JPH09297304A - 反射型液晶表示素子及びその製造方法 - Google Patents
反射型液晶表示素子及びその製造方法Info
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- JPH09297304A JPH09297304A JP8114025A JP11402596A JPH09297304A JP H09297304 A JPH09297304 A JP H09297304A JP 8114025 A JP8114025 A JP 8114025A JP 11402596 A JP11402596 A JP 11402596A JP H09297304 A JPH09297304 A JP H09297304A
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Abstract
子では、明るくかつ高コントラストであるといった優れ
た視認性が得られ難く、明るくかつコントラストにも優
れた素子の開発が期待されている。 【解決手段】 透明基板1a,1bとで、液晶層6が挟
持されており、透明基板1bの液晶層6側には、表示電
極を兼ねた鏡面反射板2と配向膜3aとが順に形成さ
れ、透明基板1bの液晶層6側には、散乱板4、透明電
極5、配向膜3bが順に形成されている。液晶層6は、
液晶材料に多色性色素とカイラル剤を混入したGH液晶
からなり、多色性色素により吸収を有すると共に、自発
的にねじれ構造も有し、配向膜3a,3bのラビング方
向により、透明基板1a,1b間でねじれ配向されてい
る。そのねじれ角は140度〜240の範囲をとる。
Description
バックライト等の外部光源を持たない反射型液晶表示素
子、及びその製造方法に関するものである。
示モードのなかで、コントラストよりも明るさを優先さ
せた表示モードであるため、反射形液晶表示素子に利用
されてきた。そして、低いコントラストを高くする改良
が成された第1の改良型として、図17に示す反射型液
晶表示素子がある。
演予稿集(p320〜321)に開示されたもので、対
向配置された透明な上基板112aと下基板112bと
の間に、GH液晶層111を挟持し、上基板112aの
液晶層側には、透明電極113、光拡散層114、配向
膜115aが順に形成され、下基板112bの液晶層側
には、鏡面性を有する反射電極116、λ/4層118
の配向膜117、λ/4層118、配向膜105bが順
に形成されており、GH液晶層111の液晶分子は平行
配向されている。したがって、この構成では、GH液晶
層111で吸収されなかった偏光がλ/4層118と平
坦な反射電極116とを通過することによって、再び液
晶層に吸収されるようになるので、コントラストが幾分
向上する。
層をπから2πラジアンにねじる技術が特開昭59−2
8130号公報に開示されている。
は、偏光板を使用するため、高いコントラストが得られ
るが、その分明るさが低下する。偏光板の枚数を1枚に
して明るさの改良を図ったものとして、図18に示す反
射型液晶表示素子がある。該液晶表示素子は、AM−L
CD95(Digest of TechnicalP
arers,1995年,p27〜30)に開示された
もので、対向配置された透明な上基板102aと下基板
102bとの間に、液晶層101を挟持し、上基板10
2aの液晶層側には透明電極103が形成される一方、
下基板102bの液晶層側には電極を兼ねた鏡面反射板
106が形成され、さらに、上基板102aの外面側に
は、偏光板104と散乱板105とが順に形成された構
成である。
うな反射型液晶表示素子やその改良型が提案されている
が、明るさとコントラストとの最適化が不十分であった
り、視差が生じたりし、また、特に、カラーフィルター
を搭載させてカラー表示を行うことは全く不可能である
といった問題があった。
たλ/4板は、波長特性がなく、波長によっては、λ/
4条件が満足されず、可視光全般にわたってコントラス
トを向上させるには至らなかった。このため、表示した
ときのコントラストが不十分という問題が生じていた。
晶層をねじる技術は、透過型について開示された技術で
ある。しかも、この技術による作用効果は、光学特性で
はなく、閾値付近の急峻性を向上させる効果として開示
されている。したがって、反射型として設計する場合、
透過型の数値範囲をそのまま、或いは単純な計算方法で
転用することが不可能であった。それは、以下の二つの
理由による。
ねじれ角度がπから2πラジアンにすることを開示して
いるが、この数値範囲内でねじれ角と明るさとの関係を
開示していない。透過型では、明るさが少々劣っていて
もバックライトに頼れるが、反射型は明るさの確保が第
1条件となり、明るさを少しでも多く確保するための検
討が必須となる。
単純計算(例えば、透過型液晶表示素子の1/2倍な
ど)で導き出せるものではない。透過型液晶表示素子の
液晶層は連続的であるのに対し、反射型は、液晶層が二
つに分離しており、これらの間には、反射板に相当する
反射面が存在する。このため、液晶層が平行配向の場合
は、数学的に液晶層の厚みを数倍した単純計算で置き換
えられるが、ねじれ配向の場合は、ねじれに対する旋光
分散や楕円偏光の位相変換などを考慮しなくてはならな
い。特開昭59−28130号公報には、反射型の素子
構成は開示されているが、反射型のねじれ配向の光学特
性については開示されておらず、透過型液晶表示素子の
最適パラメーターから、自明で類推し得るものではな
い。
るさと視野角との改善が図られているものの、ガラス等
からなる基板を通過してから偏光板と散乱板とを通過す
るため、視差が大きくなるという問題が生じていた。
題に鑑みて成されたものであり、反射型液晶表示素子に
的を絞り込んで各条件の最適化を図ることで、より明る
くよりコントラストに優れた反射型表示素子を提供する
ことにある。さらに、カラーフィルターを搭載させ、多
色カラー表示が可能な反射板液晶表示素子を実現するこ
とにある。
めに、本発明の請求項1に記載の反射型液晶表示素子
