JPH09302351A - コークス炉の窯毎の投入熱量制御方法 - Google Patents

コークス炉の窯毎の投入熱量制御方法

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JPH09302351A
JPH09302351A JP8148292A JP14829296A JPH09302351A JP H09302351 A JPH09302351 A JP H09302351A JP 8148292 A JP8148292 A JP 8148292A JP 14829296 A JP14829296 A JP 14829296A JP H09302351 A JPH09302351 A JP H09302351A
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Japan
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coke
temperature
kiln
kilns
amount
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JP8148292A
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Fumihiko Imae
文彦 今江
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コークス炉の窯毎の投入熱量制御により窯間
の排出コークス温度のバラツキを低減する。 【解決手段】 窯毎の排出コークス温度、装炭量、装炭
時水分、乾留時間、炉温の実績値を検出し、該実績値か
ら窯毎の排出コークス温度を伝熱モデルを用いて推定
し、窯毎の前記排出コークス温度の実績値と前記推定値
の差を窯間のコークス温度偏差とし、該窯間のコークス
温度偏差をもとに前記流量調節計の開度の変更量を演算
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コークス炉の窯毎
の排出コークス温度のバラツキを低減するためのコーク
ス炉の窯毎の投入熱量制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】室炉式コークス炉は、炉体の下部に蓄熱
室があり、その上部に隔壁により多数のフリューに分割
された燃焼室と炭化室とが交互に数十ないし百余が配置
されて1炉団を構成している。燃料ガスおよび空気(富
ガスの場合は空気のみ)は、蓄熱室で予熱され、燃焼フ
リューで燃焼したのち、引落としフリューを経て隣接す
る蓄熱室で熱回収されたのち、煙道を経由して排出され
る。この蓄熱室での予熱と熱回収および燃焼フリューと
引落としフリューは、所定時間、例えば15〜30分毎
に交互に切り替えられ、かつ、5門おきに装入・押出が
繰り返されて炉団全体の炉温の均一化が図られている。
炭化室(以下窯という)に装入された装入炭は、燃焼室
から炉壁を介して間接加熱により乾留されてコークス化
する。
【0003】個々の窯の熱履歴および装入炭諸元は、窯
間および時系列的に異なるので乾留後のコークス品質に
バラツキの発生することが知られている。また、同じ窯
のコークスであっても、炉高方向ならびに炉長方向で温
度分布が異なるため、窯内の位置の違いによってコーク
ス品質にバラツキの発生することが知られている。しか
し、コークス品質のバラツキは、これら説明できる理由
だけではない。コークス炉の1つ1つの窯がそれぞれ制
御系であると考えると、個々の窯の熱履歴および装入炭
諸元と窯内の位置の違いは、操作できないけれども、予
測し対処が可能な外乱として扱うことができる。一方、
説明できる理由がないコークス品質のバラツキは、予測
さえ不可能な外乱として扱うしかない。
【0004】一方、コークス炉では、所定の品質を下回
るコークスを製造しても原料・燃料として使用できない
ので、理由が判明している品質のバラツキの全てと、理
由は不明でも定常的に発生する品質のバラツキの両方を
考慮し、所定の品質を下回らないように余分な乾留熱量
を与えて操業する。したがって、コークス品質のバラツ
