JPH09302810A - 建築物の構面構造及びその構法 - Google Patents

建築物の構面構造及びその構法

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JPH09302810A
JPH09302810A JP8119973A JP11997396A JPH09302810A JP H09302810 A JPH09302810 A JP H09302810A JP 8119973 A JP8119973 A JP 8119973A JP 11997396 A JP11997396 A JP 11997396A JP H09302810 A JPH09302810 A JP H09302810A
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wooden
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building
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Tomoo Kudo
智勇 工藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】木質集成材料からなる単位部材を相互に連結し
て強度の高い構面を構成する。 【解決手段】木質ブロックAを構成する表面層1a,1
b及び内層1cを夫々集成材によって形成すると共に少
なくとも1層の木質繊維の方向を重力負担方向に配置す
る。表面層1a,1bに対し内層1cをずらすことによ
って、ほぞとなる側面突起2a,上面突起2bを形成す
ると共に、側面溝3a,下面溝3bを形成する。側面突
起を側面溝に嵌合すると共に上面突起を下面溝に嵌合し
て木質ブロックAを連結し、穴5に連結部材6を挿通し
て嵌合連結部分を貫通させる。これにより相互に一体化
した木質ブロックAによって構面Cを構成することが出
来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木質集成材料から
なる単位部材を用いて構成した建築物の構面構造と、こ
の構面を形成する構法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物の構面(構造耐力を持たせた壁
面)を構成する材料及び構法として多くのものが提供さ
れているが、その中で代表的なものとして、所定の寸法
に成形された複数のコンクリートブロックを左右方向及
び上下方向に積み上げて構成したコンクリートブロック
造、丸太を水平方向に配置して積み上げて構成したログ
ハウス、丸太を集成材からなる角材に置き換えた集成材
ログハウス等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記各構法は夫
々固有の問題点を有している。即ち、上記コンクリート
ブロック造では、材料が重いため取り扱い上の面からブ
ロックの寸法が小さくなり、構面を構成する際に作業の
繰り返し回数が多くなるという問題がある。また材料が
脆く、機械的な連結形状を作ることが出来ないため、目
地モルタルによって連結しているが、ブロック自体及び
目地モルタルが引張に弱いため、ブロックの内部に形成
した空洞部に配筋すると共にコンクリートを充填して一
体化をはかることが必要となるという問題、垂直構面以
外は仮設支持が必要になり施工が困難であること、更
に、材料が断熱性に劣るため、別途断熱対策が必要にな
るという問題や調湿作用に劣るという問題がある。特
に、湿式作業のため、品質が安定し難く熟練技能が必要
となることや現場が汚染する等の問題が生じている。
【0004】上記ログハウスでは、丸太が水平方向に配
置されるため、木質繊維の方向が重力荷重負担方向と直
交することとなり構造的に不利であるという問題があ
る。また丸太は事前に乾燥し難いため、施工後経時的に
縮んで狂いが生じ水密性や気密性に対する長期的なメン
テナンスが必要となるという問題があり、且つ最小単位
の部材が大きく重いため、施工に重機が必要になり更に
