JPH09303235A - 燃料噴射弁 - Google Patents

燃料噴射弁

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JPH09303235A
JPH09303235A JP12070196A JP12070196A JPH09303235A JP H09303235 A JPH09303235 A JP H09303235A JP 12070196 A JP12070196 A JP 12070196A JP 12070196 A JP12070196 A JP 12070196A JP H09303235 A JPH09303235 A JP H09303235A
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石川  亨
Yoshiyuki Tanabe
好之 田辺
Yasuo Namaizawa
保夫 生井沢
Okiyuki Shibata
興志 柴田
Yoshio Okamoto
良雄 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚れに強くしかも短時間に燃料噴霧と吸入空
気との混合(均質化)を図り、筒内燃料噴射システムに
適した燃料噴射弁を提供する。 【解決手段】 内燃機関の気筒内に燃料を直接噴射する
筒内噴射用の燃料噴射弁において、燃料噴孔9上流に設
けたスワラー13により燃料に旋回力を与えて燃料噴射
する燃料旋回式であって、スワラー13に旋回噴霧形成
用のオフセット流路26の他にその旋回噴霧(スワール
噴霧)の内側を充たす噴霧(旋回あるいは未旋回)を形
成するための燃料通路27を設ける。例えば、通路2
6,27はオフセット量が異なるか溝幅あるいは溝深さ
等が異なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の燃料噴射
弁(インジェクタ)に係わり、特に気筒(燃焼室)内に
燃料を直接噴射する筒内噴射システムのエンジンに適し
た燃料噴射弁に関する。
【0002】
【従来の技術】筒内噴射システムは、気筒内に燃料を直
接噴射するために、吸気管壁に燃料が付着することがな
く、効率の良い燃焼を保証し出力向上と排気浄化を図り
得る。
【0003】最近では、筒内噴射システムの課題とされ
ていた燃料噴射弁の耐熱性,耐圧性,応答性といった点
が改善されてきたため、筒内噴射システムが実用化され
つつある。
【0004】耐圧性の点については、エンジンの気筒内
は爆発圧力により最大で70kg/cm2程度と高圧に
なるため、この気筒内圧力が噴射弁の戻しばね圧をはる
かに勝って弁が誤って開く問題があったが、最近では燃
料供給用の高圧ポンプの改良により燃圧を高くして、こ
の燃圧と戻しばねの力の協働により上記爆発圧力に勝る
弁閉力を燃料噴射弁にかけることが可能となり、上記の
弁誤動作の問題を解消できた。また、燃圧を向上させた
結果、必要な燃料噴射量を吸気行程といった極めて限ら
れた時間内であっても充分に供給でき、上記応答性につ
いての要求にも応えられる。
【0005】従来の筒内噴射システムの燃料噴射弁とし
ては、例えば、特開平5ー33739号公報に記載のも
のがある。
【0006】この従来技術は、気筒に設置した噴射ノズ
ルの噴孔下流にスワールチャンバを設け、このスワール
チャンバ内にアシストエアを接線方向に噴出させて旋回
空気流を発生させ(アシストエアは噴射ノズルとその外
側のカバーとの間に形成したエア室及びエア噴出孔を介
してスワールチャンバ内に噴出する)、この旋回空気流
を利用して噴孔から噴射される燃料を旋回させて気筒内
に直接送り込んでいる。
【0007】また、特開平6ー221249号の筒内燃
料噴射システムでは、1つの燃焼室につき2本の燃料噴
射弁を設け、一方の燃料噴射弁の噴霧角を他方のインジ
ェクタの噴霧角に比較し広角に設定すると共に、その狭
