JPH09310139A - 熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシート - Google Patents

熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシート

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JPH09310139A
JPH09310139A JP14807796A JP14807796A JPH09310139A JP H09310139 A JPH09310139 A JP H09310139A JP 14807796 A JP14807796 A JP 14807796A JP 14807796 A JP14807796 A JP 14807796A JP H09310139 A JPH09310139 A JP H09310139A
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noble
erosion
brazing
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JP14807796A
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Toshiki Muramatsu
俊樹 村松
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Sky Aluminium Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐食性、特に板厚方向への腐食の進行に対す
る耐食性が優れていて、腐食寿命を従来よりも大幅に延
長させることができ、さらにはろう付け加熱時の溶融ろ
うのエロージョンによって耐食性向上効果が充分に発揮
できなくなるような事態が生じることを未然に防止した
熱交換器用ブレージングシートを提供する。 【解決手段】 芯材として、その少なくとも一方の表面
部分に、板厚方向に隣り合いかつ電位差が20mV以上
でしかもそれぞれ厚みが1〜30μmの範囲内の電位的
に貴な層および卑な層を1対とする貴層−卑層対を1対
以上備えた積層芯材を用い、その積層芯材における貴層
−卑層対が位置する側の表面とろう材との間に、厚みが
30〜100μmのエロージョン防止層を介在させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動車用
熱交換器のヘッダープレート、ドローンカップ、ラジェ
ータチューブの如き熱交換器のろう付け構造体におい
て、水やフレオンガス等の流体の通路を構成する材料と
して用いられるアルミニウム合金製ブレージングシート
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金からなる芯材の両面も
しくは片面にアルミニウム合金ろう付け用ろう材をクラ
ッドしてなるブレージングシートは、種々のろう付け構
造体に使用されているが、近年は特に自動車用熱交換器
における流体通路を構成するためのろう付け構造体に多
用されるようになっている。なおこの種の自動車用熱交
換器としては、オイルクーラ、インタークーラ、ラジェ
ータ、エアコンのエバポレータやコンデンサ等がある。
【0003】ところで熱交換器に使用されるアルミニウ
ム合金製ブレージングシートの芯材としては、一般にA
l−Mn系合金、Al−Mn−Cu系合金、Al−Mn
−Mg−Cu系合金などの主としてMnを含有するアル
ミニウム合金、具体的にはJIS 3003合金や30
05合金などが使用されており、また高強度ブレージン
グシートの芯材としては、Al−Mg−Si系の695
1合金などが使用されている。一方ろう材としては、一
般にAl−Si系合金、Al−Si−Mg系合金、Al
−Si−Mg−Bi系合金など、主としてSiを添加し
たアルミニウム合金が用いられている。なお従来のブレ
ージングシートとしては、芯材の両面にろう材をクラッ
ドした3層構造、あるいは芯材の片面にろう材をクラッ
ドした2層構造、さらには芯材の一方の片面にろう材
を、他方の片面に犠牲陽極材をクラッドした3層構造が
一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のようなアルミニ
ウム合金製熱交換器のろう付け構造体における流体通路
用材料としては、優れた耐食性が要求されるが、流体通
路としては通路の内外に流体が漏洩しないことが絶対条
件であることから、このような用途における耐食性とし
ては、板厚方向へ腐食が進行しにくいことが最も重視さ
れる。そしてこの場合の腐食寿命としては板厚方向に腐
食が進行して腐食が全板厚を貫通してしまうまでの期間
で評価される。
【0005】従来からこの種の熱交換器用ブレージング
シートの芯材に使用されている3003合金や6951
合金は、比較的耐食性が良好とされてはいるが、自動車
等に使用される熱交換器としては軽量化の要求が一層強
まっており、そのため熱交換器用ブレージングシートと
しても、現状よりもさらに薄肉でも早期に腐食が貫通し
ないような優れた耐食性が望まれている。
【0006】また例えば東南アジアの如く、高温多湿で
しかも酸性雨の降るような地域で使用される自動車向け
の熱交換器用ブレージングシートとしては、従来のブレ
ージングシートでは必ずしも満足できる状況にはなかっ
たのが実情である。
【0007】そこで、ろう付け後の耐食性が従来のブレ
ージングシートよりも著しく優れ、薄肉化を図った場合
や腐食しやすい環境下においても腐食が早期に貫通しな
いような熱交換器用ブレージングシートの開発が強く望
まれている。
【0008】ところで本発明者等は、芯材として、その
芯材における少なくとも一方の表面側の部分、すなわち
ろう材に接する部分を電位の貴な層(貴層)と卑な層
(卑層)とを1対とする貴層−卑層対で構成した積層芯
材を用いたブレージングシートの開発を進めている。こ
のようにろう材の内側に接する部分に電位差のある貴層
−卑層対を積層しておくことにより、その貴層−卑層間
での電位差により卑層が犠牲陽極効果を発揮して、卑層
が板面と平行な方向へ層状に優先腐食される結果、板厚
方向への腐食の進行を遅らせ、腐食寿命を大幅に延長さ
せることが可能である。
【0009】しかしながらこのようにろう材と接する側
に貴層−卑層対を有する積層芯材を用いた場合でも、ろ
う付け条件によってはろう材に接する層がろう付け時の
高温による溶融ろうによって溶かされるエロージョン現
象が発生し、その結果ろう材に接する貴層もしくは卑層
が実質的にろう材と同じ成分組成となってしまい、耐食
性向上に寄与しなくなってしまう問題があることが判明
した。特に実操業のろう付け作業で使用している真空炉
等においては、炉内の温度分布が必ずしも均一ではな
く、そのため炉内におけるろう付け材の位置などによっ
てはろう付け温度が高くなって、前述のようなエロージ
ョンが発生し易くなり、そのため良好な耐食性が得られ
なくなってしまうことが多い。
【0010】そこで前述のように貴層−卑層対を1対で
はなく、2対以上に積層しておき、ろう材に最も近い貴
層−卑層対が溶融ろうのエロージョンにより耐食性向上
に寄与できなくなっても、その下側の貴層−卑層対の存
在によって耐食性を確保しようとすることが考えられ、
本発明者等は既に平成8年5月16日付の出願によって
提案している。
【0011】しかしながら上記提案のようにろう材と接
する側に2対以上の貴層−卑層対を設けても、エロージ
ョンが激しい場合には2対以上の貴層−卑層対にわたっ
てエロージョンが進行し、その結果前記同様に充分な耐
食性を発揮できなくなることもある。さらに、2対以上
の貴層−卑層対を設ける場合、積層数が多くなるため、
製造工程数が多くなって製造コストの大幅な上昇を招い
たり、またクラッドが困難となったりする問題がある。
【0012】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、ろう付け後の耐食性が著しく優れていて、特
に溶融ろうによるエロージョンを防止して、優れた耐食
性を確実かつ安定して発揮し得るようにした熱交換器用
ブレージングシートを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述のような課題を解決
するため、この発明のブレージングシートにおいては、
基本的には芯材を、少なくともその片側の表面側の部分
が、電位が貴な層(貴層)と電位が卑な層(卑層)とを
1対とする1対以上の貴層−卑層対で形成された積層芯
材で構成し、しかもそればかりでなく、ろう材と貴層−
卑層対との間に、ろう材の溶融ろうによる貴層−卑層対
へのエロージョンを防止するためのエロージョン防止層
を介在させることとした。
【0014】具体的には、請求項1の熱交換器用ブレー
ジングシートは、芯材の片面側もしくは両面側にアルミ
ニウム合金ろう材がクラッドされている熱交換器用アル
ミニウム合金製ブレージングシートにおいて、前記芯材
は、その少なくとも一方の表面部分に、相互の電位差が
20mV以上でかつそれぞれ厚みが1〜30μmの範囲
内の異種のアルミニウム合金からなる板厚方向に隣り合
う貴層および卑層を1対とする貴層−卑層対を1対以上
備えた積層芯材によって構成され、かつその積層芯材に
おける貴層−卑層対が位置する側の表面とろう材との間
に、貴層−卑層対への溶融ろうのエロージョンを阻止す
るための30〜100μmの範囲内の厚みのエロージョ
ン防止層が介在されていることを特徴とするものであ
る。
【0015】請求項2の発明のアルミニウム合金製ブレ
ージングシートは、請求項1に記載の熱交換器用アルミ
ニウム合金製ブレージングシートにおいて、前記エロー
ジョン防止層として、Si量が0.5wt%以下、Fe
量が0.5wt%以下、Cu量が0.05wt%以下に
規制された純アルミニウムが用いられているものであ
る。
【0016】請求項3の発明のアルミニウム合金製ブレ
ージングシートは、請求項1に記載の熱交換器用アルミ
ニウム合金製ブレージングシートにおいて、前記エロー
ジョン防止層として、Fe量が0.5wt%以下、Si
量が0.5wt%以下、Cu量が0.05wt%以下に
それぞれ規制され、かつZn0.06〜0.5wt%、
Mg0.06〜0.5wt%、In0.005〜0.1
wt%、Sn0.005〜0.1wt%、Ga0.00
5〜0.1wt%のうちから選ばれた1種または2種以
上を含み、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるア
ルミニウム合金が用いられているものである。
【0017】請求項4の発明のアルミニウム合金製ブレ
ージングシートは、請求項1に記載の熱交換器用アルミ
ニウム合金製ブレージングシートにおいて、前記エロー
ジョン防止層として、Mn0.1〜1.5wt%を含有
し、かつCu量が0.05wt%以下に規制され、残部
がAlおよび不可避的不純物よりなるアミニウム合金が
用いられているものである。
【0018】請求項5の発明のアルミニウム合金製ブレ
ージングシートは、請求項1に記載の熱交換器用アルミ
ニウム合金製ブレージングシートにおいて、前記エロー
ジョン防止層として、Mn0.1〜1.5wt%を含有
し、かつCr0.06〜0.3wt%、Zr0.06〜
0.3wt%、Ti0.06〜0.3wt%、W0.0
3〜0.3wt%、Mo0.03〜0.3wt%のうち
から選ばれた1種または2種以上を含有し、しかもCu
量が0.05wt%以下に規制され、残部がAlおよび
不可避的不純物よりなるアルミニウム合金が用いられて
いるものである。
【0019】なおこの発明の熱交換器用ブレージングシ
ートでは、前記卑層としては、Si量が0.5wt%以
下、Fe量が0.5wt%以下、Cu量が0.05wt
%以下、Mn量が0.05wt%以下にそれぞれ規制さ
れ、かつAl含有量が99.0%以上で残部が不可避的
不純物よりなる純アルミニウム系合金を用いることが望
ましい。
【0020】また前記貴層としては、Si量が0.5w
t%以下、Fe量が0.5wt%以下、Cu量が0.0
5wt%以下、Mn量が0.05wt%以下にそれぞれ
規制され、かつZn0.05〜0.5wt%、Mg0.
