JPH09299205A - 照明装置付き展示ケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 展示室の中央部に設置する展示ケースにおい
て、内部に収容した展示物に影を作ることなく効果的に
照らすことができるとともに、天板部を軽量、小型化で
き、しかも透光性の側面板に視線を遮る配線を必要とし
ない照明装置付き展示ケースを提供する。 【解決手段】 展示物Ｐを載置するベース台１上に、周
囲を少なくとも一部が透光性の側面板３で囲い、上端に
非透光性の天板４を設けて展示部２を形成するととも
に、前記ベース台に内蔵した光源６から発した照明光Ｒ
を前記側面板の内面に沿って天板に照射し、該天板に設
けた反射面７にて下方の展示物を照射してなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、展示室の中央部に
設置する照明装置付き展示ケースに係わり、更に詳しく
は周囲を透光性の側面板で囲まれた展示部に陳列された
展示物を効果的に照らすことが可能な照明装置付き展示
ケースに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の照明装置付き展示ケースは、図１
２に示すように、上面に展示物を陳列するベース台１０
０の上部に、周囲を４面をガラス板１０１，…で囲い、
その上部に照明装置を内蔵した天板部１０２を設けた構
造のものが提供されている。

【０００３】しかし、この天板部１０２は、照明装置を
内蔵するために上下寸法を大き設定してあり、そのため
重量が重く不安定であり、しかも威圧感があった。ま
た、この種の展示ケースを設置する展示室の全体のデザ
インからすると、この大きな天板部の存在は非常に見苦
しいものである。更に、照明装置に供給する電源は、ベ
ース台からガラス板のコーナー部内面に沿って電線を配
線して供給していたので、配線部分が露出し且つ視線を
遮る問題があった。更に、天板部からベース台の上面に
載置した展示物を照らすため、展示物の形状及び大きさ
によっては影ができる場合があった。

【０００４】一方、光源からの照明光を直接照射せず、
照明光を壁面等で乱反射させた後、展示物に照射する間
接照明装置は、室内照明において従来から広く採用され
ている手法である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が前述
の状況に鑑み、解決しようとするところは、展示室の中
央部に設置する展示ケースにおいて、内部に収容した展
示物に影を作ることなく効果的に照らすことができると
ともに、天板部を軽量、小型化でき、しかも透光性の側
面板に視線を遮る配線を必要としない照明装置付き展示
ケースを提供する点にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、展示物を載置
するベース台上に、周囲を少なくとも一部が透光性の側
面板で囲い、上端に非透光性の天板を設けて展示部を形
成するとともに、前記ベース台に内蔵した光源から発し
た照明光を前記側面板の内面に沿って天板に照射し、該
天板の一部又は全部に設けた反射面にて下方の展示物を
照射してなる照明装置付き展示ケースを構成することに
より、前述の課題の解決を図った。

【０００７】そして、前記展示部が、側面板で囲まれた
平面視多角形状を有し、前記光源から発した照明光を前
記側面板のコーナー部の内面に沿って天板に照射してな
ると、ベース台に載置した展示物が大きくても、側面板
のコーナー部の内面側部分は、展示物によって照明光が
完全に遮られることがないので、展示物を上下から満遍
なく照らすことができるとともに、照明光の照度が高
く、空気中の微細な浮遊物で乱反射して光線が見えて
も、照明光は側面板のコーナー部内面に沿っているの
で、側面板の正面方向から展示物を見る上では何ら支障
が生じないのである。

【０００８】また、前記展示部が、単又は複数の湾曲し
た側面板で囲まれた平面視円筒形状を有し、前記光源か
ら発した照明光を前記側面板の内面に沿って天板に照射
してなると、展示ケース自体が意匠的に優れ、展示効果
がより高くなる。

【０００９】ここで、前記天板の下面であって、前記光
源から発した照明光に照射される部分に傾斜又は湾曲し
た反射面を形成してなると、反射面で確実に照明光を反
射して上方からの展示物を照らすことができ、下方から
の照明光と上方からの反射した照明光の照度差を少なく
して、展示物に明暗を生じさせずに照らすことができ
る。

