JPH09303149A - 直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室 - Google Patents
直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室Info
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- JPH09303149A JPH09303149A JP8116719A JP11671996A JPH09303149A JP H09303149 A JPH09303149 A JP H09303149A JP 8116719 A JP8116719 A JP 8116719A JP 11671996 A JP11671996 A JP 11671996A JP H09303149 A JPH09303149 A JP H09303149A
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- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 圧縮行程時にスキッシュ流として燃焼室へ流
れ込む空気を、高速スワール流に変換し、燃焼室の周壁
に衝突した噴霧先端に流入させて微粒化を更に促進させ
るようにした直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室を
提供する。 【解決手段】 ピストン１の頂部に凹設した燃焼室２の
開口部近傍周壁２ａに燃料噴射ノズルから燃料が噴射さ
れる直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室であって、
ピストン１の上面１ａから燃焼室２の開口部近傍周壁２
ａにかけて深さが徐々に増大すると共に、増大するに伴
いその外縁３ｃがスワール流方向に沿って絞られて周壁
２ａに開口する平面視楔状の溝３を設け、開口部３ｂに
噴射ノズルから燃料が噴射されるように溝３を配置した
構成としたものである。
れ込む空気を、高速スワール流に変換し、燃焼室の周壁
に衝突した噴霧先端に流入させて微粒化を更に促進させ
るようにした直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室を
提供する。 【解決手段】 ピストン１の頂部に凹設した燃焼室２の
開口部近傍周壁２ａに燃料噴射ノズルから燃料が噴射さ
れる直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室であって、
ピストン１の上面１ａから燃焼室２の開口部近傍周壁２
ａにかけて深さが徐々に増大すると共に、増大するに伴
いその外縁３ｃがスワール流方向に沿って絞られて周壁
２ａに開口する平面視楔状の溝３を設け、開口部３ｂに
噴射ノズルから燃料が噴射されるように溝３を配置した
構成としたものである。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、直接噴射式ディー
ゼルエンジンの燃焼室に関する。
ゼルエンジンの燃焼室に関する。
【０００２】
【従来の技術】直接噴射式ディーゼルエンジンは、ピス
トンの頂面に凹設した燃焼室（キャビティ）の開口部略
中心に臨んでシリンダヘッドに垂直に取り付けられた燃
料噴射ノズルから燃焼室の開口部近傍周壁に燃料を噴射
し、圧縮行程で生じるスワール（旋回流）により噴射さ
れた燃料を燃焼室内に噴霧分布させるようにして燃焼さ
せるようにしている。
トンの頂面に凹設した燃焼室（キャビティ）の開口部略
中心に臨んでシリンダヘッドに垂直に取り付けられた燃
料噴射ノズルから燃焼室の開口部近傍周壁に燃料を噴射
し、圧縮行程で生じるスワール（旋回流）により噴射さ
れた燃料を燃焼室内に噴霧分布させるようにして燃焼さ
せるようにしている。
【０００３】直接噴射式ディーゼルエンジンは、空気流
動のエネルギ損失が少ないために燃料消費率、エンジン
寿命等の点において優れている一方、空気流動の運動量
が少なく、また、半燃焼の状態での混合の度合いが少な
いため、適切な燃焼を得る回転速度範囲が制限される。
