JPH09287451A - ラジエータ冷却装置 - Google Patents

ラジエータ冷却装置

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JPH09287451A
JPH09287451A JP9971696A JP9971696A JPH09287451A JP H09287451 A JPH09287451 A JP H09287451A JP 9971696 A JP9971696 A JP 9971696A JP 9971696 A JP9971696 A JP 9971696A JP H09287451 A JPH09287451 A JP H09287451A
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JP
Japan
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air
jet
blower
radiator
type blower
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Application number
JP9971696A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kondo
博之 近藤
Takeshi Kimura
剛 木村
Toshiaki Sakabe
俊明 坂部
Shigeru Yamaguchi
茂 山口
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Aisin Chemical Co Ltd
Original Assignee
Aisin Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 騒音が少なく、作動効率がよく、搭載設計の
自由度が大きく、低コストで形成できるラジエータ冷却
装置を提供する。 【解決手段】 ラジエータR(及びコンデンサC)の一
側に配置され、加圧された空気を一次空気として吹出す
スリット22を備え、その一次空気の噴流によって外気
を二次空気として誘引してラジエータR(及びコンデン
サC)に流通させる噴流形ブロワ1aと、外気を加圧し
て噴流形ブロワ1aに一次空気として供給するためのエ
ンジンEまたは電気モータによって駆動される空気ポン
プ3と、その空気ポンプ3から噴流形ブロワ1aへの加
圧空気の供給を制御する制御手段(制御バルブ手段8,
電子制御ユニット9)とを具備する。誘引形の送風装置
である噴流形ブロワを使用するので、比較的少ない加圧
空気を一次空気として多量の外気を送風することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車のラジエータ
に外気を流通させてそれを冷却するラジエータ冷却装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車においては、エンジン(内燃機
関)を適切な温度に保持するために一般に液冷式のエン
ジン冷却システムが採られ、ウォータポンプによりエン
ジン冷却液をシリンダ頭部及び周囲に形成されたウォー
タジャケットに送り、そこで燃焼熱を吸収させる一方、
その冷却液をラジエータ(放熱器)との間で循環させ、
外気と熱交換させてその熱を放熱させるようにしてい
る。そして、このラジエータでの放熱が十分になされる
ためには、ラジエータを流通する外気の風量を十分に確
保することが必要である。そのため、通常、ラジエータ
は車速風を最も取込み易い車体の最前部にフロントグリ
ルを介して配置され、また、外気をそのフロントグリル
から吸入し、ラジエータを通して流通させるために、一
般に軸流ファンからなる冷却ファンが設けられている。
【0003】なお、自動車にエアコン(空調装置)が備
えられる場合、圧縮機で圧縮された高温高圧のガス冷媒
を外気と熱交換させて冷却し、凝縮させるためのコンデ
ンサ(凝縮器)は、ラジエータに並列して配置すること
が一般的である。そして、これによって、上記の冷却フ
ァンによって送風された外気をラジエータと共にこのコ
ンデンサに流通させて、これを冷却するようになってい
る。つまり、この場合には、冷却ファンはラジエータの
冷却だけでなく、エアコンのコンデンサの冷却にも利用
され、ラジエータとコンデンサとが合せて通風冷却され
る。
【0004】そして、このような冷却ファンによるラジ
エータ(及びコンデンサ)の冷却において、最も簡易な
冷却ファンの駆動形式はエンジン直結駆動方式である。
即ち、エンジンのクランクプーリからベルトを介して駆
動される駆動軸(一般に、ウォータポンプの駆動軸)に
冷却ファンを直結して、エンジンの駆動により直接冷却
ファンを回転駆動させる方式である。しかし、冷却ファ
ンが回転時に発生する騒音は一般に大きく、また、回転
数が高くなる程そのファン騒音が増大する。そのため、
このエンジン直結駆動方式の場合では、高速走行時のフ
ァン騒音が特に大きくなる傾向がある。また、暖機運転
時等の冷却が不必要な時でも冷却ファンが回転駆動され
ることは、エンジンの動力損失となる。そこで、現在で
は、ファン騒音の低減、暖機運転性の向上、燃費向上
(低動力化)等の点から、より制御された方式で冷却フ
ァンを駆動させるようにしている。
【0005】その一つの方式は、粘性流体継手からなる
感温型のオートファンカップリング(AFC)を使用し
てファンの回転を制御する方式である(「AFC方
式」)。この場合、冷却ファンは、上記のエンジンによ
って駆動される駆動軸にそのAFCを介して連結され
る。そして、このAFCは、その前面のバイメタルによ
ってラジエータからの通過空気温度を感知して、作動液
としての粘性流体量を増減して伝達トルクを変え、それ
によって、冷却ファンの回転数をその温度に応じて段階
的にまたは無段階に自動的に制御する。そのため、この
AFC方式によれば、必要時のみに、また、必要とされ
る風量に応じて冷却ファンを回転駆動させることができ
るので、燃費を向上し、ファン騒音をより低減すること