部品化するには品種が増大するという問題、木材資源の
枯渇により丸太自体の入手が困難であるという問題があ
る。
【0005】上記集成材ログハウスでは、丸太を用いた
ログハウスに比較して狂いが少ないという利点はある。
しかし、木質繊維が水平方向に用いられるため、構造的
に不利であるという同様の問題がある。最小単位の部材
が大きく重いため、施工に重機が必要になり更に部品化
するには品種が増大するという問題や、集成材は大型化
する程加工度が上がり、製造設備も大型化して品種が多
いと生産自動化が困難でコスト高になるという問題があ
る。
【0006】本発明の目的は、少なくとも1層の木質繊
維を重力荷重負担方向に配置することによって有利な構
面構造を提供すると共に該構面を構成する構法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る建築物の構面構造は、複数層の木質材を
有する木質集成材料からなる単位部材を相互に連結して
形成した建築物の構面構造であって、前記構面を構成す
る単位部材の少なくとも1層の木質材の木質繊維を重力
荷重負担方向に配置したものである。
【0008】上記構面構造では、複数層の木質材を集成
して構成した木質集成材料からなる単位部材(以下「木
質ブロック」という)の少なくとも1層の木質材の木質
繊維を重力荷重負担方向に配置することによって、構成
された構面に作用する重力荷重を合理的に支持すること
が出来る。特に、前記構面が、壁面となる垂直構面,床
面となる水平構面或いは屋根面となる傾斜構面やアーチ
型(ボールト型,ドーム型)構面等、形状や角度が異な
る場合であっても、木質材の木質繊維を重力荷重負担方
向に一致させて配置することで、重力荷重を合理的に支
持することが出来る。
【0009】また構面構法は、複数層の木質材を有する
木質集成材料からなる単位部材の少なくとも1層の木質
材の木質繊維を重力荷重負担方向に配置すると共に、左
右方向及び上下方向に連結して構面を形成するものであ
る。
【0010】上記構面構法では、木質ブロックを形成す
る少なくとも1層の木質材の木質繊維を重力荷重負担方
向に配置すると共に、これらの木質ブロックを左右,上
下方向に連結することで、重力荷重を合理的に支持し得
る構面を構成することが出来る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、上記構面構造の好ましい実
施形態について図を用いて説明し、合わせて構面構法に
ついて説明する。図1は第1の実施例に係る木質ブロッ
クAの構成を説明する三面図、図2は木質ブロックAを
用いて構成した構面構造及び構法を説明する図、図3は
木質ブロックAを連結するほぞの例を説明する図、図4
は木質ブロックAの積み上げ方の例を説明する図、図5
は木質ブロックを用いた構面を有する建築物の例を示す
斜視図、図6は図5の一部を断面した図、図7は第2の
実施例に係る木質ブロックBの構成を説明する三面図、
図8は木質ブロックBを用いて構成した構面構造及び構
法を説明する図、図9は木質ブロックBを連結する構造
の例を説明する図、図10は第3の実施例に係る木質ブロ
ックEの構成を説明する図である。
【0012】先ず、図1により木質ブロックAの構成に
ついて説明する。この木質ブロックAは複数層の木質材
を集成して形成された木質集成材料として構成されてお
り、表面層1a,1bの間に配置された内層1cによっ
て、ほぞとなる側面突起2aと上面突起2bを形成する
と共に各突起2a,2bの反対側の面に側面溝3aと下
面溝3bを形成している。
【0013】上記木質ブロックAは、例えば複数層の木
質材を集成して木質ブロックAの厚さと等しい厚さを有
する大板を構成し、この大板から機械加工によって切
断,切削して製造することが可能である。しかし、加工
手間や加工ロス等を考慮すると、木質ブロックAを構成
する各層1a〜1cの厚さに対応する厚さを持った集成
板を形成し、この集成板を各層1a〜1cの平面寸法に
対応させて切断した後、表面層1a,1bに対応する集
成板を互いに並行して配置すると共に内層1cに対応す
