JPH09296270A - Cvd装置及び方法 - Google Patents

Cvd装置及び方法

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JPH09296270A
JPH09296270A JP13060496A JP13060496A JPH09296270A JP H09296270 A JPH09296270 A JP H09296270A JP 13060496 A JP13060496 A JP 13060496A JP 13060496 A JP13060496 A JP 13060496A JP H09296270 A JPH09296270 A JP H09296270A
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gas
exhaust
pump
rotary pump
reaction chamber
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JP13060496A
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Akiko Kobayashi
明子 小林
Atsushi Sekiguchi
敦 関口
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Canon Anelva Corp
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Anelva Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応室と油回転ポンプの間に高温のガス接触
体を配置して、未反応の原料ガスと反応生成物ガスとを
熱分解し、油回転ポンプのオイルの変質による排気速度
の低下を防ぐ。 【解決手段】 原料ガスは基板14の表面で熱分解し
て、基板14上に膜が堆積する。原料ガスが熱分解する
と反応生成物ガスが反応室10内に発生する。この反応
生成物ガスと未反応の原料ガスは、バルブ50と可変バ
ルブ52を経て、油回転ポンプ54で排気される。その
際、油回転ポンプ54の手前のガス分解装置58におい
て、加熱されたガス接触体に排気ガスが触れて熱分解す
る。分解生成物はガス接触体の表面に堆積する。ガス分
解装置58を通過して低分子量となった排気ガスは油回
転ポンプ54で排気される。低分子量となった排気ガス
は油回転ポンプ54のオイルを変質させることがなく、
油回転ポンプ54の排気速度は低下しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、CVD(化学気
相蒸着)装置及び方法に関し、特に、金属または半導体
を含む有機ガスを原料ガスとして用いる場合の排気系に
特徴のあるCVD装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】CVD装置では、堆積する物質に応じて
さまざまな原料ガスが使用されるが、未反応の原料ガス
や反応生成物ガスを排気ポンプで排気する場合に次のよ
うな問題が生じる。原料ガスや反応生成物ガスなどから
なる排気ガスをそのまま排気ポンプに流すと、排気ポン
プに障害が生じることがある。例えば、油回転ポンプの
オイルに排気ガスが混入してオイルが変質し、排気速度
が低下することがある。油回転ポンプ以外の真空ポンプ
でも問題が生じることがあり、例えばドライポンプで
は、常温常圧で固体の反応生成物がポンプ部品に付着し
て排気動作に障害を生じることがある。
【0003】そこで、CVD装置の反応室と排気ポンプ
の間に排気ガスの除害装置を設けることが知られてい
る。この種の除害装置としては、例えば、プラズマを用
いてガスを分解させる装置が知られており(米国特許第
4735633号)、製品例としては、ELECTROCHEMICA
L TECHNOLOGY 社製 Dry Scrub System がある。この除
害装置では、プラズマによって、排気ガスのほとんどが
低分子量の物質に分解され、その分解物はプラズマ発生
電極に堆積する。また、除害装置の別の例としては、排
気ガスを冷却することで排気ガス中の成分を析出除去す
る装置も知られている(特開平6−302520号公
報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】プラズマを用いた除害
装置は、(1)プラズマを用いるために使用圧力範囲が
限られる、(2)装置が高価になる、(3)分解生成物