【００１０】また、前記天板の下面であって、前記光源
から発した照明光に照射される部分に、角度変更可能な
反射板を設けてなる場合も、前記同様に展示物を効果的
に照らすことができるとともに、展示物の形状及び大き
さに応じて反射板の角度を調節することによって、展示
物を最適に照らすことが可能である。

【００１１】

【発明の実施の形態】次に添付図面に示した実施形態に
基づき更に本発明の詳細を説明する。図１〜図６は本発
明の照明装置付き展示ケースを示し、図中１はベース
台、２は展示部、３は側面板、４は天板、５は照射口を
それぞれ示している。

【００１２】本発明の照明装置付き展示ケースは、展示
物を載置するベース台１上に、周囲を透光性の側面板３
で囲い、上端に非透光性の天板４を設けて展示部２を形
成するとともに、前記ベース台１に内蔵した光源６から
発した照明光Ｒを前記側面板３の内面に沿って天板４に
照射し、該天板４に設けた反射面７にて下方の展示物を
照射するものである。

【００１３】更に具体的には、前記ベース台１の内部に
は、ハロゲンランプからなる光源６が設置されており、
該光源６から発生した照明光はライトガイド８によっ
て、ベース台１の上面９であって側面板３に内側近傍位
置に設けた照射口５に導かれる。そして、前記照射口５
から出た照明光Ｒは、一部が前記上面９に載置した展示
物Ｐを下方から照射しながら、該展示物Ｐの側方であっ
て前記側面板３に沿って上方へ進み、天板４の下面に設
けた反射面７を照射し、該反射面７で反射された照明光
Ｒは上方から展示物Ｐを照射するのである。

【００１４】前記展示部２は、ベース台１の上面９の周
囲に少なくとも３枚、本実施形態では４枚のガラス板か
らなる側面板３，…を立設し、そのうちの３枚はコーキ
ング材１０で連結し、他の１枚は開閉自在となして展示
物Ｐを出し入れできるようにしている。前記側面板３
は、透光性を有する場合は、ガラス板の外に透明な合成
樹脂、例えばアクリル樹脂等で作成することができ、ま
た非透光性を有する場合には、素材は各種のものを用い
ることができ、透光性を有する素材であっても非透光性
塗料を塗布したり、非透光性シートを貼着しても良い。
ここで、開閉自在な側面板３の開閉機構は、何ら限定さ
れるものではなく、例えばベース台１と天板４とにレー
ルを設けておき、側面板３をこのレールに沿ってスライ
ドさせる構造、あるいは側面板３の一側上下端をベース
台１と天板４に枢着して回動開閉する構造等が採用でき
る。尚、４枚の側面板３ともコーキング材１０で連結し
て、天板４を側面板３，…に着脱自在となして、天板４
を外して展示物Ｐを出し入れしても良い。

【００１５】前記照射口５は、隣接する側面板３，３で
形成される各コーナー部の内側近傍であって、前記ベー
ス台１の上面９に開口して設けてある。そして、前記照
射口５には、前記天板４の反射面７を照射する必要性か
ら指向性を良くするために、集光レンズ１１を内部に設
けてあり、そしてカップリング１２を用いて前記上面９
を構成する周囲のカバー部材１３に取付けている。本実
施形態では、前記光源６は一つであり、該光源６で発生
した照明光を前記ライトガイド８で分岐して、各照射口
５，…に導いている。これにより、光源６の数よりも多
い照射口５をベース台１の上面９に設けることが可能で
あり、高価な光源６を少なくできて、コスト低減が図れ
るとともに、電気代の節約にもなる。また、光源６は低
い位置にあるベース台１に内蔵しているので、光源６の
メンテナンスが極めて容易になる。

