JPH09301649A - 電磁カムと電磁カムを用いた接点機構の異常診断装置 - Google Patents

電磁カムと電磁カムを用いた接点機構の異常診断装置

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JPH09301649A
JPH09301649A JP12164196A JP12164196A JPH09301649A JP H09301649 A JPH09301649 A JP H09301649A JP 12164196 A JP12164196 A JP 12164196A JP 12164196 A JP12164196 A JP 12164196A JP H09301649 A JPH09301649 A JP H09301649A
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displacement
cam
exciting coil
current
electromagnetic
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JP12164196A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Hino
仁 氷野
Akira Segawa
昌 瀬川
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Hitachi Building Systems Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Building Systems Co Ltd
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  • Maintenance And Inspection Apparatuses For Elevators (AREA)
  • Cage And Drive Apparatuses For Elevators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 直接、接点とカムとの動作状態を測定するこ
とが困難な場合や電磁カムの可動鉄心を付勢するバネの
弾性定数が一定でない場合であっても、多くの労力を要
せず、容易かつ正確に異常診断を行うことができる電磁
カムと電磁カムを用いた接点機構の異常診断装置を提供
する。 【解決手段】 電磁カム1の可動鉄心13の変位を変位
検出器4で検出する共に励磁コイル11を駆動する駆動
電流を電流検出器6で検出し、検出された変位d信号お
よび検出電流iを増幅した後、A/D変換器7でA/D
変換し、パソコン8が内蔵するCPUで処理して、可動
鉄心13の変位dをカム26の水平変位に変換し、この
水平変位の値または電磁カム1が付勢された時のカム2
6と扉施錠確認スイッチ3のローラー32との間の間隔
がROMから読み出した基準値の所定範囲になかった
時、電磁カムを用いた扉施錠確認スイッチ機構は動作異
常と判定するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエレベーターのかご
扉の施錠を確認するスイッチとカムで構成された接点機
構等に好適に適用される電磁カムを用いた接点機構また
は電磁カムの異常診断装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】エレベーターの扉の開閉制御を行うには
かごが正しく所定階床に着床しているかを確認しなけれ
ばならず、また、かごの離床制御を行うには扉が完全に
閉まっているかどうかを確認しなければならない。そこ
で、例えば、特開平4−9869号公報には図8に示す
ように、かご30の一側面に蹴り金具27を固設すると
共にエレベーターの昇降路内の壁面に着床確認スイッチ
33を各階床毎に取り付け、かごが着床位置まで到達す
ると、蹴り金具27が着床確認スイッチ33のローラー
35を押し込むことにより、作動桿33が回動して内部
の接点が閉成し、着床確認スイッチ33を含む着床検出
