JPH09297752A - データ受信装置 - Google Patents

データ受信装置

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JPH09297752A
JPH09297752A JP8246894A JP24689496A JPH09297752A JP H09297752 A JPH09297752 A JP H09297752A JP 8246894 A JP8246894 A JP 8246894A JP 24689496 A JP24689496 A JP 24689496A JP H09297752 A JPH09297752 A JP H09297752A
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JP8246894A
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Mitsuru Uesugi
充 上杉
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遅延検波での逆正接の計算を小さい回路規模
で実現できるデータ受信装置を提供する。 【解決手段】 入力するベクトル成分Ax及びベクトル
成分Ayに対してそれぞれの絶対値を計算する絶対値計
算手段11、13と、その絶対値の差を計算する減算手段14
と、ベクトル成分Ax及びAyを有するベクトルの属する
象限を検出する象限計算手段18と、減算手段の減算結果
を、前記象限計算手段の検出結果を反映して変換する変
換手段15とを設ける。乗算器やテーブルなどが用いずに
逆正接演算を行なうことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動通信などの高
速無線伝送に使用するデータ受信装置に関し、特に、逆
正接計算、回路遅延検波及び誤差検出などを行なう処理
回路の回路規模を小さくし、消費電力の低減を図るもの
である。
【0002】
【従来の技術】遅延検波をディジタル回路で精度よく行
なうために、乗算器を用いて信号成分を1シンボル前の
信号成分と乗算し、次いで乗算したものを加算または減
算処理することが行なわれる。しかし、乗算器は回路規
模が大きく、特に、高速で遅延検波を行なう場合には、
多くの消費電力が必要になる。そこで、乗算器を用いず
に遅延検波を行なうため、信号成分の逆正接(ta
-1)をテーブルから求め、この逆正接の1シンボル間
の差から位相情報を検出する方法が採られている。但
し、この場合も、大量のデータが記録されたテーブルを
必要としたのでは、回路規模の削減に繋がらない。その
ため、この逆正接の演算において、テーブルに多大の量
のデータを記録しなくて済むように、数々の工夫がされ
ている。
【0003】特公昭62−549に記載された逆正接計
算回路は、図19に示すように、直交座標で表したベク
トル成分Axが入力する入力端子191と、直交座標で表し
たベクトル成分Ayが入力する入力端子197と、Ax及び
yのうち、大きい成分をaから、小さい成分をbから
出力する切替回路192と、bから出力された成分をaか
ら出力された成分で除算(b/a)する割算回路193
と、この割算結果をアドレスとして√{1+(a/b)
2}を求めるための平方根テーブル194と、平方根テーブ
ル194で求めた√{1+(a/b)2}の値とbの値とを
乗算する乗算回路195と、乗算回路195で得られたベクト
ルの大きさを出力する出力端子196と、b/aをアドレ
スとしてtan-1(b/a)の値を求めるためのアーク
タンジェントテーブル198と、π/2からtan-1(b
/a)を減算する加算回路1911と、AxとAyとの大小関
係に応じてアークタンジェントテーブル198または加算
回路1911の出力を選択する切替回路199と、求めるべき
アークタンジェント値が出力される出力端子1910とを備
えている。
【0004】この回路では、成分AxとAyとを比較し、
その結果に従って切替回路192を切り替え、割算回路193
により、小さい方bを大きい方aで除算する割算b/a
を行なう。この割算結果b/aをアドレスとして、平方
根テーブル194より、√{1+(a/b)2}の値を求め
る。この出力に対して、乗算回路195でbを乗算するこ
とにより、ベクトルの大きさ|A|が得られ、この|A
|が端子196から出力される。
【0005】一方、アークタンジェントテーブル198か
らは、やはりb/aをアドレスとしてtan-1(b/
a)の値を求め、切替回路199で、Axの方がAyより大
きい場合には、tan-1(b/a)の値を、また、Ax
の方がAyより小さい場合には、加算回路1911で求めた
π/2−tan-1(b/a)の値を、アークタンジェン
ト値βとして出力する。この値が端子1910から出力され
る。
【0006】こうすることにより、平方根テーブル194
及びアークタンジェントテーブル198はそれぞれ半分の
大きさで済む。
【0007】また、特公平6−105421には、xの
上位の桁をH、xの下位の桁をLとするとき、 arctan(x)≒arctan(H)+L/(H2+1) (数1) となることを利用して逆正接を計算する回路が開示され
ている。
【0008】この逆正接計算回路は、図20に示すよう
に、入力信号204を蓄える2nビットレジスタ201と、2
nビットレジスタ201からその上位nビット(H)が入
力すると、このHをアドレスとして、ROM制御信号20
12に応じて、蓄積している1/(H2+1)の値及びa
rctan(H)の値を順次出力するROM209と、R
OM209の出力を蓄える2nビットレジスタ2010と、2
nビットレジスタ201から入力する下位nビット(L)
と2nビットレジスタ2010から入力する1/(H2
1)とを乗算する乗算器202と、乗算器202の出力を蓄え
るnビットレジスタ203と、2nビットレジスタ2010か
ら入力するarctan(H)の値とnビットレジスタ
203から入力するL/(H2+1)とを加算する加算器20
6と、加算器206の出力を蓄える2nビットレジスタ207
と、演算結果を出力する出力端子2011とを備えている。
【0009】この回路では、2nビットの入力信号204
が2nビットレジスタ201に蓄えられ、入力信号の上位
nビット208((数1)におけるH)がROM209の番地
として使用される。ROM209は、最初に入力するRO
M制御信号2012によって、nビットの1/(H2+1)
の値を出力する。この値は、2nビットレジスタ2010を
介して、乗算器202に入力する。
【0010】一方、2nビットレジスタ201からは、入
力信号の下位nビット205((数1)におけるL)が乗
算器202に出力され、乗算器202は、これらを乗算して、
L/(H2+1)を2nビットの精度で求め、その上位
nビットをnビットレジスタ203で蓄える。nビットレ
ジスタ203は、このnビットの上位nビットに0を付加
したものを加算器206に出力する。
【0011】ROM209は、次に入力するROM制御信
号2012によって、arctan(H)の値を2nビット
で出力する。この値は2nビットレジスタ2010を介して
加算器206に入力する。加算器206は、このarctan
(H)の値と、nビットレジスタ203から入力するL/
(H2+1)の値とを加算する。このことにより(数
1)のarctan(x)が求まり、2nビットレジス
タ207を介して演算結果が出力される。
【0012】この方法を用いれは、2nビットの入力に
対して、arctan(H)と1/(H2+1)のテー
ブルを合わせても、通常22nだけ必要なROMの容量が
n+1の容量で済むことになる。
【0013】また、信号の復調に際しては、入力信号レ
ベルの調整が必要になる。このレベル調整では、一般的
に、符号化出力と設定値とを比較して、この比較結果を
入力信号増幅器にフィードバックし、その増幅率を制御
している。
【0014】従来のレベル調整回路の一例として、特開
平1−71270に記載されている回路を示す。この回
路は、図21に示すように、入力信号218とフィードバ
ックされた信号との差分に応じて入力信号を増幅する差
動増幅器212と、差動増幅器212の出力をディジタル信号
に変換するA/D変換器213と、A/D変換器213の出力
から不要成分を除く低域濾波器214と、レベル調整の時
期を制限するゲート215と、ゲート215の作動信号を発生
するゲートパルス発生器2112と、符号化出力と設定値と
を比較する比較器211とを備え、比較器211は、入力する
信号から設定値219を減算する減算器216と、減算器216
の出力を非線形増幅する非線形増幅器217と、非線形増
幅器217の出力を積分する積分器2111と、積分器2111の
出力をアナログ信号に変換するD/A変換器2110とを具
備している。
【0015】この回路はTV信号のレベル調整用に作ら
れており、そのため、レベル調整をブランキング信号の
期間のみで行なうように、ゲート215とゲートパルス発
生器2112とを有している。
【0016】この回路では、入力信号218が差動増幅器2
12に入力すると、差動増幅器212は、入力信号218からD
/A変換器2110の出力を差し引いた信号を出力する。こ
の信号は、A/D変換器213でサンプリングされ、低域
濾波器214で濾波され、ゲート215を通って比較器211に
入る。このゲート215は、ゲートパルス発生器2112から
のパルスによって、入力信号218がブランキングレベル
となる期間のみ開かれる。
【0017】ゲート215の出力は、比較器211に入り、こ
の中で減算器216により設定値219D0との差が検出さ
れ、非線形増幅器217で増幅された後、積分器2111で積
分され、次いで、D/A変換器2110でアナログ信号に変
換されて、差動増幅器212に入力する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの回路
は、回路規模をさらに削減して低消費電力化を図るため
の改良の余地を残している。
【0019】例えば、従来例として示した逆正接回路
は、いずれも逆正接を計算する際に、使用するROMテ
ーブルの大きさを削減しようとするものであるが、しか
し、両者ともROMはなくならず、また、乗算器が必要
であるなど、付加回路もそれほど小さくない。これらの
ことは、回路の小型化、低消費電力化の妨げになる。
【0020】また、従来のレベル調整回路は、D/A変
換器を必要としており、これも、装置の小型化、低消費
電力化を妨げる要因になっている。
【0021】本発明は、こうした従来の問題点を解決す
るものであり、遅延検波での逆正接の計算や誤差検出、
あるいは入力信号のレベル調整を小さい回路規模で実現
し、遅延検波回路の小型化や消費電力の低減を図ること
ができるデータ受信装置を提供することを目的としてい
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明では、乗算やテー
ブルを用いずに逆正接を近似できる式を導き、これに従
って逆正接を計算する簡単な逆正接演算回路や、D/A
変換なしにレベル調節を行なうことができる簡単な構成
の利得調整回路をデータ受信装置に設けている。
【0023】そのため、装置を小型化し、低消費電力化
