JPH09300907A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
空気入りラジアルタイヤInfo
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- JPH09300907A JPH09300907A JP8145103A JP14510396A JPH09300907A JP H09300907 A JPH09300907 A JP H09300907A JP 8145103 A JP8145103 A JP 8145103A JP 14510396 A JP14510396 A JP 14510396A JP H09300907 A JPH09300907 A JP H09300907A
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- pneumatic radial
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- D07B—ROPES OR CABLES IN GENERAL
- D07B1/00—Constructional features of ropes or cables
- D07B1/06—Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core
- D07B1/0606—Reinforcing cords for rubber or plastic articles
- D07B1/062—Reinforcing cords for rubber or plastic articles the reinforcing cords being characterised by the strand configuration
-
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- D07B2201/20—Rope or cable components
- D07B2201/2015—Strands
- D07B2201/2022—Strands coreless
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- D07B2201/20—Rope or cable components
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- D07B2201/2023—Strands with core
Landscapes
- Ropes Or Cables (AREA)
- Tires In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 タイヤの耐久性能、操縦安定性能、乗り心地
性能等の諸性能と、低燃費化および軽量化とがバランス
良く両立する空気入りラジアルタイヤを提供する。 【解決手段】 1対のビード部と、該ビード部間でトロ
イド状に延びるラジアル配列コードのプライからなるカ
ーカスと、該カーカスのクラウン部を箍締めするベルト
部とを備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、上記ベ
ルト部を構成するコードが、コード断面外郭形状のコー
ド長手方向に沿った軌跡の断面が略四角形を形成するス
チールコードである。
性能等の諸性能と、低燃費化および軽量化とがバランス
良く両立する空気入りラジアルタイヤを提供する。 【解決手段】 1対のビード部と、該ビード部間でトロ
イド状に延びるラジアル配列コードのプライからなるカ
ーカスと、該カーカスのクラウン部を箍締めするベルト
部とを備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、上記ベ
ルト部を構成するコードが、コード断面外郭形状のコー
ド長手方向に沿った軌跡の断面が略四角形を形成するス
チールコードである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気入りラジアル
タイヤに関し、詳しくは、ベルト部を構成するスチール
コードの改良により、耐久性能、操縦安定性能および乗
り心地性能等の高性能タイヤに要求される特性を満足す
るとともに、資源の節約及び公害問題の面から要求され
る低燃費化及び軽量化を実現した空気入りラジアルタイ
ヤに関する。
タイヤに関し、詳しくは、ベルト部を構成するスチール
コードの改良により、耐久性能、操縦安定性能および乗