角側の燃料噴射弁を広角側燃料噴射弁に比較して点火プ
ラグに近付けて配置し、狭角側インジェクタは少なくと
も軽負荷域で、広角側インジェクタは高負荷域で使用し
て、燃焼効率を高める技術が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】筒内燃料噴射システム
では、気筒内で噴射される燃料を吸入行程時に限って気
筒内に流入する吸入空気と素早く混ぜる必要があるの
で、その時間的な制約から、燃料が噴射されるたびに、
その噴射初期から燃料噴霧ができるだけ噴射角範囲内に
まんべんなく噴霧されていることが望まれる。
【0009】従来の燃料噴射弁のうち、ピントル式の場
合にはコーン状に広がりもった燃料噴霧でも噴霧の一部
が内側に巻き込むために、噴霧の均一拡散が期待でき
る。ただし、燃料噴霧に広がりを持たせるために、ピン
トル・流路壁間の噴口面積(環状隙間)を狭くする必要
があった。このようなピントル式の燃料噴射弁は噴口に
汚れが付着すると目づまりしやすいので、カーボンが生
じる気筒内に設置する筒内噴射方式には採用し難い。
【0010】一方、燃料噴孔の上流に燃料旋回子(スワ
ラー)を設置して、旋回燃料を噴射させるスワール方式
の燃料噴射システムでは、噴口がピントル方式のように
狭くなく、汚れに対して目づまりが生じにくいので、そ
の点からすれば筒内噴射方式に適したものといえる。た
だし、旋回燃料噴霧は中空になり易いので、噴霧が外側
にかたよってしまうため、これを改善して、噴射初期か
ら(噴口から出た直後から)燃料噴霧の均一拡散を図る
ような改善が望まれる。
【0011】本発明は以上の点に鑑みてなされ、その目
的は、汚れに強くしかも短時間に燃料噴霧と吸入空気と
の混合(均質化)を図り、筒内燃料噴射システムに適し
た燃料噴射弁を提供することにある。
【0012】また、筒内で噴射される燃料噴霧を所望の
噴霧方向に簡単に規制できる燃料噴射弁をも提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は基本的には次の
ように構成する。
【0014】すなわち、内燃機関の気筒内に燃料を直接
噴射する筒内噴射用の燃料噴射弁において、燃料噴孔上
流に設けた燃料旋回子により燃料に旋回力を与えて燃料
噴射する燃料旋回式であって、旋回(渦回)する燃料噴
霧を中実化する手段を備えたことを特徴とする(これを
第1の課題解決手段とする)。
【0015】旋回する燃料噴霧を中実化するためには、
例えば、燃料旋回子に旋回噴霧形成用の燃料通路の他に
その旋回噴霧(スワール噴霧)の内側を充たす噴霧を形
成するための燃料通路を設けたり、或いは燃料旋回子
に、旋回力が異なる燃料流を形成するための少なくとも
2種以上の旋回噴霧形成用の燃料通路を設ける。
【0016】なお、燃料旋回子の代表的なものとして、
オフセット流路を有するチップがあるが、このチップへ
燃料噴霧の旋回と中実化を実現させるために形成する燃
料通路の具体的態様については、発明の実施の形態の項
で述べる。
【0017】また、内燃機関の気筒内に燃料を直接噴射
する筒内式の燃料噴射弁であって、噴射する燃料噴霧が
旋回流(スワール流,渦回流とも称する)になるような
燃料の流れを噴孔上流の燃料通路で形成する燃料旋回子
を備え、且つ前記噴孔の周辺空間を覆うノズルカバーが
噴射弁本体先端に設けてあり、この噴射弁本体先端に燃
料噴霧の一部を衝突させて噴霧方向を規制する噴霧通過
口が形成してあるものを提案する(これを第2の課題解
決手段とする)。
【0018】第1の課題解決手段によれば、噴孔(燃料
噴射口)から噴射される旋回状の燃料噴霧であっても、
噴射初期から中実の噴霧性状となるために、筒内での燃
料噴霧の均一拡散を短時間で可能とし、筒内噴射システ
ムで要求される高応答性の燃料供給を実現できる。ま
た、本発明に係る燃料噴射弁は、噴口上流設置方式の燃
料旋回子を採用しているために、既述のように噴口を比
較的裕度をもって形成できるので、目づまりしにくく、