することが可能となり、また、この構成に簡単な回路を
付加することにより、 (1)入力レベルの無調整化 (2)周波数オフセットの除去 (3)チャネルデコーダにおける軟判定誤り訂正による
誤り率特性の向上 (4)精度の良い回線品質の推定 (5)ダイバーシチによる受信品質の向上 を実現することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、入力するベクトル成分Ax及びベクトル成分Ayに対
してそれぞれの絶対値を計算する絶対値計算手段と、そ
の絶対値の差を計算する減算手段と、ベクトル成分Ax
及びAyを有するベクトルの属する象限を検出する象限
計算手段と、減算手段の減算結果を、前記象限計算手段
の検出結果を反映して変換する変換手段とを設けたデー
タ受信装置であり、乗算器やテーブルなどを用いずに逆
正接演算を行なうことができる。
【0025】請求項2に記載の発明は、入力するベクト
ル成分Ax及びベクトル成分Ayを有するベクトルの属し
ている象限を検出する象限計算手段と、象限計算手段の
検出結果に基づいてベクトル成分Axを反転させる第1
の反転手段と、第1の反転手段の出力とベクトル成分A
yとを加える加算手段と、象限計算手段の検出結果に基
づいて前記加算手段の出力を反転させる第2の反転手段
と、第2の反転手段の出力に対して象限計算手段の検出
結果を反映して変換する変換手段とを設けたデータ受信
装置であり、この装置では、絶対値の計算が不要にな
る。
【0026】請求項3に記載の発明は、前記変換手段の
出力する信号を遅延する遅延手段と、変換手段の出力す
る信号から遅延手段の出力する信号を減算する減算手段
と、減算手段の出力する信号により復号を行なう判定手
段とを設けたデータ受信装置であり、小規模の回路で遅
延検波を行なうことができる。
【0027】請求項4に記載の発明は、入力信号の利得
を調整する利得制御手段と、利得調整後の信号を直交検
波してベクトル成分Axとベクトル成分Ayとに分ける直
交検波手段と、ベクトル成分Ax及びAyをサンプリング
するA/D変換手段と、サンプリングされたデータの絶
対値を計算する絶対値計算手段と、基準値を発生する基
準値発生手段と、記絶対値計算手段の出力する絶対値か
ら基準値を減ずる減算手段と、シフトレジスタと、シフ
トレジスタに入る減算手段の出力信号を選択する選択手
段と、シフトレジスタの出力を平滑化するローパスフィ
ルタとを設け、ローパスフィルタからの出力電圧を基準
電圧と比較して、利得調整手段の利得を制御するように
したデータ受信装置であり、簡単な回路で入力信号のベ
クトルの大きさを1に調整することができる。
【0028】請求項5に記載の発明は、入力信号の利得
を調整する利得制御手段と、利得調整後の信号をサンプ
リングするA/D変換手段と、サンプリングされた信号
を直交検波してベクトル成分Axとベクトル成分Ayとに
分ける直交検波手段と、ベクトル成分Ax、Ayの絶対値
を計算する絶対値計算手段と、基準値を発生する基準値
発生手段と、絶対値計算手段の出力する絶対値から基準
値を減ずる減算手段と、シフトレジスタと、シフトレジ
スタに入る減算手段の出力信号を選択する選択手段と、
シフトレジスタの出力を平滑化するローパスフィルタと
を設け、ローパスフィルタからの出力電圧を基準電圧と
比較して、利得調整手段の利得を制御するようにしたデ
ータ受信装置であり、A/D変換手段を直交検波手段の
前に置くことによって、A/D変換手段の数を減らすこ
とができる。
【0029】請求項6に記載の発明は、請求項3に記載
のデータ受信装置において、減算手段から出力された信
号と判定手段が復号した信号との間の誤差を検出する誤
差検出用減算手段を設けたものであり、簡単な構成で判
定誤差を検出することができる。
【0030】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
のデータ受信装置において、誤差検出用減算手段から出
力される信号の絶対値を計算する絶対値計算手段と、絶
対値を積算する加算手段と、加算手段の出力を回線品質
推定値に変換する変換テーブルとを設けたものであり、
簡単な構成で回線品質を推定することができる。
【0031】請求項8に記載の発明は、請求項6に記載
のデータ受信装置において、誤差検出用減算手段から出
力される信号の絶対値を計算する絶対値計算手段と、絶
対値を用いて復号データの軟判定を行なうチャネルデコ
ーダとを設けたものであり、誤り率に優れた復号結果を
得ることができる。
【0032】請求項9に記載の発明は、請求項6に記載
のデータ受信装置において、誤差検出用減算手段から出
力される信号の平均値を演算する平均演算手段と、平均
値に基づいて周波数オフセットを除去するための周波数
制御を行なう周波数制御手段とを設けたものであり、周
波数オフセットを除いて誤り率特性を向上させることが
できる。
【0033】請求項10に記載の発明は、請求項6に記
載のデータ受信装置において、誤差検出用減算手段から
出力される信号の平均値を演算する平均演算手段と、平
均値に基づいて判定手段に入力する信号の周波数オフセ
ットを補正する補正手段とを設けたものであり、周波数
オフセットを補正した状態で復号を行なうことができ
る。
【0034】請求項11に記載の発明は、請求項6に記
載のデータ受信装置において、誤差検出用減算手段から
出力される信号の絶対値を計算する絶対値計算手段と、
この絶対値に基づいて、複数の判定手段が複数のブラン
チの信号を用いて復号したデータの中から最適なものを
選択する選択手段とを設けたものであり、シンボル切替
ダイバーシチを行なうことができる。
【0035】請求項12に記載の発明は、請求項11に
記載のデータ受信装置において、絶対値計算手段が計算
した絶対値を積算する積算手段を設け、選択手段が、積
算手段の積算した積算値に基づいて最適な復号データの
選択を行なうようにしたものであり、誤差の積算値を判
断基準に用いて効果の高いダイバーシチを行なうことが
できる。
【0036】請求項13に記載の発明は、入力信号の利
得を調整する利得制御手段と、利得調整後の信号をサン
プリングするA/D変換手段と、サンプリングされた信
号を直交検波してベクトル成分Axとベクトル成分Ay
に分ける直交検波手段と、ベクトル成分Ax、Ayの絶対
値を計算する絶対値計算手段と、基準値を発生する基準
値発生手段と、絶対値計算手段の出力する絶対値から前
記基準値を減ずる減算手段と、シフトレジスタと、シフ
トレジスタに入る前記減算手段の出力信号を選択する選
択手段と、シフトレジスタの出力を平滑化するローパス
フィルタと、ローパスフィルタからの出力電圧を基準電
圧と比較して、利得調整手段の利得を制御する手段と、
ベクトル成分Ax、Ayからベクトルの属する象限を計算
する象限計算手段と、ベクトル成分Axの絶対値からベ
クトル成分Ayの絶対値を減算する減算手段と、減算手
段の減算結果を、象限計算手段の検出結果を反映して変
換する変換手段と、変換手段の出力する信号を遅延する
遅延手段と、変換手段の出力する信号から前記遅延手段
の出力する信号を減算する減算手段と、減算手段の出力
する信号に含まれる周波数オフセットを補正する補正手
段と、補正手段から出力される信号により復号を行なう
判定手段と、減算手段から出力された信号と前記判定手
段が復号した信号との間の誤差を検出する誤差検出用減
算手段と、誤差検出用減算手段から出力される信号の平
均値を演算して演算結果を前記補正手段に出力する平均
演算手段と、誤差検出用減算手段から出力される信号の
絶対値を計算する絶対値計算手段と、絶対値を用いて復
号データの軟判定を行なうチャネルデコーダと、絶対値
計算手段の出力する絶対値を積算する加算手段と、加算
手段の出力を回線品質推定値に変換する変換テーブルと
を備えたデータ受信装置であり、入力信号の利得調整、
逆正接演算、遅延検波などを小型で消費電力の少ない回
路により実行することができる。
【0037】請求項14に記載の発明は、入力するベク
トル成分Ax及びベクトル成分Ayに対してそれぞれの絶
対値を計算する絶対値計算手段と、その絶対値の差を計
算する逆正接計算用減算手段と、ベクトル成分Ax及び
yを有するベクトルの属する象限を検出する象限計算
手段と、ベクトル成分Ax、Ayの絶対値の大きい方と小
さい方とを選択する大小選択手段と、大小選択手段で選
択された小さい方の絶対値のビットを右にシフトする右
シフト手段と、大小選択手段で選択された大きい方の絶
対値と前記右シフト手段でビットシフトされた小さい方
の絶対値とを加算して前記ベクトルの大きさに相当する
値Zを生成する加算手段と、このZの値のビットを左に
シフトしてZの倍数を生成する左シフト手段と、ベクト
ルの属する象限に応じて0またはZの整数倍の値から選
択した位相補正用の値を出力する加算値選択手段と、ベ
クトルの属する象限に応じて前記逆正接計算用減算手段
から出力される値を反転する反転手段と、反転手段の出
力する値に前記加算値選択手段から出力された位相補正
用の値を加算する位相補正用加算手段と、位相補正され
た値を用いて遅延検波を行なう遅延検波手段と、遅延検
波された値を用いて復号する復号手段とを備えるデータ
受信装置であり、ベクトルの大きさが既知でない入力信
号の遅延検波や復号を簡単な回路で行なうことができ
る。
【0038】請求項15に記載の発明は、請求項14に
記載のデータ受信装置において、遅延検波された値の絶
対値を計算する遅延検波後絶対値計算手段と、遅延検波
後絶対値計算手段の出力する絶対値から前記Zの整数倍
の値を減じる減算手段と、前記遅延検波後絶対値計算手
段及び減算手段の出力する符号に基づいてデータを復号
する復号手段とを設けたものであり、簡単な回路で復号
を行なうことができる。
【0039】請求項16に記載の発明は、入力するベク
トル成分Ax及びベクトル成分Ayに対してそれぞれの絶
対値を計算する絶対値計算手段と、その絶対値の差を計
算する逆正接計算用減算手段と、ベクトル成分Ax及び
yを有するベクトルに属する象限を検出する象限計算
手段と、ベクトル成分Ax、Ayの絶対値の大きい方と小
さい方とを選択する大小選択手段と、大小選択手段で選
択された小さい方の絶対値のビットを右にシフトする右
シフト手段と、大小選択手段で選択された大きい方の絶
対値と前記右シフト手段でビットシフトされた小さい方
の絶対値とを加算して前記ベクトルの大きさに相当する
値Zを生成する加算手段と、ベクトルの属する象限に応
じて前記逆正接計算用減算手段から出力される値を反転
する反転手段と、反転手段の出力する値を用いて遅延検
波を行なう遅延検波手段と、遅延検波された値の絶対値
を計算する遅延検波後絶対値計算手段と、遅延検波後絶
対値計算手段の出力する絶対値から前記Zの値を減じる
減算手段と、減算手段の減算結果やベクトルの属する象
限の信号からデータを復号する復号手段とを備えるデー
タ受信装置であり、ベクトルの大きさが既知でない入力
信号の遅延検波や復号を行なう回路の構成をさらに簡単
にすることができる。
【0040】請求項17に記載の発明は、入力するベク
トル成分Ax及びベクトル成分Ayに対してそれぞれの絶
対値を計算する絶対値計算手段と、その絶対値の差を計
算する減算手段と、ベクトル成分Ax、Ayを有するベク
トルの大きさに相当する値Zを生成するベクトル大きさ
計算手段と、減算手段により計算された前記絶対値の差