り心地性能等の高性能タイヤに要求される特性を満足す
るとともに、資源の節約及び公害問題の面から要求され
る低燃費化及び軽量化を実現した空気入りラジアルタイ
ヤに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の空気入りラジアルタイヤにおいて
は、カーカスプライとトレッドの間に複数枚のベルト層
が配設され、各層のコードはタイヤの赤道面に対し所定
の角度をなして、各層のコードが交錯するように配置さ
れている。
は、カーカスプライとトレッドの間に複数枚のベルト層
が配設され、各層のコードはタイヤの赤道面に対し所定
の角度をなして、各層のコードが交錯するように配置さ
れている。
【0003】また、従来の空気入りラジアルタイヤのベ
ルト材にはスチールコードが主に使用されており、特に
2枚のベルト層を有する乗用車用ラジアルタイヤにおい
ては、その大部分にスチールコードが使用され、該スチ
ールコードがコーティングゴムで被覆されている。
ルト材にはスチールコードが主に使用されており、特に
2枚のベルト層を有する乗用車用ラジアルタイヤにおい
ては、その大部分にスチールコードが使用され、該スチ
ールコードがコーティングゴムで被覆されている。
【0004】従来の空気入りラジアルタイヤにおいてベ
ルト材として使用されてきたスチールコードは、その断
面外郭形状のコード長手方向に沿った軌跡の断面がほと
んど略円形もしくは略楕円形をしていた。ここで、スチ
ールコードの断面外郭形状のコード長手方向に沿った軌
跡とは、コードの外観の立体形状を意味するものであ
り、その断面は、従来のスチールコードにおいては、ほ
とんどが図6の(イ)や(ロ)に示すような略円形をし
ている。また、オープン撚り構造の場合には、図6の
(ハ)に示すように、略円形もしくは楕円形が重なった
ような形状をとる場合もある。
ルト材として使用されてきたスチールコードは、その断
面外郭形状のコード長手方向に沿った軌跡の断面がほと
んど略円形もしくは略楕円形をしていた。ここで、スチ
ールコードの断面外郭形状のコード長手方向に沿った軌
跡とは、コードの外観の立体形状を意味するものであ
り、その断面は、従来のスチールコードにおいては、ほ
とんどが図6の(イ)や(ロ)に示すような略円形をし
ている。また、オープン撚り構造の場合には、図6の
(ハ)に示すように、略円形もしくは楕円形が重なった
ような形状をとる場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】自動車の高性能化に伴
い、空気入りタイヤにおいても耐久性能、操縦安定性
能、乗り心地性能等の高性能化が望まれている。一方、
今日、資源の節約及び公害等の問題から、低燃費化およ
び軽量化がタイヤにおいて重要になってきている。
い、空気入りタイヤにおいても耐久性能、操縦安定性
能、乗り心地性能等の高性能化が望まれている。一方、
今日、資源の節約及び公害等の問題から、低燃費化およ
び軽量化がタイヤにおいて重要になってきている。
【0006】しかしながら、上述の高性能化と低燃費化
および軽量化とは二律背反的な傾向があり、例えば、タ
イヤの耐久性を向上させるために補強材の量を増やす
と、タイヤ重量が増加し燃費が悪くなるという問題があ
った。
および軽量化とは二律背反的な傾向があり、例えば、タ
イヤの耐久性を向上させるために補強材の量を増やす
と、タイヤ重量が増加し燃費が悪くなるという問題があ
った。
【0007】また、軽量化のために補強材としてスチー
ルコードの替わりにナイロン、ポリエステル等の有機繊
維コードを使用すると、有機繊維のヒステリシスロスに
起因する発熱が大きくなるため、ゴムが劣化しやすくな
り耐久性能に問題が生じたり、転がり抵抗が大きくなる
ので低燃費化を図れなくなるという問題があった。更に
は、ベルト部の引張剛性が小さくなるので操縦安定性能
も悪くなる。
ルコードの替わりにナイロン、ポリエステル等の有機繊
維コードを使用すると、有機繊維のヒステリシスロスに
起因する発熱が大きくなるため、ゴムが劣化しやすくな
り耐久性能に問題が生じたり、転がり抵抗が大きくなる
ので低燃費化を図れなくなるという問題があった。更に
は、ベルト部の引張剛性が小さくなるので操縦安定性能
も悪くなる。
【0008】ところで、ベルト部引張剛性を高くするに
は以下のような方法が挙げられる。 イ)ベルト材としてのスチールコード単体のヤング率を
高める。 ロ)ベルト単位面積当りのスチールコードの打込み量を
増やす。 ハ)交錯するスチールコードのバイアス積層角度を小さ
くする。 ニ)コーティングゴムのモジュラスを大きくする。 ホ)コーティングゴムの厚みを薄くして、ベルト層間の