キを低減化するコークス炉の操業は、所定のコークス品
質の安定化の他に、余分な乾留熱量の低減、すなわち乾
留熱量原単位の低減化という2つの利点を産むこととな
る。
【0005】現在、コークスの品質の窯間バラツキの低
減化を図る方法としては、コークス炉の窯毎の投入熱量
を制御する各種の技術が開発されている。例えば、窯毎
の上昇管温度から窯毎の火落時刻を判定し、窯毎に装炭
から該火落時刻までの炉温(ここでは該窯の両側に位置
する燃焼室の雰囲気温度の平均値)の移動平均値である
実績乾留炉温を算出し、窯毎に該実績乾留炉温と目標乾
留炉温の偏差を算出し、該窯毎の実績乾留炉温と目標乾
留炉温の偏差と燃焼室毎の温度変化率をそれら自身の関
数として定義される温度評価値に代入し、該温度評価値
を最小とする燃焼室毎の温度変化率を算出し、該燃焼室
毎の温度変化率に相当する単位時間当たりの燃焼室毎の
燃料ガス量の変更量と燃料ガス用バルブ開度を算出し、
該燃料ガスの変更量に対して適正燃焼状態を維持するた
めの燃焼室毎の所要空気量の変更量と吸気用オリフィス
開度を算出し、あるいは該燃料ガス用バルブ開度変更に
より生じる圧損抵抗変化に対する燃焼室毎の排気ガス量
変化と排気ダンパー開度を算出し、前記燃料ガス用バル
ブ開度、前記吸気用オリフィス開度および前記排気ダン
パー開度に基づきそれらの開度操作を行うことで、火落
時間と置時間(火落からコークス押出までの時間)の窯
間バラツキの低減化を図る方法(特開昭60−3158
9号公報)が開示されている。
【0006】また、装入炭の装入量、水分、粒度、揮発
分等からなる装入諸元を基にして目標フリュー温度を設
定し、フリューのヘアピン頭部における温度を検出し、
該フリュー温度と前記目標フリュー温度との偏差を求
め、前記偏差から燃料ガスの流量およびカロリー値を計
算設定し、燃料ガスの流量およびカロリー値の変動に応
じて最適燃焼となるように煙道ドラフトを計算設定する
と共に、炉からの燃焼排ガスの分析によって得られる測
定過剰空気率と目標過剰空気率とによって、前記煙道ド
ラフトを調整し、フリューのヘアピン頭部における温度
の平均値、実測火落時間、実測置時間およびこれらに対
応する装入諸元によって、前記目標フリュー温度をバイ
アス修正する方法(特公昭57−53832号公報)が
開示されている。
【0007】さらに、燃焼室壁内に装着されたフリュー
温度計と、稼働率、装入諸元、装入後の経過時間から目
標フリュー温度を算出し、この目標フリュー温度と上記
温度計で測定したフリュー温度信号との偏差値から個々
の炭化室のガスコック、ウエストバルブの開度調整量を
算出する炉団単位に設けた演算回路と、演算回路からの
信号に基づいて所定量のパルス信号を発する炉団単位に
設けた開度設定器と、この設定器からの信号に基づいて
ガスコックやウエストバルブの開度調整をするガスコッ
ク、ウエストバルブ単位に設けた開度調整器とを具備し
てなるコークス炉の燃焼制御装置(特開昭63‐248
887号公報)が開示されている。
【0008】さらにまた、目標火落時間、目標出窯温度
および装入炭量やその水分等の装入諸元に基づいて設定
炉温パターンを予め窯毎に定め、該窯毎の設定炉温パタ
ーンに時々刻々の燃焼室列毎の雰囲気温度である検出炉
温から算出した窯毎制御炉温を追従させるための窯毎供
給熱量算出、該窯毎供給熱量より窯毎ガス流量算出、該
窯毎ガス流量より加減コック毎の燃料ガス流量算出、該
加減コック毎の燃料ガス流量より加減コック毎の開度設
定値算出、該加減コック毎の開度設定値に基づき加減コ
ック毎の開度操作を燃料ガスの切替毎に行うコークス炉
のプログラム加熱方法(特開平3−265685号公
報、「コークス炉自動乾留制御システム(製鉄研究第3
20号p51〜56(1986))」が開示されてい
る。
【0009】上記に開示の各技術は、いずれもコークス
品質を左右する乾留の指針が「火落時間」の技術であ
る。火落は、理論的あるいは定量的にモデル化するのが
難しい現象である。従来の火落判定は、石炭の乾留状況
およびその推移を操業者が目視により判断していたた
め、操業者の主観的かつ定性的な概念に基づくからであ
る。上記に開示の各技術は、操業者の目視に代えてコー