は、少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対の基
板に挟持された多色性色素を含有する液晶層と、該液晶
層に電圧を印加するための電極と、上記一対の基板のう
ちの透明な基板と液晶層との間に配された散乱層と、上
記一対の基板のうちの透明でなくともよい基板と液晶層
との間に配された平坦な反射面を有する反射層とを備
え、上記液晶層にはカイラル剤がさらに添加されて液晶
分子が一対の基板の表面に対して垂直な螺旋軸を中心に
ねじれており、一対の基板の一方から他方に至る液晶分
子のねじれ角が140度以上250度以下の範囲にある
ことを特徴としている。
構造のGH方式においては、光は、その偏光面を回転さ
せながら液晶層を通過する。その際に、多色性分子によ
る光の吸収が生じる。このことにより偏光板を用いなく
とも、電圧無印加時(正の誘電率異方性のGH液晶の場
合)に十分な光吸収が得られる。
た、より明るい表示を実現するために、液晶分子のねじ
れ角と明るさについて詳細な検討を行った。その結果、
電圧印加状態(オン状態)の明るさに対して、前記特開
昭59−28130号公報の開示内容のねじれ角の範囲
が必ずしも最良ではなく、オン状態の明るさは、ねじれ
角に大きく依存することがわかった。さらに、発明者ら
が検討したねじれ角の中でも最も明るく、ヒステリシス
を生じない、最適なねじれ角が存在することを見い出し
た。
ねじれ角依存性を示す。印加電圧は全てのねじれ角にお
いて一定にした。図7に示されるように、ねじれ角を変
化させることにより電圧印加時の反射率が変動すること
がわかる。このうち、ねじれ角が約0度と約180度付
近に反射率が最も高くなる領域が存在し、140度〜2
50度の領域のねじれ角でGH液晶を作製すれば最も明
るい表示が得られることがわかった。
は、GH液晶層の液晶分子を、一対の基板の一方から他
方に至るねじれ角が140度以上250度以下の範囲で
ねじれ配向させている。この範囲であれば、光の偏光面
の回転が液晶分子の配向変化に追随できないため、十分
な光吸収がおこる。この光吸収には、波長特性の違いが
ないため、可視光全般にわたって光吸収が行われる。こ
れにより、ねじれGH方式における、より反射型に適し
た、明るくかつコントラストも良好なものとなる。
ない内付けの反射層として、平坦な反射面を有する反射
層が用いられているので、設定通りのねじれ角に液晶分
子を容易に配向させることが可能となり、設定ねじれ角
やセル厚の僅かなずれ等により表示ムラが生じるような
こともない。尚、配向を容易にする、平坦な反射面を有
する反射層を用いても、拡散層が反射層とは液晶層を挟
んで配されているので、この拡散層により、視野範囲を
広く確保できるため、視野角が狭められる等の虞れもな
い。
素子は、請求項1の構成において、上記反射層と液晶層
との間に、1/4波長層が配されていることを特徴とし
ている。
/4波長層が反射層上に設けられるので、電圧無印加
(正の誘電率異方性のGH液晶の場合)の暗表示におい
て、液晶層を通過する際に多色性色素に吸収されなかっ
た光も、反射後再び液晶層を通過する際に吸収されるよ
うになる。つまり、液晶層を通過する際に多色性色素に
吸収されなかった光は、1/4波長層を通過することで
円偏光に偏光され、反射層で偏光が保存された状態で反
射される。そして、再び1/4波長層を通過するとき
に、90度回転された直線偏光となり、多色性色素に吸
収される。そのため、暗表示がより良好となり、反射光
強度は入射光強度に比較して非常に小さくなり、コント
ラストのさらなる向上が図れる。しかも、平坦な反射面
を有する反射層であるので偏光を保存でき、このような
偏光を保存する必要のある構成において、理想的な動作
が期待できる。
素子は、少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対
の基板に挟持された光学的に複屈折を示す液晶層と、該
液晶層に電圧を印加するための電極と、上記一対の基板
のうちの透明な基板と液晶層との間に配された散乱層
と、該散乱層と液晶層との間に配された偏光子と、上記
一対の基板のうちの透明でなくともよい基板と液晶層と
の間に配された平坦な反射面を有する反射層と、該反射
層と液晶層との間、又は液晶層と上記偏光子との間の何
れかに配された位相差層とを備えたことを特徴としてい
る。
を組み合わせた液晶セルでは、液晶層に印加する電圧を
制御して、位相差層と液晶層との見かけ上のリタデーシ
ョンを1/4波長条件と0とに設定し、この値を切り換
えることで、明表示・暗表示を行うため、偏光が保存さ
れないと、液晶層を通過する光のリタデーションが設定
された値から大きくずれることとなるが、これによれ
ば、反射層は平坦な反射面を有するので、反射層では偏
光が保存され、液晶層を通過する光のリタデーションが
設定された値から大きくずれることはない。即ち、リタ
デーションと反射率との関係において、最大値・最小値
を使用した明表示・暗表示とが可能となるため、明るさ
とコントラストの向上が図れることとなる。尚、平坦な
反射面を有する反射層を用いても、拡散層が反射層とは
液晶層を挟んで配されているので、この拡散層により、
視野範囲を広く確保できるため、視野角が狭められる等
の虞れもない。
セル内に設け、かつ、偏光子の基板側に拡散層を配し、
偏光子より液晶層側に位相差層を配するように設計した
ので、各層の機能が効果的に得られると共に、視差のな
い、高精細な表示を実現できるものとなる。
素子は、少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対
の基板に挟持された液晶層と、該液晶層に電圧を印加す
るための電極と、上記一対の基板のうちの透明でなくと
もよい基板と液晶層との間に配された反射層と、1/4
波長層や位相差層等の光学的に複屈折を示す複屈折層と
を備え、該複屈折層の光学的なリタデーションが、赤、
緑および青の画素ごとに色の有する波長に応じて変えら
れていることを特徴としている。
相差板と液晶層との見かけ上のリタデーションの補償条
件も、色の有する波長により当然異なる。したがって、
請求項4に係る発明のように、画素毎にその画素に対応
