JPH09299869A - 上塗り塗装方法 - Google Patents

上塗り塗装方法

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JPH09299869A
JPH09299869A JP8116059A JP11605996A JPH09299869A JP H09299869 A JPH09299869 A JP H09299869A JP 8116059 A JP8116059 A JP 8116059A JP 11605996 A JP11605996 A JP 11605996A JP H09299869 A JPH09299869 A JP H09299869A
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康史 本田
Hiroshi Nishiyama
浩史 西山
Yoshihiro Satomoto
佳宏 郷本
Tatsuya Ishihara
達也 石原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被塗物に対して良好な化学性能、物理性能、
耐候性および仕上がり外観性を簡便な方法で付与するた
めの新規な上塗り塗装方法を提供すること。 【解決手段】 被塗物にアクリルポリオールとアミノ樹
脂硬化剤とから構成される、光輝性顔料および/または
着色顔料を含む塗料(ベースコート)を塗装し、次にク
リヤー塗料(第1クリヤーコート)を塗装した後、加熱
硬化せしめた2コート1ベーク系塗膜上に、更にクリヤ
ー塗料(第2クリヤーコート)を塗装する方法におい
て、前記クリヤー塗料(第2クリヤーコート)が実質的
に有機成分のみからなる(A)化学的にブロックされた
酸型硬化剤、(B)エポキシ基含有アクリル樹脂および
(C)加熱硬化時に活性を示す熱潜在性硬化触媒から構
成されることを特徴とする上塗り塗装方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上塗り塗装方法に
関し、特に被塗物に対して良好な化学性能、物理性能、
耐候性および仕上がり外観性を簡便な方法で付与するた
めの新規な上塗り塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車ボディ外板面等の上塗り塗
装方法としては、着色性顔料および/または光輝性顔料
を含むベースコート上に、ウエット・オン・ウエット方
式によりクリヤーコートを塗装し、同時に焼き付け硬化
せしめる2コート1ベーク塗装方法が知られている。
【0003】この塗装方法に用いる塗料材料としては、
ベースコートおよびクリヤーコートともにアクリルポリ
オールを主体樹脂とし、アミノ樹脂で硬化せしめる、ア
クリル/メラミン系が一般的な材料であり、公知技術と
して工業用塗料分野に広く用いられている。
【0004】しかしながら、同アクリル/メラミン系塗
料材料は、近年北米地域においてクリヤーコート表面が
酸性雨によりエッチングを受ける被害が激増している。
この現象は、アクリル/メラミン系塗料の架橋構造であ
るエーテル結合或いはアミノ結合が酸性雨により加水分
解されることにより生じる為、同塗料の本質的な欠陥で
ある。
【0005】この問題点を解決するため、本発明者ら
は、既にエポキシ基含有アクリル樹脂を化学的にブロッ
クされた酸型硬化剤で硬化せしめる新規な硬化技術を提
案した(特開平4−218561号公報、5−3205
29号公報等)。同硬化技術をクリヤーコートに応用し
た場合に、クリヤーコートは、その架橋塗膜構造中に酸
により加水分解を受ける化学結合を本質的に含まない
為、耐酸性雨性に優れるばかりでなく、耐汚染性および
耐候性に優れ、また主体樹脂中にカルボキシル基または
水酸基等の水素結合性の官能基を含まないため、クリヤ
ーコート塗料のハイソリッド化にも極めて有利である。
【0006】しかしながら、このクリヤーコートが有す
る優れた諸性能を、2コート1ベーク系塗膜で完全に達
成するためには、既に本発明者らが提案した新規なベー
スコート塗料(特願平6−289218号公報、7−2
35963号公報)が必要であり、工業用塗料分野で現
在広く用いられている前記アクリルポリオール/メラミ
ン系塗料との併用は困難であるというアプリケーション
に関する問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アクリルポ
リオール/メラミン系塗料材料を用いて2コート1ベー
ク方式で既に塗装された被塗物に対して良好な化学性
能、物理性能、耐候性及び仕上がり外観性を簡便な方法
で付与することができる新規な上塗り塗装方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アクリル
ポリオール/メラミン系塗料材料を用いて2コート1ベ
ース方式で既に塗装された被塗物に対して優れた塗膜性
能および仕上がり外観性を簡便な方法で付与する方法を
開発すべく鋭意研究を重ねた結果、(A)化学的にブロ
ックされた酸型硬化剤、(B)エポキシ基含有アクリル
樹脂および(C)加熱硬化時に活性を示す熱潜在性硬化
触媒を含むクリヤー塗料を、アクリルポリオール/メラ
ミン系塗料材料を用いて2コート1ベーク方式で既に塗
装された被塗物上に塗装する方法によって、上記目的を
達成できることを見い出し、本発明に到達した。
【0009】本発明の上記の目的は、被塗物にアクリル
ポリオールとアミノ樹脂硬化剤とから構成される、光輝
性顔料および/または着色顔料を含む塗料(ベースコー
ト)を塗装し、次にクリヤー塗料(第1クリヤーコー
ト)を塗装した後、加熱硬化せしめた2コート1ベーク
系塗膜上に、更にクリヤー塗料(第2クリヤーコート)
を塗装する方法において、前記クリヤー塗料(第2クリ
ヤーコート)が実質的に有機成分のみからなる(A)化
