JP3735024B2 - 光合分波器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)伝送システムに波長選択素子として適用可能なアレイ導波路回折格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)型の光合分波器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
AWG型の光合分波器(以下、AWG回路という)は、干渉による特定波長の取り出しあるいは挿入を可能にする波長フィルタとしてWDM伝送システムにおける波長選択素子に広く利用されている。また、AWG回路は、回折格子ほどの精密な機械加工や、干渉膜ほどの精密な多層膜形成が不要で、リソグラフィやエッチングなどの一般的な微細加工プロセスで実現できることから、他の光導波路素子との集積の可能性とも併せて今後のWDM伝送システムの中心的な光学部品としてその発展が期待されている。
【0003】
このようなAWG回路は、単一基板上に、入力導波路、入力用スラブ導波路、それぞれ長さの異なるチャネル導波路(フェーズドアレイ)、出力用スラブ導波路、出力導波路が一体的に作り込まれた構造を備える。
【0004】
また、従来のAWG回路に対しては種々の改良が提案されており、例えば信号チャネル間の損失バラツキを低減するため(透過帯域の平坦化)、M.R.Amersfoort, et al.,"Passband broadening of integrated arrayed waveguide filters using multimode interference couplers", ELECTRONICS LETTERS 29th Feb., 1996, Vol. 32, No. 5には、入力導波路と入力側スラブ導波路との接続部分に図12(a)に示されたような形状のマルチモード干渉型カプラ(MMI coupler: MultiMode Interference coupler、以下MMIカプラという)が設けられたAWG回路(第1従来例)が開示されている。特開平9−297228号には、入力導波路と入力側スラブ導波路との接続部分に図13(a)に示されたようなパラボリック形状導波路が設けられたAWG回路(第2従来例)が開示されている。さらに、日本国特許第3039491号には、入力導波路と入力側スラブ導波路との接続部分にテーパー形状導波路とパラボリック形状導波路とを組み合わせた構造の導波路が設けられたAWG回路(第3従来例)が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような構造を備えた従来のAWG回路(第1〜第3従来例)について検討した結果、発明者は以下のような課題を発見した。すなわち、第1従来例に係るAWG回路は、入力導波路と入力用スラブ導波路との接続部分に図12(a)に示されたような矩形形状のMMIカプラが設けられている。この第1従来例に係るAWG回路において、入力導波路を伝搬してきた光の電界強度分布は、図12(b)に示されたように、上記MMIカプラが精密に加工された場合であっても該MMIカプラ中を伝搬している間に著しく乱れてしまう。この電界強度分布の乱れは、主にMMIカプラ内での多重反射に起因しているが、製造されるAWG回路それぞれで安定した光学特性を得るためには、該MMIカプラの幅や長さなどの加工にはより厳しい精度が要求される。
【0006】
一方、上記第2従来例に係るAWG回路は、いずれも図13(a)に示されたようなパラボリック形状導波路が設けられている。このAWG回路において、該パラボリック形状導波路中を伝搬する光の電界強度分布は、図13(b)に示されたように、当該パラボリック形状導波路内での多重反射の影響が低減されているため、ほとんど乱れることはない。しかしながら、当該パラボリック形状導波路内を伝搬するに従って伝搬光の電界強度分布は拡がっていく(電界強度分布のピーク間隔が徐々に拡がる)。このように、パラボリック形状導波路は、その光出力端面付近でも側面の傾きdy/dx(図12(a)ではパラボリック形状導波路の長手方向をy軸とし、該長手方向に対して垂直方向をx軸としている)が小さいので、この第2従来例においても十分な加工精度等が達成されていなければ製造されるAWG回路それぞれに光学特性のバラツキが生じる可能性がある。このことは、同様のパラボリック形状導波路を備えた第3従来例に係るAWG回路についても言える。