回路がかご30の着床位置への到達を検出して、かご扉
を開放させるようにし、その後、着床検出回路がかご3
0の着床を検出した状態でかご扉が閉じかつ施錠された
ことが確認できると、かご30の離床を可能にする制御
が行われていた。
【0003】また、蹴り金具27を起伏可能なカムに置
き換えて電磁カムにより駆動すると共に、カムの起伏動
作とかご扉の施錠動作を連動させることにより、かご扉
施錠確認スイッチの開閉状態を検知してかごの着床とか
ご扉の施錠の有無を検知できるようにし、両機構の無駄
な部品を省くと共に、これらの検知機構の簡素化を図っ
たかご扉の開閉制御機構も知られている。かかる着床検
知または施錠検知機構の動作異常の有無の診断は、従来
はかごの天井上面に搭乗した作業員の手作業に依ってい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、例えば、着床
確認スイッチ33のローラー35と蹴り金具27または
カムとの間の間隔あるいはカムの移動距離を調べるに
は、昇降路内の壁面とかご30の側面との間にある両者
の動作状態を調べなければならず、また、電磁カムはか
ごの天井上面から人の背丈以上上方に取り付けられてい
るために転落の虞があり、その動作状態を調べるにはか
なり危険を伴う等極めて困難かつ危険な作業になってい
た。さらに、動作異常を検出できても適性状態への調整
や調整後の確認も極めて困難であるという問題点もあっ
た。
【0005】そこで、最近は主流となりつつある電磁カ
ムを用いた方式において、電磁ブレーキの診断に用いら
れた技術を転用することが検討された。即ち、電磁ブレ
ーキの診断方法としては、特公平2−36518号公報
に開示されているように、変位検出器により電磁ブレー
キの吸引、釈放時の動作状態を検出した変位データと、
電流検出器により電磁ブレーキの吸引電流を検出した電
流データを所定のプログラムに従って動作するマイコン
により処理するものである。より詳細には、上記データ
を記憶装置に記憶すると共に読み出して、吸引電流の電
流値の変化状態を調べて電磁ブレーキの吸引開始時点お
よび吸引終了時点を検出し、これらの吸引開始時点およ
び吸引終了時点とその時点の吸引電流の電流値に基づい
て電磁ブレーキの可動鉄心の吸引時間、釈放時間、移動
量、励磁コイルの励磁電流等の動作データを求めて、所
定時間内の全ての標本の最大値、最小値および平均値を
演算し、得られたこれらの値を基準特性値と比較するこ
とにより、電磁ブレーキの動作が正常か否かを判定する
ものである。
【0006】ところが、上記動作データは例えば、可動
鉄心を付勢するバネの弾性定数等が異なると異なる値を
示すため、基準特性値を得るには個々の電磁装置毎の測
定値を計測して設定しなければならず、量産品の異常診
断方法としては適さないものであった。しかも、動作デ
ータの収集やコンピューターへの入力のための作業に多
くの労力と時間を要するため、作業効率が悪かった。こ
のように、電磁カムを用いたかごの着床検知およびかご
扉の施錠検知機構の動作異常の有無診断に従来知られて
いた電磁ブレーキの異常診断方法を適用しても好ましい
結果が得られない。本発明は従来技術におけるかかる課
題を解決すべく為されたものであり、直接、接点とカム
との動作状態を測定することが困難な場合や電磁カムの
可動鉄心を付勢するバネの弾性定数が一定でない場合で
あっても、多くの労力を要せず、容易かつ正確に異常診
断を行うことができる電磁カムと電磁カムを用いた接点
機構の異常診断装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、電磁カムの異常診断装置においては、励磁
コイルを流れる駆動電流を検出した検出電流と、駆動電
流により励磁された励磁コイルの軸芯部に吸引される可
動鉄心の変位を検出した変位信号の変動状態を調べて、
電磁カムの起動時に前記検出電流の変動に対して可動鉄
心の変位が大きく変動する範囲の立ち上がり電流の平均
値と、予め記憶した立ち上がり電流基準値とを比較し
て、前記平均値が立ち上がり電流基準値より大きい時ま
たは電磁カムの消勢時に検出電流の変動に対して可動鉄
心の変位が大きく変動する範囲の立ち下がり電流の平均