ができる。
【0006】また、冷却ファンの制御された駆動方式と
しては、冷却ファンを油圧モータによって回転駆動する
「油圧駆動方式」も知られている。これは、エンジンに
よって油圧ポンプを駆動すると共に、その油圧ポンプか
ら吐出される作動油を、電子制御ユニット(ECU)に
より制御される電磁弁を介してその油圧モータに供給
し、冷却ファンを回転駆動制御するものである。そし
て、そのECUによる制御は、ラジエータ及びコンデン
サの温度等に基づいて行われる。そのため、上記のAF
C方式の場合よりも、冷却ファンの駆動の最適制御をよ
り正確に、また確実に行うことができる。また、この油
圧駆動方式では、油圧ポンプと油圧モータとは配管で連
結されるので、搭載レイアウトをエンジンの配置等にか
かわらず自由に設定できる利点もある。
【0007】更に、エンジンが横置とされるFF車で
は、電気モータ付の冷却ファンを使用した「電動ファン
方式」が一般的である。この方式では、動力源がバッテ
リ電源であるため、冷却ファンの駆動と停止、増速と減
速等の制御が容易であり、所望の冷却制御特性が容易に
得られる利点がある。また、電動ファンの搭載形態とし
てはラジエータ(及びコンデンサ)の後方側に配置する
吸込みタイプと、前方側に配置する押込みタイプとがあ
るが、電動ファンは比較的コンパクトに形成することが
できるため、いずれのタイプであっても搭載レイアウト
を容易に設計できる。なお、この電動ファン方式は、A
FC方式に組合わされる場合もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、自動車の
ラジエータ、または、ラジエータ及びこれに並設された
コンデンサに外気を流通させて冷却するラジエータ冷却
装置としては、冷却ファンを制御して回転駆動する「A
FC方式」、「油圧駆動方式」、及び「電動ファン方
式」が一般的である。そして、これらの各方式はそれぞ
れ優れた利点を有しているが、同時に短所も有してい
る。
【0009】即ち、オートファンカップリングを用いた
AFC方式においては、特に、エンジン回転数が増加す
る走行時にファン騒音が大きくなる傾向がある。また、
エンジン直結駆動方式の場合を含めたこのようなエンジ
ン駆動ファンの形式では、冷却ファンはエンジン側に、
それを覆うシュラウドは車体側に固定されるため、エン
ジン振動や車体の揺れを考慮して、冷却ファンとシュラ
ウドとの間には比較的大きな隙間(チップクリアラン
ス)が必要とされる。そのため、ファン作動効率が劣
り、また、その比較的大きいチップクリアランスによっ
て乱流騒音が生じ易い傾向がある。更に、エンジンルー
ムが狭い場合には搭載設計が困難であり、また、エンジ
ンが横置であるFF車には適用できない不利もある。
【0010】これに対して、油圧駆動方式及び電動ファ
ン方式は、最適な制御が可能である点、チップクリアラ
ンスを最少にすることができる点、及び搭載設計の自由
度が大きい点等で有利である。しかし、油圧駆動方式に
おいては、専用の油圧ポンプと油圧モータとが必要であ
り、装置のコストが比較的高くなる傾向にある。また、
電動ファン方式では、バッテリ電源が使用されるため、
出力を上げ、高風量を得るためには限界があり、また、
バッテリへの負担が大きい。
【0011】また、冷却ファンによって外気を送風する
これらの形式では、いずれにしても、ブレード面上での
境界層剥離等によって渦流騒音が発生し易い。そして、
このファン騒音はブレード形状の適切な設計によってあ
る程度低下させることができるが、それにも限度があ
り、特に、高速回転時の騒音を十分に低下させることは
困難である。そのため、このような実状から、ラジエー
タ(及びコンデンサ)に外気を流通させてそれを冷却す
るラジエータ冷却装置に関しては、冷却ファンの使用に
代わる新しい形式のシステムが要望されていた。
【0012】そこで、本発明は、騒音が少なく、高風量
を確保することができ、制御が容易であり、作動効率が
良く、搭載設計の自由度が大きく、バッテリ電源が使用
される場合でもそれに対する負担が少なく、また、低コ
ストで形成することができるラジエータ冷却装置の提供
を課題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、基本的に
は、冷却ファンに代えて、噴流形ブロワ、即ち、加圧さ
れた空気をスリットから一次空気として吹出し、この吹
出された一次空気の噴流によって外気を二次空気として
誘引して送風する誘引形式の送風装置(噴流ポンプ)、
を使用することによって、解決することができる。
【0014】即ち、請求項1にかかるラジエータ冷却装
置は、ラジエータの一側に配置され、加圧された空気を
一次空気として吹出すスリットを備え、そのスリットか
ら吹出された一次空気の噴流によって外気を二次空気と
して誘引してラジエータに流通させる噴流形ブロワと、
外気を加圧して噴流形ブロワに一次空気として供給する
ための空気ポンプと、その空気ポンプから噴流形ブロワ
への加圧空気の供給を制御する制御手段とを具備するも
のである。
【0015】ここで、この一次空気の吹出口としてスリ
ットを備えた噴流形ブロワ自体は、例えば、特開昭62
−58100号公報、特開平6−280800号公報等
において既に知られており、空気力搬送、或いは室内の
換気のための送風手段として利用されている。そして、
この噴流形ブロワは、少ない一次空気によって多量の
(一般にそれの10倍以上の)空気を誘引し、送風する
ことができ、また、騒音が少ない等の特長を有してい
る。
【0016】そのため、このラジエータ冷却装置によれ
ば、比較的少量の加圧空気により多量の外気を誘引して
送風することができるため、発生する騒音は少なく、ま
た高風量を確保することができ、更に作動効率が良い。
また、送風と風量の制御は、その加圧空気からなる一次
空気の供給を制御すればよいため、電磁弁等により容易
に行うことができる。更に、噴流形ブロワは、加圧空気
を吹出すスリットを基本的に備えるだけの簡易な構造で
形成できるため、これを含む装置全体を低コストで形成
することができ、また、コンパクトに形成できるので、
