JP3538916B2 - 直噴式エンジンの燃焼室構造 - Google Patents

直噴式エンジンの燃焼室構造

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JP3538916B2 JP27261894A JP27261894A JP3538916B2 JP 3538916 B2 JP3538916 B2 JP 3538916B2 JP 27261894 A JP27261894 A JP 27261894A JP 27261894 A JP27261894 A JP 27261894A JP 3538916 B2 JP3538916 B2 JP 3538916B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディーゼルエンジンに
おいて、燃料を燃焼室に直接噴霧する直噴式エンジンの
燃焼室構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開昭63−162925
号公報に示されるように、直噴式のディーゼルエンジン
において、ピストンの頂部に設けられたキャビティに、
燃料噴射ノズルから噴射された燃料をキャビティの上部
外周に向けて案内する案内面を構成する中央突部を形成
するとともに、この中央突部の周面に付着した燃料膜が
その下方に流入するのを防止するため、上記中央突部と
キャビティの外周部とによって形成される空間部にくび
れ部を形成することが行われている。
【0003】また、直噴式のディーゼルエンジンにおい
て、図10に示すように、ピストン1の頂部に設けられ
たキャビティ2の中央部に、突出量が比較的小さい山形
の突部11を設け、圧縮行程において生成されたスキッ
シュ流Bの流れを上記突部11によって案内することよ
り、上記突部11の外周部に形成された環状凹部12に
沿って流れる縦渦を形成するとともに、点火後の火炎を
上記環状凹部12内に効果的に伝播させるように構成し
た燃焼室構造が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載された
燃焼室構造では、圧縮行程において生成されたスキッシ
ュ流を上記中央突部の頂面に当接させて外方側に偏向さ
せることにより、キャビティの上部に強い流れの縦渦を
形成することができるとともに、上記中央突部とキャビ
ティの外周部とによって形成された空間部内に導入され
た吸気流(スワール)の慣性モーメントを大きな値に維
持することができるため、燃料噴射ノズルから噴射され
た燃料を効率よく気化させ、スモークの発生を効果的に
抑制できるという利点がある。
【0005】この反面、上記空間部に設けられたくびれ
部における絞り損失および熱損失により、機関効率が低
下するという問題がある。すなわち、燃料の着火後に火
炎がキャビティの下方部に伝播することが上記くびれ部
において阻害されるため、燃焼性が損なわれて機関効率
が低下することが避けられなかった。
【0006】また、上記図10に示す山形の突部11を
形成した燃焼室構造においては、環状凹部12の全体を
流れる縦渦により燃料噴射ノズル4から上記キャビティ
の上部外周に向けて噴射された燃料Aが効果的に拡散、
混合され、良好な燃焼性が得られるという利点を有する
反面、上記スキッシュ流Bが山形の突部12に案内され
ることによって形成される縦渦の旋回範囲が広いために
その流速が低下することが避けられず、燃料を効果的に
気化させることが困難であるという問題があった。
【0007】さらに、上記環状凹部12内に形成された
大きな縦渦によって燃料着火後における火炎の伝播効率
が過度に高くなると、燃焼室内の温度が著しく上昇して
NOxの排出量が増大するという問題があった。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、燃料の着火後における火炎の伝播性
を損なうことなく、燃料を効果的に気化させてスモーク
の発生を抑制することができる直噴式エンジンの燃焼室