した色に応じてリタデーションを変えることで、カラー
表示を行ったとき、より十分なコントラストが得られ、
色再現性の向上が図れる。
素子の製造方法は、少なくとも一方が透明な一対の基板
と、該一対の基板に挟持された液晶層と、該液晶層に電
圧を印加するための電極と、上記一対の基板のうちの透
明でなくともよい基板と液晶層との間に配された反射層
と、1/4波長層や位相差層等の光学的に複屈折を示す
複屈折層とを備え、該複屈折層の光学的なリタデーショ
ンが、赤、緑および青の画素ごとに色の有する波長に応
じて変えられている反射型液晶表示素子の製造方法であ
って、上記複屈折層の作製にあたり、複屈折層となる材
料層の膜厚を赤の波長に応じたリタデーションを有する
ように調整した後、青の画素部分のみを、緑の波長に応
じたリタデーションを有する膜厚と青の波長に応じたリ
タデーションを有する膜厚の差分だけエッチングし、そ
の後、緑と青の各画素部分を、赤の波長に応じたリタデ
ーションを有する膜厚と緑の波長に応じたリタデーショ
ンを有する膜厚の差分だけエッチングすることを特徴と
している。
に色の有する波長に応じて変えられている複屈折層を、
色毎に別々に作製する場合よりも少ない工程数で作製す
ることができるので、請求項4に記載のカラー表示可能
な反射型液晶表示素子の製造工程を簡素化できる。
図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。
子の構成を断面図にて示す。図1に示すように、液晶表
示素子は、GH(ゲストホスト)液晶セル61とこのG
H液晶セル61に接続された変調制御手段50とから構
成されている。
て配された一対の透明基板1a,1bを有しており、こ
のうち、光反射側となる1aについては、透明でなくて
もよい。透明基板1aにおける透明基板1bとの対向面
には、平坦な反射面を有し偏光を保存し得る反射層で、
かつ表示電極でもある鏡面反射板2が設けられ、さらに
その上には液晶分子の配向方向を制御するための配向膜
3aが形成されている。また、透明基板1bにおける透
明基板1aとの対向面には、光を散乱させる散乱板(散
乱層)4が設けられ、さらにその上には透明電極5、液
晶分子の配向方向を制御するための配向膜3bが同順に
形成されている。そして、上記配向膜3a,3b間に
は、多色性色素とカイラル剤とを混入したGH液晶層6
が挟持されている。GH液晶層6は、多色性色素により
吸収を有すると共に、カイラル剤が添加されているため
自発的なねじれ構造も有している。
1における鏡面反射板2及び透明電極5に接続されてお
り、鏡面反射板2と透明電極5との間に印加される電圧
による外場である電界でGH液晶層6の配向状態を制御
し、反射光の光強度を変調制御するようになっている。
H液晶セル61の製造方法の一例を説明する。透明基板
1a,1bとしては、厚みが1.1mmの商品名705
9ガラス基板(コーニンググラスワークス社製)を使用
する。透明基板1aとなるガラス基板上に、アルミをス
パッタ法によって形成し鏡面反射板2を形成する。もう
一方の透明基板1bとなるガラス基板上には、表面に熱
硬化性の樹脂に直径3μmのプラスチックビーズを分散
させ、これをスピンコート法によって均一な膜厚になる
ように形成し、その後焼成して硬化することで膜厚8μ
mの散乱板4を形成する。そして、さらに散乱板4上
に、ITO膜をスパッタ法により成膜し透明電極5を形
成する。
2、及び透明基板1bにおける透明電極5の上に、商品
名SE−150ポリイミド(日産化学社製)膜をスピン
コート法により均一に形成し、焼成後ラビングを施し、
配向層3a,3bを形成する。ラビング方向は、上下の
基板間で240度ねじれた液晶分子の配向を実現できる
ように設定する。
一方に、液晶層6の間隔を一定に保つための図示しない
直径5μmのグラスファイバースペーサ(日本電気硝子
社製)を散布し、液晶封止層として直径5.3μmのグ
ラスファイバースペーサを混入した接着性シール材をス
クリーン印刷する。その後、透明基板1a,1bの配向
膜側を貼り合わせる。
気によりGH液晶層6となる液晶を注入し、これにてG
H液晶セル61が作製される。
としてガラス基板を用いたが、石英やプラスチック基板
等も使用できる。また、上記散乱板4の膜厚を8μmと
したが、膜厚はこれに限定されるものではなく、多数回
スピンコートを行うことでさらに厚い膜の作製が可能で
あり、散乱強度を強くできる。また、散乱板4の作製手
法も上記の手法に限定されるものではなく、例えばホロ
グラムを用いた手法等を用いることができる。
μmに設定したが、特にこの値に制限するものではな
く、十分な可視光の吸収が得られ、印加電圧に対する実
用的な応答速度が得られる厚さであれば良く、通常はl
〜20μm程度が良い。
たGH液晶セルのコントラストの屈折率異方性(Δn)
依存性を示している。図2に示すように、GH液晶セル
のコントラストはΔnに大きく依存する。特に、Δnが
0.lを超えるとコントラストが急激に悪くなることが
わかる。これは、液晶のΔnが大きくなると旋光性が大
きくなり、その結果、電圧無印加時の吸収が小さくなり
十分なオフ状態の反射率が得られないからである。した
がって、この図より、Δnは、0.1以下が好ましい。
向を得るために、液晶分子を基板表面からわずかに傾斜
させる必要がある。液晶分子の配向方向と基板表面とが
なす角度、いわゆるプレチルト角は、l〜20度程度が
望ましい。しかし、実験的には、プレチルト角が5度以
上のとき、液晶表示素子のコントラストが良くなること
が確認されたため、本実施の形態では、プレチルト角を
5度に設定した。ブレチルト角はラビングの条件によっ
て制御され得る。
下のようにして調製する。用いた液晶は商品名ZLI−
4792(メルク社製)であり、このホスト液晶に、ア
ゾ系およびアントラキノン系の黒色の多色性色素を数w
t%混入する。さらに、液晶に自発的なねじれを与える
ために、光学活性物質の商品名S−81l(メルク社
製)を数wt%混入し、セル厚dとピッチpとの比d/
pがほぼ0.5になるように調整した。
はなく、例えば本実施の形態の場合は0.42以上0.