値と、予め記憶した立ち下がり電流基準値とを比較し
て、前記平均値が立ち下がり電流基準値より小さい時は
電磁カムの動作は異常と判定するようにしたものであ
る。
【0008】また、電磁カムを用いた接点機構の異常診
断装置においては、駆動電流により励磁された励磁コイ
ルの軸芯部に吸引される可動鉄心の変位を検出した値が
定常引込み変位に達した時、その値をカムの当接位置か
ら退避位置に到る変位量に換算して、該変位量が予め記
憶した変位基準値を中心とする所定の範囲内にない時ま
たは可動鉄心の変位を検出した値が定常引込み変位に達
した後、電磁カムが消勢されてバネの弾性力により暫時
滞留状態に達した時、定常引込み変位と滞留状態時の変
位の間の微小変位の値をカムの退避位置と作動部との当
接位置との間の変位量に換算して、該変位量が予め記憶
した微小変位基準値を中心とする所定の範囲内にない
時、動作異常と判定するようにしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】電磁カムの付勢または消勢時の可
動鉄心の変位は任意の変位検出手段、例えば、レーザー
光の反射光により変位を検出する変位検出器により検出
することができる。また、励磁コイルを流れる駆動電流
は任意の電流検出手段、例えば、励磁コイルの引出し線
の途中に配設された電流計により測定することができ
る。各検出手段から出力された検出信号は小型コンピュ
ーターの中央演算処理装置(CPU)に入力され、随時
RAMに格納される。RAMに格納された検出信号はR
AMから読み出され、ROMに格納されたプログラムに
従った演算処理が施される。演算結果はROMから読み
出された基準データと比較されることにより、電磁カム
または電磁カムを用いた接点機構の異常診断が行われ
る。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明をエレベーター
の電磁カムに適用した一実施例を詳細に説明する。図1
は本発明の実施例の全体構成図、図2はその要部拡大図
である。これらの図において、1はエレベーターの図示
しないかごに固定された電磁カム、2はかごに固定さ
れ、電磁カム1を支持するベース、4は電磁カム1の後
述する可動鉄心の変位量を検出する変位検出器、5は変
位検出器4が検出した変位信号を増幅する変位信号増幅
器、6は電磁カム1の後述する励磁コイルを駆動する駆
動電流を検出する電流検出器、7は変位信号増幅器5お
よび電流検出器6から出力されたアナログ信号をデジタ
ル信号に変換するアナログ/デジタル(A/D)変換
器、8はA/D変換器7から出力された電磁カム1の可
動鉄心の変位量と励磁コイルを駆動する駆動電流の各検
出信号に基づいて電磁カム1の動作状態を診断するパソ
コン、9はパソコン8が診断した電磁カム1の診断結果
の情報を後述する監視センターに転送するための電話回
線である。
【0011】さらに、11は電磁カム1の励磁コイル、
12は電磁カム1を収納する容器、13は励磁コイル1
1に遊嵌する可動鉄心、14は可動鉄心13を下方に付
勢するためのバネ、15は可動鉄心13の中程に設けら
れた第1回動支点、16は可動鉄心13の下方への変位
を所定位置で制限するゴムから成る変位制限部材、17
は励磁コイル11の引出し線、21はベース2の上部に
設けられた第2回動支点、22は一端が第1回動支点1
5に回動自在に連結され、第2回動支点21の周りに回
動自在に支持された上作動腕、23は上作動腕22の他
端に回動自在に連結され、後述するカムの上端部に固定
された連結片、24はカムの中央部とベース2の下端部
を連絡する下作動腕、25はベース2の下端部で下作動
腕24の一端を回動自在に支持する第3回動支点、26
は上端部に固定された連結片23を介して上作動腕22
と回動自在に連結され、中央部で下作動腕24の他端と
回動自在に連結されたカム、26aはカム26の中央部
で下作動腕24の他端を回動自在に支持する第4回動支
点、31は扉施錠確認スイッチ3の作動桿、32は同じ
く、そのローラーである。
【0012】かかる構成によって、励磁コイル11に駆
動電流が流れると、励磁コイル11の磁力により可動鉄
心13が磁化し、バネ14の弾性力に抗して励磁コイル
