JPH09306823A - 投影露光装置 - Google Patents

投影露光装置

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JPH09306823A
JPH09306823A JP8125055A JP12505596A JPH09306823A JP H09306823 A JPH09306823 A JP H09306823A JP 8125055 A JP8125055 A JP 8125055A JP 12505596 A JP12505596 A JP 12505596A JP H09306823 A JPH09306823 A JP H09306823A
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JP
Japan
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measurement
exposure
photosensitive substrate
measurement points
stage
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Application number
JP8125055A
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English (en)
Inventor
Masaji Tanaka
正司 田中
Munetake Sugimoto
宗毅 杉本
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォーカス・エラーの発生頻度を低減し、不
良率の低減を図る。 【解決手段】 多点AF系の複数の計測点から得られる
各計測値をグループ分けして重み付けすることでプロセ
ス毎に最適のフォーカス検出方法を設定できるように
し、また、計測に失敗した計測点があった場合のエラー
処理を複数のアルゴリズムの中から選択できるようにし
てエラー処理もプロセス毎に最適化できるようにする。
計測に失敗した計測点があった場合、ステップ16から
選択したエラー処理アルゴリズムに従う処理(S17又
はS18)に進み、処理を継続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子や液晶
表示素子を製造するのに使用される投影露光装置に関
し、特にウエハ等の感光基板の面位置を検出する手段を
備える投影露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子、液晶表示素子、CCD素子
等のデバイス素子をフォトリソグラフィ工程で製造する
に際し、フォトマスクまたはレチクル(以下、マスクと
いう)に形成されたパターンをフォトレジスト等の感光
剤が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の感光基板
上に転写する投影露光装置が用いられる。
【0003】この投影露光装置としては、感光基板上の
各ショット領域を投影光学系の露光フィールド内に順次
移動させて、各ショット領域にマスクのパターンを順次
露光するステップ・アンド・リピート方式の露光装置、
及びマスクと感光基板とを投影光学系に対して同期して
走査することにより、投影光学系の有効露光フィールド
より広い範囲の露光領域への露光が可能な走査露光方式
の露光装置が知られている。走査露光方式の露光装置に
は、矩形状又は円弧状の照明領域に対してマスク及び感
光基板を相対的に同期して走査しながら1枚のマスクの
パターンの全体を1枚の感光基板の全面に逐次投影露光
するスリット・スキャン方式の露光装置と、感光基板上
の各ショット領域への露光を縮小投影で且つ走査露光方
式で行うと共に、各ショット領域間の移動をステッピン
グ方式で行うステップ・アンド・スキャン方式の露光装
置とがある。
【0004】近年、LSI(Large Scale Integratio
n)の高集積化に伴い、ウエハ上の露光領域(ショット
領域)により微細なパターンを転写することが望まれて
おり、これに対応するために投影光学系の開口数NA
(Numerical Apature)は大きくなっている。開口数N
Aが大きくなると、投影光学系の焦点深度が浅くなるの
で、露光領域をより正確かつ確実に投影光学系の焦点位
置(焦点深度内)に位置づけることが望まれている。
【0005】また、投影露光装置による露光領域の大型
化が進んでいる。これにより、1回の露光でLSIチッ
プ自体の露光面積の大型化を図った焼付けを行ったり、
1回の露光で複数のLSIチップの焼付けを行ってい
る。このため、大型化する露光領域全体をより正確かつ
確実に投影光学系の焦点位置(焦点深度内)に位置づけ
ることが望まれている。このためには、感光基板の表面
上にあるべき投影光学系の結像面、すなわち、マスク像
に対する感光基板の光軸方向の位置と傾斜(以下、面位
置という)とを高精度に検出し、その感光基板の表面の
位置と傾斜とを調整することが重要である。
【0006】なお、本明細書では、感光基板の露光領域
を露光装置の投影光学系の焦点位置に位置づける操作の
うち、感光基板が載置されたステージを光軸方向に並進
移動させる操作をフォーカシングといい、感光基板が載
置されたステージの光軸に対する傾きを変化させる操作
をレベリングという。
【0007】感光基板の面位置を検出する方法として、
特開平2−102518号公報には、感光基板上のショ
ット領域内の複数の計測点(例えば5点)のそれぞれに
投影光学系を介することなくピンホール像を斜め方向か
ら照射し、その反射像を2次元位置検出素子(CCD)
で受光し、その複数の計測点の光軸方向基準面からの位
置ずれを検出する多点フォーカス位置検出系(多点AF
系)が記載されている。また、特開平7−211612
号公報には、各計測点に投影光学系の像面湾曲の変化量
を加えて重み付けを行い最良結像面を求めた後、最良結
像面に感光基板を移動させて露光する方法が記載されて
いる。デバイス素子の製造工程においては、この多点A
F系により1ショット毎に面位置が検出され、検出され
た面位置に基づいて露光装置のフォーカシング調整と露
光・転写が行われる。
【0008】ところで、この多点AF系では、感光基板
の表面に大きな段差形状が形成されているときには、一
部の計測点で位置ずれがAF系の計測可能範囲を超えて
しまい計測できないこと、すなわち計測に失敗すること
がある。また、ショット領域が感光基板の周辺部に位置
してその一部が感光基板から外れているような場合に
も、一部の計測点では計測に失敗する。このような計測
エラーが生じた場合、露光装置はエラー処理を行う。
【0009】図14は、従来の多点AF系を用いたステ
ップ・アンド・リピート方式の露光装置における感光基
板の面位置検出、フォーカシング、レベリング、露光の
シーケンスを説明するフローチャートである。露光装置
に予め入力されているデータに基づいて感光基板上のシ
ョット位置が指定されると、露光装置の制御系はそのシ
ョット位置が投影光学系の露光領域に位置するように基
板ステージを移動する(S101)。次に、多点AF系
により、ショット領域内の複数の計測点(例えば5点)
でショット領域の面位置を計測する(S102)。ステ
ップ103において5点の計測点全てにおいて計測値が
得られたか否かを判定し、判定結果が「YES」の場
合、露光装置はその計測値に基づいてショット領域の面
位置及び傾斜を求め、ショット領域がマスクパターン面
と一致するように基板ステージの光軸方向位置及び傾斜
を調整してフォーカシング及びレベリングを行い(S1
04)、ショットの露光を行う(S105)。
【0010】もし、ステップ103の判定結果が「N
O」の場合には、シーケンスは停止し、エラーアシスト
状態となって、オペレータによるエラー処理がなされる
(S106)。エラーアシスト処理においては、露光装
置の表示装置に選択肢「0」、「1」、「2」が表示さ