がプラズマ発生電極の表面上に堆積してプラズマが不安
定となる、などの問題がある。
【0005】また、冷却を用いた除害装置は、未反応の
原料ガスや反応生成物ガスを分解することなく、そのま
ま析出させるために、その析出が不十分だと、この除害
装置を通過した排気ガスには分子量が大きいものが混じ
ることになる。これが油回転ポンプに流入すると、ポン
プのオイルの変質を招き、排気速度を低下させる原因に
なる。
【0006】この発明は上述の問題点を解決するために
なされたものであり、その目的は、構造が簡単で排気ガ
スを効果的に分解できるCVD装置及び方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明のCVD装置
は、真空に排気可能な反応室内で原料ガスを化学反応さ
せて基体上に成膜するCVD装置において、反応室と排
気ポンプとをつなぐ排気管の途中に、加熱可能なガス接
触体を設けたものである。このガス接触体は大きな表面
積を有するのが好ましい。このガス接触体を所定の温度
に加熱して、そこに排気ガスを通過させれば、未反応の
原料ガスや反応生成物ガスは、高温のガス接触体に触れ
て熱分解し、より低分子量のガスになる。したがって、
排気ポンプに障害が生じにくく、排気速度の低下は生じ
ない。
【0008】ガス接触体としては多孔質構造やハニカム
構造のものを利用できる。その材質としては金属、金属
化合物、セラミックスなどを使用できる。金属及び金属
化合物は、熱伝導性が高く、ガス接触体を均一に加熱で
きる点が有利である。また、反応性の高い分解生成物に
対しては、耐熱性や耐薬品性に優れた、アルミナセラミ
ックスや炭化ケイ素セラミックスなどのセラミックスが
適している。さらに、金属表面をセラミックスで被覆し
た材質も好ましく、例えば、アルミニウムの表面に酸化
アルミニウム被膜を形成したもの(アルミナ化処理した
もの)を用いることができる。
【0009】ガス接触体の加熱温度としては、未反応の
原料ガスや反応生成物ガスが十分に分解する程度の温度
にする必要があり、200〜600℃の範囲内の温度が
好ましい。
【0010】この発明は、特に、金属元素を含む有機ガ
スまたは半導体元素を含む有機ガスを原料ガスとして用
いるCVD方法に有効である。金属元素を含む有機ガス
の例としては、銅の堆積用として、[トリメチルビニル
シリル]ヘキサフルオロアセチルアセトン酸塩銅、[3
−ヘキチン]ヘキサフルオロアセチルアセトン酸塩銅、
ビスヘキサフルオロアセチルアセトン酸塩銅、[2−ブ
チン]ヘキサフルオロアセチルアセトン酸塩銅、[トリ
メチルフォスフィン]ヘキサフルオロアセチルアセトン
酸塩銅を使うことができる。アルミニウムの堆積用とし
ては、ジメチルアルミニウムハイドライド(DMA
H)、トリメチルアミンアラン(TMAA)、トリイソ
ブチルアルミニウム(TIBA)を使うことができる。
また、半導体元素を含む有機ガスの例としては、SiO
2堆積用のTEOSがある。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、この発明のCVD装置の
一実施形態の構成図である。反応室の部分は正面断面図
を表している。反応室10の内部には基板ホルダー12
が配置され、被処理基体である基板14が基板押さえ1
6で基板ホルダー12に取り付けられている。基板ホル
ダー12は、その内蔵ヒータ18で加熱される。基板1
4の温度は熱電対20で測定され、基板温度が所定の設
定温度になるように、温度調節装置22によって内蔵ヒ
ータ18に電力が供給される。
【0012】反応室10の内部には、基板ホルダー12
に対向するように、原料ガスの拡散装置24が設置され
ている。原料ガスは、原料ガス供給装置26からバルブ
28を経て拡散装置24に供給される。原料ガス供給装
置26の構成を以下に説明する。容器32に収容された
液体原料30は、加圧ガス34で加圧されて、流量制御
器36を通って気化器38に流入する。一方、キャリア
ガス40は、流量制御器42を通って気化器38に流入
する。気化器38では液体原料が気化して原料ガスとな
り、これがバルブ28を通って拡散装置24に供給され
る。気化器38から拡散装置24に至る配管はヒータ4
4で加熱され、拡散装置24もヒータ46で加熱され
る。反応室10もヒータ48で加熱される。
【0013】次に、排気系を説明する。反応室10はバ
ルブ50と可変バルブ52を介して油回転ポンプ54で
排気される。可変バルブ52と油回転ポンプ54との間
の排気管56にはガス分解装置58が設けられている。
このガス分解装置58は、気密容器の内部にガス接触体