【００１６】そして、前記天板４は、下面のコーナー部
に三角形状の反射面７，…が、その法線を展示部２の中
心方向へ向けて傾斜状に形成されている。また、天板４
の下面側縁であって、前記反射面７，…以外の部分にも
傾斜面１４を形成し、その法線を内向き設定している。
前記反射面７は、完全な鏡面である必要はなく、乱反射
するように表面をやや粗面化したものでも良く、例えば
傾斜した面に光を反射する被膜をめっき処理によって形
成したり、銀色の塗膜をコーティングして形成するこ
と、あるいは反射面７を金属板で形成することも可能で
ある。また、前記傾斜面１４も照明光Ｒを反射若しくは
乱反射する面としても良い。このように、本実施形態の
天板４の下面は、多面体に加工したものであり、金属板
を適宜な形状にプレス加工して形成したり、合成樹脂で
一体成形して形成しても良い。つまり、本発明の天板４
は、下面に前記反射面７を形成すれば足りるので、上下
寸法を非常に薄くできるとともに、軽量化できるのであ
る。

【００１７】また、前記ベース台１の上面９は、周囲に
前述の如く帯状のカバー部材１３を設け、該カバー部材
１３より内側には展示物Ｐを載置する載置板１５を設け
ている。尚、この載置板１５は、表面にクロス１６を貼
っている。

【００１８】また、本実施形態では、ベース台１の上面
９のコーナー部に設けた各照射口５，…に、一つの光源
６からライトガイド８，…によって照明光を導いたが、
勿論各照射口５，…にそれぞれ直接光源を設けても良
い。

【００１９】図７は、本発明の他の実施形態を示し、前
記天板４の下面側であって、前記照射口５，…の直上に
対応するコーナー部に角度調節可能な反射板１７を設け
たものであり、この場合には前述のように天板４の下面
を多面体に加工する必要はないが、角度調節可能な反射
板１７と多面体の傾斜面とを組合せることも可能であ
る。

【００２０】また、図８には、前記展示部２の内部に陳
列した展示物Ｐが、湿気によって変質するもの、あるい
は湿気を嫌うものである場合には、前記カバー部材１３
で覆われた凹溝部１８に、湿気を吸収する吸湿性能があ
るシリカゲルや塩化カルシウム等の顆粒体を通気性を有
する袋又は容器に充填した調湿剤１９を収容することも
好ましい。ここで、前記カバー部材１３は、通気性を持
たせるために、パンチングメタルやメッシュ等で形成
し、多数の通気孔２０，…を開設したものを用いる。

【００２１】また、図９に示したものは、４枚の側面板
３，…を用いて平面視正方形状の展示部２を構成したも
のであり、４枚の側面板３，…のうち少なくとも１枚の
側面板３を透光性となし、他の側面板３，…を非透光性
となしたものである。尚、図９において斜線部分は非透
光性の部分を示している。

【００２２】更に、図１０に示したものは、単又は複数
の湾曲した側面板３で囲まれた平面視円筒形状の展示部
２を有し、図示てないが前記同様に光源から発した照明
光を湾曲した側面板３の内面に沿って天板４に照射する
構造のものである。平面視円筒形状の前記展示部２を構
成する側面板３の全面が透光性を有していても、また周
囲の一部のみが透光性を有し、他の部分が非透光性を有
していても良い。具体的には、１枚の湾曲した側面板３
で展示部２を構成した場合には、その側面板３の少なく
とも一部が透光性を有し、複数枚の湾曲した側面板３，
…で展示部２を構成した場合には、その側面板３，…の
うちの少なくとも１枚を透光性となし、他の部分又は側
面板３，…を非透光性となすのである。尚、図１０にお
いて斜線部分は非透光性の部分を示している。

【００２３】そして、前述の実施形態では、天板４の下
面の一部を平面的な反射面７となしたが、この反射面７
は湾曲した曲面であっても良く、更に図１１に示すよう
に天板４の下面の全面が曲面で形成され、そのうちの一
部を反射面７としても、また全面を反射面７としても良
い。

【００２４】

【発明の効果】以上にしてなる本発明の照明装置付き展
示ケースによれば、以下の顕著な効果を奏する。

【００２５】請求項１によれば、展示室の中央部に設置
する展示ケースにおいて、内部に収容した展示物に影を
作ることなく効果的に照らすことができるとともに、天
板部を軽量、小型化でき、しかも透光性の側面板に視線
を遮る配線を必要としない照明装置付き展示ケースを提
供できる。また、展示部の上部が軽量化されることによ
り、重心が低くなって耐震性に優れ、天板の寸法が小さ
くなることから、展示室における観覧者の視線を遮るこ
とが減少する。

