JPH09301786A - 炭素質成形体、炭素質成形体の酸化防止剤およびその酸化防止方法 - Google Patents
炭素質成形体、炭素質成形体の酸化防止剤およびその酸化防止方法Info
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- JPH09301786A JPH09301786A JP11805396A JP11805396A JPH09301786A JP H09301786 A JPH09301786 A JP H09301786A JP 11805396 A JP11805396 A JP 11805396A JP 11805396 A JP11805396 A JP 11805396A JP H09301786 A JPH09301786 A JP H09301786A
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- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B41/00—After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
- C04B41/009—After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
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- C04B41/00—After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
- C04B41/45—Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
- C04B41/50—Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials
- C04B41/5022—Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials with vitreous materials
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐摩耗性等といった炭素自体の有する良好な
特性を低下させることなく、耐酸化性を向上させると共
に耐剥離性も改善された炭素質成形体を提供する。 【解決手段】 炭素質材料からなる成形体の表面に酸化
防止用ガラス皮膜を形成した耐酸化性に優れた炭素質成
形体である。この酸化防止用ガラス皮膜はホウ酸塩を含
有することが好ましい。
特性を低下させることなく、耐酸化性を向上させると共
に耐剥離性も改善された炭素質成形体を提供する。 【解決手段】 炭素質材料からなる成形体の表面に酸化
防止用ガラス皮膜を形成した耐酸化性に優れた炭素質成
形体である。この酸化防止用ガラス皮膜はホウ酸塩を含
有することが好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、黒鉛電極,るつ
ぼ,炉等の構造材料;耐熱材料;ブレーキ材料等の如く
炭素/炭素複合材料からなる成形体(以下、炭素質成形
体と呼ぶ場合がある)の酸化を防止することのできる酸
化防止剤、および該酸化防止剤で処理された炭素質成形
体、並びにその酸化防止方法に関するものである。
ぼ,炉等の構造材料;耐熱材料;ブレーキ材料等の如く
炭素/炭素複合材料からなる成形体(以下、炭素質成形
体と呼ぶ場合がある)の酸化を防止することのできる酸
化防止剤、および該酸化防止剤で処理された炭素質成形
体、並びにその酸化防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭素質材料からなる成形体は、その主成
分である炭素が耐熱性に優れているので有用であるが、
高温で比較的容易に酸化され易いという欠点を有してい
る。そこで、この様な欠点を克服すべく様々な提案がさ
れている。
分である炭素が耐熱性に優れているので有用であるが、
高温で比較的容易に酸化され易いという欠点を有してい
る。そこで、この様な欠点を克服すべく様々な提案がさ
れている。
【0003】例えば、炭素質成形体を、SiO2 ,Al
2 O3 ,TiO2 ,MgO等の金属酸化物;B4 C,S
iC等の金属炭化物;BN等の金属窒化物;金属ケイ化
物等といった耐酸化性物質の水懸濁液に含浸したり、或
いは該水懸濁液を炭素質成形体の表面に塗布する等の方
法が提案されている。ところが、上記水懸濁液は炭素質
成形体に対する密着性が悪く、その為、良好な耐酸化性
能を発揮することができないという問題があった。
2 O3 ,TiO2 ,MgO等の金属酸化物;B4 C,S
iC等の金属炭化物;BN等の金属窒化物;金属ケイ化
物等といった耐酸化性物質の水懸濁液に含浸したり、或
いは該水懸濁液を炭素質成形体の表面に塗布する等の方
法が提案されている。ところが、上記水懸濁液は炭素質
成形体に対する密着性が悪く、その為、良好な耐酸化性
能を発揮することができないという問題があった。
【0004】そこで、炭素質成形体に対する密着性の向
上を目的として、溶射方法や気相蒸着法等により上記耐
酸化性物質を被覆する方法が行われている。しかしなが
ら、これらの方法を採用するには大規模な処理設備を必
要とし、処理費用も高くつく等、炭素材料等の一般工業
材料に適用するには極めて不経済である。
上を目的として、溶射方法や気相蒸着法等により上記耐