を配置したものであり、気密容器の入口が可変バルブ5
2の側の排気管56aに接続され、気密容器の出口が油
回転ポンプ54の側の排気管56bに接続されている。
気密容器の外周にはヒータ60が巻かれていて、このヒ
ータ60で気密容器の内部のガス接触体を所望の温度に
加熱できる。ヒータ60は、シースヒータを気密容器の
外周面に巻き付けたものである。ガス接触体の温度は熱
電対62で測定され、この温度が所定の温度になるよう
に温度調節装置64からヒータ60に電力が供給され
る。
【0014】図2はガス分解装置の構造の一例を示す断
面図である。円筒状の気密容器65の内部には円柱形状
のガス接触体67が配置されている。ガス接触体67の
外周面は気密容器65の内周面に接触しているので、排
気管56aから気密容器65に流入するガスは、ガス接
触体67を通過してから、排気管56bへと流出してい
く。気密容器65の外壁面にはヒータ60が巻き付けら
れている。また、ヒータ60を取り囲むようにヒータカ
バー61が設けられている。ガス接触体67としては多
孔質の金属を用いることができる。その一例としては、
Energy Research and Generation 社製のアルミニウム
製の「Duocel」(商品名)がある。そのアルミニウムの
表面はアルミナ化処理されている。また、多孔質の金属
の代わりに、金属製あるいはセラミックス製のハニカム
構造体を用いることもできる。これらのガス接触体の表
面積は、同じ長さの排気管の内壁面の表面積に比べて非
常に大きくなっている。加熱されたガス接触体67に排
気ガスが接触すると、排気ガスはガス接触体の表面で熱
分解して、より小さな分子量の分解物になり、これがガ
ス接触体67の表面に堆積する。なお、実験によれば、
ガス接触体67を配置した場合と配置しない場合とで、
排気系全体の排気速度の違いはほとんどなく、ガス接触
体67を設けたことによる排気速度の低下は無視できる
ほど小さい。
【0015】次に、図1のCVD装置の基本的な働きを
説明する。反応室10を排気するとともに基板14を所
定温度に加熱してから、原料ガス供給装置26から原料
ガスを拡散装置24を介して反応室10に導入する。原
料ガスは基板14の表面で熱分解して、基板14上に膜
が堆積する。原料ガスが熱分解すると反応生成物ガスが
反応室10内に発生する。この反応生成物ガスと未反応
の原料ガスは、バルブ50と可変バルブ52を経て、油
回転ポンプ54で排気される。その際、油回転ポンプ5
4の手前のガス分解装置58において、加熱されたガス
接触体に排気ガスが触れて熱分解する。分解生成物はガ
ス接触体の表面に堆積する。ガス分解装置58を通過し
て低分子量となった排気ガスは油回転ポンプ54で排気
される。低分子量となった排気ガスは油回転ポンプ54
のオイルを変質させることがなく、油回転ポンプ54の
排気速度は低下しない。
【0016】図1で使用している原料ガス供給装置26
は、液体原料の状態で流量制御をしているので、安定し
た流量が得られ、原料ガスを大量に流すことができる。
原料ガスを大量に流すことで、高い成膜速度を得ること
ができる。しかし、未反応の原料ガスや反応生成物ガス
も増加するので、ガス分解装置58がない場合には、油
回転ポンプ54のオイルが変質して排気速度の低下が心
配される。これに対して、図1のCVD装置では、ガス
分解装置58を用いているので、大量の原料ガスを流し
ても、油回転ポンプの排気速度は低下しない。このよう
に大量の原料ガスを流す場合には、ガス分解装置58を
設置することは特に効果的である。図1に示すタイプの
原料ガス供給装置26を使う原料ガスは、液体状態で流
量制御できる原料であり、例えば、銅堆積用の[トリメ
チルビニルシリル]ヘキサフルオロアセチルアセトン酸
塩銅や、アルミニウム堆積用のジメチルエチルアミンア
ランなどがある。
【0017】図3はこの発明のCVD装置の第2の実施
形態の構成図である。図1の実施形態と異なるところ
は、油回転ポンプの前段にルーツポンプ(メカニカルブ
ースタポンプとも呼ばれる。)を配置したことと、ガス
分解装置の構成が異なることである。以下、図1と異な
る部分を中心に説明する。可変バルブ52の下流側に
は、ルーツポンプ66とガス分解装置68と油回転ポン
プ54が、上流側から下流側に向かって、この順番に配
置されている。したがって、反応室10とルーツポンプ
66の吸気口との間に第1排気管69が接続され、ルー
ツポンプ66の排気口と油回転ポンプ54の吸気口との
間に第2排気管70で接続されている。そして、第2排
気管70の途中にガス分解装置68が接続されている。
ルーツポンプ66は、1対のロータを互いに噛み合わせ
