JPH1181524A - 壁構成部材及び前記壁構成部材を用いた壁構造 - Google Patents

壁構成部材及び前記壁構成部材を用いた壁構造

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JPH1181524A
JPH1181524A JP9239574A JP23957497A JPH1181524A JP H1181524 A JPH1181524 A JP H1181524A JP 9239574 A JP9239574 A JP 9239574A JP 23957497 A JP23957497 A JP 23957497A JP H1181524 A JPH1181524 A JP H1181524A
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vertical
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constituting
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JP9239574A
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Inventor
Tomoo Kudo
智勇 工藤
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】強度が異方性を有する木質材料を用いて軽量で
且つコストを抑えた壁構成部材を実現する。 【解決手段】壁を構成する際の上下方向に木質繊維方向
が一致するように縦部材1を配置し、この縦部材1の両
側面を上部横部材2と下部横部材3によって連結し、更
に外側に側板部材4を接着する。縦部材1を上下方向に
貫通させて貫通孔5を形成し、上端面にズレ防止部を構
成する凹溝6aを形成すると共に下端面に凸条6bを形
成し、凹溝6aの開放部を上部横部材2によって閉塞す
ることで、壁構成部材Aを構成する。上下方向に配列し
た壁構成部材Aの突出部である縦部材1と上部横部材2
を上方に配列された壁構成部材Aの隙間7に嵌合し、同
時に凹溝6aに凸条6bを嵌合させることで面方向のズ
レを防止する。更に、貫通孔5に鉄筋8を挿通し、ナッ
ト9を締結して壁構成部材Aを相互に緊締する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縦横に組み合わせ
ることによって建物の壁を構成することが出来る壁構成
部材と、この壁構成部材を用いた壁構造に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】建物の壁を構成する材料及び構造として
多くの種類が提供されている。このような材料を用いて
壁を構成した建物の代表的なものに、複数のコンクリー
トブロックを左右方向及び上下方向に積み上げて構成し
たコンクリートブロック造、水平方向に配置した丸太を
積み上げて構成したログハウス、前記丸太を集成材から
なる角材に置き換えた集成材ログハウス等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記各壁構造は夫々固
有の問題点を有している。即ち、コンクリートブロック
造では、材料が重いため取り扱い上の面からブロックの
寸法が小さくなり、壁を構成する際に作業の繰り返し回
数が多くなるという問題がある。また材料が脆く、機械
的な連結形状を作ることが出来ないため目地モルタルに
よって連結するが、ブロック自体及び目地モルタルが引
っ張りに弱いため、ブロックの内部に形成した空洞部に
配筋すると共にコンクリートを充填して一体化をはかる
ことが必要になるという問題、材料が断熱性に劣るた
め、別途断熱対策が必要になるという問題、調湿作用に
劣るという問題がある。特に、湿式作業のため、品質が
安定し難く熟練技能が必要となることや、現場が汚染す
る等の問題が生じている。
【0004】またログハウスでは、丸太が水平方向に配
置されるため、木質繊維の方向が重力荷重負担方向と直
交することとなり、構造的に不利であるという問題があ
る。また丸太は事前に乾燥し難いため、施工後、経時的
に縮んで狂いが生じ、水密性や気密性に対する長期的な
メンテナンスが必要になるという問題があり、且つ最小
単位の部材が大きく重いため、施工に重機が必要にな
り、更に、部品化するには品種が増大するという問題、
木材資源の枯渇により丸太自体の入手が困難であるとい
う問題がある。
【0005】また集成材ログハウスでは、丸太を用いた
