JPH09309899A - フイブリノーゲン結合性ペプチド - Google Patents
フイブリノーゲン結合性ペプチドInfo
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Abstract
る手段を提供する。 【解決手段】 フィブリノーゲン結合性ドメインがPh
e−Leu−Leu−ValおよびLeu−Leu−V
al−Proよりなるペプチドを含有する組成物、なら
びにそれらの使用したアフィニティークロマトグラフィ
ーによるフィブリノーゲンの精製方法。
Description
質−リガンド相互作用を同定することに関し、具体的に
はフィブリノーゲンに結合しそしてフィブリノーゲンの
アフィニティー精製法に使用することができるペプチド
リガンドに関する。
質、フィブリンの血漿前駆物質である。フィブリノーゲ
ンはジスルフィドによって結合された3対のポリペプチ
ド(Aα、Bβ、およびγ)を含む糖タンパク質であ
る。AαおよびBβ鎖がトロンビンで分解されると、フ
ィブリノーゲンはフィブリンに転化し、血液凝固が始ま
る。フィブリノーゲンは、通常はフィブリングルーまた
はシーラントと呼ばれる止血製剤中での使用のために商
業的に使用されてきた。
漿、寒冷沈降物、または組織グルー中での使用のための
CohnフラクションIから、沈殿法によって行われて
きた。最も粗製の製剤では単に、自己血漿から通常に製
造された寒冷沈降タンパク質を、フィブリンシーラント
としての使用のために直接に使用する(Kingdon
等,1994)。大規模製造法は、示差溶解度をもたら
すエタノール(Blomback and Blomb
ack,1956)、硫酸アンモニウム(Taked
a,1966)またはβ−アラニンおよび/またはグリ
シン(Jakobsen and Kierulf,1
973)の使用に依存する。これらの濃厚物は、因子X
IIIとフィブロネクチンを含む他の多種類の血漿タン
パク質、並びにまたあまり望ましくないプラスミン、プ
ラスミノーゲン、フィブリノーゲン分解産物(断片Dお
よびE)およびフィブリンプロトマーの混合物である。
血液凝固できるフィブリノーゲンを得るためには、ε−
アミノカプロン酸の添加によるプラスミンの阻害が通常
必要である。
過またはイオン交換樹脂を使用して中間純度の濃厚物を
製造する(Furlan、1984の総説)。限外濾過
もまた一つの方法として特許請求された(Kopf a
nd Morse,1993)。血漿からフィブリノー
ゲンを高純度増強するために、アフニティー法もまた導
入された。フィブリノーゲンを精製するために、フィブ
リノーゲン分解産物およびフィブリンのプロトフィブリ
ルもまた共精製されるが(Dempfle and H
eene,1987b)、プロタミンが使用された(D
empfleand Heene,1987a)。固定
化単量体フィブリンがフィブリノーゲンと結合して精製
することが示された(Matthias等、197
5)。抗生物質、リストセチン(Ristoceti
n)が固定化され、フィブリノーゲンを結合するのに使
用された(Suzuki等、1980)。免疫アフィニ
ティークロマトグラフィーが開発され、特に分析的応用
に有用である(Merskey等、1980;McCo
nnell and Anderson,1993)。
uyas等(1990年)は、GPRPK−セファロー
ス(配列番号:4)のカラム上で血漿からフィブリノー
ゲンを精製した。ペプチドGPRPは、トロンビンによ
る分解時に露呈されたフィブリノーゲンAα−鎖のカル
ボキシ側の相似体(GPRVVERHK(配列番号:
5))である。この配列は、フィブリノーゲンのγ鎖上
のカルボキシ末端配列による初期重合のための結合性領