る集成板を各突起2a,2bの寸法に対応させてずらし
た状態で配置し、夫々の集成板を互いに接着して木質ブ
ロックAを構成することが好ましい。
【0014】木質ブロックAを構成する各層1a〜1c
の内の少なくとも1層の木質繊維の方向は重力荷重負担
方向に一致させて配置されている。即ち、木質材では強
度的に異方性があり、木質繊維の方向と平行な方向に作
用する力に対し大きな強度を発揮するが、該繊維の方向
に直交する方向に力に対する強度が小さいという特徴が
ある。従って、各層1a〜1cの内の少なくとも1層の
木質繊維を重力荷重負担方向である上下方向(縦方向)
に配置することによって、垂直方向に作用する建築物を
構成する部材の荷重を有効に支持することが可能であ
る。
【0015】木質ブロックAを構成する各層1a〜1c
の内少なくとも1層の木質繊維の方向を他の層を構成す
る木質繊維の方向に対し交差するように配置することに
よって、目的の構面を構成するに際し、木質ブロックA
の積み上げ方向の自由度を高く保持することが可能であ
る。
【0016】また目的の構面を構成するに際し、予め木
質ブロックAの積み上げ方向が設定されている場合に
は、各層1a〜1cの全ての層の木質繊維の方向を重力
荷重負担方向である縦方向に配置することも可能であ
る。この場合、垂直方向に作用する荷重を最大限に負担
して強度の高い構面を構成することが可能となる。しか
し、木質ブロックAの積み上げ方向は限定されることと
なる。
【0017】本例に係る木質ブロックAでは、表面層1
a,1bの木質繊維の方向は縦方向(図1の正面図に於
ける縦方向)に配置され、且つ内層1cを構成する1層
の木質繊維の方向は表面層1a,1bの方向と交差する
水平方向に配置されている。
【0018】木質ブロックAの各層1a〜1cは夫々厚
さ方向に2層の木質材を集成して構成されている。しか
し、各層1a〜1cを構成するに際し、複数の層を集積
して構成するか或いは単一の層によって構成するかは、
特に限定するものではない。即ち、図に示すように木質
ブロックAが厚さ方向に6層の木質材を集成したもので
あっても良く、また3層の木質材を集成したものであっ
ても良い。
【0019】上記木質ブロックAには、表面層1bの左
右方向(図1の正面図に於ける左右方向)の端面に円弧
状の溝4が形成されている。この溝4は木質ブロックA
を連結したとき、隣接する他の木質ブロックAの溝4と
対向して円形の溝を形成し、毛細管現象による雨水の浸
入を防止するものである。
【0020】木質ブロックAの予め設定された複数の位
置には厚さ方向に連結部材6を挿通する穴5が形成され
ている。この穴5は、木質ブロックAを貫通することな
く表面層1a側から内層1cを貫通して表面層1bの途
中まで形成されている。従って、表面層1a側には穴5
が露出するが表面層1b側には露出しない。このため、
木質ブロックAを積み上げて構面Cを構成する場合、表
面層1aは屋内側に配置される。但し、表面層1a,1
bの両面が屋外に配置されるような建物では、穴5が屋
外に配置されることもあり得る。
【0021】次に、上記木質ブロックAを用いて構面を
構成する手順及び構面構造について説明する。図5、図
6に示すようなログハウス風の建築物に於ける構面C
(耐力壁)を構成する場合について説明する。構面C
は、基礎7上に複数の木質ブロックAを最下層から上層
に向けて積み上げて構成される。
【0022】即ち、図2に示すように、構面Cの下層に
位置する複数の木質ブロックAから順に上層に位置する
複数の木質ブロックAが配置され、上下方向に積み上げ
た木質ブロックAが互いに連結される。
【0023】最下層に配置される複数の木質ブロックA
は、側面突起2aを隣接する他の木質ブロックAの側面
溝3aに嵌合させることで互いに連結されている。最下
層に位置する木質ブロックAを連結したとき、表面層1
a,1bの上方に上面突起2bが連続した状態で突出す
る。
【0024】従って、最下層に位置し且つ互いに連結し
た木質ブロックAの上方に、該ブロックAから突出した
上面突起2bに形成された穴5に表面層1aに形成され