11内を上方に吸引される。可動鉄心13の上方への変
位により上作動腕22が反時計回り方向に回動し、それ
に連れて下作動腕24も反時計回り方向に従動回動する
から、カム26は矢印Aに示すようにかご側面に垂直な
方向に平行に移動する。これにより、カム26は扉施錠
確認スイッチ3のローラー32から離間するので、扉施
錠確認スイッチ3の接点は閉成する。
【0013】図3は電磁カム診断装置の構成を示すブロ
ック図である。同図において、6a,6bはそれぞれ電
流検出器6を構成する電流検出部および検出電流増幅
器、10は電磁カム診断装置、70はパソコン8に接続
された記録装置、81〜87はパソコン8の内部構成を
示す符号であって、81は入出力装置、82はCPU、
83はプログラムを内蔵するROM、84は演算データ
を記憶するRAM、85は操作卓等の入力装置、86は
演算結果をグラフ等の形態で表示させるための表示装
置、87は外部回線への回線接続を司る通信装置、90
は電話回線9を介して電磁カム診断装置10と接続され
るホストコンピューターである。
【0014】以下に本実施例の動作を説明する。エレベ
ーターの起動時に図示しない制御装置からの指令により
図示しない電磁カム制御用継電器が付勢されると、励磁
コイル11に駆動電流が流れる。これにより、前述のよ
うに可動鉄心13が励磁コイル11内を上方に吸引さ
れ、この可動鉄心13の上方への変位によりカム26が
かご側面に垂直な方向に平行移動して、破線で示す施錠
位置(26′)に達するから、扉施錠確認スイッチ3の
ローラー32からのカム26の離間により、扉施錠確認
スイッチ3の接点が閉成する。カム26の動作は図示し
ないかご扉の施錠機構と連動するようになっているの
で、扉施錠確認スイッチ3の閉成によりかご扉の施錠状
態を確認してエレベーターが走行可能な状態となる。
【0015】エレベーターが走行して所定階に着床する
と、制御装置からの指令により電磁カム制御用継電器が
消勢され、励磁コイル11への駆動電流が絶たれるか
ら、可動鉄心13はバネ14の弾性力により下方に変位
する。この可動鉄心13の下方の復帰位置への変位によ
り、カム26は施錠位置(26′)から元の解除位置
(実線)に復帰する。これにより、カム26は扉施錠確
認スイッチ3のローラー32を押し込んで作動桿31を
破線で示す閉成位置(31′)から反時計回り方向に開
成位置まで回動させるから、扉施錠確認スイッチ3は開
成する。この時、かご扉の施錠機構は施錠が解除され
る。
【0016】次に、電磁カム1の付勢、消勢時の可動鉄
心13の変位および励磁コイル11を流れる駆動電流を
調べて電磁カム1が正常に動作するか否かを判定する電
磁カム診断装置10の異常診断動作を説明する。変位検
出器4はレーザー発振器を具えていて、レーザー発振器
は可動鉄心13の上端面にレーザー光Lを照射する。可
動鉄心13の上端面からの反射光は変位検出器4の受光
部で検出され、検出された検出信号は検出回路で処理さ
れ、変位信号に変換される。変位信号は検出変位増幅器
5に入力され、増幅された後、A/D変換器7に入力さ
れる。一方、励磁コイル11を駆動する駆動電流は引出
し線17の周りの磁束を検知する電流検出器6の電流検
出部6aにより検出され、検出電流は検出電流増幅器6
bにより増幅された後、A/D変換器7に入力される。
【0017】A/D変換器7でデジタル信号に変換され
た変位d信号と検出電流iはパソコン8の入出力装置8
1を介してCPU82に取り込まれる。CPU82はR
OM83に格納された電磁カム診断プログラムに従って
変位d信号と検出電流iを基に演算を行う。始めに、ま
ず入力された変位d信号と検出電流iを時間の経過とと
もに示した波形図として表示装置86に表示させる。図
4は表示装置86に表示された変位d信号と検出電流i
の波形図の一具体例を示す説明図である。同図に示すよ
うに、電流曲線Iの立ち上がりにやや遅れて変位曲線D
が急速に立ち上がり、最大値に達した後、若干の振動部
を経て平坦部D1 (定常引込み変位d1)となる。駆動
電流の遮断に呼応して電流曲線Iが立ち下がると、それ
にやや遅れて変位曲線Dも立ち下がり、その後、定常引
込み変位d1 より微小変位Δdだけ低下した時の変位曲