域である。(アミノ酸略語は該技術分野で通常使用され
る通りであり、Scholz等、1993年に記載され
ている。)
結合する能力を特徴とする一群のペプチドを発見した。
これらのペプチドはPhe−Leu−Leu−Valお
よびLeu−Leu−Val−Proよりなる群から選
ばれた利用可能なフィブリノーゲン結合性ドメインを有
する。本明細書中で使用する場合、利用可能なフィブリ
ノーゲン結合性ドメインとは、周囲溶液中でフィブリノ
ーゲンと結合するのに立体化学的に利用できるペプチド
配列並びにpH、イオン強度および溶媒組成の制御され
た条件下で中位ないし強い結合活性でフィブリノーゲン
と連結する配座を採るペプチド配列を意味する。結合活
性は、上記に挙げられた配列に隣接するアミノ酸を変え
ることによって、そして/またはアミノ酸の末端欠失に
よって、増強または低下させることができる。結合活性
はさらに、pH、イオン強度または溶媒組成の上記の条
件を変えることによって、改変することができる。
ンを有するさらに好適なペプチドの配列はPhe−Le
u−Leu−Val−Pro−Leu、Pro−Leu
−Leu−Val−Pro−Leu、およびPhe−A
la−Leu−Val−Pro−Leu(それぞれ、配
列番号:1、2、および3)であり、最も好適なペプチ
ドの配列はPhe−Leu−Leu−Val−Pro−
Leuである。これらのペプチドは、Joseph
A.Buettnerの名称の米国特許出願番号第08
/438,331号明細書(1995年5月10日出
願)に記載のスクリーニング法を使用して単離され、そ
して同定された。本発明者等もまた、フィブリノーゲン
含有溶液を、本明細書中に開示されたペプチドをその上
に結合した基質上に通過させ、次いでフィブリノーゲン
を溶出することを含んでなるこのと特徴とする、フィブ
リノーゲンを精製するアフィニティークロマトグラフィ
ー法にペプチドを使用する方法を記載する。
PL、PLLVPLおよびFALVPLをタンパク質配
列データベースと比較したが、フィブリノーゲンに関連
する血液凝固成分と相互作用することが知られているタ
ンパク質との相同性を示さない。FLLVPLに対する
完全整合物(exact matches)は、酵母
(サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomy
ces cerevisiae))の仮定的膜タンパク
質、リゾビウム・レグミノサルム(Rhizobium
leguminosarum)の小節形成性タンパク
質、およびウシのナトリウム依存性リン酸輸送体に対す
るインターロイキン−6受容体(マウスおよびヒト)で
ある。PLLVPLに対する完全整合物は、クラミディ
ア・トラコマチス(Chlamydia tracho
matis)CMP−2−ケト−3−デオキシオクツロ
ソン酸シンテターゼ(kdsB)およびCTPシンテタ
ーゼ(pyrG)遺伝子、大腸菌(Escherich
ia coli)およびサルモネラ・チフィムリウム
(Salmonella typhimurium)の
ミスマッチ修復プロティンmutLタンパク質、ヒトア
デノウイルス2後期L2muコアプロティン前駆体、ス
タフィロコッカス・アウレウム(Staphyloco
ccus aureus)pI258の仮定的14Kタ
ンパク質(merオペロン)、バチルス・サブチリス
(Bacillus subtilis)の仮定的タン
パク質、ヒトのミトコンドリア読み取り枠(ORF)タ
ンパク質、ブラキダニオ・レリオ(Brachydan
io rerio)(縞模様の魚)のPOU−c転写因
子、およびシネコシスチス属(Synechocyst
issp.)のH+輸送性ATPシンターゼ(EC3.