をZで除算する複数段の除算手段と、ベクトル成分
x、ベクトル成分Ay、減算手段の出力及び各除算手段
の出力のMSBによって表される情報から位相情報を検
出する位相判定手段とを備えるデータ受信装置であり、
ベクトルの大きさが1でない入力ベクトルの位相を正確
に検出することができる。
【0041】請求項18に記載の発明は、請求項17の
データ受信装置において、除算手段に、入力データを2
倍するためにシフトする左シフト手段と、入力データの
MSBを反転する反転手段と、反転手段の出力が1のと
きにZを反転して出力し、反転手段の出力が0のときに
Zをそのまま出力する排他的論理和手段と、左シフト手
段と排他的論理和手段と反転手段との出力を加算する加
算手段とを設けたものであり、この除算手段により、デ
ィジタル的な除算が可能となる。
【0042】以下、本発明の実施の形態について、図面
を用いて説明する。
【0043】(第1の実施の形態)第1の実施形態は、
入力信号のベクトル成分がAx及びAyであるときにar
ctan(Ay/Ax)を演算する逆正接演算回路であ
り、この回路は、Ax 2+Ay 2=1の場合に、x=arc
tan(Ay/Ax)とすると、 |Ax|−|Ay|≒ −(4x/π)+1:第1象限 (4x/π)−3:第2象限 −(4x/π)−3:第3象限 (4x/π)+1:第4象限 (数2) と表すことができる、という原理を用いている。
【0044】図2は、|Ax|−|Ay|とarctan
(Ay/Ax)との関係を図示したものであり、両者の間
にほぼ直線的な関係があることが分かる。(数2)は、
この関係を直線で近似しており、このように近似して
も、(数2)の両辺の間は最大で1.8度程度の誤差し
かない。
【0045】第1の実施形態の逆正接演算回路は、図1
に示すように、ベクトル成分Ax12の絶対値を計算する
絶対値計算器11と、ベクトル成分Ay16の絶対値を計算
する絶対値計算器13と、絶対値計算器11の出力|Ax
から絶対値計算器13の出力|Ay|を減算する減算器14
と、Ax及びAyの符号からベクトルの位置する象限を求
める象限計算器18と、(数2)の関係に基づいてx(=
arctan(Ay/Ax))を算出する変換器15とを備
えている。
【0046】この回路では、ベクトル成分Ax12が入力
する絶対値計算器11が、絶対値を計算して|Ax|を出
力し、ベクトル成分Ay16が入力する絶対値計算器13
が、絶対値を計算して|Ay|を出力する。減算器14
は、この|Ax|から|Ay|を減算して、|Ax|−|
y|を出力する。
【0047】一方、象限計算器18は、ベクトル成分Ax
とベクトル成分Ayとの符号から、象限を特定して、|
x|−|Ay|の値が(数2)の中のどの関係にあるか
を判定する。
【0048】変換器15は、減算器14の出力に対して、象
限計算器18で判定した象限に合った変換を行ない、xを
算出する。このとき、演算結果を遅延検波などに用いる
場合には、π/4を掛けてxをラジアンに直す代わり
に、2のべき乗を掛けておいた方がその後の処理が便利
になる。この変換には乗算を必ずしも必要としない(ビ
ットシフトのみで十分対処できる)。
【0049】このように、この逆正接回路は、乗算回路
のような複雑な回路を使用せずに、また、ROMテーブ
ルも持たずに逆正接の計算を行なうことができ、回路規
模を大幅に削減することができる。従って、この回路を
データ受信装置に用いることにより、装置の小型化及び
低消費電力化を図ることができる。
【0050】(第2の実施の形態)第2の実施形態は、
(数2)を変形した次式(数3)により逆正接を演算す
る逆正接演算回路であり、この回路は、Ax 2+Ay 2=1
の場合に、x=arctan(Ay/Ax)とすると、 AxとAyとが同符号のとき(第1象限及び第3象限)は、 Ay−Ax≒ (4x/π)−1:第1象限 −(4x/π)−3:第3象限 AxとAyとが異符号のとき(第2象限及び第4象限)は、 Ay+Ax≒ −(4x/π)+3:第2象限 (4x/π)+1:第4象限 (数3) と表すことができる、という原理を用いている。この
(数3)の精度は(数2)の場合と同じである。
【0051】この逆正接演算回路は、図3に示すよう
に、ベクトル成分Ax32及びベクトル成分Ay36の符号か
らベクトルの位置する象限を求める象限計算器38と、A
xとAyとが同符号のときにAxの符号を反転する反転器3
1と、ベクトル成分Ay36と反転器31の出力とを加算する
加算器33と、Axが負のとき(第2象限及び第3象限)
に加算器33の出力を反転する反転器34と、(数3)の関
係に基づいてx(=arctan(Ay/Ax))を算出
する変換器15とを備えている。
【0052】この回路では、象限計算器38がベクトル成
分Ax32及びベクトル成分Ay36の符号から、ベクトルの
属する象限を計算する。そして、ベクトル成分Ax32と
ベクトル成分Ay36との符号が同じである第1象限及び
第3象限の場合は、反転器31にベクトル成分Ax32の反
転を行なわせ、ベクトル成分Ax32とベクトル成分Ay36
との符号が異なる第2象限及び第4象限の場合は、反転
を行なわせない。
【0053】加算器33は、この反転器31の出力とベクト
ル成分Ay36とを加えることによって、(数3)におけ
るAy−AxまたはAy+Axを出力する。
【0054】象限計算器38は、更にベクトル成分Ax32
が負である第2象限及び第3象限の場合には、反転器34
に、加算器33の出力を反転させる。変換器35は、反転器
34の出力する値に、ベクトルの属する象限に応じて、
1、3、−3、−1を加えてπ/4倍することによって
xを求める。遅延検波等に用いる場合には、π/4を掛
けてxをラジアンに直す代わりに、2のべき乗を掛けて
おいた方が便利なので、この変換には乗算を必ずしも必
要としない(ビットシフトで処理できる)。
【0055】図4は、第2の実施形態の逆正接演算回路
をディジタル回路で実現した例を示している。点線で囲
まれた部分が図3の各ブロックに相当しており、象限計
算器38は、AxのMSBとAyのMSBとの排他的論理和
を取るXOR41と、Ax及びAyのMSBの組み合わせに
応じて1、3、−3、−1を出力する変換制御器42とか
ら成り、反転器31は、象限計算器38のXOR41の出力を
反転するNOT43と、このNOT43の出力が0のときは
xのMSB以降の値をそのまま出力し、NOT43の出
力が1のときはAxのMSB以降の値を反転して出力す
るXOR44とから成り、また、加算器33は、Ayの値と
反転器31のXOR44の出力とそのキャリを表す値とを加
算する加算器45とから成る。
【0056】また、反転器34は、AxのMSBが0のと
きは加算器45の出力をそのまま出力し、AxのMSBが
1のときは加算器45の出力を反転して出力するXOR46
から成り、変換器35は、象限計算器38の変換制御器42か
ら出力される値と反転器34のXOR46の出力とそのキャ
リを表す値とを加算する加算器47から成る。
【0057】この図4において、太い線は複数ビットか
ら構成される信号を表し、細い線は1ビットの信号を示
している。
【0058】この回路では、AxのMSBとAyのMSB
とが象限計算器38のXOR41と変換制御器42とに入り、
XOR41はAxとAyとが同符号のときに0を、異符号の
ときに1を出力する。また、変換制御器42は、Ax及び
yのMSBが共に正のときには1を、AxのMSBが負
でAyのMSBが正のときには3を、Ax及びAyのMS
Bが共に負のときには−3を、AxのMSBが正でAy
MSBが負のときには−1を、加算器47に出力する。
【0059】XOR41の出力は反転器31のNOT43で反
転されてXOR44に入力し、XOR44は、AxのMSB
以降のビットを、NOT43の出力が1のときには反転し
て、また、NOT43の出力が0のときにはそのまま、加
算器45に出力する。
【0060】加算器45には、Ayのデータと、XOR44
の出力と、このXOR44の出力の正負を表すNOTの出
力(キャリ)とが入力し、加算器45はそれらを加算して
加算結果を出力する。XOR46は、加算器45の出力を、
xの符号が負のときには反転し、Axの符号が正のとき
にはそのまま、加算器47に出力する。
【0061】加算器47には、変換制御器42から出力され
た値と、XOR46の出力値と、その値の正負を表すキャ
リとが入力し、加算器47は、これらの値を加算して、
(数3)の各象限における(4x/π)の値を出力す
る。この例は、最後にπ/4の乗算を行なわずに逆正接
の値を出力するときの例である。
【0062】このように、この逆正接演算回路は、乗算
回路のような複雑な回路を使用せずに、また、ROMテ
ーブルも持たずに逆正接の計算が行なえるため、回路規
模が大幅に削減でき、小型化及び低消費電力化に有利で
ある。また、図4からも分かるように、第1の実施形態
に比べて、絶対値演算が少ないので回路規模が更に小さ
くなる。
【0063】(第3の実施の形態)第3の実施形態は、
第1及び第2の実施形態の回路を用いて構成する遅延検
波回路である。
【0064】この遅延検波回路は、図5に示すように、
ベクトル成分Ax55及びAy58からベクトルの位相を計算
する位相検出器51と、位相検出器51の出力を1シンボル
時間だけ遅延させる遅延器52と、位相検出器51の現在出
力とその1シンボル時間前の出力との差分を計算する減
算器53と、減算器53の出力を基にデータを復号する判定
器54とを備えている。
【0065】この回路では、位相検出器51が、第1また
は第2の実施形態の構成により、ベクトル成分Ax55と
ベクトル成分Ay58とからベクトルの位相を計算する。
このとき、最終結果はπ/4を乗算しないでおく。例え
ば検出位相56が8ビットであれば360/256度の解
像度で位相が表されたことになる。
【0066】検出位相56は、遅延器52で1シンボル時間
だけ遅延される。減算器53は、位相検出器51より入力す
る検出位相56から、遅延器52より入力する値を減算する
ことによって遅延検波を行なう。このとき、キャリを無
視することによって2πでMODをとったことになる。
【0067】判定器54は、減算結果の上位2ビットによ
り復調データ57を得る。
【0068】このように、この遅延検波回路は、乗算回
路のような複雑な回路を使用せずに、また、ROMテー
ブルも持たずに、逆正接及び遅延検波の計算を行なうこ
とができるので、回路規模を大幅に削減することが可能
になり、機器の小型化及び低消費電力化に有利である。
【0069】(第4の実施の形態)第4の実施形態は、
入力信号の利得を調整するための利得調整回路である。
第1〜第3の実施形態における各回路は、入力ベクトル
の大きさが1であることを前提としており、この前提を
無調整で成立させるために用いる回路である。
【0070】この回路は、図6に示すように、入力信号
68の利得を制御する利得制御器61と、利得調整された入
力信号を直交検波してベクトル成分Ax69とベクトル成
分Ay614とに分解する直交検波器62と、各ベクトル成分
をサンプリングするA/D変換器63、612と、サンプリ
ングされたデータの絶対値を計算する絶対値計算器64、
613と、ベクトルの大きさを検出するための基準値を発
生する基準値発生器611と、絶対値計算器64、613の求め
た値から基準値を減算する減算器65、617と、減算器6
