JP3816875B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の燃料噴射弁(インジェクタ)に係わり、特に気筒(燃焼室)内に燃料を直接噴射する筒内噴射システムのエンジンに適した燃料噴射弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
筒内噴射システムは、気筒内に燃料を直接噴射するために、吸気管壁に燃料が付着することがなく、効率の良い燃焼を保証し出力向上と排気浄化を図り得る。
【0003】
最近では、筒内噴射システムの課題とされていた燃料噴射弁の耐熱性,耐圧性,応答性といった点が改善されてきたため、筒内噴射システムが実用化されつつある。
【0004】
耐圧性の点については、エンジンの気筒内は爆発圧力により最大で70kg/cm2程度と高圧になるため、この気筒内圧力が噴射弁の戻しばね圧をはるかに勝って弁が誤って開く問題があったが、最近では燃料供給用の高圧ポンプの改良により燃圧を高くして、この燃圧と戻しばねの力の協働により上記爆発圧力に勝る弁閉力を燃料噴射弁にかけることが可能となり、上記の弁誤動作の問題を解消できた。また、燃圧を向上させた結果、必要な燃料噴射量を吸気行程といった極めて限られた時間内であっても充分に供給でき、上記応答性についての要求にも応えられる。
【0005】
従来の筒内噴射システムの燃料噴射弁としては、例えば、特開平5ー33739号公報に記載のものがある。
【0006】
この従来技術は、気筒に設置した噴射ノズルの噴孔下流にスワールチャンバを設け、このスワールチャンバ内にアシストエアを接線方向に噴出させて旋回空気流を発生させ(アシストエアは噴射ノズルとその外側のカバーとの間に形成したエア室及びエア噴出孔を介してスワールチャンバ内に噴出する)、この旋回空気流を利用して噴孔から噴射される燃料を旋回させて気筒内に直接送り込んでいる。
【0007】
また、特開平6ー221249号の筒内燃料噴射システムでは、1つの燃焼室につき2本の燃料噴射弁を設け、一方の燃料噴射弁の噴霧角を他方のインジェクタの噴霧角に比較し広角に設定すると共に、その狭角側の燃料噴射弁を広角側燃料噴射弁に比較して点火プラグに近付けて配置し、狭角側インジェクタは少なくとも軽負荷域で、広角側インジェクタは高負荷域で使用して、燃焼効率を高める技術が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
筒内燃料噴射システムでは、気筒内で噴射される燃料を吸入行程時に限って気筒内に流入する吸入空気と素早く混ぜる必要があるので、その時間的な制約から、燃料が噴射されるたびに、その噴射初期から燃料噴霧ができるだけ噴射角範囲内にまんべんなく噴霧されていることが望まれる。
【0009】
従来の燃料噴射弁のうち、ピントル式の場合にはコーン状に広がりもった燃料噴霧でも噴霧の一部が内側に巻き込むために、噴霧の均一拡散が期待できる。ただし、燃料噴霧に広がりを持たせるために、ピントル・流路壁間の噴口面積(環状隙間)を狭くする必要があった。このようなピントル式の燃料噴射弁は噴口に汚れが付着すると目づまりしやすいので、カーボンが生じる気筒内に設置する筒内噴射方式には採用し難い。
【0010】
一方、燃料噴孔の上流に燃料旋回子(スワラー)を設置して、旋回燃料を噴射させるスワール方式の燃料噴射システムでは、噴口がピントル方式のように狭くなく、汚れに対して目づまりが生じにくいので、その点からすれば筒内噴射方式に適したものといえる。ただし、旋回燃料噴霧は中空になり易いので、噴霧が外側にかたよってしまうため、これを改善して、噴射初期から(噴口から出た直後から)燃料噴霧の均一拡散を図るような改善が望まれる。
【0011】
本発明は以上の点に鑑みてなされ、その目的は、汚れに強くしかも短時間に燃料噴霧と吸入空気との混合(均質化)を図り、筒内燃料噴射システムに適した燃料噴射弁を提供することにある。
