JPH09297234A - 光反射端、光反射端の製造方法及び光反射端を用いた光干渉計 - Google Patents

光反射端、光反射端の製造方法及び光反射端を用いた光干渉計

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JPH09297234A
JPH09297234A JP11068596A JP11068596A JPH09297234A JP H09297234 A JPH09297234 A JP H09297234A JP 11068596 A JP11068596 A JP 11068596A JP 11068596 A JP11068596 A JP 11068596A JP H09297234 A JPH09297234 A JP H09297234A
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waveguide
reflection
optical
light
reflection end
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隆司 郷
Akira Himeno
明 姫野
Masahiro Yanagisawa
雅弘 柳澤
Kuninori Hattori
邦典 服部
Senta Suzuki
扇太 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の特性を持つ導波路型光干渉計を作製す
るために、相対的な位置が正確な反射端面を形成するこ
とを目的とするものである。 【解決手段】 基板5上のチャンネル導波路1に近接し
て設けられ、前記チャンネル導波路1を伝搬する光を反
射する光反射端4であって、前記チャンネル導波路1の
端部に光学的に接続されたスラブ導波路2の前記チャン
ネル導波路1に対向する端面に設けられたことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光反射端、光反射
端の製造方法及び光反射端を用いた光干渉計に関する。
詳しくは、単一モード光導波路において用いる光反射端
等に関し、より詳細には、同一基板上に複数作製される
相対位置精度の優れた光反射端等に関する。
【0002】
【従来の技術】平面基板上に作製される単一モード光導
波路、特にシリコン基板上に作製可能な石英系ガラス単
一モード光導波路は、光ファイバとの整合性に優れてお
り、実用的な導波型光部品の実現手段として期待されて
いる。特に、この光導波路により構成される導波路型光
干渉計は、光通信に用いられる光波長フィルタ等の重要
な光部品として期待されている。
【0003】導波路型光干渉計には、例えば、二光束の
干渉計では、図3に示すような導波路長に所望の差を設
けた光反射端付き導波路と、これら導波路が接続されて
いる方向性結合器の組み合わせからなる、反射型の光干
渉計、いわゆる、マイケルソン型干渉計が知られてい
る。これ以外にも、2個の方向性結合器とこの方向性結
合器を連結した導波路長に所望の差を設けた2本の光導
波路の組み合わせからなる、透過型の光干渉計、いわゆ
るマッハツェンダー型の干渉計がある。
【0004】回路サイズのコンパクト化といった観点か
らは、後述する理由により、反射型の光干渉計の方が有
利である。干渉動作を起こす二本の導波路に所望の光路
長差を設けるために、透過型の光干渉計では曲線導波路
と直線導波路の組み合わせによる導波路長の差を用いて
おり、反射型の光干渉計では光反射端の位置の差を設け
ている。曲線導波路は曲げ半径を小さくすると損失が大
きくなるために、曲げ半径の短小化には限界がある。
【0005】例えば、比屈折率差0.75%の導波路で
はこの最小曲げ半径は5mmであり、光路長差を与える
2本の導波路において、導波路長差が1mmと小さい場
合でも、12.5mm程度の導波路がこの導波路長差を
確保するために必要となる。光反射端の位置にはこの様
な制約はない。このように、導波型光干渉計は、透過型