5、617の出力を交互に選択する選択スイッチ610と、選
択されたデータを蓄えるシフトレジスタ66と、シフトレ
ジスタ66の出力電圧を平滑化するローパスフィルタ67
と、基準電圧を発生する基準電圧発生器615と、ローパ
スフィルタ67の出力電圧から基準電圧を減算する電圧減
算器618と、電圧減算器618の出力電圧が0になるように
利得制御器61の利得を調整する電圧設定器616とを備え
ている。
【0071】この回路では、利得制御器61が、ベクトル
成分Ax69とベクトル成分Ay614とで構成されるベクト
ルの大きさが1になるように入力信号68の利得を調整し
ようとする。
【0072】この利得制御器61の出力は、直交検波器62
でベクトル成分Ax69とベクトル成分Ay614とに分解さ
れ、A/D変換器63、612でそれぞれサンプリングさ
れ、次いで、絶対値計算器64、613でその値の絶対値が
計算される。
【0073】減算器65、617は、この絶対値から、基準
値発生器611の発生する基準値を減ずる。このとき基準
値発生器611の発生する信号を1/√2としておけば、
ベクトルの大きさが1であるなら、減算後の符号が正と
なる確率及び負となる確率は、ベクトルの方向に関わら
ず、いずれも0.5である。ベクトルの大きさが1より
大きければ、減算後の符号の確率は、正の方が多くな
り、逆に、ベクトルの大きさが1より小さければ、減算
後の符号の確率は、負の方が多くなる。
【0074】そこで、選択スイッチ610により、減算器6
5及び減算器617の出力のサイン符号(正ならば0、負な
らば1)を交互にシフトレジスタ66に入れると、シフト
レジスタ66の中身は、ベクトルの大きさが1ならば1と
0の数がほぼ等しくなり、ベクトルの大きさが1より大
きければ、0の方が多くなり、ベクトルの大きさが1よ
り小さければ、1の方が多くなる。信号がないときは、
選択スイッチ610によって現在の値を保持するか、シフ
トレジスタ66の中の1と0との数が同じになるようにリ
セットする。
【0075】例えば、シフトレジスタ66から、「1」に
対応して5V、また、「0」に対応して0Vの2値が出
力されるものとすると、シフトレジスタ66の出力をロー
パスフィルタ67で平滑化することにより、ローパスフィ
ルタ67の出力は、ベクトルの大きさが1ならば約2.5
Vとなり、ベクトルの大きさが1より大きければ2.5
Vより小さくなり、ベクトルの大きさが1より小さけれ
ば2.5Vより大きくなる。
【0076】電圧減算器618は、ローパスフィルタ67の
出力から、基準電圧発生器615の発生する基準電圧(ここ
では2.5Vとする)を減ずる。その結果、電圧減算器61
8の出力電圧は、ベクトルが1より大きいときには負の
電圧に、1より小さいときには正の電圧になる。
【0077】電圧設定器616は、この電圧減算器618の出
力電圧が0Vになるように利得制御器61の利得を調節す
る。
【0078】このように、この利得調整回路では、簡単
な構成でベクトルの大きさが1より大きいか小さいかを
判定することができる。この回路は、制御が簡単である
上に、D/A変換器を用いなくても判定結果を電圧に変
換できるため、回路の小型化や低消費電力化に有利であ
る。
【0079】(第5の実施の形態)第5の実施形態は、
第4の実施形態の利得調整回路の構成をさらに簡単にし
たものである。この利得調整回路は、図7に示すよう
に、利得制御器71の出力をサンプリングするA/D変換
器72と、サンプリングされた信号を直交検波してベクト
ル成分Ax76とAy711とに分解する直交検波器73とを備
えている。その他の構成は第4の実施形態(図6)と変
わりがない。
【0080】この回路では、利得制御器71で利得が調整
された信号に対して、A/D変換器72がサンプリングを
行ない、直交検波器73がそれをベクトル成分Ax76とベ
クトル成分Ay711とに分解する。
【0081】その後のベクトル成分Ax76及びAy711に
対する処理や利得制御器71の調整のための動作は第4の
実施形態と変わりがない。
【0082】この利得調整回路は、第4の実施形態と同
様の効果を有するとともに、第4の実施形態に比べて、
さらにA/D変換器の数を減らすことができる。また、
この回路では、ディジタル値で直交検波を行なうので、
入力時に生じるベクトル成分Ax76とベクトル成分Ay71
1との間の誤差が無いなどの利点がある。
【0083】(第6の実施の形態)第6の実施形態は、
第3の実施形態の遅延検波回路に、判定誤差の検出機能
を持たせている。
【0084】この遅延検波回路は、図8に示すように、
判定器84の入力信号と出力信号との差を誤差811として
出力する減算器810を備えている。その他の構成は第3
の実施形態(図5)と変わりがない。
【0085】この回路では、減算器83が、位相検出器81
の検出した検出位相86から、遅延器82の出力を減算し
て、遅延検波を行ない、検波位相87を判定器84に出力
し、判定器84は、減算結果の上位2ビットを用いて判定
を行ない、復調データ88を得る。減算器810は、判定器8
4に入力する検波位相87から復調データ88を減じて、誤
差811を求める。
【0086】この遅延検波回路では、乗算回路のような
複雑な回路を使用せずに、また、ROMテーブルも持た
ずに、逆正接及び遅延検波の計算を行なうことができ、
また、減算器を1つ追加するだけで誤差を検出すること
ができる。この減算器810で得られた誤差811は、回線品
質推定、誤り訂正の効果を高める軟判定の誤り訂正に必
須な尤度、周波数オフセット補償、ダイバーシチなどに
利用することができ、受信品質の向上やシステム運営上
必須な情報の精度を向上させるために用いることができ
る。
【0087】(第7の実施の形態)第7の実施形態は、
判定誤差を用いて回線品質推定値を得ることができる遅
延検波回路である。
【0088】この回路は、図9に示すように、減算器91
2から出力される判定誤差の絶対値を計算する絶対値計
算器913と、誤差の絶対値を積分する加算器914と、この
積分値を回路品質推定値に変換するための変換テーブル
915とを備えている。その他の構成は第6の実施形態
(図8)と変わりがない。
【0089】この回路では、減算器912が、検波位相97
から復調データ98を減じて誤差910を出力すると、絶対
値計算器913が、この誤差の絶対値を取り、加算器914
が、この絶対値を積分する。この積分値は、変換テーブ
ル915で回線品質推定値911に変換されて出力される。
【0090】この回線品質推定値911は、ハンドオーバ
ーの判定基準などに使用する値で、システムを運用する
上で精度よく求める必要があるが、この回路では、複雑
な回路を使用することなく、精度よく回線品質推定値を
得ることができる。従って、装置の小型化及び低消費電
力化に有効である。
【0091】(第8の実施の形態)第8の実施形態は、
軟判定により復号データを得るようにした遅延検波回路
である。
【0092】この回路は、図10に示すように、減算器
1013から出力される判定誤差1011の絶対値を計算する絶
対値計算器1014と、絶対値計算器1014から出力される絶
対値を位相尤度1012として軟判定を行なうチャネルデコ
ーダ1015とを備えている。その他の構成は第6の実施形
態(図8)と変わりがない。
【0093】この回路では、減算器1013が、検波位相10
7から復調データ108を減じて誤差1011を出力すると、絶
対値計算器913が、この誤差の絶対値をとることによっ
て位相尤度1012を出力する。この位相尤度1012は、信号
の確からしさを表す数値であり、この場合、値が小さい
ほど確からしいことになる。
【0094】チャネルデコーダ1015は、この情報を使用
して、軟判定の復号を行なう。こうすることにより、復
調データ108のみを使用する場合に比べて、誤り率特性
の優れた復号結果1010を得ることができる。
【0095】このように、この遅延検波回路は、減算
器、絶対値計算器及び軟判定チャネルデコーダの追加に
より、復号結果の誤り率特性が向上する。
【0096】(第9の実施の形態)第9の実施形態は、
周波数オフセットの制御機能を併せて有する遅延検波回
路である。
【0097】この回路は、図11に示すように、減算器
1113から出力される誤差1110の平均値を計算する平均演
算器1114と、平均演算器1114から出力される平均位相誤
差1111に基づいて周波数オフセットを補償するための周
波数制御値を出力する周波数制御器1115とを備えてい
る。その他の構成は第6の実施形態(図8)と変わりが
ない。
【0098】この回路では、減算器1113が、検波位相11
7から復調データ118を減じて誤差1110を出力すると、平
均演算器1114は、その誤差を平均化して平均位相誤差11
11を演算する。
【0099】+側に周波数オフセットがある場合には、
誤差1110は正の方向に偏り、−側に周波数オフセットが
ある場合には、誤差1110は負の方向に偏る。そのため、
平均位相誤差1111は、+側に周波数オフセットがある場
合には正の値を、また、−側に周波数オフセットがある
場合には負の値をとる。この値は、周波数オフセットに
比例しており、これが0になるように修正すれば周波数
オフセットは除去できる。
【0100】周波数制御器1115は、平均位相誤差1111が
0になるように周波数制御値1112を計算して出力する。
この周波数制御値1112は無線部や直交検波部などに送ら
れ、周波数オフセットの除去に用いられる。
【0101】このように、この遅延検波回路では、減算
器、平均演算器及び周波数制御器を追加することによ
り、周波数オフセットの除去が可能となり、誤り率特性
が向上する。
【0102】(第10の実施の形態)第10の実施形態
は、周波数オフセットの補正された復調データを得るこ
とを可能にした遅延検波回路である。
【0103】この回路は、図12に示すように、減算器
123の出力する検波位相128に含まれた周波数オフセット
を補正する周波数オフセット補正用減算器124と、この
周波数オフセット補正用減算器124の出力に基づいて復
調データ1210を判定する判定器125と、減算器123の出力
する検波位相128から復調データ1210を減算して判定誤
差1212を算出する減算器1214と、減算器1214の出力する
誤差1212の平均値を計算し、平均位相誤差1213を周波数
オフセット補正用減算器124に出力する平均演算器1215
とを備えている。その他の構成は第3の実施形態(図
5)と変わりがない。
【0104】この回路では、減算器123が遅延検波を行
ない、検波位相128を出力すると、周波数オフセット補
正用減算器124は、平均演算器1215から出力される平均
位相誤差1213に基づいて、この検波位相128から周波数
オフセットを除去する。
【0105】判定器125は、周波数オフセット補正用減
算器124から出力される補正後検波位相129の上位2ビッ
トにより復調データ1210を求める。
【0106】減算器123の検波位相128と判定器125の復
調データ1210とは、減算器1214に入力し、減算器1214
は、その差分を計算し、誤差1212を出力する。平均演算
器1215は、この誤差の平均を取り、平均位相誤差1213を
周波数オフセット補正用減算器124に出力する。
【0107】+側に周波数オフセットがある場合には、