れ、オペレータがそのうちの一つを選択してエラー処理
を行う。例えば、選択肢「0」を選択すると、ステップ
105に進み、新たなフォーカシング処理を行わずに前
回のショット位置からステージ移動したままの状態で露
光を行う。選択肢「1」を選択すると、ステップ102
に戻り、再度多点AF計測を行う。選択肢「2」を選択
すると、ステップ101に戻り、そのショット領域に対
する露光を行わずに次のショット位置にステージ移動す
る。
【0011】また、図15は、多点AF系によって感光
基板の面位置を検出しながら露光を行う従来の走査型露
光装置のフォーカシング及びレベリング動作を説明する
フローチャートである。図15はフォーカシングとレベ
リングのフローのみを示すものであり、ステージ移動と
露光動作は図15の開始から終了に到る各工程で継続し
て行われる。走査型露光装置では、感光基板の露光領域
内に設定された計測点で露光領域の面位置を計測すると
共に露光領域の前方に設定された計測点を用いて面位置
を検出(先読み)し、その先読みした領域が露光領域に
位置するときベストフォーカス状態になっているように
基板ステージのフォーカシング及びレベリングを連続的
に調整しながら露光を行う。
【0012】すなわち、ステージ移動しながら露光領域
内の複数の計測点及び露光領域前方の複数の計測点で感
光基板の面位置をAF計測し(S201)、ステップ2
02において全ての計測点で計測に成功したか否かを判
定する。ステップ202の判定結果が「YES」の場合
には、その計測データに基づいて基板ステージのフォー
カシング及びレベリング操作を行う(S203)。一
方、ステップ202における判定結果が「NO」の場合
には、その回の計測データは廃棄し、ステージのフォー
カシング及びレベリングを変えずに露光を継続する。つ
まり、走査露光方式ではたとえ計測に失敗した計測点が
あったとしても途中で走査露光を中断することはできな
いため、図14のエラーアシスト処理における選択肢
「0」に相当する処理を自動的に実行するように設定さ
れている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、感光基板の
表面構造は、製造されるデバイスの種類あるいはそのデ
バイス製造のプロセスに応じて凹凸が多かったり比較的
平坦であったり、またショット領域中で凹凸の多い領域
が片寄っていたりと様々である。そして、露光装置のフ
ォーカシングに際して重視すべき計測点も、重ね合わせ
するパターン毎に、あるいはプロセス毎に異なっている
のが普通である。すなわち、プロセス毎に最適なオート
フォーカス条件は異なるのであり、全ての計測点を同列
に扱う従来の計測条件下ではフォーカス・エラーが生じ
る確率が大きかった。
【0014】同様に、同じ計測点で計測に失敗した場合
のエラー処理においても、プロセスによってその計測点
の重要度が異なり、その計測点で計測値がとれない状態
でフォーカシングを行うと製品不良となる可能性が高い
場合、あるいはその計測点を無視しても充分な精度でフ
ォーカシングすることができる場合など、様々である。
それに対して、従来のように一律のエラー処理を行なう
と歩留まりが低下し、エラーアシスト状態でオペレータ
が介在してエラー処理を行っても歩留りが低下したりス
ループットが低下するという問題があった。本発明は、
このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、
フォーカス・エラーの発生頻度を低減し、不良率の低減
を図ることのできる露光装置を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明においては、多点
AF系の複数の計測点から得られる各計測値をグループ
分けして重み付けすることでプロセス毎に最適のフォー
カス検出方法を設定できるようにし、また、計測に失敗
した計測点があった場合のエラー処理を複数のアルゴリ
ズムの中から適宜選択できるようにしてエラー処理もプ
ロセス毎に最適化できるようにすることで前記目的を達
成する。
【0016】すなわち、本発明による投影露光装置は、
マスクのパターンを所定の結像面内に結像投影する投影
光学系と、結像面とほぼ平行に感光基板を保持して結像
面と平行な面内で2次元移動するXYステージと、感光
基板を投影光学系の光軸方向に移動させるZステージ
と、投影光学系の投影視野内の予め定められた複数の位
置に計測点を有し、複数の計測点の夫々で検出された感
光基板表面の光軸方向の位置に基づいて感光基板の面位
置を検出する面位置検出手段とを備える投影露光装置に
おいて、面位置検出手段は、複数の計測点を複数のグル
ープに分けるグループ化手段と、グループ化手段によっ
てグループ化されたグループ毎に計測値を算出し、その
計測値に夫々重み係数を掛けて感光基板の面位置を算出
する演算手段と、計測点での計測に失敗した場合のエラ
ー処理を選択するエラー処理選択手段を備えることを特
徴とする。
【0017】エラー処理は、計測に失敗した計測点が属
するグループに指定された重み係数又は計測に失敗した
計測点の数に応じて行うことができる。オペレータは、
幾つか用意されているエラー処理アルゴリズムの中か
ら、その露光プロセスに最適なアルゴリズムを選択し
て、予め露光装置に設定しておく。露光装置は、計測に
失敗した計測点があった場合、設定されたアルゴリズム
に従って処理を継続することになる。
【0018】エラー処理アルゴリズムとしては、例え
ば、次の(1)、(2)ようなものを用意しておいて選
択させることができる。 (1)重み付け最大のグループを重視するアルゴリズ
ム。これは、例えば、重み付け最大のグループの全ての
計測点が計測に失敗した場合にはシーケンスを中断して
エラーアシスト状態にし、それ以外の場合には計測に成
功した計測点での計測値を用いて面位置を算出すること
でシーケンスを続行するものである。 (2)各グループを同等に扱うアルゴリズム。これは、
例えば、グループに属する計測点の全てが計測に失敗し
たグループがある場合にはシーケンスを中断してエラー
アシスト状態にし、それ以外の場合には計測に成功した
計測点の計測値を用いてそのグループに対する計測値を
算出することでシーケンスを続行するものである。
【0019】また、本発明の投影露光装置は、露光光で
所定形状の照明領域を照明する照明系と、照明領域に対
して露光用のパターンが形成されたマスクを走査するマ
スク側ステージと、照明領域内のマスクのパターンを感
光基板上に投影する投影光学系と、感光基板を載置して
移動可能な基板側ステージと、マスク側ステージと基板
側ステージとを同期して走査する走査手段と、感光基板
が走査される方向に交差する方向の複数の点を含む複数
の計測点の夫々で検出された感光基板表面の光軸方向の
位置に基づいて感光基板の面位置を検出する面位置検出
手段とを備える投影露光装置において、面位置検出手段
は、複数の計測点を複数のグループに分けるグループ化
手段と、グループ化手段によってグループ化されたグル
ープ毎に計測値を算出し、その計測値に夫々重み係数を
掛けて感光基板の面位置を算出する演算手段と、計測点
での計測に失敗した場合のエラー処理を選択する選択手
段とを備えることを特徴とする。
【0020】グループ化手段は、感光基板の露光領域内
の計測点を、感光基板が走査される方向に交差する方向
の座標が略等しい計測点同士をグループとすることでグ
ループ化を行うものとすることができる。
【0021】この場合、エラー処理アルゴリズムとして
は、例えばフォーカシング処理に関して次の(1)、
(2)のようなものを用意しておくことができる。 (1)露光領域の中央部分に位置するグループを重視
し、そのグループの計測点で計測に失敗したものがある
場合には他のグループの計測値を補完的に使用するアル
ゴリズム。 (2)露光領域及び先読み領域の中央部分の計測値を重
視するアルゴリズム。
【0022】本発明によると、プロセス毎に一つのチッ
プ上に線幅の異なる精粗のパターン面等がある場合、そ