線Dの段部D2 を経て徐々に下降して原点に復帰する。
この電磁カム1の消勢時の変位曲線Dに形成される段部
2 はカム26の扉施錠確認スイッチ3のローラー32
への当接に対応している。
【0018】可動鉄心13の支持部に油切れ等による固
渋が生じると、変位曲線Dの立ち上がりが遅れると共に
立ち上がり部の勾配が緩やかになる。従って、変位曲線
Dの立ち上がり部の状態を調べて基準値と比較できれ
ば、固渋を原因とする電磁カムの異常診断が可能になる
が、前述のように変位曲線Dの立ち上がり部の勾配はバ
ネ14の弾性定数により変動するため、一般的な基準値
を設定することができない。そこで、本実施例では変位
d信号を検出電流iに対比した波形図を描かせて、変位
/電流特性曲線D/Iの電磁カム1の起動時の立ち上が
り部の検出電流iの平均値と、電磁カム1の消勢時の立
ち下がり部の検出電流iの平均値に基づいて電磁カム1
の異常診断を行う。
【0019】図5は変位/電流特性曲線D/Iの一具体
例を示す特性図である。この変位/電流特性曲線D/I
の極大点P1 ′,P3 ′および極小点P2 ′,P4 ′は
図4に示す変位d信号と検出電流iの波形図の極大点P
1 ,P3 および極小点P2 ,P4 に対応している。電磁
カム1の動作特性は主に電磁カム1の起動時と消勢時の
特性に反映されるから、変位/電流特性曲線D/Iの起
動時の軌跡と消勢時の軌跡の交点Oの間を往復する軌跡
は本実施例では意味がないものとして無視する。従っ
て、変位/電流特性曲線D/Iのデータを表示装置86
に出力する時は、交点Oから極大点P1 ′,P3 ′およ
び極小点P2 ′,P4 ′を経て交点Oに戻る軌跡のデー
タは消去して電磁カム1の起動時と消勢時の軌跡だけを
表示装置86に表示させる。図6はこうして不要な部分
を消去して実際に表示装置86に表示される変位/電流
特性曲線D/Iの一具体例を示す説明図である。
【0020】CPU82は後述する算式に従って定常引
込み変位d1 に対応するカム26の水平変位xを演算す
ると共に、変位/電流特性曲線D/Iの微小変位d2
一致する立ち上がり点P5 と立ち下がり終点P7 および
交点Oと図4に示す変位曲線Dの段部D2 の終端に対応
する変位/電流特性曲線D/I上の立ち下がり始点P6
を求める。そして、立ち上がり点P5 と交点Oとの間の
変位/電流特性曲線D/I上の点の検出電流iの平均
値、即ち、立ち上がり平均検出電流< iu > と、立ち下
がり始点P6 と立ち下がり終点P7 との間の変位/電流
特性曲線D/I上の点の検出電流iの平均値、即ち、立
ち下がり平均検出電流< id > を演算する。
【0021】そして、当該エレベーターの水平変位xが
ROM83から読み出した基準水平変位xs の上下Δx
の範囲内にあるか、即ち、 xs −Δx≦x≦xs +Δx ……(1) を満たすか否かを判定する。(1) 式を満たしていれば正
常、満たしていなければ異常と判断する。また、上記立
ち上がり平均検出電流< iu > および立ち下がり平均検
出電流< id > とROM83から読み出した基準立ち上
がり検出電流iusおよび基準立ち下がり検出電流ids
それぞれ比較して、立ち上がり平均検出電流< iu > が
基準立ち上がり検出電流iusより大きいか、立ち下がり
平均検出電流< id > が基準立ち下がり検出電流ids
り小さいか、即ち、 < iu > ≦ius,< id > ≦ids ……(2) を満たすか否かを判定する。(2) 式を満たしていれば正
常、満たしていなければ異常と判定する。これらの判定
結果も表示装置86に表示される。
【0022】次に、施錠位置(26′)にあるカム26
と扉施錠確認スイッチ3のローラー32との間隔gは次
のようにして求めることができる。前述のように、図4
に示す立ち下がり時の変位曲線Dには段部D2 が形成さ
れる。そして、この段部D2の形成はカム26の扉施錠
確認スイッチ3のローラー32への当接に起因している
から、変位/電流特性曲線D/Iの平坦部D1 と段部D
2 との落差、即ち、微小変位Δdは電磁カム1が付勢さ
れ、カム26が施錠位置(26′)にあった時に、電磁
カム1の消勢により可動鉄心13が降下し、それに連動
