JPH0931046A - 光学活性なスルホキシド誘導体の製造法 - Google Patents

光学活性なスルホキシド誘導体の製造法

Info

Publication number
JPH0931046A
JPH0931046A JP18539295A JP18539295A JPH0931046A JP H0931046 A JPH0931046 A JP H0931046A JP 18539295 A JP18539295 A JP 18539295A JP 18539295 A JP18539295 A JP 18539295A JP H0931046 A JPH0931046 A JP H0931046A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optically active
sulfoxide
derivative
tartaric acid
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18539295A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumio Toda
芙三夫 戸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP18539295A priority Critical patent/JPH0931046A/ja
Publication of JPH0931046A publication Critical patent/JPH0931046A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スルホキシド誘導体の光学活性体を簡単な操
作で、高純度かつ高収率で得ることができる工業的に有
利な製造法を提供する。 【解決手段】 スルホキシド誘導体のラセミ体と、光学
活性な酒石酸誘導体とを混合して、スルホキシド誘導体
の光学活性体と光学活性な酒石酸誘導体との包接化合物
を形成させ、この包接化合物からスルホキシド誘導体の
光学活性体を分離して得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性なスルホ
キシド誘導体の製造法に関するものであり、本発明の光
学活性なスルホキシド誘導体の製造法は医薬や農薬を中
心とするフアインケミストリ−の分野で利用することが
できる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】スルホ
キシド誘導体における硫黄原子と酸素原子との結合は、
配位結合で極性が強く、またイオウ原子に結合する3個
の原子団は同一平面上にないので、スルホキシド基に2
個の異なった置換基が結合した非対称スルホキシド誘導
体には硫黄原子を不斉原子とする(+)−体及び(−)
−体の2種の光学活性体が存在する。
【0003】ラセミ体から一方の光学異性体(光学活性
体)を分離する方法の一つとして、ホスト・ゲスト法
(包接化合物法)が知られている。この方法は、ゲスト
化合物(分離対象物)を包接するホスト化合物を用いる
もので、このホスト化合物とラセミ体の中の一方の光学
異性体(光学活性体)との包接化合物を形成させ、次に
その包接化合物から一方の光学異性体(光学活性体)を
分離する。
【0004】これ迄に、光学活性なスルホキシド誘導体
を得る方法として、特開昭60−215,662号公報
に、ホスト化合物に光学活性な1,1´−ビ−2−ナフ
ト−ルを用いる包接化合物法が開示されている。しかし
ながら、この方法では、光学活性な1,1´−ビ−2−
ナフト−ルが熱に不安定であるため、スルホキシド誘導
体の光学活性体と光学活性な1,1´−ビ−2−ナフト
−ルとの包接化合物からスルホキシド誘導体の光学活性
体を分離する際に、包接化合物を溶媒に溶解して、シリ
カゲル、アルミナゲル、シリカ−アルミナゲルなどによ
る処理(カラムクロマトグラフイ−処理)を行わなけれ
ばならず、これに煩雑な操作を要していた。
【0005】このような問題に鑑みて、本発明が解決し
ようとする課題は、包接化合物法による光学活性なスル
ホキシド誘導体の製造法において、スルホキシド誘導体
の光学活性体とホスト化合物との包接化合物からスルホ
キシド誘導体の光学活性体を分離する際に、カラムクロ
マトグラフイ−処理を行わない、より簡単な操作で、ス
ルホキシド誘導体の光学活性体を高純度かつ高収率で得
ることができる方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
重ねた結果、ホスト化合物として光学活性な酒石酸誘導
体を用いることにより、上記の課題を解決するに至っ
た。本発明の方法によれば、スルホキシド誘導体の光学
活性体とホスト化合物との包接化合物からスルホキシド
誘導体の光学活性体を分離する際に、減圧蒸留を適用す
ればよく、これは簡単な操作で、スルホキシド誘導体の
光学活性体を高純度かつ高収率で得ることができる。
【0007】本発明は、下記の式(1)
【化3】 (式中のR1 はアリ−ル基、アラルキル基、または低級
アルキル基、R2 は低級アルキル基、またはアルコキシ
基で、R1 とR2 は異なった基である。)で表されるス
ルホキシド誘導体のラセミ体と、下記の式(2)、また
は(3)
【化4】 (式中のnは、4または5である。)で表される光学活
性な酒石酸誘導体とを混合して、スルホキシド誘導体の
光学活性体と光学活性な酒石酸誘導体との包接化合物を
形成させ、この包接化合物からスルホキシド誘導体の光
学活性体を分離して得ることを特徴とする光学活性なス
ルホキシド誘導体の製造法である。
【0008】本発明におけるスルホキシド誘導体は、通
常の化学合成では、光学異性体の等量混合物、即ちラセ
ミ体で与えられるが、工業的には光学活性体が求められ
ている。前記の式(1)におけるR1 は、フエニル基の
ようなアリ−ル基、ベンジル基のようなアラルキル基、
またはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のよ
うな低級アルキル基である。また、前記の式(1)にお
けるR2 は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基のような低級アルキル基、またはメトキシ基、エトキ
シ基のようなアルコキシ基である。さらに、前記の式
(1)におけるR1 とR2 は異なる基である。このよう
なスルホキシド誘導体の具体例としては、メチルフエニ
ルスルホキシド、メチル−o−トリルスルホキシド、メ
チル−m−トリルスルホキシド、メチル−p−トリルス
ルホキシド、メチルベンジルスルホキシド、メチルプロ
ピルスルホキシド、メチルブチルスルホキシド、メチル
フエニルスルフイン酸エステル、メチル−p−トシルス
ルフイン酸エステル、エチル−p−トシルスルフイン酸
エステルなどを挙げることができる。この中で、特に好
適に光学分割し得るスルホキシド誘導体は、R1 がアリ
−ル基、R2 が低級アルキル基であるメチルフエニルス
ルホキシド、メチル−o−トリルスルホキシド、メチル
−m−トリルスルホキシド、メチル−p−トリルスルホ
キシド、メチルベンジルスルホキシドなどを挙げること