厚みを薄くする。
は以下のような方法が挙げられる。 イ)ベルト材としてのスチールコード単体のヤング率を
高める。 ロ)ベルト単位面積当りのスチールコードの打込み量を
増やす。 ハ)交錯するスチールコードのバイアス積層角度を小さ
くする。 ニ)コーティングゴムのモジュラスを大きくする。 ホ)コーティングゴムの厚みを薄くして、ベルト層間の
厚みを薄くする。
【0009】しかしながら、これらの方法にはそれぞれ
以下のような問題点がある。 イ)スチールコードのヤング率は、撚りピッチを長くす
ることで高めることができるが、近年のスチールコード
は生産性の向上のために、十分長いピッチで製造されて
いるため、これ以上高いヤング率はあまり望めない。ま
た、ピッチを長くすると耐久性が悪化したり、カレンダ
ー時の作業性に問題をきたすことが知られている。
以下のような問題点がある。 イ)スチールコードのヤング率は、撚りピッチを長くす
ることで高めることができるが、近年のスチールコード
は生産性の向上のために、十分長いピッチで製造されて
いるため、これ以上高いヤング率はあまり望めない。ま
た、ピッチを長くすると耐久性が悪化したり、カレンダ
ー時の作業性に問題をきたすことが知られている。
【0010】ロ)ベルト単位面積当りのスチールコード
の打ち込み量を増やすと、タイヤ重量が増大し、低燃費
性能が悪化する。
の打ち込み量を増やすと、タイヤ重量が増大し、低燃費
性能が悪化する。
【0011】ハ)バイアス積層角度を小さくすると、ベ
ルト部周方向の剛性は大きくなるが、逆に幅方向の剛性
が小さくなってしまい、コーナリングに対する応答性能
が悪くり、操縦安定性能が悪化する。
ルト部周方向の剛性は大きくなるが、逆に幅方向の剛性
が小さくなってしまい、コーナリングに対する応答性能
が悪くり、操縦安定性能が悪化する。
【0012】ニ)コーティングゴムのモジュラスを高め
るには、カーボンブラック等の補強剤の含有量を多くし
たり、別の補強剤を含有せしめなければならないので、
製造コストの増大を招くという問題の他に、ベルト部の
耐久性が低下するという問題も生じる。
るには、カーボンブラック等の補強剤の含有量を多くし
たり、別の補強剤を含有せしめなければならないので、
製造コストの増大を招くという問題の他に、ベルト部の
耐久性が低下するという問題も生じる。
【0013】ホ)コーティングゴムの厚さを薄くする
と、ベルト層間の厚さが薄くなり、ベルト端部の剪断応
力が増加することによってベルト部全体の剛性が大きく
なるが、スチールコードとゴムのヤング率の差が大きい
ために、剪断変形によってベルト端部のセパレーション
が起こり易くなり、やはり耐久性に問題が生じる。
と、ベルト層間の厚さが薄くなり、ベルト端部の剪断応
力が増加することによってベルト部全体の剛性が大きく
なるが、スチールコードとゴムのヤング率の差が大きい
ために、剪断変形によってベルト端部のセパレーション
が起こり易くなり、やはり耐久性に問題が生じる。
【0014】そこで本発明の目的は、上述した問題点を
解決し、タイヤの耐久性能、操縦安定性能、乗り心地性
能等の諸性能と、低燃費化および軽量化とがバランス良
く両立する空気入りラジアルタイヤを提供することにあ
る。
解決し、タイヤの耐久性能、操縦安定性能、乗り心地性
能等の諸性能と、低燃費化および軽量化とがバランス良
く両立する空気入りラジアルタイヤを提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、空気入りラジアルタイ
ヤのベルト部に配置されるスチールコードの断面外郭形
状のコード長手方向に沿った軌跡の断面を略長方形とす
ることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本
発明を完成するに至った。
を解決すべく鋭意検討した結果、空気入りラジアルタイ
ヤのベルト部に配置されるスチールコードの断面外郭形
状のコード長手方向に沿った軌跡の断面を略長方形とす
ることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0016】すなわち、本発明の空気入りラジアルタイ
ヤは、1対のビード部と、該ビード部間でトロイド状に
延びるラジアル配列コードのプライからなるカーカス
と、該カーカスのクラウン部を箍締めするベルト部とを
備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、上記ベルト部
を構成するコードが、コード断面外郭形状のコード長手
方向に沿った軌跡の断面が略長方形を形成するスチール
コードであることを特徴とするものである。