筒内噴射システムに適している。
【0019】第2の課題解決手段によれば、次のような
作用が期待できる。
【0020】すなわち、通常、内燃機関の吸気管におい
ては、種々の機構が装着されること及び吸気管の形状に
起因して吸入空気流に渦流(スワール流),乱流(タン
ブル流)等が生じ、それにより内燃機関の気筒内部に流
入する吸入空気にもその機関特有の空気流動が気筒内で
生じる。この空気流動に合わせて最適燃料噴霧方向(す
なわち気筒内の燃料噴霧の良好な拡散・混合が可能にな
る燃料噴霧方向)を設定できれば、吸気管の種々の機構
の付加及び形状の複雑化に対処できる。
【0021】第2の課題解決手段では、噴射された燃料
噴霧の一部がノズルカバーの噴霧通過口の周辺に一部が
衝突することで、噴霧通過口を通る噴霧方向を強制的に
方向をかえて気筒内の空気流動に対応した最適方向に設
定することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を用い
て説明する。
【0023】図1は、本発明の適用対象となる筒内噴射
用の燃料旋回式の燃料噴射弁で、アクチュエータとして
ソレノイドを用いたものを例示している。
【0024】図1に示すように、燃料噴射弁(噴射弁本
体)1は、アクチュエータの磁気回路要素として固定鉄
心(コア)2,ケース(ヨーク)3、プランジャ4を備
える。
【0025】コア2は中空筒体で、その内部に燃料通路
15が形成され、通路15の燃料流入側端部(コア一
端)にフィルタ16が設けてある。コア2の他端には、
プランジャ4のリターンスプリング8が嵌装され、この
スプリング8によってプランジャ4が弁閉方向(シート
面7方向)に付勢されている。コア2内部には、スプリ
ング8のばね力を調整するための中空のアジャストスク
リュー17が内挿されている。
【0026】コア2はターミナル12を埋設したモール
ド樹脂成形体40とケース3内部にかけて内挿してあ
り、コア2とケース3の間には、磁気回路を励磁するた
めの電磁コイル10がボビン9及び外装モールド11で
覆われて内挿されている。外装モールド11は、コイル
10を保護し及びリーク電流を防止する。コイル10に
は、ターミナル12を介して駆動用の電気信号が印加さ
れる。
【0027】プランジャ4は、その一部が中空となって
燃料通路18を確保し、また、その一端にボール弁5が
結合してあり、燃料通路18側がケース3内の燃料通路
42内に位置し、ボール弁5側が噴射弁本体先端(ケー
ス下端)に装着したノズルボディ6内に位置するように
セットされる。また、ケース3内にはプランジャ4の吸
引方向の動作を規制するストッパ42が設けてある。
【0028】ノズルボディ6内には、シート面7と、シ
ート7面周辺のノズルボディ内底に固定配置された燃料
旋回子(以下、スワラーと称する)13が設けてある。
コイルの無励磁には、スプリング8の力を受けてボール
弁5がシート面7に接触して閉弁状態となる。ノズルボ
ディ6の底部には、シート面7と連続して、燃料噴孔
(オリフィス)19が設けてある。14は燃料がコイル
組立体側に流入するのを防止するシールリングである。
【0029】プランジャ4のストローク動作はシールリ
ング14内周によりガイドされる。
【0030】ここで、スワラー13の具体的態様の説明
に先立ち、燃料噴射弁1の基本動作を説明する。
【0031】コイル10に電気信号が印加されると、コ
ア2,ケース3,プランジャ4で磁気回路が形成され、
プランジャ4がシーリング14にガイドされ、コア2側
に吸引される。また、ボール弁5もプランジャ4と共に
スワラー13内周にガイドされて移動し、ノズルボディ
6のシート面7から離れ、開弁する。プランジャ4の移
動は、ストッパ42によつて規制され、ボール弁5とシ
ート面7の間には、所望の開口面積の環状隙間ができ
る。
【0032】燃料は、図示しない燃料ポンプ、燃圧レギ
ュレータ及びアキュームレータ等の配管機器を経由し