構造を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
ピストンの頂部に設けられたキャビティ内に燃料を噴射
する燃料噴射ノズルを備えた直噴式エンジンの燃焼室構
造において、上記キャビティの外周部には、内方側に突
出するリップ部と、その下方に位置するとともにリップ
部の外方側に凹入する湾曲面からなり、上記燃料噴射ノ
ズルから吐出された燃料が吹き付けられる燃料反射部
と、その下方に位置して外方側に凹入する曲面からなる
環状凹部とが形成されるとともに、上記燃料反射部と環
状凹部との間にキャビティの内方側に突出する段部が形
成され、かつキャビティの中央部には、圧縮行程におい
て生成されたスキッシュ流を外方側に反転させて上記燃
料反射部側に偏向させることによりキャビティの上層部
に強い流れの縦渦を形成するための外下がりの傾斜面が
上端部に設けられた中央突部が形成されるとともに、
記燃料反射部に吹き付けられて反射した燃料を上記スキ
ッシュ流によって形成された縦渦に確実に接触させ得る
ように上記中央突部の上端面と上記燃料反射部との設置
高さが略等しく設定され、かつ吸気ポートから燃焼室の
周辺部に沿って吸気が導入されることにより上記環状凹
部内においてスワールが形成されるとと もに、上記中央
突部および燃料反射部によりスキッシュ流が案内される
ことにより、上記スワール生成部の上方側において上記
縦渦が形成されるように構成したものである。
【0010】
【作用】上記請求項1記載の発明によれば、圧縮行程に
おいて生成されたスキッシュ流が中央突部に当接して燃
料反射部側に偏向されることにより、キャビティの上層
部で速い流れの縦渦が形成されるとともに、燃料の着火
後に火炎が環状凹部内に効果的に伝播され、かつ上記縦
渦と、環状凹部内で生成されたスワールとが上記接続部
を構成する曲面に沿ってスムーズに流れることになる。
また、圧縮行程で生成された上記スキッシュ流が中央突
部に案内されることにより上記スワール生成部の上方側
形成された縦渦が燃料反射部に供給され、この燃料反
射部に衝突して反射した燃料が上記縦渦に接触して効果
的に気化され、かつ上記燃料反射部において反射した燃
料の舞い上がりが、その上方に位置するリップ部によっ
て抑制されるとともに、上記燃料反射部と環状凹部との
間に形成された段部の存在により、上記燃料反射部に付
着した燃料が下方に流下することが抑制されることにな
る。
【0011】
【実施例】図1および図2は、本発明に係る直噴式エン
ジンの燃焼室構造の実施例を示している。エンジンの燃
焼室は、ピストン1の頂部に設けられたキャビティ2
と、シリンダヘッド3の下面との間に形成されている。
そして、上記シリンダヘッド3には、燃料噴射ノズル4
が燃焼室の中央上端部に臨むように設置され、この燃料
噴射ノズル4の燃料噴射孔から上記キャビティ2の上部
外周に向けて燃料が放射状に噴射されるようになってい
る。
【0012】上記キャビティ2の外周部には、内方側に
突出するリップ部5と、その下方に位置する燃料反射部
6と、その下端部に連続する環状凹部7とが形成される
とともに、上記キャビティ2の中央部には、上方に突出
する中央突部8が形成されている。
【0013】上記燃料反射部6は、リップ部5の外方に
凹入する湾曲面からなり、この燃料反射部6に上記燃料
噴射ノズル4から矢印A方向に吐出された燃料が吹き付
けられるように、燃料反射部6の設置高さおよび燃料の
噴射方向が設定されている。さらに、上記燃料反射部6
に吹き付けられて反射した燃料が、後述するようにキャ
ビティ2の上層部において生成される縦渦と、キャビテ
ィ2の下層部において生成されるスワールとの境界部を
指向するように、燃料反射部6の反射角度が設定されて
いる。
【0014】また、上記環状凹部7は、その外周面およ
び底面が半径R1の第1曲面からなり、上記燃料反射部
6の外方側に凹入するように形成されるとともに、環状
凹部7の内周面、つまり上記環状凹部7と中央突部8と
の接続部が半径R2の第2曲面によって形成されてい