ログハウスと比較して狂いが少ないという利点はある
が、木質繊維が水平方向に用いられるため、構造的に不
利であるという同様の問題がある。また最小単位の部材
が大きく重いため、施工に重機が必要になり、更に、部
品化するには品種が増大するという問題や、集成材は大
型化する程加工度が上がり、製造設備も大型化して、品
種が多いと生産の自動化が困難でコスト高になるという
問題がある。
【0006】本発明の目的は、縦横に組み合わせたとき
面方向のズレを防止して壁を構成することが出来る壁構
成部材と、この壁構成部材を用いた壁構造を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る代表的な壁構成部材は、建物の壁を構成
する木質の壁構成部材であって、壁を構成する際の上下
方向にその木質繊維方向が一致するように所定間隔で整
列された複数の縦部材と、前記複数の縦部材の側面を相
互に連結する連結部材を備え、上下方向に貫通孔を有す
ると共に上下方向に隣設する他の壁構成部材との間に面
方向のズレを防止するズレ防止部が形成されたものであ
る。
【0008】上記壁構成部材では、複数の縦部材を所定
間隔で整列させて該縦部材の側面を連結部材によって連
結し、上下方向に形成された貫通孔を有し且つ面方向の
ズレを防止するズレ防止部を有するので、この壁構成部
材を左右方向及び上下方向に配列して組み合わせること
によって、面方向のズレを防止した壁を構成することが
出来る。特に、上下方向に隣接させて壁構成部材を多段
に組み合わせた場合、縦部材が木質繊維方向を上下方向
に一致させて配置されるため、壁に作用する上下方向の
力を合理的に支持することが出来る。
【0009】また本発明に係る壁構造は、上記壁構成部
材を縦横に複数配列して構成された壁構造であって、上
下方向に配列された各壁構成部材は夫々の貫通孔に貫通
された締結材によって相互に緊締されているものであ
る。
【0010】上記壁構造では、複数の壁構成部材を縦横
に配列し、上下方向に形成された貫通孔に締結材を貫通
させて締結することで、これらの壁構成部材を相互に緊
締することが出来る。このため、構成された壁は充分な
強度を有し、且つ木質繊維が上下方向に配置されること
から、経時的に収縮して狂いが生じることが少ない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、上記壁構成部材の好ましい
実施形態について図を用いて説明する。図1は第1実施
例に係る壁構成部材の斜視図、図2は第1実施例に係る
壁構成部材の三面図、図3は縦部材の構成を説明する
図、図4は第2実施例に係る壁構成部材を説明する斜視
図、図5は第3実施例に係る壁構成部材を説明する斜視
図、図6は第4実施例に係る壁構成部材を説明する斜視
図、図7は第5実施例に係る壁構成部材を説明する斜視
図、図8は第5実施例に係る壁構成部材の三面図、図9
は第6実施例に係る壁構成部材の斜視図、図10は壁構成
部材の面方向のズレを防止する部位の他の例を説明する
図、図11は壁構造を説明すると共に壁を構成する手順を
分解して説明する図、図12は第6実施例に係る壁構成部
材によって構成された壁の構成を説明する図である。
【0012】本発明に係る壁構成部材は、横方向に配列
すると共に上下方向に配列してズレ防止部を係合させつ
つ組み合わせることで壁面を構成することが可能であ
り、縦部材の木質繊維方向を上下方向に一致させること
で、壁を構成したとき、経時的な収縮を極少量に抑え、
且つ異方性の木質材であるにも関わらず重力荷重を合理
的に支持し得るように構成したものである。
【0013】特に、縦部材及び連結部材を集成材によっ
て形成することで、間伐材や端材を有効利用して材料の
無駄を省くと共に狂いのない壁構成部材を実現すること
が可能である。
【0014】尚、以下述べる各実施例に於いて、上方及
び下方を厳密に限定するものではない。即ち、壁構成部
材は形状的に上下対称ではないが、機能的には上下対称
として差し支えない。従って、以下の図に記載された壁
構成部材を記載通りに上下方向を決定する必要はない
が、説明の便宜上、各斜視図に於ける上側を上方とし、
下側を下方として説明する。
【0015】先ず、図1〜図3により第1実施例に係る
壁構成部材Aの構成について説明する。図に於いて、壁
構成部材Aは、所定の間隔を持って整列させた2本の縦
部材1と、縦部材1の両側面に接合されてこれらの縦部
材1を連結する連結部材となる上部横部材2及び下部横
部材3と、各横部材2,3の外側に配置された側板部材
4とを有して構成されている。各部材1〜4は夫々木質