05〜0.5wt%、In0.004〜0.1wt%、
Sn0.004〜0.1wt%、Ga0.004〜0.
1wt%のうちの1種または2種を含有し、残部がAl
および不可避的不純物よりなるアルミニウム合金、ある
いはMn0.1〜1.5wt%、Cr0.06〜0.3
wt%、Zr0.06〜0.3wt%、Ti0.06〜
0.3wt%、W0.03〜0.3wt%、Co0.0
3〜0.3wt%、Mo0.03〜0.3wt%のうち
の1種または2種以上を含み、残部がAlおよび不可避
的不純物よりなるアルミニウム合金を用いることが望ま
しい。
【0021】また前記積層芯材としては、前記1対以上
の貴層−卑層対のほか、1対の貴層−卑層対の厚みより
厚いアルミニウム合金からなる補強層を有する構成とす
ることが望ましい。
【0022】そしてこの場合、前記補強層としては、M
n0.5〜1.5wt%を含有し、残部がAlおよび不
可避的不純物よりなるアルミニウム合金、あるいはMn
0.5〜1.5wt%を含有し、かつCu0.06〜
0.8wt%、Ti0.06〜0.3wt%、W0.0
3〜0.3wt%、Co0.03〜0.3wt%、Mo
0.03〜0.3wt%のうちから選ばれた1種以上を
含み、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミ
ニウム合金、またはMn0.5〜1.5wt%を含有
し、かつMg0.06〜0.5wt%、Cr0.06〜
0.3wt%、Zr0.03〜0.3wt%のうちから
選ばれた1種以上を含み、残部がAlおよび不可避的不
純物よりなるアルミニウム合金、もしくはMn0.5〜
1.5wt%を含有し、かつCu0.06〜0.8wt
%、Ti0.06〜0.3wt%、W0.03〜0.3
wt%、Co0.03〜0.3wt%、Mo0.03〜
0.3wt%のうちから選ばれた1種以上と、Mg0.
06〜0.5wt%、Cr0.06〜0.3wt%、Z
r0.03〜0.3wt%のうちから選ばれた1種以上
とを含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなる
アルミニウム合金、のうちのいずれかを用いることが望
ましい。
【0023】さらにこの発明の熱交換器用ブレージング
シートにおいて、前述のように積層芯材が補強層を有す
る構成とした場合には、次のA〜Eのいずれかの構成と
することができる。 A:ろう材が積層芯材の片面側に位置しており、かつ積
層芯材が、前記1対以上の貴層−卑層対を、補強層に対
しろう材に近接する側の片面に積層した構成とされてお
り、その積層芯材における貴層−卑層対とろう材との間
に前記エロージョン防止層が介在されている構成。 B:ろう材が積層芯材の両面側に位置しており、かつ積
層芯材が、補強層に対しその両面側にそれぞれ1対以上
の貴層−卑層対を積層した構成とされており、その積層
芯材における両面側の貴層−卑層対と両面側の各ろう材
との間にそれぞれ前記エロージョン防止層が介在された
構成。 C:ろう材が積層芯材の両面側に位置しており、かつ積
層芯材が、補強層に対し一方のろう材に近接する側の片
面に1対以上の貴層−卑層対を積層した構成とされてお
り、その積層芯材における貴層−卑層対と前記一方のろ
う材との間に前記エロージョン防止層が介在された構
成。 D:ろう材が積層芯材の片面側に位置しており、かつ積
層芯材が、補強層の両面側にそれぞれ1対以上の貴層−
卑層対を積層した構成とされており、その積層芯材にお
ける貴層−卑層対とろう材との間に前記エロージョン防
止層が介在されている構成。 E:ろう材が積層芯材の片面側に位置しており、かつ積
層芯材が、補強層に対しろう材に近接する側の片面に1
対以上の貴層−卑層対を積層した構成とされており、そ
の積層芯材における貴層−卑層対とろう材との間に前記
エロージョン防止層が介在され、さらに積層芯材におけ
るろう材から離れた側の片面に犠牲防食層が積層されて
いる構成。
【0024】
【発明の実施の形態】図1にこの発明のブレージングシ
ートの積層構造の第1の例を示す。この第1の例は、ろ
う材が片面側にのみ存在しかつ補強層を有する場合の代
表的な積層構造例である。
【0025】図1において、板厚方向に隣り合う相対的
に電位が貴な層(貴層)1Aと相対的に電位が卑な層
(卑層)1Bを1対とする貴層−卑層対1が、相対的に
厚い補強層2の片面側に積層され、これらの1対の貴層
−卑層対1および補強層2によって積層芯材3が構成さ
れている。そしてその積層芯材3における片面側、すな
わち貴層−卑層対1が位置する側の面にエロージョン防
止層4が積層され、さらにそのエロージョン防止層4の
表側にろう材5がクラッドされて、全体としてブレージ
ングシートが形成されている。
【0026】ここで、貴層1Aおよび卑層1Bとして
は、相互の電位差が20mV以上であって、かつ厚みが
それぞれ1〜30μmの範囲内の異種のアルミニウム合
金が用いられる。また補強層2の厚みは、要はブレージ
ングシートの芯材として必要な強度を積層芯材3に与え
るべく、貴層−卑層対1で不足する強度を補うように貴
層−卑層対1の厚みよりも厚ければ良く、具体的な厚み
は貴層1Aおよび卑層1Bの厚みとその積層層数に応じ
て厚みを定めれば良いが、通常は100μm以上、望ま
しくは200〜500μm程度とする。またエロージョ
ン防止層4の厚みは、後述するように貴層−卑層対1へ
の溶融ろうのエロージョンを防止する機能を充分に発揮
させるように、30〜100μmの厚みとする。さらに
ろう材5の厚みは、従来の通常のブレージングシートの
場合と同様に30〜90μm程度とすれば良い。
【0027】以上のような図1に示されるブレージング
シートの積層構造例においてろう材5の内側に接するエ
ロージョン防止層4は、その内側の貴層−卑層対1がろ
う付け時の溶融ろうのエロージョンによって耐食性向上
機能を発揮し得なくなることを防止するための層、すな
わち貴層−卑層対1まで溶融ろうのエロージョンが到達
しないようにするために存在する層である。もちろん通
常のアルミニウム合金では、溶融ろうによっても全く溶
融しない層は存在しないが、後述するように耐エロージ
ョン性が優れた合金を用いてある程度以上の厚みのエロ
ージョン防止層を形成しておくことによって、ろう付け
時の溶融ろうのエロージョンがそのエロージョン防止層
までにとどまり、貴層−卑層対までエロージョンが到達
しないようにすることができるのである。したがってエ
ロージョン防止層はその厚みが重要であり、その厚みが
30μm未満では溶融ろうのエロージョンを貴層−卑層
対まで到達させない効果が充分に得られない。一方10
0μmを越えてエロージョン防止層を厚くしても、10
0μmを越えてエロージョンが進行するおそれはほとん
どなく、またエロージョン防止層としては後述する純ア
ルミニウムなど、機械的強度が低いものを使用するのが
通常であるため、このエロージョン防止層が厚過ぎれ
ば、相対的に積層芯材、特に強度付与に有効な補強層の
厚みを薄くせざるを得ず、そのため強度低下の問題が生
じる。そこでエロージョン防止層の厚みは30〜100
μmの範囲内とした。
【0028】一方エロージョン防止層4の内側の貴層−
卑層対1は、耐食性を向上させるために重要である。す
なわち貴層−卑層対1の貴層1Aと卑層1Bは電位差が
あるため、ろう材5の側からの腐食に対して卑層1Bが
両層間の犠牲陽極効果によって防食し、板厚方向への腐
食の進行が抑制されて、腐食が全板厚貫通に至るまでの
寿命(腐食寿命)が延長される。すなわち、ろう材5側
から腐食が進行しても、隣り合う貴層1Aと卑層1Bと
の電位差によって板厚方向に対し直交する方向(面方
向)に卑層1Bが優先的に層状に腐食されるため、板厚
方向への腐食の進行が遅れ、優れた腐食寿命を得ること
ができる。
【0029】一方積層芯材3における補強層2は、熱交
換器用ブレージングシートとして必要な厚み、強度を確
保する役割を果たしている。但しこの補強層2は、後述
する図6あるいは図7の例で示すように、多数対の貴層
−卑層対1を積層することによって芯材に必要な厚み、
強度が確保される場合には省くことも可能である。
【0030】ここで、貴層1Aおよび卑層1Bとして
は、相互の電位差が20mV以上のものを用いなければ
ならず、また貴層1A、卑層1Bの厚みはいずれも1〜
30μmの範囲内とする必要があるが、その理由は次の
通りである。
【0031】すなわち、熱交換器用ブレージングシート
は流体通路に用いられることから、既に述べたように耐
食性は主として板厚方向に孔食が貫通して流体の漏洩が
生じるまでの耐食寿命で評価され、したがって板厚方向
の孔食が進行しにくい場合に耐食性が優れると言うこと
ができる。この発明のブレージングシートの積層構造の
場合、隣り合う貴層1Aと卑層1Bとの電位差が20m
V以上あれば、前述のように腐食が生じても犠牲陽極効
果によって板厚方向に対し直交する面方向に優先的に卑
層1Bが層状に腐食され、そのため板厚方向への孔食が
進行しにくく、ブレージングシート全体として板厚方向
への腐食が遅れ、優れた耐食寿命を得ることができる
が、貴層1Aと卑層1Bとの電位差が20mV未満で
は、上述のような犠牲陽極効果が充分に得られず、孔食
が発生して板厚方向に腐食が進行し、腐食寿命が短くな
ってしまう。したがって貴層1A、卑層1Bの電位差は
20mV以上とする必要がある。
【0032】また卑層1Bの厚みが1μm未満では、犠
牲陽極効果を有していても短時間で卑層全厚みが腐食さ
れてしまい、効果的な犠牲防食を図ることができない。
一方卑層1Bを30μmを越えて厚くしても、犠牲防食
効果は飽和し、また機械的強度の点で問題が生じる。す
なわち卑層1Bとしては、それ自体の耐孔食性が良好で
かつ電位的に卑な合金とするため、純アルミニウムもし
くは純アルミニウム系合金の如く、合金元素を実質的に
含有しないかまたは含有しても極く微量の材料を用いる
のが通常であるが、このような材料は一般に強度が低
く、したがって全板厚に占める卑層の部分の厚み割合を
大きくすれば、機械的な強度が低下してしまう。したが
って卑層1Bの厚みは1〜30μmの範囲内とする必要
がある。
【0033】貴層1Aについては、その厚みが1μm未
満では、卑層1Bの犠牲腐食が完了した場合に直ちに孔
食により貴層1Aが板厚方向へ貫通して腐食され、その
次の卑層(犠牲層)の腐食が始まってしまい、腐食寿命
の充分な延長を図ることができなくなる。一方貴層1A
の厚みを30μmを越えて厚くしても、貴層1A自体は
犠牲防食効果を有しないため腐食寿命の延長にはほとん
ど効果がなく、ブレージングシート全体の厚みの制約を