酸化性物質を被覆する方法が行われている。しかしなが
ら、これらの方法を採用するには大規模な処理設備を必
要とし、処理費用も高くつく等、炭素材料等の一般工業
材料に適用するには極めて不経済である。
【0005】その他、ホウ酸をグリセリンに溶解した酸
化防止剤を製鋼用黒鉛電極の表面に施す方法が提案され
ている(特公昭64−6129号)。この方法は、ホウ
酸が熱分解して生じる酸化ホウ素による酸化防止作用を
期待するものであり、溶媒として、ホウ酸の溶解度が大
きいグリセリンを使用することにより高濃度の均質溶液
とし、十分な酸化防止作用を与えると共に、黒鉛電極へ
の浸透性・濡れ性を改善しようとするものである。しか
しながら、ホウ酸を熱処理して得られる酸化ホウ素の融
点は約577℃であるから、それよりも高温では酸化ホ
ウ素が液体となって黒鉛電極内部にまで侵入し、炭素自
体の有する耐摩耗性等に悪影響を及ぼす様になる。
化防止剤を製鋼用黒鉛電極の表面に施す方法が提案され
ている(特公昭64−6129号)。この方法は、ホウ
酸が熱分解して生じる酸化ホウ素による酸化防止作用を
期待するものであり、溶媒として、ホウ酸の溶解度が大
きいグリセリンを使用することにより高濃度の均質溶液
とし、十分な酸化防止作用を与えると共に、黒鉛電極へ
の浸透性・濡れ性を改善しようとするものである。しか
しながら、ホウ酸を熱処理して得られる酸化ホウ素の融
点は約577℃であるから、それよりも高温では酸化ホ
ウ素が液体となって黒鉛電極内部にまで侵入し、炭素自
体の有する耐摩耗性等に悪影響を及ぼす様になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであって、その目的は、耐摩耗性等
といった炭素自体の有する良好な特性を低下させること
なく、耐酸化性を向上させると共に耐剥離性も改善され
た炭素質成形体および該成形体の酸化防止剤、並びに該
炭素質成形体の酸化防止方法を提供しようとするもので
ある。
目してなされたものであって、その目的は、耐摩耗性等
といった炭素自体の有する良好な特性を低下させること
なく、耐酸化性を向上させると共に耐剥離性も改善され
た炭素質成形体および該成形体の酸化防止剤、並びに該
炭素質成形体の酸化防止方法を提供しようとするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る炭素質成形体とは、炭素質材料か
らなる成形体の表面に酸化防止用ガラス皮膜を形成した
ところに要旨を有するものである。上記酸化防止用ガラ
ス皮膜がホウ酸塩を含有するものや、該皮膜の膜厚が1
0〜400μmであるものは、本発明の好ましい実施態
様である。
のできた本発明に係る炭素質成形体とは、炭素質材料か
らなる成形体の表面に酸化防止用ガラス皮膜を形成した
ところに要旨を有するものである。上記酸化防止用ガラ
ス皮膜がホウ酸塩を含有するものや、該皮膜の膜厚が1
0〜400μmであるものは、本発明の好ましい実施態
様である。
【0008】また、上記課題を解決することのできた炭
素質成形体の酸化防止剤は、ホウ酸塩ガラス形成性材料
を含有するところに要旨を有するものである。この材料
は、ホウ酸及び/又はホウ酸アンモニウムが好ましい。
更に、耐酸化性と共に耐剥離性の改善を図ることのでき
た炭素質成形体の酸化防止剤は、以下の組成成分を水に
懸濁させたところに要旨を有する。
素質成形体の酸化防止剤は、ホウ酸塩ガラス形成性材料
を含有するところに要旨を有するものである。この材料
は、ホウ酸及び/又はホウ酸アンモニウムが好ましい。
更に、耐酸化性と共に耐剥離性の改善を図ることのでき
た炭素質成形体の酸化防止剤は、以下の組成成分を水に
懸濁させたところに要旨を有する。
【0009】ホウ酸及び/又はホウ酸アンモニウム:
70〜89.4重量部 金属窒化物,金属炭化物,金属酸化物,金属ケイ化物
よりなる群から選択される少なくとも1種の耐酸化性物
質:10〜30重量部 有機粘結剤:0.1〜2重量部 界面活性剤:0.5〜2重量部 ここで、上記耐酸化性物質としては、窒化ホウ素及び/
又は炭化ケイ素の使用が推奨される。
70〜89.4重量部 金属窒化物,金属炭化物,金属酸化物,金属ケイ化物
よりなる群から選択される少なくとも1種の耐酸化性物
質:10〜30重量部 有機粘結剤:0.1〜2重量部 界面活性剤:0.5〜2重量部 ここで、上記耐酸化性物質としては、窒化ホウ素及び/
又は炭化ケイ素の使用が推奨される。
【0010】更に、上記課題を解決することのできた炭
素質成形体の酸化防止方法とは、上記〜の成分組成
となる様に、まず、ホウ酸及び/又はホウ酸アンモニ
ウム、並びに耐酸化性物質を水中に懸濁させた後、
有機粘結剤および界面活性剤を加えたものを炭素質成
形体に塗布してから、580〜800℃で焼き付けると
ころに要旨を有するものである。耐剥離性の更なる向上
という観点からすれば、焼き付け処理により10〜40
0μmの酸化防止用ガラス皮膜を形成することが推奨さ
れる。
素質成形体の酸化防止方法とは、上記〜の成分組成
となる様に、まず、ホウ酸及び/又はホウ酸アンモニ
ウム、並びに耐酸化性物質を水中に懸濁させた後、
有機粘結剤および界面活性剤を加えたものを炭素質成
形体に塗布してから、580〜800℃で焼き付けると
ころに要旨を有するものである。耐剥離性の更なる向上
という観点からすれば、焼き付け処理により10〜40
0μmの酸化防止用ガラス皮膜を形成することが推奨さ
れる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、炭素質材料からなる成