91以下であれば良い。但し、用いる液晶材料によって
はd/pの値が大き過ぎるとストライプドドメインが生
じ、良好な表示を実現できないため、液晶材料による臨
界d/pマージンを予め確認しておき、セル厚dと液晶
の自発ねじれピッチpの比を調整する必要がある。
光学特性におよぼす影響を拡張ジョーンズマトリクス法
に基づいた計算により評価した。ただし、ジョーンズマ
トリクス法は偏光光学系しか扱えないため、自然光の反
射率を、ねじれた液晶中の2つの固有モードである右円
偏光と左円偏光とに分けて計算し、それぞれの反射率の
平均値を求めることで本実施の形態のGH液晶の光学特
性を評価した。その結果、図3に示すように、同じオン
状態の電圧を印加するとき、スプレイの弾性定数k11の
絶対値が小さいほど反射率が高く、明るい表示が得られ
ることがわかった。そのため、一定の印加電圧でより明
るい表示を得ようとすれば、k11の値は小さい程良い。
具体的には、k11の値は、10ピコニュートン(pN)
以下が望ましい。さらに、図4に示すように、同じオン
状態の電圧を印加する時、ベンドとスプレイとの弾性定
数の比k33/k11の値が小さいほど反射率が高く、明る
い表示が得られることがわかる。そのため、一定の印加
電圧でより明るい表示を得ようとすれぱ、k33/k11の
値は小さい程良い。具体的には、その比の値は1.27
以下が望ましい。
液晶分子のねじれ角を180度および90度にした場合
の反射率の印加電圧衣存性を示したものである(図7に
示すように、180度は電圧印加時の反射率が高いねじ
れ角であり、90度は電圧印加時の反射率が低いねじれ
角である)。図5より、本実施の形態で作製した液晶表
示素子は、電圧印加時の反射率が高く、非常に明るい表
示を実現できることがわかる。
ねじれ角の範囲は、0度以上50度以下、および140
度以上250度以下となる。したがって、明るさの点で
好ましいねじれ角は、0度以上50度以下、および14
0度以上250度以下である。また、反射率の極大値
は、原理的にπラジアン周期で現れるため、上記のねじ
れ角の範囲にπラジアンの整数倍を加えたねじれ角も好
ましい。尚、反射率が50%という数値は、通常の新聞
と同程度の明るさであり、非常に見やすい表示が得られ
る。
ればなるほど向上する。つまり、電圧無印加時、多色性
色素による光の吸収がねじれ角が大きくなるほどより効
果的に行われ、反射光強度を入射光強度に比べて非常に
小さくでき、暗表示がより暗くなりコントラストが向上
する。しかしながら、その一方、ねじれ角が大きくなる
ほど上記したd/pのマージンが狭くなり、ヒステリシ
スを生じる。
表示素子に適し、明るく、高コントラストで中間調表示
も可能なねじれ角は、140度以上250度以下の範囲
が好ましいと言える。
射率の印加電圧依存性を示す。このグラフから急峻な閾
特性を実現できて、明るく高コントラストを実現できる
ことがわかる。
合、反射面がほぼ平坦な鏡面反射板2と散乱板4との組
み合わせを用いたので、反射層に凹凸を形成する必要が
ない。そのため、240度のねじれ角といったd/pの
マージンの狭い領域で、液晶分子を設定通りのねじれ角
に良好に配向させることができる。その結果、電圧をか
けたときにストライプドドメインを発生させるようなこ
となく、良好な表示を実現できる。
よる外界の写り込みや、視野範囲が狭くなる問題も解消
され、広い視野範囲のものとなり、大容量表示に適した
ものである。また、鏡面反射板2は、製造が容易である
という優れた特徴も有する。
40度ねじれたGH液晶としたので、十分な明るさとコ
ントラストを得ながらヒステリシスが発生せず、中間調
が表示できるが、ねじれ角はこれに限定されるものでは
なく、中間調を表示しないのであれば、両方の基板界面
で液晶分子を垂直配向させ、多色性染料を添加したカイ
ラルネマティック液晶を用いたモードも使用できる。
液晶材料を用いたが、負の誘電率異方性を有する液晶材
量を用いて、垂直からわずかに傾斜させる配向としても
同様の効果が得られ、この場合は、暗表示においては若
干上記のものにおいて暗さが劣るが、明表示、基板付近
の液晶分子もほぼ垂直に立ち上がるので、光の吸収が殆
どおこらず、さらに明るい表示が得られることとなる。
を添加したGH液晶に光重合性のポリマーを添加して、
液晶をセル内に導入したあとでポリマーを光重合させた
いわゆるポリマーネットワークGH液晶モードも使用で
きる。この場合は、暗表示での光の吸収が十分行われる
ことによりコントラストの良い表示を実現できる。
添加したGH液晶をマイクロカプセル化して樹脂に分散
させ、同様に液晶セルを形成した、いわゆるNCAP方
式を用いても上記と同様の効果を実現できる。
について、図8ないし図12に基づいて説明すれば、以
下の通りである。尚、説明の便宜上、前記実施の形態に
て示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符
号を付記し、その説明を省略する。
子の構成を断面図にて示す。図8に示すように、液晶表
示素子は、GH液晶セル62とこのGH液晶セル62に
接続された変調制御手段50とから構成されている。
て配された透明基板1a,1bを有しており、透明基板
1aの透明基板1bとの対向面には、鏡面反射板12が
設けられ、その上には光学的に複屈折を有する複屈折層
である1/4波長板(以下、λ/4板と称する)7、透
明電極5a、液晶分子の配向方向を制御するための配向
膜3aがこの順に形成されている。本実施の形態では、
上記λ/4板7は、波長550nmでλ/4条件を満た
すように設定されている。また、透明基板1bの透明基
板1aとの対向面には、散乱板4、透明電極5b、液晶
分子の配向方向を制御するための配向膜3bがこの順に
設けられている。そして、上記配向膜3a,3b間に
は、多色性色素とカイラル剤とを混入した前述と同様
の、GH液晶層6が挟持されている。
2における透明電極5a及び透明電極5bに接続されて
