JPH09299764A - 浸透気化法によるアルコール分離方法 - Google Patents

浸透気化法によるアルコール分離方法

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JPH09299764A
JPH09299764A JP14517696A JP14517696A JPH09299764A JP H09299764 A JPH09299764 A JP H09299764A JP 14517696 A JP14517696 A JP 14517696A JP 14517696 A JP14517696 A JP 14517696A JP H09299764 A JPH09299764 A JP H09299764A
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alcohol
water
pervaporation
permeable membrane
ethanol
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Kiyoshi Koyama
清 小山
Kenichi Inoue
賢一 井上
Toshiyuki Kawashima
敏行 川島
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Nitto Denko Corp
Osaka City
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Nitto Denko Corp
Osaka City
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の概念とは全く異なった透過膜を用いるこ
とにより、特定アルコールだけを水及び他のアルコール
から分離することのできるアルコール分離方法を提供す
る。 【解決手段】2種類以上のアルコール成分を含有する溶
液より、透過膜を用いた浸透気化法により特定のアルコ
ール成分を分離する方法において、前記透過膜が特定の
アルコールに対しては水よりも速く透過させ、他のアル
コールに対しては水よりも遅く透過させるものであるこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浸透気化法による
アルコール分離方法に属する。このアルコール分離方法
は、アルコールを取り扱う工場や研究所などで希釈ある
いは濃縮されるアルコール含有排水やアルコール生成液
などから、特定のアルコールを分離し、排水浄化やアル
コール濃度調整、さらにはアルコールの回収再利用を行
う目的で好適に利用されうる。
【0002】
【従来の技術】メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、ノルマルプロパノールなどの低級アルコール類は
水可溶性の液体としてその利用価値は高く、溶剤、洗
浄、消毒、凍結防止、抽出、飲料などの各種用途に使用
されている。また、石油精製や食品分野などでは、合成
原料、燃料、あるいは反応結果の生成物として、これら
のアルコール類が多量に扱われる。
【0003】これらのアルコール類は、水と混合されて
排液として処理されるものと、最終製品となって出荷さ
れるものとに分類される。通常、前者の場合、排液浄化
やアルコールの再利用の目的で排液中のアルコール分離
が、後者の場合、アルコール純度向上の目的でアルコー
ル中の水分や不純成分の分離が、各々必要になる。
【0004】従来、これらの分離操作には蒸留法が用い
られていたが、最近では透過膜を利用した浸透気化法に
よる分離操作が注目されている。これは、浸透気化法
が、蒸留法に比べて低エネルギーで操作できる上、設備
設置面積を小さくすることができるからである。更に浸
透気化法の特徴として重要なことは、蒸留操作で分離し
ようとすれば共沸現象によって分離困難なアルコールと
水の混合液であっても、透過膜の選択次第では分離でき
ることである。従って、蒸留法では抽出蒸留という複雑
な追加操作を要するのに対して、浸透気化法では追加操
作を経ることなく共沸現象を無視して操作することがで
き、省エネルギー化に有利である。
【0005】浸透気化法に用いる透過膜としては、対象
としている液体の分離に適した材質を選定すればよい。
例えばエタノールと水の分離操作において、エタノール
中から水を分離する場合には酢酸セルロース系やポリビ
ニルアルコール系の水選択膜が、水中からエタノールを
分離する場合にはポリジメチルシロキサン(シリコー
ン)系のアルコール選択膜が選定される。
【0006】3成分以上の混合液の場合も同様で、例え
ば、エタノールとイソプロパノールと水の混合液に対し