考慮すれば卑層1Bの合計厚みを厚くした方が腐食寿命
の延長に有効である。したがって貴層1Aの厚みも卑層
1Bと同様に1〜30μmの範囲内とした。
【0034】なお図1の例では積層芯材3中における貴
層−卑層対1が1対とされているが、耐食性をより向上
させるために2対以上の貴層−卑層対1を積層しても良
いことはもちろんである。このように貴層−卑層対1を
2対以上積層しておけば、1対の貴層−卑層対間での電
位差による卑層の面方向層状優先腐食による板厚貫通方
向への孔食の進行の抑制が2回以上繰返されることにな
り、したがって貴層−卑層対1の対数を増加した方が全
体として板厚方向への孔食の進行抑制効果が大きくな
る。したがって犠牲防食による腐食寿命の延長の信頼性
を高め、しかも板厚方向の孔食の進行の抑制効果を大き
くして、腐食寿命をより大幅に延長する観点からは、貴
層−卑層対の合計を2対以上とすることが好ましい。但
しこの場合は、既に述べたように製造コストが上昇する
等の別の問題が生じるから、貴層−卑層対の対数は、要
は得るべき耐食性の程度と製造コストとの兼ね合いから
定めれば良い。
【0035】また貴層1A、卑層1Bのうちいずれか一
方の層数を偶数、他方の層数を奇数として、1.5対、
2.5対あるいは3.5対などとしても良い。
【0036】なおまた、図1の例では貴層1A、卑層1
Bの積層順序について、エロージョン防止層4に貴層1
Aが接し、補強層2の側に卑層1Bが位置するように積
層しているが、場合によっては逆に卑層1Bがエロージ
ョン防止層4に接するように積層しても良い。
【0037】ここで、エロージョン防止層4に対して貴
層1A、卑層1Bのいずれが接するように積層するか
は、通常はエロージョン防止層4の電位によって定めれ
ば良い。すなわち、後に改めて説明するように、エロー
ジョン防止層として請求項2で規定するような純アルミ
ニウムあるいは請求項3で規定するような純アルミニウ
ム系合金を用いる場合は、エロージョン防止層の電位が
卑となるため、そのエロージョン防止層に対して貴層が
接するように貴層−卑層対を積層すれば、エロージョン
防止層と貴層との電位差によってエロージョン防止層に
犠牲陽極効果を持たせ、これによってより一層の耐食性
向上効果を得ることができる。一方、エロージョン防止
層として請求項4あるいは請求項5で規定するようなA
l−Mn系合金を用いる場合は、エロージョン防止層の
電位が貴となるから、そのエロージョン防止層に対して
卑層が接するように貴層−卑層対を積層すればエロージ
ョン防止層と貴層との電位差によって卑層に犠牲陽極効
果を与え、これによってより一層の耐食性向上効果を得
ることができる。
【0038】図2には、この発明のブレージングシート
の積層構造の第2の例を示す。この第2の例は、ろう材
が両面側に位置しかつ補強層を有する場合の代表的な積
層構造例である。
【0039】図2においては、補強層2の両面側にそれ
ぞれ貴層−卑層対1が積層されて積層芯材3が構成さ
れ、その積層芯材3の両面側にエロージョン防止層4が
クラッドされ、さらにそのエロージョン防止層4の外面
側にそれぞれろう材5がクラッドされ、全体としてブレ
ージングシートが構成されている。このような図2に示
される構造例では、両面のろう材5の内側のエロージョ
ン防止層4にそれぞれ接するように貴層−卑層対1が設
けられているから、各貴層−卑層対1に対する溶融ろう
のエロージョンが確実に防止され、一方の面のろう材5
の側からの腐食、他方のろう材5の側の面からの腐食の
いずれに対しても図1の積層構造例と同様な作用効果を
得ることができる。
【0040】なお図2の例における各層の厚みは既に図
1について述べたと同様である。なお図2では補強層2
の各片面側につきそれぞれ1対の貴層−卑層対1が設け
られているが、補強層2のいずれか一方の側または両側
の貴層−卑層対を2対以上としても良く、また既に述べ
たように1.5対、2.5対あるいは3.5対などとし
ても良い。また図2の例では卑層1Bがエロージョン防
止層4に接するように配置されているが、既に述べたと
同様に逆に貴層1Aがエロージョン防止層4に接するよ
うに配置することもできる。
【0041】さらに図3には、この発明のブレージング
シートの第3の積層構造例を示す。この図3の例も、図
2の例と同様に両面にろう材が存在しかつ補強層を有す
る場合の積層構造例である。
【0042】図3の例において補強層2の片面に2対の
貴層−卑層対1が積層されて積層芯材3が構成されてお
り、この積層芯材3における貴層−卑層対1の外側にエ
ロージョン防止層4がクラッドされ、さらにそのエロー
ジョン防止層4の外側と、積層芯材3における貴層−卑
層対1と反対側の面にそれぞれろう材5がクラッドされ
て、全体としてブレージングーシートが構成されてい
る。したがってこの例の場合には、両面側のろう材5の
うち、片側のろう材の内側にのみ2対の貴層−卑層対1
が存在することになる。このような積層構造例は、エバ
ポレータの如くフレオンガスなどの腐食性の少ない流体
が内部を流れる場合において、もっぱら外側からの腐食
に対して耐食性を高めるために用いられる。
【0043】なおこの図3の例の場合も、図1の例と同
様に貴層1A、卑層1Bの対数は1.5対以上であって
も良いことはもちろんであり、また貴層1A−卑層1B
の積層方向(エロージョン防止層4に対する位置関係)
も逆転できることはもちろんである。
【0044】図4には、この発明のブレージングシート
の積層構造の第4の例を示す。この例は、ろう材が片面
側にのみ存在しかつ補強層を有する場合の積層構造例で
ある。
【0045】図4において、補強層3の一方の面の側に
1対の貴層−卑層対1が積層され、同じく補強層3の他
方の面の側に2対の貴層−卑層対1が積層されて、積層
芯材3が構成され、その積層芯材3における1対の貴層
−卑層対1が位置する側にエロージョン防止層4がクラ
ッドされ、さらにエロージョン防止層4の外側にろう材
5がクラッドされて、全体としてブレージングシートが
形成されている。したがってこの例の場合は、ブレージ
ングシートにおけるろう材5が位置しない側の面にも、
貴層1Aおよび卑層1Bの積層構造が存在することにな
る。このような積層構造例は、ラジェータのチューブや
ヘッダープレートの如く、熱媒体として水を用いる場合
に有効であり、ろう材5に対し反対側の面が水の通路と
なる。この場合、ろう材5側からの腐食のみならず、水
に接する通路側からの腐食に対しても板厚方向の孔食の
進行を抑制し、腐食寿命の延長を図ることができる。な
おろう材5に対して反対側の貴層−卑層対1は、表面側
(水に接する側)を卑層1Bとする方が耐食性向上には
有利である。
【0046】なおこの図4の例では、補強層2とエロー
ジョン防止層4との間には1対の貴層−卑層対1を設け
ているが、1.5対以上でも良いことはもちろんであ
り、またろう材5が位置しない側の貴層1Aおよび卑層
1Bも、図示の2対に限らず、1対以上の任意の積層数
とすることができる。
【0047】図5には、この発明のブレージングシート
の第5の積層構造例を示す。この図5の例は、図1に示
される構造例をベースとし、さらに別の犠牲防食層を設
けたものである。
【0048】図5において、補強層2の片面側に1対の
貴層−卑層対1が積層されて積層芯材3が形成され、そ
の積層芯材3における貴層−卑層対1が位置する側の表
面にエロージョン防止層4がクラッドされ、さらにその
エロージョン防止層4の表側にろう材5がクラッドさ
れ、一方積層芯材3における貴層−卑層対1が位置しな
い側の表面に、後述するようなAl−Zn系合金もしく
はAl−Zn−Mg系合金からなる犠牲防食層6が積層
されている。このような図5の積層構造例は、図4の例
と同様に、ラジェータのチューブやヘッダープレートの
如く、熱媒体として水を用いる場合に、水と接触する通
路側に犠牲防食層6を設けた構造として使用するのが適
当である。なおこの犠牲防食層6の厚みは、通常は20
〜100μm程度とすれば良い。
【0049】さらに図6には、この発明のブレージング
シートの第6の積層構造例を示す。この例は、両面側に
ろう材が存在し、かつ補強層を用いていない積層構造例
である。
【0050】図5において、積層芯材3は、13層の貴
層1Aおよび卑層1Bを交互に積層して6.5対の貴層
−卑層対1とした構造とされている。そしてその積層芯
材3の両面にそれぞれエロージョン防止層4がクラッド
され、さらに各エロージョン防止層4の外側にそれぞれ
ろう材5がクラッドされている。
【0051】このような図6の例は、積層芯材3におけ
る貴層1Aおよび卑層1Bの積層数を多くした場合に有
効である。すなわち、貴層1A、卑層1Bの積層数を多
くした場合には、図1〜図5における補強層2を設けな
くても熱交換器用ブレージングシートとして必要な厚
み、強度を得ることが可能である。
【0052】なお図6のさらに変形例として、図6の構
造における一方の側のろう材5およびそれに接するエロ
ージョン防止層4を除去して、片側にのみエロージョン
防止層4およびろう材5が存在する構造とすることもで
き、その例を図7に示す。
【0053】さらにこの発明における各層に用いるアル
ミニウム合金について説明する。
【0054】先ずエロージョン防止層に用いる合金とし
ては、本質的にそれ自体の耐エロージョン性が優れるも
のであることが必要であり、しかもその合金自体の耐食
性が良好であることが望ましい。またこのエロージョン
防止層が貴層−卑層対の貴層と接する積層構造とする場
合には電位的に卑な材料を用い、逆にエロージョン防止
層が貴層−卑層対の卑層と接する積層構造とする場合に
は電位的に貴な材料を用いて貴層もしくは卑層との間で
犠牲防食効果を持たせることが望ましい。
【0055】具体的には、エロージョン防止層が貴層と
接する場合は、請求項2に掲げたように、Si量が0.
5wt%以下、Fe量が0.5wt%以下、Cu量が
0.05wt%以下に規制された純アルミニウム、ある
いは請求項3に記載したように、Fe量が0.5wt%
以下、Si量が0.5wt%以下、Cu量が0.05w
t%以下にそれぞれ規制され、かつZn0.06〜0.
5wt%、Mg0.06〜0.5wt%、In0.00
5〜0.1wt%、Sn0.005〜0.1wt%、G
a0.005〜0.1wt%のうちから選ばれた1種ま
たは2種以上を含み、残部がAlおよび不可避的不純物
よりなる純アルミニウム合金を用いることが望ましい。
【0056】一方エロージョン防止層が卑層と接する場
合には、請求項4に記載したように、Mn0.1〜1.