の光干渉計に比較して、回路サイズが大きくなる欠点が
ある。
【0006】反射型の光干渉計では、方向性結合器から
光反射端まで接続されている2本の導波路の距離の差に
よって、干渉特性が決まるので、光反射端の位置を高精
度に作製することが重要になる。更に、光反射端での反
射率を高めるため、反射面が平面であり、導波路に対し
て垂直であることが望ましい。
【0007】図4(a),(b),(c)に従来の光反
射端の構造を示す。図4(a)は平面図、同図(b),
(c)はそれぞれG−G’線、H−H’線に沿った断面
図である。図4に示すように、シリコン基板5上にはチ
ャンネル導波路コア1及びクラッド3よりなる単一モー
ド埋込光導波路を形成し、微細加工技術で露呈させた導
波路端面には金属薄膜等の光反射膜4を配置して反射端
を構成している。また、図4(d)は、導波路面を露呈
させる前の導波路配置の平面図であり、反射端形成位置
7にその後反射端が形成される。
【0008】このような反射端は、例えば、上述の石英
系ガラス単一モード光導波路では、次に述べる方法によ
り作製している。先ず、図5(a)に示すシリコン基板
5上に火炎加水分解反応堆積技術と反応性イオンエッチ
ング技術との公知の組み合わせにより、図5(b)に示
すように、チャンネル導波路コア1及びクラッド3より
なる単一モード埋込光導波路を形成する。
【0009】このとき埋め込まれた導波路は、光反射端
形成時の絶対的な位置ズレを考慮して、通常、図4
(d)に示すように、光反射端形成位置よりも十分長く
作製してある。次に、図5(c)に示すようにクラッド
ガラス表面にフォトレジスト6を塗布し、その上に図5
(d)に示すように露光により光反射端となるパターン
を転写する。
【0010】引き続き、図5(e)に示すようにこれを
マスクとして光反射端より外側に余計に作製してある導
波路も含めた不要部分を反応性イオンエッチング技術に
より除去し、導波路端面を露呈させる。更に、図5
(f)に示すように、真空蒸着技術により金属薄膜等よ
りなる光反射膜4をこの導波路端面に形成する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た方法により光反射端を作製する場合には、次のような
問題があった。即ち、露光工程において、導波路コア1
が配置されている部分では、コア1のレンズ効果により
導波路コア側の上の部分のレジスト露光量は、クラッド
側の上の部分よりも若干大きくなる。
【0012】よって、光反射端のパターン境界部には導
波路コア1が垂直に配置されていると、このパターン境
界部近傍で境界線に沿った方向の露光強度も変化する。
この結果、露光される部分のレジストと露光されない部
分のレジストの境界線が、例えば、ポジレジストを用い
た場合、遮光パターン側から見ると、導波路コアの上の
部分でやや凹になる。
【0013】また、エッチング工程において、コア部分
のガラスとクラッド部分のガラスではガラスの成分が異
なるために、エッチングレートが僅かに異なり、エッチ
ング面にズレが生じる。これによっても、道路はコア端
面に僅かな突起が生じる。また、埋め込み用のクラッド
ガラス厚が薄い導波路の場合、ガラス表面が埋め込んだ
コアの形を反映した起伏があり、これによっても、導波
路コア近傍端面に僅かな突起が生じる。
【0014】これらの様に凹凸や突起の大きさは実際に
は一つ一つの導波路コアによって微妙に異なるため、こ
の端面を使って光反射端を形成した場合、反射端の相対
的な位置ズレとなり、設計通りの正確な光路長差が設け
られた光干渉計を作製することが困難であった。
【0015】本発明は、上記従来技術に鑑みて成された
ものであり、所望の特性を持つ導波路型光干渉計を作製
するために、相対的な位置が正確な反射端面を形成する
ことを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成する本
発明の請求項1に係る光反射端は、基板上のチャンネル
導波路に近接して設けられ、前記チャンネル導波路を伝
搬する光を反射する光反射端であって、前記チャンネル