【0012】
また、筒内で噴射される燃料噴霧を所望の噴霧方向に簡単に規制できる燃料噴射弁をも提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は基本的には次のように構成する。
【0014】
すなわち、内燃機関の気筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射用の燃料噴射弁において、燃料噴孔上流に設けた燃料旋回子により燃料に旋回力を与えて燃料噴射する燃料旋回式であって、旋回(渦回)する燃料噴霧を中実化する手段を備えたことを特徴とする(これを第1の課題解決手段とする)。
【0015】
本発明では、上記課題を達成するために、燃料噴孔上流に、通過する燃料に旋回力を与える燃料旋回子を設けてなる筒内噴射システム用の燃料噴射弁において、
前記燃料旋回子は、弁体を軸方向に移動可能に嵌装する内周と、燃料を燃料旋回子の内周に導く複数の燃料流路とを有し、この複数の燃料流路は、燃料旋回子の下面に形成されて外側面から前記内周に燃料を導く溝状の流路で且つ燃料旋回子の中心に対してオフセットしそのオフセット量が異なる2種類以上のオフセット流路により構成されている。
【0016】
なお、燃料旋回子の代表的なものとして、オフセット流路を有するチップがあるが、このチップへ燃料噴霧の旋回と中実化を実現させるために形成する燃料通路の具体的態様については、発明の実施の形態の項で述べる。
【0018】
第1の課題解決手段によれば、噴孔(燃料噴射口)から噴射される旋回状の燃料噴霧であっても、噴射初期から中実の噴霧性状となるために、筒内での燃料噴霧の均一拡散を短時間で可能とし、筒内噴射システムで要求される高応答性の燃料供給を実現できる。また、本発明に係る燃料噴射弁は、噴口上流設置方式の燃料旋回子を採用しているために、既述のように噴口を比較的裕度をもって形成できるので、目づまりしにくく、筒内噴射システムに適している。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0023】
図1は、本発明の適用対象となる筒内噴射用の燃料旋回式の燃料噴射弁で、アクチュエータとしてソレノイドを用いたものを例示している。
【0024】
図1に示すように、燃料噴射弁(噴射弁本体)1は、アクチュエータの磁気回路要素として固定鉄心(コア)2,ケース(ヨーク)3、プランジャ4を備える。
【0025】
コア2は中空筒体で、その内部に燃料通路15が形成され、通路15の燃料流入側端部(コア一端)にフィルタ16が設けてある。コア2の他端には、プランジャ4のリターンスプリング8が嵌装され、このスプリング8によってプランジャ4が弁閉方向(シート面7方向)に付勢されている。コア2内部には、スプリング8のばね力を調整するための中空のアジャストスクリュー17が内挿されている。
【0026】
コア2はターミナル12を埋設したモールド樹脂成形体40とケース3内部にかけて内挿してあり、コア2とケース3の間には、磁気回路を励磁するための電磁コイル10がボビン9及び外装モールド11で覆われて内挿されている。外装モールド11は、コイル10を保護し及びリーク電流を防止する。コイル10には、ターミナル12を介して駆動用の電気信号が印加される。
【0027】
プランジャ4は、その一部が中空となって燃料通路18を確保し、また、その一端にボール弁5が結合してあり、燃料通路18側がケース3内の燃料通路42内に位置し、ボール弁5側が噴射弁本体先端(ケース下端)に装着したノズルボディ6内に位置するようにセットされる。また、ケース3内にはプランジャ4の吸引方向の動作を規制するストッパ42が設けてある。
【0028】
