JPH09300551A - 耐候性フィルム - Google Patents

耐候性フィルム

Info

Publication number
JPH09300551A
JPH09300551A JP11876396A JP11876396A JPH09300551A JP H09300551 A JPH09300551 A JP H09300551A JP 11876396 A JP11876396 A JP 11876396A JP 11876396 A JP11876396 A JP 11876396A JP H09300551 A JPH09300551 A JP H09300551A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
layer
pvc
transparent
colored
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11876396A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Iida
明 飯田
Tomohiro Miki
朝博 三木
Kazuo Tanaka
一雄 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP11876396A priority Critical patent/JPH09300551A/ja
Publication of JPH09300551A publication Critical patent/JPH09300551A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 日光の影響を受けても、表面側の透明なPV
C層が劣化せず、このPVC層が変色することのない耐
候性フィルムを提供する。 【解決手段】 PVCよりなる厚さが0.04〜0.2
0mmのフィルムが2層に積層され、且つ該積層フィルム
の表面側は透明であり、裏面側は着色され、該裏面側の
着色層は、PVC100重量部に対して0.03〜2重
量部の紫外線吸収剤および0.05〜0.5重量部の合
成ハイドロタルサイトが配合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐候性フィルムに関
し、特に、木材(合板、パーチクルボード、MDF)や
金属材料(鋼板、アルミ板)に接着されて建築材料とし
て用いられる耐候性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ドアや、窓周辺部材、明るい室内の壁、
屋外の壁装材、ひさし、屋根、シャッター等の日光、
雨、風にさらされる場所に用いられる建材用フィルム
は、印刷面を保護するために、印刷された着色フィルム
の表面側に透明なフィルムを積層して使用されている。
【0003】かかる建材用フィルムは、厳しい自然環境
にさらされるために、日光、雨、温度変化により変色し
ないこと(耐候性が良いこと)が求められる。そこで、
耐候性の良い透明フィルムと耐候性の良い着色フィルム
を積層して用いられている。しかしながら、透明フィル
ムの単層での耐候性の寿命が着色フィルムの単層と同じ
か又は長寿命構造である積層フィルムを用いても、着色
フィルムが変色するより速く(単層での寿命より速く)
透明フィルムが変色してしまい、耐候性の良い積層フィ
ルムを製造することは非常に困難であった。
【0004】この理由は次のように考えられる。表面側
の透明層を通過した光が裏面側の着色層に達したときに
吸収され、着色層で光による劣化が起こる。すなわち、
主に光を吸収した顔料が分解されてラジカルが発生し、
このラジカルによりポリ塩化ビニル(以下「PVC」と
いう)が分解され、同時に塩化水素が発生する。このと
き、着色層が単層の場合は大気中に塩化水素が放出され
るが、積層フィルムの場合は透明層に吸収されるため、
PVCが塩化水素によって分解されて表面側の透明層に
著しい変色が生じるものと考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は、表面側に透明フィルム、裏面側に着色
フィルムを用いた積層フィルムにおいて、日光の影響を
受けても、表面側の透明なPVC層が劣化せず、このP
VC層が変色することのない耐候性フィルムを提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、厚さが0.04〜0.20mmのPVCフ
ィルムを2層に積層し、該積層フィルムの表面側は透明
であり、裏面側は着色され、裏面側の着色層のPVCに
対して適正量の紫外線吸収剤と合成ハイドロタルサイト
を配合することにより、耐候性に優れたフィルムとな
る。
【0007】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明の要旨は、PV
Cよりなる厚さが0.04〜0.20mmのフィルムが2
層に積層され、且つ該積層フィルムの表面側は透明であ
り、裏面側は着色され、該裏面側の着色層は、PVC1
00重量部に対して0.03〜2重量部の紫外線吸収剤
および0.05〜0.5重量部の合成ハイドロタルサイ
トが配合されてなる耐候性フィルムにある。
【0008】PVCフィルムは、表面側の透明層および
裏面側の着色層ともに厚さ0.04〜0.20mmとする
のが好ましい。0.04mm未満ではフィルムの強度が低
く、一方、フィルムの厚さが0.20mmを超えると、硬
すぎて木材や金属材等へ貼合わせることが困難となる。
【0009】着色層のPVCには、PVC100重量部
に対してマグネシウム/アルミニウムの塩基性炭酸塩で
ある合成ハイドロタルサイトを0.05〜0.5重量
部、紫外線吸収剤を0.03〜2重量部配合するのが好
ましい。これら合成ハイドロタルサイトと紫外線吸収剤
の配合量が上記下限未満では、透明層が変色してしま
う。一方、合成ハイドロタルサイトと紫外線吸収剤の配
合量が上記上限を超える場合、すなわち、合成ハイドロ
タルサイトが過多であると、フィルムに成形加工中に変
色し、加工が困難になる。また、紫外線吸収剤が過多で
あると、フィルム表面に吹き出してしまう。
【0010】そこで、適正量の合成ハイドロタルサイト
を配合することにより、裏面着色層のPVCの分解によ
って発生した塩化水素を炭酸塩と置換して、透明PVC
層への塩化水素の移行が阻止され、表面PVC層の変色
が防止される。
【0011】また、適正量の紫外線吸収剤を配合するこ
とにより、顔料を分解する紫外線を吸収し、顔料の分解
が抑制される。
【0012】上記のように作用する合成ハイドロタルサ
イトは、Mg2+ (1-x) AlX (OH)2 CO3(X/2)・m
2 Oの化学式で表される物質である。ただし、Xは、
0.1<X<0.5、好ましくは、0.2<X<0.4
の範囲の数値がよく、mは、0<m<1の範囲の数値が
よい。本発明における合成ハイドロタルサイトとして
は、上記化学式で表される化合物を200〜300℃の
範囲で加熱して脱結晶水化したものを好適に用いること
ができる。
【0013】また、上記のように作用する紫外線吸収剤
としては、2、4ジヒドロキシ・ベンゾフェノン、2−
ヒドロキシ−4−n−オクトキシ・ベンゾフェノン、4
−ドデシロキシ−2−ヒドロキシ・ベンゾフェノンなど
のベンゾフェノン化合物、2−(2’ヒドロキシ−3’
−第三ブチル−5’−メチル−フェニル)−5−クロロ
・ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−第三アミル−フェニル)ベンゾトリア
ゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェ
ニル)ベンゾトリアゾールなどのトリアゾール化合物、
2−エチル・ヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニ
ル・アクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフ
ェニル・アクリレートなどのアクリレート化合物、サリ
シレート化合物等を使用できる。
【0014】また、PVCへの配合成分として、PVC
100重量部に対して可塑剤を3〜40重量部配合する
ことができる。可塑剤が3重量部未満では硬すぎ、40
重量部を超えると柔らかくなりすぎ、木材、金属材等へ
貼合わせることが困難となる。かかる可塑剤としては、
ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソデシルフタ
レートなどのフタル酸エステル、ジオクチルアジペート
等の脂肪酸エステル、トリ−(2−エチルヘキシル)ト
リメリテートなどのトリメリット酸エステル、トリクレ
ジルホスフェートなどの燐酸エステル、分子量1000
〜4000のアジピン酸系ポリエステルなどのポリエス
テル等を用いることができる。
【0015】また、フィルム成型加工の安定のために安
定剤を添加することができる。安定剤としては、ステア
リン酸、ラウリン酸、リノール酸、イソデカ酸、オレイ
ン酸、フェノールおよび安息香酸の亜鉛・カドミウム・
バリウム・鉛などの金属塩、脂肪酸、マレイン酸などの
錫化合物、エポキシ化大豆油、エポキシ化ステアリン酸
ブチル等のエポキシ化合物、トリス(ノニルフェニル)
フォスファイトなどの有機亜燐酸エステル、2−ヒドロ
キシ−4−アルコキシベンゾフェノンなどの酸化防止
剤、デヒドロ酢酸、ジベンゾイルメタンなどのジケト化
合物を用いることができる。
【0016】さらに、透明層に上記紫外線吸収剤を添加
することもできる。
【0017】また、着色層に添加する顔料としてはルチ
ル型の2酸化チタンなどの白顔料、カーボンブラックな
どの黒顔料、黄鉛・チタンエロー・ベンジジンエロー系
・イソインドリノン系等の黄色顔料、クロムバーミリオ
ンなどのオレンジ色顔料、弁柄・パーマネントレッド系
・キナクリドン系などの赤色顔料、フタロシアニン系・
コバルトブルーなどの青色顔料、フタロシアニン系など
の緑色顔料を用いることができる。
【0018】そして、透明層にも可視光線透過率が90
%以上になる範囲で、上記顔料を添加することもでき
る。
【0019】上記PVC組成物は、カレンダー法または
押し出し法など公知の方法でフィルムに加工することが
できる。
【0020】また、透明フィルムと着色フィルムは、公
知のラミネート機で150〜200℃に加熱して2層に
貼合することができる。
【0021】
【実施例】以下に本発明の実施例を比較例と対比しつつ
説明する。
【0022】下記の表1に示すような配合を有する表面
層(透明層)用のPVC組成物と、表2に示すような配
合を有する裏面層(着色層)用のPVC組成物につい
て、表3、表4に示すように、裏面層側のPVC組成物
には紫外線吸収剤と合成ハイドロタルサイトを配合し、
各配合物を2本ロールで5分混練し、表3・表4に示す
厚さのフィルムに加工した。そして、透明フィルムと着
色フィルムをプレス加工で貼合わせて、本実施例および
比較例の耐候性フィルムを作製した。
【0023】そして、上記フィルムについて、以下に示
す方法で、『硬さ』、『耐候性』、『黄変度』および
『吹き出し』を調査した。その結果を、表3、表4に示
す。
【0024】〔硬さ〕 JISK6734に基づいて
引っ張り試験を行い、10%伸張時の引張応力(M10)
を測定した。このM10の値によって次の評価をすること
ができる。 2kg以上7kg未満のもの=使用可能である。 7kg以上のもの=硬すぎるため使用できない。 2kg未満のもの=柔らかすぎるため使用できない。
【0025】〔耐候性〕 JISK6732に基き、
サンシャインカーボンウェザオメーターを用いて促進試
験を行った。そして、1000時間照射後、色差計でフ
ィルムの色を測定し、照射前後の差ΔEを求めた。ΔE
の値によって次の評価をすることができる。 10未満=使用可能である。 10以上=使用できない。
【0026】〔黄変度〕 色差計でフィルムの色を測定
し、黄変度Nを評価した。色差計による測定値によって
次の評価をすることができる。 15未満=使用可能である。 15以上=使用できない。
【0027】〔吹き出し〕(温度70℃、相対湿度95
%)×20時間と(温度40℃、相対湿度50%)×4
時間を1サイクルとして、30サイクルの強制テストを
行った。表3、表4に示す各記号の意味は以下のとおり
である。
【0028】 ○=吹き出しが全く認められず、使用可能である。 △=吹き出しがやや認められたが、使用可能であ
る。 ×=吹き出しが認められ、使用できない。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】表3に明らかなように、本実施例1〜6に
係るものは、適度の厚さの表面層(透明層)と裏面層
(着色層)からなり、着色層にはPVCに対して適正な
配合量の紫外線吸収剤と合成ハイドロタルサイトが添加
されているので、適度の硬さを有し、耐候性に優れ、黄
変しにくく、配合物が吹き出しにくい。
【0034】しかし、比較例1に係るものは、紫外線吸
収剤が全く配合されていないので、耐候性が劣ってい
る。また、比較例2に係るものは、合成ハイドロタルサ
イトの配合量が多いので、黄変した。また、比較例3に
係るものは、合成ハイドロタルサイトが全く配合されて
いないので、耐候性が劣っている。さらに、比較例4に
係るものは、紫外線吸収剤の配合量が多すぎるので、吹
き出しが認められた。
【0035】また、比較例5に係るものは、表面層の厚
さが薄すぎるので、硬さが不足している。そして、比較
例6に係るものは、表面層の厚さが厚すぎるので、硬さ
が過大である。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、日光の影響を受けて
も、表面側の透明なPVC層が変色せず、適度の硬さを
有し、配合物の吹き出しもない、耐候性に優れたPVC
フィルムを提供することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ塩化ビニルよりなる厚さが0.04
    〜0.20mmのフィルムが2層に積層され、且つ該積層
    フィルムの表面側は透明であり、裏面側は着色され、該
    裏面側の着色層は、ポリ塩化ビニル100重量部に対し
    て0.03〜2重量部の紫外線吸収剤および0.05〜
    0.5重量部の合成ハイドロタルサイトが配合されてな
    る耐候性フィルム。
JP11876396A 1996-05-14 1996-05-14 耐候性フィルム Pending JPH09300551A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11876396A JPH09300551A (ja) 1996-05-14 1996-05-14 耐候性フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11876396A JPH09300551A (ja) 1996-05-14 1996-05-14 耐候性フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09300551A true JPH09300551A (ja) 1997-11-25