搭載設計の自由度が大きく、車種或いはエンジンの配置
等にかかわらず容易に搭載レイアウトを設計することが
できる。
【0017】そして、このラジエータ冷却装置におい
て、その噴流形ブロワは、吸込みタイプまたは押込みタ
イプとして、ラジエータの前後のいずれの側にも配置す
ることができる。また、圧縮し加圧した外気を噴流形ブ
ロワに一次空気して供給するための空気ポンプは、具体
的には、エンジンによってまたはバッテリを電源とする
電気モータによって駆動することができる。そして、そ
の電気モータを使用する場合であっても、一次空気の供
給量は少なくてもよいため、バッテリに対する負担も少
ない。
【0018】なお、このラジエータ冷却装置において、
エアコンを備えた自動車の場合ではそれのコンデンサが
ラジエータに並列して設置されることが一般的である
が、この場合、そのコンデンサの冷却もラジエータの冷
却と併せて行われる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。
【0020】〔第一実施形態〕図1は本発明の第一実施
形態のラジエータ冷却装置を模式的に示す説明図である
(ただし、噴流形ブロワは断面で示されている)。ま
た、図2はその噴流形ブロワの斜視図である。
【0021】図1において、Eはエンジン、Rはラジエ
ータ、Cはコンデンサであり、これらは自動車の前部の
エンジンルーム内(ボンネット内)に配備され、ラジエ
ータRとコンデンサCは並列してその最前部に配置され
ている。なお、これらの熱交換器R,Cの相互の配置に
ついては、図1のように、コンデンサCがラジエータR
の前面側に並列されるのが一般的である。ここで、ラジ
エータRはエンジン冷却液を外気と熱交換して放熱する
ためのものであり、ウォータポンプ等を含む図示しない
配管によって、エンジンEのウォータジャケットとの間
で液冷式エンジン冷却システムとしての循環経路を形成
している。また、コンデンサ(凝縮器)Cは、図示しな
い圧縮機及び蒸発器を含むエアコン(空調装置)の冷媒
サイクル経路の一部を形成するものであり、圧縮機で圧
縮された高温高圧のガス冷媒を外気との熱交換により冷
却し、液冷媒として凝縮させるものである。そして、こ
れらの熱交換器R,Cは、図示しないフロントエンドの
グリルから流入する外気がこれらを流通し、熱交換する
ことによって冷却されるようになっている。
【0022】そして、この冷却システムにおいて、外気
をラジエータRとコンデンサCに強制的に流通させてこ
れを十分に冷却するために、本実施形態においては、全
体を1aで示す噴流形ブロワが備えられている。より具
体的には、この噴流形ブロワ1aは、取付部材を兼ねた
シュラウド2を介して、ラジエータRの後面側に配置さ
れて取付けられている。つまり、フロントグリルから流
入する外気が、通風装置としての噴流形ブロワ1aによ
ってこれらの熱交換器C,Rを通して吸込まれるように
されている。
【0023】図1及び図2のように、本実施形態のこの
噴流形ブロワ1aは、略円筒状の形状に形成され、ま
た、空気の吸入口を形成する空気吸入側部材20と、送
出される空気の案内通路を形成する空気送出側部材21
とから簡易に形成されている。より詳細には、これらの
空気吸入側部材20と空気送出側部材21とは相互にネ
ジ結合によって組付けられ、そして共同して、その内側
に絞り部を含むベンチュリ管状の空気流路を形成すると
共に、その空気流路の上流側おいて内側に開口する環状
のスリット22を形成している。そのため、この噴流形
ブロワ1aでは、それらの部材20,21のネジ込み量
を調節することによって、スリット22の幅を調整でき
るようになっている。また、この環状のスリット22と
連通して、同じく環状の加圧空気室23が設けられ、更
に、この加圧空気室23には、加圧された空気からなる
一次空気を導入するための一次空気導入口24が設けら
れている。即ち、一次空気導入口24から導入された圧
縮され、加圧された空気は、十分な広さを有する加圧空
気室23に流入し、ここで圧力が周方向全体に均一化さ
れた後、環状のスリット22から噴流として吹出すよう
にされている。
【0024】なおここで、スリット22は、図1のよう
に、それから吹出される一次空気の噴流が空気流路の下
流側に指向するように、下流側に少し傾斜して形成され
ている。また、それと共に、スリット22の開口の下流
側に隣接する空気送出側部材21の内側表面は滑らかに
彎曲して形成され、それにより、「コアンダ効果」によ
って一次空気の噴流が下流側に指向するようになされて
いる。なお、この「コアンダ効果」とは、気体や液体の
噴流が、彎曲した壁の曲面に沿った方向の近くを流れよ
うとする傾向があることを言う。
【0025】したがって、この噴流形ブロワ1aによれ
ば、一次空気導入口24から加圧された空気を一次空気
として導入すると、その一次空気は加圧空気室23を介
してスリット22から吹出される。そして、このスリッ
ト22から吹出された一次空気の噴流は、噴流形ブロワ
1a内の空気流路を送出側(下流側)に向かって高速で
流れるため、その気流の後方側(吸入口側)には圧力降
下が引起こされ、それによって、外気が二次空気として
吸入口から誘引され、送風される。なお、この誘引によ
る送風作用は、噴流ポンプ(ジェットポンプ)の場合と
同様である。そのため、この噴流形ブロワ1aの送風に
よって、冷却のための外気がシュラウド2を介して吸込
まれ、コンデンサC及びラジエータRを流通してこれら
を冷却する。
【0026】他方、その噴流形ブロワ1aに加圧空気を
一次空気として供給する加圧空気供給装置は、空気ポン
プ3を含み形成されている。そして、本実施形態におい
ては、この空気ポンプ3はエンジンEによって駆動され
るようになされており、具体的には、エンジンEのクラ
ンクプーリ4に、ベルト5を介して適度に減速されまた
は増速されて連結されている。ここで、この空気ポンプ
3としては、遠心式、軸流式、斜流式等のターボ形、或
いは回転式、往復式等の容積形のいずれの形式のもので
もよく、また、渦流形等のその他の形式の空気ポンプも
使用することができる。ただ、その一次空気としての加