ノズルボディ6内には、シート面7と、シート7面周辺のノズルボディ内底に固定配置された燃料旋回子(以下、スワラーと称する)13が設けてある。コイルの無励磁には、スプリング8の力を受けてボール弁5がシート面7に接触して閉弁状態となる。ノズルボディ6の底部には、シート面7と連続して、燃料噴孔(オリフィス)19が設けてある。14は燃料がコイル組立体側に流入するのを防止するシールリングである。
【0029】
プランジャ4のストローク動作はシールリング14内周によりガイドされる。
【0030】
ここで、スワラー13の具体的態様の説明に先立ち、燃料噴射弁1の基本動作を説明する。
【0031】
コイル10に電気信号が印加されると、コア2,ケース3,プランジャ4で磁気回路が形成され、プランジャ4がシーリング14にガイドされ、コア2側に吸引される。また、ボール弁5もプランジャ4と共にスワラー13内周にガイドされて移動し、ノズルボディ6のシート面7から離れ、開弁する。プランジャ4の移動は、ストッパ42によつて規制され、ボール弁5とシート面7の間には、所望の開口面積の環状隙間ができる。
【0032】
燃料は、図示しない燃料ポンプ、燃圧レギュレータ及びアキュームレータ等の配管機器を経由して、コア2の燃料通路15に供給される。該燃料は、コア2に具備されたフィルタ16及びアジャストスクリュー(スプリング力調整部材)17,プランジャ4の燃料通路18を通り、ケース内部41,ノズルボディ6内部を経てスワラー13に至る。スワラー13を通過する燃料は、スワラー13により所望の旋回力が付加され、シート面7、オリフィス19を通って、内燃機関の気筒に直接,筒内噴射される。
【0033】
次に図2〜図9により本発明に係わるスワラー13の各種態様について説明する。
【0034】
図2,図3は第1の実施形態で、図2は本例のスワラーの縦断面図(図3のB−B断面図)、図3はその下面図(図2のA−A矢視図)である。
【0035】
本例のスワラー13は、ノズルボディ6の噴孔19上流に内装されるドーナッツ型のチップ形状をなす。チップ(スワラー)13は、下面が扁平で、外側面四方に面取り13Aが形成され、この面取り13Aによりチップ外側面(面取り13Aとノズルボディ6内周との間)に燃料流路23が確保してある。また、チップ下面には、図3に示すように、チップ中心に対するオフセット量(偏心量)が異なる2種類以上(ここでは2種類で、各種ごとに2本用意され、同じ種類のものが180°配置となるようにして四方に配置してある)の溝状のオフセット流路26,27が設けられている。チップ内周には、ボール弁(弁体)5が嵌装される。50はチップ13の下面のコーナを角取りしたものである。
【0036】
ボール弁5がシートから離れた時にチップ外側面に確保した流路23からチップ下面に設けたオフセット流路26,27を通してチップ内周に燃料を導き、このチップ内周で燃料流に旋回力を付与するようにしてある。
【0037】
オフセット流路26,27のオフセット量を変えることにより、燃料旋回力の異なる2種類のスワラー流路(オフセット流路)26、27が構成される。
【0038】
オフセット流路(旋回噴霧形成用の燃料通路)26,27のオフセット量は、流路26>27の関係にある。流路26,27の溝幅,溝深さは同一で、オフセット量だけを異ならせて、それぞれの噴霧角(旋回の広がり),粒径をオフセット流路だけで決定するようにしてある。
【0039】
ノズルオリフィス19より噴射する燃料噴霧(旋回噴霧)の噴霧角は、旋回力の大きなオフセット流路26を経て噴射する燃料の方が、オフセット流路27側のものよりも大きい。したがって、オフセット流路26を通り噴射された中空噴霧の内部をオフセット流路27を通って噴射された燃料が埋める(充たす)形となり、燃料噴霧が中実化(噴霧角全体にわたり噴霧密度が略均一化)される。
【0040】