【0007】
この発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、信号チャネル間における損失バラツキの低減等、透過波長特性の改善を実現するために要求される加工精度等を緩和する構造、すなわち製造トレランスを高める構造を備えた光合分波器を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る光合分波器は、基板と、該基板上にそれぞれ設けられた、1又はそれ以上の入力導波路、第1スラブ導波路、複数のチャネル導波路、第2スラブ導波路、及び各信号チャネルごとに設けられた複数の出力導波路とを備え、WDM伝送システムに波長選択素子として適用可能なAWG型の光合分波器である。
【0009】
この発明に係る光合分波器において、上記第1及び第2スラブ導波路は、それぞれ所定のスラブ長を有する。なお、スラブ長は、一般的に各スラブ導波路のレンズ面として機能する光入力端の焦点距離に相当する。また、上記入力導波路は、信号チャネルとして所定波長間隔ごとに設定されたチャネル波長を有する信号それぞれを第1スラブ導波路に導くための導波路であって、第1スラブ導波路の光入力端面にその光出力端が接続されている。上記チャネル導波路は、互いに異なる長さを有する導波路であって、入力導波路とともに第1スラブ導波路を挟むように該第1スラブ導波路の光出力端面にそれぞれの光入力端が接続される一方、出力導波路とともに第2スラブ導波路を挟むように該第2スラブ導波路の光入力端面にそれぞれの光出力端が接続された状態で基板上に平面的に配列されている。さらに、上記出力導波路は、第2スラブ導波路の光出力端面にそれぞれの光入力端が接続された状態で基板上に平面的に配列された導波路であって、所定波長間隔ごとに設定されたチャネル波長を有する信号それぞれを個別に取り出すための導波路である。
【0010】
特に、この発明に係る光合分波器は、上記入力導波路と第1スラブ導波路との間に設けられた導波路であって、該入力導波路を伝搬してきた光の基底モードの一部を高次モードに結合させるための自由伝搬領域を備える。この自由伝搬領域は、入力導波路の光出力端から該第1スラブ導波路の光入力端面に向かって幅が増加するよう所定の曲線に沿って伸びた側面を有する第1部分と、該第1部分と該第1スラブ導波路との間に設けられかつ該入力導波路よりも大きい幅を有する第2部分から構成されている。したがって、第1部分は、回折効果により該入力導波路の光出力端から第1スラブ導波路の光入力端面に向かって伝搬する光の電界強度分布を拡げるよう機能する。一方、第2部分は、互いに略平行な側面を有する導波路であり、該第1部分を通過した光の電界強度分布の拡がりを制限するよう機能する。入力導波路と第1スラブ導波路との間に配置される自由伝搬領域を以上のような構造を有する第1及び第2部分で構成することにより、所望の光学特性、例えば透過波長特性の改善(信号チャネル間における損失バラツキの低減)を実現するために要求される製造誤差の許容範囲がより広くなり、微細加工等の要求精度が緩和される。
【0011】
なお、上記所定の曲線は、指数関数で表される曲線であることが好ましい。特に、上記第2部分もこの曲線に沿って側面が伸びるよう加工すれば、上記自由伝搬領域を連続した側面を有する導波路として形成することができるからである。この場合、該自由伝搬領域の側面は、該自由伝搬領域の光入力端面から離れるに従って略平行な関係により近づくため、該自由伝搬領域における入力導波路側が上記第1部分として機能し、該自由伝搬領域における第1スラブ導波路側が上記第2部分として機能する。
【0012】
上記曲線としては、一例として、以下の式によって与えられる。すなわち、基板表面に一致するx−z座標系において、x軸に平行な面である第1部分の光入力端面及び光出力端面における各中心点(xs,zs)、(xe,ze)を通過する基準線Xp(z)は、
