JPH10236108A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH10236108A
JPH10236108A JP9039165A JP3916597A JPH10236108A JP H10236108 A JPH10236108 A JP H10236108A JP 9039165 A JP9039165 A JP 9039165A JP 3916597 A JP3916597 A JP 3916597A JP H10236108 A JPH10236108 A JP H10236108A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルト層の最外層における補強材を、特殊な
二次元の波付け加工を施したものにして、その効果を充
分に発揮でき、製品時の伸びを適度に残して、操縦安定
性、耐摩耗性および耐久性に優れる空気入りタイヤを提
供する。 【解決手段】 タイヤのベルト層における少なくとも最
外層を、300kgf/mm2 以上の強度を持つ線状材
で、複数の異なった捲縮率の部分が連続するように同一
平面内での二次元の波形をなす波付け加工が施され、そ
の切断時伸度が3〜5%である線状材を補強材5とし、
該補強材5を前記波付け加工の振幅が厚み方向をなすよ
うに配列したベルトとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に自動車用の空
気入りタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】ラジアル
タイヤ等の自動車用の空気入りタイヤにおいて、ベルト
層等の内部補強層には、高炭素鋼からなるスチール製や
合成樹脂製のフィラメントもしくはコード等の線状材よ
りなる補強材が、多数並列してゴム材に埋設されシート
化されて用いられている。
【0003】このタイヤ補強層における補強素子として
は、通常、ストレート形態の線状材が一般に用いられて
いるが、伸びや柔軟性が芳しくなく、衝撃吸収性、耐疲
労性に劣るといった問題があることから、例えば、高炭
素鋼からなるスチール製の単一フィラメント構造の線状
材で、波状やスパイラル状の形付け加工(いわゆる捲縮
加工)を施した補強材の実用化が考えられている(例え
ば特開平4−304319号公報、実開平4−84
395号公報)。
【0004】しかし、前記の捲縮加工を施したスチール
製フィラメント等の補強材は、柔軟性は増すものの、低
荷重負荷時の伸び特性に問題がある。例えば、形付け加
工されたフィラメントを引張テストすると、引張荷重の
負荷により、まず形付け加工による波形状やスパイラル
形状がストレート状に伸びることから、低荷重負荷で大
きな伸びを示し、ストレート状に伸び切ったところに変
曲点(一次弾性限)が現われる。この変曲点は、図8の
荷重−伸び特性図において(b)で示すように比較的低
荷重域に存在する。そのため、前記の変曲点以上の荷重
が負荷されると、捲縮加工による波形状やスパイラル形
状が元の状態に復元せず、永久歪を生じてストレートの
フィラメントを使用した場合と変らないことになる。
【0005】また、一次弾性限による変曲点が、タイヤ
加硫時のリフト率に近いところにある場合、加硫後の物
性は、ストレートの補強材を用いた場合と同じになり、
タイヤ性能上、形付け加工を施した補強材を用いたこと
による特徴を発揮できないことになる。
【0006】特に、前記に開示の場合、形付け率が1
30〜300%であって、切断伸度が大きくなるため、
これをタイヤのベルト層に使用した場合には、耐摩耗性
やコーナリングパワーを発揮できないきらいがある。
【0007】また前記のような問題を解消するものとし
て、略スパイラル状の小さいくせ付け加工と、そのくせ
形状とは別の比較的大きいうねりとの2種の形付け加工