る。そして、上記曲面によって環状凹部7と中央突部8
とが滑らかに連続するとともに、上記環状凹部7と中央
突部8とによって形成された空間部に実質的な絞り部が
形成されないように構成されている。
【0015】上記中央突部8は、上窄まりの円錐台状に
形成され、上記ピントン1の上昇に応じ、ピストン1の
上面外周部とシリンダヘッド3の下面との間において空
気が圧縮されることにより生成された矢印B方向のスキ
ッシュ流を上記燃料反射部6側に偏向させるように構成
されている。すなわち、上記スキッシュ流が中央突部8
の上端部に当接するようにその突出高さが設定されると
ともに、上記スキッシュ流を外方側に反転させるために
外下がりの傾斜面9が上記中央突部8の上端部に形成さ
れている。
【0016】そして、上記ピストン1の上端面と上記中
央突部8の頂面との間隔H1は、環状凹部7を中心とし
て形成される燃焼室の容積を十分に確保しつつ、上記ス
キッシュ流Bを燃料反射部6側に効果的に偏向させるこ
とができるようにするため、上記環状凹部7の設置深さ
H2の4分1以下に設定されている。さらに、上記中央
突部8の上端面と、上記燃料反射部6との設置高さがほ
ぼ等しくなるように、上記燃料反射部6が配設されると
ともに、上記中央突部8の突出量が設定されている。
【0017】また、上記環状凹部7と中央突部8とによ
って形成される空間部に、上部の径が下部に比べて部分
的に小さくなった実質的な絞り部が形成されるのを確実
に防止するため、上記接続部を構成する第1曲面の曲率
半径R2が、上記環状凹部7を構成する第2曲面の曲率
半径R1の1.5倍以上に設定されている。
【0018】なお、上記シリンダヘッド3には、図示を
省略した吸気ポートおよび排気ポートが形成され、上記
吸気ポートから燃焼室の周辺部に沿って吸気が導入され
ることにより、上記環状凹部7内において渦流(スワー
ル)が形成されるようになっている。
【0019】上記構成において、図1に示すように、ピ
ストン1が上昇した圧縮行程において、ピストン1の上
面外周部とシリンダヘッド3の下面との間において、空
気が圧縮されてスキッシュ流Bが生成される。そして、
このスキッシュ流Bが上記中央突部8の上端面に当接し
て外方側に反転し、上記スキッシュ流Bが燃料反射部6
の設置部に向けて偏向されることにより、キャビティ2
の上層部の限られたスペース内において強い流れの縦渦
が形成されることになる。
【0020】そして、上記ピストン1が上死点近傍に上
昇した時点で、燃料噴射ノズル4から上記燃料反射部6
に向けて燃料Aが噴射され、この燃料反射部6に衝突し
て反射した燃料が上記縦渦に接触することにより、効果
的に拡散、混合されて十分に気化した状態で、上記環状
凹部7内に徐々に導入される。この結果、上記燃料が燃
焼した後に、その火炎が上記キャビティ2の上層部から
上記環状凹部7内に伝播し、キャビティ2の全域に広が
ることになる。
【0021】このようにキャビティ2の中央部に、上記
スキッシュ流Bを燃料反射部6側に偏向させる中央突部
8を形成したため、キャビティ2の上層部において強い
流れの縦渦を形成することができる。したがって、燃料
を空気中に拡散、混合させて燃料の気化を促進し、空気
利用率を高めてスモークの発生を効果的に抑制すること
ができる。
【0022】また、上記環状凹部7と中央突部8とによ
って形成される空間部に、実質的な絞り部が形成される
ことのないように構成した場合には、キャビティ2に中
央突部8を設けて上記スキッシュ流Bを燃料反射部6側
に偏向させるように構成したにも拘らず、上記環状凹部
7内に火炎をスムーズに伝播させることができ、これに
よって燃料を効果的に燃焼させて機関効率を向上させる
ことができる。
【0023】上記構成を採用することによる効果を確認
するため、図1および図2に示すように、キャビティ2
の上層部において流速の速い縦渦が形成されるように構
成された本発明例と、図10に示すように、環状凹部1
2に沿って流れる流速の遅い縦渦が形成されるように構
成された比較例とにより、スモークの排出量およびNO
