだけ回転数をnを減少させたno=n−Δnを両吸い
込み遠心ファン3の目標回転数とする。一方、To≧To
lである場合(すなわちTol≦To≦Touである場合)
は、手順S7の判定が満たされず手順S8に移る。
【0034】手順S8では、ラジエーター9c出口側温
度TR1が設計上の所定の上限値TR1uよりも高いかどう
かを判定する。TR1>TR1uである場合、この判定が満
たされて手順S12に移り、微小回転数偏差Δnだけ回
転数をnを増加させたno=n+Δnを両吸い込み遠心
ファン3の目標回転数とする。一方、TR1≦TR1uであ
る場合は、手順S8の判定が満たされず手順9に移る。
【0035】手順S9では、ラジエーター9c出口側温
度TR1が設計上の所定の下限値TR1lよりも低いかどう
かを判定する。TR1<TR1lである場合、この判定が満
たされて手順S14に移り、微小回転数偏差Δnだけ回
転数をnを減少させたno=n−Δnを両吸い込み遠心
ファン3の目標回転数とする。一方、TR1≧TR1lであ
る場合(すなわちTR1l≦TR1≦TR1uである場合)は、
手順S9の判定が満たされず手順10に移る。
【0036】手順S10では、手順S5で算出したラジ
エーター9c前後の冷却水温度差ΔTR=TR1−TR2が
設計上の所定の下限値ΔTRlよりも低いかどうかを判定
する。ΔTR<ΔTRlである場合、この判定が満たされ
て手順S12に移り、微小回転数偏差Δnだけ回転数を
nを増加させたno=n+Δnを両吸い込み遠心ファン
3の目標回転数とする。一方、ΔTR≧ΔTRlである場
合は、手順S10の判定が満たされず手順11に移る。
【0037】手順S11では、冷却水温度差ΔTR=TR
1−TR2が設計上の所定の上限値ΔTRuよりも高いかど
うかを判定する。ΔTR>ΔTRuである場合、この判定
が満たされて手順S14に移り、微小回転数偏差Δnだ
け回転数をnを減少させたno=n−Δnを両吸い込み
遠心ファン3の目標回転数とする。一方、ΔTR≦ΔTR
uである場合(すなわちΔTRl≦ΔTR≦ΔTRuである場
合)は、手順S11の判定が満たされず手順S13に移
り、現状の回転数nに等しいno=nを両吸い込み遠心
ファン3の目標回転数とする。
【0038】そして手順S12、又は手順S13、若し
くは手順S14の後、手順S15に移り、手順S12〜
14で設定された目標回転数noと、主として電動モー
タ6の規格から決定される最大回転数nmaxとの最小値
を、最終的な目標回転数niとする。
【0039】その後、最後に、手順S16で、両吸い込
み遠心ファン3の回転数が最終目標回転数niとなるよ
うに、電動モータ6の駆動を制御する制御信号を出力
し、手順S4に戻る。これにより、結果として、Tol≦
To≦TouかつTr1l≦Tr1≦Tr1uかつΔTrl≦ΔTr≦
ΔTruとなるまで、手順S12で回転数noが増加され
るか、若しくは手順S14で回転数noが減少するよう
に調整される。
【0040】その他の構成は、第4の実施形態とほぼ同
様である。
【0041】以上のように構成した本実施形態によれ
ば、第4の実施形態と同様の効果に加え、電動モータ6
による両吸い込み遠心ファン3の回転数nの設定を、ラ
ジエーター9cの入口・出口側冷却水温度差ΔTRのみ
ならず、オイルパン4の温度Toや、ラジエーター9c
出口側冷却水温度TR1にも応じる形で、制御装置515
で制御することにより、両吸い込み遠心ファン3の回転
数を、さらにきめ細かく最適に設定することができる。
よって、効率良くかつ信頼性の高いエンジン冷却装置を
実現することができる。
【0042】なお、上記第5の実施形態においては、手
順S2で冷却風温度THに関する条件でをクリアした
後、手順S6及びS7のオイルパン温度Toに関する条
件、手順SS8及びS9のラジエーター9c出口側冷却
水温度TR1に関する条件、手順S10及びS11のラジ
エーター9c入口・出口側冷却水温度差ΔTRに関する
条件のうち、いずれか1つの条件を満たすか満たさない
かによって、回転数nを増加させるか減少させるかを決
定した。すなわち、エンジン2の冷却水温度、第1及び
第2の冷却風50,51の温度、エンジン2近傍の所定
位置(オイルパン4)の温度のうち、2つの温度検出結
果に基づき、両吸い込み遠心ファン3の回転数設定を制
御装置515で制御したが、これに限られず、以下のよ
うな変形例が考えられる。
【0043】(1)エンジンの冷却水温度、第1及び第
2の冷却風温度、エンジン近傍の所定位置の温度のう
ち、1つの温度検出結果に基づき制御する場合 この場合の制御装置の制御内容を表すフローチャートを
図9に示す。第5の実施形態と同等の手順には同一の符