5wt%を含有し、かつCu量が0.05wt%以下に
規制され、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるA
l−Mn系のアルミニウム合金、あるいは請求項5に記
載したように、Mn0.1〜1.5wt%を含有し、か
つCr0.06〜0.3wt%、Zr0.06〜0.3
wt%、Ti0.06〜0.3wt%、W0.03〜
0.3wt%、Mo0.03〜0.3wt%のうちから
選ばれた1種または2種以上を含有し、しかもCu量が
0.05wt%以下に規制され、残部がAlおよび不可
避的不純物よりなるAl−Mn系のアルミニウム合金が
適当である。
【0057】これらの成分限定理由について説明する。
【0058】Fe,Si:請求項2の発明におけるエロ
ージョン防止層の合金としては、基本的に純アルミニウ
ムが用いられ、また請求項3の発明における耐エロージ
ョン防止層には純アルミニウムに対して電位を卑にする
作用を有する微量元素を添加した純アルミニウム系合金
が用いられる。純アルミニウム、純アルミニウム系合金
は電位的に卑であり、そこで20mV以上の電位差があ
る貴層と接するように設けることによって、エロージョ
ン防止層と貴層との電位差によってエロージョン防止層
に犠牲陽極効果を持たせ、より一層の耐食性向上効果を
付与することができる。ここで、一般に純アルミニウム
の不純物としてはFe,Siが不可避的に存在するが、
Fe量、Si量が多ければ耐エロージョン性が低下し、
また合金自体の耐食性も低下する。特にFe量、Si量
がそれぞれ0.5%を越えれば耐エロージョン性が低下
して、エロージョン防止層の機能を充分に発揮できなく
なり、またエロージョン防止層自体の耐食性も悪くなる
から、請求項2、請求項3の発明におけるエロージョン
防止層のFe,Si量はそれぞれ0.5%以下に規制す
ることとした。なお請求項4、請求項5の発明における
エロージョン防止層についてはFe量、Si量は特に規
制していないが、これらの場合も、耐エロージョン性お
よび合金自体の耐食性の点から、Fe量、Si量は少な
いことが望ましく、前記同様にFe量、Si量ともに
0.5%以下とすることが好ましい。
【0059】Cu:Cuが含有されれば耐エロージョン
性が低下し、特に0.05%を越えるCuの含有により
耐エロージョン性低下が著しくなるから、請求項2〜請
求項5の各発明のエロージョン防止層についてCuは
0.05%以下に規制することとした。またCu量が多
くなれば、腐食形態が均一な腐食ではなく孔食による腐
食となるため、エロージョン防止層自体の耐食性が低下
してしまうが、Cu量が0.05%以下であれば孔食に
よる耐食性低下を回避することができる。
【0060】Zn,Mg,In,Sn,Ga:これらの
元素はいずれも耐エロージョン性にはほとんど影響を及
ぼさずに、アルミニウムの電位を卑にする作用を有す
る。したがってこれらの元素のうちの1種または2種以
上を微量添加して電位をより卑にした純アルミニウム系
の合金をエロージョン防止層に用い、そのエロージョン
防止層がそのエロージョン防止層に対し20mV以上貴
な層(貴層)に接するように構成することによって犠牲
陽極効果による防食効果も発現させることができること
から、請求項3の発明のエロージョン防止層の合金につ
いてこれらの1種または2種以上を添加することとし
た。ここで、Zn,Mgがそれぞれ0.06%未満、I
n,Sn,Gaがそれぞれ0.005%未満では電位を
卑にする作用がほとんど得られず、一方Zn,Mgがそ
れぞれ0.5%を越えれば、またIn,Sn,Gaがそ
れぞれ0.1%を越えれば、耐エロージョン性が低下す
るとともに、電位的に卑になり過ぎてエロージョン防止
層自体の腐食速度が速くなってしまうことから、Zn,
Mgはそれぞれ0.06〜0.5%、In,Sn,Ga
はそれぞれ0.005〜0.1%の範囲内とした。なお
これらの元素のうちMgを0.5%を越えて含有させれ
ば、クラッド圧延のための加熱時に表面にMgの酸化皮
膜が生成されてクラッド接合性が著しく悪化し、クラッ
ド接合が困難となるから、その観点からもMgは0.5
%以下とする必要がある。
【0061】Mn:Mnは耐エロージョン性向上および
強度向上、耐孔食性向上に効果があり、しかもアルミニ
ウムに添加されるその電位を貴にする作用を有する元素
であり、そこで請求項4、請求項5の発明におけるエロ
ージョン防止層の合金に積極添加することとした。Mn
の添加量が0.1%未満ではこれらの効果が充分に得ら
れず、一方1.5%を越えて添加すれば、その効果が飽
和するばかりでなく、圧延性や成形加工性が著しく低下
してしまう。したがって請求項4、請求項5におけるM
nの添加量は0.1〜1.5%の範囲内とした。なおM
nを添加した電位的に貴なエロージョン防止層に対し
て、電位が20mV以上卑な層が接するように構成する
ことによって、卑層が犠牲防食効果を示し、全体の耐食
性をより一層向上させることができる。
【0062】Cr,Zr,Ti,W,Mo:これらの元
素は、いずれも耐エロージョン性向上に効果があるとと
もに、電位を貴にする作用があり、そこで請求項5の発
明におけるエロージョン防止層の合金としてMnととも
にいずれか1種または2種以上を添加することとした。
またこれらの元素のうち、Cr,Zrは強度向上にも有
効であり、一方Ti,W,Moは層状に分布して貴な層
の腐食形態を層状腐食とし、これによって耐食性をより
向上させる作用を有する。Cr,Zr,Tiが0.06
%未満、W,Moが0.03%未満ではこれらの効果が
充分に得られず、一方Cr,Zr,Ti,W,Moが
0.3%を越えればその添加効果が飽和するばかりでな
く、鋳造時に巨大な金属間化合物が生成されて圧延性や
成形加工性が低下してしまう。そこでCr,Zr,Ti
はそれぞれ0.06〜0.3%の範囲内、W,Moはそ
れぞれ0.03〜0.3%の範囲内とした。
【0063】なお請求項4、請求項5の発明の場合、C
u以外の不可避的不純物としてはFe,Siが含有され
るのが通常であるが、既に述べたようにこの場合のFe
量、Si量も0.5%以下とすることが望ましく、また
その他の不可避的不純物は0.05%以下とすることが
望ましい。
【0064】次に卑層は、貴層との電位差によって優先
的に層状腐食させる層であるが、板厚方向の孔食が進行
すれば層状に優先腐食させる効果が得られなくなるか
ら、それ自体の耐食性、特に耐孔食性が優れていること
が必要であり、またもちろん電位が卑であることが必要
である。そこで卑層としては、例えばAl純度が99.