れらに対し重要度に応じて重み付けすることができるの
で所望の面に対して最良の面位置設定ができ、かつ各パ
ターン部分の計測結果に対してオートフォーカスのエラ
ー処理に関する最適のアルゴリズムが設定されるので、
従来の計測点の単純平均等によるエラー処理に比較して
エラーアシスト状態の発生頻度を低減することができ
る。すなわち重要度の低いパターンに対しては許容フォ
ーカス深度が広くなるので経済的なエラー処理を行うこ
とができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。最初に、本発明をステップ・アン
ド・リピート方式の投影露光装置に適用した実施の形態
について説明する。図1は、斜め入射方式の多点AF系
を備える投影露光装置を部分的に示す図である。多点A
F系とは投影光学系PLの投影視野内の複数箇所に、感
光基板すなわちウエハWの光軸方向の位置ずれを計測す
る測定点を設けたものである。
【0024】図1において、ウエハW上に塗布されたレ
ジストに対して非感光性の照明光ILはスリット板1を
照明する。そしてスリット板1のスリットを通った光
は、レンズ系2、ミラー3、絞り4、投光用対物レンズ
5、及びミラー6を介してウエハWを斜めに照射する。
このとき、ウエハWの表面が最良結像面にあると、スリ
ット板1のスリットの像がレンズ系2、対物レンズ5に
よってウエハWの表面に結像される。また対物レンズ5
の光軸とウエハ表面との角度は5〜12°程度に設定さ
れ、スリット板1のスリット像の中心は、投影光学系P
Lの光軸AXがウエハWと交差する点に位置する。
【0025】ウエハWで反射したスリット像光束は、ミ
ラー7、受光用対物レンズ8、レンズ系9、及び振動ミ
ラー10介して受光器15上に再結像される。振動ミラ
ー10は、発振器16からの駆動信号でドライブされる
ミラー駆動部11により振動されられ、受光器15上に
できるスリット像を、その長手方向と直交する方向に微
小振動させる。受光器15による検出信号は信号処理装
置13に供給される。
【0026】図2(b)は、スリット板1上に形成され
たスリットパターンを示す。この例では、スリット板1
に5個のスリット1a〜1eが設けられている。スリッ
ト1a〜1eはウエハWの露光面にステージ移動座標軸
であるX軸及びY軸に対して夫々45°程度だけ傾けて
照射されるため、それらの各投影像は図2(a)に示す
ような配置になる。図2(a)において、投影光学系P
Lの円形の投影視野If内に矩形のマスクのパターン領
域PAが形成され、その中央部及び2本の対角線上の5
つの計測点に夫々スリット像ST1〜ST5が形成され
ている。
【0027】図2(c)は、受光器15の受光面の様子
を示す。受光器15の受光面には5個の受光素子15a
〜15eが配置され、各受光素子15a〜15eの上に
はスリット状の開口を有する遮光板(図示省略)が配置
されている。そして、図2(a)の各計測点のスリット
像ST1〜ST5が夫々受光器15の各受光素子15a
〜15e上に再結像されている。この場合、ウエハWの
露光面で反射されたスリット像は、図2(c)に矢印で
示すように、受光器15上では各受光素子15a〜15
e上に再結像される投影像の位置がスリット状の開口の
幅方向に振動する。
【0028】また、図2(a)の各計測点上のスリット
像ST1〜ST5は、投影光学系PLの光軸AXに対し
て斜めに投影されているため、ウエハWの露光面のフォ
ーカス位置が変化すると、受光器15上に再結像される
投影像の振動中心は矢印で示した方向に変位する。従っ
て、図1に示した信号処理装置13内で、各受光素子1
5a〜15eの検出信号をそれぞれ発振器16の信号で
同期検波することで、5個の計測点のフォーカス位置に
夫々対応する5個のフォーカス信号が得られる。
【0029】この斜入射光方式の多点AF系は、その系
自体で決まる仮想的な基準面を有し、その基準面にウエ
ハ表面が一致したときに合焦と判定する。したがって、
多点AF系を較正してその仮想的な基準面を投影光学系
PLの最良結像面と一致させるために、Zステージ20
上には基準マークFMが設けられている。基準マークF
Mの表面にはスリット状の開口部が複数個設けられてお
り、マークFMはファイバー41を介して露光光とほぼ
同一の波長の光で下から(Zステージ側から)照明され
る。基準マークFMの表面はウエハWのパターン面とほ
ぼ一致するように設けられている。基準マークFMのス
リット状開口を透過した光は投影光学系PLを介してマ
スク(不図示)で反射し、開口部の下に設けられた光電
センサ45に開口部を介して入射する。この光電センサ
45で受光する光のコントラストが最高となるZステー
ジ20の位置(Z方向の高さ位置)が投影光学系PLの
最良結像面位置である。したがって、AF系は基準マー
クFMを用いた計測により最良結像面位置が検知された
とき、合焦信号を出すように較正される。
【0030】信号処理装置13は、5個の計測点のフォ
ーカス位置から後述の方法でウエハWの面位置(高さと
傾き)を求めて主制御系17に伝達する。Zステージ2
0上にはレベリングステージ23が設けられている。主
制御系17は信号処理装置13からの出力信号に基づい
て、Zステージ20の駆動用モータ19をドライブする
駆動回路18及びレベリングステージ23を駆動するレ
ベリングステージ駆動部24(モータとその制御回路と
を含む)への指令を出力する。また、主制御系17は、
XYステージ21を駆動する駆動部22に指令して、ウ
エハWのショット領域を投影光学系PLの露光領域に合
致させる。
【0031】一般にパターン領域PAが投影されるウエ
ハ表面上には、それと重ね合わせされるショット領域が
すでに形成されている。例えばスタック型のメモリーI
C等では高集積化対応のため、ウエハ表面は大きな段差
形状を有しており、さらにショット領域内には、デバイ
ス製造のプロセスを経るたびに凹凸部分の変化が増大
し、スリット像ST1〜ST5の位置においても、大き
な凹凸変化が存在し得る。また、1つのショット領域内
に複数のチップを配置する場合には、各チップを分離す
るためのスクライブラインがショット領域内にX方向、
又はY方向に延びて形成されることになり、スクライブ
ライン上の点とチップ上の点とでは極端な場合、2μm
以上の段差が生じることもある。どのスリット像の位置
にスクライブラインが位置するかは、設計上のショット
配置やショット内チップサイズ等によって予め知ること
ができる。
【0032】次に、目標焦点位置Zaを求める方法につ
いて説明する。本発明では、ウエハWの表面に段差形状
がある場合、プロセス毎に最適なAF方法を取るため、
どの計測結果をどのように重視するかを選択できるよう
に、5個の計測点を複数のグループに分け、各グループ
に対して重み付け(例えば、1〜10)を行う。すなわ
ち、5点の検出点を複数のグループに分けて、グループ
内で平均化処理した後重み係数を掛けて加算し、その結
果を重み係数の総和で割ることにより全体の加重平均化
処理を行う。グループ分けの方法及び各グループに対す
る重み係数のデータは、入力手段31から入力される。
【0033】例えば、図3に断面を示すような段差部を
有するウエハ表面を3つのグループにグループ分けする
場合について説明する。図3で領域AS1と領域AS3
凸部となっている領域で、領域AS2は凹部となってい
る領域である。さらに、領域AS1aと領域AS3a、及び
領域AS1bと領域AS3bはほぼ同じ高さ位置となる領域
であり、ここではほぼ同じ高さ位置を有する領域(例え
ば領域AS1aとAS3a)を1つのグループとする。領域
AS1aと領域AS3aを検出するのは計測点MPbとMP
dであり、これらの測定点からの計測値Z2,Z3を第1
グループとする。領域AS1bと領域AS3bを検出するの
は計測点MPaとMPeであり、これらの測定点からの
計測値Z4,Z5を第2グループとする。そして領域AS
2を検出する計測点MPcからの計測値Z1を第3グルー
プとする。
【0034】そして、グループ内で平均化した後、各グ
ループごとに重みをつけて加算し、さらにその和を重み