6.1.34)鎖aである。FALVPLに対する完全
整合物は、ヒトMLL−AF4 der(11)融合タ
ンパク質、ヒト140kdセリン/プロリンに富むタン
パク質、AF−4mRNAによってコードされたヒトタ
ンパク質、ミコバクテリウム属(Mycobacter
ium)のプロティンlmbE、およびミスカンタス・
ストリークウイルス(Miscanthus stre
ak virus)のVOタンパク質である。
American Diagnostical(Gre
enwich,CT)およEnzyme Resear
ch Labs(South Bend,IN)から購
入した。第二抗体抱合体、ヤギ抗ウサギIgG−アルカ
リホスファターゼ、および色素基質NBT/BCIPと
Fast Red TRは、Pierce Chemi
calCo.(Rockford,IL)からのもので
あった。ヒトのフィブリノーゲンは、Sigma Ch
emical Co.(St.Louis,MO)およ
びChromogenix AB(Molndal,S
weden)から購入した。Fmocアミノ酸はNov
obiochemからのものであった。他のすべての化
学品は試薬等級またはそれ以上のものであった。
LC(MicromeBioresources,Au
burn,CA)上の2.1mm×15cmカラム中で
行った。ペプチドおよび6量体組合せライブラリーは、
4,7,10−トリオキサ−1,13−トリデカンジア
ミン(Totda;Aldrich,St.Loui
s,MO)で修飾されたToyopearl AF C
helate 650M(Tosohaas,Mont
ogomeryville,PA)上で、Buettn
er等(1996)に記載の標準Fmoc化学を使用し
て合成した。ペプチドはGilson AMS422を
使用してロボット的に合成した。上記のスキームで達成
されたペプチド密度は通常0.2〜0.5mモル/g樹
脂の範囲内であった。
ペプチドをスクリーニングする場合、立体障害のために
フィブリノーゲン結合性の容量が低くなる危険を少なく
するために、いくらか低いペプチド密度がより望まし
い。かかる望ましい密度は、アフィニティークロマトグ
ラフィーの通常の技術で実施する場合、0.05〜0.
2mモル/g樹脂(10〜40mg/ml樹脂)の範囲
内である。Totdaリンカー上で合成されるペプチド
の密度を調節するために、Fmoc−L−アラニン対t
−Boc−L−アラニンの各種比率を含有する混合物を
Totda−Toyopearlに結合させた。混合物
は、等濃度のストックFmoc−L−アラニンの、t−
Boc−L−アラニン中への系列希釈(1:0、1:
5、1:10、1:25、および1:125)によって
作成した。全アミノ酸濃度は、約2.5mモル/g樹脂
(Totdaの5倍)に一定に保持した。当該技術分野
で実施される標準Fmoc条件を使用して混合物を結合
させた後、Fmoc保護基をアルカリによって解放した
が、他方アルカリ耐性t−Bocは解放されなかった。
この残留t−Boc誘導化L−アラニンは第一級アミン
を欠き、さらなるペプチド合成に利用できなかった。次
いで、ペプチドを樹脂上でFmoc誘導化アミノ酸を使
用して合成し、次いで酸条件下(残留t−Bocも解放
した)で脱保護した。樹脂のバッチ上のペプチドの密度
は、標準方法による乾燥秤量試料の全アミノ酸分析によ
って決定した。最適ペプチド密度は、1:10のFmo
c対t−Bocの混合物を用いて達成された。
ペプチドが必要である場合、Rink樹脂(Novob
iochem)を合成に使用した。ペプチドを切断し、
脱保護し、逆相HPLCによって精製した。別法とし
て、アフィニティークロマトグラフィーに必要である幾
つかのペプチドは、脱保護し、N−末端Fmoc基の除
去なしにRink樹脂から切断し、逆相HPLCによっ
て精製し、A−Totda−Toyopearlに結合
させた。ペプチドの純度は分析用逆相HPLCによって
評価し、組成はFAB質量分析法によって確認した。