おり、透明電極5a,5b間に印加される電圧による外
場である電界でGH液晶層6の配向状態を制御し、反射
光の光強度を変調制御するようになっている。
セル62の製造方法の一例を説明する。透明基板1a,
1bとしては、前述の実施の形態1と同様のものを用い
ることができ、透明基板1aとなるガラス基板上に、実
施の形態1の鏡面反射板2の場合と同様の手法で鏡面反
射板12を形成する。次いで、鏡面反射板12の上に、
配向膜(図示せず)をスピンコート法により均一に形成
し、焼成後ラビングを施し、さらに、その上にアクリル
系の液晶性高分子溶液を塗布成膜し、ガラス転移温度以
上に加熱した後徐冷することでλ/4板7を形成する。
尚、λ/4板7の形成方法は、上記の手法に限るもので
はなく、例えば、特開平7−72331号公報に開示さ
れているように、λ/4のリタデーションを持つ、ポリ
カーボネートや、ポリビニルアルコール樹脂からなる高
分子フィルムを、透明な粘着剤により貼り付けることで
も得られる。λ/4板7は、波長550nmで1/4波
長条件を満たすように設計しており、具体的には光学的
なリタデーションが概略140nmになるように膜厚を
調整する。
施の形態1と同様の手法により形成し、さらにITO膜
をスパッタ法によって形成することで、透明電極5bを
形成する。配向膜3a,3bも、実施の形態1と同様の
手法により形成する。但し、透明基板1aと透明基板1
bとの各ラビング方向は、液晶分子が180度のねじれ
角で配向されるように互いに平行とする。
明基板1a,1bとを貼り合わせ、基板1a,1b間
に、真空脱気によりGH液晶層6となる液晶を注入し、
これにてGH液晶セル62を作製する。
設定したが、特に制限されるものではなく十分な吸収が
得られ、実用的な応答速度が得られる厚さであれば良
く、通常は1〜20μm程度が良い。
件を満たすようにλ/4板7を形成している。これは、
最も視感度の高い波長で最適化することで、視感度コン
トラストを良好にするためである。そして、このように
一様なリタデーションとすることで、製造プロセスが簡
便で量産性に優れるという利点がある。
異方性を有する液晶材料を用いているので、電圧無印加
時、透明基板1b側からGH液晶層6に入射した光の色
素分子に平行な成分は吸収され、色素分子に垂直な成分
は吸収されずに透過する。そのため、透過した光は強く
偏光されてλ/4板7に入射することになる。吸収され
なかった光はλ/4板7の光軸に45度の角度で入射
し、λ/4板7の光学的位相差によって円偏光に変換さ
れる。さらに、鏡面反射板12によって反射された円偏
光はもう一度λ/4板7を通ることによって直線偏光に
変換される。このとき、偏光方向は90度回転され、色
素分子に平行な方向に変換されている。そのため、再び
GH液晶層6を通過する際に強く吸収され、反射光強度
は入射光強度に比較して非常に小さくなり、暗表示とな
る。
素分子も立ち上がり、GH液晶層6に入射した光は吸収
されずに透過し、ほとんど偏光されずにλ/4板7に入
射する。そして、吸収されなかった光はλ/4板7で偏
光されずに鏡面反射板12によって反射され、再びλ/
4板7を通過して、GH液晶層6に入る。このときも光
は色素分子により吸収されず、入射した光はそのまま出
射することとなる。すなわち、この場合はλ/4板7は
効果を失い、吸収を大きくすることには殆ど寄与しな
い。このため明表示となる。
凹凸を有する反射板では、反射の際に偏光解消効果によ
り偏光が保存されないため、理想的な動作が得られず、
コントラストが悪化するという問題を有していた。しか
しながら、上記液晶表示素子では、鏡面反射板12とし
たので、λ/4板7にて円偏光された光は、円偏光とし
て反射され、再びλ/4板7を通過するときに、正確に
90度回転された直線偏光となる。したがって、反射に
よる偏光解消効果がほとんど生じないため理想的な動作
を実現でき低消費電力で、高コントラストな反射型液晶
表示素子を実現できる。
態の液晶表示素子の反射率の印加電圧依存性を示す。こ
のグラフから急峻な閾特性を実現できて、明るく高コン
トラストを実現できることがわかる。
晶層にλ/4板を組み合わせものと、平行配向させたG
H液晶層にλ/4板を組み合わせたものとの、400n
m〜700nmの波長領域における反射率を示す。平行
配向とねじれ配向とにおいては、電圧印加時の明表示の
反射率は余り変わらない。しかしながら、電圧無印加時
の暗表示の反射率は両者で大きく異なる。従来技術であ
る平行配向の場合、波長400nm〜500nm、波長
600〜700nmあたりの吸収が悪く、暗表示が黒色
ではなく紫色になる。そのため、暗表示が良好とは言え
ず、コントラストも悪くなる。図11に、両者の400
nm〜700nmの波長領域におけるコントラストを示
す。
備えた素子構成においても、ねじれ角を140度以上2
50度以下に設定することで、色付きのない暗(黒)表
示が実現され、さらにコントラストが大きく改善される
ことがわかる。
定にして、λ/4板がある液晶表示素子とλ/4板が設
けられていない液晶表示素子の各反射率の印加電圧依存
性を調べた結果を示す。この図から、GH液晶をねじる
ことに加えてλ/4板を設けることで、さらに閾特性が
急峻になり、同程度の印加電圧でさらに良好なコントラ
ストを実現できることがわかる。
てコントラストを高くするために、ねじれ角を180度
に設定しているが、図10、図11にて例示したものの
ように、ねじれ角を増やすことでさらに高コントラスト
な表示を実現できる。
について、図13及び図14に基づいて説明すれば、以
下の通りである。尚、説明の便宜上、前記実施の形態に
て示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符
号を付記し、その説明を省略する。
素子の構成を断面図にて示す。図13に示すように、液
晶表示素子は、GH液晶セル63とこのGH液晶セル6