クス炉の窯毎の上昇管に温度計や濃度計を設置し、乾留
途中のコークスからの発生ガスの温度や濃度を測定し、
測定した発生ガスの温度や濃度の時系列パターンから火
落を推定あるいは予測し、窯毎に推定あるいは予測した
火落時間を指針に従うように操業することによって、窯
間の火落時間のバラツキを低減し、該火落時間バラツキ
低減によりコークス品質バラツキが低減し、該コークス
品質バラツキ低減と乾留熱量原単位の低減化を図る火落
時間バラツキを窯間バラツキの指標として扱い、窯間バ
ラツキ低減を窯毎の火落時間のバラツキ低減により図る
点が共通するコークス炉の窯毎の投入熱量制御の技術で
ある。
【0010】しかし、窯毎の投入熱量制御を行う際に
は、観測される窯間バラツキの指標に含まれる熱履歴お
よび装入炭諸元の違いといった個々の窯の操業要因偏差
を考慮し、かつ除く必要がある。しかし、従来の技術で
は、窯毎の火落時間のバラツキ低減化は不十分である。
その理由は、火落が理論的に扱い難く、また検出するに
も多大な装置を必要とする現象で、個々の窯の操業要因
偏差を火落時間の量として定量化できないからである。
したがって、従来のコークス炉の窯毎の投入熱量制御で
は、個々の窯の操業要因偏差を除かないので、ある窯に
は過小な、また別の窯には過大な熱量が投入されること
となる。このため、窯間バラツキの低減は、不十分とな
るばかりでなく、さらに大きな操業変更の際には窯間バ
ラツキの悪化を防止することはできなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の窯毎の火落時間
のバラツキを窯間のバラツキの指標として扱うコークス
炉の窯毎の投入熱量制御は、火落時間に含まれる個々の
窯の熱履歴および装入炭諸元の違いといった操業要因偏
差を火落時間の量として定量化できず、しかも操業要因
偏差も含んだままで窯間のバラツキ低減化を図るので、
窯間バラツキの低減は不十分となり、さらに大きな操業
変更の際には窯間ばらつきの悪化を防げなかった。
【0012】この発明の目的は、上記従来技術の欠点を
解消し、窯毎の排出コークス温度の実績値のバラツキを
窯間のバラツキの指標として扱うことによって、前記排
出コークス温度に含まれる個々の窯の熱履歴および装入
炭諸元の違いといった操業要因偏差を、伝熱モデルによ
る推定計算で排出コークス温度の推定値として定量化
し、操業要因偏差を含まない本来の窯間バラツキをコー
クス温度実績値とコークス温度推定値の差である窯間の
コークス温度偏差として表し、窯間のコークス温度偏差
の窯間バラツキの低減化を図ることよって、操業要因偏
差を含まないコークス炉の窯毎の投入熱量制御方法を提
案することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく種々試験研究を重ねた。その結果、 (1) 排出コークス温度(乾留完了後窯から押出す際
のコークスの表面温度)は、コークスの品質と密接な関
連があり、しかも排出コークス温度の測定は信頼性が高
いことから窯間のバラツキの指標には火落時間よりも優
れていること (2) 排出コークス温度の測定装置は、押出される窯
の付近に容易に移動できるので、火落を検出する装置の
ように炉団の窯数分設置する必要もなく多大な装置を必
要としないこと (3) 排出コークス温度を窯毎の装炭量、装炭時水
分、乾留時間、炉温から理論的に精度良く推定する伝熱
モデルは、既に開発されていること を究明した。
【0014】この発明は、コークス炉の各燃焼室に供給
される燃焼ガスおよび空気の流量を調節する流量調節計
の開度を変更する方法において、窯毎の排出コークス温
度、装炭量、装炭時水分、乾留時間、炉温の実績値を検
出し、該実績値から窯毎の排出コークス温度を伝熱モデ
ルを用いて推定し、窯毎の前記排出コークス温度の実績
値と前記推定値の差を窯間のコークス温度偏差とし、該
窯間のコークス温度偏差をもとに流量調節計の開度の変
更量を演算することとしている。このように、窯毎の排
出コークス温度、装炭量、装炭時水分、乾留時間、炉温
の実績値を検出し、該実績値から窯毎の排出コークス温
度を伝熱モデルを用いて推定し、窯毎の前記排出コーク
ス温度の実績値と前記推定値の差を窯間のコークス温度