を複合させて施したフィラメントが提案されたが(実開
平7−24995号公報)、この場合、フィラメントワ
イヤー時点では大きいうねりは存在するが、ゴムに埋設
するときの張力や埋設後の工程取扱時に作用する力でう
ねりが伸びてなくなりその結果、製品タイヤ時点では従
来の単一のスパイラル加工を施したうねりを持たないフ
ィラメントと変らない状態となる。
【0008】なお前記のスパイラル状の加工を施した補
強材を配列してベルト層に使用した場合、加硫されたタ
イヤにエア溜り不良が発生するおそれもある。
【0009】本発明は、上記に鑑みてなしたもので、ベ
ルト層における最外層の補強材を、異なった捲縮率の部
分が複合する特殊な波付け加工を施したものにして、こ
の補強材を使用したことによる効果を充分に発揮でき、
製品時の伸びを適度に残して、操縦安定性、耐摩耗性お
よび耐久性に優れる空気入りタイヤを提供するものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決する空気入りタイヤであり、請求項1の発明は、タイ
ヤのベルト層における少なくとも最外層が、300kg
f/mm2 以上の強度を持つ線状材であって、複数の異
なった捲縮率の部分が連続するように同一平面内での二
次元の波形をなす波付け加工が施され、その切断時伸度
が3〜5%である線状材を補強材とし、該補強材を前記
波付け加工の振幅の方向が厚み方向をなすように配列し
たベルトよりなることを特徴とする。
【0011】これにより、前記ベルト層における少なく
とも最外層の補強材が、荷重−伸び特性において複数の
変曲点を持ち、該補強材の変曲点の一つがタイヤ加硫時
のリフト率付近にあっても、加硫後のタイヤにおいて変
曲点を保有でき、しかもタイヤ加工中の波形の崩れや伸
びが発生しにくく、安定した物性を持つベルト層を構成
でき、タイヤ性能上犠牲になる特性がなくなり、操縦安
定性、耐摩耗性、耐久性等の特性が向上する 前記の強度が300kgf/mm2 未満であると、2種
の波付け加工を施したものであっても、タイヤ加工中に
波形形状が崩れ易く、伸びが発生し易くて、安定した物
性を持つベルト層が得られない。
【0012】さらに前記の切断時伸度が5%を越える
と、タイヤベルト層での使用において、耐摩耗性が悪化
し、またコーナリングパワーが得られず、操縦安定性が
低下する。また切断時伸度が3%未満であると、ベルト
折れが生じ易く耐久性が急激に低下する。
【0013】請求項2の発明は、前記の空気入りタイヤ
において、ベルト層が、補強材の方向が交叉する2層の
カットベルトからなり、これら両ベルトの補強材が、そ
の厚み方向に振幅を有する前記の波付け加工が施されて
なるものである。
【0014】請求項3の発明は、前記のベルト層が、補
強材の方向が交叉する2層のカットベルトと、その上に
タイヤ周方向に対し実質的に0°でスパイラル巻したベ
ルトとからなり、前記スパイラル巻のベルトの補強材
が、その厚み方向に振幅を有する前記の波付け加工が施
されてなるものである。
【0015】請求項4の発明は、前記の空気入りタイヤ
のベルト層にいて、波付け加工された補強材の複数の異
なった捲縮率の部分が、振幅およびピッチのいずれか一
方もしくは双方の変化により捲縮率を異にしたものであ
ることを特徴とする。
【0016】
【実施例】次に本発明の実施形態を図面に基いて説明す
る。
【0017】図1は、本発明の空気入りタイヤの第1の
実施例の断面図、図2は同上のベルト層の少なくとも最
外層のベルトに使用する波付け加工を施した補強材を拡
大して示し、図3は同補強材を多数並列させてゴムで被
覆した状態のベルトを拡大した断面図を示している。
【0018】図1において、(1)はタイヤ(T)の内
周に沿って両端部が両側のビード部(2)で折返されて
支持されたカーカスプライであり、(3)はトレッド部
(4)におけるカーカスプライ(1)の外側に配された