ができる。
【0009】他方、ホスト化合物として用いられる光学
活性な酒石酸誘導体は、公知の物質であり、光学活性な
有機化合物としては最も安価な化合物の一つである酒石
酸を出発原料として合成される。前記の式(2)または
(3)で示される酒石酸誘導体の具体例としては、トラ
ンス−2,2−ジメチル−α,α,α´,α´−テトラ
フエニル−1,3−ジオキソラン−4,5−ジメタノ−
ル、トランス−2,3−ビス(ヒドロキシジフエニルメ
チル)−1,4−ジオキサスピロ[4,4]ノナン、ト
ランス−2,3−ビス(ヒドロキシジフエニルメチル)
−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカンなどを挙げ
ることができる。所望のスルホキシド誘導体の光学活性
体を得るには、(+)、(−)いずれかの酒石酸誘導体
を適宜に選択して使用すればよい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に従ってスルホキシド誘導
体の光学活性体を得るには、先ず、スルホキシド誘導体
のラセミ体を適当な溶媒に溶解し、この中へ光学活性な
酒石酸誘導体を加え、室温で数時間ないし10数時間放
置する。この場合、原料成分の溶解を促進するため、あ
るいは形成される包接化合物の析出を促進するため、所
望により加熱または冷却する。
【0011】溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、シクロヘキサン、石油エ−テル、リグロイン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、エ
−テル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエ−テ
ル系溶媒、メタノ−ル、エタノ−ル、ブタノ−ル、プロ
パノ−ル、イソプロパノ−ル、などのアルコ−ル系溶
媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、塩
化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などの塩素系溶
媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶
媒、及びこれら溶媒の混合溶媒などが挙げられる。ま
た、スルホキシド誘導体のラセミ体と光学活性な酒石酸
誘導体とを単に混合することによっても包接化合物を形
成することもある。
【0012】次に、前記のようにして析出した包接化合
物の結晶を濾別し、必要に応じて再結晶などにより精製
した後、減圧下で加熱蒸留することにより、スルホキシ
ド誘導体の光学活性体と光学活性な酒石酸誘導体とに分
離する。
【0013】本発明では、このように包接化合物の結晶
を単に加熱蒸留するだけで、操作が簡単であり、スルホ
キシド誘導体の光学活性体を高純度かつ高収率で得るこ
とができる。さらに、包接化合物から分離された光学活
性な酒石酸誘導体は、繰り返し利用することができる。
【0014】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0015】実施例1 メチルフェニルスルホキシドのラセミ体4.11gと
(R,R)−(−)−トランス−2,3−ビス(ヒドロ
キシジフェニルメチル)−1,4−ジオキサスピロ
[4,5]デカン7.42gをトルエン30mlに溶解
し、室温で12時間放置した。この間に析出した(R,
R)−(−)−トランス−2,3−ビス(ヒドロキシジ
フェニルメチル)−1,4−ジオキサスピロ[4,5]
デカンと(R)−(+)−メチルフェニルスルホキシド
とからなる1:1包接化合物の結晶8.28gを濾取し
た後、トルエンにより4回再結晶して、無色結晶(融点
160〜161℃)5.8gを得た。次に、この結晶を
減圧下で加熱蒸留して、(R)−(+)−メチルフェニ
ルスルホキシド([α]D =+145°(c=0.5
6、メタノ−ル)、光学純度100%e.e.)1.2
gを得た。
【0016】実施例2 実施例1の包接化合物を除去した濾液をカラムクロマト
グラフイ−処理して、(S)−(−)−メチルフェニル
スルホキシド1.36gを得た。この(S)−(−)−
メチルフェニルスルホキシドと(S,S)−(+)−ト
ランス−2,3−ビス(ヒドロキシジフェニルメチル)
−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン4.94g
とをトルエン30mlに溶解し、室温で12時間放置し
た。この間に析出した(S,S)−(+)−トランス−
2,3−ビス(ヒドロキシジフェニルメチル)−1,4
−ジオキサスピロ[4,5]デカンと(S)−(−)−
メチルフェニルスルホキシドとからなる1:1包接化合
物の結晶をトルエンにより3回再結晶した。次いで、こ
の結晶を減圧下で加熱蒸留して、(S)−(−)−メチ
ルフェニルスルホキシド([α]D =−138°(c=
0.55、メタノ−ル)、光学純度95%e.e.)
0.87gを得た。
【0017】実施例3〜6 分離対象物のスルホキシド誘導体と光学活性な酒石酸誘
導体を変更して、実施例1と同様の操作を行い、表1に
示す結果を得た。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】本発明により、スルホキシド誘導体の光
学活性体を簡単な操作で、高純度かつ高収率で得ること
ができる工業的に有利な製造法が提供できた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式(1) 【化1】 (式中のR1 はアリ−ル基、アラルキル基、または低級
    アルキル基、R2 は低級アルキル基、またはアルコキシ
    基で、R1 とR2 は異なった基である。)で表されるス
    ルホキシド誘導体のラセミ体と、下記の式(2)、また
    は(3) 【化2】 (式中のnは、4または5である。)で表される光学活
    性な酒石酸誘導体とを混合して、スルホキシド誘導体の
    光学活性体と光学活性な酒石酸誘導体との包接化合物を
    形成させ、この包接化合物からスルホキシド誘導体の光
    学活性体を分離して得ることを特徴とする光学活性なス
    ルホキシド誘導体の製造法。
JP18539295A 1995-07-21 1995-07-21 光学活性なスルホキシド誘導体の製造法 Pending JPH0931046A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18539295A JPH0931046A (ja) 1995-07-21 1995-07-21 光学活性なスルホキシド誘導体の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18539295A JPH0931046A (ja) 1995-07-21 1995-07-21 光学活性なスルホキシド誘導体の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0931046A true JPH0931046A (ja) 1997-02-04