て、水選択膜はエタノールとイソプロパノールから水を
分離し、アルコール選択膜は自らエタノールとイソプロ
パノールを分離する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の浸透気
化法においては、水とアルコールとを分離する技術が確
立していたに過ぎない。従って、水−アルコール混合液
に対する透過膜は上記のように水選択性かアルコール選
択性かに分類付けされていた。このため、上記3成分の
うちエタノールだけを分離する場合は、アルコール選択
膜や水選択膜を複雑に組み合わせる必要が生じ、低エネ
ルギー及び小面積といった浸透気化法の利点を活かすこ
とができていなかった。
【0008】また、2種類以上のアルコールからなる非
水溶液から特定アルコールを分離する場合でも同様の課
題が発生していた。これは、非水溶液中のアルコールが
エタノール(沸点78.3℃)とイソプロパノール(沸
点82.4℃)のように沸点差が10℃以下の組み合わ
せの場合、蒸留法はもとより、浸透気化法であってもア
ルコール選択膜又は水選択膜に基づく両成分の分離性図
が互いに接近していたからである。
【0009】それ故、本発明の目的は、従来の概念とは
全く異なった透過膜を用いることにより、特定アルコー
ルだけを水及び他のアルコールから分離することのでき
るアルコール分離方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】その目的を達成するため
に、本発明のアルコール分離方法は、2種類以上のアル
コール成分を含有する溶液より、透過膜を用いた浸透気
化法により特定のアルコール成分を分離する方法におい
て、前記透過膜が特定のアルコールに対しては水よりも
速く透過させ、他のアルコールに対しては水よりも遅く
透過させるものであることを特徴とする。
【0011】本発明では、透過膜としてアルコール選択
性か水選択性かといった分類付けにこだわらず、水より
も大きな透過速度を有するアルコールと水よりも小さな
透過速度を有するアルコールとに分離する透過膜が存在
することに着目した。そして、そのような透過膜を選定
しているので、アルコール成分同志が効率よく分離され
る。
【0012】前記透過膜として好ましいのは、2つ以上
の反応性のアミノ基を有する多官能性アミン化合物と2
つ以上の反応性の酸ハライド基を有する多官能性酸ハロ
ゲン化物とからなる架橋ポリアミド系である。
【0013】前記溶液とは、例えば2種類以上のアルコ
ール成分を含有する水溶液である。この場合、2種類以
上のアルコールが、いずれも水の沸点より低いか又はい
ずれも水の沸点よりも高い沸点を有するものであるのが
好ましい。水の沸点を境にして沸点が互いに分かれる組
み合わせであれば、本発明によらなくとも蒸留操作によ
って容易に一方を他方から分離できるからである。
【0014】また、本発明は、前記溶液が例えば2種類
以上のアルコール成分からなり、それらアルコール成分
の沸点の最大値と最小値との差が10℃以下であるとき
にも特に有効である。アルコール成分同志でも沸点差が
大きければ蒸留操作によって分離できるからである。
【0015】更に、本発明では、前記透過膜の透過側及
び非透過側の少なくとも一方に前記透過膜と同質の第2
の透過膜を接続し、透過ガス又は非透過液を再度浸透気
化法により分離する段数操作を繰り返しても良い。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のアルコール分離方法の実
施の形態を図1とともに説明する。図1は、浸透気化法
のシステムを示す。
【0017】図1において、送液ポンプ[1]により原
液[S]は予熱器[2]に導かれて熱媒[H]で加熱昇
温された後、透過膜[3]に送られる。透過膜[3]で
は、その分離性能に応じて透過ガスと非透過液とに分離
される。予熱器[2]と透過膜[3]とその間の、原液
が接触する機器類及び配管類は全て保温材[M]で保温
施工し、熱が周囲へ逃げないようにしておく。
【0018】透過膜[3]の透過側には凝縮器[4]と
真空ポンプ[5]が順に直列に設置されており、真空吸
引により透過膜[3]を透過した透過ガスは、先ず凝縮
器[4]で冷媒[C]により冷却されて凝縮液と不凝縮
ガスとに分離される。続いて凝縮液は透過凝縮液[T]
として凝縮器[4]より系外に排出又は回収され、不凝
縮ガスは更に真空ポンプ[5]の方に吸引された後、真
空ポンプ[5]の出口で透過不凝縮ガス[G]として排
気される。一方、透過膜[3]の非透過側には、透過膜
[3]を透過することなく残った原液[S]が非透過液
[L]として排出又は回収される。
【0019】透過膜[3]は、その主たる構成材料に依
存して異なる機能を発揮する。同じ原液を構成材料の異