複数層からなるベルト層である。
【0019】前記カーカスプライ(1)は、コードをタ
イヤ幅方向センター(赤道)に対して約80〜90°の
角度に配列したコード配列層からなり、コードとして
は、ポリエステルやレーヨン等の有機繊維コードが用い
られる。
【0020】前記のベルト層(3)は、補強材の方向が
交叉する2層のカットタイプのベルト(31)(32)から
なる。これら両ベルト(31)(32)の補強材(5)は、
高炭素鋼からなるスチール製のストレートのフィラメン
トで、強度が300kgf/mm2 の線状材を素材と
し、図2に示すように、複数の異なった捲縮率の部分、
例えば図のように大波部(5a)と小波部(5b)とが重複
することなく所要長さ毎に交互に連続するように同一平
面内での二次元の波形をなす波付け加工が施されてなる
線状材よりなり、その切断時伸度が3〜5%である。
【0021】前記の補強材(5)の複数の異なった捲縮
率の部分は、振幅(W1 )(W2 )またはピッチ(P1
)(P2 )のいずれか一方もしくは双方を規則的また
は不規則に変化させることにより捲縮率を異にしたもの
であり、これによりこの単一のフィラメントの補強材
(5)は、複数の捲縮率の組合せにより、図8の荷重−
伸び特性図において(a)で示すように複数の変曲点を
有することになる。なお、図8中の(c)はストレート
フィラメントの特性を示している。
【0022】また(d)は本発明の捲縮率の上限を越え
たフィラメントの荷重〜伸び曲線で低荷重部の伸びが大
きすぎる例である。
【0023】前記の複数の異なった捲縮率の部分、例え
ば図の大波部(5a)と小波部(5b)とは、図2のように
各々の波形の1ピッチ毎に変化して連続するものに限ら
ず、複数ピッチ等の任意の長さ毎に変化させて連続させ
ることができ、またストレート部を介して連続させる場
合もある。
【0024】そして、それぞれ図3に示すように前記の
補強材(5)を、前記波付け加工の振幅の方向が厚み方
向をなすように多数並列させて、これをゴム(6)によ
り被覆して所定の厚みのシート体(30)とし、該シート
体を前記2層のベルト(31)(32)に使用して、タイヤ
を構成する。
【0025】図4および図5の実施例は、タイヤ(T)
のベルト層(3)において、補強材が交叉する2層のベ
ルト(31)(32)の層上に、前記同様の補強材(5)を
並列させてゴム(6)で被覆したリボン(33)を、前記
補強材(5)がタイヤ周方向に対し実質的に0°の角度
方向をなすようにスパイラル巻で2層に連続して巻回し
た場合を示している。(34)はそのスパイラル巻の最外
層のベルトを示す。
【0026】この実施例においても、前記のリボン(3
3)を構成する補強材(5)としては、強度が300k
gf/mm2 以上のスチール製のフィラメントの線状材
で、上記同様に2種の捲縮率の部分が交互に重複するこ
となく連続するように波付け加工を施した切断時伸度が
3〜5%の線状材を用いる。そして前記の補強材(5)
を、図5のように前記波付け加工による振幅の方向が厚
み方向をなすように並列させて、これをゴム(6)で被
覆し所定幅、所定厚の長尺のリボン状に形成しておい
て、このリボン(30)を前記のように通常のスチールコ
ード等よりなるベルト(31)(32)の上にスパイラル巻
してベルト(34)を形成する。
【0027】このほか、ベルト層を構成する少なくとも
1層のベルトが両端部を折曲げた所謂折曲げベルトより
なる場合、またベルト層が偏平な円環状ベルトよりなる
場合においも、少なくとも最外層のベルトの補強材に上
記同様の波付け加工を施した構造にして実施することが
できる。
【0028】いずれの実施例においても、単一フィラメ
ント構造の補強材(5)としては、乗用車用タイヤの場
合には通常0.1〜1.0mmの線径のものが使用さ
れ、トラック、バス用タイヤ等の場合には0.1〜2.