形体の表面に酸化防止用ガラス皮膜を形成したものであ
る点に技術的思想を有する。具体的には、炭素質成形体
の酸化防止剤としてガラス形成性材料を用い、炭素質成
形体を非結晶質のガラスで被覆することにより、高度の
酸化防止作用を付与するものであり、更に、耐剥離性の
向上を目的として、後記する如く他の成分を所定量配合
することにより、成形体との密着性も高められた炭素質
成形体を得るものである。
形体の表面に酸化防止用ガラス皮膜を形成したものであ
る点に技術的思想を有する。具体的には、炭素質成形体
の酸化防止剤としてガラス形成性材料を用い、炭素質成
形体を非結晶質のガラスで被覆することにより、高度の
酸化防止作用を付与するものであり、更に、耐剥離性の
向上を目的として、後記する如く他の成分を所定量配合
することにより、成形体との密着性も高められた炭素質
成形体を得るものである。
【0012】尚、既知の酸化防止剤の一つであるSiO
2 も、熱処理すればガラス質化する物質であると言える
が、従来技術においては、炭素質成形体の表面にSiO
2 からなるガラス質酸化防止皮膜を形成させようという
思想は全くなかった。SiO 2 をガラス質化するには、
本発明における熱処理温度(好ましくは580〜800
℃、後記する)よりも高い温度(1700℃以上)で熱
処理しなければならないが、従来はこの様な高温で処理
しておらず、せいぜい900〜1500℃の低温レベル
で処理していたに過ぎず、その様な従来技術に、本発明
の技術思想を見出すことはできない。従って、炭素質成
形体の表面に酸化防止用ガラス皮膜を形成するという技
術的思想は、本発明独自のものと言うことができ、本発
明では、その技術思想を具現化する為に種々の検討を加
え、発明として完成させたのである。
2 も、熱処理すればガラス質化する物質であると言える
が、従来技術においては、炭素質成形体の表面にSiO
2 からなるガラス質酸化防止皮膜を形成させようという
思想は全くなかった。SiO 2 をガラス質化するには、
本発明における熱処理温度(好ましくは580〜800
℃、後記する)よりも高い温度(1700℃以上)で熱
処理しなければならないが、従来はこの様な高温で処理
しておらず、せいぜい900〜1500℃の低温レベル
で処理していたに過ぎず、その様な従来技術に、本発明
の技術思想を見出すことはできない。従って、炭素質成
形体の表面に酸化防止用ガラス皮膜を形成するという技
術的思想は、本発明独自のものと言うことができ、本発
明では、その技術思想を具現化する為に種々の検討を加
え、発明として完成させたのである。
【0013】また、本発明に用いられるガラス形成性材
料の代表例としては、ホウ酸及び/又はホウ酸アンモニ
ウムが挙げられる。このうち、ホウ酸を含有する炭素質
成形体用酸化防止剤は既に開示されている(特公昭64
−6129号公報)ことは既に述べた通りである。しか
しながら、前述した様に、その組成はホウ酸をグリセリ
ンに溶解してなるものであり、約300℃で熱分解して
生じる酸化ホウ素による酸化防止作用を期待するもので
ある為、酸化ホウ素の融点(約577℃)よりも高い温
度領域では酸化ホウ素が溶解してしまい、耐摩耗性が著
しく損なわれるという問題があった。これに対して、本
発明ではホウ酸塩に代表される如くガラス質化させた酸
化防止皮膜を施すものであり、この様な非結晶質の固体
物質で炭素質成形体を被覆する点で、上記従来方法とは
全く異なるものである。更に、本発明によれば、上記公
報における問題点、即ち炭素が本来有する特性(耐摩耗
性等)を低下させるといった不都合を招くことなく耐酸
化性の向上が得られる点でも非常に有用である。以下、
本発明における代表的なガラス皮膜であるホウ酸塩ガラ
スを形成させる場合を例に挙げ、本発明を詳述する。
料の代表例としては、ホウ酸及び/又はホウ酸アンモニ
ウムが挙げられる。このうち、ホウ酸を含有する炭素質
成形体用酸化防止剤は既に開示されている(特公昭64
−6129号公報)ことは既に述べた通りである。しか
しながら、前述した様に、その組成はホウ酸をグリセリ
ンに溶解してなるものであり、約300℃で熱分解して
生じる酸化ホウ素による酸化防止作用を期待するもので
ある為、酸化ホウ素の融点(約577℃)よりも高い温
度領域では酸化ホウ素が溶解してしまい、耐摩耗性が著
しく損なわれるという問題があった。これに対して、本
発明ではホウ酸塩に代表される如くガラス質化させた酸
化防止皮膜を施すものであり、この様な非結晶質の固体
物質で炭素質成形体を被覆する点で、上記従来方法とは
全く異なるものである。更に、本発明によれば、上記公
報における問題点、即ち炭素が本来有する特性(耐摩耗
性等)を低下させるといった不都合を招くことなく耐酸
化性の向上が得られる点でも非常に有用である。以下、
本発明における代表的なガラス皮膜であるホウ酸塩ガラ
スを形成させる場合を例に挙げ、本発明を詳述する。
【0014】まず、耐酸化性および耐剥離性の両作用を
発揮させることのできる酸化防止剤の成分組成は、以下
の通りである。 ホウ酸及び/又はホウ酸アンモニウム:70〜89.
4重量部 金属窒化物,金属炭化物,金属酸化物,金属ケイ化物
よりなる群から選択される少なくとも1種の耐酸化性物
質:10〜30重量部 有機粘結剤 :0.1〜2重量部 界面活性剤 :0.5〜2重量部 本発明の酸化防止剤は、上記〜を水に懸濁させたも
のであり、以下各成分について詳述する。
発揮させることのできる酸化防止剤の成分組成は、以下
の通りである。 ホウ酸及び/又はホウ酸アンモニウム:70〜89.