圧空気には、特に高い圧力や高度の流動安定性等は要求
されない。そのため、それらの空気ポンプの中でも、比
較的多くの流量を得ることができ、また広い流量範囲に
おいて効率変動が少ない等の点で、ターボ形空気ポンプ
では後向き羽根ファン(ターボファン)形、ラジアルフ
ァン(パドルファン)形、多翼ファン形等の遠心式空気
ポンプが、また、容積形空気ポンプでは二葉形(三葉
形)空気ポンプが一般に好ましい。なお、この空気ポン
プ3は、それらのいずれの形式の場合であっても、噴流
形ブロワ1aの一次空気として必要な最大流量を、回転
数が最も少ないエンジンEのアイドル回転時においても
供給できるように選定され、または設定される。
【0027】また、この空気ポンプ3の吸込口にはフィ
ルタ6を備える外気取入管7が接続され、エンジンルー
ム内の適当な個所から外気を取入れ可能に形成される一
方、吐出口側は、電子制御ユニット(ECU)9によっ
て制御される電磁バルブ等からなる制御バルブ手段8を
介して、配管10により噴流形ブロワ1aの一次空気導
入口24に接続される。即ち、エンジンEの駆動により
空気ポンプ3から吐出される加圧空気は、強制送風によ
るラジエータR及びコンデンサCの冷却が必要なときに
のみ噴流形ブロワ1aに供給されるように、制御バルブ
手段8と電子制御ユニット9とを含む制御手段によって
制御される。この制御自体は従来の油圧駆動ファン方式
または電動ファン方式の場合と同様であり、具体的に
は、ラジエータR及びコンデンサCにおけるエンジン冷
却液及び冷媒の温度、これらの通過空気の温度、或いは
コンデンサCの内部圧力、更にはエンジンEの回転数等
を検知し、これを電子制御ユニット9で演算して制御バ
ルブ手段8の開閉を制御する。そしてこれによって、暖
機運転時等の噴流形ブロワ1aによる不必要な送風をな
くし、騒音を最小に抑制することができる。なお、この
制御バルブ手段8を含む回路には、エンジンEの動力を
節減するために戻り流路11が設けられ、空気ポンプ3
から吐出された加圧空気が噴流形ブロワ1aに供給され
ないときには、その加圧空気がこの戻り流路11を介し
て、空気ポンプ3の吸込口側に戻されるようにされてい
る。
【0028】このように、本第一実施形態のラジエータ
(及びコンデンサ)冷却装置は、ラジエータR(及びコ
ンデンサC)の後方側に配置され、加圧された空気を一
次空気として吹出すスリット22を備え、そのスリット
22から吹出された一次空気の噴流によって外気を二次
空気として誘引してラジエータR(及びコンデンサC)
に流通させる噴流形ブロワ1aと、外気を加圧してその
噴流形ブロワ1aに一次空気として供給するための空気
ポンプ3と、その空気ポンプ3から噴流形ブロワ1aへ
の加圧空気の供給を制御する制御手段とを基本的に備え
るものである。より具体的には、空気ポンプ3はエンジ
ンEによって駆動されるようになっており、また、制御
手段は制御バルブ手段8と電子制御ユニット9とを含み
形成されている。
【0029】したがって、このラジエータ(及びコンデ
ンサ)冷却装置によれば、誘引形の送風装置である噴流
形ブロワ1aを使用しているので、加圧空気からなる一
次空気を動力源としてこれを何倍にも増幅して送風する
ことができるため、ラジエータR及びコンデンサCを十
分な風量で冷却することができる一方、冷却ファンを使
用した従来の場合のような境界層剥離等による渦流音の
発生が少ないため、高風量で外気が送風されるときで
も、発生する騒音が少ない効果がある。また、必要な風
量を得るために要する加圧空気は少量でよいため、冷却
ファンの駆動により所定の風量を得る従来の場合よりも
作動効率が良く、エンジンEの動力損失をより少なくす
ることができる。更に、噴流形ブロワ1a自体は、加圧
空気を吹出すスリット22を備えるだけの簡易な構造で
コンパクトに形成でき、また可動部分を備えないため、
これを含む冷却装置全体を低コストで形成することがで
きると共に、搭載設計の自由度が大きく、車種或いはエ
ンジンの配置等にかかわらず容易に搭載レイアウトを設
計することができる効果がある。
【0030】また、噴流形ブロワ1aによる送風と風量
の制御は、空気ポンプ3からの加圧空気の供給を制御す
ることによって容易に行うことができ、そして、そのよ
うな制御手段(制御バルブ手段8及び電子制御ユニット
9)が備えられているので、ラジエータR(及びコンデ
ンサC)の冷却が必要なときにのみ噴流形ブロワ1aを
作動させることができ、それによって、送風によって生
じる騒音を最小に抑えることができる。
【0031】なお、本実施形態では噴流形ブロワ1aを
ラジエータR及びコンデンサCの後方側に配置し、所
謂、吸込タイプとして形成したが、この噴流形ブロワ1
aはそれらの熱交換器のいずれの側に配置してもよく、
それらの前方側、即ち、コンデンサCの前面側に配置し
て、所謂、押込タイプとして形成することもできる。そ
して、いずれの側に配置するかは、エンジンルーム内の
具体的なレイアウト等に応じて適宜決めることができ
る。また、2機の噴流形ブロワ1aを前方側及び後方側
に交互に配置し、吸込タイプと押込タイプの組合せ配列
(パラレル配列)とすることもできる。
【0032】〔第二実施形態〕図3は本発明の第二実施
形態のラジエータ冷却装置を模式的に示す説明図である
(ただし、噴流形ブロワは断面で示されている)。ま
た、図4はその噴流形ブロワを前側から見て示す平面図
である。なお、これらの図において、図1及び図2の第
一実施形態のラジエータ冷却装置と同一または相当する
部分には、同一の符号を用いている。
【0033】図3のように、本第二実施形態のラジエー
タ冷却装置は、第一実施形態の場合と同様に、並設され
たラジエータR及びコンデンサCの後方側(冷却風の送
出側)に、シュラウド2(またはステー)を介して噴流
形ブロワ1bが配置されて形成されている。ただし、こ
の噴流形ブロワ1bは、より多量の外気を送風してそれ
らの熱交換器R,Cに流通させることができる形態に形
成されている。また、本実施形態では、その噴流形ブロ
ワ1bに加圧空気を一次空気として供給するための空気
ポンプ3は、バッテリを電源とする電気モータ12によ