た穴5を合わせつつ、新たな木質ブロックAの下面溝3
bを上面突起2bに嵌合させることで、最下層に位置す
る木質ブロックAの上方に新たな木質ブロックAを積み
上げ、更に、穴5に連結部材6を挿通することで、上下
方向に隣接する木質ブロックAを互いに連結することが
可能である。
【0025】そして上記作業を繰り返して行うことで、
木質ブロックAを順に上方に連結しつつ積み上げて目的
の構面Cを構成することが可能である。尚、図5,図6
に於いて、9は床面を構成する構造用合板であり、10は
梁を構成する木製複合梁である。また11はドーマー部、
12は屋根材、13は間仕切り壁等の非構面である。
【0026】上記の如く、木質ブロックAを左右方向及
び上下方向に連結する際に、隣接する木質ブロックAを
夫々のブロックAに形成した側面突起2aと側面溝3a
を嵌合させると共に上面突起2bと下面溝3bを嵌合さ
せた所謂ほぞによって連結している。そして図3(a)
に示すように、嵌合部分に連結部材6を貫通させること
で強固に連結し、更に、連結部材6を挿通した穴5を栓
8によって閉鎖することで、該穴5に対する雨水等の浸
透を防止している。
【0027】上下方向に隣接する木質ブロックAを連結
する連結部材6は、2つの木質ブロックAの一致した穴
5に挿通されてこれらの木質ブロックAを強固に連結す
るものである。従って、連結部材6は前記機能を有する
ものであれば良く、特別な形状を限定するものではな
い。連結部材6としては、例えば堅い木や金属製の棒、
或いはネジ棒を用いることが可能である。
【0028】木質ブロックAを連結するに際し、必ずし
も上面突起2bと下面溝3bの嵌合部分に連結部材6を
貫通させる必要はない。即ち、同図(b)に示すよう
に、前記嵌合部分を接着して連結しても良い。この場
合、木質ブロックAに穴5を形成する必要がないため栓
8が不要となる。更に、ほぞとしては、同図(c)に示
すような「地獄ほぞ」を用いても良く、或いは木造構法
で用いられる他のほぞ継手の中から選択的に用いること
が可能である。
【0029】木質ブロックAを積み上げる際の組み合わ
せ方には図4に示すように幾つかの方法がある。尚、図
に於いて、矢印の方向は木質繊維の配置方向であり、重
力荷重負担方向と一致している。
【0030】同図(a)は、木質ブロックAの長手方向
(左右方向)を構面Cの左右方向に配置すると共に上方
に積み上げる際に所定寸法(木質ブロックAの長手寸法
の1/2)ずらしたものである。同図(b)は木質ブロック
Aの長手方向を構面Cの縦方向に配置すると共に所定寸
法ずらしつつ左右方向に連結したものである。
【0031】上記各組み合わせ方では、個々の木質ブロ
ックAは該ブロックAの長手方向に隣接した他の木質ブ
ロックAと側面突起2a,側面溝3aを介して接続さ
れ、且つ縦方向に隣接した他の木質ブロックAと上面突
起2b,下面溝3b及び連結部材6を介して連結され
る。即ち、構面Cを構成する全ての木質ブロックAが直
接或いは間接的に連結部材6によって連結されることと
なり、構造的な観点からは好ましい。しかし木質ブロッ
クAとして1/2 ピースのものが必要となる。
【0032】図3(c)は木質ブロックAの長手方向を
構面Cの左右方向に配置して側面突起2a,側面溝3a
を介して連結すると共に、該ブロックAの上方に連結す
る他の木質ブロックAを左右方向にずらすことなく積み
上げたものである。この場合、1/2 ピースの木質ブロッ
クAが不要となり、部品点数を少なくすることが可能で
ある。
【0033】次に、第2の実施例に係る木質ブロックB
の構成及び該ブロックBを用いて構成した構面Cについ
て図7,図8により説明する。尚、図に於いて前述の実
施形態と同一の部分及び同一の機能を有する部分には同
一の符号を付して説明を省略する。
【0034】木質ブロックBは、表面層1a,1bと内
層1cを有し、長手方向(図7の正面図に於ける左右方
向)の両側に夫々同一寸法を持った側面溝3aが形成さ
れており、前記の点以外は前述した木質ブロックAと同
一の形状に形成されている。この木質ブロックBでは、