4重量部 金属窒化物,金属炭化物,金属酸化物,金属ケイ化物
よりなる群から選択される少なくとも1種の耐酸化性物
質:10〜30重量部 有機粘結剤 :0.1〜2重量部 界面活性剤 :0.5〜2重量部 本発明の酸化防止剤は、上記〜を水に懸濁させたも
のであり、以下各成分について詳述する。
【0015】ホウ酸及び/又はホウ酸アンモニウム:
70〜89.4重量部 ホウ酸及び/又はホウ酸アンモニウムは、熱処理により
ガラス質に転換し、耐酸化作用を発揮させる主要成分で
ある。本発明では、高度の耐酸化性を得る為におよび
後記するを添加するものであり、両成分による耐酸化
作用を十分発揮させるには、各成分の含有量を適切に調
整する必要がある。
70〜89.4重量部 ホウ酸及び/又はホウ酸アンモニウムは、熱処理により
ガラス質に転換し、耐酸化作用を発揮させる主要成分で
ある。本発明では、高度の耐酸化性を得る為におよび
後記するを添加するものであり、両成分による耐酸化
作用を十分発揮させるには、各成分の含有量を適切に調
整する必要がある。
【0016】ホウ酸及び/又はホウ酸アンモニウムが7
0重量部未満では、皮膜全体がガラス質化し、炭素成形
体を覆うことができない。好ましくは75重量部以上で
あり、より好ましくは79重量部以上である。また、そ
の上限は、他の成分(〜)による作用を有効に発揮
させる為に特定したものであり、89.4重量部を超え
て過剰に添加すると、他の耐酸化性物質であるの含有
量が少なくなり、その耐酸化作用が十分得られない。好
ましくは89重量部以下であり、より好ましくは88重
量部以下である。尚、本発明では、上記範囲内であれ
ば、ホウ酸/ホウ酸アンモニウムを夫々単独で使用して
も良いし、或いは併用しても構わない。また、その種類
もホウ酸/ホウ酸アンモニウムに限定する必要はなく、
熱処理によりしてガラス質化し得るものであれば、他の
ホウ酸塩を使用できることは言うまでもない。
0重量部未満では、皮膜全体がガラス質化し、炭素成形
体を覆うことができない。好ましくは75重量部以上で
あり、より好ましくは79重量部以上である。また、そ
の上限は、他の成分(〜)による作用を有効に発揮
させる為に特定したものであり、89.4重量部を超え
て過剰に添加すると、他の耐酸化性物質であるの含有
量が少なくなり、その耐酸化作用が十分得られない。好
ましくは89重量部以下であり、より好ましくは88重
量部以下である。尚、本発明では、上記範囲内であれ
ば、ホウ酸/ホウ酸アンモニウムを夫々単独で使用して
も良いし、或いは併用しても構わない。また、その種類
もホウ酸/ホウ酸アンモニウムに限定する必要はなく、
熱処理によりしてガラス質化し得るものであれば、他の
ホウ酸塩を使用できることは言うまでもない。
【0017】耐酸化性物質:10〜30重量部 この物質は、本発明において上記と共に耐酸化性作用
を発揮するものである。この様な物質としては既知の耐
酸化性物質、例えば、SiO2 ,Al2 O3 ,TiO
2 ,MgO等の金属酸化物や、B4 C,SiC等の金属
炭化物、BN等の金属窒化物、金属ケイ化物等が挙げら
れるが、高温での安定性および炭素質成形体との密着性
を考慮すれば、窒化ホウ素及び/又は炭化ケイ素の使用
が推奨される。
を発揮するものである。この様な物質としては既知の耐
酸化性物質、例えば、SiO2 ,Al2 O3 ,TiO
2 ,MgO等の金属酸化物や、B4 C,SiC等の金属
炭化物、BN等の金属窒化物、金属ケイ化物等が挙げら
れるが、高温での安定性および炭素質成形体との密着性
を考慮すれば、窒化ホウ素及び/又は炭化ケイ素の使用
が推奨される。
【0018】これらの物質による耐酸化作用を有効に発
揮させる為には10重量部以上添加しなければならな
い。好ましくは11重量部以上であり、より好ましくは
12重量部以上である。しかし、30重量部を超えて添
加すると必然的にの添加量が少なくなり、その結果、
の添加によるガラス質の生成が阻害される。好ましく
は25重量部以下であり、より好ましくは20重量部以
下である。
揮させる為には10重量部以上添加しなければならな
い。好ましくは11重量部以上であり、より好ましくは
12重量部以上である。しかし、30重量部を超えて添
加すると必然的にの添加量が少なくなり、その結果、
の添加によるガラス質の生成が阻害される。好ましく
は25重量部以下であり、より好ましくは20重量部以
下である。
【0019】有機粘結剤:0.1〜2重量部 有機粘結剤は、炭素質成形体に対する密着性の向上に有
用である。詳細には、上記およびの粉末を炭素質成
形体の表面に塗布してからがガラス質化するまでの
間、これらの粉末が成形体表面から剥離しない様、接着
させる役割を有する。この様な作用を有する有機粘結剤
としては、例えばCMC(Sodium Carboxymethyl Cellu
lose)、PVA(Polyvinyl Alcohol )、MC(Methyl
Cellulose)、HEC(Hidroxyethyl Cellulose)等が
挙げられる。これらの有機粘結剤を用いる場合には、そ
の添加量を0.1〜0.5重量部にする必要がある。
0.1重量部未満では上記作用を十分発揮させることが
できず、全成分を常温で塗布した後に熱処理すると、炭
素質成形体表面から剥離してしまう。但し、0.5重量
部を超えて添加すると懸濁液の粘度が高くなり、塗布す
るのが困難になる。尚、有機粘結剤として澱粉やアルギ
ン酸塩を使用することもできるが、その場合には、上記
と同様の観点から1〜2重量部とすることが必要であ
る。
用である。詳細には、上記およびの粉末を炭素質成
形体の表面に塗布してからがガラス質化するまでの
間、これらの粉末が成形体表面から剥離しない様、接着
させる役割を有する。この様な作用を有する有機粘結剤
としては、例えばCMC(Sodium Carboxymethyl Cellu
lose)、PVA(Polyvinyl Alcohol )、MC(Methyl
Cellulose)、HEC(Hidroxyethyl Cellulose)等が
挙げられる。これらの有機粘結剤を用いる場合には、そ
の添加量を0.1〜0.5重量部にする必要がある。
0.1重量部未満では上記作用を十分発揮させることが
できず、全成分を常温で塗布した後に熱処理すると、炭
素質成形体表面から剥離してしまう。但し、0.5重量
部を超えて添加すると懸濁液の粘度が高くなり、塗布す
るのが困難になる。尚、有機粘結剤として澱粉やアルギ
ン酸塩を使用することもできるが、その場合には、上記
と同様の観点から1〜2重量部とすることが必要であ
る。
【0020】界面活性剤:0.5〜2重量部 界面活性剤は、上記〜を炭素質成形体表面に塗布す