動法(SDS−PAGE)は、8%ポリアクリルアミド
ゲル(Novex,San Diego,CA)中で、
Laemmli(1970)の操作法に従って、レーン
当たり4μgタンパク質を負荷して行なった。ゲルから
タンパク質の移動は、未不使用膜結合部位を遮蔽するた
めにカゼイン(Pierce Chemical C
o.)を使用するTowbin等(1979)の方法に
よって行った。結合抗体は、化学発光性基質CSPD
(Tropix,Bedford,MA)を使用し、X
ARフィルム(Eastman Kodak,Roch
ester,NY)に露出することによって検出した。
AG(Marburg,DEU)から購入した検査キ
ットを用いて、Behring比濁計、BNA型を使用
して行った。
チド(5mM)またはA−Totda−Togopea
rl上に直接に合成されたペプチド(1.4mM)のい
ずれかを使用して、精製フィブリノーゲン(50μM)
を用いて、Tyler−Cross等(1993)の技
術の改良法によって行った。測定はすべて、30℃で、
30mMリン酸緩衝液、pH7.0中で、Omega滴
定比色計(Microcal,Inc.,Northa
mpton,MA)を用いて行った。
の発見 米国特許出願番号第08/438,331号明細書(引
用することによって本明細書中に取り込まれている)中
で使用されたものと同様の分析法を使用して、フィブリ
ノーゲンと結合するペプチドを推論した。この分析法
は、ペプチドライブラリー免疫染色クロマトグラフィー
分析法またはPELICAN法と呼称される。要する
に、6量体組合せペプチドライブラリーを、Totda
によるアミノ化、次いで塩基易動性リンカーヒドロキシ
メチル安息香酸の添加、そして最終的にグリシン残基の
添加によって逐次修飾された、約0.1mモル/g樹脂
の最終置換密度のTosoHaasクロマトグラフィー
樹脂、Toyopearl650M Chelate
(G−HMBA−Totda−Toyopearl)上
で直接にに合成した。ライブラリーは、20種の天然ア
ミノ酸の中の18種(システインおよびメチオニンを除
く)を用いて、F−moc化学を使用して合成した。ア
ミノ末端をメチルスルホニルエチルカルボニル基で部分
的に保護した。
平衡緩衝液(20mM HEPES、pH6.8と0.
1M NaClおよび0.1%v/vTween−2
0)、次いで洗浄緩衝液(1M NaClを含有する平
衡緩衝液)からなった。次いで、樹脂を、検出系の各個
成分と順次接触させた。これらの成分は、即ち、抗ヒト
フィブリノーゲン(アフニティー精製されたIgGフラ
クション)、アルカリホスファターゼと複合化した第二
抗体、およびBCIP/NBTブルー色素であった。す
べてのタンパク質は平衡緩衝液中にあり、次いで洗浄緩
衝液中にあった。
er等(1996)に記載のように、平衡緩衝液中の
0.625μgのフィブリノーゲン(2nM)と接触さ
せ、次いで染料としてファースト・レッド(Fast
Red)を使用する検出系と接触させた。
ズは、カラム全体に0.1%以下で均一に見出され;赤
ビーズはカラム全体に0.01%以下で均一に見出され
た。各個ビーズを単離し、ペプチドを、メタノール中の
20%トリエチルアミンを用いて2時間の音波処理によ
りビーズから切断した。切断されたペプチドを乾燥し、
Edman分解法によって配列決定した。アミノ酸配列
データを以下に示す(表1)。不明確なコールがあった
サイクルについては、最高の応答をもつアミノ酸を第一
行にリストし、それより低い収量をもつものをその後の
行にリストした。
ラニン残基で修飾された、0.2mモル/g樹脂の最終
置換密度のToyopear l650M Chela
te樹脂(A−Totda−Toyopearl)上に
直接に合成された各個ペプチド配列を使用して、微孔質
HPLC上のカラムクロマトグラフィー方式で行った。
樹脂への接触物(図1および図2、それぞれPLLVL
およびFLLVPLの場合)として、A)平衡緩衝液
(上記と同じ)、洗浄緩衝液(上記と同じ)、溶出緩衝