また、エンジンが小型になった場合、小容量の燃焼室に
適した高度の微粒化又は分布を与えるような燃料噴霧特
性を得ることが困難であり、小型のディーゼルエンジン
に直接噴射式を適用することが困難である。
動のエネルギ損失が少ないために燃料消費率、エンジン
寿命等の点において優れている一方、空気流動の運動量
が少なく、また、半燃焼の状態での混合の度合いが少な
いため、適切な燃焼を得る回転速度範囲が制限される。
また、エンジンが小型になった場合、小容量の燃焼室に
適した高度の微粒化又は分布を与えるような燃料噴霧特
性を得ることが困難であり、小型のディーゼルエンジン
に直接噴射式を適用することが困難である。
【０００４】燃焼室の外側のピストン上面から、燃焼室
に通じ、且つ深さ方向の一面がピストン軸線方向と平行
で、他面がスワール方向に対して深くなる傾斜を持った
切欠をノズル噴孔数と同数設け、圧縮行程において噴射
ノズルから噴射された燃料が燃焼室の壁面に当たる前に
噴霧を拡げ、壁面に当たった噴霧を当該壁面に沿って霧
化を促進し、膨張行程時において燃焼室内の火炎や燃料
をピストンとシリンダヘッドとの間の隙間に素速く流出
させるようにして、空気利用率の向上を図り、燃焼効率
を向上させるようにしたディーゼルエンジンの燃焼室が
提案されている（実開平５−６９３３５号公報）。そし
て、前記切欠は、スワール流を全体的に高めると共に、
ピストンの膨張行程時に燃焼した燃焼流を燃焼室から外
に出す効果を持たせるために深い形状とされている。
に通じ、且つ深さ方向の一面がピストン軸線方向と平行
で、他面がスワール方向に対して深くなる傾斜を持った
切欠をノズル噴孔数と同数設け、圧縮行程において噴射
ノズルから噴射された燃料が燃焼室の壁面に当たる前に
噴霧を拡げ、壁面に当たった噴霧を当該壁面に沿って霧
化を促進し、膨張行程時において燃焼室内の火炎や燃料
をピストンとシリンダヘッドとの間の隙間に素速く流出
させるようにして、空気利用率の向上を図り、燃焼効率
を向上させるようにしたディーゼルエンジンの燃焼室が
提案されている（実開平５−６９３３５号公報）。そし
て、前記切欠は、スワール流を全体的に高めると共に、
ピストンの膨張行程時に燃焼した燃焼流を燃焼室から外
に出す効果を持たせるために深い形状とされている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記切
欠を設けた構造の燃焼室においては、圧縮行程時にスキ
ッシュ流をスワール流に変えてスワール流速を高めるこ
とは可能であるが、噴霧に対して局所的に流動エネルギ
を与えて噴霧内に空気を拡散させることはできない。こ
のため噴射燃料の霧化の効果が低い。
欠を設けた構造の燃焼室においては、圧縮行程時にスキ
ッシュ流をスワール流に変えてスワール流速を高めるこ
とは可能であるが、噴霧に対して局所的に流動エネルギ
を与えて噴霧内に空気を拡散させることはできない。こ
のため噴射燃料の霧化の効果が低い。
【０００６】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
で、圧縮行程時にスキッシュ流として燃焼室へ流れ込む
空気を、高速スワール流に変換し、燃焼室の周壁に衝突
した噴霧の先端に流入させて空気拡散を増大し、微粒化
を更に促進するようにした直接噴射式ディーゼルエンジ
ンの燃焼室を提供することを目的とする。
で、圧縮行程時にスキッシュ流として燃焼室へ流れ込む
空気を、高速スワール流に変換し、燃焼室の周壁に衝突
した噴霧の先端に流入させて空気拡散を増大し、微粒化
を更に促進するようにした直接噴射式ディーゼルエンジ
ンの燃焼室を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項１の発明は、ピストンの頂部に凹設された燃焼
室を有し、前記燃焼室の開口部略中心に臨んでシリンダ
ヘッドに取り付けられた燃料噴射ノズルにより前記燃焼
室の開口部近傍周壁に燃料が噴射される直接噴射式ディ
ーゼルエンジンの燃焼室であって、前記ピストンの上面
から前記燃焼室の開口部にかけて深さが徐々に増大する
と共に、増大するに伴いその外縁がスワール流方向に沿
って絞られ前記開口部に開口して連通する溝を設け、前