ヤは、1対のビード部と、該ビード部間でトロイド状に
延びるラジアル配列コードのプライからなるカーカス
と、該カーカスのクラウン部を箍締めするベルト部とを
備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、上記ベルト部
を構成するコードが、コード断面外郭形状のコード長手
方向に沿った軌跡の断面が略長方形を形成するスチール
コードであることを特徴とするものである。
【0017】空気入りラジアルタイヤのベルト部は、ス
チールコードをコーティングゴムで被覆した少なくとも
2枚のベルト層より構成され、各ベルト層のスチールコ
ードはタイヤ赤道面に対して所定の角度で交差し、隣接
2層間のコードは交錯関係にある。このようにコードが
交錯する2層間のゴム(層間ゴム)に作用する層間剪断
応力を大きくすることでベルト部の引張剛性を高めるこ
とが可能である。この層間剪断応力は、層間ゴムが薄い
程、すなわち各層のコード間の距離が短いほど大きくな
る。さらに、剪断応力は同一ベルト層内の隣接コード間
のゴムにも作用し、これを大きくすることでベルト部の
引張剛性を高めることが可能である。このコード間の剪
断応力も、コード間の距離を短くすることで大きくな
る。しかし、上述したように、単にコーティングゴムの
厚さを薄くすると、剪断変形によってベルト端部のセパ
レーションが起こり易くなり、耐久性が低下し、またベ
ルトへのスチールコードの打込み量を増やすとタイヤ重
量が増大し、低燃費性能が悪化する。
チールコードをコーティングゴムで被覆した少なくとも
2枚のベルト層より構成され、各ベルト層のスチールコ
ードはタイヤ赤道面に対して所定の角度で交差し、隣接
2層間のコードは交錯関係にある。このようにコードが
交錯する2層間のゴム(層間ゴム)に作用する層間剪断
応力を大きくすることでベルト部の引張剛性を高めるこ
とが可能である。この層間剪断応力は、層間ゴムが薄い
程、すなわち各層のコード間の距離が短いほど大きくな
る。さらに、剪断応力は同一ベルト層内の隣接コード間
のゴムにも作用し、これを大きくすることでベルト部の
引張剛性を高めることが可能である。このコード間の剪
断応力も、コード間の距離を短くすることで大きくな
る。しかし、上述したように、単にコーティングゴムの
厚さを薄くすると、剪断変形によってベルト端部のセパ
レーションが起こり易くなり、耐久性が低下し、またベ
ルトへのスチールコードの打込み量を増やすとタイヤ重
量が増大し、低燃費性能が悪化する。
【0018】本発明においては、ベルト部を構成するス
チールコードの断面外郭形状のコード長手方向に沿った
軌跡の断面を略長方形としたことで、従来コードをベル
ト材として用いたときよりも各層のコード間ゴムの薄い
範囲が広くなるので、層間剪断応力が大きくなる。同様
に、同一層内のコード間の距離が短い範囲も広がるので
コード間の剪断応力も大きくなる。この様子を図5の
(イ)および(ロ)に示す。従来コードのコード間ゴム
の範囲Aと、本発明に係るコードのコード間ゴムの範囲
Bとを比較すると、層間および同一層内ともに後者の範
囲Bは前者の範囲Aよりも薄い範囲が広がっている。こ
れによって、本発明においては、従来コードを用いた場
合に比しベルト部の引張剛性が大きくなり、重量の増加
を招かずかつ耐久性を損なわずに、タイヤの操縦安定性
能の向上と転がり抵抗の低減という二律背反的関係にあ
る事項を両立させることができる。
チールコードの断面外郭形状のコード長手方向に沿った
軌跡の断面を略長方形としたことで、従来コードをベル
ト材として用いたときよりも各層のコード間ゴムの薄い
範囲が広くなるので、層間剪断応力が大きくなる。同様
に、同一層内のコード間の距離が短い範囲も広がるので
コード間の剪断応力も大きくなる。この様子を図5の
(イ)および(ロ)に示す。従来コードのコード間ゴム
の範囲Aと、本発明に係るコードのコード間ゴムの範囲
Bとを比較すると、層間および同一層内ともに後者の範
囲Bは前者の範囲Aよりも薄い範囲が広がっている。こ
れによって、本発明においては、従来コードを用いた場
合に比しベルト部の引張剛性が大きくなり、重量の増加
を招かずかつ耐久性を損なわずに、タイヤの操縦安定性
能の向上と転がり抵抗の低減という二律背反的関係にあ
る事項を両立させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明においては、ベルト部を構
成するスチールコードの断面外郭形状のコード長手方向
に沿った軌跡の断面形状は、略正方形でも略長方形でも
かまわないが、かかる略長方形の断面の縦横の辺は、夫
々ベルト部の厚さおよび幅方向に対して略平行に配置す