学的にブロックされた酸型硬化剤、(B)エポキシ基含
有アクリル樹脂および(C)加熱硬化時に活性を示す熱
潜在性硬化触媒から構成されることを特徴とする上塗り
塗装方法により達成された。
【0010】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。本発明で用いる第2クリヤーコートは、(A)化学
的にブロックされた酸型硬化剤、(B)エポキシ基含有
アクリル樹脂および(C)加熱硬化時に活性を示す熱潜
在性硬化触媒から構成される。
【0011】(A)成分である化学的にブロックされた
酸型硬化剤は、下記化1で示されるビニルエーテル基、
ビニルチオエーテル基、あるいは酸素原子またはイオウ
原子をヘテロ原子とするビニル型二重結合をもつ複素環
式基でブロック化されたカルボキシル基2個以上を1分
子中に有する化合物である。
【0012】
【化1】 式中のR1 、R2 およびR3 はそれぞれ水素原子または
炭素数1〜18の有機基、R4 は炭素数1〜18の有機
基であって、R3 とR4 はたがいに結合してY1をヘテ
ロ原子とする複素環を形成していても良く、Y1 は酸素
原子又はイオウ原子である。
【0013】上記化1で表される官能基は、カルボキシ
ル基と下記化2で表されるビニルエーテル化合物、ビニ
ルチオエーテル化合物、あるいは酸素原子またはイオウ
原子をヘテロ原子とするビニル型二重結合をもつ複素環
式化合物との反応により、容易に形成させることができ
る。
【0014】
【化2】 式中のR1 、R2 、R3 、R4 およびY1 は前記化1と
同じ意味を持つ。
【0015】前記化1および化2におけるR1 、R2
よびR3 は、それぞれ水素原子または炭素数1〜18の
アルキル基、アリール基、アルカリール基などの有機
基、R 4 は炭素数1〜18のアルキル基、アリール基、
アルカリール基などの有機基であって、これらの有機基
は適当な置換基を有していても良く、またR3 とR4
互いに結合してY1 をヘテロ原子とする置換基を有しな
いまたは有する複素環を形成していても良い。
【0016】前記化2で表される化合物の具体例として
は、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イ
ソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテ
ル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエー
テル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキ
シルビニルエーテルなどの脂肪族ビニルエーテル化合物
およびこれらに対応する脂肪族ビニルチオエーテル化合
物、さらには2,3−ジヒドロフラン、3,4−ジヒド
ロフラン、2,3−ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−
ジヒドロ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2−メト
キシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−4,4−ジメ
チル−2H−ピラン−2−オン、3,4−ジヒドロ−2
−エトキシ−2H−ピラン、3,4−ジヒドロ−2H−
ピラン−2−カルボン酸ナトリウムなどの環状ビニルエ
ーテル化合物およびこれらに対応する環状ビニルチオエ
ーテル化合物などが挙げられる。
【0017】この(A)成分の化学的にブロックされた
酸型硬化剤は、1分子中に2個以上、好ましくは2〜5
0個のカルボキシル基を有する化合物と、上記化2で表
される化合物との反応によって得ることができる。1分
子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物として
は、例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、デカメチレンジカルボン酸などの炭素数2〜2
2の脂肪族ポリカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの
芳香族ポリカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサ
ヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸などの脂
環式ポリカルボン酸、および1分子中にカルボキシル基
2個以上を有するポリエステル樹脂、アクリル樹脂、マ
レイン化ポリブタジエン樹脂などが挙げられる。
【0018】前記1分子中に2個以上のカルボキシル基
を有する化合物は、例えば(1)1分子当たりヒドロキ
シル基2個以上、好ましくは2〜50個を有するポリオ
ールと酸無水物をハーフエステル化させる、(2)1分
子当たりイソシアネート基2個以上、好ましくは2〜5
0個を有するポリイソシアネート化合物とヒドロキシカ
ルボン酸またはアミノ酸とを付加させる、(3)カルボ
キシル基含有α,β−不飽和単量体を単独重合または他
のα,β−不飽和単量体と共重合させる、(4)カルボ
キシル基末端のポリエステル樹脂を合成する、などの方
法により得られる。
【0019】前記1分子当たりヒドロキシル基2個以上
を有するポリオールとしては、例えばエチレングリコー
ル、1,2−および1,3−プロピレングリコール、
1,3−ブタジオール、1,4−ブタンジオール、2,
3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエ
チレングリコール、ペンタンジオール、ジメチルブタン
ジオール、水添ビスフェノールA、グリセリン、ソルビ
トール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジ
オール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メ
チル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサ
ントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメ
チロールエタン、トリメチルロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、キニトール、マニトール、トリスヒドロ
キシエチルイソシアヌレート、ジペンタエリスリトール
などの多価アルコール類およびこれらの多価アルコール
類とγ−ブチロラクトンやε−カプロラクトンなどのラ
クトン化合物との開環付加体および前記多価アルコール
類と、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネートなどのイソシアネート化合物
とのアルコール過剰下での付加体および前記多価アルコ
ール類とエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエ
チレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジ
ビニルエーテル、ペンタンジオールジビニルエーテル、
ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘ
キサンジメタノールジビニルエーテルなどのビニルエー
テル化合物とのアルコール過剰下での付加体および前記
多価アルコール類とアルコキシシリコーン化合物、例え
ばKR−213、KR−217、KR−9218(信越
化学工業株式会社製の商品名)等とのアルコール過剰下
での縮合体などを挙げることができる。
【0020】一方、これらのポリオールと反応させる酸
無水物としては、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカル
ボン酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ピロ
メリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタ
ル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸などの多価カルボン
酸の酸無水物体を挙げることができる。
【0021】1分子当たりイソシアネート基2個以上を
有するポリイソシアネート化合物としては、例えば、p
−フェニレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシア
ネート、トリレンジイソシアネート、3,3′−ジメチ
ル−4,4′ビフェニレンジイソシアネート、1,4−
テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサン−1,
6−ジイソシアネート、メチレンビス(フェニルイソシ
アネート)、リジンメチルエステルジイソシアネート、
ビス(イソシアナトエチル)フマレート、イソホロンジ
イソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネー
ト、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシナトヘ
キサノエートおよびこれらのビュレット体、イソシアヌ
レート体などを挙げることができる。
【0022】ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、
乳酸、クエン酸、ヒドロキシピバリン酸、12−ヒドロ
キシステアリン酸、リンゴ酸などを挙げることができ
る。アミノ酸としては、例えば、DL−アラニン、L−
グルタミン酸、グリシン、L−テアニン、グリシルグリ
シン、γ−アミノカプロン酸、L−アスパラギン酸、L
−チトルリン、L−アルギニン、L−ロイシン、L−セ
リンなどを挙げることができる。
【0023】カルボキシル基含有α,β−不飽和単量体
としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコ
ン酸、メサコン酸、マレイン酸、フマル酸などを挙げる
ことができる。他のα,β−不飽和単量体としては、例
えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソ
プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)ア
クリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec
−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、ステアリル(メタ)アクリレート、スチレン、
α−メチルスチレン、p−ビニルトルエン、アクリロニ
トリルなどを挙げることができる。
【0024】カルボキシル基末端のポリエステル樹脂
は、多価アルコールに対して多塩基酸過剰下での通常の
ポリエステル樹脂の合成法に従い、容易に形成させるこ
とができる。このようにして得られた1分子中にカルボ
キシル基2個以上を有する化合物と上記化2で表される
化合物との反応は、通常、酸性触媒の存在下、室温ない
し100℃の範囲の温度において行われる。
【0025】この(A)成分の化合物は1種を用いても
良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。(B)
成分であるエポキシ基含有アクリル樹脂は、側鎖にグリ
シジル基および/または脂環式エポキシ基を有するアク
リル樹脂を示す。
