JPH09299757A - 排気ガス浄化触媒担持用構造体及び該構造体に触媒を担持した触媒構造体 - Google Patents

排気ガス浄化触媒担持用構造体及び該構造体に触媒を担持した触媒構造体

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JPH09299757A
JPH09299757A JP8139406A JP13940696A JPH09299757A JP H09299757 A JPH09299757 A JP H09299757A JP 8139406 A JP8139406 A JP 8139406A JP 13940696 A JP13940696 A JP 13940696A JP H09299757 A JPH09299757 A JP H09299757A
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catalyst
exhaust gas
metal
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Yukio Ozaki
幸雄 小崎
Makoto Nagata
誠 永田
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NE Chemcat Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大掛かりで高価な設備を用いなくても製造で
き、均一な処理が可能であり、形状や大きさに制約を受
けない、金属製基材と触媒との密着性に優れた排気ガス
浄化用触媒構造体を提供する。 【解決手段】 金属製基材の表面に、金属酸化物、金属
窒化物、金属炭化物等の粉末が分散しているポリシラザ
ン化合物等の焼成生成物からなる被膜が設けられ、該被
膜に触媒が担持された排気ガス浄化用触媒構造体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関、ボイラ
ー、ガスタービンなどから排出される排気ガスの浄化に
用いられるもので、金属製基材と触媒とが高い密着性を
有する排気ガス浄化用の触媒構造体及び該触媒構造体の
製造に適した触媒担持用構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関、ボイラー、ガスタービンなど
から排出される排気ガスを浄化する触媒の基材として圧
力損失の少ないハニカム状のものが多用され、その材料
にはコーディライトなどのセラミックスが使用されてき
た。
【0003】近年、振動、衝撃に強いため破損しにくい
こと、圧力損失がより少ないこと、温度上昇が早いこと
などの理由から金属を材料とする基材が使用され始め
た。圧力損失をさらに少なくする必要がある用途では、
側壁に多数の貫通孔があいている金属製の円筒状や円錐
形状のもの、あるいは十字プレート状のものなどが考案
されている。
【0004】しかし、金属製基材に触媒を直接坦持した
ものは、水蒸気を含む排気ガスに晒されると金属製基材
から触媒へ鉄イオンなどの触媒毒として作用する物質の
溶出が起こり、触媒活性が低下する。また、運転・休止
の繰り返しによる金属製基材の熱膨張・収縮や振動に起
因して触媒層が金属製基材から脱落しやすいなど問題が
あった。そこでこの問題を解決するため金属製基材と触
媒層との間に2層の中間層を設け、金属製基材側にはニ
ッケルクロム合金、ステンレス鋼などのクロムを含む金
属質を、触媒層側にはアルミナなどのセラミック質をそ
れぞれプラズマ溶射する方法が報告された(自動車技術
Vol.47,No.5、1993)。
【0005】また、高温において使用される金属部材、
例えば自動車の排気管、マフラー部などの耐蝕性を改善
することを目的にしてポリシラザンを焼成して得られた
熱分解物で被覆する方法が開示された(特開平5−34
5983号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
プラズマ溶射で中間層を設ける方法は処理設備が高価で