る。このとき略長方形の長辺がベルト部の幅方向に対し
て略平行に配置することが好ましい。なお、ベルト部の
スチールコードの打込み量、コーティングゴムの厚さ、
ゴムの種類等の条件は従来の空気入りラジアルタイヤと
何等変更を要するものではない。
成するスチールコードの断面外郭形状のコード長手方向
に沿った軌跡の断面形状は、略正方形でも略長方形でも
かまわないが、かかる略長方形の断面の縦横の辺は、夫
々ベルト部の厚さおよび幅方向に対して略平行に配置す
る。このとき略長方形の長辺がベルト部の幅方向に対し
て略平行に配置することが好ましい。なお、ベルト部の
スチールコードの打込み量、コーティングゴムの厚さ、
ゴムの種類等の条件は従来の空気入りラジアルタイヤと
何等変更を要するものではない。
【0020】また、上記スチールコードは、少なくとも
3本のスチールフィラメントを撚り合わせて構成され、
単撚り構造の場合は、3本から6本が好ましい範囲であ
るが、層撚り構造の場合は、本発明に係る形状となれば
構成本数にはとらわれない。
3本のスチールフィラメントを撚り合わせて構成され、
単撚り構造の場合は、3本から6本が好ましい範囲であ
るが、層撚り構造の場合は、本発明に係る形状となれば
構成本数にはとらわれない。
【0021】コード断面外郭形状のコード長手方向に沿
った軌跡の断面を略長方形とするには、フィラメントを
略長方形螺旋状に形付けした後撚り合わせ、各フィラメ
ントの略長方形螺旋が揃うように、ローラー矯正機等で
矯正すればよい。ここで、フィラメント径や撚りピッチ
等は従来の空気入りラジアルタイヤに用いられているス
チールコードに使用されている範囲であって、フィラメ
ント径は0.15mmから0.40mm、撚りピッチは
フィラメント径の30倍から120倍である。
った軌跡の断面を略長方形とするには、フィラメントを
略長方形螺旋状に形付けした後撚り合わせ、各フィラメ
ントの略長方形螺旋が揃うように、ローラー矯正機等で
矯正すればよい。ここで、フィラメント径や撚りピッチ
等は従来の空気入りラジアルタイヤに用いられているス
チールコードに使用されている範囲であって、フィラメ
ント径は0.15mmから0.40mm、撚りピッチは
フィラメント径の30倍から120倍である。
【0022】なお、コード断面を四角形とする手法とし
て、特開昭62−149929号公報に開示されている
ように、スチールフィラメント複数本を集束断面が四角
形となるように引き揃えラッピングフィラメントでラッ
ピングする方法も考えられるが、このようにコード断面
を常に四角形とするとゴムが集束体内部に浸透しないた
めに、該内部を水分が伝播して腐食の問題や接着不良の
問題を生じる。
て、特開昭62−149929号公報に開示されている
ように、スチールフィラメント複数本を集束断面が四角
形となるように引き揃えラッピングフィラメントでラッ
ピングする方法も考えられるが、このようにコード断面
を常に四角形とするとゴムが集束体内部に浸透しないた
めに、該内部を水分が伝播して腐食の問題や接着不良の
問題を生じる。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例に基づき
説明する。実施例1〜3,比較例1〜3 実施例および比較例の空気入りラジアルタイヤを製造す
るにあたり、まずベルト材として下記の表1に示す構造
を有する各種スチールコードを製造した。ここで、コー
ドNo.1A、2A、3Aのスチールコードは比較のた
めのコードであり、コードNo.1B、2B、3Bのス
チールコードが本発明に係るコードである。表1中のコ
ードNo.1Bのスチールコードの構造を図1に、コー
ドNo.2Bのスチールコードの構造を図2に、コード
No.3Bのスチールコードの構造を図3に、またコー
ドNo.1Aのスチールコードの構造を図4に夫々示
す。
説明する。実施例1〜3,比較例1〜3 実施例および比較例の空気入りラジアルタイヤを製造す
るにあたり、まずベルト材として下記の表1に示す構造
を有する各種スチールコードを製造した。ここで、コー
ドNo.1A、2A、3Aのスチールコードは比較のた
めのコードであり、コードNo.1B、2B、3Bのス
チールコードが本発明に係るコードである。表1中のコ
ードNo.1Bのスチールコードの構造を図1に、コー
ドNo.2Bのスチールコードの構造を図2に、コード
No.3Bのスチールコードの構造を図3に、またコー
ドNo.1Aのスチールコードの構造を図4に夫々示
す。
【0024】
【表1】
【0025】上記表1に示す各コードをタイヤベルト部
に適用して、夫々サイズ195/65R14のタイヤを