って駆動されるようになっている。
【0034】即ち、この噴流形ブロワ1bは、図3の断
面図及び図4の平面図で示されるように、二重の略円筒
状の形状、つまり、図1及び図2の噴流形ブロワ1aの
内側に、同様の噴流形ブロワを更に同心状に組合せた形
態に形成されている。詳細には、この噴流形ブロワ1b
は、外側ブロワ筒25及び内側ブロワ筒26と、これら
を互いに連結する連結部27とからなり、この連結部2
7は加圧空気を送給可能に管状に形成されている。ここ
で、外側ブロワ筒25は第一実施形態の噴流形ブロワ1
aに相当するものであり、空気吸入側部材20と空気送
出側部材21とから形成され、そしてこれらの共同によ
り、内側に開口する環状のスリット22とこれに連通す
る加圧空気室23とが形成されている。また、内側ブロ
ワ筒26は同様の空気の吸入口を内周及び外周の両側に
形成する内側空気吸入側部材28と、送出される空気の
案内通路を同じく内周及び外周の両側に形成する内側空
気送出側部材29とから形成され、そしてこれらの共同
によって、環状のスリット22とこれに連通する加圧空
気室23とがそれの外周側と内周側とに対称的に形成さ
れている。なお、より具体的には、その内側空気送出側
部材29は内周側部材と外周側部材とを接着等により結
合して形成され、またその外周側部材は連結部27と共
に空気送出側部材21と一体に形成されている。
【0035】そのため、この噴流形ブロワ1bにおいて
は、適当な個所に設けられた単一のまたは複数の一次空
気導入口24から加圧空気が導入されると、その加圧空
気は外側ブロワ筒25の加圧空気室23に流入し、また
その一部は連結部27を通って内側ブロワ筒26の加圧
空気室23に流入し、外側ブロワ筒25及び内側ブロワ
筒26の各スリット22から吹出される。そして、この
吹出された加圧空気は、外側ブロワ筒25の内周面と内
側ブロワ筒26の外周面との間に形成された環状の空気
流路及び内側ブロワ筒26の内周面に形成された空気通
路を高速で下流側に流れ、これによって外気が吸入口か
ら誘引されて送風される。なお、この誘引による送風作
用の詳細は第一実施形態の場合と同じである。したがっ
て、本実施形態の噴流形ブロワ1bによれば、2機の噴
流形ブロワが二重に複合された形態に形成されているの
で、より多量の外気を送風することができる。
【0036】また、本実施形態のラジエータ冷却装置に
おいて、その噴流形ブロワ1bに加圧空気を一次空気と
して供給する加圧空気供給装置は、第一実施形態の場合
と同様に、空気ポンプ3を含み形成される。ただし、本
実施形態では、この空気ポンプ3は、バッテリ電源によ
り作動される電気モータ12によって駆動されるように
なっている。そのため、空気ポンプ3の吸込口側にはフ
ィルタ6を備える外気取入管7が接続され、エンジンル
ーム内の適当な個所から外気を取入れ可能に形成される
が、それの吐出口側は、配管10により、噴流形ブロワ
1bの一次空気導入口24に直接接続されている。そし
て、その加圧空気の供給の制御は、空気ポンプ3を駆動
する電気モータ12の作動自体を、電子制御ユニット
(ECU)9により制御することによって行われるよう
になっている。
【0037】このように、本第二実施形態のラジエータ
冷却装置は、ラジエータR(及びコンデンサC)の後方
側に配置され、加圧された空気を一次空気として吹出す
スリット22を備え、そのスリット22から吹出された
一次空気の噴流によって外気を二次空気として誘引して
ラジエータR(及びコンデンサC)に流通させる噴流形
ブロワ1bと、外気を加圧して噴流形ブロワ1aに一次
空気として供給するための空気ポンプ3と、その空気ポ
ンプ3から噴流形ブロワ1aへの加圧空気の供給を制御
する制御手段とを基本的に備えるものである。そして、
より具体的には、空気ポンプ3は電気モータ12によっ
て駆動されるようになっており、また、制御手段はその
電気モータ12の作動を制御する電子制御ユニット9か
ら形成されている。なお、この電子制御ユニット9によ
る制御の態様は、第一実施形態の場合と同様である。
【0038】したがって、このラジエータ冷却装置によ
れば、誘引形の送風装置である噴流形ブロワ1bを使用
しているので、第一実施形態の場合と同じく、ラジエー
タR及びコンデンサCを十分な風量で冷却することがで
きる一方、発生する騒音が少なく、また、作動効率が良
く、電気モータ12の電力源であるバッテリへの負担も
小さく、更に、搭載設計の自由度が大きく、容易に搭載
レイアウトを設計することができる等の効果がある。そ
して、本実施形態の噴流形ブロワ1bは、第一実施形態
の噴流形ブロワ1aが二重に複合された形態のものであ
り、より多くの冷却風を送風することができる。そのた
め、この噴流形ブロワ1bは、大形のラジエータRまた
はコンデンサCの冷却に特に適している。
【0039】また、空気ポンプ3の駆動のために電気モ
ータ12を使用した本実施形態においては、加圧空気の
供給の制御はその電気モータ12の作動自体を電気的に
制御すればよいので、騒音及び動力損失を最小に抑える
ための冷却風の送風と風量の最適制御を容易に行うこと
ができ、また、制御手段自体も、バルブ手段等を要しな
いために、より簡易に形成することができる効果があ
る。ただし、最終的な燃料効率の点からすれば、第一実
施形態のように、空気ポンプ3をエンジンEによって直
接的に駆動する方が優れている。そのため、いずれを採
用するかは、車種等に応じて適宜決めることができる。
【0040】なお、噴流形ブロワ1bの配置について
は、第一実施形態の場合と同様に、ラジエータR(及び
コンデンサC)の前後のいずれの側でもよく、つまり、
吸込タイプと押込タイプのいずれでもよく、また、必要
に応じてパラレル配列とすることもできる。
【0041】〔第三実施形態〕なお、略円筒状の形状さ
れたこれらの噴流形ブロワ1a,1bにおいて、それの
送風効率をより高めるために、吹出された一次空気の噴
流を旋回流として形成することができる。
【0042】図5は本発明の第三実施形態の噴流形ブロ
ワの要部を示す断面図である。また、図6は図5のX−
X線に沿った断面図である。