3に接続された変調制御手段50とから構成されてい
る。
のGH液晶セル62と、以下の2点が異なるだけで、そ
れ以外は同様の構成を有している。つまり、一つは、透
明基板1bに設けられた散乱板4と透明電極5bとの間
に、赤(R),緑(G),青(B)の各色に対応したカ
ラーフィルタ15(15a,15b,15c)が介在さ
れている点である。もう一つは、λ/4板7’(7
a’,7b’,7c’)の1/4波長条件を与える光学
的なリタデーションが、赤、緑および青の各画素で変え
られている点である。赤、緑および青の各波長で1/4
波長条件を与えるリタデーションは異なるため、各色の
波長に応じて1/4波長条件を与えるリタデーションと
することで、カラー表示において、より良好な表示を実
現できる。
7’を除けば、ほぼ実施の形態2のGH液晶セル62と
同様の手法で作製される。したがって、ここでは、上記
λ/4板7’の作製方法を図14(a)〜(i)を参照
して説明する。尚、図においては、鏡面反射板12は省
略されている。
た後、同図(a)に示すように、鏡面反射板上に、赤の
波長に対して1/4波長となるようなリタデーションを
有するように膜厚を調整してλ/4板7’となるアクリ
ル性の高分子液晶溶液を塗布成膜する。ここでは、厚さ
は約2μmとする。このようにして作製した高分子液晶
層32上に、酸素プラズマ耐性の高いフォトレジスト3
0を全面に塗布し、赤と緑の画素部分をフォトマスク3
1でマスクして、露光する。
うに、青の画素部分のフォトレジスト30のみ除去す
る。その後、同図(c)に示すように、酸素プラズマに
よるドライエッチングによって、青の画素部分の高分子
液晶層32を、赤の画素部分の高分子液晶層32のリタ
デーションが25nm程度減ずるだけ(緑の波長に応じ
たリタデーションを有する膜厚と青の波長に応じたリタ
デーションを有する膜厚の差分)エッチングを行う。こ
こでは、0.31μmのエッチングを行い、その後、同
図(d)に示すように、残りのフォトレジスト30を除
去する。
トレジスト30を全面に塗布し、赤の画素部分のみをフ
ォトマスク31でマスクして、露光する。そして、現像
により、同図(f)に示すように、青と緑の画素部分の
フォトレジスト30を除去する。その後、同図(g)に
示すように、酸素プラズマによるドライエッチングによ
って、青及び緑の画素部分の高分子液晶層32のリタデ
ーションがさらに25nm程度減ずるだけ(赤の波長に
応じたリタデーションを有する膜厚と緑の波長に応じた
リタデーションを有する膜厚の差分)エッチングを行
う。
ンを有するλ/4板7’が形成される。そして、同図
(h)に示すように、残りのフォトレジスト30を除去
した後、同図(i)に示すように、光学的に異方性を示
さない熱硬化性樹脂33を3μm程度塗布し、表面を平
坦化する。
青色に対応する層7c’のリタデーションは約113n
m、緑色に対応する層7b’部分が138nm、赤色に
対応する層7a’が163nmであり、それぞれ452
nm、552nmおよび652nmの波長に対して1/
4波長条件を満たすものである。
各層7c’,7b’,7a’に対応するように青、緑お
よび赤のカラーフィルタ15c,15b,15aを対応
させ、位置合わせした後、前述の実施の形態2と同様の
手法によりGH液晶セルを構成してカラー表示可能な液
晶表示素子を作製する。
が良くて色再現性の良いカラー表示可能な反射型液晶表
示素子を実現できる。
について、図15に基づいて説明すれば、以下の通りで
ある。尚、説明の便宜上、前記実施の形態にて示した部
材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記
し、その説明を省略する。
素子の構成を断面図にて示す。図15に示すように、液
晶表示素子は、液晶セル64とこの液晶セル64に接続
された変調制御手段50とから構成されている。
された一対の透明基板1a,1bを有しており、透明基
板1aにおける透明基板1bとの対向面には、平坦な反
射面を有し偏光を保存し得る鏡面反射板12が設けら
れ、さらにその上には光学的に複屈折を有する複屈折層
である位相差板(位相差層)16、透明電極5a、液晶
分子の配向方向を制御するための配向膜3aが形成され
ている。また、透明基板1bにおける透明基板1aとの
対向面には、光を散乱させる散乱層である散乱板4が設
けられ、さらにその上には偏光子17、透明電極5b、
液晶分子の配向方向を制御するための配向膜3bが同順
に形成されている。そして、上記配向膜3a,3b間に
は、光学的に複屈折を示す液晶層18が挟持されてい
る。
に設けることにより、透明基板1bの厚みによる視差が
無くなる。また、位相差板16の配設位置は、上記のよ
うな鏡面反射板12と液晶層18との間、又は液晶層1
8と偏光子17との間となる。
り、本実施の形態では、波長550nmで設計してい
る。これは、最も視感度の高い波長で最適化すること
で、視感度コントラストを良好にするためである。この
ように一様なリタデーションとすることで、製造プロセ
スが簡便で量産性に優れるという利点がある。
おける透明電極5a,5bに接続されており、透明電極
5a,5b間に印加される電圧による外場である電界で
液晶層18の配向状態を制御し、反射光の光強度を変調
制御するようになっている。
セル64の作製方法は、液晶層18に多色性を示す色素
とカイラル剤が添加されていないこと、偏光子17を用
いていること、及び複屈折層としてλ/4板7’ではな
く位相差板16が設けられている点を除けば実施の形態
3と同様であるので、ここでは、偏光子17の作製方法
について述べる。
ばヨウ素等をPVA(ポリビニルアルコール)に分散さ
せ、これをシート状に加工した後一軸延伸することで偏
光膜を形成し、この偏光膜を、紫外線硬化型の樹脂を用
いて、散乱板4が形成されている透明基板1b上に貼り
付けることで得られる。尚、偏光子の作製方法は上記の
ものに限ることなく、たとえば、特開平7−27076