0%以上の純アルミニウム、あるいは電位に卑にする作
用を有する合金元素を少量だけ添加した純アルミニウム
系の合金を用いる。具体的には、Si量が0.5wt%
以下、Fe量が0.5wt%以下、Cu量が0.05w
t%以下、Mn量が0.05wt%以下にそれぞれ規制
され、かつAl含有量が99.0wt%以上で残部が不
可避的不純物よりなる純アルミニウム系合金、あるい
は、Si量が0.5wt%以下、Fe量が0.5wt%
以下、Cu量が0.05wt%以下、Mn量が0.05
wt%以下にそれぞれ規制され、かつZn0.05〜
0.5wt%、Mg0.05〜0.5wt%、In0.
004〜0.1wt%、Sn0.004〜0.1wt
%、Ga0.004〜0.1wt%のうちの1種または
2種を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりな
るアルミニウ合金が最適である。
【0065】ここで、前述のような卑層の望ましい成分
組成の限定理由を説明する。
【0066】Al:一般に純アルミニウムの不純物とし
てはFe,Siが代表的であるが、Fe,Siが多けれ
ば孔食が生じやすくなって卑層の腐食が激しくなり、腐
食寿命が短くなるから、アルミニウムの純度は99.0
%以上とする。
【0067】Fe:Feは前述のように孔食を発生しや
すく、特に0.5wt%を越えれば卑層の腐食が激しく
なるから、Feは0.5wt%以下に規制することとし
た。
【0068】Si:SiはFeと化合物を形成して孔食
を発生しやすくするばかりでなく、アルミニウムの電位
を貴にする作用があり、したがってSiは可及的に少な
くすることが望ましい。Siが0.5wt%以下であれ
ばこの発明による所期の性能を損なうことはないから、
Siは0.5wt%以下に規制することとした。
【0069】Cu:Cuはアルミニウムに添加された場
合にその電位を貴にする作用を有し、またCu量が多く
なれば均一な腐食ではなく孔食が発生しやすくなり、腐
食寿命が短くなってしまう。Cuが0.05wt%以下
であればこれらの問題の発生を防止でき、したがってC
u量は0.05wt%以下に規制することとした。
【0070】Mn:Mnもアルミニウムに添加された場
合にその電位を貴にする作用を有するため、0.05w
t%以下に規制することとした。
【0071】Zn,Mg,In,Sn,Ga:これらの
元素はいずれもアルミニウムに添加された場合に電位を
卑にする作用を有するため、卑層の合金に添加すること
ができる。ここでZn,Mgがそれぞれ0.05%未
満、In,Sn,Gaがそれぞれ0.004%未満では
電位を卑にする効果が充分に得られず、一方Zn,Mg
がそれぞれ0.5%を越えれば、またIn,Sn,Ga
がそれぞれ0.1%を越えれば、電位が卑になり過ぎて
腐食速度が速まり、腐食寿命が逆に短くなってしまうか
ら、Zn,Mgはそれぞれ0.05〜0.5%、In,
Sn,Gaはそれぞれ0.004〜0.1%に限定し
た。またこれらの元素のうち、Zn,In,Sn,Ga
は、アルミニウム中での拡散速度が速いため、ろう付け
加熱中に接している隣の貴層に拡散して貴層の電位を低
下させ、貴層と卑層との電位差を小さくして貴層−卑層
の組合せによる犠牲防食効果が充分に得られなくなり、
腐食寿命を短くするおそれがあるが、それぞれ上限値以
下であればこのような問題が生じるおそれは少ない。ま
たこれらの元素のうちMgが0.5wt%を越えて含有
されれば、クラッド圧延のための加熱時に表面にMgの
酸化皮膜が形成されてクラッド接合性が著しく低下し、
クラッド接合が困難となるから、その観点からもMg量
を0.5wt%以下とする必要がある。
【0072】一方貴層としては、前述のように卑層より
も20mV以上電位が貴であってしかも卑層の強度の低
さを補うべく高強度を有し、しかもそれ自体の耐食性も
優れたアルミニウム合金を用いれば良い。具体的には、
例えば前記貴層として、Mn0.1〜1.5wt%、C
r0.06〜0.3wt%、Zr0.06〜0.3wt
%、Ti0.06〜0.3wt%、W0.03〜0.3
wt%、Co0.03〜0.3wt%、Mo0.03〜
0.3wt%のうちの1種または2種以上を含み、残部
がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金
を用いることが望ましい。このような貴層用アルミニウ
ム合金の望ましい成分組成の限定理由は次の通りであ
る。
【0073】Mn:Mnは強度を向上させるとともに耐
孔食性および耐エロージョン性を向上させて、さらには
アルミニウムに添加されてその電位を貴にする作用を有
する。Mnの添加量が0.1wt%未満ではこれらの効
果が少なく、一方1.5wt%を越えて添加してもその
効果が飽和するばかりでなく、圧延性や成形加工性を著
しく損なう。したがってMnの添加量は0.1〜1.5
wt%の範囲内とした。
【0074】Cr,Zr:Cr,Zrの添加もMnと同
様に強度の向上、耐孔食性および耐エロージョン性の向
上に効果があり、また電位を貴にする作用を示す。その
添加量がそれぞれ0.06wt%未満ではこれらの効果
が充分に得られない。一方これらの添加量がそれぞれ
0.3wt%を越えれば、その効果が飽和し、また鋳造
時に巨大な金属間化合物を生成して圧延性や成形性を著
しく低下させる。そこでCr,Zrの添加量はいずれも
0.06〜0.3wt%の範囲内とした。
【0075】Ti:Tiは耐エロージョン性の向上に効
果があるとともに、アルミニウムに添加されて電位を貴
にする作用を有する。Tiの添加量が0.06wt%未
満ではこれらの効果が充分に得られず、一方0.3wt
%を越えればこれらの効果は飽和し、また巨大な金属間
化合物が多量に晶出して圧延性や成形加工性を低下させ
る。したがってTiの添加量は0.06〜0.3wt%
の範囲内とした。
【0076】W,Co,Mo:これらの元素はアルミニ
ウムに添加されてその電位を貴にする効果を有する。こ
れらの元素の添加量がそれぞれ0.03wt%未満では
上記の効果が充分に得られず、一方それぞれ0.3wt
%を越えれば上記の効果が飽和し、また鋳造時に巨大な
金属間化合物を生成して、圧延性や成形加工性を損な
う。そこでW,Co,Moの添加量はそれぞれ0.03
〜0.3wt%の範囲内とした。
【0077】なおそのほか通常のアルミニウム合金にお
いては不可避的不純物としてFe,Siが含有される
が、FeSiがそれぞれ0.5wt%を越えて含有され
れば孔食が生じて耐食性が低下するから、それぞれ0.