【0026】このアクリル樹脂成分中にエポキシ基を付
与させるには、エポキシ基を有するエチレン性不飽和モ
ノマー、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレート、β−メチルグリシジルアクリレート、β
−メチルグリシジルメタクリレート、3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチルメタクリレート、アリルグリシジ
ルエーテル、メタアリルグリシジルエーテル、N−グリ
シジルアクリル酸アミド、ビニルスルホン酸グリシジル
等のうち、一種または複数種を他のエチレン性不飽和モ
ノマーと共重合させることによって達成することができ
る。
【0027】この場合、他のエチレン性不飽和モノマー
とは、一般的に非反応性のモノマーを示す。この具体例
としては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタク
リレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリ
レート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタ
クリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタ
クリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタ
クリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキ
シルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタ
クリレート、ステアリルメタクリレート、フェニルアク
リレート、フェニルメタクリレート、ベンジルアクリレ
ート、ベンジルメタクリレート、テトラシクロドデシル
アクリレート、テトラシクロドデシルメタクリレート、
ノルボルニルアクリレート等、またはスチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、フマル酸ジアルキルエ
ステル、イタコン酸ジアルキルエステル、(メタ)アク
リロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等であ
り、当該アクリル樹脂成分のガラス転移温度調整のため
適宜選択して使用することができる。
【0028】エポキシ基含有アクリル樹脂中のエポキシ
基含有量は、エポキシ当量(g/モル)で200〜10
00、好ましくは250〜500である。エポキシ当量
が200未満になると、架橋密度が高すぎるために塗膜
が脆弱化し機械的強度が低下し、逆に1000を超える
と、架橋密度が低く所望の塗膜性能が得られない。
【0029】このエポキシ基含有アクリル樹脂のガラス
転移温度は、−20〜80℃、好ましくは−10〜50
℃である。ガラス転移温度が−20℃未満になると、十
分な塗膜硬度が得られず、逆に80℃を超えると、塗膜
が脆弱化し機械的強度が低下する。ここで、ガラス転移
温度とは下記に示したFOX式から計算された数値であ
る。 1/Tg=Σ(mi/Tgi) Tg:共重合体のガラス転移温度 mi:モノマーi成分の重量分率 Tgi:モノマーi成分のホモポリマーのガラス転移温
度(K)
【0030】一方、この主体樹脂成分の重量平均分子量
は、3,000〜80,000、好ましくは5,000
〜50,000である。重量平均分子量が3,000未
満になると、塗膜の架橋が十分に進行せず所望の塗膜性
能が得られず、逆に重量平均分子量が80,000を超
えると、樹脂自体が高粘度であるために塗装が困難であ
る。ここで、重量平均分子量とはゲル・パーミエーショ
ン・クロマトグラフィにより測定されたポリスチレン換
算の重量平均分子量を示す。
【0031】エポキシ基含有アクリル樹脂は、上記エポ
キシ基を有するエチレン性不飽和モノマーおよび他のエ
チレン性不飽和モノマーのラジカル共重合により容易に
合成できる。その共重合方法としては、公知の共重合方
法の中から適宜選択して使用することができ、例えば溶
液重合、分散重合、懸濁重合、乳化重合等が挙げられ
る。
【0032】(C)加熱硬化時に活性を示す熱潜在性酸
触媒としては、ブレンステッド酸またはルイス酸をルイ
ス塩基で中和した化合物、ルイス酸とブレンステッド酸
またはルイス酸とブレンステッド塩とから成る錯体化合
物、スルホン酸エステル類、リン酸エステル類が挙げら
れる。
【0033】上記の熱潜在性酸触媒を構成するブレンス
テッド酸は、プロトンを解離させ酸性を示す物質であ
り、硫酸、スルホン酸、リン酸、ホウ酸、カルボン酸お
よびこれらの誘導体などが好ましい。ブレンステッド酸
の具体例としては、例えば硫酸、硫酸モノエステル、リ
ン酸、リン酸モノおよびジエステル、ポリリン酸エステ
ル、ホウ酸モノおよびジエステル、スルホン酸、カルボ
ン酸、ハロゲノカルボン酸などが挙げられ、好ましくは
ドデシルベンゼンスルホン酸などの炭素数1〜50のア
ルキルベンゼンスルホン酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸
などの炭素数1〜50のモノもしくはジハロゲノカルボ
ン酸、リン酸モノメチル、リン酸ジメチルなどの炭素数
1〜50のリン酸アルキルモノエステルおよびジエステ
ルなどが挙げられる。これらのブレンステッド酸は、1
種を用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても
良い。
【0034】上記の熱潜在性酸触媒を構成するルイス酸
は、電子受体性を示す化合物であり、下記一般式で示さ
れる金属ハロゲン化物および有機金属化合物が好まし