5mmの線径のものが使用される。もちろん前記以外の
線径のフィラメントの使用も可能であり、さらに厚み方
向に扁平状をなす平形線材を前記同様の2種の波付け加
工を施したものにおいても、同様に実施可能である。
【0029】なお、前記の複数の異なった捲縮率の部分
を有する波付け加工は、図6のように歯形付きローラ
(7)(8)間を通過させることにより行なうことがで
きる。すなわち、加工前のストレートのフィラメント
(50)を、前記一対の歯形ロール(7)(8)に導き通
すことにより、該歯形ロール(7)(7)の外周に有す
る高低差のある歯形部(7a)(7b)および(8a)(8b)
の噛み合せで、図2に示すように上下に凹凸状をなしか
つ振幅および/またはピッチの異なる大波部(5a)と小
波部(5b)とが交互に連続する波形状の捲縮加工が施さ
れる。
【0030】この波形の振幅は、前記の歯形部(7a)
(7b)および(8a)(8b)の噛み合せの深さによって決
定でき、また波形のピッチは、歯形部(7a)(7b)およ
び(8a)(8b)の間隔によって決定できる。
【0031】また、補強材(5)の波付け加工の形状と
しては、図2のような略正弦波形のほか、略三角波、略
台形波等の種々の波形状とすることができる。これらは
図6の装置の歯形部の断面形状により設定できる。
【0032】さらに上記の実施例においては、補強材
(5)がスチール製の単一フィラメントよりなる場合を
例にして説明したが、強度が300kgf/mm2 以上
のものであれば、他のどのような素材の線状材であって
もよい。いずれにしても、上記した波付け加工を施し
て、その切断時伸度を3〜5%に設定した補強材を、上
記同様に配列してベルト層に使用することができる。
【0033】上記の波付け加工は、補強材の材質等に応
じて切断時伸度5%を越えない範囲で、次の式で求めら
れる補強材全体としての捲縮率を0.05%以上に設定
し、波付け加工を施したことによる効果を保持させるの
が好ましい。中でも複数の捲縮率の部分のいずれもが
0.05%以上の捲縮率を持つものが、耐疲労性を向上
させる上で特に好適である。
【0034】捲縮率(%)=100(B−A)/A ここで、A;ストレート時の単位長さ当りの重量(g/
m) B:捲縮加工後の単位長さ当り重量(g/m) またベルト層内における各補強材は、すべての補強材の
捲縮率あるいは切断時伸度を同じにするほか、それぞれ
個々に、あるいは1〜所要数本毎に、捲縮率や切断時伸
度を異にすることもできる。
【0035】上記のように構成されるタイヤ(T)は、
前記ベルト層(3)のうちの少なくとも最外層のベルト
(31)または(34)に使用されている補強材(5)が、
強度300kgf/mm2 の線状材に、2種の捲縮率の
部分が連続する二次元の波付け加工を施したものであっ
て、切断時伸度が3〜5%であること、さらに波付け加
工の振幅の方向がベルトの厚み方向をなすように配列さ
れていることにより、波付け加工を施したことによる効
果を失わず、しかもタイヤ加工中の形崩れや伸びが抑制
され、また操縦安定性あるいは耐摩耗性や高速耐久性等
といった各特性の全てが向上し満足できるものとなる。
【0036】上記の効果を確認するために、下記のとお
りの比較テストを行なった。
【0037】(テスト1)実施例1及び実施例2とし
て、強度300kgf/mm2 、線径0.27mmのス
チール製フィラメントを素材とし、図6の歯形ロール
(7)(8)間を通して、下記表1に記載の条件で2種
の異なった捲縮率の部分が交互に連続する波付け加工を
施して図2のような補強材(5)を作り、この補強材
(5)を、その振幅の方向が厚み方向をなすように多数
並列して図3のようにゴム(6)で被覆して厚み1mm
のシート体を得た。このシート体を、図1のようなベル
ト層の2層のベルトの双方に交叉角23°で使用し、サ
イズ195/60R16のタイヤを製作した。得られた
タイヤについて、コーナリングパワー(CP)、上下軸
加速度、ベルト折走行距離、ころがり抵抗(RR)を測
定した。
【0038】比較例として、下記表1に記載のとおり、
強度280kgf/mm2 、線径0.27mmのスチー
ル製フィラメントを素材とし、単一の波付け加工を施し
た補強材を、前記同様に2層のベルトに使用したもの
(比較例1)と、2種の波付け加工を施した補強材を同
様に2層のベルトに使用したもの(比較例2)、さらに
強度300kgf/mm2 、線径0.27mmのスチー
ル製フィラメントを素材とし、単一の波付け加工を施し
た補強材を前記同様に2層のベルトに用いたもの(比較
例3)、さらに本発明と同様の強度300kgf/mm
2 のフィラメントを素材として2種の波付け加工を施