記溝の開口部に前記噴射ノズルから燃料が噴射されるよ
うに前記溝を配置した構成としたものである。
に請求項１の発明は、ピストンの頂部に凹設された燃焼
室を有し、前記燃焼室の開口部略中心に臨んでシリンダ
ヘッドに取り付けられた燃料噴射ノズルにより前記燃焼
室の開口部近傍周壁に燃料が噴射される直接噴射式ディ
ーゼルエンジンの燃焼室であって、前記ピストンの上面
から前記燃焼室の開口部にかけて深さが徐々に増大する
と共に、増大するに伴いその外縁がスワール流方向に沿
って絞られ前記開口部に開口して連通する溝を設け、前
記溝の開口部に前記噴射ノズルから燃料が噴射されるよ
うに前記溝を配置した構成としたものである。
【０００８】ピストンの圧縮行程時にスキッシュ流とし
て燃焼室へ流れ込む空気は、溝によりスワール方向へ変
換され、燃焼室に導かれる。溝は、開口部が絞られてい
るためにスキッシュエネルギが集中し、高速スワール流
となって燃焼室に流入する。ピストンの上死点近傍にお
いて燃料噴射ノズルから燃料が噴射された燃料は、燃焼
室の開口部近傍の周壁に開口する溝の開口部に衝突す
る。
て燃焼室へ流れ込む空気は、溝によりスワール方向へ変
換され、燃焼室に導かれる。溝は、開口部が絞られてい
るためにスキッシュエネルギが集中し、高速スワール流
となって燃焼室に流入する。ピストンの上死点近傍にお
いて燃料噴射ノズルから燃料が噴射された燃料は、燃焼
室の開口部近傍の周壁に開口する溝の開口部に衝突す
る。
【０００９】噴射された燃料が燃焼室の周壁に衝突した
ときに、溝から燃焼室に流入する高速スワール流が、燃
料噴射ノズルの噴霧中心軸に対して垂直方向（真横）か
ら噴霧先端（衝突噴霧）内に流入する。噴霧燃料の衝突
による微粒化に加えて局所的に高速空気流動を導入する
ことにより、噴霧燃料内の空気の拡散が促進され、燃料
の霧化が促進されて更に微粒化される。
ときに、溝から燃焼室に流入する高速スワール流が、燃
料噴射ノズルの噴霧中心軸に対して垂直方向（真横）か
ら噴霧先端（衝突噴霧）内に流入する。噴霧燃料の衝突
による微粒化に加えて局所的に高速空気流動を導入する
ことにより、噴霧燃料内の空気の拡散が促進され、燃料
の霧化が促進されて更に微粒化される。
【００１０】請求項２の発明は、ピストンの頂部に凹設
された燃焼室を有し、前記燃焼室の開口部略中心に臨ん
でシリンダヘッドに取り付けられた燃料噴射ノズルによ
り前記燃焼室の開口部近傍周壁に燃料が噴射される直接
噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室であって、前記ピス
トンの上面から前記燃焼室の開口部にかけて深さが徐々
に増大すると共に、増大するに伴いその外縁がスワール
流方向に沿って絞られ前記開口部に連通する切欠を設
け、前記切欠の絞り部に前記噴射ノズルから燃料が噴射
されるように前記切欠を配置した構成としたものであ
る。
された燃焼室を有し、前記燃焼室の開口部略中心に臨ん
でシリンダヘッドに取り付けられた燃料噴射ノズルによ
り前記燃焼室の開口部近傍周壁に燃料が噴射される直接
噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室であって、前記ピス
トンの上面から前記燃焼室の開口部にかけて深さが徐々
に増大すると共に、増大するに伴いその外縁がスワール
流方向に沿って絞られ前記開口部に連通する切欠を設
け、前記切欠の絞り部に前記噴射ノズルから燃料が噴射
されるように前記切欠を配置した構成としたものであ
る。
【００１１】ピストンの圧縮行程時にスキッシュ流とし
て燃焼室へ流れ込む空気は、切欠によりスワール方向へ
変換され、燃焼室に導かれる。切欠は、開口部が絞られ
ているためにスキッシュエネルギが集中し、高速スワー
ル流となって燃焼室に流入する。燃料噴射ノズルから燃
料が噴射された燃料は、燃焼室の開口部近傍の周壁に開
口する切欠の開口部に衝突する。このとき、切欠から燃
焼室に流入する高速スワール流が、噴霧中心軸に対して
垂直方向から噴霧先端内に流入し、噴霧燃料内の空気の
拡散が促進され、燃料の霧化が促進されて更に微粒化さ
れる。
て燃焼室へ流れ込む空気は、切欠によりスワール方向へ