なる透過膜[3]で分離したときの特性図を気液平衡線
図と併せて図2に示す。原液は水−エタノール−イソプ
ロパノールの3成分混合系液体である。以下、分離対象
をエタノールとして透過膜の機能の違いを説明する。
【0020】透過膜[3]がポリジメチルシロキサン系
透過膜のようなアルコール選択膜であるときは、図2に
示すとおり、エタノール−水系分離曲線11とイソプロ
パノール−水系分離曲線12とが互いに接近しているの
で、エタノールだけでなくイソプロパノールも透過側に
分離して水に富む原液が非透過側に残る。分離曲線11
と分離曲線12との間隔より、エタノール−水系気液平
衡線41とイソプロパノール系気液平衡線42との間隔
の方が大きいので、この場合は蒸留法の方が浸透気化法
よりも分離性能が良いくらいである。
【0021】他方、透過膜[3]が酢酸セルロース系透
過膜のような水選択膜であるときもエタノール−水系分
離曲線21とイソプロパノール−水系分離曲線22とが
互いに接近しているので、水だけが透過側に分離してエ
タノールだけでなくイソプロパノールにも富む原液が非
透過側に残る。
【0022】従って、上記3成分混合液よりエタノール
だけを分離する場合は、エタノールとイソプロパノール
との僅かな分離性能差を利用し、水選択膜とアルコール
選択膜とを使い分けながら、透過膜を多段に接続して浸
透気化を繰り返す必要がある。
【0023】これに対して、透過膜[3]が本発明に属
する芳香族架橋ポリアミド系透過膜のような特定アルコ
ール選択膜であるときは、エタノール−水系分離曲線3
1とイソプロパノール−水系分離曲線32とが互いに離
れているので、エタノールは透過膜[3]を透過しやす
い(透過速度が速い)がイソプロパノールは透過しにく
い(透過速度が遅い)。このため、上記3成分混合液よ
りエタノールだけを選択的に分離することができる。更
に、非透過側に当該透過膜を順次接続することにより、
エタノールの分離は向上して原液中のエタノール濃度は
低下していく。
【0024】次に、原液をエタノール−イソプロパノー
ルの2成分混合系液体とし、本発明に属する特定アルコ
ール選択膜からなる透過膜[3]で分離したときの特性
を気液平衡線と併せて図3に示す。
【0025】図3に示すとおり、透過膜[3]による分
離曲線51は、蒸留法で適用される気液平衡線52より
も曲率が大きい。従って、透過側に原液よりもエタノー
ルに富む液体を非透過側に原液よりもイソプロパノール
に富む液体を蒸留法による場合よりも効率よく取り出す
ことができる。このことは、図2に基づいて説明したよ
うに、エタノールとイソプロパノールの透過し易さ(透
過速度)が大きく異なるためと考えられる。
【0026】本発明に用いる好ましい透過膜[3]は、
補強支持基材の上にポリスルホンからなる微多孔質層が
被覆され、その上に芳香族架橋ポリアミド系スキン層が
被覆された3層構造の複合膜である。分離性能を発揮す
る活性層は最上層のスキン層で、2つ以上の反応性のア
ミノ基を有する多官能性アミン化合物と2つ以上の反応
性の酸ハライド基を有する多官能性酸ハロゲン化物との
界面重合によって得られる。
【0027】ここで、アミン成分としては、2つ以上の
反応性のアミノ基を有する多官能性アミン化合物であれ
ば特に限定されず、芳香族、脂肪族または脂環式の多官
能アミンが挙げられる。
【0028】このような芳香族多官能アミンとしては、
例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジア
ミン、1,3,5-トリアミノベンゼン、1,2,4-トリアミノベ
ンゼン、8,5-ジアミノ安息香酸、2,4-ジアミノトルエ
ン、2,4-ジアミノアニソール、アミドール、キシリレン
ジアミン等が挙げられる。また、脂肪族多官能アミンと
しては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミ
ン、トリス(2−アミノエチル)アミン等が挙げられ
る。また、脂環式多官能アミンとしては、例えば、1,3-
ジアミノシクロヘキサン、1,2-ジアミノシクロヘキサ
ン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、2,5-ジ
メチルピペラジン、4-アミノメチルピペラジン等が挙げ
られる。これらのアミンは、単独で用いられてもよく、
2種以上の混合物で用いられても良い。上記の内、好ま
しいのは芳香族アミンである。
【0029】次に多官能性酸ハロゲン化物としては、特
に限定されず、芳香族、脂肪族、脂環式等の多官能性酸
ハロゲン化物が挙げられる。このような芳香族多官能性
酸ハロゲン化物としては、例えば、トリメシン酸クロラ
イド、テレフタル酸クロライド、イソフタル酸クロライ
ド、ビフェニルジカルボン酸クロライド、ナフタレンジ