誤差1212が正の方向に偏り、−側に周波数オフセットが
ある場合には、誤差1212が負の方向に偏るため、平均位
相誤差1213は、+側に周波数オフセットがある場合には
正の値を、−側に周波数オフセットがある場合には負の
値をとる。この値は周波数オフセットによる位相ずれそ
のものであるから、周波数オフセット補正用減算器124
において、検波位相123から平均位相誤差1213を差し引
くことによって、位相ずれを0にすることができる。
【0108】このように、この遅延検波回路では、周波
数オフセット補正用減算器、平均演算器を追加すること
によって、周波数オフセットを除去することができ、誤
り率特性が向上する。また、この回路は、無線部側に周
波数変更機能を持たなくとも、減算器を1つ追加するだ
けで周波数オフセットの除去が可能であり、また、周波
数制御器も不要であるため、第9の実施形態に比べて、
小型化、低消費電力化及び無調整化の点で優れている。
【0109】(第11の実施の形態)第11の実施形態
は、ダイバシーチ機能を有する遅延検波回路である。
【0110】この回路は、図13に示すように、ブラン
チ1のベクトル成分Ax1(137)、Ay1(1311)を用
いて遅延検波を行ない、復調データ1310と位相尤度1314
とを出力する遅延検波器1(131)と、ブランチ2のベ
クトル成分Ax2(1318)、Ay2(1320)を用いて遅延
検波を行ない、復調データ1319と位相尤度1321とを出力
する遅延検波器2(1317)と、各遅延検波器の出力する
位相尤度に基づいて復調データの一方を選択する選択器
136とを備えている。遅延検波器1、2の内部構成は、
第8の実施形態(図10)の回路のチャネルデコーダ10
15を除いたものに等しい。
【0111】この回路では、各遅延検波器の判定器135
から復調データ1310が、また、絶対値計算器1316から位
相尤度1314が、選択器136に出力される。
【0112】各ブランチの位相尤度1314は、そのブラン
チの復調データ1310の確からしさを表す数値であり、こ
の場合、値が小さいほど確からしいことになる。
【0113】選択器136は、ブランチ1の位相尤度1314
とブランチ2の位相尤度1321とを比較して、小さい方を
確からしいと判断し、そのブランチからの復調データを
選択し選択結果1312とする。例えば、ブランチ1の位相
尤度1314の方がブランチ2の位相尤度1321より小さけれ
ば、ブランチ1側の復調データ1310が選択結果1312とな
る。
【0114】このようにして、瞬時の位相尤度によって
シンボル切替ダイバーシチが実現でき、受信品質が向上
できる。
【0115】この回路は、各遅延検波器で検出された位
相尤度をシンボル切替ダイバーシチに使用することによ
って、誤り率特性に優れた復号結果を得ることができ
る。
【0116】(第12の実施の形態)第12の実施形態
は、位相尤度の積算値に基づいて復調データの選択を行
なう遅延検波回路である。
【0117】この回路は、図14に示すように、各ブラ
ンチのベクトル成分Ax、Ayを用いて遅延検波を行なう
遅延検波器141、1421が、絶対値計算器1419の出力する
位相尤度1416を積算する積算器1420と、判定器145の出
力する復調データ1411を溜め込むバッファ146とを備え
ている。その他の構成は第11の実施形態(図13)と
変わりがない。
【0118】この回路では、各遅延検波器141、1421に
おいて、絶対値計算器1419から出力される位相尤度1416
が積算器1420で一定期間に渡って積算され、この積算さ
れた位相尤度1417、1425が選択器147に出力される。ま
た、判定器145から出力された復調データ1411は、バッ
ファ146で同じ期間だけ溜め込まれ、その後、溜め込み
復調データ1412、1423として選択器147に出力される。
【0119】この位相尤度1417、1425は、各ブランチの
溜め込み復調データ1412、1423の確からしさを表す数値
で、その値が小さいほど確からしいことになる。
【0120】選択器147は、各遅延検波器から出力され
た位相尤度1417、1425を比較し、小さい方を確からしい
と判断して、そのブランチからの復調データを選択し選
択結果1414とする。このようにして、ある区間の位相尤
度の和によって切替ダイバーシチが実現でき、受信品質
が向上できる。
【0121】この回路では、位相尤度の積算値を判断基
準としてダイバーシチを行なうので、回線変動が緩やか
な場合に、第11の実施形態の回路よりも効果の高いダ
イバーシチが可能である。
【0122】(第13の実施の形態)第13の実施形態
は、第1の実施形態の逆正接演算回路(図1)、第5の
実施形態の利得調整回路(図7)、第7の実施形態の遅
延検波回路における回線品質推定値を求める構成(図
9)、第8の実施形態の遅延検波回路における復号デー
タを軟判定するための構成(図10)及び第10の実施
形態の遅延検波回路における周波数オフセットを補正す
るための構成(図12)を組み合わせたデータ受信装置
である。
【0123】これらの実施形態は互いに共通化できる部
分があり、組み合わせることによって、個々に回路を用
意するよりも有利である。
【0124】この装置は、図15に示すように、入力信
号のベクトルの大きさが1になるように利得調整するた
めに、利得制御器151と、A/D変換器152と、直交検波
器153と、絶対値計算器154、1514と、減算器155、1517
と、基準値発生器1512と、選択スイッチ156と、シフト
レジスタ157と、ローパスフィルタ158と、電圧減算器15
20と、基準電圧発生器1516と、電圧設定器1518とを具備
し、また、ベクトルの大きさが1に調整された入力信号
の位相を検出するために、直交検波器153の分解したベ
クトル成分Ax、Ayを用いてベクトルの属する象限を検
出する象限計算器1519と、絶対値計算器154の出力する
|Ax|から絶対値計算器1514の出力する|Ay|を減算
する減算器1513と、これらの結果を用いて位相を検出す
る変換器1532とを具備し、また、検出された位相を用い
て、周波数オフセットを補正しながら遅延検波を行なう
ために、遅延器1512と、減算器1522と、補正用減算器15
23と、判定器1524と、減算器1538と、平均演算器1539と
を具備し、また、復号データを軟判定するために、減算
器1538の出力する誤差の絶対値を計算する絶対値計算器
1530と、チャネルデコーダ1525とを具備し、また、回線
品質推定値を求めるために、絶対値計算器1530の出力す
る誤差の絶対値を加算する加算器1540と、変換テーブル
1514とを具備している。
【0125】この装置では、第5の実施形態で説明した
動作により、入力信号のベクトルの大きさが1になるよ
うに利得調整され、この利得調整されたデータのベクト
ル成分Ax1510とベクトル成分Ay1513との逆正接が、第
1の実施形態で説明した動作により、(数2)に従って
計算される。但し、π/4は乗じない。
【0126】次に、検出位相1529を用いて、第3の実施
形態で説明した動作により、遅延検波が行なわれ、この
とき、第10の実施形態で説明した動作により、周波数
オフセットの補正が行なわれる。また、得られた復号デ
ータは、第8の実施形態で説明した動作により、軟判定
され、復号結果1534がチャネルデコーダ1525から出力さ
れる。
【0127】また、第7の実施形態で説明した動作によ
り、回線品質推定値1536が算出され、変換テーブル1541
を介して出力される。
【0128】この回線品質推定値1536は、ハンドオーバ
ーの判定基準などに使用される。また、絶対値計算器15
30から出力される位相尤度1533や、加算器1540から出力
されるその積算値を用いて、第11及び第12の実施形
態と同じように、シンボル切替ダイバーシチを行なうこ
とも可能である。
【0129】この装置は、乗算回路のような複雑な回路
を使用せずに、また、ROMテーブルも持たずに逆正接
及び遅延検波の計算を行なうことができ、また、これに
わずかな回路を付加することで、 (1)入力レベルの無調整化 (2)周波数オフセットの除去 (3)チャネルデコーダにおける軟判定誤り訂正による
誤り率特性の向上 (4)精度の良い回線品質の推定 (5)ダイバーシチによる受信品質の向上 などを達成することができる。従って、装置の小型化及
び低消費電力化に有利である。
【0130】(第14の実施の形態)第14の実施形態
は、ベクトルの大きさが1でない入力信号の復号を行な
う復号回路である。この回路では、ベクトルの大きさが
1でない入力信号のベクトル成分Ax及びAyを用いて逆
正接の演算を行なっている。(数2)ではAx 2+Ay 2
1であることが必須であるため、(数2)を用いて逆正
接を演算するには、第4及び第5の実施形態の回路を用
いて入力信号のレベル補償を行なう必要があったが、こ
の実施形態の回路ではこれが不要である。
【0131】この逆正接の演算では、√(Ax 2+Ay 2
=Zの場合に、x=arctan(Ay/Ax)とする
と、 (|Ax|−|Ay|)/Z≒ −(4x/π)+1:第1象限 (4x/π)−3:第2象限 −(4x/π)−3:第3象限 (4x/π)+1:第4象限 Z≒ MAX(|Ax|,|Ay|) +MIN(|Ax|,|Ay|)×(√2−1) ≒ MAX(|Ax|,|Ay|) +MIN(|Ax|,|Ay|)×0.375 (数4) と表すことができる、という原理を用いている。
【0132】即ち、√(Ax 2+Ay 2)=Zの関係がある
とすると、求めるべきxと|Ax|−|Ay|との間には
(数4)のような関係がある。これは(数2)を変形す
ることによって導くことができ、従って、(数4)の両
辺の間には、(数2)と同様、最大で1.8度程度の誤
差しかない。このため、Zが求まればよい。
【0133】このZは、 Z≒ MAX(|Ax|,|Ay|)+MIN(|A
x|,|Ay|)×(√2−1) と近似することができるが、(数4)では、さらに、 Z≒ MAX(|Ax|,|Ay|)+MIN(|A
x|,|Ay|)×0.375 の式で近似している。このように近似したときの両式の
ずれの大きさを図17に示している。両近似式の誤差は
数%しかない。ディジタル回路で乗算器を使用せずにZ
を求めるには、 Z≒ MAX(|Ax|,|Ay|)+MIN(|A
x|,|Ay|)×0.375 の近似式の方が都合がよい。これは0.375=2-2
-3となり、0.375を乗算する代わりに、ビットシ
フトで対処できるからである。
【0134】第14の実施形態の復号回路は、図16に
示すように、ベクトル成分Ax1610の絶対値を計算する
絶対値計算器168と、ベクトル成分Ay1618の絶対値を計
算する絶対値計算器1614と、絶対値計算器168の出力|
x|から絶対値計算器1614の出力|Ay|を減算する逆
正接計算用減算器1621と、Ax及びAyの符号からベクト
ルの属する象限を求める象限計算器1620と、|Ax|と
|Ay|との大小関係に応じてそれらの出力先を選択す
る大小選択器161と、入力するデータを2ビットだけ右
にシフトする2ビット右シフト器164と、入力するデー
タを3ビットだけ右にシフトする3ビット右シフト器16
7と、2ビット右シフト器164及び3ビット右シフト器16
7の出力を加算してMIN(|Ax|,|Ay|)×0.