て、コア2の燃料通路15に供給される。該燃料は、コ
ア2に具備されたフィルタ16及びアジャストスクリュ
ー(スプリング力調整部材)17,プランジャ4の燃料
通路18を通り、ケース内部41,ノズルボディ6内部
を経てスワラー13に至る。スワラー13を通過する燃
料は、スワラー13により所望の旋回力が付加され、シ
ート面7、オリフィス19を通って、内燃機関の気筒に
直接,筒内噴射される。
【0033】次に図2〜図9により本発明に係わるスワ
ラー13の各種態様について説明する。
【0034】図2,図3は第1の実施形態で、図2は本
例のスワラーの縦断面図(図3のB−B断面図)、図3
はその下面図(図2のA−A矢視図)である。
【0035】本例のスワラー13は、ノズルボディ6の
噴孔19上流に内装されるドーナッツ型のチップ形状を
なす。チップ(スワラー)13は、下面が扁平で、外側
面四方に面取り13Aが形成され、この面取り13Aに
よりチップ外側面(面取り13Aとノズルボディ6内周
との間)に燃料流路23が確保してある。また、チップ
下面には、図3に示すように、チップ中心に対するオフ
セット量(偏心量)が異なる2種類以上(ここでは2種
類で、各種ごとに2本用意され、同じ種類のものが18
0°配置となるようにして四方に配置してある)の溝状
のオフセット流路26,27が設けられている。チップ
内周には、ボール弁(弁体)5が嵌装される。50はチ
ップコーナ上面を角取りしたものである。
【0036】ボール弁5がシートから離れた時にチップ
外側面に確保した流路23からチップ下面に設けたオフ
セット流路26,27を通してチップ内周に燃料を導
き、このチップ内周で燃料流に旋回力を付与するように
してある。
【0037】オフセット流路26,27のオフセット量
を変えることにより、燃料旋回力の異なる2種類のスワ
ラー流路(オフセット流路)26、27が構成される。
【0038】オフセット流路(旋回噴霧形成用の燃料通
路)26,27のオフセット量は、流路26>27の関
係にある。流路26,27の溝幅,溝深さは同一で、オ
フセット量だけを異ならせて、それぞれの噴霧角(旋回
の広がり),粒径をオフセット流路だけで決定するよう
にしてある。
【0039】ノズルオリフィス19より噴射する燃料噴
霧(旋回噴霧)の噴霧角は、旋回力の大きなオフセット
流路26を経て噴射する燃料の方が、オフセット流路2
7側のものよりも大きい。したがって、オフセット流路
26を通り噴射された中空噴霧の内部をオフセット流路
27を通って噴射された燃料が埋める(充たす)形とな
り、燃料噴霧が中実化(噴霧角全体にわたり噴霧密度が
略均一化)される。
【0040】本スワラー13から噴射される燃料噴霧の
形態を図4に示す。図4に示す噴霧において、外側の噴
霧28は、溝オフセット量の大きなオフセット流路26
を通して噴射されるもので、内側の噴霧29がオフセッ
ト流路27を通して噴射されるものである。本実施形態
によれば噴霧初期(ノズル6から噴霧が出た直後)から
旋回流が噴射されて、良好な噴霧角・粒径が得られると
共に、燃料噴霧の中実化を図ることができ、筒内での燃
料と吸入空気との混合・拡散の時間の短縮を図り、エン
ジン応答性を早めることが可能となる。
【0041】図5にスワラー13の第2の実施形態を示
す。図5(a)は本例のスワラ13の下面図、(b)は
そのB−B縦断面図である。
【0042】本例は、チップ下面に溝幅,深さの少なく
とも一つが異なる2種類以上のオフセット流路30,3
1を設ける。ここでは、溝30,31のチップ中心に対
するオフセット量は同等としてある。
【0043】本実施形態においても、溝30,31によ
り、スワラ13ーには、旋回力が異なる燃料流を形成さ
れる。すなわち溝30,31は2種以上の旋回噴霧形成
用の燃料通路となる。
【0044】ここで、燃料に付加する旋回力は、数1式
に示すスワール数Sという指標で表される。
【0045】
【数1】
【0046】ここで、Ls;溝偏心量(オフセット