カルボン酸ジクロライド、ベンゼントリスルフォン酸ク
ロライド、ベンゼンジスルフォン酸クロライド、クロロ
スルフォニルベンゼンジカルボン酸クロライド等が挙げ
られる。
【0030】また、脂肪族多官能性酸ハロゲン化物とし
ては、例えば、プロパントリカルボン酸クロライド、ブ
タントリカルボン酸クロライド、ペンタントリカルボン
酸クロライド、グルタルハライド、アジポイルハライド
等が挙げられる。
【0031】また、脂環式多官能性酸ハロゲン化物とし
ては、例えば、シクロプロパントリカルボン酸クロライ
ド、シクロブタンテトラカルボン酸クロライド、シクロ
ペンタントリカルボン酸クロライド、シクロペンタンテ
トラカルボン酸クロライド、シクロヘキサントリカルボ
ン酸クロライド、テトラハイドロフランテトラカルボン
酸クロライド、シクロペンタンジカルボン酸クロライ
ド、シクロブタンジカルボン酸クロライド、シクロヘキ
サンジカルボン酸クロライド、テトラハイドロフランジ
カルボン酸クロライド等が挙げられる。これらの酸ハラ
イドは、単独で用いられてもよく、2種以上の混合物で
用いられてもよい。好ましいのは、芳香族多官能性酸ハ
ロゲン化物である。
【0032】本発明に用いる機器類の型式は、流体と接
触する部分に耐液性があれば何でも良いが、一般的に、
送液ポンプは遠心式か容積式が、予熱器と凝縮器は間接
多管式か間接コイル式が、真空ポンプは油回転式や水封
式や容積式が用いられる。
【0033】
【実施例】
−実施例1− 本例は、エタノール−イソプロパノール−水の3成分混
合系液体を原液とし、この原液からエタノールを分離す
る例である。図1のシステムを用いて本発明のアルコー
ル分離方法を実施した。各種条件は以下の通りである。
【0034】(1)原液条件 組成:エタノール/イソプロパノール/水=8/15/
77[重量%] 圧力:大気圧=1[atm] 温度:20[℃] 流量:100[kg/hr]
【0035】(2)機器仕様 透過膜:下記化学式で示される日東電工(株)製NTR-75
9HR-S8(膜面積=28[m2/本])×1本
【化1】 送液ポンプ:遠心渦巻式(電力=20[W])×1台 予熱器:間接多管式(伝熱面積=2.5m2)×1台 凝縮器:間接多管式(伝熱面積=1.4m2)×1台 真空ポンプ:油回転式(電力=3.7[KW])×1台
【0036】(3)操作条件 透過膜操作温度:50〜30℃ 透過側真空圧力:0.04[atm] 熱媒条件:60[℃]温水×35[l/hr] 冷媒条件:2[℃]冷凍水×30[l/hr]
【0037】(4)処理条件 <非透過液> 流量:80.4[kg/hr] 組成:エタノール/イソプロパノール/水=3.5/1
7.4/79.1[重量%] 温度:30[℃] <透過ガス(凝縮前)> 流量:19.6[kg/hr] 組成:エタノール/イソプロパノール/水=26.5/
5.1/68.4[重量%]
【0038】上記の通り、原液中のイソプロパノール濃
度を低下させることなく、エタノール濃度を原液中の8
重量%から非透過液において3.5重量%に低減するこ
とができた。また、透過ガスにおいてエタノール濃度を
26.5重量%にまで濃縮することができた。従って、
蒸留法では分離困難であった2種類のアルコールを本発
明方法によれば分離可能であることが判った。
【0039】−実施例2− 本例は、エタノール−イソプロパノールの2成分混合系
液体を原液とし、この原液からエタノールを分離する例
である。図1のシステムのうち非透過側に予熱器及び透
過膜を交互に3つ接続し、合計4段としたシステムを用
いて本発明のアルコール分離方法を実施した。尚、各段
の透過ガスは合流して1つの凝縮器を通過するように配
管した。各種条件は以下の通りである。
【0040】(1)原液条件 組成:エタノール/イソプロパノール=10/90[重
量%] 圧力:大気圧=1[atm] 温度:20[℃] 流量:30[kg/hr]
【0041】(2)機器仕様 透過膜:実施例1のものと同質の日東電工(株)製NTR-
759HR-S8(膜面積=28[m2/本]×4本=112
[m2])×4本(=1本/段×4段) 送液ポンプ:遠心渦巻式(電力=40[W])×1台 予熱器:間接多管式(伝熱面積=0.4m2)×4台 凝縮器:間接多管式(伝熱面積=1.2m2)×1台
(各段共用) 真空ポンプ:油回転式(電力=1.5[KW])×1台
(各段共用)
【0042】(3)操作条件 透過膜操作温度:50〜30℃(各段同一) 透過側真空圧力:0.04[atm](各段同一) 熱媒条件:60[℃]温水×25[l/hr/4段一
式] 冷媒条件:2[℃]冷凍水×30[l/hr]
【0043】(4)処理条件 <非透過液(最終段)> 流量:5.2[kg/hr] 組成:エタノール/イソプロパノール=2.0/98.