【0013】
【数4】
なる式で与えられ、第1部分のx軸に平行な幅w(z)は、
【数5】
ws:第1部分の光入力端面の幅
we:第1部分の光出力端面の幅
α :指数係数(α>0)
なる式で与えられ、このとき曲線は
【数6】
なる式で与えられる(図4参照)。ただし、第1及び第2部分のいずれも以上のように定義された曲線に沿って側面が伸びるよう、自由伝搬領域が一体的に加工される場合、すなわち、weが該自由伝搬領域の光出力端面の幅である場合、幅が(1−Δ)we〜weである部分(第1スラブ導波路の光入力端面の法線方向とz軸が一致する場合には上記曲線の傾きdz/dxの絶対値がwe/λ0以上となる部分)が第2部分として機能する。ただし、Δはスカラ量λ0/weで与えられる微小変化率であって、λ0は中心チャネル波長である。
【0014】
さらに、この発明に係る光合分波器において、上記基板上に設けられた導波路(上述の入力導波路、自由伝搬領域、第1及び第2スラブ導波路、チャネル導波路、出力導波路などを含む)に相当するコアと、該コアを覆うように該基板上に設けられたクラッドとの比屈折率差は1%以上であることが好ましい。加えて、上記入力導波路、上記チャネル導波路、上記出力導波路は、いずれも5.5μm以下の幅(コア幅)を有するのが好ましい。コア(各導波路に相当)への光の閉じ込め効果が大きくなり、自由伝搬領域などの微細加工等の要求精度がより緩和されるからである。また、光の閉じ込め効果の向上によりコア幅をより小さくすることが可能になるため、より多くのチャネル導波路を基板上に設けることができるからである。いわゆる「埋め込み限界」と呼ばれる製造プロセス上の制約として、隣接するコアの理論上の最小間隔をより小さくすることができるので、光学特性の優れた光合分波器が得られる。
【0015】
この発明に係る光合分波器は、上記入力導波路の光出力端と上記自由伝搬領域における第1部分の光入力端との間に設けられたMMIカプラをさらに備えてもよい。このような構造は、従来の光合分波器と比較して微細加工等の要求精度をより緩和させることを可能にするとともに、当該光合分波器の透過波長特性をさらに改善させることを可能にする。
【0016】
なお、入力導波路と第1スラブ導波路との間に自由伝搬領域が設けられた構造、及び該自由伝搬領域とともにMMIカプラが設けられた構造のいずれにおいても、上記入力導波路の光出力端は、上記第1スラブ導波路の光入力端面から2.0μm以上離間していること、すなわち、該自由伝搬領域あるいは該自由伝搬領域とMMIカプラのいずれかの全長が2.0μm以上であるのが好ましい。これにより、自由伝搬領域と第1スラブ導波路との接続部分に生じ易い加工なまり(この接続部分を構成する自由伝搬領域の光出力端面近傍及び第1スラブ導波路の光入力端面近傍の両方で形状がなまってしまう)を抑制すると同時に、CVD(Chemical Vapor Deposition)技術やFHD(Flame Hydrolysis Deposition)技術を利用してコア隙間へのクラッド埋め込み性の良好な自由伝搬領域を製造することができるからである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る光合分波器の各実施形態を、図1〜図11を参照しながら説明する。なお、各図において、同一部分には同一の番号を付して重複する説明は省略する。
【0018】
図1は、この発明に係る光合分波器の構成を示す平面図である。この図1に示されたように、当該光合分波器は、石英ガラス基板100上に光導波路部分が一体的に形成された光部品である。すなわち、基板100上には、1又はそれ以上の入力導波路110、第1スラブ導波路120(入力用スラブ導波路)、複数のチャネル導波路130、第2スラブ導波路140(出力用スラブ導波路)及び複数の出力導波路150が設けられている。特に、この発明に係る光合分波器では、入力導波路110と第1スラブ導波路120との間に特殊な形状を有する自由伝搬領域160が設けられていることを特徴としている。
【0019】