375の値を得る加算器A165と、加算器A165の出力と
選択器161の出力とを加算してZの値を得る加算器B162
と、入力するZの値を1ビットだけ左にシフトして2×
Zの値を得る1ビット左シフト器166と、1ビット左シ
フト器166の出力と加算器B162から出力されるZの値と
を加算して3×Zの値を得る加算器C163と、0、Z、
2×Zまたは3×Zを選択して出力する加算値選択器16
12と、逆正接計算用減算器1621の出力を反転する反転器
1615と、反転器1615の出力に加算値選択器1612で選択さ
れた値を加算する位相補正用加算器1622と、位相補正用
加算器1622の出力を1シンボル期間遅延する遅延器1616
と、位相補正用加算器1622の出力から遅延器1616の出力
を減算して遅延検波を行なう遅延検波用減算器1623と、
遅延検波用減算器1623の出力する検波位相の絶対値を算
出する遅延検波後絶対値計算器1617と、この絶対値から
Z、2×Z、3×Zを減じる減算器169、1613、1624
と、各減算器169、1613、1624及び絶対値計算器1617の
出力する符号の組み合わせで復号データを得る復号器16
11とを備えている。
【0135】この回路では、(数4)のxと|Ax|−
|Ay|との関係式の両辺にZを乗算して得られる(4
xZ/π)について遅延検波を行ない、得られた値から
0、Z、2×Z及び3×Zを減算したときの各符号の組
み合わせにより表されるデータを復号する。
【0136】入力信号のベクトル成分Ax1610とベクト
ル成分Ay1618とは、象限計算器1620に入り、象限計算
器1620がベクトルの属する象限を計算する。実際はベク
トル成分Ax1610及びベクトル成分Ay1618の符号ビット
を抽出するだけである。
【0137】ベクトル成分Ax1610及びベクトル成分Ay
1618は、また、各絶対値計算器168、1614に入り、それ
ぞれの絶対値が計算される。その結果は、それぞれ、逆
正接計算用減算器1621に入力して減算される。
【0138】また、絶対値の各々は、大小選択器161に
入り、逆正接計算用減算器1621の減算結果の符号によっ
て制御されて、絶対値の大きい方はそのまま加算器B16
2に入り、絶対値の小さい方は2ビット右シフト器164と
3ビット右シフト器167とでそれぞれシフトされた後、
加算器A165で加算されてから加算器B162に入る。この
加算器B162の出力は、Z≒ MAX(|Ax|,|Ay
|)+MIN(|Ax|,|Ay|)×0.375で求め
たZの近似値である。
【0139】この値は、そのまま減算器Z169と加算値
選択器1612とに入るとともに、1ビット左シフト器166
に入力する。1ビット左シフト器166は、この値を左に
1ビットシフトすることにより、2×Zを出力する。こ
の2×Zの値は、減算器2Z1624と加算値選択器1612と
に入り、更にまた加算器B162の出力とともに加算器C1
63に入り、加算器C163はそれを加算して3×Zを出力
する。この3×Zの値は減算器3Z1613と加算値選択器
1612とに入る。
【0140】加算値選択器1612の出力は、象限計算器16
20により制御され、第1象限の場合は0、第2象限の場
合はZ、第3象限の場合は2×Z、第4象限の場合は3
×Zを選択して出力する。
【0141】逆正接計算用減算器1621の出力は、また、
反転器1615に入り、象限計算器1620の制御の下に、第1
象限及び第3象限の場合には正負が反転される。反転器
1615の出力は、位相補正用加算器1622によって、加算値
選択器1612の選択した出力と加算される。この加算値選
択器1612は、位相補正用加算器1622の出力が後続する処
理で差分がとられるため、各象限の第1象限からの位相
差だけを出力していることになる。
【0142】位相補正用加算器1622から出力された値
は、遅延器1616で遅延された値とともに遅延検波用減算
器1623に入って減算され、減算結果の絶対値が検波後絶
対値計算器1617で計算される。次いで、その絶対値の符
号、及び、減算器Z169、減算器3Z1613、減算器2Z1
624で絶対値からZ、3×Z、または2×Zを減じた後
の符号が復号器1611に入り、復号器1611は、それら4ビ
ットの組み合わせで表される復号データ1619を出力す
る。
【0143】このように、この復号回路は、乗算回路の
ような複雑な回路を使用せずに、また、ROMテーブル
も持たずに逆正接及び遅延検波の計算が行なえるので、
回路規模が大幅に削減でき、小型化及び低消費電力化に
有利である。また、第4及び第5の実施形態に比べて、
無線部に制御をすることなく、復調部のみで入力レベル
の補償を行なえるため、更に安定した、精度のよい受信
結果が得られる。
【0144】(第15の実施の形態)第15の実施形態
は、第14の実施形態の構成をさらに簡略化した復号回
路である。
【0145】この回路は、図18に示すように、ベクト
ル成分Ax187、Ay1815の絶対値を計算する絶対値計算
器186、188と、|Ax|から|Ay|を減算する逆正接計
算用減算器1818と、Ax及びAyの符号からベクトルの属
する象限を求める象限計算器1817と、|Ax|及び|Ay
|の大小関係に応じてそれらの出力先を選択する大小選
択器181と、入力するデータを2ビットだけ右にシフト
する2ビット右シフト器183と、入力するデータを3ビ
ットだけ右にシフトする3ビット右シフト器185と、2
ビット右シフト器183及び3ビット右シフト器185の出力
を加算する加算器A184と、加算器A184の出力と選択器
181の出力とを加算する加算器B182と、逆正接計算用減
算器1818の出力を反転する反転器189と、反転器189の出
力を1シンボル期間遅延する遅延器1810と、反転器189
の出力から遅延器1810の出力を減算して遅延検波を行な
う遅延検波用減算器1811と、遅延検波用減算器1811の出
力する検波位相の絶対値を算出する遅延検波後絶対値計
算器1812と、この絶対値からZの値を減じる減算器1813
と、1シンボル前の象限計算器1817の出力を蓄える遅延
器1819と、減算器1813、絶対値計算器1812、象限計算器
1817及び遅延器1819から出力される符号の組み合わせに
基づいてデータを復号する復号器1814とを備えている。
【0146】この回路では、逆正接計算用減算器1818の
出力が、反転器189に入り、象限計算器1817の制御によ
って、第1象限及び第3象限の場合に正負が反転され
る。反転器189から出力される値は、−Z〜Zの間にあ
る。この値は、遅延器1810で遅延された値とともに遅延
検波用減算器1811に入って減算される。
【0147】減算結果の値は、−2×Z〜2×Zの間に
あり、これが−2×Z〜−Z、−Z〜Z、Z〜2×Zの
いずれの領域にあるかという情報と、象限計算器1817か
ら出力されるベクトルの属する象限についての情報と、
象限遅延器1819から出力される1シンボル前の象限の情
報とに基づいてデータが復号できる。
【0148】そこで、遅延検波用減算器1811の出力がど
の領域にあるかを計算するために、更に検波後絶対値計
算器1812で絶対値をとる。この絶対値は0〜2×Zの間
にある。復号用減算器1813は、この絶対値から加算器B
182の出力するZを減じる。復号器1814は、この減算結
果を表す正負の符号と、遅延検波用減算器1811の出力の
正負の符号と、象限計算器1817の出力と、象限遅延器18
19の出力とによって復号データ1816を得る。
【0149】このように、この復号回路は、乗算回路の
ような複雑な回路を使用せずに、また、ROMテーブル
も持たずに逆正接及び遅延検波の計算が行なえるので、
回路規模が大幅に削減でき、小型化及び低消費電力化に
有利である。また、無線部を制御することなく、復調部
のみの制御で入力レベルの補償を行なえるため、更に安
定した、精度のよい受信結果が得られる。また、第14
の実施形態に比べて簡単な回路で実現できるために、小
型化、低消費電力化に有利である。
【0150】(第16の実施の形態)第16の実施形態
は、入力ベクトルの大きさが1でない信号の位相検出を
可能にする位相判定回路であり、第3、第6〜第13の
実施形態の各遅延検波回路に適用することができる。
【0151】この回路は、図22に示すように(なお、
図22において、太い線は複数ビットによるバス、細い
線はそれぞれのバスの最上位ビット(正負の符号を表
す。以下、MSBと略す)を示している)、ベクトル成
分Ax2201の絶対値を計算する絶対値計算器2203と、ベ
クトル成分Ay2202の絶対値を計算する絶対値計算器220
4と、絶対値計算器2204の出力|Ay|の1,0を反転す
る反転器2205と、絶対値計算器2203の出力|Ax|と反
転器2205の出力とキャリ1とを加算して|Ax|−|Ay
|を算出する加算器2206と、|Ax|と|Ay|との大小
関係に応じてそれらの出力先を選択する大小選択器2207
と、入力するデータを2ビットだけ右にシフトする(4
で割ったことになる)2ビット右シフト器2208と、入力
するデータを3ビットだけ右にシフトする(8で割った
ことになる)3ビット右シフト器2209と、2ビット右シ
フト器2208及び3ビット右シフト器2209の出力を加算し
てMIN(|Ax|,|Ay|)×0.375の値を得る
加算器2210と、加算器2210の出力と選択器2207の出力と
を加算してZの値を得る加算器2211と、加算器2211から
出力されるZを除数として除算を行なう3段の除算器
と、Ay2202のMSB、Ax2201のMSB、加算器2206出
力のMSB、及び各段の除算器出力のMSBの6本の入
力信号から正しい判定位相2225を計算する位相判定器22
24とを備えており、各除算器は、各段の入力データを1
ビットだけ左にシフトする(2倍したことになる)1ビ
ット左シフト器2213、2217、2221と、入力データのMS
Bを反転する反転器2212、2216、2220と、反転器2212、
2216、2220の出力が1の場合に加算器2211から出力され
たZの値を反転する排他的論理和2214、2218、2222と、
1ビット左シフト器2213、2217、2221の出力と排他的論
理和2214、2218、2222の出力とキャリとを加算して各段
の入力データをZで除算したときの部分剰余を出力する
加算器2215、2219、2223とを具備している。
【0152】この回路では、まずベクトル成分Ax220
1、Ay2202の絶対値が絶対値計算器2203、2204で計算さ
れる。また、そのベクトル成分のMSBが位相判定器22
24に入力する。MSBが0であるときはベクトル成分が
正であり、MSBが1であるときはベクトル成分が負で
あることを表している。
【0153】絶対値計算器2204の出力は、反転器2205で
反転された後、加算器2206において絶対値計算器2203の
出力と加算され、その結果、Axの絶対値とAyの絶対値
との差が得られる。
【0154】この加算器2206出力のMSBは大小選択器
2207に制御信号として入り、大小選択器2207は、絶対値
計算器2203及び絶対値計算器2204の出力の内、小さい方
を2ビット右シフト器2208と3ビット右シフト器2209と
に出力し、大きい方を加算器2211に出力する。小さい絶
対値は2ビット右シフト器2208と3ビット右シフト器22
09とでそれぞれシフトされた後、加算器2210で加算され
てから加算器2211に入り、大きい方の絶対値と加算され
