JPH09306527A - 燃料電池 - Google Patents

燃料電池

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Publication number
JPH09306527A
JPH09306527A JP8119014A JP11901496A JPH09306527A JP H09306527 A JPH09306527 A JP H09306527A JP 8119014 A JP8119014 A JP 8119014A JP 11901496 A JP11901496 A JP 11901496A JP H09306527 A JPH09306527 A JP H09306527A
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JP
Japan
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electrode
fuel
fuel cell
gas
phosphate
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JP8119014A
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English (en)
Inventor
Kentaro Matsunaga
健太郎 松永
Taiji Kogami
泰司 小上
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マトリックス層が電解質のリン酸と反応してリ
ン酸塩を生成することを防止し、高い発電性能を長期に
亘って維持できる燃料電池を提供すること。 【解決手段】単位電池、あるいは単位電池を複数枚積層
してなる電池スタックの燃料極と酸化剤極にそれぞれ燃
料ガスと酸化剤ガスを供給するマニホールドを有する燃
料電池において、電池本体の温度が最も高くなる部位
に、燃料極側に供給される燃料ガス中の水蒸気分圧と酸
化剤極側に供給される酸化剤ガス中の水蒸気分圧とが等
しくなるように、当該電池に供給する酸化剤ガス及び燃
料ガスのいずれか一方、または両方の水蒸気分圧を調節
する調節手段を備えているので、電解質層内部に生じた
珪素イオンの燃料極への移動を防ぎ、これによりガス拡
散電極表面におけるリン酸塩の析出を防ぎ、長期にわた
り優れた特性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リン酸型燃料電池
に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、燃料の有する化学エネルギ
を電気化学プロセスで酸化することにより放出されるエ
ネルギを、直接電気エネルギに変換する装置である。こ
の燃料電池を用いた発電プラントは発電の熱効率が40
〜50%にも達するので、火力発電プラントなどと比較
しても極めて高効率の発電方法として注目されている。
更に負荷変動に対する応答性が良い他、近年社会問題と
されている公害要因であるSOxやNOxの排出量が極
めて少なく、また発電装置内に燃料サイクルを含まない
ので大量の冷却水を必要とせず、しかも振動音が小さい
などの長所を併せ持っているので、その実用化に向けて
の研究・開発が進められている。
【0003】図21は従来の燃料電池の単位電池の模式
図である。同図に示すように、単位電池は、マトリック
ス層に電解質としてのリン酸を含浸・保持している電解
質層1と、この電解質層1を挟んで配置された一対のガ
ス拡散電極、すなわち燃料極2と酸化剤極3とから構成
されている。燃料極2と酸化剤極3は、それぞれ燃料極
2の触媒層4と酸化剤極3の触媒層5を形成した面を電
解質層1に向けて一体化されている。
【0004】一般に、リン酸型燃料電池のマトリックス
層は、炭化珪素などの耐リン酸性の優れた物質の微粒子
を、弗素樹脂などの耐リン酸性の優れたバインダで結着
して形成されている。
【0005】このようなリン酸型燃料電池では、各ガス
拡散電極の触媒形成面の対面から燃料ガスと酸化剤ガス
を供給すると、電気化学的反応により起電力が得られ
る。各電極の触媒層では、それぞれ次のような反応が進
行する。 酸化剤極:1/202 +2H+ +2e- →H2 O 燃料極 :H2 →2H+ +2e-
【0006】ここで、酸化剤極の触媒層で生成した水
は、酸化剤極側へ残りのガス分と共に水蒸気として排出
される他、一部は電解質層を通って燃料極側へ移動した
後に排出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した燃
料電池を高圧高温条件下で長時間運転すると、マトリッ
クス層の構成材料である微粒子(例えば炭化珪素)が、
電解質であるリン酸と僅かずつ反応する結果、微粒子の
一部が陽イオンとなって(例えば珪素イオン)電解質中
に溶出することが分かった。この反応が進行して、電解
質中に溶出した陽イオンの濃度が高くなると、ガス拡散