上記第1スラブ導波路120は、当該光合分波器へ入力される光の入射角度に対して角度θをなすよう配置されており、また、第1及び第2スラブ導波路120、140は、スラブ長fを有する。なお、スラブ長は、第1及び第2スラブ導波路120、140おのおのにおける光入力端面に位置する凸レンズ面の焦点距離に相当する。また、上記入力導波路110は、信号チャネルとして所定波長間隔ごとに設定されたチャネル波長を有する各信号を第1スラブ導波路120に導くための導波路であって、この入力導波路110の光出力端は第1スラブ導波路120に光入力端面に接続されている。上記チャネル導波路130は、互いに異なる長さを有する導波路であって、基板100上に平面的に配列されている。これらチャネル導波路130は、入力導波路110とともに第1スラブ導波路120を挟むように該第1スラブ導波路120の光出力端面にそれぞれの光入力端が間隔dごとに離間した状態で接続される一方、出力導波路150とともに第2スラブ導波路140を挟むように該第2スラブ導波路140の光入力端面140aにそれぞれの光出力端が間隔dごとに離間した状態で接続されている。さらに、上記出力導波路150は、第2スラブ導波路140の光出力端面に光入力端が接続された状態で上記基板100上に平面的に配列された導波路であって、所定波長間隔ごとに設定されたチャネル波長を有する各信号に対応して、すなわち各信号チャネルに対応して設けられている。なお、図1に示された光合分波器は、入力導波路110、第1スラブ導波路120、チャネル導波路130、第2スラブ導波路140及び出力導波路150の順に光が伝搬する40チャネルの信号分離を可能にするAWG回路として説明されているが、各信号チャネルに対応して複数の入力導波路を設けることにより、信号合波を可能にするAWG回路も実現できる。
【0020】
(第1実施形態)
図2は、この発明に係る光合分波器の第1実施形態における光入力部分(図1の光入力部分に相当)の導波路構成を示す平面図である。この第1実施形態に係る光合分波器において、自由伝搬領域160は、入力導波路110中を伝搬してきた光の基底モードの一部を高次モードに結合するための導波路として機能する。また、自由伝搬領域160は、入力導波路110を伝搬してきた光の電界強度分布を拡げるための第1部分161と、この第1部分を伝搬してきた光の電界強度分布の拡がりを制限するための第2部分162により構成されている。
【0021】
なお、図2に示された自由伝搬領域160の形状は、第1スラブ導波路120の光入力端面に対して法線方向をz軸とし、該法線に直交する方向をx軸としたx−z座標平面(基板100の表面に一致)上に投影されている。第1部分161は、入力導波路110の光出力端面に面した幅wsの光入力端面(当該自由伝搬領域160の光入力端面160aと一致)と幅weの光出力端面を有するとともに、その側面は幅w(z)が増加するよう所定の曲線に沿って伸びている。一方、第2部分162は、第1部分161の光出力端面に面した光入力端面と第1スラブ導波路120の光入力端面に面した光出力端面(当該自由伝搬領域160の光出力端面160bと一致)とを有し、その側面は幅weで互いに略平行に伸びている。このように、自由伝搬領域160が上記第1及び第2部分161、162で構成されることにより、所望の光学特性、例えば透過波長特性の改善(信号チャネル間における損失バラツキの低減)を実現するために要求される製造誤差の許容範囲がより広くなり、微細加工等の要求精度が緩和される。
【0022】
なお、図3は、図1中の線I−Iに沿った当該光合分波器、特に自由伝搬領域160近傍の断面構造を示す図であり、石英ガラス基板100上には入力導波路110、第1スラブ導波路120、チャネル導波路130、第2スラブ導波路140、出力導波路150、及び自由伝搬領域160などに相当するコア、該コアを覆うクラッド102が設けられている。導波路として機能するコアにはGeO2が添加されており、該GeO2の添加量は、チャネル導波路130の曲率半径の低減及び導波路間隔の低減を可能にするため(光の閉じ込め効率の向上)、コアとクラッドとの比屈折率差は1%以上である。基板100は、石英ガラス基板に代え、シリコン基板と該シリコン基板上に成膜されたガラス層とを備えた構造であってもよい。このガラス層の上にGeO2が添加されたコア(導波路)を形成することによっても同様の作用・効果が得られる。