変換され、燃焼室に導かれる。切欠は、開口部が絞られ
ているためにスキッシュエネルギが集中し、高速スワー
ル流となって燃焼室に流入する。燃料噴射ノズルから燃
料が噴射された燃料は、燃焼室の開口部近傍の周壁に開
口する切欠の開口部に衝突する。このとき、切欠から燃
焼室に流入する高速スワール流が、噴霧中心軸に対して
垂直方向から噴霧先端内に流入し、噴霧燃料内の空気の
拡散が促進され、燃料の霧化が促進されて更に微粒化さ
れる。
【００１２】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の態様を実施
例１、実施例２により説明する。 （実施例１）図１は、本発明を適用した直接噴射式ディ
ーゼルエンジンのピストンの平面図を示し、図２は、図
１の一部拡大図を示し、図３は、図１の断面図を示す。
図１乃至図３において、ピストン１の上面１ａの中央
（頂部）には、平面視円形の燃焼室（キャビティ）２が
凹設されており、この燃焼室２は、例えば、中スワール
リエントラント形とされ、開口部近傍周壁（リップ部）
２ａが垂直とされ、当該周壁２ａの下端から底面２ｂま
で拡径し、当該底面２ｂには中央に向かって円錐形状に
盛り上がる突起部２ｃが設けられている。
例１、実施例２により説明する。 （実施例１）図１は、本発明を適用した直接噴射式ディ
ーゼルエンジンのピストンの平面図を示し、図２は、図
１の一部拡大図を示し、図３は、図１の断面図を示す。
図１乃至図３において、ピストン１の上面１ａの中央
（頂部）には、平面視円形の燃焼室（キャビティ）２が
凹設されており、この燃焼室２は、例えば、中スワール
リエントラント形とされ、開口部近傍周壁（リップ部）
２ａが垂直とされ、当該周壁２ａの下端から底面２ｂま
で拡径し、当該底面２ｂには中央に向かって円錐形状に
盛り上がる突起部２ｃが設けられている。
【００１３】燃料噴射ノズル５は、燃焼室２の開口部近
傍の略中心Ｏに臨んでシリンダヘッド（図示せず）に垂
直に取り付けられており、噴孔５ａが複数例えば、５個
周方向に等間隔で配置されている。そして、燃料噴射ノ
ズル５は、ピストン１が上死点近傍に位置したときに、
各噴孔５ａから１点鎖線で示すように放射状に燃焼室２
のリップ部２ａの周壁に向けて燃料を噴射する。
傍の略中心Ｏに臨んでシリンダヘッド（図示せず）に垂
直に取り付けられており、噴孔５ａが複数例えば、５個
周方向に等間隔で配置されている。そして、燃料噴射ノ
ズル５は、ピストン１が上死点近傍に位置したときに、
各噴孔５ａから１点鎖線で示すように放射状に燃焼室２
のリップ部２ａの周壁に向けて燃料を噴射する。
【００１４】ピストン１の上面１ａには、溝３が燃料噴
射ノズル５の噴孔５ａの数に対応して５箇所周方向に沿
って等間隔で設けられている。溝３は、平面視楔状をな
し、シリンダ内に流れ込む吸入空気の流れ即ち、スワー
ル流方向に沿って設けられている。溝３は、始端部３ａ
がピストン１の外周と燃焼室２の外縁との間に位置し、
終端部３ｂが燃焼室２のリップ部２ａの周壁に開口して
当該燃焼室２の上部に連通されている（以下「開口部３
ｂ」という）。
射ノズル５の噴孔５ａの数に対応して５箇所周方向に沿
って等間隔で設けられている。溝３は、平面視楔状をな
し、シリンダ内に流れ込む吸入空気の流れ即ち、スワー
ル流方向に沿って設けられている。溝３は、始端部３ａ
がピストン１の外周と燃焼室２の外縁との間に位置し、
終端部３ｂが燃焼室２のリップ部２ａの周壁に開口して
当該燃焼室２の上部に連通されている（以下「開口部３
ｂ」という）。
【００１５】溝３の外側壁面（外縁）３ｃは、始端部３
ａから前記スワール流方向に沿う円弧状をなし、燃焼室
２のリップ部２ａに外接する接線円をなしてリップ部２
ａの周壁に滑らかに連設されている。また、内側壁面
（内縁）３ｄは、始端部３ａから開口部３ｂに向かって
円弧をなして燃焼室２のリップ部２ａに連設されてい
る。溝３の溝幅は、始端部３ａから開口部３ｂまで徐々
に絞られて狭くなっている。即ち、溝３は、ノズル効果
を高めるため外側壁面（外縁）３ｃに対向して内側壁面
（隔壁）３ｄを設けてある。溝３の底面３ｅは、始端部
３ａがピストン１の上面１ａと面一をなし、当該始端部