電極の表面でリン酸塩として析出するようになる。
【0008】マトリックス層の構成材料である微粒子に
炭化珪素を用いた燃料電池において、電極表面にリン酸
塩が生成された電池を調査した結果、リン酸塩の析出
は、特に燃料極側で著しいことが判明した。この電極表
面に析出したリン酸塩は、次のような過程を経て発生し
たものと考えられる。
【0009】(1) 電解質層中の炭化珪素がリン酸中の水
または酸素により酸化されて珪素イオンを生じる。(こ
の反応は、酸化剤が豊富に存在する酸化剤極周辺を中心
に進行する) (2) リン酸中の珪素イオンは、酸化剤極で生成した水と
共に電解質層から燃料極へ移動する。 (3) 燃料極における水の蒸発により珪素イオンの濃度が
上昇する。 (4) 燃料極の表面にて、珪素イオンはリン酸塩として析
出する。
【0010】このようにしてガス拡散電極上に生じたリ
ン酸塩は、生成量の増大に伴い燃料ガス、あるいは酸化
剤ガスの供給を阻害して電池の発電性能を低下させ、甚
だしい場合は電池自体を損傷させる恐れがある。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的はリン酸型燃料電池の運転条件において、
マトリックス層の構成材料である微粒子(炭化珪素な
ど)が、電解質であるリン酸と反応してリン酸塩を生成
することを防止し、高い発電性能を長期に亘って維持で
きる燃料電池を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題に対して、本発
明では次のような解決手段を提供する。本発明の請求項
1は、ガス透過性の電極基材の一方の面に電極触媒層を
有する燃料極及び酸化剤極と、前記両電極の電極触媒層
の間に狭持されるマトリックス層に電解質を含浸して構
成される単位電池あるいは前記単位電池を複数枚積層し
てなる電池スタックと、前記単位電池あるいは電池スタ
ックを構成する各単位電池の燃料極と酸化剤極にそれぞ
れ燃料ガスと酸化剤ガスを供給するマニホールドを有す
る燃料電池において、当該燃料電池本体の温度が最も高
くなる部位では、前記燃料極側に供給される燃料ガス中
の水蒸気分圧と、前記酸化剤極側に供給される酸化剤ガ
ス中の水蒸気分圧とが等しくなるように、当該電池に供
給する酸化剤ガス及び燃料ガスのいずれか一方、または
両方の水蒸気分圧を調節する調節手段を備えたことを特
徴とする。
【0013】本発明の請求項2は、請求項1記載の燃料
電池において、当該燃料電池の最高運転温度を205℃
以下とし、単位電池の電極面上の温度分布における最高
温度と最低温度の温度差を10℃以下とすることを特徴
とする。本発明の請求項3は、請求項1記載の燃料電池
において、電解質層中にリン酸塩からなる薄層を電極触
媒層面に平行に形成することを特徴とする。
【0014】本発明の請求項4は、請求項3記載の燃料
電池において、燃料極及び酸化剤極の電極触媒層上にマ
トリックス層を形成し、このマトリックス層の表面に更
にリン酸塩を塗布した上で電解質であるリン酸を含浸
し、前記両電極を一体化して形成することを特徴とす
る。
【0015】本発明の請求項5は、請求項3記載の燃料
電池において、シート状に成形したマトリックス層の燃
料極に接する側にリン酸塩を塗布した燃料極と酸化剤極
と電解質層を一体化して形成することを特徴とする。
【0016】本発明の請求項6は、請求項3乃至請求項
5記載の燃料電池において、リン酸塩の代替物としてS
iO2 等の酸化物、或いはSi(OH)4 等の水酸化物
を用いることを特徴とする。
【0017】本発明の請求項7は、請求項3乃至請求項
5記載の燃料電池において、リン酸塩の代替物として、
粒径が1ミクロン以下のSiC等の電解質層構成材を用
いることを特徴とする。
【0018】本発明の請求項8は、請求項1記載の燃料
電池において、燃料極及び酸化剤極に供給されるガスの
水蒸気分圧を調整することにより、当該燃料電池の起動
及び停止時における燃料電池の電極に含浸されているリ
ン酸の濃度を85%〜100%とすることを特徴とす
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照して説明する。図1は本発明の第1実施例(請求項
1対応)であるリン酸型燃料電池システムの模式図であ
る。
【0020】同図に示すように、燃料電池本体6には石
油ガスや天然ガスから作られる燃料ガスと空気等の酸化
剤ガスが供給される。このとき、石油ガスや天然ガスな
どの原料から作られる燃料ガスは、燃料処理系7におい
て原料に含まれている硫黄分などの不純物を除き、水蒸
気を加えて水素の富むガスに改質される。精製したガス
の温度や湿度の調整が必要な場合は、余分な熱や水蒸気
を熱交換器8にて回収し、燃料電池本体6において適切
な反応が進行するように制御される。また、空気等は空
気処理系12を経て適切な酸化剤ガスに処理され、燃料
電池本体6に供給される。
【0021】本実施例では熱交換器8における燃料ガス
の温度を、次のように設定する。すなわち、電池本体に
供給する燃料ガスの温度における水の平衡蒸気圧が、電
池内で最も高い温度を示す部分におけるリン酸の平衡水