るに当たり、濡れ性を改善し、均一な耐酸化保護皮膜を
得るのに有用である。この様な作用を有する界面活性剤
としては特に限定されないが、例えばアルキルフェニル
エーテル、脂肪酸エステル、硬化ひまし油、ラノリン、
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、中性洗剤等が
挙げられる。その添加量が0.5重量部未満では上記作
用を十分発揮させることができない。但し、2重量部を
超えて添加しても濡れ性に対する向上効果は飽和してし
まい、逆に焼き付け時に、ガラス質皮膜が成形体から剥
離してしまう。
るに当たり、濡れ性を改善し、均一な耐酸化保護皮膜を
得るのに有用である。この様な作用を有する界面活性剤
としては特に限定されないが、例えばアルキルフェニル
エーテル、脂肪酸エステル、硬化ひまし油、ラノリン、
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、中性洗剤等が
挙げられる。その添加量が0.5重量部未満では上記作
用を十分発揮させることができない。但し、2重量部を
超えて添加しても濡れ性に対する向上効果は飽和してし
まい、逆に焼き付け時に、ガラス質皮膜が成形体から剥
離してしまう。
【0021】次に、上記成分組成からなる本発明酸化防
止剤を用い、炭素質成形体を酸化防止する方法について
説明する。まず、所定量のホウ酸及び/又はホウ酸ア
ンモニウムと耐酸化性物質を水中に懸濁させる。水の
添加量は、及びの種類や含有量によっても左右され
るが、概して、及びの合計量に対して2〜20倍、
より好ましくは4〜10倍添加することが好ましい。
止剤を用い、炭素質成形体を酸化防止する方法について
説明する。まず、所定量のホウ酸及び/又はホウ酸ア
ンモニウムと耐酸化性物質を水中に懸濁させる。水の
添加量は、及びの種類や含有量によっても左右され
るが、概して、及びの合計量に対して2〜20倍、
より好ましくは4〜10倍添加することが好ましい。
【0022】次に、上記懸濁液中に、所定量の有機粘
結剤および界面活性剤を加える。この様に、本発明法
では〜の成分を一度に混合するのではなく、二段階
に分けて添加しており、それによって、これらの成分を
成形体表面に均一に塗布させることができるのである。
結剤および界面活性剤を加える。この様に、本発明法
では〜の成分を一度に混合するのではなく、二段階
に分けて添加しており、それによって、これらの成分を
成形体表面に均一に塗布させることができるのである。
【0023】その次に、上記懸濁液を炭素質成形体の表
面に塗布した後、580〜800℃の焼き付け処理を行
う。この様な温度領域で熱処理することにより、ホウ酸
及び/又はホウ酸アンモニウムがガラス質に転換し、強
固な酸化防止皮膜を形成することができる。焼き付け温
度が580℃未満では、ホウ酸及び/又はホウ酸アンモ
ニウムが完全にガラス質化せず、密着性が不十分であ
る。好ましくは600℃以上であり、より好ましくは7
00℃以上である。しかし、800℃を超えて加熱して
もその作用は飽和してしまい、経済的に無駄である。但
し、上記温度範囲では炭素の酸化が起こり易くなるの
で、所望のガラス質皮膜が形成されるまでの間、不活性
雰囲気下にすることが望ましい。
面に塗布した後、580〜800℃の焼き付け処理を行
う。この様な温度領域で熱処理することにより、ホウ酸
及び/又はホウ酸アンモニウムがガラス質に転換し、強
固な酸化防止皮膜を形成することができる。焼き付け温
度が580℃未満では、ホウ酸及び/又はホウ酸アンモ
ニウムが完全にガラス質化せず、密着性が不十分であ
る。好ましくは600℃以上であり、より好ましくは7
00℃以上である。しかし、800℃を超えて加熱して
もその作用は飽和してしまい、経済的に無駄である。但
し、上記温度範囲では炭素の酸化が起こり易くなるの
で、所望のガラス質皮膜が形成されるまでの間、不活性
雰囲気下にすることが望ましい。
【0024】この様にして形成された酸化防止用ガラス
質皮膜の厚さは10〜400μmとすることが好まし
い。10μm未満では、十分な酸化防止作用が得られな
い。好ましくは20μm以上であり、より好ましくは3
0μm以上である。しかし、400μmを超えるとガラ
ス質皮膜と炭素質成形体の熱膨張率の差が大きくなって
剥離し易くなる。好ましくは300μm以下であり、よ
り好ましくは250μm以下である。
質皮膜の厚さは10〜400μmとすることが好まし
い。10μm未満では、十分な酸化防止作用が得られな
い。好ましくは20μm以上であり、より好ましくは3
0μm以上である。しかし、400μmを超えるとガラ
ス質皮膜と炭素質成形体の熱膨張率の差が大きくなって
剥離し易くなる。好ましくは300μm以下であり、よ
り好ましくは250μm以下である。
【0025】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を
受けるものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲
で変更を加えて実施することも勿論可能であり、それら
は全て本発明の技術範囲に包含される。
明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を
受けるものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲
で変更を加えて実施することも勿論可能であり、それら
は全て本発明の技術範囲に包含される。
【0026】
【実施例】表1に示す組成からなる配合物に、該配合物
全量に対して1.5倍の水を加え、得られた懸濁液を、
炭素/炭素複合材料(80mm×30mm×8mm)に
スプレーで塗布した(15mg乾燥重量/cm2 )後、
窒素雰囲気下、600℃または800℃で焼き付けた。
尚、ホウ酸及びホウ酸アンモニウムは、スプレー噴霧す
る際の簡便性という観点から、200メッシュ(75μ
m)以下に粉砕したものを使用した。同様の観点から、
BNやSiCも微細化したものを使用した。CMCは
「セロゲン」(第一工業製薬株式会社製)を、界面活性
剤としては、アルキルフェニルエーテル、脂肪酸エステ
ルまたは硬化ひまし油を使用した。
全量に対して1.5倍の水を加え、得られた懸濁液を、
炭素/炭素複合材料(80mm×30mm×8mm)に
スプレーで塗布した(15mg乾燥重量/cm2 )後、
窒素雰囲気下、600℃または800℃で焼き付けた。
尚、ホウ酸及びホウ酸アンモニウムは、スプレー噴霧す
る際の簡便性という観点から、200メッシュ(75μ
m)以下に粉砕したものを使用した。同様の観点から、