３ａから深さが徐々に増大し、開口部３ｂがリップ部２
ａの周壁の略中央近傍に位置している。即ち、溝３は、
浅い溝とされている。
ａから前記スワール流方向に沿う円弧状をなし、燃焼室
２のリップ部２ａに外接する接線円をなしてリップ部２
ａの周壁に滑らかに連設されている。また、内側壁面
（内縁）３ｄは、始端部３ａから開口部３ｂに向かって
円弧をなして燃焼室２のリップ部２ａに連設されてい
る。溝３の溝幅は、始端部３ａから開口部３ｂまで徐々
に絞られて狭くなっている。即ち、溝３は、ノズル効果
を高めるため外側壁面（外縁）３ｃに対向して内側壁面
（隔壁）３ｄを設けてある。溝３の底面３ｅは、始端部
３ａがピストン１の上面１ａと面一をなし、当該始端部
３ａから深さが徐々に増大し、開口部３ｂがリップ部２
ａの周壁の略中央近傍に位置している。即ち、溝３は、
浅い溝とされている。
【００１６】そして、各溝３開口部３ｂの先端即ち、外
側壁面３ｃとリップ部２ａの周壁との各連設部分２ｄ
は、ピストン１が上死点近傍に位置したときに図１に１
点鎖線で示すように燃料噴射ノズル５の各噴孔５ａと対
向するように配置されており、噴射された燃料が衝突す
るようになっている。以下に作用を説明する。
側壁面３ｃとリップ部２ａの周壁との各連設部分２ｄ
は、ピストン１が上死点近傍に位置したときに図１に１
点鎖線で示すように燃料噴射ノズル５の各噴孔５ａと対
向するように配置されており、噴射された燃料が衝突す
るようになっている。以下に作用を説明する。
【００１７】ピストン１の圧縮行程時にスキッシュ流と
して燃焼室２へ流れ込む空気は、各楔形の溝３によりス
ワール方向へ変換され、開口部３ｂから燃焼室２に導か
れる。溝３は、浅く、且つ開口部３ｂが絞られているた
めにスキッシュエネルギが集中し、高速スワール流とな
って燃焼室２に流入する。一方、ピストン１の上死点近
傍において燃料噴射ノズル５の各噴孔５ａから燃料が噴
射される。この噴射された燃料は、１点鎖線のように溝
３の開口部３ｂ（リップ部２ａの周壁と各溝３の外側壁
面３ｃとの連設部分２ｄ）に衝突する。これにより燃焼
室２内に噴霧された燃料の霧化が促進される。
して燃焼室２へ流れ込む空気は、各楔形の溝３によりス
ワール方向へ変換され、開口部３ｂから燃焼室２に導か
れる。溝３は、浅く、且つ開口部３ｂが絞られているた
めにスキッシュエネルギが集中し、高速スワール流とな
って燃焼室２に流入する。一方、ピストン１の上死点近
傍において燃料噴射ノズル５の各噴孔５ａから燃料が噴
射される。この噴射された燃料は、１点鎖線のように溝
３の開口部３ｂ（リップ部２ａの周壁と各溝３の外側壁
面３ｃとの連設部分２ｄ）に衝突する。これにより燃焼
室２内に噴霧された燃料の霧化が促進される。
【００１８】噴孔５ａから噴射された燃料が燃焼室２の
リップ部２ａの周壁に衝突したときに、溝３の開口部３
ｂから燃焼室２に流入する高速スワール流が噴霧中心軸
（１点鎖線で示す）に対して垂直方向（真横）から噴霧
の先端（衝突噴霧）内に流入する。即ち、衝突噴霧に積
極的にスワール流を衝突させる。溝３の外側壁面３ｄ
は、リップ部２ａの周壁に外接する接線円とされている
ために連設部分２ｄが滑らかであり、スワール流が当該
連設部分２ｄに沿って滑らかに流れて燃焼室２内に流入
する。これにより、高速のスワール流が衝突噴霧に良好
に衝突する。このようにリップ部２ａの周壁への衝突に
よる微粒化に加えて局所的に高速な空気流動を導入する
ことにより、噴霧された燃料内の空気の拡散が促進さ
れ、燃料の霧化が促進されて更に微粒化される。この結
果、着火前の燃料の拡散が良くなり、着火遅れが少なく
なり、燃焼が良好となる。 （実施例２）図４及び図５においてピストン１の上面１
ａには、図１の実施例１に示す溝３と同様に噴射ノズル
５の噴孔５ａと同数の切欠４が設けられている。この切
欠４は、実施例１の溝３の内側壁面（内縁）３ｄを取り
除いた平面視楔形とされており、外側壁面（外縁）４ｃ
がスワール流方向に沿って切り欠かれ、先端部４ｂが燃
焼室２のリップ部２ａの周壁に外接する接線円をなして
連設され燃焼室２のリップ部２ａの周壁に開口されてい
る（以下「開口部４ｂ」という）。底面４ｅは、始端部
４ａ側から開口部４ｂ側に徐々に深さを増し、開口部４