【0043】図5のように、本第三実施形態の噴流形ブ
ロワ1cは、図1及び図2に示す第一実施形態の噴流形
ブロワ1a(または第二実施形態の噴流形ブロワ1b)
を基礎とするものであり、空気の吸入口を形成する空気
吸入側部材20と、送出される空気の案内通路を形成す
る空気送出側部材21とから形成され、環状のスリット
22と加圧空気室23とを備えた略円筒状の形状に形成
されている。そして、図1のように、加圧空気導入口2
4から圧縮され、加圧された空気が一次空気として導入
されると、その加圧空気は環状の加圧空気室23に流入
し、次いでスリット22から吹出され、空気送出側部材
21の内周面によって形成されるベンチュリ管状の空気
流路を、噴流として下流側(送出側)に向かって高速で
流される。そのため、この噴流によって多量の外気が誘
引されて送風される。
【0044】ここで、本実施形態においては、環状のス
リット22から吹出される一次空気に旋回流を生成さ
せ、その噴流が螺旋状に旋回しながら空気流路を流れる
ようにしている。即ち、図5及び図6のように、スリッ
ト22を形成する空気吸入側部材20と空気送出側部材
21との対向面には、その空気送出側部材21側の表面
に、スリット22の幅に相当する高さの偏向突条30
が、周方向に一定の間隔で、また、半径方向に対して一
定の角度に傾斜して、複数設けられている。なお、この
偏向突条30は空気吸入側部材20側に設けることもで
きる。
【0045】したがって、加圧空気室23からスリット
22を通って流れる加圧空気は、それらの偏向突条30
によって中心方向に対して斜めに偏向されて吹出される
ため、そのスリット22から吹出された加圧空気の噴流
は、空気送出側部材21の内周面によって形成される空
気流路を螺旋状に旋回しながら送出され、またそれによ
って、誘引された外気も旋回流となって送出される。そ
のため、送出される空気は空気流路を安定的に流され、
また、乱流等が生じ難いために抵抗が少なくなり、効率
的に流れる。そして、それによって、より多量の外気を
送風することができ、ラジエータR(及びコンデンサ
C)をより効率的に冷却することができる。
【0046】なお、環状のスリット22から吹出される
一次空気の噴流を旋回流とするための偏向突条30は、
図3及び図4の二重の円筒状の噴流形ブロワ1bに対し
ても同様に適用することができる。ただし、この場合、
その偏向突条30は内側ブロワ筒26の外周側と内周側
の環状スリット22にも設けられるが、その内側ブロワ
筒26の外周側スリット22に設けられた偏向突条30
と外側ブロワ筒25のスリット22に設けられた偏向突
条30とは、同じ方向の旋回流が形成されるように、そ
れらの向きを互いに合せることが必要である。
【0047】〔第四実施形態〕また、噴流形ブロワは円
筒状の形状だけでなく、その他の種々の形状に形成する
ことができる。
【0048】図7は本発明の第四実施形態の噴流形ブロ
ワをその配置と共に示す断面図である。また、図8は図
7のY−Y線に沿った断面図である。なお、図中、これ
までの実施形態と同一または相当する部分には、同一の
符号を使用している。
【0049】図7及び図8のように、本実施形態の噴流
形ブロワ1dは、第一実施形態乃至第三実施形態の噴流
形ブロワ1a,1b,1cが略円筒状の形状であるのに
対して、偏平な矩形の筒状の形状に形成されている。つ
まり、それらの円筒状の噴流形ブロワ1a、1bを直線
状に引伸したものに相当し、したがって、断面形状はほ
ぼ同一である。
【0050】詳細には、本実施形態の噴流形ブロワ1d
は、空気の吸入口を形成する空気吸入側部材31と、送
出される空気の案内通路を形成する空気送出側部材32
との組立体からなり、共同して直線状のスリット22と
これに連続する加圧空気室23を形成するブロワ半体3
3を、スリット22の開口を向い合せて、所定の間隔を
置いて鏡面対称的に対向させると共に、両端を端板34
で封止して形成されている。ただし、本実施形態におい
ては、この1単位の噴流形ブロワが上下に2段に重ね合
せられた形態で形成されており、したがって、中間に位
置する上下のブロワ半体33は、背中合せ状態で実質的
に一体化された形態に形成されている。そして、対向す
る一対のブロワ半体33の間には、絞り部を有するベン
チュリ管状の断面の空気通路が形成されている。なお、
各ブロワ半体33の加圧空気室23には、加圧空気導入
口24が設けられている。
【0051】この噴流形ブロワ1dの作用は、円筒状の
噴流形ブロワ1a,1bの場合と同じである。即ち、空
気ポンプ3(図1,図3)により圧縮され、加圧された
空気が配管10を介して各加圧空気導入口24に導入さ
れると、その加圧空気は加圧空気室23に流入し、次い
でスリット22から噴流として吹出され、対向する空気
送出側部材32間に形成される空気流路を高速で流れ
る。そのため、この一次空気の流れによって、吸込側の
開口から多量の空気が二次空気として誘引されて送風さ
れる。
【0052】したがって、この噴流形ブロワ1dを備え
たラジエータ冷却装置としての効果も、第一実施形態或
いは第二実施形態の場合と同様である。即ち、ラジエー
タR及びコンデンサCの冷却のために十分な高風量を確
保することができ、また、騒音が少なく、作動効率が良
く、制御が容易であり、搭載設計の自由度が大きく、更
に低コストで形成できる等の効果がある。なお、図7及
び図8において、この噴流形ブロワ1dは吸込タイプと
して配置した例で示され、矩形の断面形状のシュラウド
2を介してラジエータRの後部側に配置されているが、
押込タイプとして配置することもできる。そして、特に
この噴流形ブロワ1dによれば、一般に矩形の形状であ
るラジエータR及びコンデンサCに適合した形状に形成
することができるため、それらの熱交換器R,Cの全体
に均一に外気を流通させ、その全体をより均一に冷却す
ることができる効果がある。
【0053】〔第五実施形態〕図9は本発明の第五実施
形態の噴流形ブロワをその配置と共に示す断面図であ
る。また、図10は図9の噴流形ブロワの配列の態様を
示す平面図である。
【0054】図9及び図10のように、本第五実施形態