BNやSiCも微細化したものを使用した。CMCは
「セロゲン」(第一工業製薬株式会社製)を、界面活性
剤としては、アルキルフェニルエーテル、脂肪酸エステ
ルまたは硬化ひまし油を使用した。
【0027】
【表1】
【0028】この様にして得られた各試料について、空
気中で700℃、900℃、および1200℃の各温度
で夫々1時間保持したときの酸化消耗量を測定し、酸化
消耗速度(%/h)を算出することにより耐酸化性の指
標とした。また、密着性を評価するに当たっては、90
0℃での酸化消耗試験を行った後の試料表面に、Xの切
り込みを入れ、セロテープを貼ってから剥がした場合
に、この試料がテープに張り付いて剥がれるかどうかを
観察した(JIS K5400Xカットテープ法)。こ
れらの結果を表2に記載する。尚、表中「−」は測定不
能を示す。
気中で700℃、900℃、および1200℃の各温度
で夫々1時間保持したときの酸化消耗量を測定し、酸化
消耗速度(%/h)を算出することにより耐酸化性の指
標とした。また、密着性を評価するに当たっては、90
0℃での酸化消耗試験を行った後の試料表面に、Xの切
り込みを入れ、セロテープを貼ってから剥がした場合
に、この試料がテープに張り付いて剥がれるかどうかを
観察した(JIS K5400Xカットテープ法)。こ
れらの結果を表2に記載する。尚、表中「−」は測定不
能を示す。
【0029】
【表2】
【0030】表2の結果から以下の様に考察することが
できる。本発明の要件を満足する実施例1〜5は、いず
れも700℃から高温の1200℃に至る全温度領域に
おいて、優れた耐酸化性を示すと共に、密着性も良好で
あった。
できる。本発明の要件を満足する実施例1〜5は、いず
れも700℃から高温の1200℃に至る全温度領域に
おいて、優れた耐酸化性を示すと共に、密着性も良好で
あった。
【0031】これに対して、ホウ酸及び/又はホウ酸ア
ンモニウムの含有量が少ない比較例1及び2は、700
℃における耐酸化性能は本発明例と同程度/若干劣る程
度であったが、900℃では、耐酸化性が本発明例に比
べて著しく低下し、1200℃では測定不能になった。
また、900℃での剥離試験では、セロテープに試料が
張り付いて剥がれてしまった。
ンモニウムの含有量が少ない比較例1及び2は、700
℃における耐酸化性能は本発明例と同程度/若干劣る程
度であったが、900℃では、耐酸化性が本発明例に比
べて著しく低下し、1200℃では測定不能になった。
また、900℃での剥離試験では、セロテープに試料が
張り付いて剥がれてしまった。
【0032】比較例3及び4は既知の耐酸化性物質を用
いた従来例に相当するものであるが、900℃における
耐酸化性は本発明例に比べて低く、1200℃では測定
不能になった。また、成形体に対する密着性も比較例1
〜2と同様、悪かった。比較例5は、ホウ酸のみを塗布
した例であるが、1200℃における耐酸化性が大きく
低下し、且つ密着性も悪かった。
いた従来例に相当するものであるが、900℃における
耐酸化性は本発明例に比べて低く、1200℃では測定
不能になった。また、成形体に対する密着性も比較例1
〜2と同様、悪かった。比較例5は、ホウ酸のみを塗布
した例であるが、1200℃における耐酸化性が大きく
低下し、且つ密着性も悪かった。
【0033】比較例6は、SiCとBNを添加しない例
であるが、比較例5と同様、1200℃における耐酸化
性が大きく低下し、且つ密着性も悪かった。比較例7
は、炭素質成形体に何も塗布しなかった例であるが、全
温度領域において耐酸化性に劣り、且つ密着性も悪いこ
とが分かる。尚、上記実施例では、いずれも耐摩耗性等
といった炭素質成形体が元々有する優れた諸特性はその
まま保持できることを確認している。
であるが、比較例5と同様、1200℃における耐酸化
性が大きく低下し、且つ密着性も悪かった。比較例7
は、炭素質成形体に何も塗布しなかった例であるが、全
温度領域において耐酸化性に劣り、且つ密着性も悪いこ
とが分かる。尚、上記実施例では、いずれも耐摩耗性等
といった炭素質成形体が元々有する優れた諸特性はその
まま保持できることを確認している。
【0034】即ち、炭素/炭素複合材の摩擦面を除いた
部分の表面に、実施例1の酸化防止剤を塗布し(被覆膜
の厚さは300μmとした)、800℃で焼き付けた
後、摩擦特性を測定した。この材料と、未処理の炭素/
炭素複合材の摩擦特性を測定したところ、両者ともに摩
擦係数は0.4であった。これに対して炭素/炭素複合
材に亜リン酸を1%含浸したものにおける摩擦係数は
0.8であり、未処理のものと大きく異なることが分か
った。この様に、炭素材料全体に酸化防止材を含浸した
場合は摩擦特性に大きな影響を与えるのに対し、本発明
では、優れた摩擦特性を保持しつつ、且つ炭素材料の耐
酸化特性を向上させることが可能である。また、摩擦面
に処理を施した場合には、摩耗量を減らすことも可能で
ある。
部分の表面に、実施例1の酸化防止剤を塗布し(被覆膜
の厚さは300μmとした)、800℃で焼き付けた
後、摩擦特性を測定した。この材料と、未処理の炭素/
炭素複合材の摩擦特性を測定したところ、両者ともに摩
擦係数は0.4であった。これに対して炭素/炭素複合
材に亜リン酸を1%含浸したものにおける摩擦係数は
0.8であり、未処理のものと大きく異なることが分か
った。この様に、炭素材料全体に酸化防止材を含浸した
場合は摩擦特性に大きな影響を与えるのに対し、本発明
では、優れた摩擦特性を保持しつつ、且つ炭素材料の耐
酸化特性を向上させることが可能である。また、摩擦面
に処理を施した場合には、摩耗量を減らすことも可能で
ある。
【0035】また、比較例では、いずれも焼付温度を4
00℃で行っているが、その後に施す酸化消耗試験(7
00℃)が、実質的に焼付と同様の熱履歴を与えること
になる。400℃を超える高い焼付温度で実験しても、
それ以上の酸化防止効果は期待できなかった(表には示
さず)。
00℃で行っているが、その後に施す酸化消耗試験(7
00℃)が、実質的に焼付と同様の熱履歴を与えること
になる。400℃を超える高い焼付温度で実験しても、
それ以上の酸化防止効果は期待できなかった(表には示
さず)。
【0036】更に、実施例において焼付温度を400℃
で行った場合、ホウ酸・ホウ酸アンモニウムがガラス質
に変化せず、酸化防止皮膜の密着性が悪くて炭素成形体
から容易に剥がれてしまい、測定不能であった(表に示
さず)。
で行った場合、ホウ酸・ホウ酸アンモニウムがガラス質
に変化せず、酸化防止皮膜の密着性が悪くて炭素成形体
から容易に剥がれてしまい、測定不能であった(表に示
さず)。