導波路の端部に光学的に接続されたスラブ導波路の前記
チャンネル導波路に対向する端面に設けられたことを特
徴とする。
【0017】上記目的を達成する本発明の請求項2に係
る光反射端は、基板上のチャンネル導波路に近接して設
けられ、前記チャンネル導波路を伝搬する光を反射する
光反射端であって、前記チャンネル導波路の延長線上に
前記チャンネル導波路と隔てて設けられ、前記チャンネ
ル導波路との隙間に前記チャンネル導波路のクラッド層
が介在することを特徴とする。
【0018】上記目的を達成する本発明の請求項3に係
る光反射端の製造方法は、基板上のチャンネル導波路に
接続するスラブ導波路表面に塗布されたフォトレジスト
上に露光により反射端となるパターンを転写する工程
と、該パターンをマスクとして前記スラブ導波路の不要
部分を除去してスラブ導波路端面を露呈させる工程と、
該スラブ導波路端面に光反射膜を形成する工程とを含む
ことを特徴とする。
【0019】上記目的を達成する本発明の請求項4に係
る光反射端の製造方法は、基板上のチャンネル導波路に
接続するクラッド層のみの領域表面に塗布されたフォト
レジスト上に露光により反射端となるパターンを転写す
る工程と、該パターンをマスクとして前記領域の不要部
分を除去してクラッド端面を露呈させる工程と、該クラ
ッド端面に光反射膜を形成する工程とを含むことを特徴
とする。
【0020】上記目的を達成する本発明の請求項5に係
る光反射端を用いた光干渉計は、導波路長が各々異なる
複数の光反射端付き導波路と、これら導波路が接続され
ている光結合器の組み合わせからなる反射型の光干渉計
において、前記反射端として請求項1又は2記載の反射
端を用いることを特徴とする。
【0021】上記目的を達成する本発明の請求項6,7
に係る光反射端を用いた光干渉計は、請求項5記載の前
記光結合器として、方向性結合器を用いること、また
は、スラブ導波路を用いることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の光反射端は、チャンネル
導波路1の終端に反射膜が形成されているのではなく、
チャンネル導波路1の終端にスラブ導波路2又はクラッ
ド層のみの領域3を設け、このスラブ導波路2或いはク
ラッド層のみの領域3に反射端を形成したものである。
【0023】そのため、パターン境界近傍部で境界線方
向にコア導波路等の構造の変化がなく、境界線方向に対
して一様であるので、前記露光工程或いはエッチング工
程において、従来技術で述べたような導波路コア端面に
凹凸や突起は生じない。
【0024】そのため、この光反射端を用いた光干渉計
では、高精度の光路長差を設けることができるため、透
過中心波長のバラツキの低減やクロストークの低減を図
ることが可能となる。
【0025】
【実施例】以下、本発明について、図面に示す実施例を
参照して詳細に説明する。以下の実施例は、光導波路と
してシリコン基板上に形成した石英系単一モード光導波
路を使用した光反射端に適用した例である。それは、こ
の組み合わせが単一モード光導波路との接続に優れてい
るためである。但し、本発明は、これらの組み合わせに
限定されるものではない。
【0026】〔実施例1〕本発明の第一の実施例に係る
光反射端の構造を図1(a),(b),(c),(d)
に示す。図1(a)は平面図、同図(b),(c),
(d)はそれぞれA−A’,B−B’,C−C’に沿っ
た断面図である。図1(e)は、導波路端を露出する前
の導波路配置の平面図である。
【0027】本実施例は、チャンネル導波路1の終端に
反射膜が形成されているのではなく、チャンネル導波路
1の終端にスラブ導波路2を配置し、このスラブ導波路
2に反射端を形成したものである。
【0028】即ち、シリコン基板5上にはチャンネル導
波路コア1及びクラッド3よりなる光導波路が形成さ
れ、そのチャンネル導波路1の終端にはスラブ導波路2
が配置されると共にそのスラブ導波路2に金属薄膜等の
光反射膜4が配置されて反射端が構成されている。
【0029】本実施例では、反射端境界部において、導