5号公報に開示されている手法、つまり、基板上に、P
VA、ポリアミドイミド、ポリ塩化ビニル等の高分子膜
を塗布して、液晶の配向方向と所定の角度をもつように
ラビング処理を行い、次に、このラビングされた高分子
膜を、ヨウ化カリウム、又はヨウ素をカリウムを混合し
た溶液、又はジスアゾ、トリスアゾ、ジアニシジン系等
の二色性染料を分散した水溶液を塗布、或いは浸すこと
によっても作製できる。
8の光学的なリタデーションと位相差板16の光学的な
リタデーションを補償させることにより表示を行う。例
えば、両者のリタデーションが、液晶層18に電圧を印
加しない状態で1/4波長になるように調整すれば暗表
示を実現でき、0か1/2波長になるように調整すれば
明表示を実現できる。この状態で液晶層18に電圧を印
加すれば、両者の合計のリタデーションが変化し、反射
率が変化する。すなわち、上記のように、液晶層18の
リタデーションを変化させることにより、反射光強度を
変調し、表示を行うわけである。
6−11711号公報や、Jpn.J.Appl.Ph
ys.第34巻L177ページに記載されている。液晶
分子がねじれ配向を有している場合は、複屈折性にさら
に旋光性が加わるためさらに複雑な動作となる(詳細に
ついては例えば、Prc.of.Japan Disp
lay’89 Digest ofTec.Peper
192ページ等を参照されたい)。
を用いるため実施の形態1、2および3の液晶表示素子
に比べて表示は多少暗くなるものの、GH方式に比べて
コントラストに優れるECBモードを用いているので、
コントラストや色再現性が良く、また、散乱板4を液晶
セル内に設けているので、視差のない高精細で高品質な
反射型液晶表示素子を実現できる。
について、図16に基づいて説明すれば、以下の通りで
ある。尚、説明の便宜上、前記実施の形態にて示した部
材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記
し、その説明を省略する。
構成を断面図にて示す。図16に示すように、液晶表示
素子は、液晶セル65とこの液晶セル65に接続された
変調制御手段50とから構成されている。
64とは、以下の2点が異なるだけで、それ以外は同様
の構成を有している。つまり、一つは、透明基板1bに
設けられた偏光子17と透明電極5bとの間に、赤
(R),緑(G),青(B)の各色に対応したカラーフ
ィルタ15(15a,15b,15c)が介在されてい
る点である。もう一つは、位相差板16’(16a’,
16b’,16c’)の光学的なリタデーションが、
赤、緑および青の各画素で変化させている点である。
赤、緑および青の各波長で最適なリタデーションは異な
るため、各色の波長に応じたリタデーションとすること
で、カラー表示においてコントラストと共に色再現性が
より良好になる。
動作原理は実施の形態4と基本的に同一であるので説明
は省略する。
除き、ほぼ実施の形態4の液晶セル64と同様の手法で
作製され、位相差板16’は、実施の形態3のλ/4板
7’と同様の手法で作製できる。但し、位相差板16’
の光学的なリタデーションは液晶層18のリタデーショ
ンによって最適化する必要がある。
4の液晶表示素子に比べ、さらにコントラストや色再現
性の良い高精細で高品質な反射型液晶表示素子を実現で
きる。
示素子は、いずれも液晶セル単独の場合を例示して説明
したが、これらをTFT(Thin Film Transistor) やM
IM(Metal-Insulater-Metal)等の能動素子と組み合わ
せることで大容量表示が行えるのは明らかである。
の反射型液晶表示素子は、少なくとも一方が透明な一対
の基板と、該一対の基板に挟持された多色性色素を含有
する液晶層と、該液晶層に電圧を印加するための電極
と、上記一対の基板のうちの透明な基板と液晶層との間
に配された散乱層と、上記一対の基板のうちの透明でな
くともよい基板と液晶層との間に配された平坦な反射面
を有する反射層とを備え、上記液晶層にはカイラル剤が
さらに添加されて液晶分子が一対の基板の表面に対して
垂直な螺旋軸を中心にねじれており、一対の基板の一方
から他方に至る液晶分子のねじれ角が140度以上25
0度以下の範囲にある構成である。
反射型液晶表示素子において、効果的なコントラストの
向上を果たし、明るく、かつ高コントラストの優れた反
射型液晶表示素子を実現できるという効果を奏する。
素子は、請求項1の構成において、上記反射層と液晶層
との間に、1/4波長層が配されている構成である。
ントラストを高くできるので、より優れた反射型液晶表
示素子を実現できるという効果を奏する。
素子は、請求項1の構成において、少なくとも一方が透
明な一対の基板と、該一対の基板に挟持された光学的に
複屈折を示す液晶層と、該液晶層に電圧を印加するため
の電極と、上記一対の基板のうちの透明な基板と液晶層
との間に配された散乱層と、該散乱層と液晶層との間に
配された偏光子と、上記一対の基板のうちの透明でなく
ともよい基板と液晶層との間に配された平坦な反射面を
有する反射層と、該反射層と液晶層との間、又は液晶層
と上記偏光子との間の何れかに配された位相差層とを備
えた構成である。
モードの反射型液晶表示素子において、視差の問題を解
決すると共に、リタデーションと反射率との関係におい
て、最大値・最小値を使用した明表示・暗表示とを可能
とし、明るさの向上とさらなるコントラストの向上を図
り、明るく、かつ高コントラストの優れた反射型液晶表
示素子を実現できるという効果を奏する。
素子は、少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対
の基板に挟持された液晶層と、該液晶層に電圧を印加す
るための電極と、上記一対の基板のうちの透明でなくと
もよい基板と液晶層との間に配された反射層と、1/4
波長層や位相差層等の光学的に複屈折を示す複屈折層と
を備え、該複屈折層の光学的なリタデーションが、赤、