本スワラー13から噴射される燃料噴霧の形態を図4に示す。図4に示す噴霧において、外側の噴霧28は、溝オフセット量の大きなオフセット流路26を通して噴射されるもので、内側の噴霧29がオフセット流路27を通して噴射されるものである。本実施形態によれば噴霧初期(ノズル6から噴霧が出た直後)から旋回流が噴射されて、良好な噴霧角・粒径が得られると共に、燃料噴霧の中実化を図ることができ、筒内での燃料と吸入空気との混合・拡散の時間の短縮を図り、エンジン応答性を早めることが可能となる。
【0041】
図5にスワラー13の第2の実施形態を示す。図5(a)は本例のスワラ13の下面図、(b)はそのB−B縦断面図である。
【0042】
本例は、チップ下面に溝幅,深さの少なくとも一つが異なる2種類以上のオフセット流路30,31を設ける。ここでは、溝30,31のチップ中心に対するオフセット量は同等としてある。
【0043】
本実施形態においても、溝30,31により、スワラ13ーには、旋回力が異なる燃料流を形成される。すなわち溝30,31は2種以上の旋回噴霧形成用の燃料通路となる。
【0044】
ここで、燃料に付加する旋回力は、数1式に示すスワール数Sという指標で表される。
【0045】
【数1】
Figure 0003816875
【0046】
ここで、Ls;溝偏心量(オフセット量)、W;溝幅、H;溝深さ、do;オリフィス径、n;溝の数である。上記の式の様に、オフセット流路30、31の溝幅・深さを制御することで、燃料の旋回力を変化させることができる。
【0047】
噴霧の形態については、前記図4と同じである。
【0048】
図6にスワラー13の第3の実施形態の下面図を示す。
【0049】
本例では、スワラー13のチップ下面に旋回噴霧形成用(旋回力付加用)のオフセット流路22を設けるほかに、チップ内周には、その上下面を貫通する縦型流路32が設けてある。
【0050】
本実施形態では、各オフセット流路22は、同一の燃料旋回力を有するもので、そのオフセット量により燃料の旋回力は、任意に設定可能である。また、縦溝32が溝22から噴射される旋回噴霧の内側を充たす噴霧を形成するための燃料通路を構成する。
【0051】
図7にその噴霧形態を示す。スワラー13から噴射される燃料噴霧は、図7に示す如く、外側の噴霧はオフセット流路22よりつくられる旋回噴霧で、その内側を埋める噴霧33は、縦溝32を流れて噴射された燃料が大半をしめる。このようにして燃料噴霧は中実化される。
【0052】
なお、縦溝32の数はオフセット流路22に対する流量バランスをとるためオフセット流路22と同数か1/2にするのが好ましい。
【0053】
図8にスワラー13の第4実施形態を示す。図8(a)はその装着状態を示す縦断面図、(b)は(a)のA−A矢視図、(c)は(b)のB−B縦断面図である。
【0054】
本実施形態では、スワラー13のチップ下面にオフセット流路22を設ける他に、チップ内周には、ボール弁5との間の容積を増大させるための環状溝(一種のスワラチャンバ)21をオフセット流路22と連通させて設けた。
【0055】
本例でもスワラー13上部に供給された燃料は、スワラー13外側面に確保された流路23を通り、オフセット流路22に流入し、旋回力が付加され、ボール弁5とシート面7に形成された環状隙間を通り、オリフィス9から内燃機関に噴射される。噴霧の形態については、図9に示す。
【0056】
図9に示す噴霧は、未旋回燃料部24及び旋回燃料部25から構成されている。未旋回燃料部24は、スワラー13の内周(チップ内周)に設けた環状溝21にに溜っていた燃料が、噴射開始直後にオフセット流路22を流れてきた燃料に押し出されたもので、噴霧には旋回力が作用せず、鉛直方向に噴射それる。図6は、噴射開始数msec後の図であり、未旋回燃料部24の噴霧が噴射された直後、オフセット流路22を通った旋回流が噴射され、未旋回燃料部24に旋回燃料部25が追いつき、略中実の噴霧を形成する。
【0057】