波路がスラブ導波路2であり、境界線方向に一様性があ
るため、図5(a)〜(f)に示すように、露光により
反射端となるパターンを転写する工程や反応性イオンエ
ッチング技術により反射端面を露呈させる工程におい
て、従来技術で述べたような反射端面での凹凸や突起は
生じなかった。尚、図1(e)に示すように、反射端形
成位置7にその後反射端が形成される。
【0030】また、後述する実施例では、反射端直前の
導波路構造はコアの無い構造であるのに比較して、本実
施例の導波構造はスラブ導波路2であり、シリコン基板
5に垂直な方向には光が閉じ込められているので、コア
の無い構造によりも損失的には有利である。
【0031】〔実施例2〕本発明の第二の実施例に係る
反射型二光束干渉計を図3に示す。本実施例の反射型二
光束干渉計は、図1に示す光反射端を用いたものであ
る。本実施例の反射型二光束干渉計は、直径4インチの
シリコン基板5上に従来と同様火炎堆積技術と反応性イ
オンエッチング技術の組み合わせにより、石英系光導波
路21a,21b,23a,23bを作製し、真空蒸着
法及び化学エッチングにより所望の位置に反射膜を作製
したものである。
【0032】コアの断面寸法は、6μm角であり、コア
とクラッドとの比屈折率差は0.75%である。反射膜
にはAlを用いた。スラブ導波路の導波方向の長さは5
μmとした。また、方向性結合器22から各反射端構造
部24a,24b迄の遅延線導波路23a,23bの実
質的な長さの差ΔLは828μmとした。入力導波路2
1aから出力導波路21bへ抜ける光の波長間隔(FS
R)Δλは、Δλ=λ2/2nΔLで表され、出力導波
路21bへの透過波長はλ=2nΔL/m(m:整数)
である。
【0033】ここで、nは導波路の実効屈折率であり、
今回用いた導波路では1.451である。よってこの式
から、今回の回路の波長間隔は、1nmであり、例え
ば、1550.23nmの光が出力導波路21bへ透過
する。
【0034】従来技術に係る光反射端を用いて、同様な
反射型二光束干渉計を作製した場合、透過光の中心波長
は0.2nm程度のバラツキがあったが、本実施例で
は、透過光の中心波長のバラツキは殆ど見られず、従来
のものに比べて10分の1以下となり、安定した値が得
られた。尚、導波方向の長さ5μmのスラブ導波路を入
れることによる過剰損は0.1dBと小さかった。
【0035】〔実施例3〕本発明の第三の実施例に係る
光反射端の構造を図2(a),(b),(c),(d)
に示す。図2(a)は平面図、同図(b),(c),
(d)はそれぞれA−A’,B−B’,C−C’に沿っ
た断面図である。図2(e)は、導波路端を露出する前
の導波路配置の平面図である。
【0036】本実施例は、チャンネル導波路1の終端に
反射膜が形成されているのではなく、チャンネル導波路
1の終端にコア層のないクラッド層のみの領域3を設
け、このクラッド層のみの領域3に反射端を形成したも
のである。
【0037】即ち、シリコン基板5上にはチャンネル導
波路コア1及びクラッド3よりなる光導波路が形成さ
れ、そのチャンネル導波路1の終端にはコア層のないク
ラッド層のみの領域3が配置されると共にそのクラッド
層のみの領域3に金属薄膜等の光反射膜4が配置されて
反射端が構成されている。
【0038】本実施例でも、前述した第一の実施例と同
様に、反射端境界部において、導波路がスラブ導波路2
であり、境界線方向に一様性があるため、図5(a)〜
(f)に示すように、露光により反射端となるパターン
を転写する工程や反応性イオンエッチング技術により反
射端面を露呈させる工程において、従来技術で述べたよ
うな反射端面での凹凸や突起は生じなかった。尚、図2
(e)に示すように、反射端形成位置7にその後反射端
が形成される。
【0039】また、前述した第一の実施例に比べて、反
射端直前の導波構造はコアの無い構造であり、基板5に
垂直な方向には光の閉じ込めは全く無いので、スラブ導
波路を用いた構造に比較して、損失的には不利である。
【0040】〔実施例4〕本発明の第四の実施例に係る
反射型二光束干渉計を図3に示す。本実施例の反射型二