量)、W;溝幅、H;溝深さ、do;オリフィス径、
n;溝の数である。上記の式の様に、オフセット流路3
0、31の溝幅・深さを制御することで、燃料の旋回力
を変化させることができる。
【0047】噴霧の形態については、前記図4と同じで
ある。
【0048】図6にスワラー13の第3の実施形態の下
面図を示す。
【0049】本例では、スワラー13のチップ下面に旋
回噴霧形成用(旋回力付加用)のオフセット流路22を
設けるほかに、チップ内周には、その上下面を貫通する
縦型流路32が設けてある。
【0050】本実施形態では、各オフセット流路22
は、同一の燃料旋回力を有するもので、そのオフセット
量により燃料の旋回力は、任意に設定可能である。ま
た、縦溝32が溝22から噴射される旋回噴霧の内側を
充たす噴霧を形成するための燃料通路を構成する。
【0051】図7にその噴霧形態を示す。スワラー13
から噴射される燃料噴霧は、図7に示す如く、外側の噴
霧はオフセット流路22よりつくられる旋回噴霧で、そ
の内側を埋める噴霧33は、縦溝32を流れて噴射され
た燃料が大半をしめる。このようにして燃料噴霧は中実
化される。
【0052】なお、縦溝32の数はオフセット流路22
に対する流量バランスをとるためオフセット流路22と
同数か1/2にするのが好ましい。
【0053】図8にスワラー13の第4実施形態を示
す。図8(a)はその装着状態を示す縦断面図、(b)
は(a)のA−A矢視図、(c)は(b)のB−B縦断
面図である。
【0054】本実施形態では、スワラー13のチップ下
面にオフセット流路22を設ける他に、チップ内周に
は、ボール弁5との間の容積を増大させるための環状溝
(一種のスワラチャンバ)21をオフセット流路22と
連通させて設けた。
【0055】本例でもスワラー13上部に供給された燃
料は、スワラー13外側面に確保された流路23を通
り、オフセット流路22に流入し、旋回力が付加され、
ボール弁5とシート面7に形成された環状隙間を通り、
オリフィス9から内燃機関に噴射される。噴霧の形態に
ついては、図9に示す。
【0056】図9に示す噴霧は、未旋回燃料部24及び
旋回燃料部25から構成されている。未旋回燃料部24
は、スワラー13の内周(チップ内周)に設けた環状溝
21にに溜っていた燃料が、噴射開始直後にオフセット
流路22を流れてきた燃料に押し出されたもので、噴霧
には旋回力が作用せず、鉛直方向に噴射それる。図6
は、噴射開始数msec後の図であり、未旋回燃料部2
4の噴霧が噴射された直後、オフセット流路22を通っ
た旋回流が噴射され、未旋回燃料部24に旋回燃料部2
5が追いつき、略中実の噴霧を形成する。
【0057】該噴霧の角度,流径は、旋回燃料部25が
決定する。
【0058】本燃料噴射弁1は、以上の様にスワラー1
3の形状を各種工夫することで、内燃機関の所望する噴
霧を安定的に供給することができる。
【0059】図10にて、噴霧の方向性を制御する手段
の一例について説明する。図10の(a)は本実施形態
の要部断面図、(b)はその下面図である。
【0060】本例では、燃料旋回子を内挿したノズルボ
ディ6の噴孔19周辺を覆うノズルカバー20が噴射弁
本体1先端(ノズルボディ6)に微小空隙Gを介在させ
て設けてあり、このノズルカバー20の先端面に燃料噴
霧の一部を衝突させて噴霧方向を規制する噴霧通過口3
4が設けてある。この噴霧通過口34は、図10(b)
に示すように半月状の開口にしてある。
【0061】スワラー13で旋回力を付加された燃料
は、オリフィス19を通り、オリフィス19出口直後
に、ノズルボディ6に固定されたノズルカバー20と衝
突する。衝突した燃料は、該カバー20の開口部34の
方向に流れ、内燃機関に噴射される。該カバー20を用
いることで内燃機関の所望する噴霧方向に燃料を噴射で
き、且つ、多少の形状を制御でき、良好な排ガス性能、
スモーク(黒煙=カーボン)の低減等を可能にする。