該噴霧の角度,流径は、旋回燃料部25が決定する。
【0058】
本燃料噴射弁1は、以上の様にスワラー13の形状を各種工夫することで、内燃機関の所望する噴霧を安定的に供給することができる。
【0059】
図10にて、噴霧の方向性を制御する手段の一例について説明する。図10の(a)は本実施形態の要部断面図、(b)はその下面図である。
【0060】
本例では、燃料旋回子を内挿したノズルボディ6の噴孔19周辺を覆うノズルカバー20が噴射弁本体1先端(ノズルボディ6)に微小空隙Gを介在させて設けてあり、このノズルカバー20の先端面に燃料噴霧の一部を衝突させて噴霧方向を規制する噴霧通過口34が設けてある。この噴霧通過口34は、図10(b)に示すように半月状の開口にしてある。
【0061】
スワラー13で旋回力を付加された燃料は、オリフィス19を通り、オリフィス19出口直後に、ノズルボディ6に固定されたノズルカバー20と衝突する。衝突した燃料は、該カバー20の開口部34の方向に流れ、内燃機関に噴射される。該カバー20を用いることで内燃機関の所望する噴霧方向に燃料を噴射でき、且つ、多少の形状を制御でき、良好な排ガス性能、スモーク(黒煙=カーボン)の低減等を可能にする。
【0062】
特に内燃機関の吸気管においては、種々の機構が装着されること及び吸気管の形状に起因して吸入空気流にスワール流,タンブル流等が生じ、それにより内燃機関の気筒内部に流入する吸入空気にもその機関特有の空気流動が気筒内で生じる。本実施形態では、この空気流動に合わせて最適燃料噴霧方向(すなわち気筒内の燃料噴霧の良好な拡散・混合が可能になる燃料噴霧方向)を容易に設定できる。
【0063】
また、図13に示すように、燃料噴射弁を内燃機関の吸気弁60近くに設置しても、ノズルオリフィス19から気筒内へ噴射される燃料噴霧が吸気弁60にかかることを防止できる。このノズルカバー20がないと、燃料噴霧の一部が吸気弁にかかる。
【0064】
該燃料噴射弁1に要求される噴射角を図11、12を例に説明する。
【0065】
内燃機関の気筒内に直接燃料を噴射するシステム(筒内噴射システム)において、代表的な性能として図11に示す様なスモーク性能がある。該スモーク性能において、吸気弁形状・位置、吸気管形状、ピストン冠面形状及び噴射タイミング等の諸条件に影響される最適な噴射角が存在する。その範囲は、実験結果により、おおむね30°〜90°範囲である。また、噴射弁の重要な性能である粒径において、筒内噴射システムに使用される高圧噴射では、噴射角が30°以上でほぼ一定になる傾向がある。噴射角が広すぎると該燃料噴射弁1の内燃機関への取付位置によっては、吸気弁又はプラグと噴霧が衝突し、燃料を悪化させるため、90°以下におさえる必要がある。図14に噴射角が略90°に設定したものを例示する。なお、図中、60は吸気弁、61は気筒、62は排気弁、63は点火プラグである。以上の例によっても、噴射角は、30°〜90°が最適である。
【0066】
この噴射角の30°〜90°は、既述した第1〜第4の実施形態のスワラー13によって形成される外側の燃料噴霧に適用する他に、1種類の旋回噴霧流(中空化された噴霧流)にも適用可能である。
【0067】
また、第1〜第4の実施形態のオフセット流路26,27,30,31,22,縦溝32,環状溝21を任意に組み合わせても、上記の実施形態同様に筒内噴射システムに適した高応答性の燃料噴射弁を実現することができる。
【0068】
【発明の効果】
第1の課題解決手段によれば、旋回方式の燃料噴霧の中実化を図ることで、筒内式噴射システムに適用する場合でも、気筒内に噴射される燃料は噴射初期から噴霧広がりの範囲内でまんべんなくいきわたり、しかも少なくとも外側の燃料噴霧は旋回流が保持されるので、旋回流と偏りのない燃料噴霧によって気筒内での混合気形成を今までよりも素早く行うことができる。その結果、筒内噴射方式内燃機関の混合気形成の応答性を高め、内燃機関の性能を向上させることができる。特に、周囲の雰囲気(圧力、温度)が変化する状況においても、それに適合した噴霧が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用対象となる燃料噴射弁に係る全体断面図。