試作した。具体的には、カーカスのクラウン部のタイヤ
径方向外側に配置した2層のベルト層に各スチールコー
ドを適用した。かかるベルト層はタイヤ赤道面に対して
約20°の角度でバイアス状に配置してなる。また、ス
チールコードの打ち込み本数は、コード軸方向垂直の幅
50mmあたり30本とした。さらに、ベルト部の引張
剛性試験用として、試作タイヤからクラウンセンター部
のベルト層を幅60mm、長さ400mmで切り出し、
ベルトサンプルとした。これらベルトサンプルおよび供
試タイヤを用いて以下の測定試験を行った。
に適用して、夫々サイズ195/65R14のタイヤを
試作した。具体的には、カーカスのクラウン部のタイヤ
径方向外側に配置した2層のベルト層に各スチールコー
ドを適用した。かかるベルト層はタイヤ赤道面に対して
約20°の角度でバイアス状に配置してなる。また、ス
チールコードの打ち込み本数は、コード軸方向垂直の幅
50mmあたり30本とした。さらに、ベルト部の引張
剛性試験用として、試作タイヤからクラウンセンター部
のベルト層を幅60mm、長さ400mmで切り出し、
ベルトサンプルとした。これらベルトサンプルおよび供
試タイヤを用いて以下の測定試験を行った。
【0026】(イ)ベルト部の引張剛性試験 タイヤクラウン部から切り出した、ベルトサンプルで引
張剛性を測定した。引張剛性の測定は、引張試験機に、
サンプルのタイヤ赤道線が引張軸方向になるようにチャ
ッキングし、10mm/minの速度で引張り、変位を
上下のチャック間の中央、標点間距離50mmで測定し
た。
張剛性を測定した。引張剛性の測定は、引張試験機に、
サンプルのタイヤ赤道線が引張軸方向になるようにチャ
ッキングし、10mm/minの速度で引張り、変位を
上下のチャック間の中央、標点間距離50mmで測定し
た。
【0027】(ロ)操縦安定性能試験 供試タイヤを用いて、車両の操縦安定性能を左右するコ
ーナリングフォースを測定した。コーナリングフォース
の測定は、供試タイヤを規定リムに装着後、内圧2.0
kgf/cm2 を充填し、しかる後、荷重450kgを
負荷し、フラットベルト式コーナリング特性試験機を用
いて、速度50km/h及びスリップ角±2°における
コーナリングフォースを測定した。測定値を平均化して
評価した。
ーナリングフォースを測定した。コーナリングフォース
の測定は、供試タイヤを規定リムに装着後、内圧2.0
kgf/cm2 を充填し、しかる後、荷重450kgを
負荷し、フラットベルト式コーナリング特性試験機を用
いて、速度50km/h及びスリップ角±2°における
コーナリングフォースを測定した。測定値を平均化して
評価した。
【0028】(ハ)低燃費性能試験 タイヤの低燃費性能を左右する転がり抵抗を測定した。
外径1708mmのドラム上に、内圧2.0kg/cm
2 に調整した試験タイヤを設置し、80km/hで30
分間予備走行させ、空気圧を再調整し、200km/h
の速度までドラム回転数を上昇させた後、ドラムを惰行
させ、185km/hから20km/hまでドラム回転
数が低下するまでの慣性モーメントから転がり抵抗を下
記の式に基づき算出した。 式中、Id:ドラムの慣性モーメント It:タイヤの慣性モーメント Rd:ドラム半径 Rt:タイヤ半径 上記式に基づき求めた50km/h時の転がり抵抗値を
代表値として求めた。
外径1708mmのドラム上に、内圧2.0kg/cm
2 に調整した試験タイヤを設置し、80km/hで30
分間予備走行させ、空気圧を再調整し、200km/h
の速度までドラム回転数を上昇させた後、ドラムを惰行
させ、185km/hから20km/hまでドラム回転
数が低下するまでの慣性モーメントから転がり抵抗を下
記の式に基づき算出した。 式中、Id:ドラムの慣性モーメント It:タイヤの慣性モーメント Rd:ドラム半径 Rt:タイヤ半径 上記式に基づき求めた50km/h時の転がり抵抗値を
代表値として求めた。
【0029】上述のベルト部の引張剛性試験、操縦安定
性能試験および低燃費性能試験の評価結果を下記の表2
に示す。なお、評価は、それぞれのコードNo.グルー
プにおける比較例の測定値を100として指数で表わし
た。ベルト部の剛性および操縦安定性能は数値が大きい
程結果が良いことを示し、低燃費性能は数値が小さい程
結果が良いことを示す。
性能試験および低燃費性能試験の評価結果を下記の表2
に示す。なお、評価は、それぞれのコードNo.グルー
プにおける比較例の測定値を100として指数で表わし
た。ベルト部の剛性および操縦安定性能は数値が大きい
程結果が良いことを示し、低燃費性能は数値が小さい程