る。この結果、第14及び第15の実施形態で説明した
ように、加算器2211からは、ベクトル成分Ax2201、Ay
2202を有するベクトルの大きさの近似値Zが出力され
る。
【0155】また、加算器2206の出力のMSBは位相判
定器2224にも与えられる。更に加算器2206の出力のMS
Bは反転器2212で反転され、排他的論理和2214に入ると
同時に加算器2215のキャリとなる。
【0156】また、加算器2206出力は、1ビット左シフ
ト器2213で左に1ビットシフトされた後、加算器2215に
入り、排他的論理和2214出力及びキャリと加算される。
即ち、この部分では、まず、加算器2206出力を2倍して
おいて、加算器2206出力が正であればZを引き、負であ
ればZを加えるという動作になる。
【0157】この1ビット左シフト器2213、反転器221
2、排他的論理和2214及び加算器2215は、加算器2206の
出力をZで除算する1段の除算器として機能し、加算器
2215からはその部分剰余が出力される。また、加算器22
15出力のMSBは位相判定器2224にも与えられる。
【0158】加算器2215の出力は、次段の除算器の1ビ
ット左シフト器2217で左に1ビットシフトされた後、加
算器2219に入り、また、加算器2215出力のMSBは、反
転器2216で反転され、排他的論理和2218に入ると同時に
加算器2219のキャリとなる。加算器2219は、1ビット左
シフト器2217の出力とこの排他的論理和2218出力及びキ
ャリとを加算する。即ち、この部分では、まず加算器22
15出力を2倍しておいて、加算器2215出力が正であれば
Zを引き、負であればZを加えるという動作により、加
算器2215から出力された部分剰余を更にZで除算し、そ
の部分剰余を出力する。この加算器2219出力のMSBは
位相判定器2224にも与えられる。
【0159】同様に、加算器2219の出力は、第3段の除
算器の1ビット左シフト器2221で左に1ビットシフトさ
れた後、加算器2223に入り、また、加算器2219出力のM
SBは、反転器2220で反転され、排他的論理和2222に入
ると同時に加算器2223のキャリとなる。加算器2223は、
1ビット左シフト器2221の出力とこの排他的論理和2222
出力及びキャリとを加算する。即ち、この部分では、ま
ず、加算器2219出力を2倍しておいて、加算器2219出力
が正であればZを引き、負であればZを加えるという動
作により、加算器2219から出力された部分剰余を更にZ
で除算し、その部分剰余を出力する。この加算器2223出
力のMSBは位相判定器2224に与えられる。
【0160】このような動作によって、位相判定器2224
には、各加算器2206、2215、2219、2223出力のMSBの
4ビットと、ベクトル成分Ax2201、Ay2202のMSBの
2ビットとを合わせた6ビットの情報が入力される。こ
れらの6ビットの情報をAy2202、Ax2201、加算器2206
出力、加算器2215出力、加算器2219出力、加算器2223出
力の順に並ぶ6ビット(Ay2202がMSB、加算器2223
出力がLSB)で表すとき、この6ビットの情報は、図
23に示すように、位相情報との関係を有している。
【0161】即ち、入力ベクトルが第1象限に属してい
るときには、Ax2201及びAy2202のMSBが共に0
(正)であり、入力ベクトルの位相が0°から90°に
増加するに伴って、|Ax|−|Ay|が小さくなり、そ
のため|Ax|−|Ay|をZで除算した各段の部分剰余
はLSB側から順次負(1)に変わって行く。つまり、
ベクトルの位相が0°から90°に増加するに比例し
て、6ビットの情報が000000から001111に
変化する。
【0162】同様に、入力ベクトルが第2象限に属して
いるときには、ベクトルの位相が90°から180°に
増加するに比例して、6ビットの情報が011111か
ら010000に変化し、入力ベクトルが第3象限に属
しているときには、ベクトルの位相が−180°から−
90°に変化するに比例して、6ビットの情報が110
000から111111に変化し、入力ベクトルが第4
象限に属しているときには、ベクトルの位相が−90°
から0°に変化するに比例して、6ビットの情報が10
1111から100000に変化する。
【0163】位相判定器2224は、上記の関係に基いて、
6ビットの情報から入力信号の位相を判定し、判定位相
2225を出力する。この後、この値を使用して遅延検波な
どを行なうことができる。
【0164】このように、この回路では、ベクトルの大
きさが1でない場合でも、そのベクトルの位相を正確に
判定することができ、その判定結果を用いて遅延検波な
どを正しく行なうことができる。
【0165】第14及び第15の実施形態で示した回路
においても、ベクトルの大きさが1でない入力信号の遅
延検波が可能であるが、この場合、雑音成分が振幅方向
に乗ったときには誤差が大きくなり、受信品質が劣化す
るが、この第16の実施形態の方式では、そのような虞
れがなく性能的に優れている。
【0166】なお、第11、第12、第13の実施形態
では2ブランチのダイバーシチの例を示したが、ブラン
チ数はいくつでも良い。また、サンプリング位相の異な
る複数の復調器のうち最適な位相の復調器を選択するな
ど、ダイバーシチ以外の判断基準にも適用可能である。
【0167】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のデータ受信装置は、乗算回路のような複雑な回路を使
用せずに、また、ROMテーブルも持たずに逆正接及び
遅延検波の計算を行なうことができ、また、これにわず
かな回路を付加することで、 (1)入力レベルの無調整化 (2)周波数オフセットの除去 (3)チャネルデコーダにおける軟判定誤り訂正による
誤り率特性の向上 (4)精度の良い回線品質の推定 (5)ダイバーシチによる受信品質の向上 などを実現することができる。この場合でも、回路が小
規模で済むので、装置の小型化及び低消費電力化に有利
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成図、
【図2】本発明の動作を説明するための図、
【図3】本発明の第2の実施形態の構成図(1)、
【図4】本発明の第2の実施形態の構成図(2)、
【図5】本発明の第3の実施形態の構成図、
【図6】本発明の第4の実施形態の構成図、
【図7】本発明の第5の実施形態の構成図、
【図8】本発明の第6の実施形態の構成図、
【図9】本発明の第7の実施形態の構成図、
【図10】本発明の第8の実施形態の構成図、
【図11】本発明の第9の実施形態の構成図、
【図12】本発明の第10の実施形態の構成図、
【図13】本発明の第11の実施形態の構成図、
【図14】本発明の第12の実施形態の構成図、
【図15】本発明の第13の実施形態の構成図、
【図16】本発明の第14の実施形態の構成図、
【図17】第14の実施形態の動作を説明するための
図、
【図18】本発明の第15の実施形態の構成図、
【図19】従来の逆正接演算回路の構成図、
【図20】従来の他の逆正接演算回路の構成図、
【図21】従来のレベル調整回路の構成図、
【図22】本発明の第16の実施形態の構成図、
【図23】第16の実施形態において位相判定の関係を
説明する図である。
【符号の説明】
11、13、64、613、74、713、913、1014、1316、1419、1
54、1514、1530、1617、1812、2203、2204 絶対値計算
器 14、53、65、617、75、716、83、810、93、912、103、1
013、113、1113、123、1214、134、1315、144、1418、1
55、1517、1513、1522、1538、1621、1623、169、161
3、1624、1818、1811、1813 減算器 15、35 変換器 18、38、1519、1620、1817 象限計算器 31、34、2205、2212、2216、2220 反転器 33、45、47、914、1540、165、162、163、1622、182、1
84、206、2206、2210、2211、2215、2219、2223 加算
器 51、81、91、101、111、121、132、142 位相検出器 52、82、92、102、112、122、133、143、1521、1616、1
810 遅延器 54、84、94、104、114、125、135、145、1524 判定器 61、71、151 利得制御器 62、73、153 直交検波器 63、612、72、152、213 A/D変換器 66、77、157 シフトレジスタ 67、78、158 ローパスフィルタ 610、710、156 選択スイッチ 611、712、1512 基準値発生器 615、714、1516 基準電圧発生器 616、715、1518 電圧設定器 618、717、1520 電圧減算器 915、1541 変換テーブル 1015、1525 チャネルデコーダ 1114、1215、1539 平均演算器 1115 周波数制御器 124、1523 周波数オフセット補正用減算器 131、1317、141、1421 遅延検波器 136、147 選択器 146 バッファ 1420、2111 積算器 161、181、2207 大小選択器 164、183、2208 2ビット右シフト器 166、2213、2217、2221 1ビット左シフト器 167、185、2209 3ビット右シフト器 1611、1814 復号器 1612 加算値選択器 1615、189 反転器 192、199 切替回路 193 割算回路 194 平方根テーブル 198 アークタンジェントテーブル 1911 加算回路 201、2010、207 2nビットレジスタ 203 nビットレジスタ 209 ROM 211 比較器 212 差動増幅器 214 低域濾波器215 ゲート 217 非線形増幅器 2112 ゲートパルス発生器 2214、2218、2222 排他的論理和 2224 位相判定器

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力するベクトル成分Ax及びベクトル
    成分Ayに対してそれぞれの絶対値を計算する絶対値計
    算手段と、 その絶対値の差を計算する減算手段と、 前記ベクトル成分Ax及びAyを有するベクトルの属する
    象限を検出する象限計算手段と、 前記減算手段の減算結果を、前記象限計算手段の検出結
    果を反映して変換する変換手段とを備えることを特徴と
    するデータ受信装置。
  2. 【請求項2】 入力するベクトル成分Ax及びベクトル
    成分Ayを有するベクトルの属している象限を検出する
    象限計算手段と、 前記象限計算手段の検出結果に基づいてベクトル成分A
    xを反転させる第1の反転手段と、 前記第1の反転手段の出力とベクトル成分Ayとを加え
    る加算手段と、 前記象限計算手段の検出結果に基づいて前記加算手段の
    出力を反転させる第2の反転手段と、 前記第2の反転手段の出力に対して前記象限計算手段の
    検出結果を反映して変換する変換手段とを備えることを
    特徴とするデータ受信装置。
  3. 【請求項3】 前記変換手段の出力する信号を遅延する
    遅延手段と、前記変換手段の出力する信号から前記遅延
    手段の出力する信号を減算する減算手段と、前記減算手