い。 (R9 )n−M 式中のR9 は、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキ
ル基、アリール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ま
たは活性メチレン基に隣接したカルボニル基から成る群
から選ばれた少なくとも1種の有機基、MはB、Mg、
Al、Ca、Sn、Pbまたは長周期表における第4周
期から第6周期のうち3A族から7A族、8族、1B族
および2B族に属する遷移金属原子、nは1〜6の整数
である。尚、上記ルイス酸を構成する金属原子の長周期
表における分類は、1988年度、IUPAC無機化学
命名法による。
【0035】その具体例としては、例えば、三フッ化ホ
ウ素、三塩化アルミニウム、塩化第一チタン、塩化第二
チタン、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化亜鉛、臭化亜
鉛、塩化第一スズ、塩化第二スズ、臭化第一スズ、臭化
第二スズといった金属ハロゲン化物、トリアルキルホウ
素、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロゲン化
アルミニウム、モノアルキルハロゲン化アルミニウム、
テトラアルキルスズ、アルミニウムアセチルアセトネー
ト、鉄アセチルアセトネート、ジルコニウムアセチルア
セトネート、ジブチルスズアセチルアセトネート、ジブ
チルスズジラウレート、ジオクチルスズエステルマレー
ト、ナフテン酸マグネシウム、ナフテン酸カルシウム、
ナフテン酸マンガン、ナフテン酸鉄、ナフテン酸コバル
ト、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸ジルコ
ニウム、ナフテン酸鉛、オクチル酸カルシウム、オクチ
ル酸マンガン、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、オ
クチル酸亜鉛、オクチル酸ジルコニウム、オクチル酸ス
ズ、オクチル酸鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグ
ネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カ
ルシウム、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸鉛などの有機金属化合物が挙げられる。こ
れらの有機金属化合物は、1種を用いても良いし、2種
以上を組み合わせて用いても良い。
【0036】上記のブレンステッド酸およびルイス酸を
中和するのに使用されるルイス塩基は、電子供与体性を
示す化合物である。この具体例としては、アンモニア、
トリエチルアミン、ピリジン、アニリン、モルホリン、
N−メチルモルホリン、ピロリジン、N−メチルピロリ
ジン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、シクロヘキ
シルアミン、n−ブチルアミン、ジメチルオキサゾリ
ン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N,N−
ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノー
ルアミン、N,N−ジプロピルエタノールアミン、N,
N−ジブチルエタノールアミン、N,N−ジメチルイソ
プロパノールアミン、N,N−ジエチルイソプロパノー
ルアミン、N,N−ジプロピルイソプロパノールアミ
ン、N,N−ジブチルイソプロパノールアミン、N−メ
チルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミ
ン、N−プロピルジエタノールアミン、N−ブチルジエ
タノールアミン、N−メチルジイソプロパノールアミ
ン、N−エチルジイソプロパノールアミン、N−プロピ
ルジイソプロパノールアミン、N−ブチルジイソプロパ
ノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパ
ノールアミン、トリ−s−ブタノールアミンなどのアミ
ン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチル
リン酸トリアミドのようなアミド系化合物、ジメチルス
ルホキシドのようなスルホキシド系化合物、ジエチルエ
ーテルやテトラヒドロフランのようなエーテル系化合
物、ジメチルスルフィドのようなチオエーテル系化合
物、トリメチルリン酸やトリエチルリン酸およびトリブ
チルリン酸のようなリン酸エステル系化合物、トリメチ
ルホウ酸のようなホウ酸エステル系化合物、酢酸エチル
や酢酸ブチルのようなカルボン酸エステル系化合物、炭
酸エチレンのような炭酸エステル系化合物、あるいは、
トリブチルホスフィンのようなトリアルキルホスフィン
系化合物が挙げられる。
【0037】前述のブレンステッド酸またはルイス酸を
上記ルイス塩基で中和して得られる熱潜在性酸触媒は、
各々の酸の酸活性に対し、ルイス塩基の塩基活性の比率
が0.1〜10の範囲にあるのが好ましい。このモル比
が0.1未満では貯蔵時に酸化合物の触媒活性を十分に
抑制することができない恐れがあり、逆に10を超える
と加熱時に触媒活性を発揮しにくくなる傾向がみられ
る。
【0038】(C)成分の熱潜在性酸触媒として使用さ
れるスルホン酸エステル類としては、例えば下記化3で
表される化合物である。
【化3】 式中、R5 はフエニル基、置換フエニル基、ナフチル
基、置換ナフチル基またはアルキル基、R6 は一級炭素
または二級炭素を介してスルホニルオキシ基と結合して
いる炭素数3〜18のアルキル基、アルケニル基、アリ
ール基、アルカリール基、アルカノール基、飽和もしく
は不飽和のシクロアルキルまたはヒドロキシシクロアル
キル基である。