0[重量%] 温度:30[℃] <透過ガス(合流後凝縮前)> 流量:24.8[kg/hr] 組成:エタノール/イソプロパノール/水=11.7/
88.3[重量%]
【0044】上記の通り、エタノール濃度を原液中の1
0重量%から非透過液において2重量%に低減すること
ができた。換言すれば、原液のイソプロパノール濃度を
90重量%から98重量%に高めることができた。この
ときに要した熱量は約6000[kcal/hr]であ
った。因みに同様の物質収支となる操作を蒸留法で実施
すると、約15000[kcal/hr]の熱量を要す
る。このことは本例のアルコール分離方法が蒸留法の約
40%の所要熱量で操作できることを示しており、本発
明方法が省エネルギーシステムであることを裏付けるも
のである。
【0045】
【発明の効果】本発明により、水より沸点の低い2種類
以上のアルコール成分を含有する又はいずれも水の沸点
よりも高い2種類以上のアルコール成分を含有する排水
などの水溶液や、沸点が接近していて蒸留法では分離困
難な2種類以上のアルコール混合液より、特定のアルコ
ール成分を効率よく分離することができ、排水浄化や有
価物再利用を低エネルギーで実施できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のアルコール分離方法を構成する基本フ
ロー図である。
【図2】透過膜に基づくエタノール−水系分離曲線及び
イソプロパノール−水系分離曲線を気液平衡線と比較し
て示した図である。
【図3】透過膜に基づくエタノール−イソプロパノール
系分離曲線を気液平衡線と比較して示した図である。
【符号の説明】
1 送液ポンプ 2 予熱器 3 透過膜 4 凝縮器 5 真空ポンプ S 原液 H 熱媒 M 保温材 C 冷媒 T 透過凝縮液 G 透過不凝縮ガス L 非透過液
フロントページの続き (72)発明者 川島 敏行 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2種類以上のアルコール成分を含有する溶
    液より、透過膜を用いた浸透気化法により特定のアルコ
    ール成分を分離する方法において、 前記透過膜が特定のアルコールに対しては水よりも速く
    透過させ、他のアルコールに対しては水よりも遅く透過
    させるものであることを特徴とする浸透気化法によるア
    ルコール分離方法。
  2. 【請求項2】前記透過膜が、2つ以上の反応性のアミノ
    基を有する多官能性アミン化合物と2つ以上の反応性の
    酸ハライド基を有する多官能性酸ハロゲン化物とからな
    る架橋ポリアミド系である請求項1に記載の浸透気化法
    によるアルコール分離方法。
  3. 【請求項3】前記溶液が、水溶液である請求項1又は2
    に記載の浸透気化法によるアルコール分離方法。
  4. 【請求項4】前記2種類以上のアルコールが、いずれも
    水の沸点より低いか又はいずれも水の沸点よりも高い沸
    点を有する請求項3に記載の浸透気化法によるアルコー
    ル分離方法。
  5. 【請求項5】前記溶液が、2種類以上のアルコール成分
    からなり、それらアルコール成分の沸点の最大値と最小
    値との差が10℃以下である請求項1又は2に記載の浸
    透気化法によるアルコール分離方法。
  6. 【請求項6】前記透過膜の透過側及び非透過側の少なく
    とも一方に前記透過膜と同質の第2の透過膜を接続し、
    透過ガス又は非透過液を再度浸透気化法により分離する
    請求項1〜5のいずれかに記載の浸透気化法によるアル
    コール分離方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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