してカム26が扉施錠確認スイッチ3側に平行移動して
ローラー32に接触するまでの可動鉄心13の変位に相
当している。
【0023】そこで、後述する算式に従って微小変位Δ
dに対応するカム26の水平変位を演算すれば、その水
平変位が前述の間隔gとなる。こうして間隔gが求めら
れると、CPU82はROM83から読み出した基準間
隔gs と間隔gを比較し、間隔gが基準間隔gs を中心
とした所定範囲内にあるか、即ち、 gs −Δg≦g≦gs +Δg ……(3) を満たすか否かを判定する。(3) 式を満たしていれば正
常、満たしていなければ異常と判定する。間隔gの判定
結果も表示装置86に表示されるが、全階床の判定結果
を参照した対応処置が併せて表示される。つまり、間隔
gの判定結果が全階床の電磁カム1についてほぼ同量の
異常を示していた時は電磁カム1の取付位置の不良と判
断して、電磁カム1の取付位置の移動方向および移動距
離を表示し、一部の階床の間隔gの判定結果だけが異常
であったり、全階床の判定結果が異常であっても異常内
容が個々に異なる時は、扉施錠確認スイッチ3の取付位
置の不良または電磁カム1や扉施錠確認スイッチ3の劣
化と判断して、個々の扉施錠確認スイッチ3の適性取付
位置等の情報を表示する。
【0024】上記演算結果のデータと判定結果は電磁カ
ム1の型式データと共にRAM84に記憶される。RA
M84に記憶された異常診断情報は読み出されて通信装
置87により電話回線9を介してホストコンピューター
90に転送される。ホストコンピューター90では転送
された当該エレベーターの電磁カム1の異常診断情報が
必要に応じて記録紙に印刷される。
【0025】次に、定常引込み変位d1 に対応するカム
26の水平変位xを演算するための算式の導出について
説明する。図7は電磁カム1の各部の寸法、角度および
座標の関係を示す見取り図である。第2回動支点21を
原点に取り、カム26が扉施錠確認スイッチ3から離間
する水平方向をx軸、鉛直方向をy軸、x−y平面に垂
直な方向をz軸に取る。第1回動支点15の施錠位置を
15′、第1回動支点15の座標を(x1 ,y1 )、連
結片23の回動支点の座標を(x2 ,y2 )、上作動腕
22の電磁カム1側の腕長をr1 、扉施錠確認スイッチ
3側の腕長をr2 、解除位置と施錠位置にある上作動腕
22の成す角度をθ1 、施錠位置の扉施錠確認スイッチ
3側の上作動腕22とy軸の成す角度をθ2 、解除位置
の扉施錠確認スイッチ3側の上作動腕22とy軸の成す
角度をθ2 ′、解除位置の連結片23の回動支点の座標
を(x2 ′,y2 ′)、解除位置と施錠位置の間の可動
鉄心13の変位をy=y1 ′−y1 とすると、原点Oと
解除位置の第1回動支点15と施錠位置の第1回動支点
15′で形成される三角形の面積Sは S=(r1 2
2)sin θ1 で与えられ、一方、ヘロンの公式によ
り、S=√〔s(s−r1 2 (s−y)〕ただし、s
=(2r1 +y)/2であるから、(r1 2 /2)sin
θ1 =√〔s(s−r1 2 (s−y)〕 これをθ1 について解くと、 θ1 =sin -1〔y/r1 )√(1−y2 /4r1 2 〕 ……(4) 同様にして、 x2 =r2 sin θ2 θ2 =sin -1〔x2 /r2 〕 x2 ′=r2 sin θ2 ′ x=x2 −x2 ′=r2 ・〔{(√(r2 2 −y2 2 )}/y2 −(r1 2 −y1 2 /2)・{(√(r2 2 −y2 2 )}/y2 1 2 +y1 2 {√(r1 2 −y1 2 /4)}/r2 1 2 〕 ……(5) このように、本実施例では電磁カム1の可動鉄心13の
変位dを変位検出器4により検出すると共に励磁コイル
11の駆動電流を電流検出器6で検出して、変位dの値
と、変位dと検出電流iの値の変動状態を調べることに
より、狭い空間内に配置されているため実測が困難なカ
ム26の水平変位xや扉施錠確認スイッチ3のローラー
32との間隔gを実測可能な値に換算することにより、
実質的にカム26の水平変位xとローラー32との間隔
gの精密な測定と判定ができ、バネ14の弾性定数の値
に拘らず電磁カム1が正常に動作するか否かを判定する
ことができるから、かご扉の施錠状態検知機構の異常診