あること、均一な処理が困難であること、金属製基材に
設けられた孔の口径が小さいと孔の内面へ溶射するのが
困難であるため適用できる形状が限定され、従って用途
が限定されるなどの問題がある。また、特開平5−84
5983号に開示された方法は金属部材に耐蝕性を与え
る方法であって、排気ガス浄化用の触媒構造体について
は何ら触れていない。
【0007】そこで、本発明は、金属製基材を用いた排
気ガス浄化触媒が有する従来の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、高価な設備を用いなくて
も製造でき、均一な処理が可能であり、形状や大きさに
制約されない、金属製基材と触媒との密着性に優れた排
気ガス浄化用の触媒構造体及び該触媒構造体の製造に適
した触媒担持用構造体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、第一に、金属
製基材(a) と、該基材の少なくとも一部の表面に設けら
れた被膜(b) とを有する構造体であって、前記被膜(b)
が、実質的にけい素、窒素及び酸素からなる焼成生成物
で形成された厚さが0.1〜3μmの層と、該焼成生成
物の層に分散された、金属酸化物、金属窒化物、金属炭
化物及びこれらの2種以上の複合化合物からなる群から
選ばれた少なくとも1種の金属化合物の粉末であって、
平均粒子径が0.3〜10μmである粉末とからなる、
排気ガス浄化触媒担持用構造体を提供する。
【0009】本発明は第二に、上記の構造体の被膜(b)
上に排気ガス浄化触媒(c) が担持されてなる排気ガス浄
化用の触媒構造体を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の触媒構造体においては、
担持される触媒が被膜を介して金属製基材に対し高い密
着性を有する。排気ガス浄化触媒はこの被膜に担持され
ているので、金属基材に触媒毒となる元素が含まれてい
たとしてもその影響を受けない。
【0011】図1は本発明の触媒担持用構造体の表面構
造例を示す模式的な断面図であり、金属基材1の表面が
被膜2で覆われている。被膜2は焼成生成物からなる層
3と層3に分散した金属化合物粒子4とにより構成され
ている。触媒は被膜2上に担持され、触媒構造体が形成
される。(a) 金属製基材 本発明に用いられる金属製基材の形状に制約はない。従
来排気ガス浄化触媒を担持させるのに用いられてきたい
ずれの形状のものも基材として使用するとができる。そ
れには、排気ガスとの効率的な接触が達成されるように
工夫された種々の形状、構造のものがある。例えばハニ
カム状、円筒状、円錐状、湾曲状、螺旋状、プレート
状、十字プレート状、リボン状、リング状、網状、線状
などが挙げられる。形状と大きさは使用条件に応じて適
宜選択することができる。
【0012】また、金属製基材の材質にも制約はなく、
例えばステンレス鋼、炭素鋼、銅、アルミニウム、マグ
ネシウム、チタン、ジルコニウム、ニッケルやこれらの
金属の合金を用いることができる。(b) 被膜 被膜は実質的にけい素、窒素及び酸素からなる焼成生成
物で形成された層と、それに分散した金属酸化物等の粉
末粒子とからなる。焼成生成物層の厚さは約0.1〜3
μmでよく、好ましくは0.5〜1.5μmである。こ
こで焼成生成物層の厚さとは、被膜の金属化合物粒子が
存在しない部分の厚さを意味し、図1においてはAで示
される厚さである。分散される金属化合物の粉末粒子は
被膜表面に凹凸を形成する。この凹凸のために触媒の密
着性が良好となる。したがって、焼成生成物からなる層
の厚さと金属化合物の粒子径は重要である。凹凸の効率
的形成の点では、金属化合物の平均粒子径が焼成生成物
層の厚さ以上であることが好ましい。
【0013】焼成生成物層は実質的にけい素、窒素及び
酸素からなるが、具体的には後述するように、ポリシラ
ザン化合物の焼成により得られるものが代表的であり、
緻密で化学的にも安定している。用いる原料次第では他
の元素が少量存在してもよい。
【0014】被膜の基層を構成する焼成体としては、例
えばポリシラザン化合物を焼成することにより生成する
ものがある。