ｂがリップ部２ａの周壁略中央に開口している。そし
て、開口部４ｂは、その先端即ち、外側壁面４ｃの先端
とリップ部２ａの周壁との連設部分２ｄに１点鎖線で示
すように燃料噴射ノズル５の噴孔５ａからの噴射燃料が
衝突するように配置されている。
リップ部２ａの周壁に衝突したときに、溝３の開口部３
ｂから燃焼室２に流入する高速スワール流が噴霧中心軸
（１点鎖線で示す）に対して垂直方向（真横）から噴霧
の先端（衝突噴霧）内に流入する。即ち、衝突噴霧に積
極的にスワール流を衝突させる。溝３の外側壁面３ｄ
は、リップ部２ａの周壁に外接する接線円とされている
ために連設部分２ｄが滑らかであり、スワール流が当該
連設部分２ｄに沿って滑らかに流れて燃焼室２内に流入
する。これにより、高速のスワール流が衝突噴霧に良好
に衝突する。このようにリップ部２ａの周壁への衝突に
よる微粒化に加えて局所的に高速な空気流動を導入する
ことにより、噴霧された燃料内の空気の拡散が促進さ
れ、燃料の霧化が促進されて更に微粒化される。この結
果、着火前の燃料の拡散が良くなり、着火遅れが少なく
なり、燃焼が良好となる。 （実施例２）図４及び図５においてピストン１の上面１
ａには、図１の実施例１に示す溝３と同様に噴射ノズル
５の噴孔５ａと同数の切欠４が設けられている。この切
欠４は、実施例１の溝３の内側壁面（内縁）３ｄを取り
除いた平面視楔形とされており、外側壁面（外縁）４ｃ
がスワール流方向に沿って切り欠かれ、先端部４ｂが燃
焼室２のリップ部２ａの周壁に外接する接線円をなして
連設され燃焼室２のリップ部２ａの周壁に開口されてい
る（以下「開口部４ｂ」という）。底面４ｅは、始端部
４ａ側から開口部４ｂ側に徐々に深さを増し、開口部４
ｂがリップ部２ａの周壁略中央に開口している。そし
て、開口部４ｂは、その先端即ち、外側壁面４ｃの先端
とリップ部２ａの周壁との連設部分２ｄに１点鎖線で示
すように燃料噴射ノズル５の噴孔５ａからの噴射燃料が
衝突するように配置されている。
【００１９】ピストン１の圧縮行程時にスキッシュ流と
して燃焼室２へ流れ込む空気は、各切欠４によりスワー
ル方向へ変換され、開口部４ｂから燃焼室２に導かれ
る。切欠４は、浅く、且つ開口部４ｂが絞られているた
めにスキッシュエネルギが集中し、高速スワール流とな
って燃焼室２に流入する。一方、ピストン１の上死点近
傍において燃料噴射ノズル５の各噴孔５ａから燃料が噴
射される。この噴射された燃料は、１点鎖線のように燃
焼室２のリップ部２ａの周壁と各切欠４の外側壁面４ｃ
との連設部分２ｄに衝突する。
して燃焼室２へ流れ込む空気は、各切欠４によりスワー
ル方向へ変換され、開口部４ｂから燃焼室２に導かれ
る。切欠４は、浅く、且つ開口部４ｂが絞られているた
めにスキッシュエネルギが集中し、高速スワール流とな
って燃焼室２に流入する。一方、ピストン１の上死点近
傍において燃料噴射ノズル５の各噴孔５ａから燃料が噴
射される。この噴射された燃料は、１点鎖線のように燃
焼室２のリップ部２ａの周壁と各切欠４の外側壁面４ｃ
との連設部分２ｄに衝突する。
【００２０】噴孔５ａから噴射された燃料が燃焼室２の
リップ部２ａの周壁に衝突したときに、切欠４の開口部
４ｂから燃焼室２に流入する高速スワール流が噴霧中心
軸（１点鎖線で示す）に対して垂直方向（真横）から噴
霧先端（衝突噴霧）内に流入する。これにより、噴霧さ
れた燃料内の空気の拡散が促進され、燃料の霧化が促進
されて更に微粒化される。
リップ部２ａの周壁に衝突したときに、切欠４の開口部
４ｂから燃焼室２に流入する高速スワール流が噴霧中心
軸（１点鎖線で示す）に対して垂直方向（真横）から噴
霧先端（衝突噴霧）内に流入する。これにより、噴霧さ
れた燃料内の空気の拡散が促進され、燃料の霧化が促進
されて更に微粒化される。
【００２１】尚、上記各実施例においては、中スワール
リエントラント形の燃焼室に適用した場合について記述
したが、これに限るものではなく、他の形状例えば、中
スワール深皿（トロイダル）形、中スワール皿形、高ス
ワールＭ形等の形状の燃焼室にも適用し得ることは勿論
である。
リエントラント形の燃焼室に適用した場合について記述
したが、これに限るものではなく、他の形状例えば、中