係数の総和で割る。すなわちグループ内で平均化したあ
と加重平均化処理するものである。このグループ内平均
化、加重平均化処理の両方により平均化効果を高めてい
る。この処理を式で表すと、次の〔数1〕のようにな
る。
【0035】
【数1】Za=〔Z1・W1+(Z2+Z3)・W2/2+(Z
4+Z5)・W3/2〕/N ただし、N=W1+W2+W3である。
【0036】この目標焦点位置Zaの算出に加えて、信
号処理装置13では、各測定点における計測値から最小
自乗近似法等によってウエハ表面の傾きを求める。この
と傾きのデータは主制御系17に供給される。主制
御系17は、ドライブ回路18に指令信号を出力してZ
ステージ20を光軸AX方向に並進移動するとともに、
レベリングステージ駆動部24に指令信号を出力してレ
ベリングステージ23を傾斜させることによって、最良
結像面にウエハWの表面を一致させる。
【0037】図3に示した測定点MPdのように段差の
端部を測定する場合、検出信号がばらつく可能性があ
る。また、ウエハ周辺のショットを計測する場合、測定
点がウエハからはみ出してしまい信号が得られないこと
がある。複数の計測点(この例では、5点)のうちで計
測に失敗したものが1つでもあると、エラー処理が行わ
れる。このエラー処理のアルゴリズムは、予め用意され
た複数のエラー処理アルゴリズムのうちからオペレータ
が選択して入力手段31で指定することによって設定さ
れる。例えば、アルゴリズム「0」は5個の計測点のう
ち、一つでも計測に失敗したらエラーとする。アルゴリ
ズム「1」は計測に成功した計測点が一つもないグルー
プがあればエラーとする。アルゴリズム「2」は重み付
けパラメータが最大(最優先)のグループの計測点が、
すべて計測に失敗したときエラーとする。以上のような
エラー処理アルゴリズムをプロセス毎に設定することが
できるので、きめ細かい有効な面位置検出が可能とな
る。
【0038】図4は、エラー処理を含む1ショットの処
理を説明するためのフローチャートである。ステップ1
6で選択されるエラー処理のアルゴリズムは、前述のよ
うに、この露光プロセスに最適なものが予め選択されて
設定されている。また、ショット領域内の表面構造に応
じた計測点のグループ化の方法及びグループ毎の重み係
数も入力手段31から設定されている。
【0039】主制御系17は、XYステージ21を駆動
する駆動部22に指令して、ウエハW上のショット位置
が投影光学系PLの露光領域と一致するようにステージ
移動する(S11)。次に、多点AF計測を行い、各計
測点の基準面に対する誤差を計測する(S12)。次
に、ステップ13において、全ての計測点が計測に成功
したかどうかを判定する。判定結果が「YES」のとき
は、その計測値を用いてウエハW表面の面位置を決定
し、その面位置が投影光学系PLの最良結像面と一致す
るようにZステージ20の上下動位置及びレベリングス
テージ23の傾きを調整してフォーカシング及びレベリ
ングを行い(S14)、露光を行う(S15)。
【0040】ステップ13の判定結果が「NO」の場
合、すなわちウエハWの露光領域に異常な曲がりや段差
形状がある等して計測できない計測点があったとき、ス
テップ16に進んでエラー処理アルゴリズムによる処理
に移る。エラー処理アルゴリズムとして「0」が指定さ
れているときは、ステップ19のエラーアシストへ進
み、オペレータによるエラー処理がなされる。エラーア
シスト処理においては、露光装置の表示装置に選択肢
「0」、「1」、「2」が表示され、オペレータがその
うちの一つを選択してエラー処理を行うようになってい
る。例えば、選択肢「0」を選択すると、新たなフォー
カシング処理を行わずにステップ15へ進み、前回のシ
ョット位置からステージ移動したままの状態で露光を行
う。選択肢「1」を選択すると、ステップ12に戻って
再度AF計測を行う。選択肢「2」を選択すると、その
ショット領域に対する露光を行わずにステップ11に戻
り、次のショット位置にステージ移動する。エラーアシ
スト処理では、次のウエハに交換する処理を選択できる
選択肢を設けてもよい。
【0041】エラー処理アルゴリズムの指定が「1」の
とき、ステップ16からステップ18に進み、計測に失
敗した計測点が属するグループ内において他に計測に成
功した計測点があるかどうかを調べる。もし計測に成功
した計測点が1点でもあればステップ14に進み、得ら
れた計測値を平均化することでそのグループに対する計
測値とし、他のグループの計測値とあわせてウエハW表
面の面位置を決定し、その面位置が投影光学系PLの最
良結像面と一致するようにZステージ20の上下動位置
によるフォーカシング及びレベリングステージ23の傾
きを調整によるレベリングを行い、続いてステップ15
で露光を行う。ステップ18の判定結果が「NO」のと
きは、ステップ19のエラーアシストへ進み、前述のオ
ペレータによるエラー処理がなされる。
【0042】またエラー処理アルゴリズムが「2」指定
のときは、ステップ16からステップ17に進んで、重
み付けが最大のグループが計測に成功しているかを調べ
る。この判定結果が「YES」であれば、たとえ他に計
測に失敗したグループがあったととしてもステップ14
に進み、得られている計測値を用いてフォーカシング及
びレベリング処理を行い、続いてステップ15で露光を
行う。ステップ17の判定結果が「NO」のときはステ
ップ19のエラーアシストへ進み、オペレータによるエ
ラー処理がなされる。
【0043】次に、本発明を走査型露光装置に適用した
場合の実施の形態について説明する。図5は、ステップ
・アンド・スキャン型の投影露光装置を示す。光源及び
オプティカル・インテグレータ等を含む光源系51から
の露光用の照明光ILが、第1リレーレンズ52、ブラ
インド(可変視野絞り)53、第2リレーレンズ54、
ミラー55、及びメインコンデンサーレンズ56を介し
て、均一な照度分布でマスク57のパターン形成面のス
リット状の照明領域58を照明する。ブラインド53の
配置面はマスク57のパターン形成面とほぼ共役であ
り、ブラインド53の開口の位置及び形状により、照明
領域58の位置及び形状が設定される。
【0044】マスク57上の照明領域58内のパターン
の投影光学系PLを介した像が、フォトレジストが塗布
されたウエハW上のスリット状の露光領域63内に投影
露光される。ここで、投影光学系PLの光軸に平行にZ
軸を取り、その光軸に垂直な2次元平面内で図5の紙面
に平行にX軸を、図5の紙面に垂直にY軸を取る。マス
ク57はマスクステージ59上に保持され、マスクステ
ージ59はマスクベース60上で走査方向であるX方向
に例えばリニアモータにより駆動される。マスクステー
ジ59上の移動鏡68及び外部のレーザ干渉計69によ
りマスク57のX座標が計測され、このX座標が装置全
体の動作を統轄制御する主制御系70に供給される。主
制御系70は、マスクステージ駆動系71及びマスクス
テージ59を介してマスク57の位置及び移動速度の制
御を行う。
【0045】一方、ウエハWは、不図示のウエハホルダ
を介してZチルトステージ64上に保持され、Zチルト
ステージ64は3個のZ方向に移動自在なアクチュエー
タ66A〜66Cを介してYステージ65Y上に載置さ
れ、Yステージ65Yは、Xステージ65X上に例えば
送りねじ方式でY方向に移動されるように載置され、X
ステージ65Xは、装置ベース67上に例えば送りねじ
方式でX方向に移動されるように載置されている。3個
のアクチュエータ66A〜66Cを並行に伸縮させるこ
とにより、Zチルトステージ64のZ方向の位置の調整
(フォーカシング)が行われ、3個のアクチュエータ6
6A〜66Cの伸縮量を個別に調整することにより、Z
チルトステージ64のX軸及びY軸の回りの傾斜角の調
整(レベリング)が行われる。
【0046】また、Zチルトステージ64の上端に固定
されたX軸用の移動鏡72X及び外部のレーザ干渉計7
3Xにより、ウエハWのX座標が常時モニタされ、Y軸
用の移動鏡72Y及び外部のレーザ干渉計73Y(図1