xの排出量を測定する実験を行ったところ、図3および
図4に示すようなデータが得られた。
【0024】上記実験データにより、本発明例では、図
3および図4の実線αで示すように、エンジン負荷の大
きな領域で発生するスモーク量が、破線βで示す比較例
に比べて著しく低減されるとともに、NOxの排出量も
比較例に比べて全体的に低減されていることが確認され
た。
【0025】これは、本発明例のようにキャビティ2の
上層部において流速の速い縦渦を形成するように構成し
た場合には、燃料の気化が促進されてスモークの発生が
抑制され、かつ燃料着火後における火炎の伝播効率が過
度に高くなることが上記中央突部8の存在によって防止
されることにより、燃焼温度が著しく上昇することに起
因したNOxの排出が抑制されるためであると考えられ
る。
【0026】また、同様にしてエンジンの軸トルク、エ
ンジン出力および燃費率を測定する実験を行ったとこ
ろ、本発明例では、図5〜図7の実線αで示すようにな
り、かつ比較例では、破線βで示すようになり、上記エ
ンジンの軸トルクおよびエンジン出力については、それ
ぞれ本発明例が比較例よりも優れ、燃費率については、
本発明品と比較例とが同程度の性能を有していることが
確認された。
【0027】また、上記のようにキャビティ2の外周部
に設けられた環状凹部7を第1曲面によって構成したた
め、吸気ポートから燃焼室の周辺部に沿って導入された
吸気の流れにより、図8に示すように、上記キャビティ
2の下層部において形成されたスワールCを上記環状凹
部7に沿ってスムーズに流動させ、その慣性モーメント
を大きな値に維持することができる。
【0028】そして、上記のように燃料反射部6に吹き
付けられて反射した燃料が、上記スキッシュ流Bによっ
てキャビティ2の上層部に形成された縦渦と、上記吸気
の流れによりキャビティ2の下層部に形成されたスワー
ルCとの境界部に供給されるよう上記燃料反射部6の反
射角度を設定した場合には、上記境界部に供給された燃
料が、上記縦渦とスワールCとの流速および流れ方向が
相違していることに起因して生じる剪断力を受け、燃料
の微粒化がさらに促進されて燃焼性が向上することが、
データ解析によって確認された。
【0029】さらに、上記のようにキャビティ2に設け
られた環状凹部7と中央突部8との接続部を第2曲面に
よって形成し、この接続部を滑らかに連続させるように
した構成によると、圧縮行程において生成されたスキッ
シュ流Aからなる縦渦および上記環状凹部7内において
生成されたスワールCの流れが、上記接続部において阻
害されるのを防止できるため、上記縦渦およびスワール
Cの慣性モーメントを大きな値に維持して空気利用率を
さらに効果的に向上させることができる。
【0030】また、上記実施例では、環状凹部7と中央
突部8との接続部を構成する曲面の曲率半径R2を、上
記環状凹部7を構成する曲面の曲率半径R1の1.5倍
以上に設定したため、上記環状凹部7と中央突部8とに
よって形成される空間部に、上部の径が下部に比べて部
分的に小さくなった実質的な絞り部が形成されるのを容
易かつ確実に防止することができる。
【0031】さらに、上記ピストン1の上端面と上記中
央突部8の頂面との間隔H1を、上記環状凹部7の設置
深さH2の4分1以下に設定した場合には、環状凹部7
を中心として形成される燃焼室の容積を十分に確保しつ
つ、上記スキッシュ流Bを燃料反射部6側に効果的に偏
向させることができる。
【0032】そして、上記中央突部8の上端面と、上記
燃料反射部6との設置高さがほぼ等しくなるように、上
記燃料反射部6を配設するとともに、上記中央突部8の
突出量を設定することにより、上記燃料反射部6に吹き
付けられて反射した燃料を上記スキッシュ流Bによって
形成された縦渦に確実に接触させ、上記燃料を効果的に
気化させることができる。
【0033】また、上記のように環状凹部7と中央突部
8との接続部を構成する第2曲面の曲率半径R2を、上
記環状凹部7を構成する第1曲面の曲率半径R1の1.