【0062】特に内燃機関の吸気管においては、種々の
機構が装着されること及び吸気管の形状に起因して吸入
空気流にスワール流,タンブル流等が生じ、それにより
内燃機関の気筒内部に流入する吸入空気にもその機関特
有の空気流動が気筒内で生じる。本実施形態では、この
空気流動に合わせて最適燃料噴霧方向(すなわち気筒内
の燃料噴霧の良好な拡散・混合が可能になる燃料噴霧方
向)を容易に設定できる。
【0063】また、図13に示すように、燃料噴射弁を
内燃機関の吸気弁60近くに設置しても、ノズルオリフ
ィス19から気筒内へ噴射される燃料噴霧が吸気弁60
にかかることを防止できる。このノズルカバー20がな
いと、燃料噴霧の一部が吸気弁にかかる。
【0064】該燃料噴射弁1に要求される噴射角を図1
1、12を例に説明する。
【0065】内燃機関の気筒内に直接燃料を噴射するシ
ステム(筒内噴射システム)において、代表的な性能と
して図11に示す様なスモーク性能がある。該スモーク
性能において、吸気弁形状・位置、吸気管形状、ピスト
ン冠面形状及び噴射タイミング等の諸条件に影響される
最適な噴射角が存在する。その範囲は、実験結果によ
り、おおむね30°〜90°範囲である。また、噴射弁
の重要な性能である粒径において、筒内噴射システムに
使用される高圧噴射では、噴射角が30°以上でほぼ一
定になる傾向がある。噴射角が広すぎると該燃料噴射弁
1の内燃機関への取付位置によっては、吸気弁又はプラ
グと噴霧が衝突し、燃料を悪化させるため、90°以下
におさえる必要がある。図14に噴射角が略90°に設
定したものを例示する。なお、図中、60は吸気弁、6
1は気筒、62は排気弁、63は点火プラグである。以
上の例によっても、噴射角は、30°〜90°が最適で
ある。
【0066】この噴射角の30°〜90°は、既述した
第1〜第4の実施形態のスワラー13によって形成され
る外側の燃料噴霧に適用する他に、1種類の旋回噴霧流
(中空化された噴霧流)にも適用可能である。
【0067】また、第1〜第4の実施形態のオフセット
流路26,27,30,31,22,縦溝32,環状溝
21を任意に組み合わせても、上記の実施形態同様に筒
内噴射システムに適した高応答性の燃料噴射弁を実現す
ることができる。
【0068】
【発明の効果】第1の課題解決手段によれば、旋回方式
の燃料噴霧の中実化を図ることで、筒内式噴射システム
に適用する場合でも、気筒内に噴射される燃料は噴射初
期から噴霧広がりの範囲内でまんべんなくいきわたり、
しかも少なくとも外側の燃料噴霧は旋回流が保持される
ので、旋回流と偏りのない燃料噴霧によって気筒内での
混合気形成を今までよりも素早く行うことができる。そ
の結果、筒内噴射方式内燃機関の混合気形成の応答性を
高め、内燃機関の性能を向上させることができる。特
に、周囲の雰囲気(圧力、温度)が変化する状況におい
ても、それに適合した噴霧が得られる。
【0069】第2の課題解決手段によれば、筒内で噴射
される燃料噴霧を所望の噴霧方向に簡単に規制できる。
その結果、この空気流動に合わせて最適燃料噴霧方向
(すなわち気筒内の燃料噴霧の良好な拡散・混合が可能
になる燃料噴霧方向)を設定でき、吸気管の種々の機構
の付加及び形状の複雑化を回避できる。また、燃料噴霧
の一部が吸気弁にかかることを防いで、効率を高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用対象となる燃料噴射弁に係る全体
断面図。
【図2】本発明の第1の実施形態における一部詳細図
(図2のB−B断面図)である。
【図3】図2のA−A矢視図(下面図)。
【図4】第1の実施形態の燃料噴霧形態を示す図。
【図5】(a)は本発明の第2の実施形態に用いるスワ
ラーの下面図、(b)はそのB−B断面図。
【図6】本発明の第3の実施形態に用いるスワラーの下
面図。
【図7】第3の実施形態の燃料噴霧形態を示す図。
【図8】(a)は本発明の第4の実施形態を示す要部断