Family

ID=14744467

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11876396A Pending JPH09300551A (ja) 1996-05-14 1996-05-14 耐候性フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09300551A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2762150B2 (ja) 含ハロゲン樹脂組成物
US20210245484A1 (en) Vinylidene fluoride-based resin multi-layered film
JPH10158451A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JP2003064233A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム及び塩化ビニル系樹脂組成物
US5851682A (en) Polyolefin resin composition and resin film
JPH09300551A (ja) 耐候性フィルム
US8772382B2 (en) Heavy metal-free stabilizer composition for halogenated polymers
JP7442959B2 (ja) ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム及び積層シート
JPH0931281A (ja) 硬質塩化ビニル樹脂組成物
JPH09300552A (ja) 耐候性フィルム
JPH09208776A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
US3309338A (en) Stabilized polyvinyl halide compositions
JPH11129409A (ja) 建材用耐候性ポリ塩化ビニル樹脂積層フィルム
US20150059080A1 (en) Dual layered pool liner
JP5263545B2 (ja) 粉体成形用塩化ビニル樹脂組成物、塩化ビニル樹脂成形体及び積層体
JPH0662825B2 (ja) 新規含ハロゲン樹脂組成物
JP3150638B2 (ja) 保存時のブロッキングが防止された塩化ビニル系樹脂組成物
JPH11129410A (ja) 建材用耐候性ポリ塩化ビニル樹脂積層フィルム
CN104704044A (zh) 印刷薄膜用树脂组合物以及印刷薄膜
JP7152125B2 (ja) ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム
JP3743797B2 (ja) 遮熱性合成樹脂製サッシ
JPH10219056A (ja) 金属板被覆用塩化ビニル系樹脂組成物
JPH09278963A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JPH0717803B2 (ja) 耐電子線性良好な塩化ビニルフイルム及び該フイルムを用いたビニル被覆鋼板
JP5354203B2 (ja) 粉体成形用塩化ビニル樹脂組成物、塩化ビニル樹脂成形体及び積層体