光束干渉計は、図2に示す光反射端を用いたものであ
る。本実施例の反射型二光束干渉計の回路諸元は、コア
導波路端と反射面の導波路の距離を5μmとした以外
は、前述した第二の実施例と同様である。
【0041】本実施例の反射型二光束干渉計でも、透過
光の中心波長のバラツキは殆ど見られず、従来のものに
比べて10分の1以下となり、安定した値が得られた。
尚、コア層のないクラッド層のみの領域3を5μm入れ
ることによる過剰損は0.3dBと小さかった。
【0042】〔実施例5〕本発明の第五の実施例に係る
光反射端を適用した多光束干渉計の構造を図6に示す。
図6は平面図である。本実施例の多光束干渉計は、反射
型アレイ導波路格子合分波器とも言われ、複数本の入出
力導波路31、スラブ導波路32、光路長が各々異なる
アレイ導波路33、反射端34を順に接続してなるもの
である。
【0043】任意の一つの入出力導波路31から入射さ
れた光は、スラブ導波路32によりアレイ導波路33に
分配される。分配された光は、光反射端34で反射さ
れ、アレイ導波路33で所望の遅延を受けて、再びスラ
ブ導波路32に戻る。戻ってきた光は、スラブ導波路3
2で所望の干渉を起こし、光の波長に応じて所望の入出
力導波路31に集光されて、光が複数の入出力導波路3
1に分波される。このように、本実施例では、多数の光
の干渉を起こし、複数の波長に分波される点が、第二,
第四の実施例とは異なる。
【0044】導波路長差のズレは、第二,第四の実施例
で示した二光束干渉計では、透過光(通過域)の中心波
長のズレとなって表れていたが、多光束干渉計では、こ
れ以外に、阻止域での光出力レベル上昇、即ち、ストロ
ークの劣化となって表れてくる。このために、多光束干
渉計では、より厳しく光路長差の精度が要求される。
【0045】本実施例の反射型多光束干渉計に適用した
光反射端の諸元は、第一の実施例と同様である。64本
のアレイ導波路33には、各々64.7μmの導波路長
差を付けた。集光される光は100GHz間隔で、16
本の入出力導波路31に分波されるように設計した。
【0046】回路サイズは、30mm×10mmであっ
た。これは、透過型のアレイ導波路格子合分波器の回路
サイズ26mm×40mmに比べて、面積比で約3分の
1であり、反射型の特徴であるコンパクトな回路が実現
できた。従来技術に係る反射端を用いて、同様な反射型
多光束干渉計を作製した場合、阻止域での光出力レベル
(クロストーク)は、−12dB程度であり、まともな
特性は得られなかった。
【0047】本実施例では、阻止域での光出力レベル
(クロストーク)は、−30dBであり、かなりの特性
向上が見られた。これは、アレイ導波路それぞれの導波
路の光反射端の相対位置が高精度に作成されていること
によるものである。尚、前述した第三の実施例に係る光
反射端を、本実施例の反射型多光束干渉計に適用するこ
ともでき、そのときのコア層のないクラッド層のみの領
域を5μm入れたことによる過剰損は0.1dBであり
小さかった。
【0048】上記第一、第三の実施例におけるスラブ導
波路2、クラッド層のみの領域3の導波方向の長さ及び
第五の実施例におけるコア導波路端と反射面の導波路の
距離は、損失の観点から見れば、短い方が好ましいが、
極端に短い場合にはチャンネル導波路コア1の影響が生
じるので、最終的にはこれら両方を勘案して決定するこ
とが望ましい。
【0049】また、上記実施例では、シリコン基板上の
石英系ガラスを基本とする光反射端を用いた例について
説明したが、導波型の光干渉計を構成しうる他の材料、
例えば、プラスチック光導波路やイオン拡散型導波路、
更には、ニオブ酸リチウム系導波路などにも、本発明を
適用できることを付記する。尚、本発明は、上述した実
施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない
範囲で、種々変更しうることは言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】以上、実施例に基づいて具体的に説明し