【0037】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、耐
摩耗性等といった炭素自体の有する良好な特性を低下さ
せることなく、耐酸化性(特に高温での耐酸化性)およ
び耐剥離性に優れる炭素質成形体およびその酸化防止剤
を提供することができた。また、上記酸化防止剤を用い
た本発明の酸化防止方法は、本発明の炭素質成形体を効
率よく得ることのできる方法である。
摩耗性等といった炭素自体の有する良好な特性を低下さ
せることなく、耐酸化性(特に高温での耐酸化性)およ
び耐剥離性に優れる炭素質成形体およびその酸化防止剤
を提供することができた。また、上記酸化防止剤を用い
た本発明の酸化防止方法は、本発明の炭素質成形体を効
率よく得ることのできる方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上山 光登 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内
Claims (9)
- 【請求項1】 炭素質材料からなる成形体の表面に酸化
防止用ガラス皮膜を形成したものであることを特徴とす
る耐酸化性に優れた炭素質成形体。 - 【請求項2】 前記酸化防止用ガラス皮膜がホウ酸塩を
含有するものである請求項1に記載の成形体。 - 【請求項3】 前記酸化防止用ガラス皮膜の厚さが10
〜400μmである請求項1または2に記載の成形体。 - 【請求項4】 ホウ酸塩ガラス形成性材料を含有するこ
とを特徴とする炭素質成形体の酸化防止剤。 - 【請求項5】 前記材料が、ホウ酸及び/又はホウ酸ア
ンモニウムである請求項4に記載の酸化防止剤。 - 【請求項6】 ホウ酸及び/又はホウ酸アンモニウム:
70〜89.4重量部;金属窒化物,金属炭化物,金属
酸化物,金属ケイ化物よりなる群から選択される少なく
とも1種の耐酸化性物質:10〜30重量部;有機粘結
剤:0.1〜2重量部および界面活性剤:0.5〜2重
量部を水に懸濁させたものであることを特徴とする耐剥
離性に優れた炭素質成形体の酸化防止剤。 - 【請求項7】 前記耐酸化性物質が窒化ホウ素及び/又
は炭化ケイ素である請求項6に記載の酸化防止剤。 - 【請求項8】 ホウ酸及び/又はホウ酸アンモニウム:
70〜89.4重量部;金属窒化物,金属炭化物,金属
酸化物,金属ケイ化物よりなる群から選択される少なく
とも1種の耐酸化性物質:10〜30重量部;有機粘結
剤:0.1〜2重量部および界面活性剤:0.5〜2重
量部となる様に、 まず、ホウ酸及び/又はホウ酸アンモニウム、並びに前
記耐酸化性物質を水中に懸濁させた後、次いで有機粘結
剤および界面活性剤を加えたものを炭素質成形体に塗布
してから、580〜800℃で焼き付けることを特徴と
する炭素質成形体の酸化防止方法。 - 【請求項9】 前記焼き付け処理により、10〜400
μmの酸化防止用ガラス皮膜が形成されるものである請
求項8に記載の酸化防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11805396A JPH09301786A (ja) | 1996-05-13 | 1996-05-13 | 炭素質成形体、炭素質成形体の酸化防止剤およびその酸化防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11805396A JPH09301786A (ja) | 1996-05-13 | 1996-05-13 | 炭素質成形体、炭素質成形体の酸化防止剤およびその酸化防止方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09301786A true JPH09301786A (ja) | 1997-11-25 |
Family
ID=14726861
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11805396A Withdrawn JPH09301786A (ja) | 1996-05-13 | 1996-05-13 | 炭素質成形体、炭素質成形体の酸化防止剤およびその酸化防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09301786A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7205055B2 (en) | 2002-11-01 | 2007-04-17 | Honda Motor Co., Ltd. | High temperature oxidation resistant carbonaceous molding and manufacturing method thereof |
KR100937353B1 (ko) * | 2008-04-10 | 2010-01-20 | 이승주 | 산화분위기에서 소성가능한 탄소체 조성물 및 그 소성방법 |
US10087101B2 (en) | 2015-03-27 | 2018-10-02 | Goodrich Corporation | Formulations for oxidation protection of composite articles |
US10377675B2 (en) | 2016-05-31 | 2019-08-13 | Goodrich Corporation | High temperature oxidation protection for composites |
US10465285B2 (en) | 2016-05-31 | 2019-11-05 | Goodrich Corporation | High temperature oxidation protection for composites |
US10508206B2 (en) | 2016-06-27 | 2019-12-17 | Goodrich Corporation | High temperature oxidation protection for composites |
US10526253B2 (en) | 2016-12-15 | 2020-01-07 | Goodrich Corporation | High temperature oxidation protection for composites |
US10767059B2 (en) | 2016-08-11 | 2020-09-08 | Goodrich Corporation | High temperature oxidation protection for composites |