【0023】
この第1実施形態では、上記第1部分161とともに上記第2部分162も指数関数で表される曲線に沿って側面が伸びるよう加工することで、上記自由伝搬領域160が連続した側面を有する導波路として形成されている。この場合、該自由伝搬領域160の側面は、該自由伝搬領域160の光入力端面160aから離れるに従って略平行な関係により近づくため、該自由伝搬領域160における入力導波路110側が上記第1部分161として機能するとともに、該自由伝搬領域160における第1スラブ導波路120側が上記第2部分162として機能する。
【0024】
図4は、上記曲線の一例を説明するための図である。この図に示された自由伝搬領域160の形状は、第1スラブ導波路120の光入力端面に対して法線方向をz軸とし、該法線に直交する方向をx軸としたx−z座標平面(基板100の表面に一致)上に投影されている。また、図4に示された自由伝搬領域160は、その中心軸が第1スラブ導波路120の光入力端面に対して所定角度だけ傾いている。なお、図2には、その中心軸と第1スラブ導波路120の光入力端面とが直交する自由伝搬領域160が示されている。
【0025】
すなわち、基板100の表面に一致するx−z座標系において、x軸に平行な面である自由伝搬領域160の光入力端面160a(第1部分161の光入力端面に一致)及び光出力端面160b(第2部分162の光出力端面に一致)における各中心点(xs,zs)、(xe,ze)を通過する基準線Xp(z)は、
【0026】
【数7】
なる式で与えられ、当該自由伝搬領域160のx軸に平行な幅w(z)は、
【数8】
ws:自由伝搬領域160の光入力端面160aの幅
we:自由伝搬領域160の光出力端面160bの幅
α :指数係数(α>0)
なる式で与えられ、自由伝搬領域160の側面形状を規定する曲線は
【数9】
なる式で与えられる。このとき、自由伝搬領域160の光入力端面160aからx軸方向の幅が(1−Δ)weとなる領域までが第1部分161に相当し、x軸方向の幅が(1−Δ)we〜weの領域が第2部分162に相当する。また、第1スラブ導波路120の光入力端面の法線方向とz軸が一致する場合は、上記曲線Xl(z)及びXu(z)の各傾きdz/dxの絶対値がwe/λ0までの領域が第1部分161に相当し、傾きdz/dxの絶対値がwe/λ0以上となる領が第2部分に相当する。ただし、Δはスカラ量λ0/weで与えられる微小変化率であって、λ0は中心チャネル波長(μm)である。
【0027】
次に、発明者は信号波長間隔Δλが100GHz、中心チャネル波長(CH20)が1.5305μmである40チャネル信号分離を可能にするAWG回路を設計した。
【0028】
設計されたAWG回路において、基板100と各導波路部分との比屈折率差は1.5%、スラブ長fは8000μm、各導波路の幅(コア幅)は4.3μm、第1及び第2スラブ導波路120、140のスラブ長は8000μm、基板100のサイズは20mm×20mm、基板100の厚みは0.5mm、チャネル導波路130の端部間隔dは12.0μm、チャネル導波路130の本数は180、第1スラブ導波路120の設置角度θは80゜、各チャネル導波路130間の長さの差ΔLは36.702μmに設定されている。
【0029】
なお、第1実施形態として設計されたAWG回路の第1サンプルにおける自由伝搬領域160は、図5(a)に示されたような平面形状を有しており、その側面は、指数係数αが+1.4、光入力端面160aの幅wsが4.3μm、光出力端面160bの幅weが20μm、全長が180μmであるとき数式9で与えられる曲線Xl(z)及びXu(z)それぞれに沿って伸びる形状を有する。ただし、weは20μm、中心チャネル波長は1.5305μmであることから、Δ=λ0/weは0.076525となる。したがって、この第1サンプルにおいて、幅ws(=4.3μm)の光入力端面160aから幅(1−0.076525)×20μmとなる領域までが当該自由伝搬領域160の第1部分161に相当し、幅(1−0.076525)×20μmとなる位置から幅20μmの光出力端面160b間での領域が当該自由伝搬領域160の第2部分162に相当する。