て回転する形式の純粋な機械式の真空ポンプであり、オ
イルを使っていないので、オイルの変質による排気速度
の劣化は生じない。したがって、ガス分解装置68の前
段にルーツポンプ66を配置することは可能である。油
回転ポンプ54のほかにルーツポンプ66を併用したこ
とで、安定した排気特性が得られる。
【0018】次に、ガス分解装置68の構造を説明す
る。この実施形態のガス分解装置68では、ガス接触体
72を加熱するためのヒータ74を気密容器76の内部
に配置している。これにより、高温のヒータ74が気密
容器76の外部に露出することがなくなる。したがっ
て、ヒータ74の熱が気密容器76の外部に伝わりにく
くなって、安全性が高まる。さらに気密容器76の外壁
を水冷すれば、ヒータ74の熱が外部に伝わるのを完全
に防止できる。また、このガス分解装置68では、気密
容器76に覗き窓78を設けて、ガス接触体72に堆積
する分解生成物の堆積量を外部から観察できるようにな
っている。さらに、ガス接触体72を着脱できる構造に
なっており、分解生成物の堆積量が多くなってきたら、
メタルシールで開閉可能な交換ポート80を外して、内
部のガス接触体72を交換できるようになっている。
【0019】ガス接触体72の温度は熱電対82で測定
され、この温度が所定の温度になるように温度調節装置
84からヒータ74に電力が供給される。熱電対82と
ヒータ74は、気密容器76に設けた端子部86を介し
て、温度調節装置84につながっている。
【0020】図5は、図3のガス分解装置68の具体的
な構造の一例を示す断面図である。ガス接触体72は、
中央に空所73を有する有底円筒形状をしており、円形
断面の空所73には排気管70aがつながっている。こ
のガス接触体72は気密容器76の内部に、所定の間隙
をもって収容されている。ガス接触体72の外周面には
ヒータ74が巻き付けられている。気密容器76の外壁
には排気管70bと覗き窓78が接合されている。気密
容器76の一端には交換ポート80が着脱可能に取り付
けられていて、この交換ポート80は排気管70aに接
合されている。排気管70aから空所73に流入したガ
スは、ガス接触体72を通過してその外面から出てい
き、排気管70bへと流出していく。ガス接触体72の
材質は図2に示すガス接触体67と同様である。ヒータ
74は気密容器76の内部にあるので排気ガスに触れる
ことになり、このヒータ74に分解生成物が堆積するこ
ともあるが、堆積しても問題はない。しかも、ガス接触
体72を通過した後のガスにヒータ74が接触すること
になるから、ヒータ74への分解生成物の堆積はそれほ
ど多くはならない。
【0021】図4はこの発明のCVD装置の第3の実施
形態の構成図である。反応室10の内部には基板ホルダ
ー12が配置され、基板14はランプ88で加熱され
る。反応室10の内部には、基板ホルダー12に対向す
るように、原料ガスの拡散装置90が設置されている。
原料ガスは、原料ガス供給装置92からバルブ94を経
て拡散装置90に供給される。原料ガス供給装置92の
構成を以下に説明する。この原料ガス供給装置92で
は、バブリング法によって原料ガスを得ている。液体原
料100の入った原料容器96は、温度調節されたウォ
ーターバス98に収容されている。キャリアガス102
は流量制御器104を通って液体原料100中に導入さ
れ、液体原料100をバブリングする。この原料ガス供
給装置92では、ウォーターバス98の温度を制御する
ことによって液体原料100の蒸気圧を制御し、もっ
て、発生する原料ガスの流量を制御できる。
【0022】次に、排気系の構成を説明する。可変バル
ブ52の下流側には、ルーツポンプ66とガス分解装置
106と油回転ポンプ54が、上流側から下流側に向か
って、この順番に配置されており、このような排気系の
構成は図3に示す実施形態と同じである。ただし、ガス
分解装置106の構成が図3の実施形態とは異なってい
る。この実施形態のガス分解装置106は、基本的には
図1のガス分解装置58と同様であるが、ヒータ108
を取り囲むように水冷ジャケット110を配置してい
る。これにより、高温のヒータ108が露出することが
なく、安全性が高まる。
【0023】
【実施例】第1の成膜例は、図1のCVD装置を用いて
基板上に銅を堆積する例である。原料ガス供給装置26
としては、リンテック社製のものを用いた。液体原料3
0としては[トリメチルビニルシリル]ヘキサフルオロ
アセチルアセトン酸塩銅(以下、Cu(hfac)(t
mvc)と略記することもある。)を用いた。具体的に
は、Air Products and Chemicals 社の SCHUMACHER 製