0参照)により、ウエハWのY座標が常時モニタされ、
検出されたX座標及びY座標が主制御系70に供給され
ている。
【0047】主制御系70は、供給された座標に基づい
てウエハステージ駆動系74を介してXステージ65
X、Yステージ65Y、及びZチルトステージ64の動
作を制御する。例えば、投影光学系PLが投影倍率β
(βは例えば1/4等)で倒立像を投影するものとし
て、マスクステージ59を介してマスク57を照明領域
58に対して+X方向(又は−X方向)に速度VRで走
査するのと同期して、Xステージ65Xを介してウエハ
Wが露光領域63に対して−X方向(又は+X方向)に
速度VW(=β・VR)で走査される。
【0048】次に、ウエハWの表面のZ方向の位置(焦
点位置)を検出するための多点AF系75の構成につき
説明する。この多点AF系75において、光源76から
射出されたフォトレジストに対して非感光性の検出光
が、コンデンサーレンズ77を介して送光スリット板7
8内の多数のスリットを照明し、それらスリットの像が
対物レンズ79を介して、投影光学系PLの光軸に対し
て斜めにウエハW上の露光領域63及びこの前後の先読
み領域85A,85B(図6参照)の15個の計測点P
11〜P53に投影される。
【0049】図6は、ウエハW上の計測点P11〜P53
配置を示し、この図6において、スリット状の露光領域
63に対して−X方向、及び+X方向側にそれぞれ先読
み領域85A及び85Bが設定されている。そして、露
光領域63内に3行×3列の計測点P21〜P43が設定さ
れ、先読み領域85A内に3個の計測点P11〜P13が設
定され、先読み領域85B内に3個の計測点P51〜P53
が設定されている。ウエハWを+X方向に走査するとき
は先読み領域85B内の計測点P51〜P53による計測値
が使用され、−X方向に走査するときは先読み領域85
A内の計測点P11〜P13による計測値が使用される。
【0050】図5に戻って、各計測点からの反射光は、
集光レンズ80を介して振動スリット板81上に集光さ
れ、振動スリット板81上にそれら計測点に投影された
スリット像が再結像される。振動スリット板81は、主
制御系70からの駆動信号DSにより駆動される加振器
82により所定方向に振動している。振動スリット板8
1の多数のスリットを通過した光が光電検出器83上の
多数の光電変換素子によりそれぞれ光電変換され、これ
ら光電変換信号が信号処理系84に供給される。
【0051】図7は、送光スリット板78を示す。送光
スリット板78には、図6のウエハ上の計測点P11〜P
53に対応する位置にそれぞれスリット7811〜7853
形成されている。また、振動スリット板81上にも、図
8に示すように図6のウエハ上の計測点P11〜P53に対
応する位置にそれぞれスリット8111〜8153が形成さ
れ、振動スリット板81は加振器82により各スリット
の長手方向に直交する計測方向に振動している。
【0052】図9は、光電検出器83及び信号処理系8
4を示す。光電検出器83上の1行目の光電変換素子8
11〜8313には、それぞれ図6の計測点P11〜P13
ら反射されて、振動スリット板81中の対応するスリッ
トを通過した光が入射する。同様に、2行目〜4行目の
光電変換素子8321〜8343には、それぞれ図6の計測
点P21〜P43から反射されて、振動スリット板81中の
対応するスリットを通過した光が入射し、5行目の光電
変換素子8351〜8353には、それぞれ図6の計測点P
51〜P53から反射されて、振動スリット板81中の対応
するスリットを通過した光が入射する。
【0053】そして、光電変換素子8311〜8353から
の検出信号は、増幅器9611〜9653を介して同期整流
器9711〜9753に供給される。同期整流器9711〜9
53はそれぞれ加振器82用の駆動信号DSを用いて入
力された検出信号を同期整流することにより、対応する
計測点の焦点位置に所定範囲でほぼ比例して変化する計
測信号を生成する。この例では、同期整流器9711〜9
53から出力される計測信号は、それぞれ図5において
対応する計測点が投影光学系PLの結像面(ベストフォ
ーカス面)に合致しているときに0になるようにキャリ
ブレーションが行われている。
【0054】同期整流器9711〜9753から出力される
計測信号は、並列にマルチプレクサ98に供給され、マ
ルチプレクサ98は、主制御系70内のマイクロプロセ
ッサ(MPU)100からの切り換え信号に同期して、
供給される計測信号から順番に選ばれた計測信号をA/
D変換器99に供給し、A/D変換器99から出力され
るデジタルの計測信号が順次主制御系70内のメモリ1
01内に格納される。
【0055】図10は、図5に示した3個のアクチュエ
ータ66A〜66Cの駆動系を示す説明図である。主制
御系70のメモリ101には、各アドレス10111〜1
0153内にそれぞれ図6の計測点P11〜P53での計測位
置を示すデジタルの計測信号が格納されている。なお、
これらの計測信号は、所定のサンプリング周期で逐次書
き換えられている。メモリ101の各アドレス10111
〜10153から読み出された計測信号は、並列に演算部
102に供給される。
【0056】いま、ウエハWが−X方向に走査されてい
るとすると、演算部102では、図6の露光領域63内
の計測点P21〜P43に対応するアドレス10121〜10
43から読み出された計測信号と、先読み領域85A内
の計測点P11〜P13に対応するアドレス10111〜10
13から読み出された計測信号を用いて、以下に説明す
るようにして露光領域63の中心での焦点位置(Z座
標)Zb、Y軸の回りでの傾斜角θX、及びX軸の回りで
の傾斜角θYを求める。ウエハWが+X方向に走査され
ているときには、演算部102では、図6の露光領域6
3内の計測点P21〜P43に対応するアドレス10121
10143から読み出された計測信号と、先読み領域85
B内の計測点P51〜P53に対応するアドレス10151
10153から読み出された計測信号を用い、同様にして
焦点位置Zb、傾斜角θX、及び傾斜角θYを求める。
【0057】以下では、ウエハWが−X方向に走査され
ているとして、露光領域63内の計測点P21〜P43に対
応するアドレス10121〜10143から読み出された計
測信号Z21〜Z43と、先読み領域85A内の計測点P11
〜P13に対応するアドレス10111〜10113から読み
出された計測信号Z11〜Z13を用いる場合について説明
する。
【0058】まず、演算部102における焦点位置Zb
の計算について、説明する。焦点位置Zbの計算にあた
っては、露光領域63内の9点の計測点P21〜P43をほ
ぼ同じY座標を有する3つのグループ、すなわち第1グ
ループ(P21,P31,P41)、第2グループ(P22,P
32,P42)、及び第3グループ(P23,P33,P43)に
グループ分けする。また、先読み領域85A内の計測点
11を第4グループ、計測点P12を第5グループ、計測
点P13を第6グループとする。そして、グループ内で計
測値を平均化した後、各グループごとに重みをつけて加
算し、さらにその和を重みの総和で割る。すなわちグル
ープ内で平均化したあと加重平均化処理する。このグル
ープ内平均化、加重平均化処理の両方により平均化効果
を高めている。各計測点P11〜P43における計測値をZ
11〜Z43とするとき、この焦点位置Zbの計算式は次の
〔数2〕で表される。
【0059】
【数2】Zb=〔(Z21+Z31+Z41)・W1/3+(Z
22+Z32+Z42)・W2/3+(Z23+Z33+Z43)・W3
/3+Z11・W4+Z12・W5+Z13・W6〕/N ただし、N=W1+W2+W3+W4+W5+W6である。
【0060】なお、重み係数の設定にあたっては、露光
領域63の中央部分、すなわち第2グループに対する重
み係数W2を他のグループに対する重み係数W1,W3
4,W5,W6に比べて大きく設定するのが好適であ
る。これは、第2グループに属する計測点P22〜P42