長手方向に隣接する木質ブロックBを直接連結すること
が出来ない。このため、側面溝3aを対向させて2枚の
木質ブロックBを当接させたときこれらの側面溝3aに
よって構成される空間の寸法と略等しい形状を持った連
結板D(図8参照)を用いて連結される。
【0035】尚、本実施例の木質ブロックBでは連結板
Dを平板状に構成しているが、この形状に限定するもの
ではなく、図9に示すように、側面溝3aを開口部分よ
りも奥部の方が広い台形状に形成すると共に連結板Dを
楔状に形成することも可能である。前記連結板Dの材質
は特に限定するものではない。しかし、木質ブロックB
と同程度の強度を有することが必要である。本実施例で
は木質ブロックBと同様に木質集成材を用いている。
【0036】上記の如く構成された木質ブロックB及び
連結板Dを用いて構面Cを構成する手順について説明す
る。先ず、最下層に位置する木質ブロックBを配置し、
対向した側面溝3aに連結板Dを落とし込んで左右方向
に隣接する木質ブロックBを連結する。このようにして
左右方向に連結した木質ブロックBでは、表面層1a,
1bから上方に上面突起2b及び連結板Dの一部が突出
した状態となる。
【0037】次に、互いに連結した最下層に位置する木
質ブロックBの上方に、該ブロックBから突出した上面
突起2bに形成された穴5に表面層1aに形成された穴
5を合わせつつ、新たな木質ブロックBの下面溝3bを
上面突起2bに嵌合させることで、最下層に位置する木
質ブロックBの上方に新たな木質ブロックBを積み上
げ、更に、穴5に連結部材6を挿通することで、上下方
向に隣接する木質ブロックBを互いに連結する。この作
業を繰り返して行うことで、木質ブロックBを順に上方
に連結しつつ積み上げて目的の構面Cを構成することが
可能である。
【0038】上記の如く構成された木質ブロックA,B
に於いて、寸法を限定するものではない。しかし、作業
員が容易に持ち運びし得る重量と寸法を有することが好
ましい。本実施例では、表面層1a,1bの左右方向の
寸法を610 mm、縦方向の寸法を360 mm、木質ブロック
A,Bの厚さを120 mmとすることで、重量を約10kg程度
に設定している。
【0039】木質ブロックA,Bは集成材として構成さ
れるため、該集成材を構成する単位木質材の寸法は小さ
い。このため、単位木質材を人工的に充分に乾燥させる
ことが可能となり、狂いのない木質ブロックA,Bを構
成することが可能である。また単位木質材の寸法が小さ
いため、間伐材を使用することが可能となり、コストを
低減することが可能である。
【0040】上記各木質ブロックA,Bは、各層1a〜
1cを2層構造で構成されている。前述したように、本
発明は各層1a〜1cの構成層数を限定するものではな
く、前記各層を1層或いは複数層の構造としても良い。
【0041】しかし、全ての木質繊維の方向を重力荷重
負担方向に用いない場合、図10に示すように、各層1a
〜1cを夫々奇数層とし、両面の木質繊維の方向を同方
向とすることが構造上好ましい。このような層構造を有
する木質ブロックEでは、高い強度とバランスを良くす
ることが可能である。
【0042】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
構面構造及び構法では、木質集成材料からなる単位部材
の少なくとも1層の木質繊維が重力荷重負担方向に配置
されるため、強度的に異方性を有する木質材であるにも
関わらず、優れた強度を発揮させることが出来る。
【0043】構面が単位部材を相互に連結して構成され
るため、単位部材の種類を多くする必要がなく、従っ
て、少品種を大量に生産することとなり、製造コストを
低減することが出来る。特に、構造材としての単位重量
がコンクリート等他の材料と比較して小さいため、単位
部材を大型化し易い。
【0044】単位部材をほぞによって連結することで、
該部材を相互の位置関係を一義的に設定して容易に連結
することが出来る。また個々の単位部材はほぞを介して
周囲に配置された他の単位部材と連結されるため、構成
された構面は全体が一体化し該構面に作用する全方向の