は小形の噴流形ブロワ1eを用い、これを複数個(ここ
では9個)配列してラジエータ冷却装置を形成したもの
である。より具体的には、ここでは押込タイプとして形
成され、それらの9個の噴流形ブロワ1eは、適当な連
結部材により単一のユニットとして相互に組付けられ、
図示しないステーまたは同様な取付部材によって、ラジ
エータR及びコンデンサCの前方側(フロントエンド
側)に配置されている。また、本実施形態では、図10
のように、空気ポンプ3(図1,図3)からの加圧空気
を送給する配管10は、制御バルブ手段13を介して3
本の配管14に分岐され、そして、それぞれの分岐配管
14に、上下に位置する3個ずつの噴流形ブロワ1eが
連結されている。そのため、制御バルブ手段13を制御
することにより、それらの熱交換器R,Cの各部を選択
的に通風冷却することができるようにされている。
【0055】ここで、噴流形ブロワ1eは、図1及び図
2の噴流形ブロワ1aを小形化したものに相当し、共同
して環状のスリット22と加圧空気室23を形成する空
気吸入側部材35と空気送出側部材36とを、接着また
はネジ等により組付けて形成したものである。したがっ
て、この噴流形ブロワ1eの作用と効果は、その第一実
施形態の噴流形ブロワ1aの場合と全く同じである。即
ち、加圧空気導入口24から導入された加圧空気は、加
圧空気室23を介して環状スリット22から噴流となっ
て吹出し、空気送出側部材36によって形成されるベン
チュリ管状の通気通路を下流側に向かって高速で流れる
ため、この一次空気の噴流により吸込口側の圧力が低下
し、それによって外気が吸込口から誘引され、送風され
る。また、本実施形態の場合、噴流形ブロワ1eから送
出される外気は、新たな一次空気となって周囲の外気を
誘引する働きも有している。そのため、少量の加圧空気
により、ラジエータR及びコンデンサCの冷却のために
十分な風量を確保することができ、また発生する騒音が
少ない等の種々の効果がある。
【0056】なお、本実施形態においては、複数の噴流
形ブロワ1eを区分けして、分岐配管10によってそれ
ぞれ独立的に制御できるようにしているが、この区分け
の仕方と数等については、ラジエータRまたはコンデン
サCの大きさ等に応じて適宜に決めることができる。例
えば、全部の噴流形ブロワ1eに対して分岐配管14を
接続して、それぞれ制御バルブ手段13によって個別に
制御することもできる。そして、そのようにすることに
よって、例えば、それらの熱交換器R,Cの各部の温度
分布に対応して、最も適した通風冷却を行うことができ
る。なお、この場合、その制御バルブ手段13は、図1
の第一実施形態における制御バルブ手段8に替わるもの
であることができ、または、これとは別なものであるこ
ともできる。また、この制御バルブ手段13自体は、電
子制御ユニット9(図1,図3)等により制御すること
ができる。
【0057】〔第六実施形態〕更に、噴流形ブロワは加
圧空気を一次空気として、それの何倍もの空気を誘引し
て送風するものであるから、言わば、風量増幅器として
機能する。そこで、噴流形ブロワを次のように直列的に
連結することもでき、それによって、その増幅率をより
高めることができる。
【0058】図11は本発明の第六実施形態の噴流形ブ
ロワを一部断面として示す平面図である。
【0059】図11のように、本第六実施形態の噴流形
ブロワ1fは、第一実施形態の噴流形ブロワ1aと、先
の第五実施形態の小形の噴流形ブロワ1eとが実質的に
一体に組合わされた形態のものである。具体的には、こ
の噴流形ブロワ1fにおいて、噴流形ブロワ1aは、図
1及び図2のように、空気吸入側部材20と空気送出側
部材21との組立体からなり、環状のスリット22とこ
れに連続する加圧空気室23と、更にこれに連通する加
圧空気導入口24とを備えて形成されている。また、噴
流形ブロワ1eは、図9及び図10のように、同様に空
気吸入側部材35と空気送出側部材36との組立体から
なり、スリット22と加圧空気室23と、更に加圧空気
導入口24とを備えて小形に形成されている。そして、
本実施形態の噴流形ブロワ1fは、その小形の噴流形ブ
ロワ1eから送出される空気が噴流形ブロワ1aの加圧
空気導入口24に流入されるように、噴流形ブロワ1e
の吐出側とその加圧空気導入口24とを連結管37によ
って接続して形成されている。なお、噴流形ブロワ1e
の加圧空気導入口24には、空気ポンプ3(図1,図
3)からの加圧空気を送給する配管10が接続される。
【0060】したがって、この噴流形ブロワ1fにおい
て、空気ポンプ3からの加圧空気が噴流形ブロワ1eの
加圧空気導入口24に導入されると、その加圧空気は噴
流形ブロワ1eの加圧空気室23を介してスリット22
から吹出され、噴流となって送出側に高速で流れるた
め、それの吸入口側にはバキューム圧が生じ、多量の外
気が誘引されてその噴流と共に送出される。つまり、小
形の噴流形ブロワ1eは空気量増幅器として働き、空気
ポンプ3からの加圧空気は外気が加わり増幅されて噴流
形ブロワ1aに導入される。そのため、噴流形ブロワ1
aは、その噴流形ブロワ1eから増幅されて送られたよ
り多量の一次空気を動力源として作動されるので、より
多量の外気をラジエータR及びコンデンサCに流通させ
てこれらの冷却を促進することができる。
【0061】このように、本実施形態の噴流形ブロワ1
fは、空気ポンプ3からの加圧空気をスリット22から
吹出し、外気を誘引して送風する風量増幅器としての噴
流形ブロワ1eと、その噴流形ブロワ1eからの加圧空
気をスリット22から吹出し、外気を誘引して送風し、
ラジエータR及びコンデンサCに流通させてこれらを冷
却する最終的な送風装置としての噴流形ブロワ1aとを
組合せたものからなっている。そのため、この噴流形ブ
ロワ1fによれば、空気ポンプ3からの加圧空気をより
増幅して送風することができる。換言すれば、冷却のた
めに必要な風量を、より少ない空気ポンプ3からの加圧
空気の量によって得ることができる。
【0062】そして、この場合、風量増幅器としての小
形の噴流形ブロワ1eまたは同様なものは、それを更に