5倍以上に設定するとともに、上記ピストン1の上端面
と中央突部8の頂面との間隔H1を、上記環状凹部7の
設置深さH2の4分1以下に設定するように構成した場
合には、上記燃焼室を設計する際のパラメータ数を低減
し、燃焼室の設計を容易に行うことができるという利点
がある。
【0034】さらに、上記キャビティ2の外周部に設け
られた燃料反射部6を、その上端部において内方に突出
するリップ部5と、上記燃料反射部6の下端部において
外方側に凹入する環状凹部7との間に配設したため、燃
料噴射ノズル4から上記燃料反射部6に噴射されて反射
した燃料が舞い上がるのを上記リップ部5によって効果
的に抑制することができる。また、上記燃料反射部6と
環状凹部7との間に形成された段部に存在により、上記
燃料反射部6に付着した燃料が下方に流下するのを抑制
できるため、上記燃料を効率よく気化させることができ
る。
【0035】上記のように燃料反射部6をリップ部5の
外方側に凹入する湾曲面によって構成したため、上記の
位置に燃料反射部6を配設してこの部分に段部が形成さ
れた場合においても、この段部の存在によって上記縦渦
の流れが阻害されるのを効果的に防止できるという利点
がある。
【0036】なお、上記実施例では、円錐台状の中央突
部8を形成した例について説明したが、図9に示すよう
に、中央突部8の上端面を曲率半径R3の曲面によって
半球状に形成した構造としてもよい。このように構成し
た場合には、圧縮行程において生成されたスキッシュ流
Aを上記中央突部8の上端面に沿ってスムーズに流動さ
せることができるため、上記スキッシュ流Aによって形
成される縦渦の流速を増大させて燃料を空気中に拡散、
混合させて燃料の気化を促進し、空気利用率を高めてス
モークの発生をさらに効果的に抑制することができる。
【0037】上記のように中央突部8の上端面を第3曲
面によって形成した場合、この第3曲面の曲率半径R3
を、上記環状凹部7を構成する第1曲面の曲率半径R1
の1.5倍〜2.5倍の範囲内に設定することが望まし
い。すなわち、上記第3曲面の曲率半径R3が、第1曲
面の曲率半径R1の1.5倍未満となると、中央突部8
の大きさが小さくなって矢印B方向のスキッシュ流を上
記燃料反射部6側に偏向させる作用が損なわれ、また上
記曲率半径R3が曲率半径R1の2.5倍以上となる
と、上記環状凹部7と中央突部8とによって形成される
空間部に、上部の径が下部に比べて部分的に小さくなっ
た実質的な絞り部が形成されないように設計することが
困難となるからである。
【0038】そして、上記中央突部8の曲率半径R3を
環状凹部7の曲率半径R1の1.5倍〜2.5倍の範囲
内に設定することにより、上記燃焼室を設計する際のパ
ラメータ数をさらに低減してその設計を容易化すること
ができる。
【0039】また、上記実施例においても、環状凹部7
等によって形成される燃焼室の容積を十分に確保しつ
つ、上記スキッシュ流Bの偏向作用が効果的に得られる
ようにするため、上記ピストン1の上端面と上記中央突
部8の頂面との間隔H1を、上記環状凹部7の設置深さ
H2の4分1以下に設定することが望ましい。
【0040】さらに、上記スキッシュ流Bが上記中央突
部8の頂面に当接することによって形成された縦渦を燃
料反射部6に効果的に集中させるために、上記燃料反射
部6の設置高さと、上記中央突部8の突出量および上記
燃料反射部6の設置高さとがほぼ等しくなるように構成
することが望ましい。
【0041】なお、上記環状凹部7を構成する曲面と、
中央突部8の上端面を構成する曲面とを滑らかに連続さ
せるために、上記環状凹部7と中央突部8との接続部を
曲率半径R2の曲面によって形成してもよく、あるいは
上記接続部を直線状の平面によって形成した構造として
もよい。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に係る発明
は、ピストンの頂部に設けられたキャビティ内に燃料を
噴射する燃料噴射ノズルを備えた直噴式エンジンの燃焼
室構造において、上記キャビティの外周部には、内方側
に突出するリップ部と、その下方に位置するとともに
ップ部の外方側に凹入する湾曲面からなり、上記燃料噴
射ノズルから吐出された燃料が吹き付けられる燃料反射
部と、その下方に位置して外方側に凹入する曲面からな
る環状凹部とが形成されるとともに、上記燃料反射部と
環状凹部との間にキャビティの内方側に突出する段部が
形成され、かつキャビティの中央部には、圧縮行程にお
いて生成されたスキッシュ流を外方側に反転させて上記
燃料反射部側に偏向させることによりキャビティの上層
部に強い流れの縦渦を形成するための外下がりの傾斜面
が上端部に設けられた中央突部が形成されるとともに、
上記燃料反射部に吹き付けられて反射した燃料を上記ス
キッシュ流によって形成された縦渦に確実に接触させ得
るように上記中央突部の上端面と上記燃料反射部との設
置高さが略等しく設定され、かつ吸気ポートから燃焼室
の周辺部に沿って吸気が導入されることにより上記環状