し、その切断時伸度を2.0%にした補強材を同様に2
層のベルトに使用したもの(比較例4)、および切断時
伸度5.5%にした補強材を2層のベルトに使用したも
の(比較例5)についても、それぞれ上記同様に、コー
ナリングパワー(CP)、上下軸加速度、ベルト折走行
距離およびころがり抵抗(RR)を測定した。
【0039】これらの測定の結果は、下記の表1におい
て、従来一般的な比較例1の場合を100として指数で
表示した。このうち、コーナリングパワー(CP)と、
ベルト折れ走行距離は、指数値が大きいものほど良好で
あることを示し、また上下軸加速度と、ころがり抵抗
(RR)は、それぞれ数値が小さいものほど良好である
ことを示している。
【0040】なお、コーナリングパワー(CP)につい
ては、ドラム試験機を使用し、タイヤを標準リムに装着
し、規定の空気圧、荷重にして行ない、横すべり角を単
位量変化させた時に生じるコーナリングフォースの変化
量を測定(スベリ角±1°で測定)した。
【0041】ベルト折走行距離については、空気圧1k
g/cm2 とした2個のタイヤを並列に鉛直方向の軸で
支持して接触させ、その荷重をJIS標準の50%に設
定して、一方の軸を回転数400rpmで回転駆動さ
せ、ベルト折れまでの走行距離を測定した。またころが
り抵抗(RR)については、アメリカ自動車技術協会
(SAE)の規格のJ1269の試験方法に準じて行な
った。
【0042】上下軸加速度は、突起付ドラム上で速度6
0km/Hでタイヤを走行させて、突起を乗り越した時
に発生する上下軸方向の加速度を測定した。
【0043】表1中で、2種の波付け加工を施したもの
については、両者のピッチおよび振幅をあらわしてい
る。
【0044】
【表1】 上記の結果、補強材の強度が300kgf/mm2 であ
っても、単一の波付け加工によるものは、いずれも比較
例1に比して殆ど効果がなく、また2種の波付け加工を
施したものであって、補強材の強度が280kgf/m
2 のものもそれほど効果がない。さらに補強材の切断
時伸度が2%の比較例4は、上下軸加速度が低下する
上、ベルト折れが早期に発生することになって耐久性が
著しく低下し、また切断時伸度が5.5%になると、耐
久性および上下軸加速度が向上する一方、コーナリング
パワーおよびころがり抵抗が低下する。
【0045】これに対し、実施例1および実施例2は、
コーナリングパワー、上下軸加速度、ベルト折走行距離
およびころがり抵抗の全てが、比較例1に比して改善さ
れている。
【0046】(テスト2)上記と同様の強度300kg
f/mm2 、線径0.27mmのスチール製フィラメン
トを素材として2種の捲縮率の部分が連続する二次元の
波付け加工を施した補強材を、その振幅の方向が厚み方
向をなすように配列してゴムで被覆し、厚み1mm、幅
9.5mmの長尺のリボンを作成した。そして2+2×
0.25mmのスチールコードを配列しゴムで被覆した
シート体を交叉角23°で2層のベルトに使用し、その
上に前記のように製作された長尺のリポンを、タイヤ周
方向に対し実質的に0°でスパイラル巻して図4に示す
構造のサイズ195/60R16のタイヤを製作した。
【0047】この構造のタイヤで、前記スパイラル巻の
ベルトの補強材の切断時伸度を、ピッチおよび振幅を変
えることにより異にしたタイヤについて、それぞれの高
速耐久性を比較した。この結果は、図7に示す通りとな
った。
【0048】なお、高速耐久性は、FMVSSの109
ステップ・スピードの試験方法に準じて行ない、故障
したときまでの時間を調べた。図7におけるグラフの高
速耐久力は、前記スパイラル巻のベルトがない場合を1
00とする指数値で表わしている。
【0049】このテスト結果によれば、補強材の切断時
伸度は5%以下が高速耐久性に優れることになる。その
一方、切断時伸度が2%になると伸びや柔軟性がなくな
り、かえって耐久性が低下するので、波付け加工した補
強材の切断時伸度は3〜5%の範囲に設定するのがよ
い。
【0050】(テスト3)強度300kgf/mm2
線径0.27mmのスチール製フィラメントを素材と
し、異なった捲縮率の部分のピッチを5/5mm、振幅
を0.5/0.27mmとする2種の波付け加工を施し
た切断時伸度4.3%の補強材を、その振幅の方向が厚
み方向をなすように並列してゴムで被覆した厚み1mm
のシート体を作り、このシート体を2層のベルトに交叉
角23°で使用したタイヤ(実施例3)と、前記補強材
を、その振幅の方向を横方向(面方向)にして並列して
ゴムで被覆したシート体を作り、このシート体を同様に
2層のベルトに使用したタイヤ(比較例a)と、さらに
通常のスパイラル加工を施して切断時伸度4.3%にし
たシート体を作り、このシート体を同様に2層のベルト