液(2.5%酢酸)のみ;B)平衡緩衝液中のヒト血清
アルブミン(hSA;0.5mg)、次いで洗浄および
溶出緩衝液;C−E)平衡緩衝液中の精製フィブリノー
ゲンの段階的に増大する用量(250、500および1
000μg)、次いで洗浄および溶出緩衝液)が挙げら
れる。終点は、フィブリノーゲン接触物中の酸溶出液の
用量依存性増加であり、定量は280nmでの吸光度の
積分によった(図2)。
yopearl、PLLVPL−A−Totda−To
yopearlに対するフィブリノーゲンの結合には用
量依存性増加があり、FALVPL−A−Totda−
Toyopearlに対する場合は程度が低かった。こ
れらの樹脂を、平衡緩衝液中のフィブリノーゲン(10
0μg)およびhSA(0.5mg)との混合物と、
0.1%(v/v)Tween−20、低い非特異性結
合に使用されまたウイルス不活性化剤として使用される
非イオン性界面活性剤の存在または不在下で接触させ
た。樹脂を洗浄緩衝液(Tween−20なし)および
2%酢酸で洗浄した。酸溶出液のSDS−PAGEによ
る分析の結果(図3A、レーン4−5およびレーン7−
8)は、PLLVPLおよびFLLVPL樹脂に結合し
たタンパク質の大部分は、精製フィブリノーゲン標準
(レーン10)と共に移動する、フィブリノーゲンと同
じ分子量(340,000)を持つものであることをで
示した。このタンパク質は出発混合物(図3A、レーン
3)から大きく濃縮(enrich)されていた。ヒト
フィブリノーゲンに対する抗体を用いるウエスタンブロ
ットの結果、このタンパク質の本性がフィブリノーゲン
と確認された(図3B)。緩衝液系中のTween−2
0の存在は、酸溶出液中に回収されたタンパク質の量に
よって示されるように、フィブリノーゲンのいずれのペ
プチドへの結合にも影響しなかった。それ故、Twee
nは、カラムを洗浄することによって、フィブリノーゲ
ン溶液から除去した。
ペプチドおよび精製フィブリノーゲンについて、等温滴
定熱量計を使用して行った(表3)。配列PLLVPL
は、使用された条件下で、フィブリノーゲンに対し、F
llVPLよりも弱い溶液結合性を示した。アミノ末端
でPからFに変化すると、解離定数は150倍以上低下
した。PLLVPLはフィブリノーゲン分子当たり約3
〜4部位に結合した。これらの相互作用は大きい正のエ
ントロピーを有し、それは、配座変化がペプチドまたは
フィブリノーゲン中に起こったことを示すことができ
る。配列FLLVPLはフィブリノーゲン上の約1部位
で結合し、この結合はまた非常に大きい正のエントロピ
ーを有した。両ペプチドの結合反応は、正のエンタルピ
ー(ΔH)によって示されるように、吸熱性であり、試
験された条件下で熱力学的に有利であった(負のΔ
G)。異常に高いエントロピーは、配座変化がペプチド
のフィブリノーゲンとの会合を推進することができるこ
とを示す。
合成されたFLLVPLの見掛の解離定数は、可溶性ペ
プチドより100倍以上減少した。エンタルピーおよび
エントロピーの大きさが増加したことは、可溶性ペプチ
ドと比較して、フィブリノーゲンへの結合が同様の機構
であることを示唆している。結合の遊離エネルギーは有
利であった。
からのフィブリノーゲンの精製 ヒト血漿を、0.1%(v/v)Tween−20を含
有する平衡緩衝液中で1:2に希釈した。洗浄および溶
出条件は上記の通りであった。約1.0mlを、ペプチ
ド樹脂PLLVPL−A−Totda−Toyopea
rlおよびFLLVPL−A−Totda−Toyop
earl上に注入した(それぞれ、図4および図5)。
酸処理を使用して、タンパク質をペプチド樹脂から解放
した。新しく凍結および融解し、寒冷沈降物を遠心分離
によって除去した全血漿を、SDS−PAGEによって
分析した(図3A、レーン2)。血漿は、ゲルの頂部近
辺にフィブリノーゲンのバンドを含有し、その本性はウ
エスタンブロット法によって確認された(図3B、レー
ン2)。酸溶出液は高度に精製されたフィブリノーゲン