【0015】ここで用いられるポリシラザン化合物と
は、式−SiH2 −NH−で表されるシラザン単位を繰
返し単位として有する化合物を意味し、場合によっては
その他の構造、例えば式−SiH2 −O−SiH2 −で
示されるシロキサン単位が繰返された構造を有していて
もよい。そして分子全体の構造は直鎖状、環状もしくは
分岐した構造、またはこれらの複合した構造のいずれで
もよい。なお、シラザン単位やシロキサン単位中の水素
原子は一部置換されていてもよいが、好ましくは非置換
である。
【0016】該ポリシラザン化合物の具体的な例として
は、実質的に式−[SiH2 −NH]n −(nは重合
度)で表されるポリシラザン(数平均分子量 100〜50,0
00が好ましい)、及び繰返し単位として式−SiH2
NH−で表されるシラザン構造と式−SiH2 −O−S
iH2 −で表されるシロキサン構造とを有するポリシロ
キサザン(特開昭62−195024号公報参照)があ
げられる。
【0017】ポリシラザンの製造方法は何ら限定されな
いが、例えば特開平1−138108号公報に記載のよ
うに、ポリシラザンを加熱して高重合度化したもの(数
平均分子量 200〜50,000);特開平1−138107号
公報に記載のようにポリシラザンをアンモニアまたはヒ
ドラジンによる脱水素反応により改質したもの;特開平
5−345983号公報に記載の製造方法により、即
ち、ジクロロシラン等のハロシランをピリジンの如き塩
基と反応させて得られるアダクトをさらにアンモニアと
反応させることにより得られるポリシラザン等が挙げら
れる。
【0018】以上説明したポリシラザン化合物は1種単
独でも2種以上の組合せでも使用することができる。
【0019】ポリシラザン化合物の中でも特に好ましい
ものは実質的に式−[SiH2 NH]n −(nは重合
度)で表されるポリシラザンであり、特に数平均分子量
が500 〜5,000 、さらには1,000 〜1,400 のものであ
る。
【0020】ポリシラザン化合物は分子量及び分子構造
に応じて異なる粘度を有する液体ないしは固体である。
低粘度の液体の場合には、そのままでも使用できるが、
必要に応じ焼成生成物層の厚さを制御するためにm−キ
シレン、o−キシレン等の各種有機溶剤により適当に希
釈して用いるのがよい。
【0021】上記焼成生成物からなる層に分散される金
属化合物粉末は、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物
及びこれらの2種以上の複合化合物から選ばれる。金属
酸化物としては、例えばアルミナ、シリカ、ジルコニ
ア、チタニア、セリアなどが挙げられる。金属窒化物の
例としては、窒化珪素、窒化チタンなど、金属炭化物の
例としては炭化珪素、炭化チタンなどが挙げられる。複
合化合物としては、セリア−ジルコニア複合酸化物、シ
リカ−アルミナ複合酸化物等が挙げられる。これら金属
酸化物、金属窒化物、金属炭化物及び複合化合物は1種
単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いて
もよい。
【0022】被膜における金属化合物粉末の量は、5〜
40重量%が好ましく、10〜30重量%がより好まし
い。
【0023】本発明の触媒構造体において被膜は基材の
排気ガスと接触する表面に形成される。基材の形状、触
媒構造体の実際の使用状況に応じて基材の全表面に形成
してもよいし、部分的に形成してもよい。例えば、排気
ガスの流れの方向に多数の穴が穿たれた円筒状ハニカム
からなる基材の場合、排気ガスと接触する孔内表面に被
膜を設ける。
【0024】触媒 坦持される触媒にも何ら制約はなく、排気ガス浄化触媒
として知られるいずれの触媒も使用することができ、用
途、使用条件に応じてより適切な触媒を選択すればよ
い。触媒の例としては、従来より排気ガス浄化に用いら
れている多孔質の金属酸化物に貴金属を1種又は数種を
坦持した触媒、あるいは貴金属に加えてセリア、ジルコ
ニアなどの助触媒を更に坦持した触媒などが挙げられ
る。製造方法 本発明の触媒担持用構造体及び触媒構造体は、例えば次
のようにして製造される。