蒸気分圧と等しくなるようにする。この時、電池内部の
リン酸の濃度は露点計9にて測定される酸化剤ガス(排
気分)中の水蒸気分圧と平衡なリン酸濃度とする。
【0022】電池の温度は電池本体の高温となる部分に
予め取り付けた温度センサ10で感知し、これらの情報
を基にフィードバック系11にて熱交換器8から電池本
体6に供給する燃料ガスの温度を調整する。電池の運転
温度を200℃、電流密度を300mA/cm2 とし、
本実施例の燃料電池システムにより連続運転を行ったと
ころ、電池の温度分布における最高温度は約210℃で
あり、熱交換器8から電池に供給する燃料ガスの露点は
約70℃であった。
【0023】図2は本実施例電池及び従来電池の運転特
性図を示したものである。この図から、従来電池は1万
時間の運転後、約20%の電圧低下を示したが、燃料ガ
スを加湿した本実施例電池の電圧低下は約6%であっ
た。また試験終了後電池表面の観察を行ったところ、従
来電池のガス拡散電極表面にはリン酸塩の生成が確認さ
れたが、本実施例電池では電極表面の変化は見られなか
った。
【0024】上述したように、本実施例電池では、電池
の温度が最も高くなる部位において、電池の燃料極に供
給される燃料ガス中の水蒸気分圧と、酸化剤極側に供給
される酸化剤ガス中の水蒸気分圧とが等しくなるよう
に、熱交換器によって燃料ガス中の水蒸気分圧を調整す
ることにより、ガス拡散電極表面におけるリン酸塩の析
出を防ぎ、長期にわたり優れた特性を得ることができ
た。
【0025】図3は本発明の第2実施例(請求項1対
応)である燃料電池システムの模式図である。同図にお
いて、燃料電池の単位セル14の酸化剤極と燃料極に
は、それぞれ酸化剤ガス(空気)と燃料ガス(水素と二
酸化炭素の混合ガス)が供給されている。電池に供給さ
れる燃料ガスは加湿器13を通すことにより加湿されて
いる。酸化剤ガス及び燃料ガスの配管の電池下流側に
は、電池から排気された各ガス中の水蒸気量を測定する
露点計9a,9bが取り付けられており、この測定値が
同じになるようにフィードバック系11によって加湿器
13の温度を決定している。電池の運転温度を200
℃、電流密度を300mA/cm2 として、加湿器の温
度を60℃とし、本実施例の燃料電池システムにより連
続運転を行ったところ、図4に示すような電池の運転特
性図が得られた。
【0026】この図4から、従来電池は1万時間の運転
後、約20%の電圧低下を示したが、本実施例電池の電
圧低下は約6%であった。また試験終了後電池表面の観
察を行ったところ、従来電池のガス拡散電極表面にはリ
ン酸塩の生成が確認されたが、本実施例電池では電極表
面の変化は見られなかった。
【0027】上述したように、本実施例電池では、電池
の温度が最も高くなる部位において、電池の燃料極に供
給される燃料ガス中の水蒸気分圧と、酸化剤極側に供給
される酸化剤ガス中の水蒸気分圧とが等しくなるよう
に、電池に供給する燃料ガスを加湿することにより、ガ
ス拡散電極表面におけるリン酸塩の析出を防ぎ、長期に
わたる優れた特性を得ることができた。
【0028】本発明の第3実施例(請求項2対応)を図
5乃至図7の燃料電池の各種特性を示す図を参照して説
明する。図5は燃料電池の運転温度とガス拡散電極表面
におけるリン酸塩の析出量との関係を示す特性図であ
る。同図に示すように、210℃を上回るとガス拡散電
極表面におけるリン酸塩の析出量が急激に上昇すること
が分かる。
【0029】ところで、燃料電池を大型化すると、ガス
フローパターンや冷却方法によっては電流密度や温度が
面内で均一にならず、ある程度の分布が生じる。また、
ガス拡散電極表面から揮発するリン酸の回収などの観点
から、意図的に温度勾配を設ける場合もあるが、勾配が
極端に大きくなると、電池の高温部にリン酸塩が集中的
に析出することが確認された。これは電池の高温部で電
解質層に含まれる炭化珪素の酸化反応が促進された他、
電池内部の生成水の循環によって生成した珪素イオンが
高温部に集中し、濃度が上昇したことなどによるものと
思われる。
【0030】図6は燃料電池の平均温度を205℃とし
て、電池に温度分布を設けたときのリン酸塩の析出量を
示す特性図である。この図から高温部と低温部の温度の
差が大きくなるほど、リン酸塩の析出量は大きくなるこ
とが分かる。電池の温度分布を調整するためには、供給
ガスの利用率の調節の他に、予め冷却方法の調整(冷却
板の冷却ラインのセグメント化,冷却水のフローパター
ンの調整など)及びガス供給方法の調整などを行う。
【0031】次に、以上説明した図5及び図6の特性図
に基づき運転平均温度を205℃とし,高温部と低温部
の温度差を10℃以下に調整した燃料電池(本実施例電
池)と、運転平均温度のみを205℃として温度分布の
調整を特に行わない燃料電池(従来電池1)と、更に運
転平均温度を220℃として温度分布の調整を特に行わ
ない燃料電池(従来電池2)をそれぞれ運転し、電池電
圧特性の経時的変化を調べ、その結果を図7に示した。
【0032】この図7に示すように、1万時間の運転
後、温度分布の調整を行わなかった燃料電池(従来電池