材を用いている。
【0016】縦部材1は、壁構成部材Aを左右方向及び
上下方向に組み合わせて壁を構成したとき、該壁に作用
する重力荷重を合理的に支持し得るように、壁の上下方
向に対し木質繊維方向を一致させて配置されると共に、
木質繊維方向に対し交差する方向の断面積は予め設定さ
れた一定値以上に設定されている。このため、縦部材1
は、むくの木材或いは集成材を用いて構成され、木質繊
維方向を上下方向に一致させるように姿勢が設定されて
いる。
【0017】本実施例では、縦部材1の縦方向と壁の上
下方向が一致し得るように設定されており、該縦部材1
の長手方向と木質繊維の方向が一致している。
【0018】縦部材1には縦方向に貫通した貫通孔5が
形成されており、また上端面及び下端面にズレ防止部と
なる凹凸部が形成されている。即ち、縦部材1の上端面
には台形状の凹部6aが形成され、下端面には凹部6a
に嵌合する台形状の凸部6bが形成されている。そして
各縦部材1は凹部6a,凸部6bが平行となるように整
列し、上部横部材2が接着されている。
【0019】上部横部材2及び下部横部材3は所定間隔
を持って整列した縦部材1の側面を連結するものであ
り、壁に対する木質繊維方向を限定することはない。上
部横部材2は縦部材1の上端側を、また下部横部材3は
縦部材1の下端側を相互に連結するものであり、夫々縦
部材1の側面所定位置に配置されて互いに接着剤によっ
て接着されている。
【0020】上記縦部材1及び各横部材2,3は壁構成
部材Aを組み合わせて壁を構成したとき外面に露出する
ことはない。また寸法精度も夫々厚さ方向は所定の公差
範囲を保証する必要があるが、厚さ方向に交差する方向
の寸法は厳密さを要求されない。従って、部材を切り出
すにあたって手間を削減することが可能となる。
【0021】側板部材4は壁構成部材Aの最も外側に配
置される部材であり、壁面そのものを構成する場合も多
い。このため、側板部材は外観が美麗に形成されること
が好ましい。本実施例では、側板部材4として、所定の
厚さを持った木材の小片を接着,乾燥して構成した集成
材を用いている。
【0022】側板部材4は、各横部材2,3の外側に配
置されてこれらの各横板部材2,3に接着されている。
側板部材4の上下方向の寸法は、凸部6bを除いた縦部
材1と等しい値を有しており、該側板部材4の上端面が
縦部材1の上端面から下方に所定寸法(30mm)ズレた位
置に配置された状態で各横部材2,3に接着されてい
る。
【0023】従って、壁構成部材Aでは、側板部材4の
上端面から上方に縦部材1と上部横部材2が突出し、側
板部材4の下端側に該部材4の下端面に沿って縦部材1
と上部横部材2の突出部分を嵌合する隙間7が形成され
る。
【0024】尚、側板部材4の上方に突出した上部横部
材2は、前記間隙7に嵌合する。このため、上部横部材
2の上端部に面取り部2aを形成しておくことが好まし
い。前記面取り部2aとしては、例えば面取り半径の寸
法やC面取りの寸法を厳密に規定する必要はない。従っ
て、上部横部材2として例えば間伐材や丸太の外周部を
残した端材を用いることが可能である。
【0025】壁構成部材Aは、人が容易に取り扱うこと
が可能な大きさと重量を持って構成されている。即ち、
壁構成部材Aの厚さは150mm に設定され、壁を構成した
ときに上下方向の単位寸法となる側板部材4の上下方向
の寸法は250mm に設定され、同様に幅方向の単位寸法と
なる側板部材4の横方向の寸法は500mm に設定されてい
る。従って、壁構成部材Aの単体の上下方向の寸法は、
側板部材4の上下方向の寸法である250mm に縦部材1と
上部横部材2の突出寸法30mmを加えた280mm に形成され
ている。
【0026】また壁構成部材Aの横方向に於ける縦部材
1の位置は、特に限定するものではない。即ち、単に壁
構成部材Aを上下方向に配列して壁を構成する場合、縦
部材1が横方向の何れの位置にあっても、上下方向に隣
設した壁構成部材Aは縦部材1が同一位置にあることと
なり、該部材1に形成した凹部6aと凸部6bを互いに
嵌合させて壁を構成することが可能である。
【0027】本実施例では、横方向に配列した壁構成部
材Aの上方に1/2ピッチずらして新たな壁構成部材A
を配列し得るように、縦部材1の中心(貫通孔5の中心
と同じ)が側板部材4の横方向の端部から125mm の位置
に設定されており、縦部材1相互の間隔は250mm に設定
されている。このような寸法を持った壁構成部材Aで
は、破れ目地の壁面を持った壁を構成することが可能で
ある。
【0028】次に、上記の如く構成された壁構成部材A