計測値は露光領域63の高さをよく表しているので、計
測値Z22〜Z42を重視して焦点位置Zbを計算すると露
光領域63全体にわたって良好なフォーカシングを達成
できると考えられるからである。
【0061】演算部102では、この焦点位置Zbの算
出に加えて、露光領域63内の各測定点P21〜P43にお
ける計測値Z21〜Z43から最小自乗近似法によって露光
領域63の表面を表す平面を決定する。そして、投影光
学系PLの最良結像面に対する露光領域63の平面のY
軸の回りでの傾斜角θX、及びX軸の回りでの傾斜角θY
を求める。これらの焦点位置Zb、傾斜角θX,θYは、
それぞれ目標位置/速度変換部108に供給される。ま
た、レーザ干渉計73X及び73Yで計測されたZチル
トステージ64(ウエハW)のX座標及びY座標も目標
位置/速度変換部108に供給されている。
【0062】目標位置/速度変換部108では、先ず、
供給されたZチルトステージ64のX座標及びY座標よ
り、投影光学系PLの光軸を原点とした場合の3個のア
クチュエータ66A,66B,66Cのそれぞれの作用
点の座標(X1,Y1),(X2,Y2),(X3,Y3)を
算出する。また、予め傾斜角θX、傾斜角θY、及び焦点
位置Zbのそれぞれの位置制御系のループゲインKθX
KθY、及びKZが記憶されており、目標位置/速度変換
部108では次の〔数3〕によって3個のアクチュエー
タ66A,66B,66Cへのそれぞれの速度指令値V
1,VZ2,VZ3を算出する。
【0063】
【数3】
【0064】アクチュエータ66A,66B,66Cの
座標(X1,Y1),(X2,Y2),(X3,Y3)は、ウ
エハWが走査されるのに応じて変化するため、目標位置
/速度変換部108は、例えばウエハWの位置が所定ス
テップ変化する毎に、又は所定の時間間隔で逐次前記
〔数3〕の演算を行って速度指令値VZ1,VZ2,VZ
3を算出する。これらの速度指令値VZ1〜VZ3は、速
度コントローラ110に供給され、速度コントローラ1
10は、パワーアンプ111A〜111Cを介してアク
チュエータ66A〜66Cを駆動する。また、アクチュ
エータ66A〜66Cの内部のロータリエンコーダから
の速度検出信号が速度コントローラ110にフィードバ
ックされている。これにより、アクチュエータ66A,
66B,66Cは、それぞれ先端部が駆動速度VZ1
VZ2,VZ3でZ方向に駆動される。
【0065】そして、そのアクチュエータ66A〜66
Cにより駆動された後のウエハWの表面の位置及び傾斜
角が、図5に示した多点AF系75及び図10に示した
演算部102等により計測され、この計測結果と目標値
との偏差が目標位置/速度変換部108にフィードバッ
クされる。走査露光中にそのようにZチルトステージ6
4の傾斜角及び焦点位置をサーボ制御することによっ
て、ウエハWの露光領域63が、常にマスク57の照明
領域58内のパターンの投影像の結像面に合致した状態
で露光が行われる。
【0066】以上の説明は、露光領域63及び先読み領
域85A内の複数の計測点P11〜P43における計測が全
て成功した場合についてのものである。もし、露光領域
63又は先読み領域85A内のいずれかの計測点におい
て計測に失敗した場合にはエラー処理が行われる。この
エラー処理のアルゴリズムは、予め用意された複数のア
ルゴリズムのうちからオペレータが選択して入力手段1
30から指定することによって設定される。ここでは、
エラー処理のアルゴリズムが2種類用意されている例に
ついて説明する。
【0067】図11〜図13は、図5〜図10で説明し
た走査型露光装置におけるフォーカシング及びレベリン
グ処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
なお、図11〜図13はフォーカシング及びレベリング
処理の流れだけを示したものであり、マスクステージ駆
動系71及びウエハステージ駆動系74によってマスク
57とウエハWを同期して駆動することによる走査露光
は図11〜図13に示した全行程を通して連続して行わ
れる。
【0068】走査露光装置による走査露光中、多点AF
系75により露光領域63内の計測点P21〜P43及び先
読み領域85A内の計測点P11〜P13(ウエハWを+X
方向に走査するときは先読み領域85B内の計測点P51
〜P53を使用)による多点AF計測を行う(S31)。
ステップ32では、露光領域63内の計測点P21〜P43
の全てにおいて計測に成功したかどうかを判定し、判定
結果が「YES」のときはステップ33に進んで、さら
に先読み領域85A内の全ての計測点P11〜P13で計測
に成功したかどうかを判定する。
【0069】ステップ33の判定結果が「YES」のと
きは、ステップ34に進み、演算部102において前述
のように計測点P11〜P43における計測値Z11〜Z43
データを用いて前記〔数2〕に従って焦点位置Zbを計
算する。また、露光領域63内の計測点P21〜P43にお
ける計測値Z21〜Z43から最小自乗近似法によって露光
領域63の表面に合致する平面を決定する。そして、こ
の決定された平面のY軸の回りでの傾斜角θX、及びX
軸の回りでの傾斜角θYを求め、目標位置/速度変換部
108において前記〔数3〕の演算によって速度指令値
VZ1,VZ2,VZ3を算出する。速度コントローラ1
10は速度指令値VZ1〜VZ3に従ってアクチュエータ
66A,66B,66Cを駆動することでフォーカシン
グ及びレベリング動作を行う。
【0070】ステップ33の判定結果が「NO」のとき
は、ステップ35に進み、演算部102は、計測に成功
している露光領域63内の計測点の計測値Z21〜Z43
データのみを用いて焦点位置Zbを計算する。この計算
は次の〔数4〕のように行われる。
【0071】
【数4】Zb=〔(Z21+Z31+Z41)・W1/3+(Z
22+Z32+Z42)・W2/3+(Z23+Z33+Z43)・W3
/3〕/N ただし、N=W1+W2+W3である。
【0072】この〔数4〕は、前記〔数2〕において、
先読み領域85Aの計測値に対する重み係数W4,W5
6をゼロにしたものに相当する。また、ステップ34
と同様に、露光領域63内の計測点P21〜P43における
計測値Z21〜Z43を用いて露光領域63の表面に合致す
る平面のY軸の回りでの傾斜角θX、及びX軸の回りで
の傾斜角θYを求め、目標位置/速度変換部108にお
いて前記〔数3〕の演算によって速度指令値VZ1,V
2,VZ3を算出する。そして、速度コントローラ11
0が速度指令値VZ1〜VZ3に従ってアクチュエータ6
6A,66B,66Cを駆動することで、フォーカシン
グ及びレベリング動作を行う。
【0073】次に、ステップ32の判定結果が「NO」
の場合のフローについて説明する。このような場合、従
来は図15に示したように、その回の計測データを廃棄
し、ウエハステージのフォーカシング及びレベリングを
変えることなく走査露光を継続していた。本発明におい
ては、このような計測エラーが生じたときのエラー処理
アルゴリズムを複数用意しておき、そのうちのいずれか
を選択できるようにした。エラー処理アルゴリズムは、
入力手段130を用いて予め設定しておく。この例で
は、エラー処理アルゴリズムとして「1」と「2」の2
通りのものが用意されている。アルゴリズム「1」は、
フォーカシング処理において露光領域63内の第2グル
ープの計測点を重視しながらも、第2グループの計測点
で計測に失敗したものがある場合には第1グループ、第
3グループ、先読み領域85Aの計測点(第4、5、6
グループ)での計測値を補完的に使用するものである。
一方、アルゴリズム「2」は、フォーカシング処理にお
いて露光領域63及び先読み領域85Aの走査方向に直
交する方向の中央部分を重視するものである。
【0074】エラー処理アルゴリズムとして予め「1」
を選択してある場合には、ステップ36から図12に示
したフローに進む。すなわち、ステップ41において、
露光領域63の中央部分に位置する第2グループの計測
点P22〜P42の3つの計測点が全て計測に成功している