を含有した(図3Aおよび図3B、レーン6およびレー
ン9)。
クションを、1M TrisHCl、pH8.0でpH
を中性の調節した後、フィブリノーゲンおよび他の数種
の血漿タンパク質について、免疫比濁分析法によって分
析した(表4)。
出液中には、フィブリノーゲンおよび少量のIgM以外
の血清タンパク質は全く検出されなかった。免疫反応性
フィブリノーゲンの回収率が低いのは(58.8%)、
低pHへの露呈による抗原性の減少を反映している。他
のすべての試験血漿タンパク質は検出限界以下であっ
た。
チドPLLVPLおよびFLLVPLを、約0.2mモ
ル/g樹脂の密度のAla−Totda−Toyope
arl上に直接に合成した。これらの樹脂のフィブリノ
ーゲンと結合する能力は上記の通りに決定した。フィブ
リノーゲンをPLLVPL−A−Totda−Toyo
pearlに結合させるためには、遮蔽されていない
(遊離)アミノ末端が必要であった。FLLVPL−A
−Totda−Toyopearlを使用する別の実験
において同様の結果が得られた(表5)。
PLLVPLおよびFLLVPLのカルボキシル−およ
びアミノ−末端からの切断物を、A−Totda−To
yopearl樹脂上に直接に合成した。表6は、クロ
マトグラフィー方式で段階的に増大する用量のフィブリ
ノーゲンと接触させた樹脂からの溶出液の定量結果を示
す。
1M NaClによって解放された量の増加がより少な
いが比例的であったが、低pHで解放された量に反映さ
れているように、3種類の注入量のすべて(250、5
00および1000μg)の場合にフィブリノーゲンに
最も緊密に結合した。C−末端からの切断によって、1
M NaClによって解放された量がより多いことによ
って示されるように、フィブリノーゲンへの結合の緊密
性が低いペプチドが得られた。N−末端切断ペプチドの
場合に同様の結果が観察された。これらの結果は、試験
された条件下でのフィブリノーゲンへの最適の結合のた
めには、6種のアミノ酸の完全ペプチド配列が必要であ
ることを示している。追加的には、ペプチドの長さの改
変によって、低pHによるよりもさらに温和な溶出条件
が可能になることができる。4個のアミノ酸の長さであ
るペプチド(4量体)は良好に結合し、5個のアミノ酸
の長さであるペプチド(5量体)はさらに好適であり、
6個のアミノ酸の長さであるペプチド(6量体)は最も
好適である。7個(7量体)またはそれ以上のアミノ酸
の長さであり、本明細書中に開示された配列を含有する
ペプチドもまた、結合性ドメインが上記のようにフィブ
リノーゲンによって結合されるのに利用しやすいまたは
有効である場合、フィブリノーゲンと結合するのに適し
ていることが予想される。
のA−Totda−Toyopearl上に直接に合成
した。寸法1.0×6.4cm(約5mlカラム容量)
のカラムを、10mM HEPESまたは10mM酢酸
ナトリウム、pH6.8のいずれか、1.0mM EG
TA、および0.1、0.2または1.0M NaCl
のいずれかで平衡させた。フィブリノーゲン(25m
g;5.0ml)を、10mM酢酸ナトリウム、pH
6.8、および0.1M NaClを含有する1mM
EGTA中のカラムに適用した。これらの条件下では、
適用された吸光度(280nm)の約5〜8%はカラム
に結合しなかった。従って、結合はイオン強度の増加に
よっては影響されず、このことは、ペプチド−タンパク
質相互作用での疎水性結合の顕著な役割を示唆してい
る。
l)を、10mM酢酸ナトリウム、pH6.8、および
0.1M NaClを含有する1mM EGTA中のカ
ラムに適用した。結合緩衝液中の非イオン性界面活性剤
(5%Tween−20)で溶出した結果、適用された
タンパク質の40%が解放され、このことは、結合にお
ける疎水性相互作用の役割を示唆している。反対に、イ
オン性(2%コール酸ナトリウム)界面活性剤で溶出す
ると、14%だけが解放された。
ム、pH6.8、および0.1MNaClを含有する1
mM EGTA中のカラムに適用された)の溶出は、親