面図、(b)はそのうちのスワラーをA−A方向からみ
た矢視図、(c)は(b)のB−B断面図。
【図9】第4の実施形態の噴霧形態を示す図。
【図10】(a)は本発明の第5実施形態を示す要部断
面図、(b)はその下面図。
【図11】燃料の噴射角−スモーク特性の実験結果を示
す図。
【図12】燃料の噴射角と粒径の関係の実験結果を示す
図。
【図13】本発明の第5実施形態の動作例を示す図。
【図14】本発明の適用対象となる燃料噴射弁の燃料噴
射状態を示す図。
【符号の説明】
1……燃料噴射弁、5……ボール弁(弁体)、6……ノ
ズルボディ、7…弁シート、13……スワラー、19…
噴孔、20…カバー、21…環状溝、22,26,2
7,30,31…オフセット流路、32…縦溝、34…
燃料通過口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 興志 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 岡本 良雄 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の気筒内に燃料を直接噴射する
    筒内噴射用の燃料噴射弁において、燃料噴孔上流に設け
    た燃料旋回子により燃料に旋回力を与えて燃料噴射する
    燃料旋回式であって、旋回する燃料噴霧を中実化する手
    段を備えたことを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】 内燃機関の気筒内に燃料を直接噴射する
    筒内式の燃料噴射弁であって、噴射する燃料噴霧が旋回
    流になるような燃料の流れを燃料噴孔上流の燃料通路で
    形成する燃料旋回子を備え、この燃料旋回子には、前記
    旋回噴霧形成用の燃料通路の他にその旋回噴霧の内側を
    充たす噴霧を形成するための燃料通路が設けてあること
    を特徴とする燃料噴射弁。
  3. 【請求項3】 内燃機関の気筒内に燃料を直接噴射する
    筒内式の燃料噴射弁であって、噴射する燃料噴霧が旋回
    流になるような燃料の流れを燃料噴孔上流の燃料通路で
    形成する燃料旋回子を備え、この燃料旋回子には、旋回
    力が異なる燃料流を形成するための少なくとも2種以上
    の旋回噴霧形成用の燃料通路が設けてあることを特徴と
    する燃料噴射弁。
  4. 【請求項4】 前記2種以上の旋回噴霧形成用の燃料通
    路の一方の燃料通路は燃料噴射角が30°〜90°とな
    るような旋回力を燃料流に付与し、他方の燃料通路は前
    記一方の燃料通路で設定した燃料噴射角より小さな燃料
    噴射角となるような旋回力を燃料流に付与する請求項3
    記載の燃料噴射弁。
  5. 【請求項5】 燃料噴孔上流に燃料旋回子を設けて、噴
    射する燃料噴霧が旋回流になるような燃料の流れを噴射
    前に形成する燃料旋回式の燃料噴射弁において、 前記燃料旋回子は、ノズルボディの燃料噴孔上流に内装
    されるドーナッツ型のチップで、内周に弁体が嵌装さ
    れ、前記弁体がシートから離れた時にチップ外側面に確
    保した流路からチップ下面に設けたオフセット流路を通
    してチップ内周に燃料を導き、このチップ内周で旋回燃
    料流を発生させるようにしてあり、 前記チップ下面には、チップ中心に対するオフセット量
    が異なる2種類以上のオフセット流路が設けられている
    ことを特徴とする燃料噴射弁。
  6. 【請求項6】 燃料噴孔上流に燃料旋回子を設けて、噴
    射する燃料噴霧が旋回流になるような燃料の流れを噴射
    前に形成する燃料旋回式の燃料噴射弁において、 前記燃料旋回子は、ノズルボディの燃料噴孔上流に内装
    されるドーナッツ型のチップで、内周に弁体が嵌装さ
    れ、前記弁体がシートから離れた時にチップ外側面に確