【図2】本発明の第1の実施形態における一部詳細図(図2のB−B断面図)である。
【図3】図2のA−A矢視図(下面図)。
【図4】第1の実施形態の燃料噴霧形態を示す図。
【図5】(a)は本発明の第2の実施形態に用いるスワラーの下面図、(b)はそのB−B断面図。
【図6】本発明の第3の実施形態に用いるスワラーの下面図。
【図7】第3の実施形態の燃料噴霧形態を示す図。
【図8】(a)は本発明の第4の実施形態を示す要部断面図、(b)はそのうちのスワラーをA−A方向からみた矢視図、(c)は(b)のB−B断面図。
【図9】第4の実施形態の噴霧形態を示す図。
【図10】(a)は本発明の第5実施形態を示す要部断面図、(b)はその下面図。
【図11】燃料の噴射角−スモーク特性の実験結果を示す図。
【図12】燃料の噴射角と粒径の関係の実験結果を示す図。
【図13】本発明の第5実施形態の動作例を示す図。
【図14】本発明の適用対象となる燃料噴射弁の燃料噴射状態を示す図。
【符号の説明】
1……燃料噴射弁、5……ボール弁(弁体)、6……ノズルボディ、7…弁シート、13……スワラー、19…噴孔、20…カバー、21…環状溝、22,26,27,30,31…オフセット流路、32…縦溝、34…燃料通過口。

Claims (5)

  1. 燃料噴孔上流に、通過する燃料に旋回力を与える燃料旋回子を設けてなる筒内噴射システム用の燃料噴射弁において、
    前記燃料旋回子は、弁体を軸方向に移動可能に嵌装する内周と、燃料を燃料旋回子の内周に導く複数の燃料流路とを有し、この複数の燃料流路は、燃料旋回子の下面に形成されて外側面から前記内周に燃料を導く溝状の流路で且つ燃料旋回子の中心に対してオフセットしそのオフセット量が異なる2種類以上のオフセット流路により構成されていることを特徴とする筒内噴射システム用の燃料噴射弁。
  2. 前記燃料旋回子の外側面には、複数の面取りが設けられ、これらの面取りされた面から燃料旋回子の内周に向かって、前記オフセット量が異なる2種類以上のオフセット流路が、前記燃料旋回子の下面に溝として形成されている請求項1に記載の筒内噴射システム用の燃料噴射弁。
  3. 前記燃料旋回子は、燃料噴孔を有するノズルボディに内装され、この燃料旋回子の外側面に設けた前記複数の面取りとノズルボディの内周との間に複数の燃料流路が確保され、
    この流路に通じるようにして前記オフセット流路が前記燃料旋回子の下面に設けた溝によって形成されており、
    さらに前記燃料旋回子の下面のコーナが角取りされている請求項2記載の筒内噴射システム用の燃料噴射弁。
  4. 前記燃料旋回子は、ノズルボディの燃料噴孔上流に内装されるドーナッツ型のチップで、内周に弁体が嵌装され、
    前記弁体がシートから離れた時にチップ外側面に確保した前記複数の燃料流路からチップ下面に設けたオフセット流路を通してチップ内周に燃料を導き、このチップ内周で燃料流に旋回力を付与するようにしてあり、
    且つ、前記チップ内周には、前記弁体との間の容積を増大させるための環状溝を前記オフセット流路と連通させて設けた請求項1記載の筒内噴射システム用の燃料噴射弁。
  5. 前記噴孔の周辺空間を覆うノズルカバーが噴射弁本体先端に設けてあり、この噴射弁本体先端に燃料噴霧の一部を衝突させて噴霧方向を規制する噴霧通過口が形成してある請求項1記載の筒内噴射システム用の燃料噴射弁。
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