偏差とすることによって、操業要因偏差を含まない本来
の窯間バラツキを求めることができる。また、この操業
要因偏差を含まない窯間のコークス温度偏差をもとに流
量調節計の開度の変更量を演算することによって、窯間
の排出コークス温度のバラツキ低減を達成することがで
きる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従ったコークス炉
の窯毎の投入熱量制御方法の詳細を図1ないし図2に基
づき説明する。図1はこの発明の主要過程を示す説明
図、図2はこの発明方法を使用したコークス炉の窯毎の
投入熱量制御方法を示す説明図である。図1において、
1は窯毎の排出コークス温度実績値、2は排出コークス
温度実績値1から個々の窯の熱履歴および装入炭諸元の
違いといった操業要因偏差を、装炭量3、装炭時水分
4、乾留時間5、炉温6の窯毎の実績値による推定計算
で排出コークス温度推定値7として定量化する伝熱モデ
ルで、前記操業要因偏差を含まない本来の窯間バラツキ
を、下記(式1)により前記排出コークス温度実績値1
と排出コークス温度推定値7の差である窯間のコークス
温度偏差8として演算する。
【0016】 δ Tcj=Tcj−Tcj(wj、mj、tj、θj) (式1) δ Tcj:No.j窯の窯間コークス温度偏差
[℃] Tcj:No.j窯排出コークス温度 実績値 [℃]Tcj :No.j窯排出コークス温度推定値 [℃]
(伝熱モデルによる) wj :No.j窯装炭量 実績値 [t] mj :No.j窯装炭時水分 実績値 [%] tj :No.j窯乾留時間 実績値 [h] θj :No.j窯炉温 実績値 [℃]
【0017】図2において、21はコークス炉の窯毎の
投入熱量制御方法の演算装置である窯間熱量調整ガイド
モデル(以下、単に「窯間モデル」という)で、前記操
業要因偏差を含まない本来の窯間バラツキを表す窯間の
コークス温度偏差8、ガスコックやオリフィスの開度変
更が排出コークス温度変化に与える影響を定量化したガ
スコック影響係数、オリフィス影響係数、操作対象窯数
等のパラメータ22、ガスコック毎あるいはオリフィス
毎の現状の設定開度、過去の開度変更履歴、上下限およ
び基準値等の開度のデータ23と共に入力し、前記窯間
のコークス温度偏差8の窯間バラツキ低減化を図るため
のガスコックやオリフィスの開度変更量を演算し、該演
算結果に基づいてガスコックやオリフィスの開度指示値
と該開度指示値に従い操作した場合の窯毎コークス温度
予測値を演算し、前記ガスコックやオリフィスの開度指
示値24と前記窯毎のコークス温度予測値をコークス炉
の操業監視用の画面に出力する。そしてガスコックやオ
リフィスの開度指示値に従い、ガスコックやオリフィス
を操作することによって、窯毎の排出コークス温度のバ
ラツキ低減を達成することができる。
【0018】上記窯間モデルは、さらに開度調整ガイド
モデル25と窯毎コークス温度予測モデル26で構成さ
れる。開度調整モデル25は、炉団内全窯のコークス温
度偏差から操作対象窯を選定し、窯間のコ一クス温度偏
差と窯毎のコークス温度変更量の絶対値の総和を下記
(式2)に示す評価関数化し、該評価関数が最小となる
様な窯毎コークス温度変更量27を、線形計画法の拡張
である目標計画法の手法を用いて計算する。前記操作対
象窯は、コークス温度偏差の絶対値の大きな窯から各種
パラメータの1つとして入力している対象窯数分選定す
る。選定に漏れた操作対象でない窯は、窯毎コークス温
度変更量の上下限制約を予め零に設定して計算する。前
記操作対象窯数は、ガスコックやオリフィスの操作手段
に応じて1以上炉団内全窯数以下の整数値の設定ができ
る。例えば、前記操作手段が操業者の手動の場合は、操
業者の負担にならない窯数、自動操作の場合は、全窯
数、という設定が可能である。
【0019】
【数1】
【0020】窯毎コークス温度予測モデル26は、窯毎
のコークス温度変更量から炉団の全窯の排出コークス温
度予測ならびにガスコックやオリフィスの開度変更量へ
の換算を行う。窯毎コークス温度予測モデル26は、2
つの関係式を用いている。1つは、コークス炉の炉団内
の任意の窯に対するコークス温度変更と、該コークス温
度変更の影響による周囲の複数の窯のコークス温度変更