複数直列に組合せて、増幅率をより上げるようにするこ
とができる。また、最終的な送風装置としての噴流形ブ
ロワは、第一実施形態の噴流形ブロワ1aだけでなく、
その他の任意の形態の噴流形ブロワであることができ
る。
【0063】なお、噴流形ブロワの種々の実施形態を説
明したが、この噴流形ブロワは、基本的には、加圧空気
からなる一次空気の吹出し口としてスリット(22)を
備え、そのスリットから吹出される加圧空気の噴流によ
って外気を二次空気として誘引して送風することができ
るものであれば良く、その他にも種々の形態のものとし
て形成することができる。例えば、この誘引形式の送風
装置である噴流形ブロワは空気の吸入開口と送出開口と
を備え、また一般に絞り部を有するベンチュリ管状の断
面の空気通路を形成するように筒状に形成されるが、そ
の全体形状については、円筒状或いは偏平な矩形の筒状
の形状だけでなく、橢円形の筒状、または角形の筒状等
のその他の任意の形状とすることができる。そして、ど
のような形状に形成するかは、エンジンルーム内の具体
的な搭載レイアウト等にも応じて、適宜決めることがで
きる。
【0064】また、この噴流形ブロワには、加圧空気導
入口(24)から導入された加圧空気をスリットの長さ
方向に分配し、それからの吹出量をより均一化するため
に、上記のように、スリットに沿ってこれと連通する加
圧空気室(23)を設けることが好ましい。しかし、噴
流形ブロワが大形に形成され、スリットが長く形成され
る場合には、加圧空気室を設けることによっても、単一
の加圧空気導入口から導入された加圧空気をスリット長
さ全体に亘って均一に分配させることは困難である。そ
のため、スリットが長く形成されるような場合には、加
圧空気導入口を複数設けると共に、空気ポンプからの加
圧空気を送給する配管を分岐し、各加圧空気導入口にそ
の分岐した配管を接続することが好ましい。またこの場
合には、その各分岐配管の経路に絞り弁等の流量調整手
段を設けることがより好ましく、それによって、加圧空
気の圧力(流量)のバランスを容易に取り、スリットか
らの加圧空気の吹出量を全体的により均一化させること
ができる。
【0065】そして、このような噴流形ブロワは、既に
説明したように、ラジエータR(及びコンデンサC)の
前方側(外気の吸込側)または後方側(外気の送出側)
のいずれの側にも配置することができる。また、前方側
と後方側とにパラレル配列することもできる。
【0066】
【発明の効果】以上のように、請求項1にかかるラジエ
ータ冷却装置は、ラジエータの一側に配置され、加圧さ
れた空気を一次空気として吹出すスリットを備え、その
スリットから吹出された一次空気の噴流によって外気を
二次空気として誘引してラジエータに流通させる噴流形
ブロワと、外気を加圧して噴流形ブロワに一次空気とし
て供給するための空気ポンプと、その空気ポンプから噴
流形ブロワへの加圧空気の供給を制御する制御手段とを
具備するものである。
【0067】したがって、このラジエータ冷却装置によ
れば、加圧空気を一次空気として吹出すスリットを備え
た誘引形の送風装置である噴流形ブロワを使用している
ので、比較的少量の加圧空気によって多量の外気を送風
することができるため、ラジエータの冷却のための十分
な風量を確保することができる一方、発生する騒音が少
なく、作動効率が良く、空気ポンプの駆動にバッテリ電
源が使用される場合でもそれに対する負担が少なく、制
御が容易であり、搭載設計の自由度が大きく、しかも低
コストで形成することできる等の効果がある。また、空
気ポンプから噴流形ブロワへの加圧空気の供給を制御す
る制御手段を備えるので、ラジエータの冷却が必要なと
きにのみ所定の風量で送風することができるため、騒音
の発生をより低減し、また動力損失をより少なくするこ
とができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の第一実施形態のラジエータ冷
却装置を模式的に示す説明図である。
【図2】 図2は図1における噴流形ブロワを示す斜視
図である。
【図3】 図3は本発明の第二実施形態のラジエータ冷
却装置を模式的に示す説明図である。
【図4】 図4は図3における噴流形ブロワを前側から
見て示す平面図である。
【図5】 図5は本発明の第三実施形態の噴流形ブロワ
の要部を示す断面図である。
【図6】 図6は図5のX−X線に沿った断面図であ
る。
【図7】 図7は本発明の第四実施形態の噴流形ブロワ
をその配置と共に示す断面図である。
【図8】 図8は図7のY−Y線に沿った断面図であ
る。
【図9】 図9は本発明の第五実施形態の噴流形ブロワ
をその配置と共に示す断面図である。
【図10】 図10は図9の噴流形ブロワの配列の態様
を示す平面図である。
【図11】 図11は本発明の第六実施形態の噴流形ブ
ロワを一部断面として示す平面図である。
【符号の説明】
1a〜1f 噴流形ブロワ 3 空気ポンプ 8 制御バルブ手段 9 電子制御ユニット 22 スリット 23 加圧空気室 24 加圧空気導入口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂部 俊明 愛知県西加茂郡藤岡町大字飯野字大川ケ原 1141番地1 アイシン化工株式会社内 (72)発明者 山口 茂 愛知県西加茂郡藤岡町大字飯野字大川ケ原 1141番地1 アイシン化工株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジエータの一側に配置され、加圧され
    た空気を一次空気として吹出すスリットを備え、前記ス
    リットから吹出された前記一次空気の噴流によって外気
    を二次空気として誘引して前記ラジエータに流通させる
    噴流形ブロワと、 外気を加圧して前記噴流形ブロワに一次空気として供給
    するための空気ポンプと、 前記空気ポンプから前記噴流形ブロワへの加圧空気の供
    給を制御する制御手段とを具備することを特徴とするラ
    ジエータ冷却装置。
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