水性化合物、ポリエチレングリコール(10%)を使用
することによっては全く観察されなかった。10mMホ
ウ酸ナトリウムでpHを10に上昇させることによっ
て、適用されたフィブリノーゲンの約8%のみが溶出さ
れたに過ぎない。直線勾配でpHをさらに上昇させると
(pH6.8から12.0に)、フィブリノーゲンの約
25%が解放された。他方、6.8から4.0へのpH
勾配を使用した結果は、pH4.2でフィブリノーゲン
の約66%が解放された。
機構に対する疎水性相互作用の貢献をさらに評価するた
めに、フィブリノーゲン(25mg;5.0ml)を、
疎水性結合に有利である高塩条件下でペプチドに適用
し、そして低イオン強度下で解放させた。ペプチド樹脂
を、10mM酢酸ナトリウム、1.0M NaCl、お
よび1.0mM EGTA、pH6.8で平衡させた。
同一緩衝液中のフィブリノーゲン溶液(5mg/ml)
の5mlをカラムに適用し、2カラム容量の同一緩衝液
で洗浄した。次いで、樹脂を、10カラム容量の10m
M酢酸ナトリウム、pH4.0と接触させ、次いで2%
酢酸(4カラム容量)と接触させた。溶出プロフィール
を図6に示す。適用されたタンパク質の約7.2%(2
80nmでの吸光度による)はカラムと相互作用せず、
流出および洗浄フラクション中に回収された。低イオン
強度および低pH(4.0)では、タンパク質の約7
8。3%が解放された。しかし、10mM酢酸ナトリウ
ム、pH4.0溶液が0.1MNaClを含有する第二
実験においては、適用されたタンパク質の5%のみが溶
出された。酸処理では、両実験で回収されたタンパク質
の残部が解放された。pH4.0溶出液を、0.4Mリ
ン酸ナトリウム、pH11のストック溶液でpHを中性
化した後、α−トロンビンで処理すると、可視しうる血
餅が形成した。中性化された酸溶出液中の全回収タンパ
ク質の約88.9%はα−トロンビンで凝固可能であっ
た。
LVPLとの相互作用が、タンパク質のN−末端の第一
級アミンとのイオン性相互作用の外に、疎水性引力によ
って推進されることを示している。さらに、これらの結
果は、アフィニティークロマトグラフィーで有用であ
る、フィブリノーゲンのための結合および溶出戦略を示
している。
ための新規のペプチドの使用を示した。これらの新規の
ペプチドは利用可能なフィブリノーゲン結合性ドメイン
を有し、ペプチドライブラリーをスクリーニングするこ
とによって得られ、そして精製された形態で容易に製造
することができる。さらに、保存的置換、末端残基の欠
失、および/または末端部分の添加によるペプチドの修
飾が、結合の選択性を変えるための有用な技術であるこ
とが予想される。
下に記載する。
eu−ValおよびLeu−Leu−Val−Proよ
りなる群から選ばれることを特徴とする、利用可能なフ
ィブリノーゲン結合性ドメインを有するペプチドを含ん
でなる組成物。
る上記1に記載の組成物。
Val−ProおよびLeu−Leu−Val−Pro
−Leuよりなる群から選ばれる上記2に記載の組成
物。
の組成物。
Val−Pro−LeuおよびPro−Leu−Leu
−Val−Pro−Leuよりなる群から選ばれる上記
4に記載の組成物。
および7量体よりなる群から選ばれる上記1に記載の組
成物。
eu−Val−LeuおよびPro−Leu−Leu−
Val−Pro−Leu、およびPhe−Ala−Le
u−Val−Pro−Leuよりなる群から選ばれる、
利用可能なフィブリノーゲン結合性ドメインを有するペ
プチドを含んでなる組成物。
含んでなり、ペプチドがPhe−Leu−Leu−Va
lおよびLeu−Leu−Val−Proよりなる群か
ら選ばれた利用可能なフィブリノーゲン結合性ドメイン
を有することを特徴とする、フィブリノーゲンを基質に
結合させるのに十分な条件下でフィブリノーゲン含有溶
液を基質と接触させることを含んでなるフィブリノーゲ
ンの精製方法。
含んでなり、ペプチドがPhe−Leu−Leu−Va
l−Pro−Leu、Pro−Leu−Leu−Val