【0030】
一方、比較例として設計されたAWG回路の第2サンプルは、図5(b)に示されたように、自由伝搬領域が存在せず、幅4.3μmの入力導波路110が直接第1スラブ導波路120に接続された構造を備える。
【0031】
図6は、上述のように設計された第1サンプルについて、第20番目の出力導波路(CH20)を中心とした各出力導波路における損失スペクトルの測定結果を示している。また、図7は、上述のように設計された第2サンプルについて、第20番目の出力導波路(CH20)を中心とした各出力導波路における損失スペクトルの測定結果を示している。これら図6及び図7を比較すると、第1実施形態に係る第1サンプルの方が、各チャネル波長間の損失バラツキが低下していることが分かる。
【0032】
次に、このように各チャネル間における損失バラツキの低減など透過波長特性が改善される構造を備えた第1実施形態に係る光合分波器について、製造誤差と特性変化の関係を説明する。
【0033】
一般に、AWG回路の製造では、フォトリソグラフィ工程やエッチング工程などで寸法誤差(加工誤差)が生じたり、また、膜付け工程で導波路であるコアとクラッドとの比屈折率差Δnの設計値からのずれが生じ、得られたAWG回路の光学特性が劣化する可能性がある。このことは、定性的に図8(a)〜図8(c)により説明される。
【0034】
すなわち、導波路であるコアの幅が適正値よりも狭くなりかつ比屈折率差Δnが適正値よりも低くなったAWG回路では、あるCHの出力導波路における透過スペクトルには、図8(a)に示されたように、いくつかのピークが現れる。また、コアの幅及び比屈折率差Δnとの適正値であるAWG回路では、あるCHの出力導波路における透過スペクトルは、図8(b)に示されたように、ピーク付近が平坦になる。逆に、コアの幅が適正値よりも広くなりかつ比屈折率差Δnが適正値よりも高くなったAWG回路では、あるCHの出力導波路における透過スペクトルは、図8(c)に示されたように、よりピークが高くなる。
【0035】
このように、適正値で設計されたAWG回路であっても、実際の製造では製造誤差をなくすことは現実的ではない。むしろ、加工精度等の許容度を高くする方がより現実的である。
【0036】
そこで、発明者は、特開平9−297228号公報に示されたパラボリック形状導波路を有するAWG回路と、この従来のAWG回路と同じ条件で製造された第1実施形態に係るAWG回路の各製造トレランスについて検証した。なお、従来のAWG回路におけるパラボリック形状導波路は、上記特開平9−297228号公報の図6に示されたような平面形状を有しており、その構造パラメータは、光入力端面の幅が7μm、パラボリック形状を規定するパラメータAが1.0、全長が250μmである。一方、第1実施形態に係るAWG回路において、自由伝搬領域は、図5(a)に示されたような平面形状を有しており、その側面は、指数係数αが+2.1、光入力端面の幅が7μm、光出力端面の幅が32μm、全長が500μmであるとき数式9で与えられる曲線Xl(z)及びXu(z)それぞれに沿って伸びる形状を有する。
【0037】
以上のように構成された従来のAWG回路と第1実施形態に係るAWG回路についての測定結果が図9に示されている。この図9中の横軸は、導波路であるコア幅の誤差(μm)を示し、縦軸は、CHの出力導波路における透過スペクトルのピーク平坦度(dB)を示している。なお、透過スペクトルの平坦度は、図8(a)に示された透過強度aとbの差によって与えられる。また、図9中、グラフG100は、第1実施形態に係るAWG回路についての測定結果、グラフG200は、従来のAWG回路についての測定結果をそれぞれ示している。
【0038】
図9に示された測定結果からも分かるように、グラフG200と比較してグラフG100の方がより平坦な範囲が広く、すなわち製造トレランスが高いことは明らかである。
【0039】