断に要する労力と時間を大幅に低減でき、容易かつ正確
に異常診断を行うことができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、励磁コイルを流れる駆動電流を検出した検出
電流と、励磁された励磁コイルの軸芯部に吸引される可
動鉄心の変位を検出した変位信号の変動状態を調べて、
電磁カムの起動時に前記検出電流の変動に対して可動鉄
心の変位が大きく変動する範囲の立ち上がり電流の平均
値と、予め記憶した立ち上がり電流基準値とを比較し
て、前記平均値が立ち上がり電流基準値より大きい時は
電磁カムの動作は異常と判定するようにしたので、可動
鉄心を付勢するバネの弾性定数が一定でない場合であっ
ても、多くの労力を要せず、電磁カムの起動時の可動鉄
心の変位と駆動電流を検出した検出電流の変動状態を調
べるだけで容易かつ正確に異常診断を行うことができ
る。請求項2記載の発明によれば、励磁コイルを流れる
駆動電流を検出した検出電流と、励磁された励磁コイル
の軸芯部に吸引される可動鉄心の変位を検出した変位信
号の変動状態を調べて、電磁カムの消勢時に検出電流の
変動に対して可動鉄心の変位が大きく変動する範囲の立
ち下がり電流の平均値と、予め記憶した立ち下がり電流
基準値とを比較して、前記平均値が立ち下がり電流基準
値より小さい時は電磁カムの動作は異常と判定するよう
にしたので、可動鉄心を付勢するバネの弾性定数が一定
でない場合であっても、多くの労力を要せず、電磁カム
の消勢時の可動鉄心の変位と駆動電流を検出した検出電
流の変動状態を調べるだけで容易かつ正確に異常診断を
行うことができる。
【0027】請求項3記載の発明によれば、駆動電流に
より励磁された励磁コイルの軸芯部に吸引される可動鉄
心の変位を検出した値が定常引込み変位に達した時、そ
の値をカムの当接位置から退避位置に到る変位量に換算
して、該変位量が予め記憶した変位基準値を中心とする
所定の範囲内にない時は動作異常と判定するようにした
ので、直接、接点とカムとの動作状態を測定することが
困難な場合であっても、多くの労力を要せず、容易かつ
正確にカムの変位量の過不足による動作不良の異常診断
を行うことができる。請求項4記載の発明によれば、駆
動電流により励磁された励磁コイルの軸芯部に吸引され
る可動鉄心の変位を検出した値が定常引込み変位に達し
た後、電磁カムが消勢されてバネの弾性力により暫時滞
留状態に達した時、定常引込み変位と滞留状態時の変位
の間の微小変位の値をカムの退避位置と作動部との当接
位置との間の変位量に換算して、該変位量が予め記憶し
た微小変位基準値を中心とする所定の範囲内にない時、
動作異常と判定するようにしたので、直接、接点とカム
との動作状態を測定することが困難な場合であっても、
多くの労力を要せず、容易かつ正確に退避位置における
カムと接点の作動部との間隔の過不足による動作不良の
異常診断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る電磁カム診断装置の全体
構成図
【図2】同じく、その要部拡大図
【図3】電磁カム診断装置の構成を示すブロック図
【図4】変位信号と検出電流の波形図の一具体例を示す
説明図
【図5】変位/電流特性曲線の一具体例を示す特性図
【図6】実際に表示装置に表示される変位/電流特性曲
線の一具体例を示す説明図
【図7】電磁カムの各部の寸法、角度および座標の関係
を示す見取り図
【図8】従来例に係るエレベーターの着床確認スイッチ
機構の動作を示す模式図
【符号の説明】
1 電磁カム 2 ベース 3 扉施錠確認スイッチ 4 変位検出器 5 変位信号増幅器 6 電流検出器 7 A/D変換器 8 パソコン 10 電磁カム診断装置 11 励磁コイル 13 可動鉄心 14 バネ 15 第1回動支点 17 引出し線 21 第2回動支点 22 上作動腕 24 下作動腕 26,26′ カム 32 ローラー 82 CPU 86 表示装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動電流により励磁コイルが励磁される
    ことにより前記励磁コイルの軸芯部に可動鉄心がバネの