を用いて壁を構成する手順及び壁構造について図11によ
り説明する。
【0029】図に於いて、基礎10に地つなぎ材11が配置
されている。この地つなぎ材11には、壁構成部材Aの縦
部材1を縦方向に貫通して形成された貫通孔5のピッチ
と等しいピッチで両端部にネジ8aを有する鉄筋8が配
置されワッシャー9bを介してナット9aによって取り
付けられている。また地つなぎ材11の上面には、側板部
材4の上方に突出した縦部材1と上部横部材2の形状と
一致した突起11aが形成されている。そして地つなぎ材
11はアンカー12によって基礎10に固定されている。
【0030】上記の如くして基礎10に固定された地つな
ぎ材11に壁構成部材Aが配列される。即ち、第1列の壁
構成部材Aは、夫々貫通孔5に鉄筋8を貫通させて横方
向に連続させて且つ接触させつつ、地つなぎ材11の突起
11aを隙間7に嵌合して配列する。地つなぎ材11の上に
第1段の壁構成部材Aを配列した後、第2段の壁構成部
材Aを配列する。第2段目に配列される壁構成部材A
は、第1段の壁構成部材Aに対し1/2ピッチ(250mm
)横方向にずらした状態とし、第1段の2つの壁構成
部材Aの上部の突出部分を隙間7に嵌合させつつ配列す
る。
【0031】上記の如くして第1段目の壁構成部材Aに
第2段目の壁構成部材Aを積み重ねて配列したとき、第
1段目の壁構成部材Aに於ける縦部材1の上端面に形成
された凹部6aに第2列目の壁構成部材に行ける縦部材
1の下端面に形成された凸部6bが嵌合することで、面
方向のズレを防止することが可能である。また同時に上
部横部材2が隙間7に嵌合することにより、面外方向の
ズレを防止することも可能である。
【0032】また第1段目と第2段目の間に1/2ピッ
チのズレが生じるため、壁の端部には横方向の寸法が壁
構成部材Aの1/2に相当する壁構成部材(図示せず)
を1段おきに配置して上下方向に配列された壁構成部材
Aに組み合わせている。
【0033】以下、順に第3段目の壁構成部材Aから壁
の最上部の段まで配列した後(図では第5段目の壁構成
部材A)、この第5段目の壁構成部材Aの上部に予め鉄
筋8のピッチと等しいピッチで貫通穴13a及びザグリ13
bを形成した頭つなぎ材13を配置し、該頭つなぎ材13の
貫通孔13aに鉄筋8を貫通させてワッシャー9b,ナッ
ト9aを締結することで、上下方向に配列された壁構成
部材Aを緊締することが可能である。
【0034】上記の如くして構成された壁では、頭つな
ぎ13を介して伝えられた上層階の荷重は各壁構成部材A
に作用し、地つなぎ材11を介して基礎10に伝えられて支
持される。また縦部材1の木質繊維方向が上下方向に一
致するため、該部材1が変形することなく伝え得る荷重
が大きく、強度的に充分な壁を構成することが可能であ
る。また上下方向に配置された鉄筋8が各壁構成部材A
の貫通孔5に貫通して設けられるため、上下方向に配列
された壁構成部材Aに作用する重力荷重に伴う座屈を防
止することが可能である。
【0035】また壁面に対し水平且つ面方向の力が作用
したとき、この力は個々の壁構成部材Aを面方向にずら
すように作用するが、上下方向に隣設した壁構成部材A
が互いに凹部6aと凸部6bを嵌合させて係合するた
め、面方向のズレを防止することが可能である。
【0036】次に、第2実施例に係る壁構成部材Bにつ
いて図4を用いて説明する。尚、前述の第1実施例と同
一の部分及び同一の機能を有する部分には同一の符号を
付して説明を省略する(以下同じ)。
【0037】図に示す壁構成部材Bは、縦部材1の両側
面を上部横部材2と下部横部材3とによって連結すると
共に各横部材2,3の外側に側板部材4を接合して構成
されており、前述の第1実施例に係る壁構成部材Aと略
同様に構成されている。
【0038】壁構成部材Bでは、面方向のズレを防止す
るための凹部6a及び凸部6bは側板部材4の上端面と
下端面に形成されている。即ち、側板部材4の下端側で
あって縦部材1の中心と一致した位置に夫々凹部6aが
形成され、上端側に凸部6bが形成されている。凸部6
bの天端面は上部横部材2の上端面よりも低い位置に設
定されており、上下方向に配列された他の壁構成部材B
の凹部6aに嵌合したとき、嵌合部を上部横部材2によ
って拘束し得るように構成されている。
【0039】上記の如く構成された壁構成部材Bであっ
ても、図11に示す破れ目地の壁を構成することが可能で
あり、上下方向に配列した壁構成部材Bの凹部6aと凸
部6bを互いに嵌合させて面方向のズレを防止すること
が可能である。
【0040】次に、第3実施例に係る壁構成部材Cにつ