Cupra Selectを用いた。加圧ガス34としてはヘリウム
ガスを、キャリアガス40としては水素ガスを用いた。
気化器38では上記液体原料が気化して原料ガスとな
り、これが拡散装置24を経て反応室10に入る。Si
製の基板14の温度は170℃に設定した。基板14の
表面では上述の原料ガスが熱分解して、基板14の表面
に銅が堆積した。その際には、次の化学式(1)に示す
ような不均化反応が起こる。
【0024】
【化1】 2Cu(I)(hfac)(tmvs) → Cu(0) + Cu(II)(hfac)2 + 2tmvs …(1)
【0025】化学式(1)の左辺は原料ガスの[トリメ
チルビニルシリル]ヘキサフルオロアセチルアセトン酸
塩銅であり、その銅原子は1価である。化学式(1)の
右辺では、基板上に堆積する0価の銅と、2価の銅原子
を含むビスヘキサフルオロアセチルアセトン酸塩銅と、
トリメチルビニルシランとが生じる。原料ガスの[トリ
メチルビニルシリル]ヘキサフルオロアセチルアセトン
酸塩銅は、常温で液体で、蒸気圧は5Torr(100
℃)であり、70℃以上の温度で分解する。反応生成物
の一つであるビスヘキサフルオロアセチルアセトン酸塩
銅は、常温で固体で、蒸気圧は9Torr(100℃)
であり、300℃以上の温度で分解する。別の反応生成
物のトリメチルビニルシランは、常温で液体で、沸点は
55℃(1気圧)である。銅の膜を堆積すると、同じモ
ル数のビスヘキサフルオロアセチルアセトン酸塩銅が生
成され、これは、基板温度(170℃)及び反応室内の
温度では分解しない。
【0026】反応室からの排気ガスには、未反応の原料
ガスと、反応生成物ガスのビスヘキサフルオロアセチル
アセトン酸塩銅とトリメチルビニルシランとが含まれて
いる。この排気ガスは、バルブ38と可変バルブ52を
通って、ガス分解装置58に流入する。ガス分解装置5
8としては、Energy Research and Generation 社製の
アルミニウム製の Duocel を使用した。そのアルミニウ
ムの表面はアルミナ化処理されている。このガス分解装
置58のガス接触体は500℃に加熱されている。排気
ガスに含まれている上述の有機ガスは、500℃に加熱
されたガス接触体に触れて分解し、より低分子量の分解
生成物となる。そして、ガス接触体には銅などの分解生
成物が堆積する。ガス接触体を通過した排気ガスには有
機銅がほとんど含まれず、有機銅が油回転ポンプ54の
オイルに混入してオイルが変質することがなくなった。
ガス分解装置58を設けない場合には、油回転ポンプ5
4の排気速度が低下しており、そのとき、油回転ポンプ
のオイルに有機銅の混入を示す変色がみられ、有機銅の
結晶が認められた。ガス分解装置58を設けた場合に
は、油回転ポンプ54の排気速度は一定に保たれ、オイ
ルの変色や有機銅の結晶は見られなかった。
【0027】第2の成膜例は、図4のCVD装置を用い
て基板上にアルミニウムを堆積する例である。液体原料
100としては、ジメチルアルミニウムハイドライド
(DMAH)を用い、キャリアガス102としては水素
ガスを用いた。ジメチルアルミニウムハイドライドは、
キャリアガスでバブリングされて原料ガスとなり、拡散
装置90から反応室10内に導入された。原料ガスは、
加熱された基板14の表面で熱分解して、基板14上に
アルミニウムが堆積した。その際には、次の化学式
(2)に示すような反応が起こる。
【0028】
【化2】 2DMAH + H2 → 2Al + 4CH4 …(2)
【0029】この反応における反応生成物ガスはメタン
(CH4)であり、その分子量は16と小さい。したが
って、この反応生成物ガスが油回転ポンプのオイルを変
質させるおそれは少ない。しかし、未反応の原料ガスが
排気ガス中に相当含まれるため、この原料ガスが油回転
ポンプ54に流入すると問題になる。そこで、排気ガス
がガス分解装置106で分解される。このガス分解装置
106ではガス接触体を400℃に加熱した。このガス
分解装置106を通過することにより、未反応の原料ガ
スは、より低分子量の分解生成物となり、油回転ポンプ
54の排気速度は一定に保たれた。
【0030】
【発明の効果】この発明は反応室と排気ポンプの間に配
置したガス接触体を加熱して、このガス接触体で未反応
の原料ガスと反応生成物ガスとを熱分解するようにした
ので、排気ガスに含まれる有機金属ガスなどが効果的に
分解されて、排気ポンプの排気速度の低下を防ぐことが
できる。また、加熱したガス接触体を用いるだけなの