量の間の下記(式3)の関係式であり、コークス炉の任
意の窯の両側に位置する燃焼室の燃料ガス流量が変化す
る場合の該窯を中心とする各窯の排出コークス温度変化
量に関して該窯の隣に位置する窯(以下単に「隣窯」と
いう)、該窯の2つ隣に位置する窯(以下単に「隣々
窯」という)の関係が定量化でき、さらに定式化したも
のである。もう1つは、ガスコック影響係数・オリフィ
ス影響係数を用いて窯毎コークス温度変更量をガスコッ
ク・オリフィス開度変更量へ換算する下記(式4−1)
(式4−2)(式4−3)(式4−4)である。
【0021】
【数2】
【0022】ガスコック直上窯が操作対象窯の場合のガ
スコック開度変更量 ΔG=ΔTai /g (式4−1) ガスコック直上窯が操作対象窯の場合の隣オリフィス開
度変更量 ΔA=ΔTai /a×0.5 (式4−2) オリフィス直上窯が操作対象窯の場合のオリフィス開度
変更量 ΔG=ΔTai /a (式4−3) オリフィス直上窯が操作対象窯の場合の隣ガスコック開
度変更量 ΔA=ΔTai /g×0.5 (式4−4) ΔG : ガスコック開度変更量[mm] ΔA : オリフィス開度変更量[mm] g : ガスコック影響係数[℃/mm] a : オリフィス影響係数[℃/mm]
【0023】なお、前記(式3)で ΔTcj=−δTcj とおいて直接 Taiについて解けば、窯間コークス温
度偏差が完全に無くなるような窯毎コークス温度変更量
を計算できるのにそうしないで、前記(式2)の評価関
数を最小計算で窯毎コークス温度を決定するのは ガスコックやオリフィスの操作手段が操業者の手動の
場合でも該操業者の負担にならない窯数を操作対象窯数
として設定し、該操作対象窯数に応じて最大限の窯間バ
ラツキ低減化を図るため 窯毎コークス温度変更量のオーバーアクション防止用
の重み係数を導入するためである。
【0024】
【実施例】
実施例1 炉高6000mm、炉幅450mm、炉長15560m
m、門数106門のコークス炉団を使用し、排出コーク
ス温度を990〜1120℃の範囲で変化させ、この発
明の制御方法の排出コークス温度に含まれる個々の窯の
熱履歴および装入炭諸元の違いといった操業要因偏差を
定量化するための伝熱モデルにより排出コークス温度推
定値を求めた。その結果を図3に示す。図3に示すとお
り、装炭量、装炭時水分、乾留時間、炉温の窯毎の実績
値から伝熱モデルによる推定計算で求められた排出コー
クス温度の推定精度は良好で、排出コークス温度の実績
値と推定値の差である窯間のコークス温度偏差が操業要
因偏差を含まない本来の窯間バラツキを表すことがわか
る。
【0025】実施例2 前記実施例で使用したコークス炉団を用い、生産調整で
装炭量が一時的に変動した場合、降雨で装炭時水分が一
時的に変動した場合、定期修理で乾留時間が一時的に変
動した場合および燃料ガスの発熱量の変化で炉温が一時
的に変動した場合のそれぞれについて、前記窯間モデル
により前記操業要因偏差を含まない本来の窯間バラツキ
を表す窯間のコークス温度偏差、ガスコックやオリフィ
スの開度変更が排出コークス温度変化に与える影響を定
量化したガスコック影響係数、オリフィス影響係数、操
作対象窯数等のパラメータ、ガスコック毎あるいはオリ
フィス毎の現状の設定開度、過去の開度変更履歴、上下
限および基準値等の開度のデータに基づき、前記窯間の
コークス温度偏差の窯間バラツキ低減化を図るためのガ
スコックやオリフィスの開度変更量を演算し、該演算結
果に基づいてガスコックやオリフィスの開度指示値を求
め、該開度指示値にしたがってガスコックやオリフィス
の開度調整を実施した。そしてある時間内に押出された
コークスの押出窯数と、装炭量[℃]、装炭時水分
[%]、乾留時間[hr]、排出コークス温度[℃]の
実績値および排出コークス温度の実績値と、この発明の
伝熱モデルの推定計算で求めた排出コークス温度の推定
値との差である窯間のコークス温度偏差[℃]を求め
た。その結果を図4ないし図7に示す。
【0026】図4〜図7に示すとおり、排出コークス温
度に含まれる個々の窯の熱履歴および装入炭諸元の違い
といった操業要因偏差が定量化された結果、窯間のコー
クス温度偏差には、前記操業要因偏差が含まれないの