1及び従来電池2)では20%以上の電圧低下を示した
が、温度差調整を行った本実施例電池では、電圧低下は
約8%にとどまった。また、温度分布の調整を行わなか
った燃料電池(従来電池1及び従来電池2)ではガス拡
散電極(特に高温部)の表面にリン酸塩の生成が確認さ
れたが、温度分布調整を行った本実施例電池ではリン酸
塩の生成はごく僅かであった。
【0033】上述したように、本実施例電池では、燃料
電池の運転温度を205℃以下とし、面内温度分布にお
ける温度差を10℃以内とすることにより、電解質層の
炭化珪素の酸化、ならびに電極表面におけるリン酸塩の
析出を防ぎ、長期にわたり優れた特性を得ることができ
た。
【0034】図8は本発明の第4実施例(請求項3対
応)である燃料電池の単位電池の模式図である。同図に
示すように、単位電池15は、マトリックス層に電解質
としてのリン酸を含浸・保持している電解質層16と、
この電解質層16を挟んで配置された一対のガス拡散電
極、すなわち燃料極17と酸化剤極18とから構成され
ている。燃料極17と酸化剤極18は、それぞれ燃料極
17の触媒層19と酸化剤極18の触媒層20を形成し
た面を電解質層16に向けて一体化されている。
【0035】本実施例では、電解質層16中に電極触媒
表面に平行にリン酸塩からなる薄層21を形成するため
に、以下の工程を以て単位電池を形成した。すなわち、
燃料電池の酸化剤極触媒層20の表面に、市販の炭化珪
素粒子(LONZA社製、平均粒径1ミクロン)と結着
剤としてのPTFEディスパージョンとを混合してペー
スト状にした混合物を均一の厚みで塗布し、300℃に
て熱処理を行う。形成されたマトリックス層22の表面
にリン酸塩ペーストを刷毛などを用いて均一に塗布した
後、150〜200℃にて加熱し、リン酸塩の薄層21
を形成する。リン酸塩ペーストはシリカ粉末や水酸化珪
素などのリン酸と混合し、150〜200℃で加熱保持
して、シリカ粉末や水酸化珪素などの酸化反応を促進す
ることによって得られる。この時、リン酸と混合する珪
素化合物は、リン酸との反応を容易にするために、でき
るだけ粒径の小さいものを用いることが望ましい。
【0036】更にこの上に、最初に触媒層上に塗布した
ものと同じ炭化珪素とPTFEディスパージョンとを混
合したペーストを塗布したものを均一の厚みで塗布し、
300℃にて熱処理を行いマトリックス層22を得る。
このマトリックス層22に電解質であるリン酸を含浸
し、同様にリン酸を含浸した燃料極と一体化して燃料電
池を形成する。
【0037】上記のごとくして得られた本実施例電池の
運転特性図を図9に示す。比較のために従来電池の運転
特性変化をみると、1万時間の運転後、約20%の電圧
低下を示したが、電解質層中にリン酸塩からなる薄層を
形成した本実施例電池の電圧低下は約8%であった。ま
た試験終了後電池表面の観察を行ったところ、従来電池
のガス拡散電極表面にはリン酸塩の生成が確認された
が、本実施例電池の電極表面には変化は見られなかっ
た。
【0038】上述したように本実施例電池によると、リ
ン酸塩からなる薄層を電解質層中に電極触媒層面に対し
て平行に形成することにより、電極表面におけるリン酸
塩の析出を防ぎ、長期にわたり優れた特性を得ることが
できた。
【0039】図10は本発明の第5実施例(請求項4対
応)である燃料電池の単位電池の模式図である。同図に
示すように、単位電池15は、燃料極17の触媒層19
の表面に電解質としてのリン酸を含浸・保持しているマ
トリックス層22を電解質層とし、また酸化剤極18の
触媒層20の表面に電解質としてのリン酸を含浸・保持
しているマトリックス層22を電解質層とし、両電解質
層合わせて一体化されている。
【0040】次に、本実施例の電解質層の製造方法につ
いて説明する。燃料極触媒層19及び酸化剤極触媒層2
0の表面に、市販の炭化珪素粒子(LONZA社製、平
均粒径1ミクロン)と結着剤としてのPTFEディスパ
ージョンとを混合してペースト状にした混合物を均一の
厚みで塗布し、300℃にて熱処理を行い、マトリック
ス層22を形成する。次に、燃料極に形成されたマトリ
ックス層22の表面に、図8の第4実施例にて記述した
と同様の方法で作成したリン酸塩ペーストを刷毛などを
用いて均一に塗布して、150〜200℃にて加熱し、
リン酸塩の薄層21を形成する。得られた両電極及びマ
トリックス層にリン酸を含浸して電解質層とした後、両
電極を一体化して電池を形成する。このように形成され
たマトリックス層を用いると、電池の内部抵抗が減少す
る。これは、燃料電極とマトリックス層との界面の馴染
みが良くなり、更に燃料極側マトリックス層の表面に塗
布したリン酸塩ペーストが、電池の一体化の際に良好な
結着剤として働いたためであると考えられる。
【0041】上記のごとくして得られた本実施例電池の
運転特性図を図11に示す。比較のために従来電池の運
転特性変化をみると、1万時間の運転後、約20%の電
圧低下を示したが、電解質層中にリン酸塩からなる薄層
を形成した本実施例電池の電圧低下は約7%であった。
また試験終了後電池表面の観察を行ったところ、従来電