力を負担することが出来る。また単位部材の形状が単純
であり、且つ集成材からなる板材によって製造するのに
適した形状となる。
【0045】単位部材の連結嵌合部分に連結部材を貫通
させて連結することで、隣接した単位部材が強固に連結
し、構面に作用する力を充分に負担することが出来る。
また連結部材を引き抜くことで、構面を解体することが
可能となり、増改築や単位部材の再利用を容易に行うこ
とが出来る。特に、連結部材を木製とした場合には、該
連結部材を引き抜くことなく解体しても廃材のリサイク
ルが容易となる。
【0046】単位部材を互いにずらして連列すること
で、単位部材は周囲に配置された他の単位部材と連結さ
れることとなり、強固な構面を構成することが出来る。
また面外方向への曲がりを矯正して平滑な面を構成する
ことが出来る等の特徴を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係る木質ブロックAの構成を説
明する三面図である。
【図2】木質ブロックAを用いて構成した構面構造及び
構法を説明する図である。
【図3】木質ブロックAを連結するほぞの例を説明する
図である。
【図4】木質ブロックAの積み上げ方の例を説明する図
である。
【図5】木質ブロックを用いた構面を有する建築物の例
を示す斜視図である。
【図6】図5の一部を断面した図である。
【図7】第2の実施例に係る木質ブロックBの構成を説
明する三面図である。
【図8】木質ブロックBを用いて構成した構面構造及び
構法を説明する図である。
【図9】木質ブロックBを連結する構造の例を説明する
図である。
【図10】第3の実施例に係る木質ブロックEの構成を説
明する図である。
【符号の説明】
A,B 木質ブロック C 構面 D 連結板 1a,1b 表面層 1c 内層 2a 側面突起 2b 上面突起 3a 側面溝 3b 下面溝 4 溝 5 穴 6 連結部材 8 栓 9 構造用合板 10 木製複合梁 11 ドーマー部 12 屋根材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数層の木質材を有する木質集成材料か
    らなる単位部材を相互に連結して形成した建築物の構面
    構造であって、前記構面を構成する単位部材の少なくと
    も1層の木質材の木質繊維を重力荷重負担方向に配置し
    たことを特徴とする建築物の構面構造。
  2. 【請求項2】 前記単位部材がほぞによって連結される
    ことを特徴とする請求項1記載の建築物の構面構造。
  3. 【請求項3】 隣接する単位部材の連結嵌合部分に該連
    結嵌合部分を貫通する連結部材が配置されていることを
    特徴とする請求項1又は2記載の建築物の構面構造。
  4. 【請求項4】 複数の単位部材が垂直方向又は水平方向
    にズレた状態で連結されていることを特徴とする請求項
    1乃至3何れかに記載の建築物の構面構造。
  5. 【請求項5】 複数層の木質材を有する木質集成材料か
    らなる単位部材の少なくとも1層の木質材の木質繊維を
    重力荷重負担方向に配置すると共に、左右方向及び上下
    方向に連結して構面を形成することを特徴とする建築物
    の構面構法。
  6. 【請求項6】 隣接する単位部材をほぞを介して連結す
    ることを特徴とする請求項5記載の建築物の構面構法。
  7. 【請求項7】 隣接する単位部材の一部を互いに嵌合さ
    せて連結すると共に該連結嵌合部分に連結部材を貫通さ
    せたことを特徴とする請求項5又は6記載の建築物の構
    面構法。
  8. 【請求項8】 複数の単位部材を連結するに際し、該単
    位部材を垂直方向又は水平方向にズラすことを特徴とす
    る請求項5乃至7何れかに記載の建築物の構面構法。
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Cited By (11)

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