    段の出力する信号により復号を行なう判定手段とを備え
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のデータ受
    信装置。
  4. 【請求項4】 入力信号の利得を調整する利得制御手段
    と、 利得調整後の信号を直交検波してベクトル成分Axとベ
    クトル成分Ayとに分ける直交検波手段と、 前記ベクトル成分Ax及びAyをサンプリングするA/D
    変換手段と、 サンプリングされたデータの絶対値を計算する絶対値計
    算手段と、 基準値を発生する基準値発生手段と、 前記絶対値計算手段の出力する絶対値から前記基準値を
    減ずる減算手段と、 シフトレジスタと、 前記シフトレジスタに入る前記減算手段の出力信号を選
    択する選択手段と、 前記シフトレジスタの出力を平滑化するローパスフィル
    タとを備え、前記ローパスフィルタからの出力電圧を基
    準電圧と比較して、前記利得調整手段の利得を制御する
    ことを特徴とするデータ受信装置。
  5. 【請求項5】 入力信号の利得を調整する利得制御手段
    と、 利得調整後の信号をサンプリングするA/D変換手段
    と、 サンプリングされた信号を直交検波してベクトル成分A
    xとベクトル成分Ayとに分ける直交検波手段と、 前記ベクトル成分Ax、Ayの絶対値を計算する絶対値計
    算手段と、 基準値を発生する基準値発生手段と、 前記絶対値計算手段の出力する絶対値から前記基準値を
    減ずる減算手段と、 シフトレジスタと、 前記シフトレジスタに入る前記減算手段の出力信号を選
    択する選択手段と、 前記シフトレジスタの出力を平滑化するローパスフィル
    タとを備え、前記ローパスフィルタからの出力電圧を基
    準電圧と比較して、前記利得調整手段の利得を制御する
    ことを特徴とするデータ受信装置。
  6. 【請求項6】 前記減算手段から出力された信号と前記
    判定手段が復号した信号との間の誤差を検出する誤差検
    出用減算手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載
    のデータ受信装置。
  7. 【請求項7】 前記誤差検出用減算手段から出力される
    信号の絶対値を計算する絶対値計算手段と、前記絶対値
    を積算する加算手段と、前記加算手段の出力を回線品質
    推定値に変換する変換テーブルとを設けたことを特徴と
    する請求項6に記載のデータ受信装置。
  8. 【請求項8】 前記誤差検出用減算手段から出力される
    信号の絶対値を計算する絶対値計算手段と、前記絶対値
    を用いて復号データの軟判定を行なうチャネルデコーダ
    とを設けたことを特徴とする請求項6に記載のデータ受
    信装置。
  9. 【請求項9】 前記誤差検出用減算手段から出力される
    信号の平均値を演算する平均演算手段と、前記平均値に
    基づいて周波数オフセットを除去するための周波数制御
    を行なう周波数制御手段とを設けたことを特徴とする請
    求項6に記載のデータ受信装置。
  10. 【請求項10】 前記誤差検出用減算手段から出力され
    る信号の平均値を演算する平均演算手段と、前記平均値
    に基づいて前記判定手段に入力する信号の周波数オフセ
    ットを補正する補正手段とを設けたことを特徴とする請
    求項6に記載のデータ受信装置。
  11. 【請求項11】 前記誤差検出用減算手段から出力され
    る信号の絶対値を計算する絶対値計算手段と、前記絶対
    値に基づいて、複数の判定手段が複数のブランチの信号
    を用いて復号したデータの中から最適なものを選択する
    選択手段とを設けたことを特徴とする請求項6に記載の
    データ受信装置。
  12. 【請求項12】 前記絶対値計算手段が計算した絶対値
    を積算する積算手段を設け、前記選択手段が、前記積算
    手段の積算した積算値に基づいて最適な復号データの選
    択を行なうようにしたことを特徴とする請求項11に記
    載のデータ受信装置。
  13. 【請求項13】 入力信号の利得を調整する利得制御手
    段と、 利得調整後の信号をサンプリングするA/D変換手段
    と、 サンプリングされた信号を直交検波してベクトル成分A
    xとベクトル成分Ayとに分ける直交検波手段と、 前記ベクトル成分Ax、Ayの絶対値を計算する絶対値計
    算手段と、 基準値を発生する基準値発生手段と、 前記絶対値計算手段の出力する絶対値から前記基準値を
    減ずる減算手段と、 シフトレジスタと、 前記シフトレジスタに入る前記減算手段の出力信号を選
    択する選択手段と、 前記シフトレジスタの出力を平滑化するローパスフィル
    タと、 前記ローパスフィルタからの出力電圧を基準電圧と比較
    して、前記利得調整手段の利得を制御する手段と、 前記ベクトル成分Ax、Ayからベクトルの属する象限を
    計算する象限計算手段と、 前記ベクトル成分Axの絶対値から前記ベクトル成分Ay
    の絶対値を減算する減算手段と、 前記減算手段の減算結果を、前記象限計算手段の検出結
    果を反映して変換する変換手段と、 前記変換手段の出力する信号を遅延する遅延手段と、 前記変換手段の出力する信号から前記遅延手段の出力す
    る信号を減算する減算手段と、 前記減算手段の出力する信号に含まれる周波数オフセッ
    トを補正する補正手段と、 前記補正手段から出力される信号により復号を行なう判
    定手段と、 前記減算手段から出力された信号と前記判定手段が復号
    した信号との間の誤差を検出する誤差検出用減算手段
    と、 前記誤差検出用減算手段から出力される信号の平均値を
    演算して演算結果を前記補正手段に出力する平均演算手
    段と、 前記誤差検出用減算手段から出力される信号の絶対値を
    計算する絶対値計算手段と、 前記絶対値を用いて復号データの軟判定を行なうチャネ
    ルデコーダと、 前記絶対値計算手段の出力する絶対値を積算する加算手
    段と、 前記加算手段の出力を回線品質推定値に変換する変換テ
    ーブルとを備えることを特徴とするデータ受信装置。
  14. 【請求項14】 入力するベクトル成分Ax及びベクト
    ル成分Ayに対してそれぞれの絶対値を計算する絶対値
    計算手段と、 その絶対値の差を計算する逆正接計算用減算手段と、 前記ベクトル成分Ax及びAyを有するベクトルの属する
    象限を検出する象限計算手段と、 前記ベクトル成分Ax、Ayの絶対値の大きい方と小さい
    方とを選択する大小選択手段と、 前記大小選択手段で選択された小さい方の絶対値のビッ
    トを右にシフトする右シフト手段と、 前記大小選択手段で選択された大きい方の絶対値と前記
    右シフト手段でビットシフトされた小さい方の絶対値と
    を加算して前記ベクトルの大きさに相当する値Zを生成
    する加算手段と、 前記Zの値のビットを左にシフトしてZの倍数を生成す
    る左シフト手段と、 ベクトルの属する象限に応じて0またはZの整数倍の値
    から選択した位相補正用の値を出力する加算値選択手段
    と、 ベクトルの属する象限に応じて前記逆正接計算用減算手
    段から出力される値を反転する反転手段と、 前記反転手段の出力する値に前記加算値選択手段から出
    力された位相補正用の値を加算する位相補正用加算手段
    と、 位相補正された値を用いて遅延検波を行なう遅延検波手
    段と、 遅延検波された値を用いて復号する復号手段とを備える
    ことを特徴とするデータ受信装置。
  15. 【請求項15】 前記遅延検波された値の絶対値を計算
    する遅延検波後絶対値計算手段と、前記遅延検波後絶対
    値計算手段の出力する絶対値から前記Zの整数倍の値を
    減じる減算手段と、前記遅延検波後絶対値計算手段及び
    減算手段の出力する符号に基づいてデータを復号する復
    号手段とを備えることを特徴とする請求項14に記載の
    データ受信装置。
  16. 【請求項16】 入力するベクトル成分Ax及びベクト
    ル成分Ayに対してそれぞれの絶対値を計算する絶対値
    計算手段と、 その絶対値の差を計算する逆正接計算用減算手段と、 前記ベクトル成分Ax及びAyを有するベクトルの属する
    象限を検出する象限計算手段と、 前記ベクトル成分Ax、Ayの絶対値の大きい方と小さい
    方とを選択する大小選択手段と、 前記大小選択手段で選択された小さい方の絶対値のビッ
    トを右にシフトする右シフト手段と、 前記大小選択手段で選択された大きい方の絶対値と前記
    右シフト手段でビットシフトされた小さい方の絶対値と
    を加算して前記ベクトルの大きさに相当する値Zを生成
    する加算手段と、 ベクトルの属する象限に応じて前記逆正接計算用減算手
    段から出力される値を反転する反転手段と、 前記反転手段の出力する値を用いて遅延検波を行なう遅
    延検波手段と、 遅延検波された値の絶対値を計算する遅延検波後絶対値
    計算手段と、 前記遅延検波後絶対値計算手段の出力する絶対値から前
    記Zの値を減じる減算手段と、 前記減算手段の減算結果やベクトルの属する象限の信号
    からデータを復号する復号手段とを備えることを特徴と
    するデータ受信装置。
  17. 【請求項17】 入力するベクトル成分Ax及びベクト
    ル成分Ayに対してそれぞれの絶対値を計算する絶対値
    計算手段と、 その絶対値の差を計算する減算手段と、 前記ベクトル成分Ax、Ayを有するベクトルの大きさに
    相当する値Zを生成するベクトル大きさ計算手段と、 前記減算手段により計算された前記絶対値の差を前記Z
    で除算する複数段の除算手段と、 前記ベクトル成分Ax、ベクトル成分Ay、前記減算手段
    の出力及び前記各除算手段の出力のMSBによって表さ
    れる情報から位相情報を検出する位相判定手段とを備え
    ることを特徴とするデータ受信装置。
  18. 【請求項18】 前記除算手段が、入力データを2倍す
    るためにシフトする左シフト手段と、前記入力データの
    MSBを反転する反転手段と、前記反転手段の出力が1
    のときに前記Zを反転して出力し、前記反転手段の出力
    が0のときに前記Zをそのまま出力する排他的論理和手
    段と、前記左シフト手段と前記排他的論理和手段と前記
    反転手段との出力を加算する加算手段とを備えることを
    特徴とする請求項17に記載のデータ受信装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010245836A (ja) * 2009-04-06 2010-10-28 Mitsubishi Electric Corp 受信装置

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JP2010245836A (ja) * 2009-04-06 2010-10-28 Mitsubishi Electric Corp 受信装置

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