池のガス拡散電極表面にはリン酸塩の生成が確認された
が、本実施例電池の電極表面には変化は見られなかっ
た。
【0042】上述したように本実施例電池によると、燃
料極及び酸化剤極の電極触媒層上に電解質層を形成した
後、電解質層の表面に更にリン酸塩を塗布し、両電極を
一体化して形成することにより電極表面におけるリン酸
塩の析出を防ぎ、長期にわたり優れた特性を得ることが
できた。
【0043】図12は本発明の第6実施例(請求項5対
応)である燃料電池の単位電池の模式図である。同図に
示すように、単位電池15は、マトリックス層に電解質
としてのリン酸を含浸・保持している電解質層16と、
この電解質層16を挟んで配置された一対のガス拡散電
極、すなわち燃料極17と酸化剤極18とから構成され
ている。
【0044】本実施例では、市販の炭化珪素粒子(LO
NZA社製、平均粒径1ミクロン)と結着剤としてのP
TFEディスパージョンとを混合してペースト状にした
ものを均一の厚みで圧延したものを、300℃にて焼成
する。これにより、シート状マトリックス23が得られ
る。得られたシート状マトリックス23の片方の面に第
3実施例にて記述したものと同様の方法で作成したリン
酸塩ペーストを刷毛などを用いて均一に塗布した後、1
50〜200℃にて加熱し、リン酸塩の薄層または薄膜
21を形成して電解質層16を得る。電解質層16のリ
ン酸塩を塗布した薄膜21側を燃料極17の触媒層19
に対向させ、シート状マトリックス23を酸化剤極18
の触媒層20に対向させた後、全体を一体化して電池を
形成する。
【0045】本実施例の燃料電池は、リン酸塩による薄
膜21が電解質層16と燃料極17を完全に隔てている
ため、電解質層16のどの部分で生じた珪素イオンも、
直接燃料極17側のガス拡散電極に達することはできな
い。従って、燃料極側の電極への珪素イオンの移動を効
果的に防止することができる。
【0046】上記のごとくして得られた本実施例電池の
運転特性図を図13に示す。比較のために従来電池の運
転特性変化をみると、1万時間の運転後、約20%の電
圧低下を示したが、電解質層中にリン酸塩からなる薄層
を形成した本実施例電池の電圧低下は約7%であった。
また試験終了後電池表面の観察を行ったところ、従来電
池のガス拡散電極表面にはリン酸塩の生成が確認された
が、本実施例電池の電極表面には変化は見られなかっ
た。
【0047】上述したように本実施例電池によると、マ
トリックス層を予めシート状に成形し、シート状マトリ
ックス層の燃料極に接する側にリン酸塩を塗布した後リ
ン酸を含浸し、燃料極及び酸化剤極と電解質層を一体化
して形成することにより、電極表面におけるリン酸塩の
析出を防ぎ、長期にわたり優れた特性を得ることができ
た。
【0048】以上説明した第4実施例乃至第6実施例に
おいては、珪素イオンの移動を防ぐために直接リン酸塩
を塗布してリン酸塩の薄膜を形成した。しかしながら、
上記各実施例で作成されるリン酸塩は粘度が非常に高
く、特に面積の比較的大きい電池を作成する場合には、
平均的な塗布を行うのは工業的に容易ではない。
【0049】以下の実施例では、主として電解質層中に
リン酸塩の薄膜をより容易に形成するようにした燃料電
池について述べる。図14は本発明の第7実施例(請求
項6対応)である燃料電池の単位電池の模式図である。
【0050】同図に示すように、単位電池15は、燃料
極17の触媒層19の表面に電解質としてのリン酸を含
浸・保持しているマトリックス層22を電解質層とし、
また酸化剤極18の触媒層20の表面に電解質としての
リン酸を含浸・保持しているマトリックス層22を電解
質層とし、両電解質層を合わせて一体化して電池とす
る。
【0051】次に、本実施例の電解質層の製造方法につ
いて説明する。上記した第5実施例と同様の方法によ
り、燃料極触媒層19及び酸化剤極触媒層20の表面に
それぞれマトリックス層22を形成する。次に、燃料極
触媒層19上に形成されたマトリックス層22の表面に
シリカまたは珪素の水酸化物を純水と混合してペースト
状にしたものを刷毛などを用いて均一に塗布して、15
0〜200℃にて加熱し、薄膜または薄層24を形成す
る。得られたマトリックス層及び電極にリン酸を含浸し
た後、両電極を一体化して電池を形成する。
【0052】シリカ(SiO2 )等の珪素酸化物或いは
珪素水酸化物(Si(OH)4 等)は、リン酸と速やか
に反応してリン酸塩を形成する。従って、上記製造工程
により形成された薄層はリン酸が含浸され電池として一
体化された後、運転条件まで昇温される過程でリン酸と
反応してリン酸塩の薄層24に変化する。この薄層24
を形成する珪素の酸化物や水酸化物はリン酸との反応を
容易にするために、できるだけ粒径の小さいものを用い
ることが望ましい。さらに上記製造工程記においては、
ペーストの調製時にペーストの粘度など塗布に必要な条
件を調整するためポリエチレングリコールなどの有機溶
剤を適宜混合することもできるが、この場合はリン酸を
含浸するまでに熱処理によって添加した有機溶剤の成分
を分解除去しておくことが必要である。