【0025】まず、ポリシラザン化合物の溶液に上記の
金属化合物の粉末を混合し分散させた塗布液を準備す
る。溶媒には、例えばm−キシレン、o−キシレン等の
有機溶剤を用いることができる。この場合、ポリシラザ
ン化合物の溶液に直接金属化合物粉末を混合してもよ
い。
【0026】あるいは、塗布液中に金属化合物粉末をよ
り良く分散させるために、ポリシラザンの溶液とは別個
に、m−キシレン、o−キシレン等の有機溶剤に分散剤
を混合し、それに金属化合物粉末を混合した粉末分散液
を調製し、しかるのちにポリシラザン化合物溶液と粉末
分散液とを混合して塗布液を調製するのが好ましい。用
いる分散剤には特に制限はなく、用いる有機溶媒に可溶
性で焼成処理により二酸化酸素と水を生成して消散し、
生成する焼成生成物に悪影響を及ぼさない有機高分子化
合物であればいずれも使用することができる。市販の商
品名としては、例えばゼネカ社製ソルスパース#300
0、#9000、#17000が挙げられ、好ましくは
#9000及び#17000が使用される。
【0027】粉末分散液の調製は、粉末重量に対して分
散剤を5〜100重量%、好ましくは10〜50重量%
用い、粉末と分散剤の合計に対して有機溶剤を2〜40
倍容量、好ましくは5〜20倍容量用いる。先ず、有機
溶剤に分散剤を添加し、ボールミルで5〜60分混合す
る。次に粉末を加えて0.5〜10時間、好ましくは1
〜5時間混合して粉末分散液とする。
【0028】そして、m−キシレン、o−キシレン等の
有機溶剤で適当に希釈されたポリシラザン溶液と上記粉
末分散液を混合して塗布液とする。ポリシラザンを希釈
する有機溶剤の量、希釈されたポリシラザン溶液と粉末
分散液の混合比率は、所望する焼成生成物層の厚さ、粉
末の所望する分散状態により適宜決めればよい。
【0029】塗布液を金属製基材に塗布する方法に制約
はなく、浸漬、刷毛塗り、流し塗り、スプレー塗りなど
従来慣用されている方法を金属製基材の形状、大きさに
応じて適宜選択することができる。
【0030】なお、塗布液を塗布する前に金属製基材を
清浄にすることが好ましい。この清浄化処理は、市販の
中性洗剤で脱脂した後、純水などで洗浄し、80〜10
0℃で20〜60分乾燥すればよい。
【0031】塗布された基材は乾燥し、焼成される。乾
燥は80〜120℃で5〜20分行えばよく、焼成は空
気中250〜600℃で30分〜3時間処理すればよ
い。こうして、金属化合物粉末が分散された焼成生成物
層からなる被膜が基材の所要表面に形成される。こうし
て本発明の触媒担持用構造体が得られ、その被膜は排気
ガス浄化触媒を安定に担持させるのに非常に適してい
る。
【0032】次に、被膜の上に排気ガス浄化触媒を坦持
する。坦持する方法は従来慣用の方法を用いればよく、
例えば触媒の坦体成分と活性成分を同時に坦持してもよ
いし、あるいは先ず、坦体成分を坦持し、その後に活性
成分を坦持してもよい。所要の成分を含むスラリーを調
製し、浸漬、刷毛塗り、流し塗り、スプレー塗りなど従
来用いられている方法で基材の形状、大きさに応じた方
法で塗布すればよい。こうして本発明の触媒構造体が得
られる。
【0033】本発明の触媒構造体は内燃機関、ボイラ
ー、ガスタービンなどから排出される排気ガスの流路に
設置され、排気ガスと接触させることによって該ガスを
浄化する。設置する位置は坦持されている触媒特性によ
り、排気ガスの高温域あるいは低温域など最適位置を選
ぶことができる。
【0034】
【実施例】実施例1 (a)m−キシレン50mlに分散剤1g(ゼネカ社製
ソルスパース#9000)を添加し、ボールミル(ミル
容積100ml、ボール径lmm、ボールを嵩容積で4
0ml充填)で20分混合した後、105℃で1時間乾
燥した市販のγーアルミナ粉末(BET表面積150m
2 /g、平均粒子径1.5μm)5g加え、さらに3時
間混合して粉末分散液とした。この粉末分散液と、別に
調製した20重量%ポリシラザン−80重量%m−キシ
レン溶液とを重量比1:2で混合して塗布液とした。な
お、用いたポリシラザンは東燃株式会社製のポリシラザ
ン(Mwl000〜1400)である。(b)金属製基