5wt%以下に規制することが望ましい。その他の不可
避的不純物もそれぞれ0.05wt%以下に規制するこ
とが望ましい。
【0078】さらに図1〜図5の積層構造材の場合は、
積層芯材が、1対以上の貴層−卑層対と補強層とを積層
した構成とされているが、この場合の補強層としては、
基本的には従来一般のブレージングシートの芯材として
用いられている合金と同様な合金、例えばAl−Mn系
合金等を用いれば良い。具体的な補強層の合金として
は、例えば、Mn0.5〜1.5wt%を含有し、残部
がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合
金、あるいは、Mn0.5〜1.5wt%を含有し、か
つCu0.06〜0.8wt%、Ti0.06〜0.3
wt%、W0.03〜0.3wt%、Co0.03〜
0.3wt%、Mo0.03〜0.3wt%のうちから
選ばれた1種以上を含み、残部がAlおよび不可避的不
純物よりなるアルミニウム合金、あるいは、Mn0.5
〜1.5wt%を含有し、かつMg0.06〜0.5w
t%、Cr0.06〜0.3wt%、Zr0.03〜
0.3wt%のうちから選ばれた1種以上を含み、残部
がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合
金、さらには、Mn0.5〜1.5wt%を含有し、か
つCu0.06〜0.8wt%、Ti0.06〜0.3
wt%、W0.03〜0.0wt%、Co0.03〜
0.3wt%、Mo0.03〜0.3wt%のうちから
選ばれた1種以上と、Mg0.06〜0.5wt%、C
r0.06〜0.3wt%、Zr0.03〜0.3wt
%のうちから選ばれた1種以上とを含有し、残部がAl
および不可避的不純物よりなるアルミニウム合金、など
を好適に用いることができる。
【0079】これらの補強層用アルミニウム合金の望ま
しい成分組成の限定理由について説明する。
【0080】Mn:Mnは強度を高めるとともに耐孔食
性を向上させる元素であって、補強層の基本的な合金元
素である。Mn含有量が0.5wt%未満ではこれらの
効果が充分に得られず、一方1.5wt%を越えて添加
されれば巨大な金属間化合物が生成されて圧延性や成形
加工性が低下するとともに耐食性が低下し、また粒界腐
食感受性が高くなる。そこでMnは0.5〜1.5wt
%の範囲内とした。
【0081】さらに補強層用アルミニウム合金には、耐
食性向上のために次のCu,Ti,W,Co,Moのう
ちの1種または2種以上が添加されていても良い。
【0082】Cu:Cuは芯材の電位を貴にして耐食性
を向上させるとともに、ろう付け後の強度を高めるため
に有効な元素である。Cu量が0.06wt%未満では
これらの効果が少ない。一方、0.8wt%を越えてC
uを添加すれば自己耐食性が低下し、また粒界腐食が激
しくなって、結果的に耐食性が低下する。そこでCuの
添加量は0.06〜0.8wt%の範囲内に限定した。
【0083】Ti:Tiの添加は電位を貴にするととも
に、ピット状の腐食形態を層状に変化させ、これにより
最大腐食深さを小さくさせて耐食性を向上させるのに有
効である。Tiの添加量が0.06wt%未満ではこれ
らの効果が充分に発揮されず、一方0.3wt%を越え
ればこれらの効果も飽和するため、これ以上添加するの
は経済的でない。またTi量が0.3wt%を越えれば
Al3 Tiの巨大金属間化合物が生成されやすくなって
圧延性や成形加工性が低下する。そこでTiの添加量は
0.06〜〜0.3wt%の範囲内に限定した。
【0084】W:Wの添加も、芯材の電位を貴にすると
ともに、ピット状の腐食形態を層状に変化させて最大腐
食深さを小さくし、これにより耐食性を向上させるため
に寄与する。W量が0.03wt%未満ではこれらの効
果が少なく、一方0.3wt%を越えて添加すれば、巨
大金属間化合物を生成して成形性を低下させる。そこで
Wの添加量は0.03〜0.3wt%の範囲内に限定し
た。
【0085】Co:Coの添加も、芯材の電位を貴にす
るとともに、ピット状の腐食形態を層状に変化させて最
大腐食深さを低下させることを通じて、耐食性向上に寄
与する。Co量が0.03wt%未満ではこれらの効果
が少なく、一方0.5wt%を越えてCoを添加すれ
ば、巨大金属間化合物を生成して成形性を低下させる。
そこでCoの添加量は0.03〜0.3wt%の範囲内
に限定した。
【0086】Mo:Moの添加も、芯材の電位を貴にす
るとともに、ピット状の腐食形態を層状に変化させるこ
とにより、耐食性向上に寄与する。Mo量が0.03w
t%未満ではこれらの効果が少なく、一方0.3wt%
を越えてMoを添加すれば、巨大金属間化合物を生成し
て成形性を低下させる。そこでMo添加量は0.03〜
0.3wt%の範囲内に限定した。
【0087】また補強層用アルミニウム合金は、強度向
上のために次のMg,Cr,Zrのうちの1種以上が添
加されていても良い。
【0088】Mg:Mgはろう付け加熱後の強度を高め
るために最も有効な元素であるが、Mg量が0.06w
t%未満ではその効果は少なく、一方0.5wt%を越
えて添加されれば芯材の電位を卑にして耐食性を低下さ
せる。そこでMgの添加量は0.06〜0.5wt%の
範囲内とした。
【0089】Cr,Zr:Cr,Zrは、いずれもろう
付け加熱後の強度を高めるために有効な元素であるが、
これらの元素の添加量がそれぞれ0.06%未満ではそ
の効果が少なく、一方0.3wtを越えてこれらの元素
を添加すれば巨大な金属間化合物が生成されて加工性が
低下する。このためCr,Zrの添加量はそれぞれ0.