いて図5により説明する。本実施例に係る壁構成部材C
は、ダボ21によって面方向のズレを防止し得るように構
成したものである。即ち、上部横部材2の上端面及び下
部横部材3の下端面であって縦部材1の中心と一致した
位置に夫々ダボ穴22が形成されている。
【0041】従って、上部横部材2のダボ穴22に丸棒か
らなるダボ21を嵌合させて突出させた壁構成部材Cを上
下方向に配列し、下方に配列された壁構成部材Cの上部
横部材2から突出したダボ21を上方に配列された壁構成
部材Cの下部構成部材3に形成されたダボ穴に嵌合させ
ることで、面方向のズレを防止することが可能である。
【0042】次に、第4実施例に係る壁構成部材Dにつ
いて図6により説明する。図に示す壁構成部材Dは、前
述の壁構成部材A〜Cに於ける上部横部材2と下部横部
材3を排除したものであり、縦部材1の両側面に連結部
材となる連結板材23を接着して構成したものである。連
結板材23は、木質繊維の方向が縦部材1の木質繊維方向
と平行となるように設定されており、この壁構成部材D
では、全ての木質繊維方向が上下方向に配置される。
【0043】連結板材23は、上端面に突条23aが形成さ
れると共に下端面に切欠溝23bが形成されている。そし
て連結板材23の突条23aを除く寸法が、前述の壁構成部
材A〜Cに於ける側板部材4の下端面から上部横部材2
の上端面までの寸法と等しい寸法を有している。更に、
切欠溝23bによって突条23aを受け入れる隙間7が形成
されている。尚、突条23aには面取り部23cが形成され
ている。
【0044】従って、上下方向に配列された壁構成部材
Dは、下方に配列された壁構成部材Dの突条23aが上方
に配列された壁構成部材Dの切欠溝23bに嵌合すること
で面外方向のズレを防止すると共に、縦部材1の凸部6
bが凹部6aに嵌合することで面方向のズレを防止して
壁を構成することが可能である。
【0045】第1〜第4実施例に係る壁構成部材A〜D
では、縦部材1に貫通孔5を形成している。本発明に於
ける貫通孔は壁を構成する際に鉄筋を挿通する機能を発
揮するために、上下方向に貫通することが必須である。
しかし、必ずしも貫通孔5として縦部材1に形成する必
要はなく、縦部材1の横方向の両側に該部材1に沿って
上下方向に貫通して形成された部位を貫通孔としても良
い。
【0046】即ち、図6に示す24を貫通孔として利用す
ることが可能である。この場合、縦部材1に穴明け加工
を行う必要がなく、縦部材1の加工が容易となる。
【0047】次に、第5実施例に係る壁構成部材Eにつ
いて図7,図8により説明する。図に示す壁構成部材E
は、縦部材1の両側面に連結部材となる側縦部材31,32
を接着して構成したものである。
【0048】図に於いて、縦部材1は貫通孔が形成され
ることなく、上端面に面方向のズレを防止する凹部6a
が形成されると共に下端面に凸部6bが形成されてい
る。
【0049】側縦部材31,32の上下方向の寸法は縦部材
1の凸部6bを除く部分と略等しい寸法を有しており、
木質繊維の方向が縦部材1と平行になるように配置され
て、重力荷重を負担すると共に縦部材1を連結する機能
を有するものである。
【0050】側縦部材31は壁構成部材Eの横方向の端部
側を構成するものであり、横方向の寸法は比較的小さい
値を持って形成されている。また側縦部材32は壁構成部
材Eの横方向の中央部を構成するものであり、横方向の
寸法は前記側縦部材31に比較して大きい値を持って形成
されている。
【0051】壁構成部材Eを構成するに際し、側縦部材
31,32の上端面は縦部材1の上端面よりも下方に位置し
た状態で接着される。従って、縦部材1の上端側に側縦
部材31,32から突出した部分が形成され、且つ下端側に
隙間7が形成される。尚、縦部材1の上端側は直接上方
に配列された壁構成部材Eの隙間7に嵌合されるため、
面取り部(図示せず)を形成しておくことが好ましい。
【0052】上記の如く、縦部材1を側縦部材31,32に
よって連結した壁構成部材Eでは、縦部材1の横方向の
両側に上下方向に貫通した穴33が形成され、該穴33に例
えば図11に示す鉄筋8等からなる上下貫通部材を貫通さ
せることが可能である。そして、壁構成部材Eを上下方
向に配列し、縦部材1の突出部分を隙間7に嵌合させる
ことで面外方向のズレを防止すると共に、縦部材1に形
成した凸部6bを凹部6aに嵌合させることで面方向の
ズレを防止した壁を構成することが可能である。
【0053】次に、第6実施例に係る壁構成部材Fの構
成について図9により説明ーする。図に示す壁構成部材
Fは、縦部材1の両側面に連結部材となる側板部材4を