材としてステンレス(SUS430)製、外径30mm
×長さ100mm×厚さlmmの円筒側壁に、孔径2m
mで孔の中心間隔3mmの多数の貫通孔を有する円筒状
のものを用いた。これを市販の中性洗剤で脱脂し、純水
で洗浄した後100℃で1時間乾燥した。この基材を
(a)の塗布液に浸潰して塗布し、80℃で10分乾燥
し、さらに空気中450℃で1時間焼成し、触媒担持用
の構造体を得た。た。
【0035】得られたポリシラザンの焼成生成物層の厚
さは約1μmで、ピンホール、ヒビ、割れは観察されな
かった。そして、平均粒子径1.5μmのアルミナ粉末
が焼成生成物層に分散して被膜を形成しており、被膜表
面に凹凸を形成していた。(c)市販のγ−アルミナ粉
末(BET表面積150m2 /g、平均粒子径30μ
m)と市販のセリウム安定化ジルコニア粉末(BET表
面積60m2 /g、平均粒子径10μm)(触媒全重量
に対してアルミナ46重量%、セリウム安定化ジルコニ
ア48重量%)の混合物に、白金5重量%及びロジウム
1重量%を坦持した触媒のスラリーを調製し、刷毛で
(b)で得られたものの全面に塗布した。次いで、10
5℃で2時間乾燥した後、空気中400℃で30分焼成
し、基材lm2 当り40gの触媒が坦持された触媒構造
体(A−1)を得た。実施例2 実施例1(a)において、アルミナ粉末の代わりに市販
のセリウム安定化ジルコニア粉末(BET表面積60m
2 /g、平均粒子径1μm)を用いた以外は実施例1と
同様にして触媒構造体(A−2)を得た。なお、ポリシ
ラザンの焼成生成物層の厚さは約1μmでピンホール、
ヒビ、割れは認められず、それに上記の平均粒子径1μ
mのセリウム安定化ジルコニア粉末が分散して凹凸のあ
る被膜を形成していた。実施例3 実施例1(a)において、アルミナ粉末の代わりに市販
のシリカ粉末(BET表面積400m2 /g、平均粒子
径1μm)を用いた以外は実施例1と同様にして触媒構
造体(A−3)を得た。なお、ポリシラザンの焼成生成
物層の厚さは約1μmでピンホール、ヒビ、割れは認め
られず、それに上記の平均粒子径1μmのシリカ粉末が
分散して凹凸のある被膜を形成していた。実施例4 実施例1(a)において、アルミナ粉末の代わりに市販
の炭化珪素粉末(BET表面積15m2 /g、平均粒子
径0.5μm)を用いた以外は実施例1と同様にして触
媒構造体(A−4)を得た。なお、ポリシラザンの焼成
生成物層の厚さは約1μmでピンホール、ヒビ、割れは
認められず、それに上記の平均粒子径0.5μmの炭化
珪素粉末が分散して凹凸のある被膜を形成していた。比較例1 実施例1(b)で用いたと同様の金属製基材を、実施例
1(b)と同様に清浄化処理した後アルミナをプラズマ
溶射した。得られた膜厚は基材の外側面が約30μm、
内側面が約5μmで、膜にピンホール、ヒビ、割れは観
察されなかった。この膜に実施例1(c)と同様にして
触媒を坦持し触媒構造体(B−1)を得た。比較例2 実施例1(a)において、粉末分散液を用いず、13重
量%ポリシラザン−87重量%m−キシレン溶液のみを
そのまま塗布液として用いた。実施例1(b)におい
て、アルミナ粉末が分散していない厚さ約1μmの膜を
形成したこと以外は実施例1(b)及び(c)と同様に
して触媒構造体(B−2)を得た。性能評価例1 実施例1〜4及び比較例1〜2で得られた触媒構造体に
ついて、次の方法で触媒の密着性を試験した。まず、試
験の前に予め各触媒構造体を秤量しておいた。その後、
300℃に保持された電気炉に触媒構造体を入れ300
℃で1時間保持した。触媒構造体を電気炉から取り出
し、直ちに水中に入れた。この加熱・水中冷却をさらに
2回繰り返した。次に、触媒構造体を105℃で1時間
乾燥した後、秤量した。なお、いずれの場合も、構造体
に触媒を坦持する前後で触媒構造体を秤量し、各触媒構
造体に坦持された触媒重量を予め測定しておいた。次の
式により触媒の剥離率を求めた。なお、触媒以外は剥離
しなかった。
【0036】 (A):試験前の触媒構造体重量 (B):試験後の触媒構造体重量 結果を表1に示す。
【0037】
【表1】 表1より、本発明の触媒構造体は、比較例のステンレス