号を付す。図9は、上記第5の実施形態のフローチャー
トである図7から、手順S1〜S4を削除した形となっ
ている。これは主として温暖な地域で使用される場合等
で、起動直後の暖気運転の影響をあまり考慮しなくてよ
い場合に、制御をより簡素化できる効果がある。図示の
ように、手順S6及びS7のオイルパン温度Toに関す
る条件、手順SS8及びS9のラジエーター9c出口側
冷却水温度TR1に関する条件、手順S10及びS11の
ラジエーター9c入口・出口側冷却水温度差ΔTRに関
する条件のうち、いずれか1つの条件を満たすか満たさ
ないかによって、回転数nを増加させるか減少させるか
を決定する。
【0044】(2)エンジンの冷却水温度、第1及び第
2の冷却風温度、エンジン近傍の所定位置の温度のう
ち、3つの温度検出結果に基づき制御する場合 この場合の制御装置の制御内容を表すフローチャートを
図10に示す。第5の実施形態と同等の手順には同一の
符号を付す。図10において、上記第5の実施形態のフ
ローチャートと異なる主要な点は、以下のようである。
すなわち、手順S6でのオイルパン4の温度To>設計
上上限値Touの判定が満たされた場合には、手順S10
に移り、ラジエーター9c前後の冷却水温度差ΔTR=
TR1−TR2が設計上の所定の下限値ΔTRlよりも低いか
どうかを判定する。そしてこの判定が満たされた場合に
限って、手順S12に移りあらかじめ定められた微小回
転数偏差Δnだけ回転数をnを増加させたno=n+Δ
nを両吸い込み遠心ファン3の目標回転数とする。ま
た、手順S7でのオイルパン4の温度To<設計上下限
値Tolの判定が満たされた場合には、手順S11に移
り、ラジエーター9c前後の冷却水温度差ΔTR=TR1
−TR2が設計上の所定の上限値ΔTRuよりも高いかどう
かを判定する。そしてこの判定が満たされた場合に限っ
て、手順S14に移りあらかじめ定められた微小回転数
偏差Δnだけ回転数をnを減少させたno=n−Δnを
両吸い込み遠心ファン3の目標回転数とする。
【0045】そして、これら以外の場合は、すべて手順
S13に移り、現状の回転数nに等しいno=nを両吸
い込み遠心ファン3の目標回転数とする。この場合、以
上のように、手順S6及びS7のオイルパン温度Toに
関する条件と、手順S10及びS11のラジエーター9
c入口・出口側冷却水温度差ΔTRに関する条件と、2
つの条件を満たすか満たさないかによって、回転数nを
増加させるか減少させるかを決定する。
【0046】なお、上記第3〜第6の実施形態において
は両吸込み遠心ファン3を用いたが、これに代わって、
第2の実施形態のように、片吸込み遠心ファン203
L,Rをそれぞれの吸込み口を反対側に向けて設置して
もよく、この場合も、同様の効果を得る。また、上記第
1〜第6の実施形態においては、ファン3及び203
L,Rを電動モーター6によって駆動する例を示した
が、電動モーター6の代わりに、油圧エネルギで駆動す
る油圧モーターを用いてもよく、この場合も同様の効果
が得られる。さらに、上記第1〜第6の実施形態におい
ては、エンジン2の回転とは全く関係のない独立した駆
動源である電動モータ6を用いたが、これに限られな
い。すなわち、エンジン2の回転が伝達されて入力され
るとともに、その入力された回転数を所望の加減速比を
もって変換しファン3及び203L,Rに出力する回転
数変換手段、例えば、異なる歯数の複数種類のギヤを備
えた減速ギヤ機構と、その減速ギヤ機構における伝達加
減速比を制御する加減速比制御手段、例えば減速ギヤ機
構におけるギヤを切り換えるギヤ切り換え機構、とを設
け、ファン3及び203L,Rを作業環境に応じた回転
数で回転させても良い。この場合も、同様の効果を得
る。また、上記第1〜第6の実施形態においては、熱交
換器として、インタークーラー9a・オイルクーラー9
b・ラジエーター9cを例にとって示したが、これに限
られず、エアコンのコンデンサー等、他の熱交換器が設
けられていてもよく、これらの場合も同様の効果を得
る。さらに、上記第1〜第6の実施形態は、油圧ショベ
ルのエンジン冷却装置について説明してきたが、本発明
はこれに限定されるものではなく、その他の各種建設機
械、農機等にも適用可能であり、これらの場合も、同様
の効果を得る。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、冷却ファンの回転数
を、駆動手段でエンジン回転数と別個独立して設定する
ので、エンジン回転数(=ウォーターポンプ回転数)に
左右されることなく、作業環境に応じた最適な回転数を
与えることができる。よって、エンジン過冷却・過熱に
よる性能低下・騒音増大を防止できる。また、エンジン