【００２６】請求項２によれば、ベース台に載置した展
示物が大きくても、側面板のコーナー部の内面側部分
は、展示物によって照明光が完全に遮られることがない
ので、展示物を上下から満遍なく照らすことができると
ともに、照明光の照度が高く、空気中の微細な浮遊物で
乱反射して光線が見えても、照明光は側面板のコーナー
部内面に沿っているので、側面板の正面方向から展示物
を見る上では何ら支障が生じないのである。

【００２７】請求項３によれば、前述の効果に加え、展
示ケース自体が意匠的に優れ、展示効果がより高くな
る。

【００２８】請求項４によれば、反射面で確実に照明光
を反射して上方からの展示物を照らすことができ、下方
からの照明光と上方からの反射した照明光の照度差を少
なくして、展示物に明暗を生じさせずに照らすことがで
きる。

【００２９】請求項５によれば、前記請求項３の効果に
加えて、展示物の形状及び大きさに応じて反射板の角度
を調節することによって、展示物を最適に照らすことが
可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の照明装置付き展示ケースの全体簡略斜
視図である。

【図２】図１のＸ−Ｘ線断面図である。

【図３】図１のＹ−Ｙ線断面図である。

【図４】本発明の照明装置付き展示ケースの上部を示す
省略縦断面図である。

【図５】本発明の照明装置付き展示ケースの下部を示す
省略縦断面図である。

【図６】照明光の照射口を示す部分拡大断面図である。

【図７】本発明の他の実施形態を示す省略部分断面図で
ある。

【図８】調湿剤の収納状態を示す省略部分断面図であ
る。

【図９】平面視正方形状の展示部の１面のみが透光性を
有する展示ケースを示す簡略斜視図である。

【図１０】平面視円筒形状の展示部の一部のみが透光性
を有する展示ケースを示す簡略斜視図である。

【図１１】天板の下面が湾曲した曲面状の反射面となっ
ている展示ケースを示す簡略断面図である。

【図１２】従来の照明装置付き展示ケースを示す簡略斜
視図である。

【符号の説明】

Ｐ 展示物 Ｒ 照明光 １ ベース台 ２ 展示部 ３ 側面板 ４ 天板 ５ 照射口 ６ 光源 ７ 反射面 ８ ライトガイド ９ 上面 １０ コーキング材 １１ 集光レンズ １２ カップリング １３ カバー部材 １４ 傾斜面 １５ 載置板 １６ クロス １７ 反射板 １８ 凹溝部 １９ 調湿剤 ２０ 通気孔

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 展示物を載置するベース台上に、周囲を
   少なくとも一部が透光性の側面板で囲い、上端に非透光
   性の天板を設けて展示部を形成するとともに、前記ベー
   ス台に内蔵した光源から発した照明光を前記側面板の内
   面に沿って天板に照射し、該天板の一部又は全部に設け
   た反射面にて下方の展示物を照射してなることを特徴と
   する照明装置付き展示ケース。
2. 【請求項２】 前記展示部が、側面板で囲まれた平面視
   多角形状を有し、前記光源から発した照明光を前記側面
   板のコーナー部の内面に沿って天板に照射してなる請求
   項１記載の照明装置付き展示ケース。
3. 【請求項３】 前記展示部が、単又は複数の湾曲した側
   面板で囲まれた平面視円筒形状を有し、前記光源から発
   した照明光を前記側面板の内面に沿って天板に照射して
   なる請求項１記載の照明装置付き展示ケース。
4. 【請求項４】 前記天板の下面であって、前記光源から
   発した照明光に照射される部分に傾斜又は湾曲した反射
   面を形成してなる請求項１、２又は３何れかに記載の照
   明装置付き展示ケース。
5. 【請求項５】 前記天板の下面であって、前記光源から
   発した照明光に照射される部分に、角度変更可能な反射
   板を設けてなる請求項１、２又は３何れかに記載の照明
   装置付き展示ケース。