緑および青の画素ごとに色の有する波長に応じて変えら
れている構成である。
色再現性の良好な多色カラー表示可能な反射型液晶表示
素子を実現できるという効果を奏する。
素子の製造方法は、少なくとも一方が透明な一対の基板
と、該一対の基板に挟持された液晶層と、該液晶層に電
圧を印加するための電極と、上記一対の基板のうちの透
明でなくともよい基板と液晶層との間に配された反射層
と、1/4波長層や位相差層等の光学的に複屈折を示す
複屈折層とを備え、該複屈折層の光学的なリタデーショ
ンが、赤、緑および青の画素ごとに色の有する波長に応
じて変えられている反射型液晶表示素子の製造方法であ
って、上記複屈折層の作製にあたり、複屈折層となる材
料層の膜厚を赤の波長に応じたリタデーションを有する
ように調整した後、青の画素部分のみを、緑の波長に応
じたリタデーションを有する膜厚と青の波長に応じたリ
タデーションを有する膜厚の差分だけエッチングし、そ
の後、緑と青の各画素部分を、赤の波長に応じたリタデ
ーションを有する膜厚と緑の波長に応じたリタデーショ
ンを有する膜厚の差分だけエッチングするものである。
色の有する波長に応じて変えられている複屈折層を、色
毎に別々に作製する場合よりも少ない工程数で作製する
ことができるので、請求項4に記載のカラー表示可能な
反射型液晶表示素子の製造工程を簡素化できるという効
果を奏する。
素子の構成を示す断面図である。
コントラストの屈折率異方性を示すグラフである。
ときの反射率の印加電圧依存性を示すグラフである。
をパラメーターとしたときの反射率の印加電圧依存性を
示すグラフである。
を変化させたときの電圧印加時の反射率の変化を示すグ
ラフである。
射型液晶表示素子における反射率の印加電圧依存性を示
すグラフである。
ねじれ角依存性を示すグラフである。
素子の構成を示す断面図である。
射型液晶表示素子における反射率の印加電圧依存性を示
すグラフである。
射型液晶表示素子と、平行配向したGH液晶層にλ/4
板を組み合わせた反射型液晶表示素子との、反射率の波
長依存性を示すグラフである。
射型液晶表示素子と、平行配向したGH液晶層にλ/4
板を組み合わせた反射型液晶表示素子との、コントラス
トの波長依存性を示すグラフである。
反射型液晶表示素子と同じねじれ角を有しGH液晶層に
λ/4板を組み合わせない反射型液晶表示素子との、反
射率の印加電圧依存性を示すグラフである。
示素子の構成を示す断面図である。
法を示す工程断面図である。
示素子の構成を示す断面図である。
示素子の構成を示す断面図である。
の斜視断面図である。
要部の斜視断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】少なくとも一方が透明な一対の基板と、 該一対の基板に挟持された多色性色素を含有する液晶層
と、 該液晶層に電圧を印加するための電極と、 上記一対の基板のうちの透明な基板と液晶層との間に配
された散乱層と、 上記一対の基板のうちの透明でなくともよい基板と液晶
層との間に配された平坦な反射面を有する反射層とを備
え、 上記液晶層にはカイラル剤がさらに添加されて液晶分子
が一対の基板の表面に対して垂直な螺旋軸を中心にねじ
れており、一対の基板の一方から他方に至る液晶分子の
ねじれ角が140度以上250度以下の範囲にあること
を特徴とする反射型液晶表示素子。 - 【請求項2】上記反射層と液晶層との間に、1/4波長
層が配されていることを特徴とする請求項1記載の反射
型液晶表示素子。 - 【請求項3】少なくとも一方が透明な一対の基板と、 該一対の基板に挟持された光学的に複屈折を示す液晶層
と、 該液晶層に電圧を印加するための電極と、 上記一対の基板のうちの透明な基板と液晶層との間に配
された散乱層と、 該散乱層と液晶層との間に配された偏光子と、 上記一対の基板のうちの透明でなくともよい基板と液晶
層との間に配された平坦な反射面を有する反射層と、 該反射層と液晶層との間、又は液晶層と上記偏光子との
間の何れかに配された位相差層とを備えたことを特徴と
する反射型液晶表示素子。 - 【請求項4】少なくとも一方が透明な一対の基板と、 該一対の基板に挟持された液晶層と、 該液晶層に電圧を印加するための電極と、 上記一対の基板のうちの透明でなくともよい基板と液晶
層との間に配された反射層と、 1/4波長層や位相差層等の光学的に複屈折を示す複屈
折層とを備え、 該複屈折層の光学的なリタデーションが、赤、緑および
青の画素ごとに色の有する波長に応じて変えられている
ことを特徴とする反射型液晶表示素子。 - 【請求項5】少なくとも一方が透明な一対の基板と、該
一対の基板に挟持された液晶層と、該液晶層に電圧を印
加するための電極と、上記一対の基板のうちの透明でな
くともよい基板と液晶層との間に配された反射層と、1
/4波長層や位相差層等の光学的に複屈折を示す複屈折
層とを備え、該複屈折層の光学的なリタデーションが、
赤、緑および青の画素ごとに色の有する波長に応じて変
えられている反射型液晶表示素子の製造方法であって、 上記複屈折層の作製にあたり、 複屈折層となる材料層の膜厚を赤の波長に応じたリタデ
ーションを有するように調整した後、青の画素部分のみ
を、緑の波長に応じたリタデーションを有する膜厚と青
の波長に応じたリタデーションを有する膜厚の差分だけ
エッチングし、その後、緑と青の各画素部分を、赤の波
長に応じたリタデーションを有する膜厚と緑の波長に応
じたリタデーションを有する膜厚の差分だけエッチング
することを特徴とする反射型液晶表示素子の製造方法。
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JP11402596A JP3267861B2 (ja) | 1996-05-08 | 1996-05-08 | 反射型液晶表示素子及びその製造方法 |
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