基材にアルミナをプラズマ溶射した触媒構造体(B−
1)に匹敵する密着性を有することが示された。アルミ
ナ粉末がポリシラザン焼成膜に分散されていない触媒構
造体(B−2)は密着性が低く、膜に酸化物などの粉末
を分散させて凹凸を形成させたことが密着性向上に寄与
していることがわかる。性能評価例2 実施例1〜2及び比較例1の触媒構造体について、2輪
車エンジンを用いて着火温度と排気ガス浄化率を試験し
た。着火温度の測定は30km/時走行に相当する運転
条件下で行った。排気ガス浄化率試験は、アイドリング
時、30km/時及び50km/時走行に相当する運転
条件下で、炭化水素(HC)と一酸化炭素(CO)の浄
化率を測定した。着火温度試験結果を表2に、排気ガス
浄化率試験結果を表3に示す。
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】 表2より、本発明の触媒構造体(A−1)及び(A−
2)は、比較例のステンレス基材にアルミナをプラズマ
溶射した触媒構造体(B−1)より着火性能が優れてい
る。また、表3より、本発明の触媒構造体はいずれも、
比較例の触媒構造体に比べてHCの浄化率が高く、CO
の浄化率は同等又はそれ以上である。
【0040】このように、本発明の触媒構造体は、同一
の触媒の担持にもかかわらず、ステンレス基材にアルミ
ナをプラズマ溶射した触媒構造体に比較して、密着強度
において同等であり、着火性能とHC浄化率が上廻り、
CO浄化率は同等又はそれ以上である。
【0041】
【発明の効果】本発明の触媒構造体は、大掛かりで高価
な設備を用いなくても容易に製造することができ、金属
製基材に耐蝕性並びに触媒との優れた密着性能を付与す
る被膜を均一に形成することが可能であり、金属製基材
の形状、大きさに制約を受けない利点を有する。担持さ
れた触媒の密着性が高いので触媒構造体は高い耐久性を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の触媒担持用構造体の表面構造例を模式
的に示した断面図である。
【符号の説明】
1 金属製基体 2 被膜 3 焼成生成物 4 金属化合物粒子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製基材(a) と、該基材の少なくとも
    一部の表面に設けられた被膜(b) とを有する構造体であ
    って、 前記被膜(b) が、実質的にけい素、窒素及び酸素からな
    る焼成生成物で形成された厚さが0.1〜3μmの層
    と、該焼成生成物の層に分散された、金属酸化物、金属
    窒化物、金属炭化物及びこれらの2種以上の複合化合物
    からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属化合物の
    粉末であって、平均粒子径が0.3〜10μmである粉
    末とからなる、排気ガス浄化触媒担持用構造体。
  2. 【請求項2】 前記焼成生成物層がポリシラザン化合物
    の焼成生成物からなる、請求項1に記載の排気ガス浄化
    触媒担持用構造体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の構造体の前記被
    膜(b) 上に排気ガス浄化触媒(c) が担持されてなる排気
    ガス浄化用の触媒構造体。
JP8139406A 1996-05-09 1996-05-09 排気ガス浄化触媒担持用構造体及び該構造体に触媒を担持した触媒構造体 Pending JPH09299757A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102004051376A1 (de) * 2004-09-13 2006-03-30 Matthias Mangold Herstellungsverfahren für ein Abgasreinigungsmittel und Abgasreinigungsmittel

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