JPH09308535A - 電気機器組み込みキャビネット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【解決手段】 シンク１ａを備える流し台Ａの隣又は上
面に配置され、扉を有する電気機器Ｃを、前記シンク１
ａ側にその扉を向けて横向きに組み込んでなるキャビネ
ット４において、キャビネット４のシンク側側面に、前
記電気機器Ｃの扉に対向する開口部を設けると共に、開
口部に連続する副開口部を形成してなる幕板７をキャビ
ネット４に着脱自在に設けた。 【効果】 食器洗浄機など厨房用電気機器Ｃのキャビネ
ット４への搬入、キャビネット４からの搬出を容易に行
なうことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、食器洗浄機や食器
乾燥機などの厨房用電気機器が組み込まれるれるキャビ
ネットに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の食器洗浄機は大型であるため、シ
ステムキッチンに組み込む場合、図７のようにカウンタ
ーの下に組み込まれることが多かった。その場合、食器
洗浄機１００は隣接する他のキャビネット１０１の間に
前方からスライドされて組み込み施工される。しかし、
カウンター１０２の下に組み込むと作業時に腰を屈める
ことが多く、作業がしにくく、また食器カゴの移動の際
に床に水を垂らしてしまうという問題があった。そこ
で、食器洗浄機を流し台に隣接する背高のキャビネット
に組み込み、流し台のシンクからカウンターの上を通し
て食器カゴを搬入させる厨房装置が実開平５−９３４２
号に示されている。それによれば、食器洗浄機の扉を流
し台側に開放して食器カゴの出し入れを流し台のカウン
ター上で行なうことができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の厨房設
備では、厨房設備の正面の開口から食器洗浄機を搬入す
るので、キャビネットはその正面側と流し台側とにそれ
ぞれ大きな開口を有することになり、キャビネットの剛
性が保ちにくいという問題があった。また、食器洗浄機
に限らず流し台で用いられる各種の電気機器であっても
このような問題点を含んでいる。そこで、上記の点に鑑
み、本発明は食器洗浄機などの厨房用電気機器の搬入や
搬出を容易に行ないうるキャビネットを提供することを
目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明では、シ
ンクを備える流し台の隣又は流し台の上面に配置され、
扉を有する電気機器を、シンク側にその扉を向けて横向
きに組み込んでなるキャビネットにおいて、キャビネッ
トのシンク側側面に、電気機器の扉に対向する開口部を
設けると共に、開口部に連続する副開口部を形成してな
る幕板をキャビネットに着脱自在に設けたことを特徴と
する。

【０００５】請求項２の発明では、電気機器が、その奥
行き寸法を横幅寸法に比べて小さくしたスリム型の食器
洗浄機であることを特徴とする。

【０００６】請求項３の発明では、幕板を開口部の上部
に設け、副開口部を開口部の上部に連続して形成してな
り、開口部の高さを電気機器の高さよりも小さくすると
共に、開口部の高さと副開口部の高さの和を電気機器の
高さよりも大きくしたことを特徴とする。

【０００７】請求項４の発明では、開口部の周囲を金属
製のフレームで囲い、フレームと電気機器との隙間をシ
ーリング材で塞いだことを特徴とする。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の実施例を図に基づいて説
明する。図１に示すように、シンク１ａが設けられたカ
ウンター１とフロアキャビネット列２からなるシステム
キッチンタイプの流し台Ａのシンク側端部に、背高なサ
イドキャビネットＢが設置される。サイドキャビネット
Ｂは、前面に開き扉を有するフロアキャビネット３と、
フロアキャビネット３の上部に据え付けられ、流し台側
側面に開口部を設けたミドルキャビネット４とを有し、
ミドルキャビネット４の内部に食器洗浄機Ｃが組み込ま
れている。なお、この例においては、ミドルキャビネッ
ト４の上部にウォールキャビネットを配置している。

【０００９】以下、サイドキャビネットＢが流し台Ａの
左側に設置された例について、その詳細を説明する。図
２及び図３に示すように、フロアキャビネット３は、左
右の側板３１，３２と背板３３と底板３４とで本体が構
成され、前面に扉３５を有し内部を収納庫３ａとしてい
る。収納庫３ａの上部には、食器洗浄機Ｃから延びる給
水接続管５、排水ホース６の先端がそれぞれ連結される
給水管（給湯管）Ｄと排水管Ｅを収める配管収納室３ｂ
を形成している。

【００１０】ミドルキャビネット４は、前面板４１と左
右の側板４２，４３と背板４４と天板４５と底板４６と
で構成され、内部を食器洗浄機Ｃの収納室４ａとしてい
る。流し台側の側板４２は、左右と下を帯状の板で囲む
形状とされ、その中央から上端にかけて大きな開口４７
を形成している。開口４７は、食器洗浄機Ｃの横幅とほ
ぼ同寸の横幅を持つと共に食器洗浄機Ｃの扉Ｃ１と操作
パネルＣ２が外にのぞく程度の高さの開口部４７ａと、
その上部に連続して形成される副開口部４７ｂとで構成
されている。副開口部４７ｂは、通常は、ネジ７ａでミ
ドルキャビネット４に対して脱着自在に取付けられる幕
板７で覆われている。