【0053】上記のごとくして得られた本実施例電池の
運転特性図を図15に示す。比較のために従来電池の運
転特性変化をみると、1万時間の運転後、約20%の電
圧低下を示したが、電解質層中にリン酸塩からなる薄層
を形成した本実施例電池の電圧低下は約7%であった。
また試験終了後電池表面の観察を行ったところ、従来電
池のガス拡散電極表面にはリン酸塩の生成が確認された
が、本実施例電池の電極表面には変化は見られなかっ
た。
【0054】なお、以上説明した本発明の第4実施例乃
至第6実施例の燃料電池において、リン酸塩の代替物と
してSiO2 等の酸化物、或いはSi(OH)4 等の水
酸化物を用いることにより、電極表面におけるリン酸塩
の析出を防ぎ、長期にわたり優れた特性を得ることがで
きた。
【0055】図16は本発明の第8実施例(請求項7対
応)である燃料電池の単位電池の模式図である。同図に
示すように、単位電池15は、燃料極17の触媒層19
の表面に電解質としてのリン酸を含浸・保持しているマ
トリックス層22を電解質層とし、このマトリックス層
22の表面に後記する薄層25を形成する。また、酸化
剤極18の触媒層20の表面に電解質としてのリン酸を
含浸・保持しているマトリックス層22を電解質層と
し、両電解質層合わせて一体化されている。
【0056】次に、本実施例の電解質層の製造方法につ
いて説明する。上記した第5実施例と同様の方法によ
り、燃料極触媒層19及び酸化剤極触媒層20の表面に
それぞれマトリックス層22を形成する。次に、燃料極
触媒層19上に形成されたマトリックス層22の表面
に、平均粒径が0.3ミクロンの炭化珪素とPTFEな
ど弗素樹脂のディスパージョンを混合してペースト状に
したものを、刷毛などを用いて均一に塗布する。このペ
ーストの調製に際しては、弗素樹脂のディスパージョン
の代わりに、ゲル化したリン酸塩、またはシリカや水酸
化珪素の微粉を純水またはリン酸と混合したものなどを
用いることができる。これを300℃にて加熱し、薄膜
または薄層25を形成する。得られたマトリックス層及
び電極にリン酸を含浸した後、両電極を一体化して電池
を形成する。なお、上記実施例では平均粒径が0.3ミ
クロンの炭化珪素を用いているが、粒径が1ミクロンの
炭化珪素以下であれば本実施例と同様な以下の効果があ
る。
【0057】上記のごとくして得られた本実施例電池の
運転特性図を図17に示す。比較のために従来電池の運
転特性変化をみると、1万時間の運転後、約20%の電
圧低下を示したが、電解質層中にリン酸塩からなる薄層
を形成した本実施例電池の電圧低下は約8%であった。
また試験終了後電池表面の観察を行ったところ、従来電
池のガス拡散電極表面にはリン酸塩の生成が確認された
が、本実施例電池の電極表面には変化は見られなかっ
た。
【0058】図18は本発明の第9実施例(請求項8対
応)であるリン酸型燃料電池システムの模式図である。
同図に示すように、燃料電池本体6には石油ガスや天然
ガスから作られる燃料ガスと空気等の酸化剤ガスが供給
されて発電が行われるが、燃料電池を起動する際には、
まず燃料電池本体6に窒素などの不活性ガスを流しなが
ら運転温度まで昇温した後、発電を行う。そのために電
池本体6内に設けた温度センサ10で測定された電池温
度におけるリン酸の平衡蒸気圧と釣り合いを保つように
フィードバック系11によって段階的に調整され、その
指令により加湿器13が制御される。
【0059】次に、本実施例の燃料電池の起動停止操作
を、図20に示す本実施例の燃料電池システムの温度変
化の概略図を参照して説明する。図に示すように、燃料
電池を起動する際には、まず燃料電池本体6に窒素など
の不活性ガスを流しながら運転温度まで昇温した後、発
電を行う。本実施例では、電池温度を50℃(保管時)
から200℃(発電時)まで昇温する際に、電池本体6
へ供給する不活性ガスに加湿器13で加湿を行う。ここ
で電池本体6の燃料極側および酸化剤極側に供給される
不活性ガスの水蒸気分圧は、常に等しい。加湿器13の
温度は、燃料電池本体6内に設けた温度センサ10で測
定された電池温度におけるリン酸の平衡蒸気圧と釣り合
いを保つように、フィードバック系11によって段階的
に調整される。
【0060】本実施例では、昇温開始から発電開始まで
電池本体6内部のリン酸の設定温度を90%〜100%
の間に収めるために、加湿器13の温度を次のように設
定する。すなわち、電池本体6の温度が75℃に達する
までは20℃(90%リン酸の75℃における平衡蒸気
圧を与える)、電池本体6の温度が130℃に達するま
では45℃(95%リン酸の130℃における平衡蒸気
圧を与える)、電池本体の温度が200℃に達するまで
は60℃(100%リン酸の200℃における平衡蒸気
圧を与える)とする。
【0061】また、電池の停止時においても、内部の反
応ガスを不活性ガスで置換した後、起動操作の場合と同
様に、段階的に加湿器の温度を調整しつつ、温度を下げ
ていくようにする。
【0062】上記のごとくして得られた本実施例電池の
運転特性図を図19に示す。100時間おきに起動停止