たように、本発明では、相対位置精度に優れた光反射端
を提供することができ、よって、この光反射端を用いて
反射型光干渉計を作成した場合、従来の構造の光反射端
を用いた反射型光干渉計と比べて、高精度の光路長差を
設けることができ、透過中心波長のバラツキの低減やク
ロストークの低減等を図ることができた。特に、本発明
は、回路サイズの小型化が可能である導波路を用いた反
射型光干渉計を実現化する上で極めて効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例に係る光反射端の構造を
示す説明図である。
【図2】本発明の第三の実施例に係る光反射端の構造を
示す説明図である。
【図3】本発明の第二,第四の実施例に係る反射型二光
束干渉計(マイケルソン干渉計)の構造を示す説明図で
ある。
【図4】従来の光反射端の構造を示す説明図である。
【図5】従来の光反射端を作成する工程を示す工程図で
ある。
【図6】反射型多光束干渉計(反射型アレイ導波路格
子)を示す説明図である。
【符号の説明】
1 チャンネル導波路コア 2 スラブ導波路コア 3 クラッド 4 光反射膜 5 シリコン基板 6 フォトレジスト 7 反射端形成位置 21a 入力導波路 21b 出力導波路 22 方向性結合器 23a,23b 遅延線導波路 24a,24b 反射端構造 31 入出力導波路 32 スラブ導波路 33 アレイ導波路(遅延線導波路) 34 反射端構造
フロントページの続き (72)発明者 服部 邦典 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 鈴木 扇太 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上のチャンネル導波路に近接して設
    けられ、前記チャンネル導波路を伝搬する光を反射する
    光反射端であって、前記チャンネル導波路の端部に光学
    的に接続されたスラブ導波路の前記チャンネル導波路に
    対向する端面に設けられたことを特徴とする光反射端。
  2. 【請求項2】 基板上のチャンネル導波路に近接して設
    けられ、前記チャンネル導波路を伝搬する光を反射する
    光反射端であって、前記チャンネル導波路の延長線上に
    前記チャンネル導波路と隔てて設けられ、前記チャンネ
    ル導波路との隙間に前記チャンネル導波路のクラッド層
    が介在することを特徴とする光反射端。
  3. 【請求項3】 基板上のチャンネル導波路に接続するス
    ラブ導波路表面に塗布されたフォトレジスト上に露光に
    より反射端となるパターンを転写する工程と、該パター
    ンをマスクとして前記スラブ導波路の不要部分を除去し
    てスラブ導波路端面を露呈させる工程と、該スラブ導波
    路端面に光反射膜を形成する工程とを含むことを特徴と
    する光反射端の製造方法。
  4. 【請求項4】 基板上のチャンネル導波路に接続するク
    ラッド層のみの領域表面に塗布されたフォトレジスト上
    に露光により反射端となるパターンを転写する工程と、
    該パターンをマスクとして前記領域の不要部分を除去し
    てクラッド端面を露呈させる工程と、該クラッド端面に
    光反射膜を形成する工程とを含むことを特徴とする光反
    射端の製造方法。
  5. 【請求項5】 導波路長が各々異なる複数の光反射端付
    き導波路と、これら導波路が接続されている光結合器の
    組み合わせからなる反射型の光干渉計において、前記光
    反射端として請求項1又は2記載の反射端を用いること
    を特徴とする光干渉計。
  6. 【請求項6】 前記光結合器として、方向性結合器を用
    いることを特徴とする請求項5記載の光干渉計。
  7. 【請求項7】 前記光結合器として、スラブ導波路を用
    いることを特徴とする請求項5記載の光干渉計。
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