【００１１】収納室４ａには、奥行寸法が横幅寸法より
も小さなスリム型の食器洗浄機Ｃが扉Ｃ１を開口部４７
ａ側に向けて組み込まれている。食器洗浄機Ｃは、内部
に洗浄ノズルを備えた洗浄槽の前面に、排気口を設けた
２枚の扉Ｃ１を有し、扉Ｃ１の下部には操作パネルＣ２
を備えている。また、ミドルキャビネット４に食器洗浄
機Ｃを組み込んだ時には、その扉Ｃ１の前面とミドルキ
ャビネット４の側板４２の前面とが面一になるようにな
っている。

【００１２】ミドルキャビネット４の開口４７は、その
周囲がアルミニウム製のフレーム９で囲われている。フ
レーム９は、図６に示すように、ミドルキャビネット４
の側板４２の前後面を挟んで取付けられる２本の取付部
９１，９２と、取付部９１，９２の基端を結んで後方に
伸びる本体部９３とを有する断面Ｆ字形状のアルミニウ
ムの押出し材であり、側板４２の後面に接する取付部９
２がネジ止めにより固定される。また、本体部９３の内
周奥寄りに食器洗浄機Ｃの外装Ｃ３の側面に接触するよ
うにシーリング材９４を接着している。

【００１３】このフレーム９により、食器洗浄機Ｃで発
生する蒸気や流し台Ａのシンク１ａからの水跳ねでキャ
ビネット４の化粧していない木製部分が腐敗するのを防
いでいる。さらに、シーリング材９４が食器洗浄機Ｃの
外装Ｃ３と開口４７との間の隙間を塞ぐので、キャビネ
ット４の内部が湿気で劣化することがなく、また隙間が
なく見栄えもいいものとなる。なお、開口４７の上部側
の取付枠９は幕板７に固着され、幕板７の着脱と共に着
脱可能となっている。

【００１４】また、フロアキャビネット３の配管収納室
３ｂとミドルキャビネット４の収納室４ａとは、互いに
連通するようにその天井と底面に開放部を有している。
その開放部を通して食器洗浄機Ｃの給水排水の配管がな
される。

【００１５】次に、食器洗浄機Ｃのサイドキャビネット
Ｂへの組み込み工程を説明する。まず、幕板７を固定し
ているネジを緩めてミドルキャビネット４から取り外
し、開口部４７ａと副開口部４７ｂとで大きな開口４７
を形成する。次に、その開口４７から食器洗浄機Ｃをキ
ャビネット４の収納室４ａ内に搬入する。食器洗浄機Ｃ
の上端とキャビネット４との間には相応の隙間が空いて
いるので、そこから作業者の手を入れて食器洗浄機Ｃの
設置位置を調節した後、食器洗浄機Ｃの上部後端とキャ
ビネット４の流し台と反対側の側板４３との間にアング
ル８を据え付け、それぞれにねじ止めして食器洗浄機Ｃ
をキャビネット４に固定する。そして、幕板７をキャビ
ネット４にネジ固定して副開口部４７ｂを隠蔽し、開口
部４７ａからは食器洗浄機Ｃの２枚の扉Ｃ１と操作パネ
ルＣ２のみが露出する状態とする。次に、フロアキャビ
ネット３内の配管収納室３ｂにおいて、食器洗浄機Ｃか
ら下に伸びる給水接続管５と給水管Ｄを接続し、排水ホ
ース６と排水管Ｅを接続する。以上で、食器洗浄機Ｃの
キャビネット組み込み作業は完了する。

【００１６】なお、修理のために、食器洗浄機Ｃをキャ
ビネット４から取り外すときは、この逆の作業を行なえ
ばいい。

【００１７】以上説明したように、本実施例のミドルキ
ャビネット４においては、６方を板で囲んだミドルキャ
ビネット４の側板４２に開口４７を形成し、その開口４
７を通して食器洗浄機Ｃの搬入及び搬出を行なうので、
剛性が高く、製造しやすいキャビネットが得られる。

【００１８】また、搬入／搬出時以外は必要のない副開
口部４７ｂは通常幕板で覆われるので、食器洗浄機Ｃは
必要最小限の部分のみミドルキャビネット４から露出す
るので流し台Ａとの一体感があり見栄えがいいものであ
る。

【００１９】また、食器洗浄機Ｃを奥行き寸法が横幅寸
法よりも小さなスリム型としたので、組み込まれるキャ
ビネット自体の横幅寸法を小さく押さえることができ、
流し台側面と壁面との隙間若しくは、流し台上の空きス
ペースが多少小さくてもキャビネットを設置することが
できる。