を50回繰り返したところ、電池内部のリン酸濃度のコ
ントロールを特に行わなかった電池が約30%の電圧低
下を示したのに対し、本実施例電池では電圧低下は約8
%であった。また試験終了後電池表面の観察を行ったと
ころ、電池内部のリン酸濃度のコントロールを特に行わ
なかった電池のガス拡散電極表面にはリン酸塩の生成が
確認されたが、起動停止操作を行った本実施例電池の電
極の表面には、特に変化は見られなかった。
【0063】以上説明したように、本実施例電池では、
電池の燃料極および酸化剤極に供給されるガスの水蒸気
分圧を調整して起動および停止時における燃料電池の電
極、特に燃料極に含浸されているリン酸の濃度を85%
〜100%に保つようにすることにより、電極表面にお
けるリン酸塩の析出を防ぎ、長期にわたり優れた特性を
得ることができた。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
によれば、電池の温度が最も高くなる部位に、電池の燃
料極に供給される燃料ガス中の水蒸気分圧と、酸化剤極
側に供給される酸化剤ガス中の水蒸気分圧とが等しくな
るように、電池に供給する酸化剤ガスおよび燃料ガスの
いずれか、または両者の水蒸気分圧を調節することによ
り、電解質層内部に生じた珪素イオンの燃料極への移動
を防ぎ、これによりガス拡散電極表面におけるリン酸塩
の析出を防ぎ、長期にわたり優れた特性を得ることがで
きる。
【0065】本発明の請求項2によれば、電池の運転温
度を205℃以下とし、面内温度分布における温度差を
10℃以内とすることにより、局所的な温度上昇を抑
え、電解質層の炭化珪素の酸化、ならびに電極表面にお
けるリン酸塩の析出を防ぎ、長期にわたり優れた特性を
得ることができる。
【0066】本発明の請求項3によれば、リン酸塩から
なる薄層を電解質層中に電極触媒層面に対して平行に形
成している。珪素を始めアルミニウムやジルコニア等各
種金属のリン酸塩は、リン酸中ではゲル化して高い粘性
を持つことが知られている。これらにより、予めマトリ
ックス中にゲルによる薄膜を形成し、構成材である微粒
子から溶出した陽イオンの薄膜を越えた移動を防止する
ことにより電極表面におけるリン酸塩の析出を防ぎ、長
期にわたり優れた特性を得ることができる。
【0067】本発明の請求項4によれば、燃料極および
酸化剤極の電極触媒層上にマトリックス層を形成し、マ
トリックス層の表面に更にリン酸塩を塗布した上で電解
質であるリン酸を含浸し、両電極を一体化して形成する
ことにより、電極表面におけるリン酸塩の析出を防ぎ、
長期にわたり優れた特性を得ることができる。
【0068】本発明の請求項5によれば、マトリックス
層を予めシート状に成形し、シート状マトリックス層の
燃料極に接する側にリン酸塩を塗布した後リン酸を含浸
し、燃料極および酸化剤極と電解質層を一体化して形成
することにより、電極表面におけるリン酸塩の析出を防
ぎ、長期にわたり優れた特性を得ることができる。
【0069】本発明の請求項6によれば、リン酸塩の代
替物としてSiO2 等の酸化物、或いはSi(OH)4
等の水酸化物を用いている。これらの代替物は、リン酸
塩よりも塗布などの製造工程で取扱い易く、電池を一体
化する際にリン酸と反応してリン酸塩を形成することに
より、電極表面におけるリン酸塩の析出を防ぎ、長期に
わたり優れた特性を得ることができる。
【0070】本発明の請求項7によれば、リン酸塩の代
替物として、粒径が1ミクロン以下のSiCなどの電解
質層構成材を用いる。微粒子の粒径が小さいほど、電解
質であるリン酸との反応速度は大きくなるため、粒径が
1ミクロン以下の粒子は、マトリックス層の主な構成材
である微粒子よりも短い運転時間でリン酸塩を形成し、
陽イオンの電極板表面への移動を防止する。また薄膜形
成部の平均気孔径が小さくなることにより、生成したゲ
ル状リン酸塩が移動しにくい効果を持つ。これにより、
電解質層中に生成した陽イオンの移動を抑制して、電極
表面におけるリン酸塩の析出を防ぎ長期にわたり優れた
特性を得ることができる。
【0071】本発明の請求項8によれば、電池の燃料極
および酸化剤極に供給されるガスの水蒸気分圧を調整し
て、起動および停止時における燃料電池の電極、特に燃
料極に含浸されているリン酸の濃度を85%〜100%
に保つものである。起動・停止時には、電池に含浸され
ているリン酸の濃度および濃度が大きく変化するため、
リン酸の体積変化が著しい。これに伴い電解質中に溶出
した陽イオンの移動も促進される。この時のリン酸の体
積変化を極力抑えることにより、陽イオンの移動を抑制
して、電極表面におけるリン酸塩の生成を防ぎ、長期に
わたり優れた特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である燃料電池システムの
模式図。
【図2】図1の燃料電池と従来電池の運転特性図。
【図3】本発明の第2実施例である燃料電池システムの
模式図。
【図4】図3の燃料電池と従来電池の運転特性図。
【図5】本発明の燃料電池の運転温度とリン酸塩の析出
量との関係を示す特性図。