回転数が冷却ファン回転数と関係なく設定されること
で、燃費を向上できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態が適用される油圧ショ
ベルのエンジン室の概略構造を表す側断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態が適用される油圧ショ
ベルのエンジン室の概略構造を表す側断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態が適用される油圧ショ
ベルのエンジン室の概略構造を表す側断面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態が適用される油圧ショ
ベルのエンジン室の概略構造を表す側断面図である。
【図5】図4に示された制御装置の制御内容を表す図で
ある。
【図6】本発明の第5の実施形態が適用される油圧ショ
ベルのエンジン室の概略構造を表す側断面図である。
【図7】図6に示された制御装置の制御内容を表すフロ
ーチャートである。
【図8】図7に示された手順S2でのファン回転数の決
定のために用いられるテーブルである。
【図9】第5の実施形態の変形例における制御装置の制
御内容を表すフローチャートである。
【図10】第5の実施形態の変形例における制御装置の
制御内容を表すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン室 2 エンジン 3 両吸込み遠心ファン 3a 回転軸 3b 羽根車(第1の羽根車) 3c 羽根車(第2の羽根車) 4 オイルパン 5 ウォーターポンプ 6 電動モーター(駆動手段) 7a 冷却風吸気口(第1の空気取り入れ口) 7b 冷却風吸気口(第2の空気取り入れ口) 8 冷却風排気口 9a インタークーラー 9b オイルクーラー 9c ラジエーター 10a,b 吸込み管 11 クランク軸 12 ベルト 13 ベアリング 15 冷却水配管 21 回転軸 22 ファンベルト 23 ベアリング支持部材 50 冷却風(第1の冷却風) 51 冷却風(第2の冷却風) 203L 片吸込み遠心ファン(第1の片吸い
込み遠心ファン) 203R 片吸込み遠心ファン(第2の片吸い
込み遠心ファン) 203La 羽根車(第1の羽根車) 203Ra 羽根車(第2の羽根車) 323 ベアリング支持部材 414a,b 温度センサ(温度検出手段) 514a,b 温度センサ(温度検出手段) 515 制御装置(温度検出手段、制御手
段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F01P 7/04 F01P 7/04 Z (72)発明者 渡邊 昌俊 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 谷東 芳雄 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 三原 新一 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 金子 善二 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 滝下 利男 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンが内設されたエンジン室内に設
    けられ、前記エンジンの冷却水を冷却するラジエーター
    を含む少なくとも1つの熱交換器と、前記熱交換器、前
    記エンジン、及び該エンジンの周囲に設けられた電装品
    を冷却する冷却風を誘起する少なくとも1つの冷却ファ
    ンとを有するエンジン冷却装置において、 前記少なくとも1つの冷却ファンの回転軸に駆動力を伝
    達して回転させるとともに、該少なくとも1つの冷却フ
    ァンの回転数を前記エンジンの回転数と別個独立して設
    定可能な駆動手段をさらに有し、かつ、 前記少なくとも1つの冷却ファンは、第1の空気取り入
    れ口から前記エンジン室内に取り入れられ前記熱交換器
    のうち少なくとも1つを冷却する第1の冷却風と、第2
    の空気取り入れ口から前記エンジン室内に取り入れられ
    前記エンジン及び電装品を冷却する第2の冷却風とを誘
    起することを特徴とするエンジン冷却装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエンジン冷却装置におい
    て、前記駆動手段は、電気エネルギーにより駆動力を発