    保した流路からチップ下面に設けたオフセット流路を通
    してチップ内周に燃料を導き、このチップ内周で燃料流
    に旋回力を付与するようにしてあり、 前記チップ下面には、溝幅,深さの少なくとも一つが異
    なる2種類以上のオフセット流路が設けられていること
    を特徴とする燃料噴射弁。
  7. 【請求項7】 燃料噴孔上流に燃料旋回子を設けて、噴
    射する燃料噴霧が旋回流になるような燃料の流れを噴射
    前に形成する燃料旋回式の燃料噴射弁において、 前記燃料旋回子は、ノズルボディの燃料噴孔上流に内装
    されるドーナッツ型のチップで、内周に弁体が嵌装さ
    れ、前記弁体がシートから離れた時にチップ外側面に確
    保した流路からチップ下面に設けたオフセット流路を通
    してチップ内周に燃料を導き、このチップ内周で燃料流
    に旋回力を付与するようにしてあり、 且つ、前記チップ内周には、その上下面を貫通する縦型
    流路が設けてあることを特徴とする燃料噴射弁。
  8. 【請求項8】 燃料噴孔上流に燃料旋回子を設けて、噴
    射する燃料噴霧が旋回流になるような燃料の流れを噴射
    前に形成する燃料旋回式の燃料噴射弁において、 前記燃料旋回子は、ノズルボディの燃料噴孔上流に内装
    されるドーナッツ型のチップで、内周に弁体が嵌装さ
    れ、前記弁体がシートから離れた時にチップ外側面に確
    保した流路からチップ下面に設けたオフセット流路を通
    してチップ内周に燃料を導き、このチップ内周で燃料流
    に旋回力を付与するようにしてあり、 且つ、前記チップ内周には、前記弁体との間の容積を増
    大させるための環状溝を前記オフセット流路と連通させ
    て設けたことを特徴とする燃料噴射弁。
  9. 【請求項9】 請求項5記載のオフセット量が異なる2
    種類以上のオフセット流路,請求項6記載の溝幅,深さ
    の少なくとも一つが異なる2種類以上のオフセット流
    路,請求項7記載の縦型流路,請求項8記載の環状溝を
    任意に組合せた燃料旋回子を備えたことを特徴とする燃
    料噴射弁。
  10. 【請求項10】 内燃機関の気筒内に燃料を直接噴射す
    る筒内式の燃料噴射弁であって、噴射する燃料噴霧が旋
    回流になるような燃料の流れを燃料噴孔上流の燃料通路
    で形成する燃料旋回子を備え、且つ前記噴孔の周辺空間
    を覆うノズルカバーが噴射弁本体先端に設けてあり、こ
    の噴射弁本体先端に燃料噴霧の一部を衝突させて噴霧方
    向を規制する噴霧通過口が形成してあることを特徴とす
    る燃料噴射弁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002045860A1 (de) * 2000-12-05 2002-06-13 Robert Bosch Gmbh Brennstoffeinspritzventil
WO2006136152A1 (de) * 2005-06-21 2006-12-28 Hochschule für Technik und Wirtschaft Dresden Verfahren und vorrichtung zur direkteinspritzung von kraftstoff in hubkolbenmotoren
JP2015232334A (ja) * 2015-09-28 2015-12-24 株式会社デンソー 燃料噴射弁
DE102004005526B4 (de) 2003-02-05 2022-03-31 Denso Corporation Kraftstoffeinspritzvorrichtung einer Brennkraftmaschine mit innerer Verbrennung

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