かどうかを判定する。判定結果が「YES」のときはス
テップ42に進み、先読み領域85Aの計測点P11〜P
13の全てで計測に成功しているか否かを判定する。この
判定結果が「YES」のときは、ステップ43に進み、
第2グループの計測点P22〜P42における計測値Z22
42と先読み領域85Aの計測点P11〜P13における計
測値Z11〜Z13のデータを用いて焦点位置Zbを計算す
る。この計算は次の〔数5〕のように行われる。
【0075】
【数5】Zb=〔(Z22+Z32+Z42)・W2/3+Z11
4+Z12・W5+Z13・W6〕/N ただし、N=W2+W4+W5+W6である。
【0076】この〔数5〕は、前記〔数2〕において、
第1グループに対する重み係数W1及び第3グループに
対する重み係数W3をゼロにしたものに相当する。ま
た、露光領域63内の計測点P21〜P43のうち計測に成
功した計測点の計測データから最小自乗近似法によって
露光領域63の表面に合致する平面を決定する。そし
て、この決定された平面のY軸の回りでの傾斜角θX
及びX軸の回りでの傾斜角θYを求める。そして、これ
らのデータを用いて前述のように目標位置/速度変換部
108で前記〔数3〕の演算によって速度指令値V
1,VZ2,VZ3を算出してアクチュエータ66A,
66B,66Cを駆動することで、フォーカシング及び
レベリング動作を行う。
【0077】ステップ42において、先読み領域85A
の計測点P11〜P13で計測に失敗した計測点がある場合
にはステップ44に進み、第2グループの計測点P22
42における計測データZ22〜Z42を用いて次の〔数
6〕によって焦点位置Zbを計算する。
【0078】
【数6】Zb=(Z22+Z32+Z42)/3 この〔数6〕は、前記〔数2〕において、第2グループ
に対する重み係数W2を1とし、他のグループの重み係
数を全てゼロとおいたものに相当する。
【0079】また、ステップ43におけると同様にして
傾斜角θX及びθYを求め、これらのデータZb,θX,θ
Yを用いて前述のようにアクチュエータ66A,66
B,66Cを駆動することで、フォーカシング及びレベ
リング動作を行う。次に、ステップ41の判定において
露光領域63内の第2グループの計測点P22〜P42の中
に計測に失敗した計測点がある場合の処理について説明
する。まず、ステップ45において、第1グループの計
測点P21〜P41及び第3グループの計測点P23〜P43
計6個の計測点において計測が成功しているかどうかを
判定する。これら6点の全てにおいて計測に成功してい
る場合にはステップ46に進み、先読み領域85Aの計
測点P11〜P13の全てで計測に成功しているか否かを判
定する。先読み領域85Aでも計測に成功していれば、
ステップ47に進み、第1グループの計測点P21
41、第3グループの計測点P23〜P43及び先読み領域
85Aの計測点P11〜P13における計測値データを用い
て焦点位置Zbを計算する。この計算は次の〔数7〕の
ように行われる。
【0080】
【数7】Zb=〔(Z21+Z31+Z41)・W1/3+(Z
23+Z33+Z43)・W3/3+Z11・W4+Z12・W5+Z13
・W6〕/N ただし、N=W1+W3+W4+W5+W6である。
【0081】この〔数7〕は、前記〔数2〕において、
第2グループに対する重み係数W2をゼロとおいたもの
に相当する。また、ステップ43におけると同様に、露
光領域63内の計測点P21〜P43のうち計測に成功した
計測点の計測データを用いて傾斜角θX及びθYを求め
る。そして、これらのデータZb,θX,θYを用いて前
述のようにアクチュエータ66A,66B,66Cを駆
動することで、フォーカシング及びレベリング動作を行
う。
【0082】ステップ46において、先読み領域85A
の計測点P11〜P13で計測に失敗した計測点がある場合
にはステップ48に進み、第1グループの計測点P21
41における計測データZ21〜Z41及び第3グループの
計測点P23〜P43における計測データZ23〜Z43を用い
て次の〔数8〕によって焦点位置Zbを計算する。
【0083】
【数8】Zb=〔(Z21+Z31+Z41)・W1/3+(Z
23+Z33+Z43)・W3/3〕/N ただし、N=W1+W3である。
【0084】この〔数8〕は、前記〔数2〕において、
第2グループに対する重み係数W2、及び第4〜第6グ
ループに対する重み係数W4,W5,W6をゼロとおいた
ものに相当する。また、ステップ47におけると同様に
して傾斜角θX及びθYを求める。そして、これらのデー
タZb,θX,θYを用いて前述のようにアクチュエータ
66A,66B,66Cを駆動することで、フォーカシ
ング及びレベリング動作を行う。
【0085】ステップ45の判定が「NO」のときは、
ステップ49に進んで先読み領域85Aの3つの計測点
11〜P13で計測に成功したかどうかを判定する。先読
み領域85Aの計測点P11〜P13で計測に成功している
場合にはステップ50に進み、その計測データZ11〜Z
13を用いて次の〔数9〕により焦点位置Zbを計算す
る。
【0086】
【数9】Zb=〔Z11・W4+Z12・W5+Z13・W6〕/N ただし、N=W4+W5+W6である。
【0087】この〔数9〕は、前記〔数2〕において、
第1〜第3グループに対する重み係数W1,W2,W3
ゼロとおいたものに相当する。また、露光領域63内の
計測点P21〜P43のうち計測に成功した計測点の計測デ
ータを用いて傾斜角θX及びθYを求める。そして、これ
らのデータZb,θX,θYを用いて前述のようにアクチ
ュエータ66A,66B,66Cを駆動することで、フ
ォーカシング及びレベリング動作を行う。
【0088】ステップ49の判定結果が「NO」のとき
は、その回の計測データを用いるフォーカシング及びレ
ベリング処理を行わず、前回の計測データによるフォー
カシング及びレベリングの状態を維持したままで走査露
光を行う。続いて、エラー処理アルゴリズムとして
「2」を選択した場合のフローについて説明する。この
場合には、図11のステップ36から図13に示したフ
ローに進む。すなわち、まずステップ61において、露
光領域63の中央部分に位置する第2グループの3つの
計測点P22〜P42の全てにおいて計測に成功しているか
どうかを判定する。計測に成功している場合には、ステ
ップ62に進んで、先読み領域85Aの中央部分の計測
点P12で計測に成功しているか否かを判定する。計測点
12でも計測に成功していれば、ステップ63に進み、
第2グループの計測点P22〜P42における計測値Z22
42と先読み領域85Aの計測点P12における計測値Z
12のデータを用いて焦点位置Zbを計算する。この計算
は次の〔数10〕のように行われる。
【0089】
【数10】Zb=〔(Z22+Z32+Z42)・W2/3+Z
12・W5〕/N ただし、N=W2+W5である。
【0090】この〔数10〕は、前記〔数2〕において
重み係数W1,W3,W4,W6をゼロとしたものに相当す
る。また、露光領域63内の計測点P21〜P43のうち計
測に成功した計測点の計測データから最小自乗近似法に
よって露光領域63の表面に合致する平面を決定する。
そして、この決定された平面のY軸の回りでの傾斜角θ
X、及びX軸の回りでの傾斜角θYを求める。そして、ス
テップ63において、これらのデータを用いて前述のよ
うに目標位置/速度変換部108で前記〔数3〕の演算
によって速度指令値VZ1,VZ2,VZ3を算出してア
クチュエータ66A,66B,66Cを駆動すること
で、フォーカシング及びレベリング動作を行う。
【0091】ステップ62における判定結果が「NO」
の場合にはステップ64に進み、図12のステップ44
と同様に、第2グループの計測点P22〜P42における計
測データZ22〜Z42のみを用いて前記〔数6〕によって
焦点位置Zbを計算し、また、露光領域63内で計測に
成功した計測点のデータを用いて露光面の傾斜角θ
びθを求める。そして、これらのデータZb,θX,θ