【0039】この化合物の具体例としては、メタンスル
ホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ドデ
シルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ノニ
ルナフタレンスルホン酸などのスルホン酸類と、n−プ
ロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、n−
オクタノールなどの第一級アルコール類またはイソプロ
パノール、2−ブタノール、2−ヘキサノール、2−オ
クタノール、シクロヘキサノールなどの第二級アルコー
ル類とのエステル化物、さらには前記スルホン酸類とオ
キシラン基含有化合物との反応により得られるβ−ヒド
ロキシアルキルスルホン酸エステル類などが挙げられ
る。
【0040】(C)成分の熱潜在性酸触媒として使用さ
れるリン酸エステル類としては、例えば下記化4で表さ
れる化合物が挙げられる。
【化4】 式中のR7 は炭素数3〜10のアルキル基、シクロアル
キル基またはアリール基、mは1または2である) この化合物の具体例としては、n−プロパノール、n−
ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2
−エチルヘキサノールといった第一級アルコール類、お
よびイソプロパノール、2−ブタノール、2−ヘキサノ
ール、2−オクタノール、シクロヘキサノールといった
第二級アルコール類のリン酸モノエステル類またはリン
酸ジエステル類が挙げられる。また、この他にもリン酸
とオキシラン化合物との反応により得られるβ−ヒドロ
キシエステル化合物も挙げられる。
【0041】(C)成分の熱潜在性酸触媒として使用さ
れる、ルイス酸とブレンステッド酸またはルイス酸とブ
レンステッド塩とから成る錯体化合物成分は、ルイス酸
とブレンステッド酸とから成る錯体化合物である。
【0042】同錯体化合物を構成するブレンステッド塩
は、前述したブレンステッド酸を塩基物質で中和した化
合物である。その具体例としては、例えば硫酸、硫酸モ
ノエステル、リン酸、リン酸モノおよびジエステル、ポ
リリン酸エステル、ホウ酸モノおよびジエステル、スル
ホン酸、カルボン酸、ハロゲノカルボン酸などのブレン
ステッド酸を、アンモニア、トリエチルアミン、ピリジ
ン、アニリン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピ
ロリジン、N−メチルピロリジン、ピペリジン、N−メ
チルピペリジン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イ
ミダゾール、N−メチルイミダゾールなどの各種アミ
ン、またはトリブチルホスフィンのようなトリアルキル
ホスフィンやトリフェニルホスフィンのようなトリアリ
ールホスフィンでブロックした化合物、さらには、酸−
塩基ブロック化触媒として市販されているネイキュア2
500X、3525,5225(キングインダストリー
社製の商品名)などが挙げられる。
【0043】同錯体化合物は、ルイス酸の触媒活性を示
す空の電子軌道にブレンステッド酸またはブレンステッ
ド塩の共役塩基が配位し、錯体化した化合物であり、前
記したルイス酸と前記したブレンステッド酸または上記
ブレンステッド塩とをルイス酸の空の電子軌道に対し、
ブレンステッド酸またはブレンステッド塩をモル比で
0.1〜4の範囲で混合して容易に得ることができる。
このモル比が0.1未満になると、貯蔵時にルイス酸の
活用を十分に抑制することができない恐れがあり、4を
超えると加熱時に触媒活性を発揮しにくくなる傾向がみ
られる。本発明においては、(C)成分の熱潜在性酸触
媒は1種を用いても良いし、2種以上を組み合わせて用
いても良い。
【0044】本発明で用いる第2クリヤーコートにおけ
る、(A)化学的にブロックされた酸型硬化剤、(B)
エポキシ基含有アクリル樹脂との混合比は、カルボキシ
ル基およびエポキシ基の当量比で1.25/1〜1/
1.25、より好ましくは1.1/1〜1/1.1の範
囲で選ばれる。また、(C)加熱硬化時に活性を示す熱
潜在性酸触媒の配合量は(A)成分と(B)成分との総
固形分量100重量部当たり、通常0.01〜10重量
部の範囲、好ましくは0.02〜5重量部の範囲で選ば
れる。
【0045】上記第2クリヤーコートに先立って塗装す
る、光輝性顔料および/または着色顔料を含む塗料(ベ
ースコート)と、クリヤー塗料(クリヤーコート)から
なる2コート1ベーク系塗料は、工業塗料分野で広く用
いられているアクリルポリオールとアミノ樹脂硬化剤と
から構成される塗料であれば特に限定なく使用すること
ができる。
【0046】アクリルポリオールは、側鎖中に水酸基を
有するアクリル樹脂を示し、水酸基を含有するエチレン
性不飽和モノマーを他のエチレン性不飽和モノマーとラ
ジカル共重合させることによって容易に得られる。水酸
基を含有するエチレン性不飽和モノマーとしては、例え
ば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−
ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチル
メタクリレート、N−メチロールアクリル酸アミドおよ
びそれらのε−カプロラクトン付加体等があり、これら
を一種または複数種を他のエチレン性不飽和モノマーと
ラジカル共重合させることによってアクリルポリオール
が得られる。
【0047】一方、アミノ樹脂硬化剤は、アミノ基また
はアミド基を含む化合物、例えばメラミン、ベンゾグア
ナミン、尿素、ジシアンジアミド、グリコルウレア等を
メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコ
ール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等
のアルコール類の存在下でホルムアルデヒドと脱水縮合
させることによって得られる樹脂硬化剤を示す。
【0048】アクリルポリオールとアミノ樹脂硬化剤と
の混合比は、樹脂固形分ベースで80:20〜50:5
0の範囲であるのが適当である。また、ベースコート塗
料に含まれる、光輝性顔料の例としては、アルミニウム
・フレーク、ニッケル・フレーク、パールマイカ、着色
パールマイカ、マイクロ酸化チタン、マイクログラファ
イト等が挙げられる。一方、着色性顔料の例としては、
酸化チタン、亜鉛華、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、カーボ
ン・ブラック等の無機顔料、およびフタロシアニン・ブ
ルー、スレン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、不
溶性アゾ、溶性アゾ、ペリレン、キナクリドン・レッ
ド、チオインジゴ・レッド、ジオキサジン・バイオレッ
ト、アンスラピリミジン・イエロー、キノフタロン・イ
エロー、ベンジジン・イエロー等の有機顔料が挙げられ
る。
【0049】本発明の方法における被塗物としては、例
えば冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼
板、合金化亜鉛メッキ鋼板およびこれらの金属素材をリ
ン酸亜鉛やクロム酸塩で化成処理した表面処理鋼板が含
まれる。更に、これらの金属素材および表面処理鋼板に
電着塗装や中塗り塗装をしたものも被塗物に含まれる。
【0050】次に、本発明の上塗り塗装方法を詳細に説
明する。 上記被塗物上にアクリルポリオールとアミノ樹脂硬化
剤とから構成される、光輝性顔料および/または着色顔
料を含む塗料(ベースコート)を乾燥膜厚で5〜30μ
m、好ましくは10〜20μmの範囲で塗装し、室温で
1〜10分放置する。 アクリルポリオールとアミノ樹脂硬化剤とから構成さ
れる、クリヤー塗料( クリヤーコート)を乾燥膜厚で15〜100μm、好ま
しくは25〜50μmの範囲で塗装した後、室温で3〜
10分放置する。 室温下で放置した後、140℃で10〜30分加熱硬
化せしめる。 被塗物が室温まで放冷された後、(A)化学的にブロ
ックされた酸型硬化剤、(B)エポキシ基含有アクリル
樹脂および(C)加熱硬化時に活性を示す熱潜在性硬化
触媒とからなる第2クリヤーコートを乾燥膜厚で10〜
100μm、好ましくは20〜50μmの範囲で塗装し
た後、室温で3〜10分放置する。 室温下で放置した後、140℃で10〜30分加熱硬
化せしめ完成塗膜を得る。
【0051】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。尚、実施例及び比較例中の部および%は、それぞれ
重量部および重量%を示す。
【0052】I.第2クリヤーコート塗料の製造例 1)化学的にブロックされた酸型硬化剤溶液(A)の製
造例 温度計、還流冷却器、攪拌機および滴下ロートを備えた
4つ口フラスコに下記成分を仕込み、攪拌下で加熱し1
20℃に昇温した。 ペンタエリスリトール 136.0重量部 メチルイソブチルケトン 538.7重量部
【0053】次いで、120℃を保ちながらメチルヘキ
サヒドロフタル酸無水物672.0重量部を2時間かけ
て滴下し、混合物の酸価(ピリジン/水重量比=9/1
混合液で約50重量倍に希釈し、90℃で30分間加熱
処理した溶液を水酸化カリウム標準溶液で滴定)が、1
70以下になるまで加熱攪拌を継続することによって、
4官能ポリカルボン酸化合物溶液を得た。
【0054】次に、前記の方法で得られたポリカルボン
酸化合物溶液を用いて、前記と同様のフラスコ中に下記
組成の混合物を仕込み、50℃を保ちながら攪拌した。 前記のポリカルボン酸化合物溶液 336.7重量部 イソブチルビニルエーテル 120.2重量部 35重量%塩酸 0.2重量部 メチルイソブチルケトン 46.3重量部
【0055】混合物の酸価が12以下となったところで
反応を終了し、放冷した後分液ロートに生成物を移し
た。得られた生成物は、分液ロート中で10重量%炭酸
ナトリウム水溶液100重量部でアルカリ洗浄した後、
洗浄液のpHが7以下になるまで300重量部の脱イオ
ン水で水洗を繰り返した。その後、有機層中にモレキュ
ラーシーブ4A1/16を加え、室温で3日間乾燥する
ことによって、不揮発分60.0%、ガードナー粘度E
−F(25℃)の化学的にブロックされた酸型硬化剤溶
液(A)を得た。
【0056】2)エポキシ基含有アクリル樹脂溶液
(B)の製造例 温度計、還流冷却器および攪拌機を備えた4つ口フラス
コに、初期仕込み溶剤としてキシレンを40.0部仕込
み、攪拌下で加熱し100℃を保った。一方、グリシジ
ルメタクリレート28.4部、ブチルメタクリレート2
0.0部、メチルメタクリレート27.7部、2−エチ
ルヘキシルアクリレート23.9部およびアゾビスイソ
ブチロニトリル2.0部を酢酸ノルマルブチルエステル
54.0部に混合溶解し滴下成分とした。
【0057】次に、100℃に保った、上記4つ口フラ
スコに滴下成分を2時間かけて滴下漏斗により等速滴下
した。滴下が終了した後、100℃の温度を1時間保
ち、アゾビスイソブチロニトリル0.2部を酢酸ノルマ
ルブチルエステル3.8部に溶解した追加触媒成分を添
加し、更に100℃の温度を2時間保った後、反応を終
了しエポキシ基含有アクリル樹脂溶液(B)を得た。反
応が終了した時の不揮発分は、50.8%(不揮発分測
定条件:50℃、0.1mmHgで3時間)、ガードナ
ー粘度(JIS K−5400(1990)4.5.1
ガードナー型泡粘度法による)はSであった。
【0058】3)熱潜在性酸触媒溶液(C)の製造例 300mlの反応容器にメチルイソブチルケトン25.