    抗力に抗して吸引されるように構成された電磁カムが正
    常に動作するか否かを診断する電磁カムの診断装置にお
    いて、前記励磁コイルを流れる駆動電流を検出した検出
    電流と、駆動電流により励磁された前記励磁コイルの軸
    芯部に吸引される前記可動鉄心の変位を検出した変位信
    号の変動状態を調べて、前記電磁カムの起動時に前記検
    出電流の変動に対して前記可動鉄心の変位が大きく変動
    する範囲の立ち上がり電流の平均値と、予め記憶した立
    ち上がり電流基準値とを比較して、前記平均値が前記立
    ち上がり電流基準値より大きい時は前記電磁カムの動作
    は異常と判定するようにしたことを特徴とする電磁カム
    の異常診断装置。
  2. 【請求項2】 電磁カムの消勢時に検出電流の変動に対
    して可動鉄心の変位が大きく変動する範囲の立ち下がり
    電流の平均値と、予め記憶した立ち下がり電流基準値と
    を比較して、前記平均値が前記立ち下がり電流基準値よ
    り小さい時は前記電磁カムの動作は異常と判定するよう
    にしたことを特徴とする請求項1記載の電磁カムの異常
    診断装置。
  3. 【請求項3】 駆動電流により励磁コイルが励磁される
    ことにより前記励磁コイルの軸芯部に可動鉄心がバネの
    抗力に抗して吸引される電磁カムの動作により、接点の
    作動部に対向配置されたカムを前記作動部から離間した
    退避位置に退避させ、前記励磁コイルが消磁されること
    により前記可動鉄心が前記バネの弾性力により前記カム
    を前記作動部に当接する当接位置に復帰させるようにし
    た電磁カムを用いた接点機構の異常診断装置において、
    駆動電流により励磁された前記励磁コイルの軸芯部に吸
    引される前記可動鉄心の変位を検出した値が定常引込み
    変位に達した時、その値を前記カムの前記当接位置から
    前記退避位置に到る変位量に換算して、該変位量が予め
    記憶した変位基準値を中心とする所定の範囲内にない
    時、動作異常と判定するようにしたことを特徴とする電
    磁カムを用いた接点機構の異常診断装置。
  4. 【請求項4】 駆動電流により励磁コイルが励磁される
    ことにより前記励磁コイルの軸芯部に可動鉄心がバネの
    抗力に抗して吸引される電磁カムの動作により、接点の
    作動部に対向配置されたカムを前記作動部から離間した
    退避位置に退避させ、前記励磁コイルが消磁されること
    により前記可動鉄心が前記バネの弾性力により前記カム
    を前記作動部に当接する当接位置に復帰させるようにし
    た電磁カムを用いた接点機構の異常診断装置において、
    駆動電流により励磁された前記励磁コイルの軸芯部に吸
    引される前記可動鉄心の変位を検出した値が定常引込み
    変位に達した後、前記電磁カムが消勢されて前記バネの
    弾性力により暫時滞留状態に達した時、前記定常引込み
    変位と滞留状態時の変位の間の微小変位の値を前記カム
    の前記退避位置と前記作動部との当接位置との間の変位
    量に換算して、該変位量が予め記憶した微小変位基準値
    を中心とする所定の範囲内にない時、動作異常と判定す
    るようにしたことを特徴とする電磁カムを用いた接点機
    構の異常診断装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107304018A (zh) * 2016-04-19 2017-10-31 三菱电机大楼技术服务株式会社 电梯的诊断系统
CN107892225A (zh) * 2017-12-15 2018-04-10 天津市奥瑞克电梯有限公司 一种别墅电梯上机械阻止装置

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CN107892225B (zh) * 2017-12-15 2024-04-16 天津市奥瑞克电梯有限公司 一种别墅电梯上机械阻止装置

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