に使用したタイヤ(比較例b)とについて、交叉角23
°で2層のベルトに使用したタイヤを製作した。これら
のタイヤの加硫によるエア入り不良状態(100本につ
いての不良の割合)を調べた。その結果は下記の表2の
とおりとなった。
【0051】
【表2】 このように、二次元の波付け加工を施した補強材を用い
るものであっても、その振幅の方向を層厚に対し横方向
(面方向)にしたもの、およびスパイラル加工した補強
材を使用したものは、いずれもエア入り不良が見られた
が、前記二次元の波付け加工による振幅の方向を厚み方
向にした本発明の実施例の場合、エア入り不良は見られ
なかった。
【0052】したがって、本発明のように、複数の捲縮
率の部分が連続する特殊な二次元の波付け加工を施した
補強材を、その振幅の方向を厚み方向にして配列した構
造とするのが、スパイラル加工に比して加工が容易で、
加硫による不良も少なく、特に好適なものとなる。
【0053】
【発明の効果】上記したように本発明の空気入りタイヤ
によれば、前記ベルト層における少なくとも最外層の補
強材が所定強度および切断時伸度を持つ特殊な二次元の
波付け加工を施したものであるから、波付け加工した補
強材を用いたことによる効果を充分に発揮でき、複雑か
つ任意の伸び特性を持ち、タイヤ加工中の波形の崩れや
伸びが発生しにくく、安定した物性を持つベルト層を構
成でき、タイヤ性能上犠牲になる特性がなくなり、操縦
安定性、耐摩耗性、耐久性等の特性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気入りタイヤの1実施例を示す略示
断面図である。
【図2】同上のタイヤのベルト層に使用する補強材の1
実施例を示す一部の拡大正面図である。
【図3】同上の補強材を並列しゴムで被覆したシート体
の一部の拡大断面図である。
【図4】本発明の空気入りタイヤの他の実施例を示す一
部の略示断面図である。
【図5】同上のタイヤベルト層に使用する補強材を用い
たリボンの拡大断面図である。
【図6】波付け加工方法の1例を示す概略説明図であ
る。
【図7】スパイラル巻によるベルトの補強材の切断時伸
度を変えた場合の高速耐久性の比較を示すグラフであ
る。
【図8】タイヤ用補強材の荷重−伸び特性図である。
【符号の説明】
(1) カーカスプライ (2) ビード部 (3) ベルト層 (30) シート体 (31)(32) ベルト (33) リボン (34) スパイラル巻のベルト (5) 補強材 (5a) 大波部 (5b) 小波部 (6) ゴム

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タイヤのベルト層における少なくとも最外
    層が、300kgf/mm2 以上の強度を持つ線状材で
    あって、複数の異なった捲縮率の部分が連続するように
    同一平面内での二次元の波形をなす波付け加工が施さ
    れ、その切断時伸度が3〜5%である線状材を補強材と
    し、該補強材を前記波付け加工の振幅の方向が厚み方向
    をなすように配列したベルトよりなることを特徴とする
    空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】ベルト層が、補強材の方向が交叉する2層
    のカットベルトからなり、これら両ベルトの補強材が、
    その厚み方向に振幅を有する波付け加工が施されてなる
    請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】ベルト層が、補強材の方向が交叉する2層
    のカットベルトと、その上にタイヤ周方向に対し実質的
    に0°でスパイラル巻したベルトとからなり、前記スパ
    イラル巻のベルトの補強材が、その厚み方向に振幅を有
    する波付け加工が施されてなる請求項1に記載の空気入
    りタイヤ。
  4. 【請求項4】波付け加工された補強材の複数の異なった
    捲縮率の部分が、振幅およびピッチのいずれか一方もし
    くは双方の変化により捲縮率を異にしたものである請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】下記の式で求められる補強材全体としての
    捲縮率が0.05%以上である請求項1〜4のいずれか
    1項に記載の空気入りタイヤ。 捲縮率(%)=100(B−A)/A ここで、A:ストレート時の単位長さ当りの重量(g/
    m) B:捲縮加工後の単位長さ当り重量(g/m)
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