凹部内においてスワー ルが形成されるとともに、上記中
央突部および燃料反射部によりスキッシュ流が案内され
ることにより、上記スワール生成部の上方側において上
記縦渦が形成されるように構成したため、キャビティの
上層部において強い流れの縦渦を形成することにより、
燃料を効率よく空気中に拡散、混合させて燃料の気化を
促進し、空気利用率を高めてスモークの発生を効果的に
抑制できるという利点がある。また、上記燃料反射部に
吹き付けられて反射した燃料を上記スキッシュ流によっ
て形成された縦渦に確実に接触させ、上記燃料を効果的
に気化させることができるとともに、燃料噴射ノズルか
ら上記燃料反射部に噴射されて反射した燃料が舞い上が
るのを上記リップ部によって効果的に抑制することがで
きるとともに、上記燃料反射部に付着した燃料が下方に
流下することを上記燃料反射部と環状凹部との間に形成
された段部において阻止することにより、上記燃料を効
率よく気化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る直噴式エンジンの燃焼室構造の実
施例を示す断面図である。
【図2】燃焼室のキャビティの構造を示す説明図であ
る。
【図3】スモーク排出量を測定する実験データを示すグ
ラフである。
【図4】NOx排出量を測定する実験データを示すグラ
フである。
【図5】エンジンの軸トルクを測定する実験データを示
すグラフである。
【図6】エンジン出力を測定する実験データを示すグラ
フである。
【図7】燃費率を測定する実験データを示すグラフであ
る。
【図8】燃焼室内における燃料および空気の流れを示す
説明図である。
【図9】本発明の別の実施例を示す図2相当図である。
【図10】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】 1 ピストン 2 キャビティ 4 燃料噴射ノズル 6 燃料反射部 7 環状凹部 8 中央突部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 益田 俊治 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 濱崎 美奈 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−109721(JP,A) 特開 昭61−155617(JP,A) 特開 平6−221162(JP,A) 特開 平5−52113(JP,A) 特開 平6−193448(JP,A) 特開 平5−106443(JP,A) 特開 平7−42559(JP,A) 特開 平7−150944(JP,A) 実開 平4−116631(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 23/06 F02B 23/00 F02F 3/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンの頂部に設けられたキャビティ
    内に燃料を噴射する燃料噴射ノズルを備えた直噴式エン
    ジンの燃焼室構造において、上記キャビティの外周部に
    は、内方側に突出するリップ部と、その下方に位置する
    とともにリップ部の外方側に凹入する湾曲面からなり、
    上記燃料噴射ノズルから吐出された燃料が吹き付けられ
    る燃料反射部と、その下方に位置して外方側に凹入す
    面からなる環状凹部とが形成されるとともに、上記燃
    料反射部と環状凹部との間にキャビティの内方側に突出
    する段部が形成され、かつキャビティの中央部には、圧
    縮行程において生成されたスキッシュ流を外方側に反転
    させて上記燃料反射部側に偏向させることによりキャビ
    ティの上層部に強い流れの縦渦を形成するための外下が
    りの傾斜面が上端部に設けられた中央突部が形成される
    とともに、上記燃料反射部に吹き付けられて反射した燃
    料を上記スキッシュ流によって形成された縦渦に確実に
    接触させ得るように上記中央突部の上端面と上記燃料反
    射部との設置高さが略等しく設定され、かつ吸気ポート
    から燃焼室の周辺部に沿って吸気が導入されることによ
    り上記環状凹部内においてスワールが形成されるととも
    に、上記中央突部および燃料反射部によりスキッシュ流
    が案内されることにより、上記スワール生成部の上方側
    において上記縦渦が形成されるように構成したことを特
    徴とする直噴式エンジンの燃焼室構造。
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JP5227010B2 (ja) * 2007-12-21 2013-07-03 三菱自動車工業株式会社 直接噴射式ディーゼルエンジン用ピストン
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