接着して構成したものである。縦部材1は凸部及び凹部
が形成されることなく、単なる角棒状に形成されてお
り、長さは側板部材4の縦方向の寸法よりも大きい値を
有している。そして縦部材1と側板部材4とによって規
定された空間が貫通孔35として形成されている。
【0054】上記の如く構成された壁構成部材Fでは、
図12に示すように、縦部材1の側板部材4から突出した
部分を上下方向に隣接する他の壁構成部材Fの貫通孔35
に嵌入させることで、面方向及び面外方向のズレを防止
して壁を構成することが可能である。
【0055】前述の各実施例に於ける壁構成部材A,
B,D,Eでは、面方向のズレを防止するズレ防止部と
して凹部6aと凸部6bを形成すると共に、凸部6bを
凹部6aに嵌合させて構成し、或いはダボ21を用いて構
成したが、しかし、この構成にのみ限定するものではな
く、図10に示すように構成しても良い。
【0056】即ち、縦部材1の上下両端面に凹部6aを
形成すると共に凹部6aに嵌合し得る形状を持った係合
部材41を用意し、この係合部材41を凹部6aに嵌合させ
つつ、壁構成部材を上方に配列して壁を構成することが
可能である。この場合、構成された壁面に対し垂直に作
用する力は、係合部材41によって支持され各壁構成部材
の面方向のズレを防止する。
【0057】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
壁構成部材では、縦部材の木質繊維方向が壁を構成する
際の上下方向、即ち、重力荷重負担方向に配置されるた
め、強度的に異方性を有する木質材であるにも関わら
ず、優れた強度を発揮させることが出来る。
【0058】特に、面方向のズレを防止するズレ防止部
を有するので、このズレ防止部で剪断力を支持すること
が出来る。このため、多数の壁構成部材を組み合わせて
構成された壁に風や地震による水平且つ面内方向の力が
作用したとき、この力をズレ防止部で合理的に支持する
ことが出来る。
【0059】また上下方向に貫通孔を有するので、壁を
構成する際に、該貫通孔に両端にネジを形成した鉄筋等
の貫通材を貫通させることで、上下方向に配列した壁構
成部材を互いに緊締することが出来る。
【0060】また壁構成部材を用いて壁を構成する場
合、モルタル等を使用することなく、乾式工法を実現す
ることが出来、且つ組み合わせ作業が単純である。この
ため、天候等の施工条件、及び作業者の技能に差があっ
ても、仕上がり状態に差が出にくい。更に、壁を撤去す
るような必要が生じた場合であっても、分解が容易に出
来る。
【0061】また壁構成部材は構造が単純であり且つ品
種がすくないため、大量生産することが出来、製造コス
トを低く抑えることが出来る。特に、1個当たりの重量
を抑えて寸法を大きくすることが出来、且つ強度を向上
することが出来る。また壁構成部材に於ける内部側に面
し、他の部材と取り合わない部位は、面祖度や寸法精度
を高い値に保持する必要がなく、壁構成部材を構成する
部材の性格によっては丸太の周面を有するような材料で
あっても使用することが出来る。従って、間伐材や端材
等を有効に使用してコストの低減を実現することが出来
る。
【0062】また壁構成部材は木質材を用いると共に上
下方向に貫通孔を有し、更に、連結部材を横部材とし、
この横部材の外側に板材を接合した場合には、横部材と
板材の間に横方向に貫通した穴も形成される。従って、
壁の透湿性が確保され、壁内部の除湿,換気効果が生
じ、耐久性が向上する。
【0063】また縦部材を一対の横部材で連結して構成
した壁構成部材では、横部材に沿って横方向に貫通した
空間が形成されるため、該空間を配線又は配管用のスペ
ースとして利用することが出来る。
【0064】また最も外側に配置した板材の木質繊維方
向も壁の上下方向に一致させることで、重力荷重を縦部
材と板材とによって負担することが出来る。このため、
壁の強度を向上させると共に縦部材との間に配置された
横部材によって板材が木質繊維方向に沿って割れること
を防止することが出来る。
【0065】また本発明に係る壁構造では、縦横に配列
した壁構成部材に締結材を貫通させて緊締することで、
壁構成部材を互いに密着させて高い強度を発揮させるこ
とが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る壁構成部材の斜視図である。
【図2】第1実施例に係る壁構成部材の三面図である。
【図3】縦部材の構成を説明する図である。
【図4】第2実施例に係る壁構成部材を説明する斜視図
である。
【図5】第3実施例に係る壁構成部材を説明する斜視図