06〜0.3wt%の範囲内に限定した。
【0090】以上の各元素のほか、不可避的不純物とし
てFe,Siが含有されるのが通常であるが、これらは
一般に耐食性を低下させるところから、可及的に少ない
ことが望ましい。具体的には、Feは0.7wt%以
下、Siは0.6wt%以下が好ましく、より望ましく
はFe0.30wt%以下、Si0.20wt%以下と
する。
【0091】なお図6あるいは図7に示される積層構造
例の場合は、貴層−卑層対の多数対を積層することによ
って芯材として必要な厚みを確保する構成としており、
したがってこの場合は積層芯材に上述の補強層を用いて
いない。このように多数対の貴層−卑層対のみを積層す
る構成は、耐食性向上の点からは有利であるが、数多く
の層をクラッドすることは製造技術上困難なことであ
り、また通常のクラッド材製造プロセスでは1回のクラ
ッド圧延でクラッドできる層数が限られるため、多数層
をクラッドするためにはクラッド圧延を2回以上行なわ
なければならず、そのため製造コストが増大することも
ある。そこで実際上は図1〜図5に示したように1対以
上の貴層−卑層対に厚い補強層を組合せることによって
ブレージングシートの芯材として必要な厚みを確保する
ことが望ましい。
【0092】さらに図5に示される積層構造例に用いら
れる犠牲防食層6は、前述のように通常はラジェータの
チューブやヘッダープレートにおける水と接触する側に
設けるのが一般的であり、この犠牲防食層6は、従来か
ら水側の犠牲層として使用されている合金と同様なもの
を用いれば良い。具体的には、水に対する耐食性の観点
から、7072合金やAl−2%Zn合金などのAl−
Zn系合金、さらには強度向上のためにMgを添加した
Al−Zn−Mg系合金を使用すれば良い。
【0093】一方、各積層構造例におけるろう材として
は、一般のブレージングシートに用いられているものと
同様な合金を用いれば良い。具体的には例えばJIS
Z3263による4343合金、4045合金、404
7合金などのAl−Si系合金、4004合金、4N0
4合金などのAl−Si−Mg系合金、4104合金な
どのAl−Si−Mg−Bi系合金が用いられる。この
ほか、これらの合金にさらにBe,Sr,Sb等を添加
したろう材も用いることができる。さらには、これらの
Al−Si系、Al−Si−Mg系、Al−Si−Bi
系合金にZnもしくはCu系を添加してろう付け温度を
低下させた公知の合金を用いても良い。
【0094】なおまた、各積層構造例におけるろう材の
クラッド率は特に限定せず、具体的にはブレージングシ
ートの板厚によって異なるが、通常は片面当り5〜20
%程度であれば良好なろう付け性を確保することができ
る。
【0095】なおこの発明のブレージングシートの製造
方法としては、通常のクラッド材の製造方法などに用い
られている方法を適用すれば良く、特に限定されるもの
ではない。
【0096】具体的には、例えば各合金材料をそれぞれ
鋳造して、必要に応じて均熱処理を施してから熱間圧延
を行なって所定の板厚とするか、あるいは熱間圧延を行
なわずに面削のみによって所定の厚みとし、その後各板
を重ね併せて熱間圧延によりクラッド圧延を行ない、必
要に応じて中間焼鈍を施してから冷間圧延を行なって最
終板厚とすれば良く、また冷間圧延の中途で必要に応じ
て中間焼鈍を行なったり、また最終の冷間圧延後に必要
に応じて最終焼鈍を施しても良い。ここで、鋳造方法と
しては一般的な半連続鋳造法を用いれば良い。また鋳造
後には、エロージョン防止層あるいは貴層や補強層につ
いては、溶融ろうによる耐エロージョン性を考慮して均
熱処理を行なうことが望ましく、この場合の均熱温度と
しては450〜620℃が適当であるが、耐エロージョ
ン性をより向上させるためには高い温度で均熱処理を施
すことが望ましい。クラッド圧延は、前述のように熱間
圧延を適用するのが通常であるが、積層数が多い場合に
は2回以上のクラッド圧延を組合せても良いことはもち
ろんである。なおクラッド圧延時には接合性を良好にす
るため、事前にクラッド合せ面について酸洗もしくはア
ルカリ洗、溶剤脱脂などによって酸化皮膜の除去や脱脂
を行ない、表面を清浄化しておくことが望ましい。最終
のテンパー状態は、ブレージングシートを用いる熱交換
器部品の種類や熱交換器の用途などによって定めれば良
いが、例えばエバポレータ用コアプレートの場合はプレ
ス成形を行なうためにO材(完全焼鈍材)とする必要が
あり、またラジェータのチューブ材では通常はH1nの
加工材が使用されるなど、それぞれのテンパー状態に応
じて冷間圧延、焼鈍の有無、焼鈍の条件などを定めれば
良い。
【0097】
【実施例】
実施例1 表1に示される合金No.1〜No.12を、表2、表
3の積層板符号A〜Qに示すようにクラッドしたブレー
ジングシートを用い、それぞれエバポレータ用コアプレ
ートをシュミレートしたミニコアプレートを製作した。
その後、真空炉中にて5×10-5Torrの真空度で6
00℃×3分のろう付け加熱を行なった。なお表2、表
3においては、エロージョン防止層をV、卑層をW、貴
層をX、補強層をY、ろう材をZとし、これらの符号を
用いて積層順序を示している。また各層のクラッド率、
厚みを併せて示す。
【0098】ろう付け加熱後の各ミニコアプレートに対
し、ASTM G85に準拠してSWAAT腐食試験を
行なった。なおこのSWAAT腐食試験では、表2、表
3中の「組合せ順」における左側を外側として、その面
に腐食液がかかるようにして外部腐食試験を行ない、板
厚方向に腐食が貫通するまでの腐食寿命を調べた。その
結果を表4に示す。また表4には、卑層、貴層の各電
位、および両層の電位差を併せて示す。なお電位は、
2.67%AlCl3 水溶液中で室温にて孔食電位(V
sSCE)を測定した。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【表3】
【0102】
【表4】
【0103】表4において、積層板符号Aは貴層−卑層
対およびエロージョン防止層を持たない従来の一般的な
両面ろう材クラッドのブレージングシート(現行材)で
あり、これと比較して本発明例(積層板符号D〜F,
J,K,P,Q)の場合は腐食寿命が著しく延長されて
いることが明らかである。なお積層板符号Bは1対の貴
層−卑層対を備えてはいるがエロージョン防止層を持た
ない比較例、積層板符号Cはエロージョン防止層の厚み
が30μm未満の比較例、積層板符号Gは卑層の厚みが
1.0μm未満の比較例、積層板符号Hは貴層の厚みが
1.0μm未満の比較例、積層板符号Iは卑層の厚み、
貴層の厚みがともに1.0μm未満の比較例、積層板符
号L,Mはいずれも貴層と卑層との電位差が20mV未
満の比較例、積層板符号Oはエロージョン防止層は備え
ているが貴層−卑層対を持たない比較例であり、これら
の場合はいずれも充分な腐食寿命が得られなかった。ま
た積層板符号Pは、卑層、貴層ともにその厚みが30μ
mを越えている比較例であるが、この場合は圧延性が悪
く、そのため表4中にも記載したように1回の熱間圧延
でクラッド化することができず、圧延を中止した。
【0104】実施例2 表5に示される合金No.13〜No.25を、表6、
表7の積層板符号AA〜AKに示すように組合せてクラ
ッドしたブレージングシートを用い、それぞれエバポレ
ータ用コアプレートをシュミレートしたミニコアプレー
トを製作した。その後、真空炉中にて5×10-5Tor
rの真空度で600℃×3分のろう付け加熱を行ない、
さらに実施例1と同様にしてSWAAT腐食試験を行な
い、腐食寿命を調べた。その結果を、卑層、貴層の電
位、電位差と併せて表8に示す。
【0105】
【表5】
【0106】
【表6】
【0107】
【表7】
【0108】
【表8】
【0109】表8において、積層板符号AAは貴層−卑
層対およびエロージョン防止層を持たない従来の通常の
両面ろう材クラッドの比較例(現行材)であるが、これ
と比べて積層板符号AD〜AKの本発明例の場合はいず
れも腐食寿命が著しく延長されていることが判る。なお
積層板符号ABはエロージョン防止層は備えているが貴
層−卑層対を持たない比較例、積層板符号ACはエロー
ジョン防止層の厚みが30μm未満の比較例であり、こ
れらの場合は本発明例の場合よりも耐食寿命が格段に劣
っていた。
【0110】実施例3 表9、表10に示される合金No.26〜No.60の
合金を、表11、表12の積層板符号BA〜BSに示す
ように組合せてクラッドしたブレージングシートを用
い、エバポレータ用コアプレートをシュミレートしたミ
ニコアプレートを作製した。その後、真空炉中にて5×
10-5Torrの真空度で600℃×3分のろう付け加
熱を行ない、さらに実施例1と同様にしてSWAAT腐
食試験を行ない、腐食寿命を調べた。その結果を、卑
層、貴層の電位、電位差とともに表13に示す。
【0111】
【表9】
【0112】
【表10】
【0113】
【表11】
【0114】
【表12】
【0115】
【表13】
【0116】表13において、積層板符号BAは、貴層
−卑層対およびエロージョン防止層を持たない両面ろう
材クラッドの現行材の比較例であるが、これと比べて積
層板符号BC〜BF,BH〜BSの本発明例の場合は、
いずれも腐食寿命が大幅に延長されていることが判る。
なお積層板符号BBはエロージョン防止層は備えている
が貴層−卑層対を持たない比較例であり、この場合は本
発明例の場合よりも腐食寿命が大幅に劣っていた。なお
また、積層板符号BGは卑層およびエロージョン防止層
としてMg含有量が0.5wt%を越える合金No.3
5を用い、また貴層および補強層としてMn含有量が
1.5wt%を越える合金No.57を用いた比較例で
あるが、この場合はクラッド接合性および圧延性が悪い
ため、クラッド圧延により接合することができず、腐食
試験に至らなかった。
【0117】実施例4 表9,表10に示した合金No.26〜60、および表
14に示す合金No.61〜75の合金を用い、表15
〜表17の積層板符号CA〜CYに示すように組合せて
クラッドしたブレージングシートを使用して、エバポレ
ータ用ミニコアプレートをシュミレートしたミニコアプ
レートを作製した。その後真空炉中において5×10-5
Torrの真空度で600℃×3分のろう付け加熱を行
ない、さらに実施例1と同様にしてSWAAT腐食試験
を行ない、腐食寿命を調べた。その結果を、卑層、貴層
の電位、電位差とともに表18、表19に示す。
【0118】
【表14】
【0119】
【表15】
【0120】
【表16】
【0121】
【表17】
【0122】
【表18】
【0123】
【表19】
【0124】表18、表19において、積層板符号CA
は、貴層−卑層対およびエロージョン防止層を持たない
両面ろう材クラッドの現行材の比較例であるが、これと
比べて積層板符号CC,CD,CH〜CK,CR〜CY
の本発明例の場合は、いずれも腐食寿命が大幅に延長さ
れていることが判る。なお積層板符号CBはエロージョ
ン防止層の厚みが30μmに満たなかった比較例、積層
板符号CEは卑層の厚みが1μm未満の比較例、積層板
符号CFは貴層の厚みが1μm未満の比較例、積層板符
号CGは貴層と卑層との電位差が20mV未満の比較例
であるが、これらの場合は本発明例と比較して腐食寿命
が格段に劣っていた。また積層板符号CLはエロージョ
ン防止層としてMn量が1.5%を越える合金No.6
6を用いかつ補強層としてもMn量が1.5%を越える
合金No.57を用いた比較例、積層板符号CMはエロ
ージョン防止層および貴層としてCr量が0.3%を越
える合金No.67を用いた比較例、積層板符号CNは
エロージョン防止層および貴層としてZr量が0.3%
を越える合金No.68を用いた比較例、積層板符号C
Oはエロージョン防止層および貴層としてTi量が0.