【図6】本発明の燃料電池内の温度勾配の大きさとリン
酸塩の析出量との関係を示す特性図。
【図7】本発明の第3実施例の燃料電池と従来電池の運
転特性図。
【図8】本発明の第4実施例である燃料電池の単位電池
の模式図。
【図9】図8の燃料電池と従来電池の運転特性図。
【図10】本発明の第5実施例である燃料電池の単位電
池の模式図。
【図11】図10の燃料電池と従来電池の運転特性図。
【図12】本発明の第6実施例である燃料電池の単位電
池の模式図。
【図13】図12の燃料電池と従来電池の運転特性図。
【図14】本発明の第7実施例である燃料電池の単位電
池の模式図。
【図15】図14の燃料電池と従来電池の運転特性図。
【図16】本発明の第8実施例である燃料電池の単位電
池の模式図。
【図17】図16の燃料電池と従来電池の運転特性図。
【図18】本発明の第9実施例である燃料電池システム
の模式図。
【図19】図18の燃料電池と従来電池の運転特性図。
【図20】図18の燃料電池システムの起動・停止操作
時の温度特性図。
【図21】従来のリン酸型燃料電池の単位電池の模式
図。
【符号の説明】
1…電解質層、2…燃料極、3…酸化剤極、4…燃料極
の触媒層、5…酸化剤極の触媒層、6…燃料電池本体、
7…燃料処理系、8…熱交換器、9,9a,9b…露点
計、10…温度センサ、11…フィードバック系、12
…空気処理系、14…燃料電池の単位電池、13…加湿
器、15…燃料電池の単位電池、16…電解質層、17
…燃料極、18…酸化剤極、19…燃料極の触媒層、2
0…酸化剤極の触媒層、21…リン酸塩の薄層、22…
マトリックス層、23…シート状マトリックス、24…
シリカ(珪素の水酸化物)の薄膜、25…粒径の小さい
炭化珪素の薄膜。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス透過性の電極基材の一方の面に電極
    触媒層を有する燃料極及び酸化剤極と、前記両電極の電
    極触媒層の間に狭持されるマトリックス層に電解質を含
    浸して構成される単位電池あるいは前記単位電池を複数
    枚積層してなる電池スタックと、前記単位電池あるいは
    電池スタックを構成する各単位電池の燃料極と酸化剤極
    にそれぞれ燃料ガスと酸化剤ガスを供給するマニホール
    ドを有する燃料電池において、当該燃料電池本体の温度
    が最も高くなる部位では、前記燃料極側に供給される燃
    料ガス中の水蒸気分圧と、前記酸化剤極側に供給される
    酸化剤ガス中の水蒸気分圧とが等しくなるように、当該
    電池に供給する酸化剤ガス及び燃料ガスのいずれか一
    方、または両方の水蒸気分圧を調節する調節手段を備え
    たことを特徴とする燃料電池。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の燃料電池において、当該
    燃料電池の最高運転温度を205℃以下とし、単位電池
    の電極面上の温度分布における最高温度と最低温度の温
    度差を10℃以下とすることを特徴とする燃料電池。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の燃料電池において、電解
    質層中にリン酸塩からなる薄層を電極触媒層面に平行に
    形成することを特徴とする燃料電池。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の燃料電池において、燃料
    極及び酸化剤極の電極触媒層上にマトリックス層を形成
    し、このマトリックス層の表面に更にリン酸塩を塗布し
    た上で電解質であるリン酸を含浸し、前記両電極を一体
    化して形成することを特徴とする燃料電池。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の燃料電池において、シー
    ト状に成形したマトリックス層の燃料極に接する側にリ
    ン酸塩を塗布した燃料極と酸化剤極と電解質層を一体化
    して形成することを特徴とする燃料電池。
  6. 【請求項6】 請求項3乃至請求項5記載の燃料電池に
    おいて、リン酸塩の代替物としてSiO2 等の酸化物、
    或いはSi(OH)4 等の水酸化物を用いることを特徴
    とする燃料電池。
  7. 【請求項7】 請求項3乃至請求項5記載の燃料電池に
    おいて、リン酸塩の代替物として、粒径が1ミクロン以
    下のSiC等の電解質層構成材を用いることを特徴とす
    る燃料電池。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の燃料電池において、燃料
    極及び酸化剤極に供給されるガスの水蒸気分圧を調整す
    ることにより、当該燃料電池の起動及び停止時における
    燃料電池の電極に含浸されているリン酸の濃度を85%
    〜100%とすることを特徴とする燃料電池。
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