である。
【図6】第4実施例に係る壁構成部材を説明する斜視図
である。
【図7】第5実施例に係る壁構成部材を説明する斜視図
である。
【図8】第5実施例に係る壁構成部材の三面図である。
【図9】第6実施例に係る壁構成部材を説明する斜視図
である。
【図10】壁構成部材の面方向のズレを防止する部位の他
の例を説明する図である。
【図11】壁構造を説明すると共に壁を構成する手順を分
解して説明する図である。
【図12】第6実施例に係る壁構成部材を用いて構成した
壁を説明する図である
【符号の説明】
A〜E 壁構成部材 1 縦部材 2 上部横部材 2a 面取り部 3 下部横部材 4 側板部材 5 貫通孔 6a 凹部 6b 凸部 7 隙間 8 鉄筋 8a ネジ 9a ナット 9b ワッシャー 10 基礎 11 地つなぎ材 12 アンカー 13 頭つなぎ材 21 ダボ 22 ダボ穴 23 連結板材 23a 突条 23b 切欠溝 24,35 貫通孔 31,32 側縦部材 33 穴

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の壁を構成する木質の壁構成部材で
    あって、壁を構成する際の上下方向にその木質繊維方向
    が一致するように所定間隔で整列された複数の縦部材
    と、前記複数の縦部材の側面を相互に連結する連結部材
    を備え、上下方向に貫通孔を有すると共に上下方向に隣
    設する他の壁構成部材との間に面方向のズレを防止する
    ズレ防止部が形成されていることを特徴とする壁構成部
    材。
  2. 【請求項2】 連結部材が、各縦部材の両面に接合され
    る板材又は各縦部材の両面に直交して接合される横部材
    或いは隣設する縦部材間に接合される側縦部材であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載した壁構成部材。
  3. 【請求項3】 連結部材が各縦部材の両面に直交して接
    合される横部材であり、該横部材の外側に、更に板材が
    接合されていることを特徴とする請求項1に記載した壁
    構成部材。
  4. 【請求項4】 貫通孔が縦部材自体に、又は縦部材間に
    形成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに
    記載した壁構成部材。
  5. 【請求項5】 ズレ防止部が縦部材又は連結部材に形成
    されることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載
    した壁構成部材。
  6. 【請求項6】 縦部材又は連結部材に上下方向に隣設す
    る他の壁構成部材との間の連結部が形成されていること
    を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載した壁構成
    部材。
  7. 【請求項7】 連結部が端部に設けた凸部と他方の端部
    に設けた前記凸部に対応する形状の凹部によって構成さ
    れ、前記凸部又は凹部の縁部に沿って面取りがされてい
    ることを特徴とする請求項6に記載した壁構成部材。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7の何れかに記載された壁
    構成部材を縦横に複数配列して構成された壁構造であっ
    て、上下方向に配列された各壁構成部材は夫々の貫通孔
    に貫通された締結材によって相互に緊締されていること
    を特徴とする壁構造。
JP9239574A 1997-09-04 1997-09-04 壁構成部材及び前記壁構成部材を用いた壁構造 Withdrawn JPH1181524A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100427910B1 (ko) * 2001-04-24 2004-04-27 이종은 목조벽돌로 건물 벽을 시공하는 방법
JP2005524788A (ja) * 2001-08-21 2005-08-18 裕一 遠藤 壁構造体
WO2009072795A3 (en) * 2007-12-03 2009-07-23 Sun Ug Kim Brick usable as a mold and method for constructing a wall using the same

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