    生する手段及び油圧エネルギーにより駆動力を発生する
    手段のいずれか一方であることを特徴とするエンジン冷
    却装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のエンジン冷却装置におい
    て、前記駆動手段は、前記エンジンの回転が伝達されて
    入力されるとともに、該入力された回転数を所望の加減
    速比をもって変換し前記少なくとも1つの冷却ファンに
    出力する回転数変換手段と、この回転数変換手段におけ
    る前記加減速比を制御する加減速比制御手段とを有する
    ことを特徴とするエンジン冷却装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のエンジン冷却装置におい
    て、前記冷却ファンは、前記回転軸に固定されたハブに
    固定され、該回転軸の一端側から前記第1の冷却風を吸
    い込み外周方向に吐出する第1の羽根車と、前記ハブの
    前記第1の羽根車と反対側に固定され、前記回転軸の他
    端側から前記第2の冷却風を吸い込み外周方向に吐出す
    る第2の羽根車とを備えた1つの両吸い込み遠心ファン
    であることを特徴とするエンジン冷却装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のエンジン冷却装置におい
    て、前記冷却ファンは、前記回転軸に固定された第1の
    ハブ、及びこの第1のハブに固定され該回転軸の一端側
    から前記第1の冷却風を吸い込み外周方向に吐出する第
    1の羽根車を備えた第1の片吸い込み遠心ファンと、前
    記回転軸に固定された第2のハブ、及びこの第2のハブ
    に固定され該回転軸の他端側から前記第2の冷却風を吸
    い込み外周方向に吐出する第2の羽根車を備えた第2の
    片吸い込み遠心ファンとを含むことを特徴とするエンジ
    ン冷却装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のエンジン冷却装置におい
    て、前記エンジン室壁面に固定され、前記冷却ファンの
    回転軸を回転自在に支承するベアリングを支持するベア
    リング支持手段をさらに有することを特徴とするエンジ
    ン冷却装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のエンジン冷却装置におい
    て、前記エンジンの冷却水温度、前記第1・第2の冷却
    風温度、及び前記エンジン近傍の所定位置の温度のう
    ち、少なくとも1つを検出する温度検出手段と、この温
    度検出手段での検出結果に基づき、前記駆動手段による
    冷却ファンの回転数の設定を制御する制御手段とをさら
    に有することを特徴とするエンジン冷却装置。
  8. 【請求項8】 エンジン室内に設けられたエンジンと、
    このエンジンによって駆動される油圧ポンプと、この油
    圧ポンプから吐出される圧油によって駆動されるアクチ
    ュエータと、前記エンジンの冷却水を冷却するラジエー
    ターを含む少なくとも1つの熱交換器、及び、前記熱交
    換器・前記エンジン・該エンジンの周囲に設けられた電
    装品を冷却する冷却風を誘起する少なくとも1つの冷却
    ファンを備えたエンジン冷却装置とを有する建設機械に
    おいて、 前記エンジン冷却装置は、前記少なくとも1つの冷却フ
    ァンの回転軸に駆動力を伝達して回転させるとともに、
    該少なくとも1つの冷却ファンの回転数を前記エンジン
    の回転数と別個独立して設定可能な駆動手段をさらに有
    し、 かつ、前記少なくとも1つの冷却ファンは、第1の空気
    取り入れ口から前記エンジン室内に取り入れられ前記熱
    交換器のうち少なくとも1つを冷却する第1の冷却風
    と、第2の空気取り入れ口から前記エンジン室内に取り
    入れられ前記エンジン及び電装品を冷却する第2の冷却
    風とを誘起することを特徴とする建設機械。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101035293B1 (ko) * 2003-11-24 2011-05-18 두산인프라코어 주식회사 건설중장비의 냉각수 펌프구동장치
JP2017141606A (ja) * 2016-02-10 2017-08-17 日立建機株式会社 建設機械

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