【００２０】なお、ミドルキャビネット４の副開口部４
７ｂは開口部４７ａの上下左右のいずれに設置してもい
いが、特に本実施例のように上側に設置した場合には食
器洗浄機Ｃの上部に大きな空きスペースを作ることがで
き、食器洗浄機Ｃを持ちあげるようにして搬入できるの
で楽に施工できる。また、その空きスペースを利用して
食器洗浄機ＣをサイドキャビネットＢの内部側に固定す
ることができ、固定のアングル８が外に露出しないので
見栄えがよくなる。

【００２１】さらに、ミドルキャビネット４の開口部１
２ａの回りを金属製のフレーム９で囲い、フレーム９と
食器洗浄機Ｃとの隙間をシーリング材９４で塞いだの
で、食器洗浄機Ｃから噴出する蒸気やシンクから跳ねる
水がキャビネット内部に侵入することがなく、キャビネ
ット内部やキャビネット外側の化粧していない木質部分
が湿気により腐食するのを防止できる。

【００２２】また、幕板を開口部の下側に設置した場合
には、幕板が食器洗浄機Ｃの下部についている脚Ｃ４を
隠すための隠し板の機能も兼用できる。

【００２３】なお、上記の実施例に代えて、食器洗浄機
が組み込まれるミドルキャビネットを流し台のフロアキ
ャビネット上に載置してもいい。さらに、ミドルキャビ
ネットとフロアキャビネットが一体に形成されていても
いい。

【００２４】また、本実施例においては、キャビネット
に食器洗浄機を組み込む例を説明したが、他の厨房用の
電気機器、例えば食器乾燥機やオーブンレンジなどを組
み込む場合にも本発明は適用可能である。

【００２５】

【発明の効果】本出願の請求項１の発明により、食器洗
浄機など厨房用電気機器のキャビネットへの搬入、キャ
ビネットからの搬出を容易に行なうことができる。

【００２６】また、請求項２の発明により、キャビネッ
トの横幅寸法を小さくすることができ、流し台の上や横
の空きスペースが小さな場合でもキャビネットを設置で
きる。

【００２７】また、請求項３の発明により、電気機器を
持ちあげるようにして搬入できるのでより一層楽に施工
できる。さらに、副開口部を利用してキャビネットの内
部側で電気機器とキャビネットの固定を行なうことがで
きるので、固定用金具等がキャビネット外に露出せず見
栄えがいい。

【００２８】また、請求項４の発明により、キャビネッ
トの化粧していない木質部分が湿気により腐食するのを
防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のキャビネットの使用状態の一例を示
す斜視図である。

【図２】 本発明のキャビネットを一部切り欠いた状態
の右側面図である。

【図３】 （ａ）は図２のフロアキャビネットの扉を外
した状態を示す斜視図、（ｂ）は図２のミドルキャビネ
ットを示す斜視図である。

【図４】 食器洗浄機をキャビネットに組み込む様子を
示す斜視図である。

【図５】 キャビネットの副開口部から食器洗浄機の固
定部分を覗いた状態を示す図である。

【図６】 キャビネットの開口を囲むフレームを示す断
面図である。

【図７】 食器洗浄機を流し台に組み込んだ従来例を示
す図である。

【符号の説明】

Ａ ・・・流し台 Ｃ ・・・食器洗浄機（電気機器） Ｃ１ ・・・扉 ４ ・・・キャビネット ４７ａ ・・・開口部 ４７ｂ ・・・副開口部 ７ ・・・幕板 ９ ・・・フレーム ９４ ・・・シーリング材

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シンクを備える流し台の隣又は流し台の
   上面に配置され、扉を有する電気機器を、前記シンク側
   にその扉を向けて横向きに組み込んでなるキャビネット
   において、キャビネットのシンク側側面に、前記電気機
   器の扉に対向する開口部を設けると共に、該開口部に連
   続する副開口部を形成してなる幕板をキャビネットに着
   脱自在に設けたことを特徴とする電気機器組み込みキャ
   ビネット。
2. 【請求項２】 上記電気機器が、その奥行き寸法を横幅
   寸法に比べて小さくしたスリム型の食器洗浄機であるこ
   とを特徴とする請求項１記載の電気機器組み込みキャビ
   ネット。
3. 【請求項３】 上記幕板を開口部の上部に設け、副開口
   部を開口部の上部に連続して形成してなり、開口部の高
   さを電気機器の高さよりも小さくすると共に、開口部の
   高さと副開口部の高さの和を電気機器の高さよりも大き
   くしたことを特徴とする請求項１又は２記載の電気機器
   組み込みキャビネット。
4. 【請求項４】 上記開口部の周囲を金属製のフレームで
   囲い、該フレームと電気機器との隙間を塞ぐシーリング
   材をフレームに固着したことを特徴とする請求項１乃至
   ３に記載の電気機器組み込みキャビネット。