−Pro−Leu、およびPhe−Ala−Leu−V
al−Pro−Leuよりなる群から選ばれた利用可能
なフィブリノーゲン結合性ドメインを有することを特徴
とする、フィブリノーゲンを基質に結合させるのに十分
な条件下でフィブリノーゲン含有溶液を基質と接触させ
ることを含んでなるフィブリノーゲンの精製方法。
Pro−Leu、Pro−Leu−Leu−Val−P
ro−Leu、およびPhe−Ala−Leu−Val
−Pro−Leuよりなる群から選ばれるペプチド。
Pro、Phe−Leu−Leu−Val、およびLe
u−Leu−Val−Pro−Leuよりなる群から選
ばれるペプチド。
yopearl(配列番号:2)上でのクロマトグラフ
ィー的分離の溶出プロフィール(280nmでの吸光
度)を示す。A)緩衝液、タンパク質なし;B)0.5
mg hSA;C)250μgフィブリノーゲン;D)
500μgフィブリノーゲン;E)1000μgフィブ
リノーゲン。フィブリノーゲンは約17μl/分で10
分間に適用し、次いでカラムを平衡緩衝液で865μl
/分で4分間洗浄し、次いで1.0M NaClを含有
する平衡緩衝液で5分間、3.0M NaClでさらに
5分間、0.1Mでさらに5分間洗浄した。タンパク質
は、2%酢酸を使用することによって、30〜35の間
に溶出した。
yopearl(配列番号:1)上でのクロマトグラフ
ィー的分離の溶出プロフィール(280nmでの吸光
度)を示す。線の表示は図1と同一である。溶出条件は
図1と同一である。
物、およびクロマトグラフィー的分離からの酸溶出液の
クーマシー染色SDS−PAGE(ドデシル硫酸ナトリ
ウム−ポリアクリルアミド電気泳動)の結果を表す図面
に代わる写真である。レーン1、分子量標準;レーン
2、ヒト血漿;レーン3、フィブリノーゲン/hSA混
合物;レーン4、PLLVPL−樹脂(配列番号2)に
適用されたフィブリノーゲン/hSA混合物(Twee
nなし)からの酸溶出液;レーン5、酸溶出液、レーン
4と同一(Tweenあり);レーン6、ヒト血漿の酸
溶出液;レーン7−9、FLLVPL−樹脂(配列番
号:1)を使用するレーン4−6と同一;レーン10、
フィブリノーゲン標準。BはAに示したものの重複ゲル
のウエスタンブロット分析(すなわち、同上の電気泳
動)の結果を表す図面に代わる写真である。
arl(配列番号:2)に適用された全血漿の溶出プロ
フィール(280nmでの吸光度)を示す。溶出条件は
図1と同一である。
arl(配列番号:1)に適用された全血漿の溶出プロ
フィール(280nmでの吸光度)を示す。溶出条件は
図1と同一である。
arl(配列番号:1)に適用されたフィブリノーゲン
の、中性pH(6.8)での高い塩濃度(1M NaC
l)の条件下の溶出プロフィール、および低pH(4.
0)での低いイオン強度(10mM酢酸ナトリウム)に
よる溶出を示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 結合性ドメインがPhe−Leu−Le
u−ValおよびLeu−Leu−Val−Proより
なる群から選ばれることを特徴とする、利用可能なフィ
ブリノーゲン結合性ドメインを有するペプチドを含んで
なる組成物。 - 【請求項2】 基質が支持物質に結合したペプチドを含
んでなり、ペプチドがPhe−Leu−Leu−Val
およびLeu−Leu−Val−Proよりなる群から
選ばれた利用可能なフィブリノーゲン結合性ドメインを
有することを特徴とする、フィブリノーゲンを基質に結
合させるのに十分な条件下でフィブリノーゲン含有溶液
を基質と接触させることを含んでなるフィブリノーゲン
の精製方法。 - 【請求項3】 Phe−Leu−Leu−Val−Pr
o−Leu、Pro−Leu−Leu−Val−Pro
−Leu、およびPhe−Ala−Leu−Val−P
ro−Leuよりなる群から選ばれるペプチド。
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