で、窯間のコークス温度偏差の窯間バラツキは低減化
し、排出コークス温度に含まれていた装炭量の変動は、
図4に示すとおり窯間のコークス温度偏差では除かれて
いる。また、排出コークス温度に含まれていた装炭時水
分の変動は、図5に示すとおり、窯間のコークス温度偏
差では除かれている。さらに、排出コークス温度に含ま
れていた乾留時間の変動は、図6に示すとおり、窯間の
コークス温度偏差では除かれている。さらにまた、排出
コークス温度に含まれていた炉温は、図7に示すとお
り、窯間のコークス温度偏差では除かれている。
【0027】これに対し、実績の排出コークス温度の窯
間バラツキの低減化を図る方法は、前記したとおり、排
出コークス温度に操業要因偏差が含まれているため、窯
間のコークス温度偏差に窯間バラツキが発生する。ま
た、火落時間や置時間の窯間バラツキの低減化を図る方
法は、火落時間や置時間に含まれる個々の窯の操業要因
偏差を定量化する手段がないため、操業要因偏差を含ま
ないように考慮した窯間バラツキの低減化の方法ではな
い。
【0028】
【発明の効果】この発明のコークス炉の窯毎の投入熱量
制御方法によれば、窯毎の排出コークス温度のバラツキ
を窯間のバラツキの指標として扱うので、排出コークス
温度に含まれる個々の窯の熱履歴および装入炭諸元の違
いといった操業要因偏差を伝熱モデルによる推定計算で
排出コークス温度の推定値として定量化し、前記操業要
因偏差を含まない本来の窯間バラツキを排出コークス温
度実績値から前記推定値を引いた窯間のコークス温度偏
差として表し、該窯間のコークス温度偏差の窯間バラツ
キの低減化を図るので、操業要因偏差を含まないような
考慮が可能となる。従って、窯毎の火落時間のバラツキ
を窯間のバラツキの指標として扱う従来のコークス炉の
窯毎の投入熱量制御方法に比較し、各窯に適切な熱量を
投入できるので窯間バラツキがより低減し、さらに大き
な操業変更の際の窯間バラツキの悪化を防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明方法の主要過程を示す説明図である。
【図2】この発明方法に基づくコークス炉の窯毎の投入
熱量制御方法を示す説明図である。
【図3】この発明方法に使用する伝熱モデルの排出コー
クス温度推定精度を示す図である。
【図4】この発明方法の実施例で、装炭量に含まれてい
る一時的な変動が窯間のコークス温度偏差では除かれて
いることを示す時系列図である。
【図5】本発明方法の実施例で、装炭時水分に含まれて
いる一時的な変動が窯間のコークス温度偏差では除かれ
ていることを示す時系列図である。
【図6】本発明方法の実施例で、乾留時間に含まれてい
る一時的な変動が窯間のコークス温度偏差では除かれて
いることを示す時系列図である。
【図7】本発明方法の実施例で、炉温に含まれている一
時的な変動が窯間のコークス温度偏差では除かれている
ことを示す時系列図である。
【符号の説明】
1 排出コークス温度実績値 2 伝熱モデル 3 装炭量 4 装炭時水分 5 乾留時間 6 炉温 7 排出コークス温度推定値 8 窯間のコークス温度偏差 21 窯間モデル 22 パラメータ 23 開度のデータ 24 ガスコックやオリフィスの開度指示値 25 開度調整ガイドモデル 26 窯毎コークス温度予測モデル 27 窯毎コークス温度変更量

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コークス炉の各燃焼室に供給される燃焼
    ガスおよび空気の流量を調節する流量調節計の開度を変
    更する方法において、窯毎の排出コークス温度、装炭
    量、装炭時水分、乾留時間、炉温の実績値を検出し、該
    実績値から窯毎の排出コークス温度を伝熱モデルを用い
    て推定し、窯毎の前記排出コークス温度の実績値と前記
    推定値の差を窯間のコークス温度偏差とし、該窯間のコ
    ークス温度偏差をもとに前記流量調節計の開度の変更量
    を演算することを特徴とするコークス炉の窯毎の投入熱
    量制御方法。
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