Family

ID=16170014

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18539295A Pending JPH0931046A (ja) 1995-07-21 1995-07-21 光学活性なスルホキシド誘導体の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0931046A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0931046A (ja) 光学活性なスルホキシド誘導体の製造法
JP5020633B2 (ja) ナルウェジンアミド誘導体の分割
US4918190A (en) Crystalline complex compounds of propargyl alcohols and tertiary diamines, and process of separation and purification of propargyl alcohols using the same
JP2557087B2 (ja) 不斉光化学反応方法
US5041620A (en) Method for producing optically active 2-cyclopenten-4-one-1-ol esters, 2-cyclopenteno-4-one-1-ol ester and complexes thereof with optically active 1,6-diphenyl-2,4-hexadiyne-1,6-diol
JPH0710822A (ja) アミノ酸エステルの光学異性体分離法
JP3130396B2 (ja) 光学異性体分離法
JP2573818B2 (ja) プロパルギルアルコール類と第三級ジアミン類との結晶性錯化合物
JPS59216841A (ja) 光学分割剤
JPH0680605A (ja) 光学異性体の分離方法
JPH05279370A (ja) 光学活性カンプトテシン誘導体及びその製法
JP3012370B2 (ja) 異性体分離法
JPH0641066A (ja) ピロール誘導体の製造方法
JPH0673000A (ja) 光学異性体の分離法
JP3210683B2 (ja) 異性体分離法
JP2003095991A (ja) 光学活性3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸の製造法
JPH0611749B2 (ja) 光学活性なスルホキシド類の新規な製造法
JPH0521104B2 (ja)
JPH07291946A (ja) (s)−3−低級アルキル−2−ピペラジノンの製造方法
JPS609499B2 (ja) ピロリジン誘導体の精製法
JPS61103852A (ja) 2−フエニルプロピオン酸エステル類の光学分割法
JPH07285955A (ja) 5−ヒドロキシ−2(5h)−フラノン誘導体の光学異性体分離法
JPS62201879A (ja) 光学活性環状エ−テル化合物の製造方法
JPS63179848A (ja) 光学活性な2−シクロペンテン−4−オン−1−オ−ルのエステル類の製造法
JP2003327568A (ja) 光学活性β−アミノ酸誘導体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20041214

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20050426

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02