3%を越える合金No.69を用いた比較例、積層板符
号CPはエロージョン防止層および貴層としてW量が
0.3%を越える合金No.70を用いた比較例、積層
板符号CQはエロージョン防止層および貴層としてMg
量が0.3%を越える合金No.71を用いた比較例で
あるが、これらの場合は成形加工性に劣るため、ミニコ
アプレート成形時に割れが発生し、腐食試験には至らな
かった。
【0125】実施例5 表20に示される合金No.27,No.58,No.
76〜No.83を、表21、表22の積層板符号DA
〜DEに示すように組合せてクラッドしたブレージング
シートを用意した。なおこれらは、いずれもろう材が片
側のみにクラッドされ、かつろう材の反対側に別の犠牲
防食層がクラッドされた例である。これらにフッ化物系
フラックスを塗布して200℃で乾燥後、不活性ガス中
にて600℃×3分のろう付け加熱を行なった。その
後、ろう材側にSWAAT腐食液がかかるようにして実
施例1と同様に外部腐食試験としてSWAAT腐食試験
を行ない、腐食が板厚方向に貫通するまでの腐食寿命を
調べた。これらの結果を表23に示す。
【0126】
【表20】
【0127】
【表21】
【0128】
【表22】
【0129】
【表23】
【0130】表23において、積層板符号DAは貴層−
卑層対を持たない現行材の比較例であるが、これと比較
して本発明材(積層板符号DC〜DE)は腐食寿命が格
段に優れていることが判る。なお積層板符号DBはエロ
ージョン防止層の厚みが30μmに満たない比較例であ
るが、この場合は本発明例と比較して腐食寿命が格段に
劣っていた。
【0131】
【発明の効果】この発明の熱交換器用ブレージングシー
トは、電位差が20mV以上でかつ厚みが1〜30μm
の範囲内の貴な層および卑な層を1対とし、その貴層−
卑層対を1対以上備えているため、貴層と卑層との電位
差により卑層が犠牲陽極効果によって層状に優先的に腐
食されることになり、その結果板厚方向への孔食の進行
が抑制され、そのため板厚方向への孔食に対して優れた
耐食性を発揮することができ、しかも貴層−卑層対と表
面のろう材との間にエロージョン防止層が介在している
ため、ろう付け加熱時の溶融ろうのエロージョンによっ
て貴層−卑層対がその機能を発揮し得なくなることを防
止でき、したがって特にろう付け加熱後においても優れ
た耐食性を確実かつ安定して確保することができる。し
たがってこの発明のブレージングシートは、ろう付けを
施して使用される熱交換器用材料として従来の材料と比
較して腐食寿命を著しく延長させることが可能となり、
特に過酷な腐食環境下でも充分な耐食性を示すことがで
きる。また上述のように板厚方向の腐食寿命が長いた
め、従来よりもブレージングシートを薄肉化することが
可能であり、そのため従来よりもさらに熱交換器の軽量
化を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による熱交換器用アルミニウム合金製
ブレージングシートの第1の積層構造例を示す模式的な
断面図である。
【図2】この発明による熱交換器用アルミニウム合金製
ブレージングシートの第2の積層構造例を示す模式的な
断面図である。
【図3】この発明による熱交換器用アルミニウム合金製
ブレージングシートの第3の積層構造例を示す模式的な
断面図である。
【図4】この発明による熱交換器用アルミニウム合金製
ブレージングシートの第4の積層構造例を示す模式的な
断面図である。
【図5】この発明による熱交換器用アルミニウム合金製
ブレージングシートの第5の積層構造例を示す模式的な
断面図である。
【図6】この発明による熱交換器用アルミニウム合金製
ブレージングシートの第6の積層構造例を示す模式的な
断面図である。
【図7】この発明による熱交換器用アルミニウム合金製
ブレージングシートの第7の積層構造例を示す模式的な
断面図である。
【符号の説明】
1 貴層−卑層対 1A 貴層 1B 卑層 2 補強層 3 積層芯材 4 エロージョン防止層 5 ろう材 6 犠牲防食層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯材の片面側もしくは両面側にアルミニ
    ウム合金ろう材がクラッドされている熱交換器用アルミ
    ニウム合金製ブレージングシートにおいて、 前記芯材は、その少なくとも一方の表面部分に、相互の
    電位差が20mV以上でかつそれぞれ厚みが1〜30μ
    mの範囲内の異種のアルミニウム合金からなる板厚方向
    に隣り合う貴層および卑層を1対とする貴層−卑層対を
    1対以上備えた積層芯材によって構成され、かつその積
    層芯材における貴層−卑層対が位置する側の表面とろう
    材との間に、貴層−卑層対への溶融ろうのエロージョン
    を阻止するための30〜100μmの範囲内の厚みのエ
    ロージョン防止層が介在されていることを特徴とする熱
    交換器用アルミニウム合金製ブレージングシート。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の熱交換器用アルミニウ
    ム合金製ブレージングシートにおいて、 前記エロージョン防止層として、Si量が0.5wt%
    以下、Fe量が0.5wt%以下、Cu量が0.05w
    t%以下に規制された純アルミニウムが用いられている
    熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシート。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の熱交換器用アルミニウ
    ム合金製ブレージングシートにおいて、 前記エロージョン防止層として、Fe量が0.5wt%
    以下、Si量が0.5wt%以下、Cu量が0.05w
    t%以下にそれぞれ規制され、かつZn0.06〜0.
    5wt%、Mg0.06〜0.5wt%、In0.00
    5〜0.1wt%、Sn0.005〜0.1wt%、G
    a0.005〜0.1wt%のうちから選ばれた1種ま
    たは2種以上を含み、残部がAlおよび不可避的不純物
    よりなるアルミニウム合金が用いられている熱交換器用
    アルミニウム合金製ブレージングシート。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の熱交換器用アルミニウ
    ム合金製ブレージングシートにおいて、 前記エロージョン防止層として、Mn0.1〜1.5w
    t%を含有し、かつCu量が0.05wt%以下に規制
    され、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアミニ
    ウム合金が用いられている熱交換器用アルミニウム合金
    製ブレージングシート。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の熱交換器用アルミニウ
    ム合金製ブレージングシートにおいて、 前記エロージョン防止層として、Mn0.1〜1.5w
    t%を含有し、かつCr0.06〜0.3wt%、Zr
    0.06〜0.3wt%、Ti0.06〜0.3wt
    %、W0.03〜0.3wt%、Mo0.03〜0.3
    wt%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有
    し、しかもCu量が0.05wt%以下に規制され、残
    部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合
    金が用いられている熱交換器用アルミニウム合金製ブレ
    ージングシート。
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