で、ガス分解装置の構造が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のCVD装置の一実施形態の構成図で
ある。
【図2】ガス分解装置の構造の一例を示す断面図であ
る。
【図3】この発明のCVD装置の第2の実施形態の構成
図である。
【図4】この発明のCVD装置の第3の実施形態の構成
図である。
【図5】ガス分解装置の別の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
10 反応室 12 基板ホルダー 14 基板 24 拡散装置 26 原料ガス供給装置 54 油回転ポンプ 56 排気管 58 ガス分解装置 60 ヒータ 62 熱電対 64 温度調節装置

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空に排気可能な反応室内で原料ガスを
    化学反応させて基体上に成膜するCVD装置において、 反応室と排気ポンプとをつなぐ排気管の途中に、加熱可
    能なガス接触体を設けたことを特徴とするCVD装置。
  2. 【請求項2】 前記ガス接触体は、同じ長さの前記排気
    管の内壁面に比べて大きな表面積を有することを特徴と
    する請求項1記載のCVD装置。
  3. 【請求項3】 前記ガス接触体は多孔質構造であること
    を特徴とすることを特徴とする請求項2記載のCVD装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ガス接触体の材質は金属であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のCV
    D装置。
  5. 【請求項5】 前記ガス接触体は、少なくともその表面
    の材質がセラミックスであることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1項に記載のCVD装置。
  6. 【請求項6】 前記排気ポンプは油回転ポンプであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のCVD装置。
  7. 【請求項7】 前記ガス接触体は、入口と出口を有する
    気密容器の内部に配置され、この気密容器に、前記ガス
    接触体を目視できる覗き窓が設けられていることを特徴
    とする請求項1記載のCVD装置。
  8. 【請求項8】 真空に排気可能な反応室内で原料ガスを
    化学反応させて基体上に成膜するCVD装置において、 反応室と第1排気ポンプの吸気口との間を第1排気管で
    接続し、前記第1排気ポンプの排気口と第2排気ポンプ
    の吸気口との間を第2排気管で接続し、前記第2排気管
    の途中に、加熱可能なガス接触体を設けたことを特徴と
    するCVD装置。
  9. 【請求項9】 前記第1排気ポンプはルーツポンプであ
    リ、前記第2排気ポンプは油回転ポンプであることを特
    徴とする請求項8記載のCVD装置。
  10. 【請求項10】 真空に排気可能な反応室内で原料ガス
    を化学反応させて基体上に成膜するCVD方法におい
    て、 反応室と排気ポンプとをつなぐ排気管の途中で、加熱し
    たガス接触体に排気ガスを接触させて排気ガスを熱分解
    することを特徴とするCVD方法。
  11. 【請求項11】 前記ガス接触体を200〜600℃の
    範囲内の温度に加熱することを特徴とする請求項10記
    載のCVD方法。
  12. 【請求項12】 前記原料ガスは、金属元素を含む有機
    ガスまたは半導体元素を含む有機ガスであることを特徴
    とする請求項10記載のCVD方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002057126A (ja) * 2000-08-10 2002-02-22 Fujitsu Ltd 半導体装置とその製造方法
US6471781B1 (en) * 1997-08-21 2002-10-29 Anelva Corporation Method of depositing titanium nitride thin film and CVD deposition apparatus
JP2017170326A (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 大陽日酸株式会社 排ガス処理装置、及び排ガス処理方法

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