Yを用いて同様に速度指令値を算出してアクチュエータ
66A,66B,66Cを駆動することで、フォーカシ
ング及びレベリング動作を行う。
【0092】ステップ61の判定が「NO」の場合に
は、ステップ65に進み、露光領域63内の第2グルー
プの計測点のうち先読み領域85Aに近い側の2点
22,P32で計測に成功したか否かを判定する。この判
定が「YES」の場合は、ステップ66に進んで、先読
み領域85A内の中央の計測点P12で計測に成功したか
否かを判定する。計測点P12で計測に成功していれば、
ステップ67に進み、計測点P22,P32における計測値
22,Z32と先読み領域85Aの計測点P12における計
測値Z12のデータを用いて焦点位置Zbを計算する。こ
の計算は次の〔数11〕のように行われる。
【0093】
【数11】 Zb=〔(Z22+Z32)・W2/2+Z12・W5〕/N ただし、N=W2+W5である。
【0094】また、露光領域63内で計測に成功した計
測点のデータを用いて露光面の傾斜角θX及びθYを求め
る。そして、これらのデータZb,θX,θYを用いて速
度指令値を算出してアクチュエータ66A,66B,6
6Cを駆動することで、フォーカシング及びレベリング
動作を行う。ステップ65における判定結果が「NO」
の場合は、その回の計測データを用いるフォーカシング
及びレベリング処理を行わず、前回の計測データによる
フォーカシング及びレベリングの状態を維持したままで
走査露光を行う。
【0095】以上、エラー処理のアルゴリズムが2種類
用意されている場合について説明した。しかし、予め用
意されるエラー処理のアルゴリズムは2種類には限られ
ず、プロセスの特殊性等にあわせて更に多くのエラー処
理アルゴリズムを用意してもよい。計測点のグループ分
けの方法もここで説明した例に限られず、ウエハWの表
面状態や投影パターンの特徴に合わせて最適のものを入
力手段130から設定すればよい。また、レベリング処
理についても、ここでは露光領域内の計測データのみを
用いる例によって説明したが、先読み領域内の計測デー
タをレベリング処理に反映させることもできる。また、
本発明のエラー処理方法は、露光装置に限らず、パター
ン欠陥検査装置、異物検査装置、基板の位置計測装置
等、工程中にオートフォーカス工程を含む全ての処理に
適用することが可能である。
【0096】
【発明の効果】本発明によると、投影露光装置のAF系
に計測エラーが生じた場合のエラー処理のアルゴリズム
をプロセス毎に任意に設定することが可能となり、エラ
ー発生頻度を低減することができるとともに、歩留まり
の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】斜め入射方式の多点AF系を備える投影露光装
置の概略図。
【図2】(a)は、投影光学系の投影視野とマスクのパ
ターン領域とスリット像の関係を示す図、(b)はスリ
ット板上に形成されたスリットパターンを示す図、
(c)は受光器の受光面の様子を示す図。
【図3】ウエハ上のショット領域の表面の断面構造の一
例を示す図。
【図4】本発明によるフォーカシング及びレベリング処
理の一例を説明するフローチャート。
【図5】ステップ・アンド・スキャン型の投影露光装置
の一例を示す図。
【図6】ウエハ上の計測点の配置を示す図。
【図7】送光スリット板を示す図。
【図8】振動スリット板を示す図。
【図9】光電検出器及び信号処理系を示す図。
【図10】ウエハのフォーカス・レベリング機構及びそ
の制御系を示す説明図。
【図11】本発明によるフォーカシング及びレベリング
処理の他の例を説明するフローチャート。
【図12】図11のAの処理を説明するフローチャー
ト。
【図13】図11のBの処理を説明するフローチャー
ト。
【図14】従来のステップ・アンド・リピート方式の露
光装置における露光シーケンスを説明するフローチャー
ト。
【図15】従来の走査型露光装置のフォーカシング動作
を説明するフローチャート。
【符号の説明】
1…スリット板、1a〜1e…スリット、10…振動ミ
ラー、13…信号処理装置、15…受光器、15a〜1
5e…受光素子、17…主制御系、18…ドライブ回
路、20…Zステージ、21…XYステージ、23…レ
ベリングステージ、24…レベリングステージ駆動部、
31…入力手段、51…光源系、57…マスク、59…
マスクステージ、63…露光領域、64…Zチルトステ
ージ、66A〜66C…アクチュエータ、70…主制御
系、71…マスクステージ駆動系、75…多点AF系、
78…送光スリット板、81…振動スリット板、83…
光電検出器、84…信号処理系、85A,85B…先読
み領域、101…メモリ、102…演算部、108…目
標位置/速度変換部、110…速度コントローラ、11
1A〜111C…パワーアンプ、PL…投影光学系、S
T1〜ST5…スリット像、W…ウエハ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクのパターンを所定の結像面内に結
    像投影する投影光学系と、前記結像面とほぼ平行に感光
    基板を保持して前記結像面と平行な面内で2次元移動す
    るXYステージと、前記感光基板を前記投影光学系の光
    軸方向に移動させるZステージと、前記投影光学系の投
    影視野内の予め定められた複数の位置に計測点を有し、
    前記複数の計測点の夫々で検出された前記感光基板表面
    の光軸方向の位置に基づいて前記感光基板の面位置を検
    出する面位置検出手段とを備える投影露光装置におい
    て、 前記面位置検出手段は、前記複数の計測点を複数のグル
    ープに分けるグループ化手段と、前記グループ化手段に
    よってグループ化されたグループ毎に計測値を算出し、
    その計測値に夫々重み係数を掛けて前記感光基板の面位
    置を算出する演算手段と、前記計測点での計測に失敗し
    た場合のエラー処理を選択するエラー処理選択手段を備
    えることを特徴とする投影露光装置。
  2. 【請求項2】 前記エラー処理は計測に失敗した計測点
    が属するグループに指定された重み係数又は計測に失敗
    した計測点の数に応じて行われることを特徴とする請求
    項1記載の投影露光装置。
  3. 【請求項3】 露光光で所定形状の照明領域を照明する
    照明系と、前記照明領域に対して露光用のパターンが形
    成されたマスクを走査するマスク側ステージと、前記照
    明領域内の前記マスクのパターンを感光基板上に投影す
    る投影光学系と、前記感光基板を載置して移動可能な基
    板側ステージと、前記マスク側ステージと前記基板側ス
    テージとを同期して走査する走査手段と、 前記感光基板が走査される方向に交差する方向の複数の
    点を含む複数の計測点の夫々で検出された前記感光基板
    表面の光軸方向の位置に基づいて前記感光基板の面位置
    を検出する面位置検出手段とを備える投影露光装置にお
    いて、 前記面位置検出手段は、前記複数の計測点を複数のグル
    ープに分けるグループ化手段と、前記グループ化手段に
    よってグループ化されたグループ毎に計測値を算出し、
    その計測値に夫々重み係数を掛けて前記感光基板の面位
    置を算出する演算手段と、前記計測点での計測に失敗し
    た場合のエラー処理を選択する選択手段とを備えること
    を特徴とする投影露光装置。
  4. 【請求項4】 前記グループ化手段は、感光基板の露光
    領域内の計測点を、感光基板が走査される方向に交差す
    る方向の座標が略等しい計測点同士をグループとするこ
    とでグループ化を行うものであることを特徴とする請求
    項3記載の投影露光装置。
JP8125055A 1996-05-20 1996-05-20 投影露光装置 Pending JPH09306823A (ja)

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