従来のAWG回路におけるパラボリック形状導波路の場合、図10(a)に示されたように、該導波路部の幅が入力導波路と接続された光入力端面からスラブ導波路に接続された光出力端面に向かって大きくなっているため、入力導波路を伝搬した光の電界強度分布は、該光の伝搬とともに拡がってしまう。このことから、従来のAWG回路におけるパラボリック形状導波路は、導波路幅の誤差変動の影響をより受けやすい構造であることが分かる。
【0040】
一方、第1実施形態に係るAWG回路では、図10(b)に示されたように、入力導波路110を伝搬した光の電界強度分布は、自由伝搬領域160の第1部分161において一旦拡がるものの、第2部分162においてその拡がりが制限されている。このように、第2部分ではもともと伝搬光の電界強度分布の変動が起こり難くなっているので、導波路幅の誤差変動の影響は受けにくい。このことからも、この発明に係る光合分波器によれば、従来技術よりも遥かに微細加工等の要求精度が緩和されることが分かる。
【0041】
(第2実施形態)
次に、図11は、この発明に係る光合分波器の第2実施形態における光入力部分(図1の光入力部分に相当)の導波路構成を示す平面図である。
【0042】
この第2実施形態も、基本的な構造は第1実施形態と同じであるが、入力導波路110の光出力端と自由伝搬領域160における第1部分161の光入力端(自由伝搬領域160の光入力端面160aに一致)との間に、MMIカプラ170が設けられた点で異なっている。このような構造が図1に示されたようなAWG回路に採用されることにより、従来のAWG回路よりも製造トレランスが高く、また、透過波長特性もさらに改善可能なAWG回路が得られる。
【0043】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、透過波長特性を改善するための導波路であって、入力導波路から第1スラブ導波路に向かって幅が増加するよう所定の曲線に沿って伸びた側面を有する第1部分と、該第1部分と第1スラブ導波路との間に設けられかつ入力導波路よりも大きい幅を有する第2部分とを備えた自由伝搬領域が、入力導波路と第1スラブ導波路)との間に設けられている。入力導波路から第1スラブ導波路へ向かう光の電界強度分布は第1部分により一旦拡げられるが、逆に第2部分により該伝搬光の電界強度分布の拡がりは制限されるため、該電界強度分布の変化は導波路幅の変化に影響されにくくなり、結果的に微細加工の要求精度が緩和されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る光合分波器の構成を示す平面図である。
【図2】この発明に係る光合分波器の第1実施形態として主に光入力部分における導波路構造を示す平面図である。
【図3】図1中に示された線I−Iに沿った当該光合分波器の断面構造を示す図である。
【図4】自由伝搬領域の形状の一例を説明するための図である。
【図5】この発明に係る光合分波器の第1実施形態として製造されたサンプル(a)及び比較例として製造されたサンプル(b)それぞれの、光入力部分の導波路構造を示す平面図である。
【図6】図5(a)に示された導波路構造を有する第1実施形態に係る光合分波器の損失スペクトルである。
【図7】図5(b)に示された導波路構造を有する比較例である光合分波器の損失スペクトルである。
【図8】導波路の幅(コア幅)やコアとクラッドの比屈折率差の違いによる製造プロセスにおける加工誤差の影響度の違いを説明するためのグラフである。
【図9】第1実施形態に係る光合分波器と従来の光合分波器のそれぞれについて、透過波長特性への加工誤差の影響度(測定結果)を示すグラフである。
【図10】この発明に係る光合分波器における作用を説明するための図である。
【図11】この発明に係る光合分波器の第2実施形態として主に光入力部分における導波路構造を示す平面図である。
【図12】第1従来例に係るAWG回路の一部及び電界強度分布を立体的に示す図である。
【図13】第2従来例に係るAWG回路の一部及び電界強度分布を立体的に示す図である。
【符号の説明】
100…AWG回路(光合分波器)、110…入力導波路、120…入力側スラブ導波路、130…チャネル導波路、140…出力側スラブ導波路、160…自由伝搬領域、160a…自由伝搬領域の光入力端面(第1部分の光入力端面に一致)、160b…自由伝搬領域の光出力端面(第2部分の光出力端面及び第2スラブ導波路の光入力端面に一致)、161…第1部分、162…第2部分、170…マルチモード干渉型カプラ。