スワール深皿（トロイダル）形、中スワール皿形、高ス
ワールＭ形等の形状の燃焼室にも適用し得ることは勿論
である。
【００２２】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、噴
射された燃料の燃焼室周壁への衝突による微粒化に加え
て局所的に高速な空気流動を導入することにより、更に
微粒化が促進され、スモーク、未燃燃料の排出が抑制さ
れ、且つより均一な噴霧拡散となるために窒素酸化物も
低減される。
射された燃料の燃焼室周壁への衝突による微粒化に加え
て局所的に高速な空気流動を導入することにより、更に
微粒化が促進され、スモーク、未燃燃料の排出が抑制さ
れ、且つより均一な噴霧拡散となるために窒素酸化物も
低減される。
【００２３】また、小容量の燃焼室に適した高度の微粒
化又は分布を与えるような燃料噴霧特性を得ることが可
能となり、小型のディーゼルエンジンに直接噴射式を適
用することが可能となる。これにより、広い回転速度範
囲が要求される乗用車等に直接噴射式ディーゼルエンジ
ンを搭載することが可能となる。
化又は分布を与えるような燃料噴霧特性を得ることが可
能となり、小型のディーゼルエンジンに直接噴射式を適
用することが可能となる。これにより、広い回転速度範
囲が要求される乗用車等に直接噴射式ディーゼルエンジ
ンを搭載することが可能となる。
【図１】本発明に係る直接噴射式ディーゼルエンジンの
燃焼室を備えたピストンの実施例１の平面図である。
燃焼室を備えたピストンの実施例１の平面図である。
【図２】図１の要部拡大図である。
【図３】図１の矢線III−IIIに沿う断面図である。
【図４】本発明に係る燃焼室を備えたピストンの実施例
２の平面図である。
２の平面図である。
【図５】図４の矢線Ｖ−Ｖに沿う断面図である。
１ ピストン ２ 燃焼室 ２ａ リップ部 ３ 溝 ４ 切欠 ３ａ、４ａ 始端部 ３ｂ、４ｂ 開口端部 ３ｃ、４ｃ 外側壁面 ３ｄ 内側壁面 ３ｅ、４ｅ 底面 ５ 燃料噴射ノズル ５ａ 噴孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 徳昭 東京都港区芝五丁目33番８号 三菱自動車 工業株式会社内
Claims (2)
- 【請求項１】 ピストンの頂部に凹設された燃焼室を有
し、前記燃焼室の開口部略中心に臨んでシリンダヘッド
に取り付けられた燃料噴射ノズルにより前記燃焼室の開
口部近傍周壁に燃料が噴射される直接噴射式ディーゼル
エンジンの燃焼室であって、 前記ピストンの上面から前記燃焼室の開口部にかけて深
さが徐々に増大すると共に、増大するに伴いその外縁が
スワール流方向に沿って絞られ前記開口部に開口して連
通する溝を設け、前記溝の開口部に前記噴射ノズルから
燃料が噴射されるように前記溝を配置したことを特徴と
する直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室。 - 【請求項２】 ピストンの頂部に凹設された燃焼室を有
し、前記燃焼室の開口部略中心に臨んでシリンダヘッド
に取り付けられた燃料噴射ノズルにより前記燃焼室の開
口部近傍周壁に燃料が噴射される直接噴射式ディーゼル
エンジンの燃焼室であって、 前記ピストンの上面から前記燃焼室の開口部にかけて深
さが徐々に増大すると共に、増大するに伴いその外縁が
スワール流方向に沿って絞られ前記開口部に連通する切
欠を設け、前記切欠の絞り部に前記噴射ノズルから燃料
が噴射されるように前記切欠を配置したことを特徴とす
る直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8116719A JPH09303149A (ja) | 1996-05-10 | 1996-05-10 | 直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8116719A JPH09303149A (ja) | 1996-05-10 | 1996-05-10 | 直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09303149A true JPH09303149A (ja) | 1997-11-25 |