結果が良いことを示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2より、それぞれの実施例は対応する比
較例に比しベルト部の引張剛性が高く、よってコーナリ
ングフォースが高くなって操縦安定性能が向上し、さら
に転がり抵抗も小さくなって低燃費性能も向上している
ことが分かる。
較例に比しベルト部の引張剛性が高く、よってコーナリ
ングフォースが高くなって操縦安定性能が向上し、さら
に転がり抵抗も小さくなって低燃費性能も向上している
ことが分かる。
【0032】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の空気
入りラジアルタイヤにおいては、ベルト部に配置される
スチールコードの断面外郭形状のコード長手方向に沿っ
た軌跡の断面を略長方形としたことにより、耐久性能、
操縦安定性能、乗り心地性能等の諸性能と、低燃費化お
よび軽量化とをバランス良く両立させることができた。
入りラジアルタイヤにおいては、ベルト部に配置される
スチールコードの断面外郭形状のコード長手方向に沿っ
た軌跡の断面を略長方形としたことにより、耐久性能、
操縦安定性能、乗り心地性能等の諸性能と、低燃費化お
よび軽量化とをバランス良く両立させることができた。
【図1】実施例1のスチールコードの説明図である。
【図2】実施例2のスチールコードの説明図である。
【図3】実施例3のスチールコードの説明図である。
【図4】比較例1のスチールコードの説明図である。
【図5】(イ)および(ロ)は、夫々従来コードのコー
ド間ゴムの範囲と、本発明に係るコードのコード間ゴム
の範囲とを示す説明図である。
ド間ゴムの範囲と、本発明に係るコードのコード間ゴム
の範囲とを示す説明図である。
【図6】(イ)〜(ハ)は、夫々従来のベルトコードを
示す説明図である。
示す説明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 1対のビード部と、該ビード部間でトロ
イド状に延びるラジアル配列コードのプライからなるカ
ーカスと、該カーカスのクラウン部を箍締めするベルト
部とを備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、 上記ベルト部を構成するコードが、コード断面外郭形状
のコード長手方向に沿った軌跡の断面が略長方形を形成
するスチールコードであることを特徴とする空気入りラ
ジアルタイヤ。 - 【請求項2】 上記スチールコードの断面外郭形状のコ
ード長手方向に沿った軌跡の略長方形の断面の縦横の辺
が、夫々ベルト部の厚さおよび幅方向に対して略平行に
配置されている請求項1記載の空気入りラジアルタイ
ヤ。 - 【請求項3】 上記スチールコードの断面外郭形状のコ
ード長手方向に沿った軌跡の略長方形の断面の長辺が、
ベルト部の幅方向に対して略平行に配置されている請求
項1記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 【請求項4】 上記スチールコードが、少なくとも3本
のスチールフィラメントを撚り合わせて構成されている
請求項1〜3のうちいずれか一項記載の空気入りラジア
ルタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8145103A JPH09300907A (ja) | 1996-05-15 | 1996-05-15 | 空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8145103A JPH09300907A (ja) | 1996-05-15 | 1996-05-15 | 空気入りラジアルタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09300907A true JPH09300907A (ja) | 1997-11-25 |
Family
ID=15377452
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8145103A Pending JPH09300907A (ja) | 1996-05-15 | 1996-05-15 | 空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09300907A (ja) |
-
1996
- 1996-05-15 JP JP8145103A patent/JPH09300907A/ja active Pending
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