US11046619B2 (en) | 2018-08-13 | 2021-06-29 | Goodrich Corporation | High temperature oxidation protection for composites |
US11634213B2 (en) | 2018-11-14 | 2023-04-25 | Goodrich Corporation | High temperature oxidation protection for composites |
US12065380B2 (en) | 2021-11-16 | 2024-08-20 | Goodrich Corporation | High temperature oxidation protection for carbon-carbon composites |
-
1996
- 1996-05-13 JP JP11805396A patent/JPH09301786A/ja not_active Withdrawn
Cited By (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7205055B2 (en) | 2002-11-01 | 2007-04-17 | Honda Motor Co., Ltd. | High temperature oxidation resistant carbonaceous molding and manufacturing method thereof |
KR100937353B1 (ko) * | 2008-04-10 | 2010-01-20 | 이승주 | 산화분위기에서 소성가능한 탄소체 조성물 및 그 소성방법 |
US10087101B2 (en) | 2015-03-27 | 2018-10-02 | Goodrich Corporation | Formulations for oxidation protection of composite articles |
US10689290B2 (en) | 2015-03-27 | 2020-06-23 | Goodrich Corporation | Formulations for oxidation protection of composite articles |
US10377675B2 (en) | 2016-05-31 | 2019-08-13 | Goodrich Corporation | High temperature oxidation protection for composites |
US10465285B2 (en) | 2016-05-31 | 2019-11-05 | Goodrich Corporation | High temperature oxidation protection for composites |
US11325868B2 (en) | 2016-05-31 | 2022-05-10 | Goodrich Corporation | High temperature oxidation protection for composites |
US10941486B2 (en) | 2016-05-31 | 2021-03-09 | Goodrich Corporation | High temperature oxidation protection for composites |
US11001533B2 (en) | 2016-05-31 | 2021-05-11 | Goodrich Corporation | High temperature oxidation protection for composites |
US11168222B2 (en) | 2016-06-27 | 2021-11-09 | Goodrich Corporation | High temperature oxidation protection for composites |
US10508206B2 (en) | 2016-06-27 | 2019-12-17 | Goodrich Corporation | High temperature oxidation protection for composites |
US10767059B2 (en) | 2016-08-11 | 2020-09-08 | Goodrich Corporation | High temperature oxidation protection for composites |
US11091402B2 (en) | 2016-12-15 | 2021-08-17 | Goodrich Coporation | High temperature oxidation protection for composites |
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US11505507B2 (en) | 2016-12-15 | 2022-11-22 | Goodrich Corporation | High temperature oxidation protection for composites |
US11046619B2 (en) | 2018-08-13 | 2021-06-29 | Goodrich Corporation | High temperature oxidation protection for composites |
US11453619B2 (en) | 2018-08-13 | 2022-09-27 | Goodrich Corporation | High temperature oxidation protection for composites |
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US12065380B2 (en) | 2021-11-16 | 2024-08-20 | Goodrich Corporation | High temperature oxidation protection for carbon-carbon composites |
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---|---|---|---|
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