Family
ID=14694121
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8116719A Pending JPH09303149A (ja) | 1996-05-10 | 1996-05-10 | 直接噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09303149A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20020021433A (ko) * | 2000-09-15 | 2002-03-21 | 이계안 | 디젤 엔진의 피스톤 |
| CN100392230C (zh) * | 2003-08-19 | 2008-06-04 | 扬动股份有限公司 | 提高空气利用率的内燃机活塞 |
| US10072561B2 (en) | 2016-07-25 | 2018-09-11 | Caterpillar Inc. | Piston |
| WO2018163742A1 (ja) * | 2017-03-10 | 2018-09-13 | マツダ株式会社 | ディーゼルエンジン |
| JP2018150849A (ja) * | 2017-03-10 | 2018-09-27 | マツダ株式会社 | ディーゼルエンジン |
| JP2018150850A (ja) * | 2017-03-10 | 2018-09-27 | マツダ株式会社 | ディーゼルエンジン |
| CN109854359A (zh) * | 2018-10-30 | 2019-06-07 | 中国北方发动机研究所(天津) | 一种适用于涡流燃烧系统的旋流槽型燃烧室 |
-
1996
- 1996-05-10 JP JP8116719A patent/JPH09303149A/ja active Pending
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20020021433A (ko) * | 2000-09-15 | 2002-03-21 | 이계안 | 디젤 엔진의 피스톤 |
| CN100392230C (zh) * | 2003-08-19 | 2008-06-04 | 扬动股份有限公司 | 提高空气利用率的内燃机活塞 |
| US10072561B2 (en) | 2016-07-25 | 2018-09-11 | Caterpillar Inc. | Piston |
| WO2018163742A1 (ja) * | 2017-03-10 | 2018-09-13 | マツダ株式会社 | ディーゼルエンジン |
| JP2018150848A (ja) * | 2017-03-10 | 2018-09-27 | マツダ株式会社 | ディーゼルエンジン |
| JP2018150849A (ja) * | 2017-03-10 | 2018-09-27 | マツダ株式会社 | ディーゼルエンジン |
| JP2018150850A (ja) * | 2017-03-10 | 2018-09-27 | マツダ株式会社 | ディーゼルエンジン |
| CN110382836A (zh) * | 2017-03-10 | 2019-10-25 | 马自达汽车株式会社 | 柴油发动机 |
| US20200011267A1 (en) * | 2017-03-10 | 2020-01-09 | Mazda Motor Corporation | Diesel engine |
| EP3578774A4 (en) * | 2017-03-10 | 2020-05-27 | Mazda Motor Corporation | DIESEL MOTOR |
| CN109854359A (zh) * | 2018-10-30 | 2019-06-07 | 中国北方发动机研究所(天津) | 一种适用于涡流燃烧系统的旋流槽型燃烧室 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19991221 |