0部および酢酸エチルエステル25.0部を仕込み十分
に混合した後、オクチル酸亜鉛20.1部、ジ(2−エ
チルヘキシル)スルホコハク酸24.1部およびN−メ
チルモルホリン5.8部を攪拌しながら加えて攪拌し
た。その後、反応容器を3時間静置することにより、熱
潜在性酸触媒の50%溶液(C)を得た。
【0059】4)第2クリヤーコート塗料(D)の製造
例 容器にエポキシ基含有アクリル樹脂溶液(B)100
部、化学的にブロックされた酸型硬化剤溶液(A)50
部、熱潜在性酸触媒(C)4.3部、モダフロー0.1
部、キシレン3.0部および酢酸ノルマルブチル0.8
部を加えて十分に攪拌した後、ソルベッソ#100(シ
ェル化学社製の商品名)を希釈溶剤として加え、For
d・Cup#4で20秒になるように希釈して、第2ク
リヤーコート塗料(D)を得た。
【0060】II.実施例 実施例1 化成処理されたダル鋼板にエポキシ樹脂系カチオン電着
塗料を20μm塗装し、170℃で20分間硬化させた
後、中塗りとしてハイエピコNo.100(日本油脂株
式会社製の商品名)を乾燥膜厚で35μmになるように
塗装し、140℃で20分間硬化させて被塗物とした。
【0061】次に、アクリルポリオールとアミノ樹脂硬
化剤とからなるベースコート塗料としてベルコートN
o.6000BDR2(日本油脂株式会社製の商品名)
を乾燥膜厚が15μmになるようにスプレー塗装し、室
温下で5分放置した後、アクリルポリオールとアミノ樹
脂硬化剤とからなるクリヤー塗料として、ベルコートN
o.6200クリヤー(日本油脂株式会社製の商品名)
を乾燥膜厚が30μmになるようにスプレー塗装し、室
温下で5分放置した後、140℃で20分間加熱硬化せ
しめた。
【0062】室温まで放冷した後、製造例4で製造した
第2クリヤーコート(D)を上記被塗物上に乾燥膜厚が
25μmになるようにスプレー塗装した。室温で5分間
放置した後、140℃で20分間硬化させて完成塗膜を
得た。
【0063】完成塗膜について下記に示す5項目の塗膜
性能試験を行い、いずれも良好な塗膜性能であることを
確認した。その塗膜性能試験結果を表1に示す。
【0064】実施例2 実施例1中のベースコート塗料の代わりにベルコートN
o.5230BKH3(日本油脂株式会社製の商品名)
を用い、実施例1と全く同様な方法で完成塗膜を作成
し、その塗膜性能を確認した。その結果、いずれも良好
なる塗膜性能であることを確認した。その塗膜性能試験
結果を表1に示す。
【0065】比較例1 実施例1中の第2クリヤーコートを塗装する工程を省略
した以外は、実施例1と全く同様な方法で完成塗膜を作
成し、その塗膜性能を確認した。その結果、アクリルポ
リオールとアミノ樹脂硬化剤とからなるクリヤー塗膜上
に第2クリヤーコートが塗装されていないために、耐酸
性試験において著しいエッチングおよびツヤビケが生じ
た。その塗膜性能試験結果を表1に示す。
【0066】比較例2 実施例1中の第2クリヤーコートの代わりにアクリルポ
リオールとアミノ樹脂硬化剤とからなるクリヤー塗料を
用いた以外は、実施例1と全く同様な方法で完成塗膜を
作成し、その塗膜性能を確認した。その結果、アクリル
ポリオールとアミノ樹脂硬化剤とからなるクリヤー塗膜
上に第2クリヤーコートが塗装されていないために、耐
酸性試験において著しいエッチングおよびツヤビケが生
じた。その塗膜性能試験結果を表1に示す。
【0067】(1)耐酸性−1 40重量%硫酸2mlを試験片上にスポット状に乗せ、
20℃で48時間放置した後、塗膜の異常を目視にて判
定した。
【0068】(2)耐酸性−2 40重量%硫酸2mlを試験片上にスポット状に乗せ、
60℃で30分間加熱した後、塗膜の異常を目視にて判
定した。
【0069】(3)耐酸性−3 試験片を0.1規定硫酸中に浸漬し、60℃で24時間
保った後、塗膜の異常を目視にて判定した。
【0070】(4)耐候性 サンシャインウェザーメーター〔JIS K−5400
(1994)9.8.1〕を用いて1000時間または
3000時間暴露した後、塗膜の60度鏡面光沢度値
〔JIS K−5400(1994)7.6度鏡面光沢
度〕を測定し、塗膜の異常を目視にて判定または未暴露
時の光沢度値と比較した。
【0071】(5)付着性 JIS K−5400(1994)8.5.3の方法に
基づき、クロスカット・テープ法により付着性を評価し
た。
【0072】
【表1】
【0073】
【発明の効果】本発明の塗り塗装方法によれば、アクリ
ルポリオール/メラミン系塗料材料を用いて2コート1
ベーク方式で既に塗装された被塗物に対して、良好な化
学性能、物理性能、耐候性および仕上がり外観性を有す
る機能性塗膜を簡便な方法で付与することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 163/00 PKB C09D 163/00 PKB // C08G 59/42 NHY C08G 59/42 NHY (C09D 161/20 133:02) (72)発明者 西山 浩史 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 郷本 佳宏 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 石原 達也 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被塗物にアクリルポリオールとアミノ樹
    脂硬化剤とから構成される、光輝性顔料および/または
    着色顔料を含む塗料(ベースコート)を塗装し、次にク
    リヤー塗料(第1クリヤーコート)を塗装した後、加熱
    硬化せしめた2コート1ベーク系塗膜上に、更にクリヤ
    ー塗料(第2クリヤーコート)を塗装する方法におい
    て、前記クリヤー塗料(第2クリヤーコート)が実質的
    に有機成分のみからなる(A)化学的にブロックされた
    酸型硬化剤、(B)エポキシ基含有アクリル樹脂および
    (C)加熱硬化時に活性を示す熱潜在性硬化触媒から構
    成されることを特徴とする上塗り塗装方法。
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