Claims (7)
- 基板と、
前記基板上に設けられた、それぞれ所定のスラブ長を有する第1及び第2スラブ導波路と、
前記基板上に設けられた導波路であって、前記第1スラブ導波路内に光を導くための1又はそれ以上の入力導波路と、
前記第2スラブ導波路の光出力端面にそれぞれの光入力端が接続された状態で前記基板上に平面的に配列された導波路であって、信号チャネルとして所定波長間隔ごとに設定されたチャネル波長を有する信号それぞれに対応して設けられた複数の出力導波路と、
前記入力導波路とともに前記第1スラブ導波路を挟むように該第1スラブ導波路の光出力端面にそれぞれの光入力端が接続される一方、前記出力導波路とともに前記第2スラブ導波路を挟むように該第2スラブ導波路の光入力端面にそれぞれの光出力端が接続された状態で前記基板上に平面的に配列された導波路であって、互いに長さの異なる複数のチャネル導波路と、
前記入力導波路と前記第1スラブ導波路との間に設けられた導波路であって、指数関数で表される曲線に沿って伸びた連続した側面を有する自由伝搬領域とを備え、該自由伝搬領域は、該入力導波路の光出力端から該第1スラブ導波路の光入力端面に向かって幅が増加するように伸びた側面を有する第1部分と、該第1部分と該第1スラブ導波路との間に設けられかつ該入力導波路よりも大きい略一定幅を有する第2部分から構成されている光合分波器。 - 基板と、
前記基板上に設けられた、それぞれ所定のスラブ長を有する第1及び第2スラブ導波路と、
前記基板上に設けられた導波路であって、前記第1スラブ導波路内に光を導くための1又はそれ以上の入力導波路と、
前記第2スラブ導波路の光出力端面にそれぞれの光入力端が接続された状態で前記基板上に平面的に配列された導波路であって、信号チャネルとして所定波長間隔ごとに設定されたチャネル波長を有する信号それぞれに対応して設けられた複数の出力導波路と、
前記入力導波路とともに前記第1スラブ導波路を挟むように該第1スラブ導波路の光出力端面にそれぞれの光入力端が接続される一方、前記出力導波路とともに前記第2スラブ導波路を挟むように該第2スラブ導波路の光入力端面にそれぞれの光出力端が接続された状態で前記基板上に平面的に配列された導波路であって、互いに長さの異なる複数のチャネル導波路と、
前記入力導波路と前記第1スラブ導波路との間に設けられかつ該入力導波路を伝搬してきた光の基底モードの一部を高次モードに結合させるための導波路であって、指数関数で表される曲線に沿って伸びた連続した側面を有する自由伝搬領域とを備え、自由伝搬領域は、干渉効果により該入力導波路の光出力端から前記第1スラブ導波路の光入力端面に向かって伝搬する光の電界強度分布を拡げるための第1部分と、該第1部分を通過した光の電界強度分布の拡がりを制限するための略一定幅を有する第2部分から構成されている光合分波器。 - 前記基板上に設けられた導波路に相当するコアと、該コアを覆うように該基板上に設けられたクラッドとの比屈折率差が1%以上であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の光合分波器。
- 前記入力導波路、前記チャネル導波路、前記出力導波路は、いずれも5.5μm 以下の幅を有することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の光合分波器。
- 前記入力導波路の光出力端と前記自由伝搬領域における第1部分の光入力端との間に設けられたマルチモード干渉型カプラをさらに備えたことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の光合分波器。
- 前記入力導波路の光出力端が、少なくとも前記自由伝搬領域を介して前記第1 スラブ導波路の光入力端面から2.0μm 以上離間していることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の光合分波器。
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